JP6858660B2 - 保護制御装置 - Google Patents

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Description

本開示は、保護制御装置に関し、特に、2つの送電線を保護するための保護制御装置に関する。
従来、電力系統で発生した事故または異常を検出するディジタル保護継電装置が使用されている。ディジタル保護継電装置は、電力系統から電流および電圧などの電気量(系統電気量)を収集することにより、事故等による過電圧、電圧の不足、または過電流などが発生したことを検出し、遮断器へ制御信号を送出する。高信頼性が要求されるディジタル保護継電装置は、主検出リレー要素と事故検出リレー要素とを組み合わせた二重化構成にされる場合が多い。
例えば、特開2012−120281号公報(特許文献1)は、保護継電装置を開示している。この保護継電装置は、主検出保護継電要素を構成する回路部分を収納する第1の基板と、事故検出保護継電要素を構成する回路部分を収納する第2の基板と、主検出保護継電要素が保護対象の故障検出したときに閉成する第1の接点と事故検出保護継電要素が保護対象の故障検出したときに閉成する第2の接点からなり、遮断器の操作信号を与える第1の直列回路と、第1の基板内に設けられ保護対象における状態変化を検知する第1の状態変化検知回路と、第2の基板内に設けられ保護対象における状態変化を検知する第2の状態変化検知回路を備え、正常時は第1の状態変化検知回路を、第1の基板における基板異常発生時には第2の状態変化検知回路を選択して外部出力する信号送出部を備える。
特開2012−120281号公報
特許文献1に係る保護継電装置は、単独の送電線を保護対象として想定した構成となっており、2つの送電線を保護対象とする技術については何ら教示ないし示唆していない。
本開示のある局面における目的は、2つの送電線を保護対象とする場合に、信頼性の向上を図ることが可能な保護制御装置を提供することである。
ある実施の形態に従うと、母線に接続された第1送電線および第2送電線を保護する保護制御装置が提供される。保護制御装置は、複数の機能部をそれぞれ含む主検出部および事故検出部と、複数の接点を有する直列回路とを備える。主検出部および事故検出部の各々は、母線の電圧と第1送電線の電流とを用いて第1送電線を保護するための第1保護演算を行ない、母線の電圧と第2送電線の電流とを用いて第2送電線を保護するための第2保護演算を行なう。直列回路は、直列接続された第1接点および第2接点が閉成状態である場合に第1送電線に設けられた第1遮断器を開放するための操作信号を与え、直列接続された第3接点および第4接点が閉成状態である場合に第2送電線に設けられた第2遮断器を開放するための操作信号を与えるように構成されている。主検出部は、第1保護演算により第1送電線の事故を検出した場合には第1接点を閉成するように動作し、第2保護演算により第2送電線の事故を検出した場合には第3接点を閉成するように動作する。事故検出部は、第1保護演算により第1送電線の事故を検出した場合には第2接点を閉成するように動作し、第2保護演算により第2送電線の事故を検出した場合には第4接点を閉成するように動作する。
本開示によると、2つの送電線を保護対象とする場合に、信頼性の向上を図ることが可能となる。
保護制御システムの構成例を示す図である。 主検出部および事故検出部のハードウェア構成の一例を示す図である。 各機能部において想定される異常内容と、異常内容の検出方式とを説明するための図である。 DI回路の構成を説明するための模式図である。 主検出部による制御信号の出力処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。また、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。
<システム構成>
図1は、保護制御システム1000の構成例を示す図である。保護制御システム1000は、1つの保護制御装置10を用いて、母線2に接続された2つ送電線51,52を保護するためのシステムである。例えば、保護制御装置10は、母線2を含む電気所に配置される。
図1を参照して、保護制御システム1000は、保護制御装置10と、母線2と、送電線51,52と、遮断器61,62と、電流検出器71,72と、電圧検出器80と、電源82,84とを含む。保護制御装置10は、主検出部100Aと事故検出部100Bとを含む検出部100と、直列回路90とを含む。保護制御装置10は、主検出部100Aと事故検出部100Bとを組み合わせた二重化構成を採用している。
遮断器61は送電線51に設けられ、遮断器62は送電線52に設けられる。遮断器61は、電源82から電圧入力を受けることにより開放(OFF状態に制御)される。すなわち、電源82からの電圧入力は、遮断器61を開放するための操作信号(トリップ指令)に相当する。遮断器62は、電源84から電圧入力を受けることにより開放される。すなわち、電源84からの電圧入力は、遮断器62を開放するための操作信号に相当する。
電流検出器71は、送電線51に流れる電流を検出し、その電流の電流値Iaを主検出部100Aおよび事故検出部100Bに入力する。電流検出器72は、送電線52に流れる電流を検出し、その電流の電流値Ibを主検出部100Aおよび事故検出部100Bに入力する。
電圧検出器80は、母線2の電圧(以下「母線電圧」とも称する。)を検出し、その電圧の電圧値Vを主検出部100Aおよび事故検出部100Bに入力する。
保護制御装置10では、ハードウェアを主検出部100Aと事故検出部100Bとに分離している。主検出部100Aおよび事故検出部100Bの各々は、電流検出器71,72からそれぞれ電流値Ia,Ibを取り込み、電圧検出器80から電圧値Vを取り込む。そして、主検出部100Aおよび事故検出部100Bの各々は、これらの電気量を用いて保護演算を行ない、保護対象の送電線51,52において事故が発生したと判定した場合、直列回路90の各接点に制御信号を出力する。具体的な保護制御装置10の動作については後述する。
直列回路90は、複数の常開接点を含み、遮断器61,62に操作信号を与える。直列回路90には、電源82,84が接続されている。具体的には、直列回路90は、直列接続された接点XM1aおよび接点XF1aが閉成状態(ON状態)である場合に遮断器61を開放するための操作信号を与える。直列回路90は、直列接続された接点XM1bおよび接点YF1aが閉成状態である場合に遮断器61を開放するための操作信号を与える。直列回路90は、直列接続された接点YM1aおよび接点XF1bが閉成状態である場合に遮断器61を開放するための操作信号を与える。
直列回路90は、直列接続された接点XM2aおよび接点XF2aが閉成状態である場合に遮断器62を開放するための操作信号を与える。直列回路90は、直列接続された接点XM2bおよび接点YF2aが閉成状態である場合に遮断器62を開放するための操作信号を与える。直列回路90は、直列接続された接点YM2aおよび接点XF2bが閉成状態である場合に遮断器62を開放するための操作信号を与える。
直列回路90は、接点YF1bが閉成状態である場合、事故検出部100Bの一部(具体的には、送電線51を保護するための機能部)に異常が発生したことを示す通知信号を給電制御所(図示しない)に与える。直列回路90は、接点YM1bが閉成状態である場合、主検出部100Aの一部(具体的には、送電線51を保護するための機能部)に異常が発生したことを示す通知信号を給電制御所に与える。
直列回路90は、接点YM2bが閉成状態である場合、主検出部100Aの一部(具体的には、送電線52を保護するための機能部)に異常が発生したことを示す通知信号を給電制御所に与える。直列回路90は、接点YF2bが閉成状態である場合、事故検出部100Bの一部(具体的には、送電線52を保護するための機能部)に異常が発生したことを示す通知信号を給電制御所に与える。
<ハードウェア構成>
主検出部100Aのハードウェア構成について説明する。なお、事故検出部100Bのハードウェア構成は、主検出部100Aのハードウェア構成と同様であるため、ここでは、その詳細な説明は行なわない。
図2は、主検出部100Aおよび事故検出部100Bのハードウェア構成の一例を示す図である。図2を参照して、主検出部100Aおよび事故検出部100Bの各々は、AD(Analog to Digital)変換部20と、演算部30と、DI部36と、DO部37とを含む。補助変成器40は、電流検出器71,72および電圧検出器80から取り込んだ電気量を、より小さな電気量に変換して、主検出部100Aおよび事故検出部100Bに出力する。
AD変換部20は、補助変成器40から出力される電気量(アナログ量)を取り込んでディジタルデータに変換する。具体的には、AD変換部20は、フィルタ21a,21b,21cと、SH回路(サンプルホールド回路)22a〜22cと、マルチプレクサ26と、AD変換器27と、高調波発生回路28とを含む。
フィルタ21a〜21cは、アナログフィルタであり、補助変成器40から出力される電流および電圧の波形信号から高周波のノイズ成分を除去する。具体的には、フィルタ21aは、電流値Iaを示す信号のノイズ成分を除去して、SH回路22aに出力する。フィルタ21bは、電流値Ibを示す信号のノイズ成分を除去して、SH回路22bに出力する。フィルタ21cは、電圧値Vを示す信号のノイズ成分を除去して、SH回路22cに出力する。
SH回路22a〜22cは、それぞれフィルタ21a〜21cから出力された電流および電圧の波形信号を予め定められたサンプリング周期でサンプリングする。マルチプレクサ26は、演算部30から入力されるタイミング信号に基づいて、SH回路22a〜22cから入力される波形信号を時系列で順次切り替えてAD変換器27に入力する。
AD変換器27は、マルチプレクサ26から入力される波形信号をアナログデータからディジタルデータに変換する。AD変換器27は、ディジタル変換した波形信号(ディジタルデータ)を演算部30へ出力する。
高調波発生回路28は、高調波の監視用信号を発生する。高調波発生回路28は、補助変成器40から出力される電気量に重畳する形で、高調波の監視用信号をフィルタ21a〜21cに対して出力する。そのため、フィルタ21a〜21cには電気量と、高調波発生回路28からの監視用信号とが重畳入力される。
演算部30は、マイクロコンピュータを主体として構成される。具体的には、演算部30は、CPU(Central Processing Unit)32と、ROM(Read Only Memory)33と、RAM(Random access memory)34と、ウォッチドックタイマ(WDT)35とを含む。
CPU32は、制御部として、予めROM33に格納されたプログラムを読み出して実行することによって、主検出部100A(または事故検出部100B)の動作を制御する。CPU32は、たとえば、マイクロプロセッサである。なお、当該ハードウェアは、CPU以外のFPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびその他の演算機能を有する回路などであってもよい。
具体的には、CPU32は、バス31を介して、AD変換部20からディジタルデータを取り込む。CPU32は、ROM33に格納されているプログラムに従って、取り込んだディジタルデータを用いて保護演算を実行する。CPU32は、保護演算結果に基づいて、保護区間(送電線51および送電線52)の事故の有無を判定する。CPU32は、事故を検出した場合(たとえば、演算値が整定値を上回っている場合)には、DO部37を介して、送電線51,52を保護するために直列回路90の接点に対して制御信号を出力する。
WDT35は、CPU32が正常に稼働しているか否かを定期的に監視する。典型的には、CPU32が故障等により暴走すると,CPU32はWDT35に対して定期的にリセット信号を送信しなくなる。そのため、WDT35は,リセット信号が所定時間受信されなかった時点で,CPU32について制御不能状態の異常が発生したと判断し、DO部37にエラー信号を出力する。
DI部36は、DI回路36aと、DI回路36bとを含む。DI回路36aは、遮断器61の開閉状態を示す信号Saの入力を受ける。DI回路36aは、遮断器62の開閉状態を示す信号Sbの入力を受ける。
DO部37は、DO回路37a〜37dを含む。具体的には、主検出部100AのDO回路37aは、接点YM1a,YM1b(以下、接点「YM1」とも総称する。)を閉成するための制御信号D1を当該各接点に与える(出力する)。主検出部100AのDO回路37bは、接点YM2a,YM2b(以下、接点「YM2」とも総称する。)を閉成するための制御信号D2を当該各接点に与える。主検出部100AのDO回路37cは、接点XM1a,XM1b(以下、接点「XM1」とも総称する。)を閉成するための制御信号D3を当該各接点に与える。主検出部100AのDO回路37dは、接点XM2a,XM2b(以下、接点「XM2」とも総称する。)を閉成するための制御信号D4を当該各接点に与える。
事故検出部100BのDO回路37aは、接点YF1a,YF1b(以下、接点「YF1」とも総称する。)を閉成するための制御信号D5を当該各接点に与える。事故検出部100BのDO回路37bは、接点YF2a,YF2b(以下、接点「YF2」とも総称する。)を閉成するための制御信号D6を当該各接点に与える。事故検出部100BのDO回路37cは、接点XF1a,XF1b(以下、接点「XF1」とも総称する。)を閉成するための制御信号D7を当該各接点に与える。事故検出部100BのDO回路37dは、接点XF2a,XF2b(以下、接点「XF2」とも総称する。)を閉成するための制御信号D8を当該各接点に与える。
<保護制御装置10の動作>
保護制御装置10は、主検出部100Aおよび事故検出部100Bを有しており、各部は独立して予め定められた処理を実行する。主検出部100Aおよび事故検出部100Bの各々は、送電線51の事故検出機能と、送電線52の事故検出機能と、内部の異常検出機能とを有している。以下、図1および図2を参照しながら、主検出部100Aおよび事故検出部100Bの具体的な動作について説明する。
(通常時の動作)
まず、主検出部100Aおよび事故検出部100Bに内部異常が発生していない通常時の動作について説明する。
主検出部100Aは、母線2の電圧値Vと送電線51の電流値Iaとを用いて、送電線51を保護するための保護演算を行なう。主検出部100Aは、当該保護演算結果により送電線51の事故を検出した場合には接点XM1を閉成するように動作する。具体的には、主検出部100Aは、制御信号D3を接点XM1に出力する。
主検出部100Aは、母線2の電圧値Vと送電線52の電流値Ibとを用いて、送電線52を保護するための保護演算を行なう。主検出部100Aは、当該保護演算結果により送電線52の事故を検出した場合には接点XM2を閉成するように動作する。具体的には、主検出部100Aは、制御信号D4を接点XM2に出力する。
事故検出部100Bは、母線2の電圧値Vと送電線51の電流値Iaとを用いて、送電線51を保護するための保護演算を行なう。事故検出部100Bは、当該保護演算結果により送電線51の事故を検出した場合には接点XF1を閉成するように動作する。具体的には、事故検出部100Bは、制御信号D7を接点XF1に出力する。
事故検出部100Bは、母線2の電圧値Vと送電線52の電流値Ibとを用いて、送電線52を保護するための保護演算を行なう。事故検出部100Bは、当該保護演算結果により送電線52の事故を検出した場合には接点XF2を閉成するように動作する。具体的には、事故検出部100Bは、制御信号D8を接点XF2に出力する。
これにより、主検出部100Aおよび事故検出部100Bの両方が送電線51の事故を検出した場合には、接点XM1および接点XF1が閉成されるため、電源82からの電圧入力を受けて遮断器61が開放される。また、主検出部100Aおよび事故検出部100Bの両方が送電線52の事故を検出した場合には、接点XM2および接点XF2が閉成されるため、電源84からの電圧入力を受けて遮断器62が開放される。
なお、主検出部100Aによる送電線51を保護するための保護演算と、事故検出部100Bによる当該保護演算とは同じ演算原理であってもよいし、異なる演算原理であってもよい。同様に、主検出部100Aによる送電線52を保護するための保護演算と、事故検出部100Bによる当該保護演算とは同じ演算原理であってもよいし、異なる演算原理であってもよい。
(異常発生時の動作)
次に、主検出部100Aおよび事故検出部100Bに内部異常が発生する場合の動作について説明する。
主検出部100Aおよび事故検出部100Bは、複数の機能部を含んでおり、各機能部の異常を検出できる。具体的には、複数の機能部は、アナログ信号の電気量をディジタル信号に変換する機能を有するAD変換部20と、各種演算機能を有する演算部30と、遮断器61,62の開閉状態を受信する機能を有するDI部36と、各接点に制御信号を出力する機能を有するDO部37とを含む。
主検出部100Aおよび事故検出部100Bの各々は、機能部に発生した異常内容が送電線51の保護のみに影響を与えるものなのか、送電線52の保護のみに影響を与えるものなのか、送電線51,52の両方の保護に影響を与えるものなのかを判断する。
図3は、各機能部において想定される異常内容と、異常内容の検出方式とを説明するための図である。図3を参照して、AD変換部20の異常内容としては、電流値Ia,Ibおよび電圧値Vを取り込む(入力を受ける)ための回路(例えば、オペアンプ)の故障が想定される。
具体的には、電流値Iaの入力を受ける回路(以下、「電流入力回路Ea」とも称する。)は、フィルタ21aおよびSH回路22aに相当する。電流値Ibの入力を受ける回路(以下、「電流入力回路Eb」とも称する。)は、フィルタ21bおよびSH回路22bに相当する。電圧値Vの入力を受ける回路(以下、「電圧入力回路Ec」とも称する。)は、フィルタ21cおよびSH回路22cに相当する。
典型的には、CPU32は、AD変換部20から受信した電流値Iaに重畳入力された監視用信号を抽出し、当該抽出された監視用信号の振幅値と、規定値(例えば、高調波発生回路28から出力された監視用信号の振幅値)とを比較する。CPU32は、当該抽出された監視用信号の振幅値と規定値との差分が予め定められた範囲内である場合には、電流入力回路Eaは正常であると判断し、当該差分が予め定められた範囲外である場合には電流入力回路Eaに異常が発生していると判断する。CPU32は、同様の方式により、電流入力回路Ebおよび電圧入力回路Ecの異常を検出する。
電流値Iaは送電線51の保護演算に用いられ、電流値Ibは送電線52の保護演算に用いられ、電圧値Vは送電線51,52の両方の保護演算に用いられる。そのため、AD変換部20のうちの電流入力回路Eaは、送電線51を保護するための(送電線51の保護に必要な)機能部に対応する。電流入力回路Ebは、送電線52を保護するための機能部に対応する。電圧入力回路Ecは、送電線51,52を保護するための機能部に対応する。換言すると、電圧入力回路Ecは、送電線51を保護するための機能部であり、かつ送電線52を保護するための機能部である。
したがって、電流入力回路Eaの異常は送電線51の保護のみに影響を与え、電流入力回路Ebの異常は送電線52の保護のみに影響を与え、電圧入力回路Ecの異常は送電線51,52の両方の保護に影響を与える。
演算部30の異常内容としては、CPU32の故障が想定される。例えば、CPU32の健全性は、WDT35により確認できる。送電線51,52の保護演算を実行する主体であるCPU32は、送電線51,52を保護するための機能部に対応する。具体的には、CPU32の異常は、送電線51,52の両方の保護に影響を与える。
DI部36の異常内容としては、フォトカプラの故障が想定される。図4は、DI回路の構成を説明するための模式図である。図4を参照して、DI回路36aは、2つのフォトカプラ371,372を含む。具体的には、各フォトカプラ371,372は、遮断器61の開閉状態を示す信号Saの入力を受けて、当該信号SaをCPU32に対して出力する。
典型的には、CPU32は、フォトカプラ371から受信した信号Saと、フォトカプラ372から受信した信号Saとを比較して、これらが一致するか否かを判定する。CPU32は、これらが一致する場合にはDI回路36aが正常であると判断し、これらが一致しない場合にはDI回路36aが異常であると判断する。DI回路36bも2つのフォトカプラ371,372を含んでいるため、CPU32は、上述した方式によりDI回路36bが異常か否かを判断できる。
DI回路36aは送電線51の保護に用いられ、DI回路36bは送電線52の保護に用いられる。そのため、DI回路36aは、送電線51を保護するための機能部に対応し、DI回路36bは、送電線52を保護するための機能部に対応する。具体的には、DI回路36aの異常は、送電線51の保護のみに影響を与え、DI回路36bの異常は、送電線52の保護のみに影響を与える。
DO部37の異常内容としては、DO回路内の部品(例えば、出力リレーのドライバ回路)の故障が想定される。事故検出の際に用いられるDO回路(例えば、DO回路37c,37d)は、CPU32の指示に従う信号を各接点に出力する一方で、当該信号をCPU32に入力するように構成される。
典型的には、CPU32は、出力点検時(例えば、1週間に1回)に、点検用のパルスを各DO回路37c,37dを介して出力する。なお、パルス信号の出力レベルは、各接点を閉成させないレベルに設定されている。例えば、CPU32は、各DO回路37cを介して出力されたパルス信号と、自身に入力されたパルス信号とを比較して、これらが一致するか否かを判定する。CPU32は、これらが一致する場合にはDO回路37cが正常であると判断し、これらが一致しない場合にはDO回路37cが異常であると判断する。CPU32は、上述した方式によりDO回路37dが異常か否かを判断できる。
DO回路37cは送電線51の保護に用いられ、DO回路37dは送電線52の保護に用いられる。そのため、DO回路37cは、送電線51を保護するための機能部に対応し、DO回路37dは、送電線52を保護するための機能部に対応する。具体的には、DO回路37cの異常は、送電線51の保護のみに影響を与え、DO回路37dの異常は、送電線52の保護のみに影響を与える。
このように、主検出部100Aおよび事故検出部100Bの各々に含まれる複数の機能部は、送電線51の保護のみに影響を与える機能部と、送電線52の保護のみに影響を与える機能部と、送電線51および送電線52の両方の保護に影響を与える機能部とに分類される。
主検出部100Aは、送電線51を保護するための機能部(例えば、電流入力回路Ea、電圧入力回路Ec、DI回路36a、DO回路37c、CPU32)の異常を検出した場合、接点YM1を閉成するように動作する。具体的には、主検出部100AのCPU32は、DO回路37aを介して制御信号D1を接点YM1a,YM1bに出力する。接点YM1aは接点XF1bと直列接続されている。そのため、事故検出部100Bに内部異常が発生していない場合には、送電線51の保護は事故検出部100Bにより行なわれる。送電線52の保護は、主検出部100Aおよび事故検出部100Bにより行なわれる。なお、接点YM1bが閉成されることにより、主検出部100Aにおける、送電線51を保護するための機能部に異常が発生していることを示す通知信号K1が給電制御所に与えられる。
事故検出部100Bが、送電線51を保護するための機能部の異常を検出した場合、接点YF1を閉成するように動作する。具体的には、事故検出部100BのCPU32は、DO回路37aを介して制御信号D5を接点YF1a,YF1bに出力する。接点YF1aは接点XM1bと直列接続されている。そのため、主検出部100Aに内部異常が発生していない場合には、送電線51の保護は主検出部100Aより行われる。送電線52の保護は、主検出部100Aおよび事故検出部100Bにより行われる。なお、接点YF1bが閉成されることにより、事故検出部100Bにおける、送電線51を保護するための機能部に異常が発生していること示す通知信号K2が給電制御所に与えられる。
これにより、主検出部100Aおよび事故検出部100Bのうちの一方において、送電線51を保護するための機能部に異常が発生した場合、他方の保護機能が有効であるため送電線51の運用を継続できる。送電線52に関しては、両方の保護機能が有効であるため、通常時と同じ信頼性を確保しつつ運用を継続できる。
また、主検出部100Aは、送電線52を保護するための機能部(例えば、電流入力回路Eb、電圧入力回路Ec、DI回路36b、DO回路37d、CPU32)の異常を検出した場合、接点YM2を閉成するように動作する。具体的には、主検出部100AのCPU32は、DO回路37bを介して制御信号D2を接点YM2a,YM2bに出力する。接点YM2aは接点XF2bと直列接続されている。そのため、事故検出部100Bに内部異常が発生していない場合には、送電線52の保護は事故検出部100Bにより継続される。送電線51の保護は、主検出部100Aおよび事故検出部100Bにより行われる。なお、接点YM2bが閉成されることにより、主検出部100Aにおける、送電線52を保護するための機能部に異常が発生していることを示す通知信号K3が給電制御所に与えられる。
事故検出部100Bが、送電線52を保護するための機能部の異常を検出した場合、接点YF2を閉成するように動作する。具体的には、事故検出部100BのCPU32は、DO回路37bを介して制御信号D6を接点YF2a,YF2bに出力する。接点YF2aは接点XM2bと直列接続されている。そのため、主検出部100Aに内部異常が発生していない場合には、送電線52の保護は主検出部100Aより行われる。送電線51の保護は、主検出部100Aおよび事故検出部100Bにより行われる。なお、接点YF2bが閉成されることにより、事故検出部100Bにおける、送電線52を保護するための機能部に異常が発生していることを示す通知信号K4が給電制御所に与えられる。
これにより、主検出部100Aおよび事故検出部100Bのうちの一方において、送電線52を保護するための機能部に異常が発生した場合には、他方の保護機能が有効であるため送電線52の運用を継続できる。送電線51に関しては、両方の保護機能が有効であるため、通常時と同じ信頼性を確保しつつ運用を継続できる。
上記より、主検出部100Aは、送電線51および送電線52を保護するための機能部(例えば、電圧入力回路Ec、CPU32)の異常を検出した場合、接点YM1と接点YM2とを閉成するように動作することがわかる。具体的には、主検出部100AのCPU32は、電圧入力回路Ecの異常を検出した場合、DO回路37a,37bを介して、制御信号D1,D2を出力する。また、主検出部100AのWDT35は、CPU32の異常を検出した場合、DO回路37a,37bにエラー信号を出力する。これにより、DO回路37a,37bから制御信号D1,D2が出力される。
この場合には、主検出部100Aによる送電線51および送電線52の保護機能は停止する。そのため、事故検出部100Bに内部異常が発生していない場合には、送電線51および送電線52の保護は、事故検出部100Bにより行われる。
事故検出部100Bは、送電線51および送電線52を保護するための機能部の異常を検出した場合、接点YF1と接点YF2とを閉成するように動作する。この場合には、事故検出部100Bによる送電線51および送電線52の保護機能は停止する。そのため、主検出部100Aに内部異常が発生していない場合には、送電線51および送電線52の保護は、主検出部100Aにより行われる。
これにより、主検出部100Aおよび事故検出部100Bのうちの一方において、送電線51および送電線52の両方を保護するための機能部に異常が発生した場合には、他方の保護機能により送電線51,52の運用が継続される。
給電制御所は、通知信号K1のみの入力を受けた場合には、主検出部100Aにおける送電線51のみを保護するための機能部(例えば、電流入力回路Ea、DI回路36a、DO回路37c)に異常が発生していると判断し、通知信号K3のみの入力を受けた場合には、主検出部100Aにおける送電線52のみを保護するための機能部(例えば、電流入力回路Eb、DI回路36b、DO回路37d)に異常が発生していると判断する。
また、給電制御所は、通知信号K1およびK3の入力を受けた場合には、主検出部100Aにおける送電線51および送電線52を保護するための機能部(例えば、電圧入力回路Ec、CPU32、各電流入力回路Ea,Eb、各DI回路36a,36b、各DO回路37c,37d)に異常が発生していると判断できる。給電制御部では、通知信号K2,K4を受けることにより、事故検出部100Bにおける機能部の異常についても同様の判断が可能である。
<処理手順>
図5は、主検出部100Aによる制御信号の出力処理手順の一例を示すフローチャートである。典型的には、図5に示す主検出部100Aの各ステップは、主検出部100AのCPU32により実行される。ここでは、CPU32の異常は発生していないとする。
図5を参照して、主検出部100Aは、内部異常が発生しているか否かを判断する(ステップS10)。内部異常が発生している場合には(ステップS10においてYES)、主検出部100Aは後述するステップS20の処理を実行する。
内部異常が発生していない場合には(ステップS10においてNO)、主検出部100Aは、取得した電気量(電流値Iaおよび電圧値V)を用いて、送電線51を保護するための保護演算を実行し、送電線51に事故が発生しているか否かを判断する(ステップS12)。
送電線51に事故が発生している場合には(ステップS12においてYES)、主検出部100Aは、制御信号D3を接点XM1に出力して(ステップS14)、処理を終了する。送電線51に事故が発生していない場合には(ステップS12においてNO)、主検出部100Aは、取得した電気量(電流値Ibおよび電圧値V)を用いて、送電線52を保護するための保護演算を実行し、送電線52に事故が発生しているか否かを判断する(ステップS16)。
送電線52に事故が発生している場合には(ステップS16においてYES)、主検出部100Aは、制御信号D4を接点XM2に出力して(ステップS18)、処理を終了する。送電線52に事故が発生していない場合には(ステップS16においてNO)、主検出部100Aは、制御信号を出力することなく処理を終了する。
次に、ステップS20からの処理について説明する。主検出部100Aは、発生している内部異常が送電線51および送電線52の保護に影響を与える異常であるか否かを判断する(ステップS20)。例えば、主検出部100Aは、内部異常が電流入力回路Ea,Ebの両方の異常、電圧入力回路Ecの異常、DI回路36a,36bの両方の異常、およびDO回路37c,37dの両方の異常のいずれかであるか否かを判断する。
送電線51および送電線52の保護に影響を与える異常が発生している場合には(ステップS20においてYES)、主検出部100Aは、制御信号D1を接点YM1に出力するとともに、制御信号D2を接点YM2に出力して(ステップS22)、処理を終了する。そうではない場合には(ステップS20においてNO)、主検出部100Aは、内部異常が送電線51の保護のみに影響を与える異常であるか否かを判断する(ステップS24)。例えば、主検出部100Aは、内部異常が電流入力回路Eaの異常、DI回路36aの異常、およびDO回路37cの異常のいずれかであるか否かを判断する。
送電線51の保護のみに影響を与える異常が発生している場合には(ステップS24においてYES)、主検出部100Aは、制御信号D1を接点YM1に出力して(ステップS26)、処理を終了する。そうではない場合(すなわち、送電線52の保護のみに影響を与える異常)には、主検出部100Aは、制御信号D2を接点YM2に出力して(ステップS28)、処理を終了する。
なお、事故検出部100Bによる制御信号の出力処理手順は、図5の処理手順と同様である。具体的には、ステップS14においては、制御信号D7が接点XF1に出力される。ステップS18においては、制御信号D8が接点XF2に出力される。ステップS22においては、制御信号D5,D6がそれぞれ接点YF1,YF2に出力される。ステップS26においては、制御信号D5が接点YF1に出力される。ステップS28においては、制御信号D6が接点YF2に出力される。
<利点>
本実施の形態によると、2つの送電線51,52の事故検出を1つの保護制御装置により実現することができる。また、保護制御装置は、主検出部および事故検出部を組み合わせて二重化構成を採用しているため信頼性を高めることもできる。
本実施の形態によると、主検出部および事故検出部の内部異常が、送電線51の保護のみに影響を与える異常と、送電線52の保護のみに影響を与える異常と、送電線51および送電線52の保護に影響を与える異常とに分類されるため、信頼性を確保しつつ各送電線の運用をできるだけ継続することができる。
具体的には、異常内容を分類せずに一律に各送電線51,52の保護機能を停止する構成においては、例えば、主検出部で送電線51の保護に影響しない異常が発生した場合であっても、主検出部における送電線51の保護機能が停止される。そのため、事故検出部で内部異常が発生していなければ、送電線51については主検出部および事故検出部の二重化構成により保護することが可能であるにも関わらず、不要に信頼性を低下させてしまう。本実施の形態では、例えば、主検出部において、送電線51の保護のみに影響を与える異常が発生した場合、送電線52の保護機能は有効のままであるため、送電線52に関しては主検出部および事故検出部の二重化構成により保護できる。
本実施の形態では、主検出部および事故検出部の一方において、各送電線51,52の保護に影響を与える異常が発生した場合、一方による各送電線51,52の保護機能は停止されるが、他方により各送電線51,52の保護を継続できる。
[その他の実施の形態]
上述した実施の形態において、直列回路90の構成は図1のような回路構成に限られない。例えば、接点XM1aを除去し、接点XM1bの下端側と接点XF1aの上端側とを接続する構成であってもよい。接点XM1bを除去し、接点XM1aの下端側と接点YF1aの上端側とを接続する構成であってもよい。接点XF1aを除去し、接点XM1aの下端側と接点XF1bの上端側とを接続する構成であってもよい。接点XF1bを除去し、接点YM1aの下端側と接点XF1aの上端側とを接続する構成であってもよい。すなわち、接点XM1および接点XF1が直列接続され、接点XM1および接点YF1aが直列接続され、かつ接点YM1aおよび接点XF1が直列接続される構成であればよい。
同様に、接点XM2aを除去し、接点XM2bの下端側と接点XF2aの上端側とを接続する構成であってもよい。接点XM2bを除去し、接点XM2aの下端側と接点YF2aの上端側とを接続する構成であってもよい。接点XF2aを除去し、接点XM2aの下端側と接点XF2bの上端側とを接続する構成であってもよい。接点XF2bを除去し、接点YM2aの下端側と接点XF2aの上端側とを接続する構成であってもよい。すなわち、接点XM2および接点XF2が直列接続され、接点XM2および接点YF2aが直列接続され、かつ接点YM2aおよび接点XF2が直列接続される構成であればよい。
上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。
また、上述した実施の形態において、その他の実施の形態で説明した処理や構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 母線、10 保護制御装置、20 AD変換部、21a,21b,21c フィルタ、22a,22b,22c SH回路、26 マルチプレクサ、27 AD変換器、28 高調波発生回路、30 演算部、31 バス、32 CPU、33 ROM、34 RAM、35 WDT、36 DI部、37 DO部、40 補助変成器、51,52 送電線、61,62 遮断器、71,72 電流検出器、80 電圧検出器、82,84 電源、90 直列回路、100A 主検出部、100B 事故検出部、371,372 フォトカプラ、1000 保護制御システム。

Claims (8)

  1. 母線に接続された第1送電線および第2送電線を保護する保護制御装置であって、
    複数の機能部をそれぞれ含む主検出部および事故検出部と、
    複数の接点を有する直列回路とを備え、
    前記主検出部および前記事故検出部の各々は、前記母線の電圧と前記第1送電線の電流とを用いて前記第1送電線を保護するための第1保護演算を行ない、前記母線の電圧と前記第2送電線の電流とを用いて前記第2送電線を保護するための第2保護演算を行ない、
    前記直列回路は、直列接続された第1接点および第2接点が閉成状態である場合に前記第1送電線に設けられた第1遮断器を開放するための操作信号を与え、直列接続された第3接点および第4接点が閉成状態である場合に前記第2送電線に設けられた第2遮断器を開放するための操作信号を与えるように構成されており、
    前記主検出部は、前記第1保護演算により前記第1送電線の事故を検出した場合には前記第1接点を閉成するように動作し、前記第2保護演算により前記第2送電線の事故を検出した場合には前記第3接点を閉成するように動作し、
    前記事故検出部は、前記第1保護演算により前記第1送電線の事故を検出した場合には前記第2接点を閉成するように動作し、前記第2保護演算により前記第2送電線の事故を検出した場合には前記第4接点を閉成するように動作
    前記直列回路は、直列接続された前記第1接点および第5接点が閉成状態である場合に、前記第1遮断器を開放するための操作信号を与えるように構成されており、
    前記事故検出部は、当該事故検出部に含まれる複数の機能部のうち、前記第1送電線を保護するための機能部に異常が発生した場合、前記第5接点を閉成するようにさらに動作する、保護制御装置。
  2. 母線に接続された第1送電線および第2送電線を保護する保護制御装置であって、
    複数の機能部をそれぞれ含む主検出部および事故検出部と、
    複数の接点を有する直列回路とを備え、
    前記主検出部および前記事故検出部の各々は、前記母線の電圧と前記第1送電線の電流とを用いて前記第1送電線を保護するための第1保護演算を行ない、前記母線の電圧と前記第2送電線の電流とを用いて前記第2送電線を保護するための第2保護演算を行ない、
    前記直列回路は、直列接続された第1接点および第2接点が閉成状態である場合に前記第1送電線に設けられた第1遮断器を開放するための操作信号を与え、直列接続された第3接点および第4接点が閉成状態である場合に前記第2送電線に設けられた第2遮断器を開放するための操作信号を与えるように構成されており、
    前記主検出部は、前記第1保護演算により前記第1送電線の事故を検出した場合には前記第1接点を閉成するように動作し、前記第2保護演算により前記第2送電線の事故を検出した場合には前記第3接点を閉成するように動作し、
    前記事故検出部は、前記第1保護演算により前記第1送電線の事故を検出した場合には前記第2接点を閉成するように動作し、前記第2保護演算により前記第2送電線の事故を検出した場合には前記第4接点を閉成するように動作し、
    前記直列回路は、直列接続された前記第3接点および第6接点が閉成状態である場合に、前記第2遮断器を開放するための操作信号を与えるように構成されており、
    前記事故検出部は、当該事故検出部に含まれる複数の機能部のうち、前記第2送電線を保護するための機能部に異常が発生した場合、前記第6接点を閉成するようにさらに動作する、保護制御装置。
  3. 母線に接続された第1送電線および第2送電線を保護する保護制御装置であって、
    複数の機能部をそれぞれ含む主検出部および事故検出部と、
    複数の接点を有する直列回路とを備え、
    前記主検出部および前記事故検出部の各々は、前記母線の電圧と前記第1送電線の電流とを用いて前記第1送電線を保護するための第1保護演算を行ない、前記母線の電圧と前記第2送電線の電流とを用いて前記第2送電線を保護するための第2保護演算を行ない、
    前記直列回路は、直列接続された第1接点および第2接点が閉成状態である場合に前記第1送電線に設けられた第1遮断器を開放するための操作信号を与え、直列接続された第3接点および第4接点が閉成状態である場合に前記第2送電線に設けられた第2遮断器を開放するための操作信号を与えるように構成されており、
    前記主検出部は、前記第1保護演算により前記第1送電線の事故を検出した場合には前記第1接点を閉成するように動作し、前記第2保護演算により前記第2送電線の事故を検出した場合には前記第3接点を閉成するように動作し、
    前記事故検出部は、前記第1保護演算により前記第1送電線の事故を検出した場合には前記第2接点を閉成するように動作し、前記第2保護演算により前記第2送電線の事故を検出した場合には前記第4接点を閉成するように動作し、
    前記直列回路は、直列接続された第7接点および前記第2接点が閉成状態である場合に、前記第1遮断器を開放するための操作信号を与えるように構成されており、
    前記主検出部は、当該主検出部に含まれる複数の機能部のうち、前記第1送電線を保護するための機能部に異常が発生した場合、前記第7接点を閉成するようにさらに動作する、保護制御装置。
  4. 母線に接続された第1送電線および第2送電線を保護する保護制御装置であって、
    複数の機能部をそれぞれ含む主検出部および事故検出部と、
    複数の接点を有する直列回路とを備え、
    前記主検出部および前記事故検出部の各々は、前記母線の電圧と前記第1送電線の電流とを用いて前記第1送電線を保護するための第1保護演算を行ない、前記母線の電圧と前記第2送電線の電流とを用いて前記第2送電線を保護するための第2保護演算を行ない、
    前記直列回路は、直列接続された第1接点および第2接点が閉成状態である場合に前記第1送電線に設けられた第1遮断器を開放するための操作信号を与え、直列接続された第3接点および第4接点が閉成状態である場合に前記第2送電線に設けられた第2遮断器を開放するための操作信号を与えるように構成されており、
    前記主検出部は、前記第1保護演算により前記第1送電線の事故を検出した場合には前記第1接点を閉成するように動作し、前記第2保護演算により前記第2送電線の事故を検出した場合には前記第3接点を閉成するように動作し、
    前記事故検出部は、前記第1保護演算により前記第1送電線の事故を検出した場合には前記第2接点を閉成するように動作し、前記第2保護演算により前記第2送電線の事故を検出した場合には前記第4接点を閉成するように動作し、
    前記直列回路は、直列接続された第8接点および前記第4接点が閉成状態である場合に、前記第2遮断器を開放するための操作信号を与えるように構成されており、
    前記主検出部は、当該主検出部に含まれる複数の機能部のうち、前記第2送電線を保護するための機能部に異常が発生した場合、前記第8接点を閉成するようにさらに動作する、保護制御装置。
  5. 前記複数の機能部は、前記母線の電圧、前記第1送電線の電流、および前記第2送電線の電流を取り込んでディジタルデータに変換するAD(Analog Digital)変換部を含み、
    前記AD変換部は、
    前記第1送電線を保護するための機能部に対応する、前記第1送電線の電流値の入力を受ける回路と、
    前記第2送電線を保護するための機能部に対応する、前記第2送電線の電流値の入力を受ける回路と、
    前記第1送電線および前記第2送電線の両方を保護するための機能部に対応する、前記母線の電圧値の入力を受ける回路とを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の保護制御装置。
  6. 前記複数の機能部は、前記AD変換部により変換されたディジタルデータに基づいて前記第1保護演算および前記第2保護演算を行なう演算部をさらに含み、
    前記演算部は、前記第1送電線および前記第2送電線を保護するための機能部に対応するマイクロプロセッサを含む、請求項に記載の保護制御装置。
  7. 前記複数の機能部は、前記第1遮断器および前記第2遮断器の状態の入力を受け付ける入力部を含み、
    前記入力部は、前記第1送電線を保護するための機能部に対応する、前記第1遮断器の開閉状態を示す信号を受信する第1入力回路と、前記第2送電線を保護するための機能部に対応する、前記第2遮断器の開閉状態を示す信号を受信する第2入力回路とを含む、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の保護制御装置。
  8. 前記複数の機能部は、前記複数の接点の開閉を制御するための制御信号を出力する出力部をさらに含み、
    前記主検出部における前記出力部は、前記第1送電線を保護するための機能部に対応する、前記第1接点に制御信号を出力する第1出力回路と、前記第2送電線を保護するための機能部に対応する、前記第3接点に制御信号を出力する第2出力回路とを含み、
    前記事故検出部における前記出力部は、前記第1送電線を保護するための機能部に対応する、前記第2接点に制御信号を出力する第3出力回路と、前記第2送電線を保護するための機能部に対応する、前記第4接点に制御信号を出力する第4出力回路とを含む、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の保護制御装置。
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