JP6825820B2 - 調光素子、調光装置、並びに、調光素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、エレクトロクロミック層を備えた調光素子に関する。また、本発明は、この調光素子を基材上に積層した調光フィルムに関する。さらに、本発明は、調光素子の製造方法に関する。
近年、住宅、オフィス、航空機、列車、自動車等の窓の遮光用やフラットパネルディスプレイ(FPD)等の表示装置、発光素子、タッチパネル、ディスプレイ用調光フィルム等の種々の分野において調光フィルムが注目されている。この調光フィルムは、透明フィルム上に調光層を備えた調光素子を積層したものであり、通電することによって調光層の色が変化する調光機能をもっている。この調光フィルムは、厚みが薄いため、設置場所を選ばずに使用できるという利点を有する。
調光フィルムの代表的な調光方式には、磁性粉を含むマクロカプセルを用いた分極配向方式(以下、マイクロカプセル方式ともいう)、液晶方式、サーモクロミック方式、エレクトロクロミック方式がある。
これらのマイクロカプセル方式及び液晶方式は、通電に対する応答速度が小さいものの、調光するための印加電圧が高いという課題がある。また、サーモクロミック方式は、調光する際に加熱装置が必要であるともに、加熱によるフィルム材料へのダメージの懸念があるという課題がある。
一方、エレクトロクロミック方式は、上記した方式に比べて、応答速度が1秒程度であり、印加電圧も低い。さらに、エレクトロクロミック方式は、調光フィルムの構造設計が簡単な上、熱の発生等のフィルムへのダメージが小さいという利点がある。そのため、エレクトロクロミック方式は、主にディスプレイ等の用途に使用されている。
エレクトロクロミック方式の調光素子としては、例えば、特許文献1,2がある。
国際公開第2009/136626号 特許第4961057号公報
エレクトロクロミック方式の調光フィルムは、一般的に、調光素子の電解質層として、支持体(樹脂成分)に溶剤及び電解質を有する電解ゲルを使用している。そのため、電解質層を構成する支持体の耐久性が調光フィルムの耐久性に深く関連することになる。
仮に、電解質層の樹脂成分の耐久性が低いと、調光フィルム自体の耐久性を下げることとなり、さらに、調光フィルムを組み込んだディスプレイ等の家電製品の耐久性をも低下させる原因ともなり兼ねない。
すなわち、電解質層の樹脂成分の耐久性が低いと、調光素子の全体の長時間使用時の耐久性が不十分となり、調光素子の一部が剥がれたり、破壊されたりするおそれがある。特に、ディスプレイの場合、電解質層の耐久性が不足すると、貼合した電極フィルムのズレ等が発生し、表示素子のピクセルとのズレを起こして正常に画面表示されないおそれもある。
そこで、本発明は、耐久性に優れた調光素子及びその調光素子を備えた調光装置、並びに調光素子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、次のように考察した。上記したように電解質層は、ゲル電解質であるので、支持体の成分を大きくすると、電解質層の耐久性が向上するものの、電解質層内での電子やイオンの移動速度が低下してしまい、通電時の応答速度が低下してしまう。そのため、支持体成分の調整による耐久性の向上には限界があると考察した。そこで、本発明者は、電解質層の耐久性不足を電解質層に接するエレクトロクロミック層の強度を補強することによって補うことを考えた。
この考えのもと導き出された請求項1に記載の発明は、対向する2つの電極と、前記2つの電極の間に電解質層及びエレクトロクロミック層を有し、前記2つの電極間に通電することによって前記エレクトロクロミック層が変色する調光素子であって、前記エレクトロクロミック層は、前記電解質層と接するものであって、バインダー樹脂と導電性化合物を含んでおり、前記バインダー樹脂は、シロキサン結合をもつシリル系樹脂を含み、前記エレクトロクロミック層は、前記電解質層側からバインダー層、エレクトロクロミック化合物層が積層されたものであり、前記エレクトロクロミック化合物層は、通電によって変色する層であり、前記バインダー層は、前記電解質層と接し、前記バインダー樹脂を主成分とするものであり、前記バインダー層は、前記導電性化合物を含むことを特徴とする調光素子である。
すなわち、本発明は、対向する2つの電極と、前記2つの電極の間に電解質層及びエレクトロクロミック層を有し、前記2つの電極間に通電することによって前記エレクトロクロミック層が変色する調光素子であって、前記エレクトロクロミック層は、前記電解質層と接するものであって、バインダー樹脂を含んでおり、前記バインダー樹脂は、シロキサン結合をもつシリル系樹脂を含む調光素子である。
本発明の構成によれば、シロキサン結合をもつシリル系樹脂を含むバインダー樹脂がエレクトロクロミック層に含まれており、エレクトロクロミック層が電解質層と接しているので、エレクトロクロミック層の結着性が良好であり、電解質層の耐久性を補強できる。そのため、本発明の構成によれば、調光素子全体の耐久性を向上できる。
また、本発明の構成によれば、エレクトロクロミック層が電解質層と接しているため、通電状態が解除されたとしてもエレクトロクロミック層が電解質層から電子を受容する、又は電解質層に電子を供与することができるため、いきなりエレクトロクロミック層が変色することを防止できる。
請求項2に記載の発明は、前記エレクトロクロミック層と前記電解質層を挟んで対向する第2エレクトロクロミック層を有し、前記第2エレクトロクロミック層は、前記電解質層と接するものであって、第2バインダー樹脂を含んでおり、前記第2バインダー樹脂は、シロキサン結合をもつシリル系樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の調光素子である。
本発明の構成によれば、電解質層は、バインダー樹脂で補強されたエレクトロクロミック層と、第2バインダー樹脂で補強された第2エレクトロクロミック層によって挟まれているため、さらに調光素子の耐久性を向上できる。
請求項3に記載の発明は、前記エレクトロクロミック層と前記電解質層を挟んで対向する第2エレクトロクロミック層を有し、前記エレクトロクロミック層と前記第2エレクトロクロミック層は、いずれも通電することによって透明状態と遮光状態の間で変化可能であり、前記エレクトロクロミック層と前記第2エレクトロクロミック層は、通電時において、いずれも透明状態をとる又はいずれも遮光状態をとることを特徴とする請求項1又は2に記載の調光素子である。
ここでいう「透明状態」とは、光を80パーセント以上の範囲で透過可能な状態をいう。ここでいう「遮光状態」とは、光を20パーセント以下の範囲で透過可能な状態をいう。
本発明の構成によれば、通電状態においてエレクトロクロミック層と第2エレクトロクロミック層が同一状態に変化するため、使用者が通電による調光素子の変化を感じやすい。
請求項1〜3のいずれかに記載の調光素子において、前記シリル系樹脂は、シランカップリング剤系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、及びポリオレフィン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい(請求項4)。
ここでいう「シランカップリング剤系樹脂」とは、シランカップリング剤を前駆体として重合した樹脂をいう。
請求項1に記載の発明は、前記エレクトロクロミック層は、前記電解質層側からバインダー層、エレクトロクロミック化合物層が積層されたものであり、前記エレクトロクロミック化合物層は、通電によって変色する層であり、前記バインダー層は、前記電解質層と接し、前記バインダーを主成分とする。
ここでいう「主成分」とは、含有量が50重量%超過であることをいう。
上記した発明は、前記エレクトロクロミック層は、導電性化合物を含み、前記エレクトロクロミック層における導電性化合物の含有量は、30重量%以上であってもよい。
この発明の構成によれば、エレクトロクロミック層が導電性化合物を所定量以上含んでいるため、バインダー樹脂の存在による抵抗の増加を補うことができ、通電時の応答速度を速く保つことができる。
請求項に記載の発明は、前記エレクトロクロミック層は、導電性化合物を含み、前記導電性化合物は、導電性ポリマー、カーボンナノチューブ、及び金属原子含有顔料からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の調光素子である。
本発明の構成によれば、エレクトロクロミック層が導電性化合物を備えるため、エレクトロクロミック層での抵抗を小さくすることができ、応答速度を向上できる。
請求項に記載の発明は、基材上に、請求項1〜のいずれかに記載の調光素子を積層した調光装置であって、前記基材は、フィルム状であって可撓性を有することを特徴とする調光装置である。
本発明の構成によれば、薄く柔軟性をもった調光装置にできる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の調光素子の製造方法であって、前記バインダー樹脂は、加水分解性シリル基を架橋性官能基として有するシリル系樹脂材料を使用して形成されることを特徴とする調光素子の製造方法である。
本発明の構成によれば、エレクトロクロミック層を形成しやすい。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の調光素子の製造方法であって、前記電極上にエレクトロクロミック化合物を含んだエレクトロクロミック溶液を塗布し、エレクトロクロミック化合物層を形成する工程と、前記導電性化合物を水又は溶剤に分散して前記エレクトロクロミック化合物層上に塗布する工程を有すること特徴とする調光素子の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、導電性化合物を塗布しやすい。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の調光素子の製造方法であって、熱又は活性エネルギー線により硬化させて前記エレクトロクロミック層を形成することを特徴とする調光素子の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、エレクトロクロミック層を形成しやすい。
本発明によれば、調光素子及び調光装置の連続通電時の耐久性を向上できる。
また、本発明によれば、調光素子を製造しやすい。
本発明の第1実施形態の調光装置の一部破断斜視図である。 図1の調光装置の断面斜視図である。 図1の調光装置の断面図である。 本発明の他の実施形態の調光装置の断面図であり、(a)は透明導電層を形成しない場合、(b)は金属線を形成しない場合を表す。 本発明の他の実施形態の調光装置の断面図であり、電極フィルムと調光フィルムを貼り合わせた調光装置を表す。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1実施形態の調光装置1は、図1,図2から読み取れるように、2つの電極11,51と、電解質層5と、2種類のエレクトロクロミック層12,52を有した調光素子8を備えるものであり、これらエレクトロクロミック層12,52に電圧を印加することで調光機能を発現するものである。すなわち、調光装置1は、通電により、エレクトロクロミック層12,52のそれぞれを酸化・還元反応させることで、各エレクトロクロミック層12,25を変色させ、遮光状態と透明状態との間で変化可能な酸化・還元方式の調光装置である。
そして、第1実施形態の調光装置1のエレクトロクロミック層12,52には、それぞれバインダー樹脂が含まれており、このバインダー樹脂がシロキサン結合をもつシリル系樹脂を含むことを主な特徴の一つとしている。
以下、このことを踏まえながら、調光装置1について詳細に説明する。
第1実施形態の調光装置1は、図1のように、電解質層5を挟んで、2枚の調光フィルム2,3を貼り合わせたものであり、平面視したときに、電解質層5の周囲が封止材6によって囲繞されたものである。また、調光装置1は、必要に応じてスペーサー7が調光フィルム2,3の間に介在されており、調光フィルム2,3間の間隔は一定となっている。
一方の調光フィルム2は、図2,図3から読み取れるように、電極フィルム15上にエレクトロクロミック層12が積層されたものであり、他方の調光フィルム3は、電極フィルム55上にエレクトロクロミック層12とは異なるエレクトロクロミック層52(第2エレクトロクロミック層)が積層されたものである。
これら電極フィルム15,55は、いずれも基材10,50上に電極11,51が積層されたものである。すなわち、一方の調光フィルム2は、基材10上に電極11、エレクトロクロミック層12がこの順に積層されており、他方の調光フィルム3は、基材50上に電極51、エレクトロクロミック層12,52がこの順に積層されている。
電極フィルム15,55の電極11,51は、平面視したときに、封止材6の内外に延びており、各電極11,51には、図3のように、封止材6から外部に張り出した給電部16,56が形成されている。そして、調光装置1は、図1のように、給電部16,56に外部の給電線を取り付けることによって、調光フィルム2の電極11と調光フィルム3の電極51の間で電圧を印加可能となっている。
調光装置1は、透明状態における厚み方向の透明性を確保する観点から、厚み方向の光線透過率が40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
以下、調光装置1の構成材料等について詳細に説明する。
上記したように、調光装置1は、2枚の電極フィルム15,55に電解質層5が介在したものである。電極フィルム15,55は、いずれも同様の構成をもっており、基材10,50上に電極11,51が積層されている。
<基材>
基材10,50は、少なくとも可視光領域で無色透明の透明フィルムであって、電気絶縁性を有した絶縁フィルムである。また基材10,50は、面状に広がりをもち、可撓性を有した可撓性フィルムである。
基材10,50は、透明であって、金属導電層18,58及び透明導電層20,60の形成温度における耐熱性を有していれば、その材料は特に限定されない。
基材10,50の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、基材10,50の材料としては、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。また、基材10,50は、無延伸フィルムでも延伸フィルムでもよい。
基材10,50は、片面又は両面にハードコート層等の機能性層が形成されていてもよい。この場合、基材10,50に適度な耐久性と柔軟性を持たせる観点から、ハードコート層等の機能性層の厚みは、1μm〜10μmであることが好ましく、3μm〜8μmであることがより好ましく、5μm〜8μmであることがさらに好ましい。
基材10,50の厚みは、特に限定されない。基材10,50の厚みは、10μm〜400μmであることが好ましく、20μm〜200μmであることがより好ましい。
この範囲であれば、十分な耐久性と適度な柔軟性を確保できるので、ロールトゥロール方式によっても電極フィルム15,55の製造が可能となる。そのため、ロールトゥロール方式によって電極フィルム15,55の製造することによって、基材10,50上の各層(例えば、金属導電層18(58)、保護層19(59)、透明導電層20(60)など)を生産性高く製膜することができる。
また、光学特性を向上させる観点から、基材10,50上に光学調整層等を形成してもよい。例えば、屈折率の異なる層を基材10,50上に積層させることにより、基材10,50の反射率を低減したり、透過光及び反射光の干渉を利用して特定波長の光を透過又は反射させたりできる。
電極11は、図3のように基材10側から、金属導電層18と、保護層19と、透明導電層20を有している。同様に、電極51は、基材50側から、金属導電層58と、保護層59と、透明導電層60を有している。
<金属導電層>
金属導電層18,58は、透明導電層20,60よりも高い導電率をもった金属層であり、透明導電層20,60の電気伝導を補助する導電補助層である。
金属導電層18,58は、金属薄膜が細線状にパターンニングされたものであり、複数の金属線21,61から構成されている。
金属線21,61は、所定の間隔を空けてストライプ状に並設されており、隣接する金属線21,21(61,61)の間には隙間が形成されている。すなわち、金属線21,61は、所定の方向に延び、当該延び方向に直交する方向に並設されている。
また、金属線21(61)の間隔は、等間隔となっている。金属線21は、平面視したときに、電極11、エレクトロクロミック層12、電解質層5、エレクトロクロミック層52、電極51の重畳部分において、金属線61と重なっている。言い換えると、隣接する金属線21,21の隙間は、隣接する金属線61,61の隙間と厚み方向に重なっている。
図3に示される金属線21,61の幅Sは、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。
この範囲であれば、開口率(金属線21,61の形成されていない領域の割合)を大きくでき、高い光透過率を確保することができる。
金属線21,61の幅Sは、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。
例えば、サブトラクティブ法のようなウェットエッチングによって金属線21,61のパターニングする場合には、金属線21,61の幅Sは、20μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。
この範囲であれば、金属線21,61の断線を抑制でき、内部抵抗を小さくすることができる。
図3に示される金属線21,61の厚みdは、6μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらに好ましい。
この範囲であれば、透明導電層20,60による被覆率が良好となり、金属線21,61に透明導電層20,60が密着されやすい。
金属線21,61の厚みdは、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることがさらに好ましい。この範囲であれば、表面抵抗を低く抑えることができる。
図3に示される隣接する金属線21,21(61,61)の間隔(隙間)Lは、0.05mm以上10mm以下が好ましく、0.1mm以上6mm以下がより好ましい。この範囲であれば、十分な開口率を確保することができる。
金属線21,61の断面形状は、特に限定されない。
金属線21,61は、矩形状のように基端辺(基材10,50側の辺)と先端辺(電解質層5,5側の辺)が等しい断面形状か、テーパー状や楕円形状のような先端辺よりも基端辺が大きい断面形状であることが好ましい。
金属線21,61は、図3のように、基材10,50側の金属線21,61の幅S(基端辺の長さ)が表面側の金属線21,61の幅s(基端辺の長さ)より大きいテーパー状の断面形状であることがより好ましい。
金属線21,61の断面形状を基端側から先端側に向けて幅が狭くなるテーパー状にすることによって、金属線21,61の底部(基端部)及び側面(傾斜面)への透明導電層20,60の被覆率が良好となる。その結果、電極11,51の表面抵抗を低くすることができる。
金属線21,61の断面形状がテーパー状である場合には、金属線21,61の先端面には、金属線21,61の外方に向かって庇状(オーバーハング状)に突出する突出部が設けられていてもよい。このような突出部が金属線21,61に設けられていると、金属線21,61の側面及び底部に加えて、金属線21,61の先端面への透明導電層20,60の被覆率も向上し、接触面積が大きくなる。そのため、電極11,51の表面抵抗をさらに低くできる。
<保護層>
保護層19,59は、電圧印加して駆動させた場合の金属線21,61の腐食を防止する層であり、金属線21,61を保護する層である。
保護層19,59は、金属導電層18,58よりもイオン化傾向の貴な金属又は特定の金属酸化物によって形成されている。
保護層19,59は、防食性能と透明性のバランスの観点から、金属を使用する場合には、銀、白金、金、クロム、モリブデン、バナジウム、ニッケル、チタンなどの金属で構成されていることが好ましく、銀、白金、金などの貴金属で構成されていることがより好ましい。
保護層19,59は、金属酸化物を使用する場合には、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化錫、酸化コバルト、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、及び酸化チタンのいずれかの金属酸化物で構成されていることが好ましく、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化錫、酸化コバルト、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、及び酸化チタンのいずれかの金属酸化物で構成されていることがより好ましい。
保護層19,59は、防食性能と透明性のバランスの観点から、上記の中でも酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンのいずれかで構成されていることが好ましく、酸化亜鉛又は酸化チタンで構成されていることがより好ましい。
保護層19,59の製膜方法としては、特に制限はないが、スパッタリング法、物理的蒸着(PVD法)や化学的蒸着(CVD法)などの蒸着法、めっき法等による方法が挙げられる。
特に、保護層19,59が貴金属で形成される場合には、めっき法、スパッタリング法、蒸着法のいずれかで製膜されることが好ましい。保護層19,59が金属酸化物で形成される場合には、スパッタリング法又は蒸着法で製膜されることが好ましい。これらの方法であれば、ロールトゥロール方式により容易に製膜を行うことができる。
保護層19,59の厚みは、金属線21,61の防食効果を得つつ透明性を確保する観点から、0.5μm以下であることが好ましく、1nm以上50nm以下であることがより好ましく、3nm以上30nm以下であることがさらに好ましく、5nm以上20nm以下であることが特に好ましい。
<透明導電層>
透明導電層20,60は、透光性及び導電性を有した薄膜層である。
透明導電層20,60は、導電性酸化物を主成分(50重量%超過)とすることが好ましく、70重量%以上であることが好ましく、85重量%以上であることがより好ましい。
導電性酸化物は、例えば、酸化亜鉛、酸化インジウム、若しくは酸化錫等などの透明導電性酸化物を単独又は複合酸化物として用いることができる。
導電性酸化物は、導電性、光学特性、及び長期信頼性の観点から、透明導電性酸化物たるインジウム系酸化物を主成分とするものが好ましい。
この場合、透明導電層20中の酸化インジウムの含有量は、87.5重量%以上99.0重量%以下であることが好ましく、90重量%以上95重量%以下であることがより好ましい。
透明導電層20,60は、ドープ不純物を含有してもよい。
透明導電層20,60に用いられるドープ不純物としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化タングステン、又は酸化セリウム等が挙げられる。
これらの中では、酸化錫が好ましい。すなわち、透明導電層20は、酸化インジウム錫(ITO)を主成分とすることがより好ましい。
透明導電層20中のドープ不純物の含有量は、1.0重量%以上12.5重量%以下であることが好ましく、5.0重量%以上10.0重量%以下であることがより好ましい。
透明導電層20,60の平均膜厚(基材10,50上の膜厚)は、10nm以上300nm以下が好ましく、20nm以上200nm以下がより好ましく、30nm以上150nm以下がさらに好ましい。
透明導電層20,60の形成方法は、生産性の観点から、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法では、マグネトロンスパッタリング法が特に好ましい。
スパッタリング法に用いる電源は特に限定されず、ターゲットの材料に合わせて直流電源、交流電源等を適宜選択できる。
エレクトロクロミック層12,52は、酸化還元反応によって変色する層であり、エレクトロクロミック化合物と、導電性化合物と、バインダー樹脂を含んだ層である。
本実施形態の第1エレクトロクロミック層12,52は、図3のように、エレクトロクロミック化合物層22,62と、バインダー層23,63の2層構造となっている。
<エレクトロクロミック化合物層>
エレクトロクロミック化合物層22,62は、通電による酸化還元反応によって、調光装置1の透明状態と遮光状態との間の状態変化を司り、状態切替機能を備えた層である。
エレクトロクロミック化合物層22,62は、少なくともエレクトロクロミック化合物を含んでいる。
エレクトロクロミック化合物の材料(以下、エレクトロクロミック材料ともいう)としては、無機系、有機系のいずれでもよく、特に限定されない。
無機系のエレクトロクロミック材料としては、酸化タングステン、水酸化ニッケル、酸化ニッケル、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化チタン、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化バナジウム、六酸化バナジウム、酸化レニウム、酸化タンタル、酸化ロジウム、酸化クロム、酸化タンタル、酸化銅、酸化パラセオジウム、ストロンチウムドープチタン酸、タングステンサルファイト、窒化インジウム−窒化錫、グラファイト、塩化窒化β−ジルコニウム、プルシアンブルー等が挙げられる。
有機系のエレクトロクロミック材料としては、ビオロゲン、ポリニリン、テトラチオフルバレン、パソフェナンスロリン錯体などの還元反応により発色する還元型発色化合物や、ポリ(3,4−エチレン−ジオキシチオフェン)(略称:PEDOT)、ポリピロール、ポリアセチレン、スチリル類などの酸化反応により発色する酸化型発色化合物や、希土類フタロシアニン、アントラキノンとピラゾリンの混合物などの酸化反応及び還元反応の両方で発色する酸化還元型発色化合物などが挙げられる。
エレクトロクロミック層12,52は、単独でも発色するが、電解質層5を挟んで、酸化側のエレクトロクロミック層12と還元側のエレクトロクロミック層52を対向させることでより、発色程度をアップさせることが出来る。
そこで、本実施形態の調光装置1では、エレクトロクロミック層12とエレクトロクロミック層52とで異なるエレクトロクロミック化合物を使用しており、エレクトロクロミック層12,52は通電したときに実質的に同一色に変化する。
具体的には、調光装置1はエレクトロクロミック層12に酸化反応で発色する酸化型発色化合物を用い、エレクトロクロミック層52に還元反応で発色する還元型発色化合物を用いている。エレクトロクロミック層12,52は、通電することによってともに有色に変色して遮光状態となり、通電を止めることによってともに透明に変色して透明状態となる。
調光装置1を組み立てたときに電解質層5を介して対向するエレクトロクロミック層12/エレクトロクロミック層52の組み合わせとしては、酸化タングステン/酸化チタン、酸化タングステン/酸化ジルコニウム、酸化タングステン/酸化ニッケル、酸化タングステン/酸化タンタル、酸化タングステン/プルシアンブルー、酸化タングステン/ポリアニリン、酸化ニオブ/酸化モリブデン、酸化ニオブ/酸化チタン、PEDOT/ポリアニリン、ポリアセチレン/ポリアニリン、ポリピロール/ポリアニリンなどの組み合わせがある。
<バインダー層>
バインダー層23,63は、それぞれバインダー樹脂と、必要に応じて導電性化合物を含んでいる。
バインダー樹脂は、加水分解性シリル基を架橋性官能基として有するシリル系樹脂材料から構成されるものであり、シランカップリング剤系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂から選択されるものである。
バインダー樹脂の末端官能基としては(メタ)アクリロイル基、アルコキシリル基、オキシラン基、ビニル基から少なくとも1種以上であることが好ましい。
(シランカップリング剤系樹脂)
シランカップリング剤系樹脂は、シランカップリング剤を用いて形成される樹脂である。
シランカップリング剤系樹脂の前駆体たるシランカップリング剤としては、特に制限はない。
シランカップリング剤は、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1−ナフチルトリメトキシシラン、2−ナフチルトリメトキシシラン、1−ナフチルトリエトキシシラン、2−ナフチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルシリケート、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン又はトリフルオロプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
さらに、シランカップリング剤は、3−トリメトキシシリルプロピオン酸、3−トリエトキシシリルプロピオン酸、3−ジメチルメトキシシリルプロピオン酸、3−ジメチルエトキシシリルプロピオン酸、4−トリメトキシシリル酪酸、4−トリエトキシシリル酪酸、4−ジメチルメトキシシリル酪酸、4−ジメチルエトキシシリル酪酸、5−トリメトキシシリル吉草酸、5−トリエトキシシリル吉草酸、5−ジメチルメトキシシリル吉草酸、5−ジメチルエトキシシリル吉草酸、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−トリエトキシシシリルプロピルコハク酸無水物、3−ジメチルメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−ジメチルエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物、3−トリエトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物、3−ジメチルメトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物、3−ジメチルエトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルフタル酸無水物、3−トリエトキシシリルプロピルフタル酸無水物、3−ジメチルメトキシシリルプロピルフタル酸無水物又は3−ジメチルエトキシシリルプロピルフタル酸無水物などを用いることにより、カルボキシル基を容易に導入することができる。
さらに、シランカップリング剤は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン、アリルメチルジエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、スチリルメチルジメトキシシラン、スチリルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン又はγ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤は、硬化性やエレクトロクロミック剤との相溶性、密着性の観点から、シリケート化合物、アミノシラン、エポキシシラン、酸系シラン、アクリロイルシラン、イソシアネートシランが好ましく、アミノシラン、エポキシシラン、酸系シラン、イソシアネートシランが特に好ましい。
(シリコーン樹脂)
シリコーン樹脂としては、特に限定はないが、樹脂成分が2官能性又は1官能性であることが好ましい。
シリコーン樹脂としては、下記式(1)で示される直鎖又は分鎖(分岐鎖)であることが好ましい。
シリコーン樹脂の重合度(又は分子中の時ジオルガノシロキサン単位の繰り返し数)が5以上のオルガノポリシロキサン化合物であることがより好ましい。分子鎖両末端に−Si(R)2−[CH2n−C≡CHで示される構造単位を有し、重合度(m)が5以上の直鎖状オルガノポリシロキサンであることがさらに好ましい。
Figure 0006825820
(式中、Rは、同一又は異なっており、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価炭化水素基を表す。mは21〜2000の整数を示し、当該シロキサン結合のくり返し単位中の一部が架橋して分鎖構造を有してもよい。nは0〜20の整数を示す。)
mは、22〜1600の整数が好ましく、23〜1000の整数がより好ましく、24〜500の整数がさらに好ましい。
nは、0〜10の整数が好ましく、0〜5の整数がより好ましく、0〜3の整数がさらに好ましい。
部分構造式(1)のRは、前述の範囲であれば特に限定されない。
好ましくは、前記部分構造式(1)のRは、水素原子、置換基を有してもよい飽和脂肪族1価炭化水素基、置換基を有してもよい不飽和脂肪族1価炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族1価炭化水素基(芳香族ヘテロ環を含む)が挙げられる。
より好ましくは、前記部分構造式(1)のRは、水素原子、置換基を有してもよい飽和脂肪族1価炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族1価炭化水素基である。
特に好ましくは、置換基を有してもよい飽和脂肪族1価炭化水素基である。
置換基を有してもよい飽和脂肪族1価炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等の分鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ブロモプロピル基等のハロゲン化炭化アルキル基等の、炭素原子数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは、炭素数1〜6のものである。
置換基を有してもよい不飽和脂肪族1価炭化水素基として、具体的には、エテニル基、1−メチルエテニル基、2−プロペニル基、エチニル基、2−プロピニル基等の、炭素原子数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは、炭素数1〜6のものである。
置換基を有してもよい芳香族1価炭化水素基としては、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、α,α,α−トリフルオロトリル基、クロロベンジル基等のハロゲン化アリール基等の、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは、炭素数1〜6のものが例示される。
これらの中でも、メチル基、エチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、フェニル基が好ましく、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、フェニル基である。
架橋性官能基としては、加水分解シリル基である。それ以外の官能基としてビニル基、(メタ)アクリレートを併用しても良い。また、官能基の導入位置としては、分子末端であることが好ましい。
(ウレタン樹脂)
ウレタン樹脂は、分子内にウレタン結合を有する反応性高分子である。主鎖構造としては、ポリエステル、ポリエーテル、ビニル重合体構造がある。
ウレタン樹脂は、溶剤溶解性、塗工時のハンドリング、耐久性の点で、ポリエステル主鎖、ポリテーテル主鎖のものが好ましい。
架橋性官能基としては、加水分解シリル基である。それ以外の官能基としてビニル基、(メタ)アクリレートを併用しても良い。また、官能基の導入位置としては、分子末端であることが好ましい。
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂の主鎖骨格として使用される(メタ)アクリル酸エステル系重合体とは、繰り返し単位として(メタ)アクリル酸エステル系化合物からなる重合体である。
なお、「(メタ)アクリル酸エステル」は、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを表すものである。
繰り返し単位として使用される(メタ)アクリル酸エステル系化合物としては、特に限定されない。
(メタ)アクリル酸エステル系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルオロメチルメチル)、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどの(メタ)アクリル酸系化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、(メタ)アクリル酸エステル化合物と、これと共重合可能なビニル化合物の共重合体を含む。
ビニル化合物としては、特に限定されない。
ビニル化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩などのスチレン系化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのケイ素基を有するビニル系化合物;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル類及びジアルキルエステル類;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル類及びジアルキルエステル類;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基を有するビニル系化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド基を有するビニル系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレンなどのアルケン類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコールなどが挙げられる。
これらは、複数を共重合成分として使用することも可能である。
前記化合物から得られる(メタ)アクリル酸エステル系の重合体の中でも、スチレン系化合物と(メタ)アクリル酸系化合物からなる共重合体を主鎖骨格に持つ有機重合体が、得られる硬化物が物性に優れることから好ましく、アクリル酸エステル化合物とメタクリル酸エステル化合物からなる共重合体を主鎖骨格に持つ有機重合体がより好ましく、アクリル酸エステル化合物からなる重合体を主鎖骨格に持つ有機重合体が特に好ましい。
架橋性官能基としては、加水分解シリル基である。それ以外の官能基としてビニル基、(メタ)アクリレートを併用しても良い。
また、官能基の導入位置としては、分子末端であることが好ましい。
(フッ素樹脂)
フッ素樹脂の構造としては特に限定はないが、溶剤溶解性、耐熱性、耐候性等のバランスの点を考慮すると、フッ素硬化性樹脂の原料となるポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖とその両末端に反応性官能基を有する化合物が好ましい。
フッ素樹脂が有するポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖としては、炭素原子数1〜3の2価フッ化炭素基と酸素原子が交互に連結した構造を有するものが挙げられる。炭素原子数1〜3の2価フッ化炭素基は、一種類であっても良いし複数種の混合であっても良く、具体的には、下記構造式(2−1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006825820
(上記構造式(2−1)中、Xは下記構造式(2−1−1)〜(2−1−5)であり、構造式(2−1)中の全てのXが同一構造のものであってもよいし、また、複数の構造がランダム状又はブロック状に存在していてもよい。また、nは繰り返し単位を表す1以上の整数である。)
Figure 0006825820
これらの中でも、前記構造式(2−1−1)で表されるパーフルオロメチレン構造と、前記構造式(2−1−2)で表されるパーフルオロエチレン構造とが共存するものが好ましい。
ここで、前記構造式(2−1−1)で表されるパーフルオロメチレン構造と、前記構造式(2−1−2)で表されるパーフルオロエチレン構造との存在比率は、モル比率[構造(2−1−1)/構造(2−1−2)]が1/10〜10/1となる割合であることが好ましい。また、前記構造式(2−1)中のnの値は3〜100の範囲が好ましく、6〜70の範囲がより好ましい。
フッ素樹脂は、例えば、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖とその両末端に水酸基を有する化合物(2−2)と、ハロゲン化アルキル基、イソシアネート基等の水酸基と反応性を有する官能基を有するスチレン(2−3)とを反応させることにより得ることができる。前記化合物(2−2)としては、例えば、下記一般式(2−2−1)、(2−2−2)等が挙げられる。なお、下記の各構造式中における「−PFPE−」は、上記のポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を表す。
Figure 0006825820
また、前記スチレン(2−3)が有するハロゲン化アルキル基のハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれも用いることができる。また、アルキル基は、炭素原子数1〜6のものが好ましく、直鎖状のものでも分岐状のものでも用いることができる。
これらのハロゲン化アルキル基の中でも、前記化合物(2−2)との反応性及び入手の容易さから、クロロメチル基が好ましい。
架橋性官能基としては、加水分解シリル基である。それ以外の官能基としてビニル基、(メタ)アクリレートを併用しても良い。また、官能基の導入位置としては、分子末端であることが好ましい。
(ポリオレフィン樹脂)
ポリオレフィン樹脂としては、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン等が挙げられる。耐熱性、耐光性、柔軟性の点で、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレンが好ましい。柔軟性、耐熱性の点でポリイソブチレンがより好ましい。なお、イソブチレンは国際公開第2013/47314号に記載の方法で合成できる。
架橋性官能基としては、加水分解シリル基である。それ以外の官能基としてビニル基、(メタ)アクリレートを併用しても良い。また、官能基の導入位置としては、分子末端であることが好ましい。
また、上記樹脂は複数併用することが可能である。
エレクトロクロミック層12,52内のバインダー樹脂の硬化方法としては、常温硬化、加熱硬化、活性エネルギー線硬化がある。
バインダー樹脂は、調光フィルム2,3の生産性の観点から、加熱硬化又は活性エネルギー硬化により硬化することが好ましく、硬化時の調光フィルム2,3へのダメージを軽減する観点や硬化反応の迅速性の観点から、活性エネルギー線の中でもUV硬化が特に好ましい。
<開始剤>
バインダー樹脂の架橋性官能基として、加水分解性シリル基に加えて、(メタ)アクリレートをもつ場合には、架橋時に開始剤を添加した方が好ましい。こうすることによって、反応速度を高めることができ、ハンドリングが良好となる。
バインダー樹脂をUV硬化によって硬化する際に、添加される開始剤としては光重合開始剤である。光重合開始剤としては、光によってモノマーを重合させうるものであれば特に限定されない。
光重合開始剤としては、光ラジカル開始剤と光アニオン開始剤が好ましく、特に光ラジカル開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。
具体的には、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4′−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの開始剤は、1種単独で用いてもよく、他の化合物と組み合わせても良い。
具体的には、ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミンとの組み合わせ、更にこれにジフェニルヨードニウムクロリドなどのヨードニウム塩と組み合わせたもの、メチレンブルーなどの色素及びアミンと組み合わせたものが挙げられる。
なお、上記光重合開始剤を使用する場合、必要により、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、パラターシャリーブチルカテコールなどの重合禁止剤類を添加することもできる。
これらのうち、得られる硬化物への着色が小さい点から、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE651、チバ・ジャパン株式会社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(IRGACURE127、チバ・ジャパン株式会社製)などがより好ましい。
上記光重合開始剤を含有する場合の光重合開始剤の含有割合は、バインダー樹脂100質量部に対して光重合開始剤0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、光重合開始剤が0.1質量部〜3質量部であることがより好ましい。
また、架橋性官能基としてアルコキシシリル基を有する場合には、硬化触媒を添加することが好ましい。
硬化触媒としては、具体的には、例えば、オクタン酸亜鉛、オクタン酸鉄、オクタン酸マンガン、オクタン酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸鉄、ブタン酸錫、カプリル酸錫、オレイン酸錫のようなカルボン酸金属塩;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオレエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジフェニル錫ジアセテート、酸化ジブチル錫、酸化ジブチル錫とフタル酸エステルとの反応生成物、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫(トリエトキシシロキシ)のような有機錫化合物;ジブチル錫ジアセチルアセトナートのような錫キレート化合物;テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ−2−エチルヘキシルオキシチタン、テトライソプロペニルオキシチタンのようなチタン酸エステル;ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(アセチルアセトナート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタントリス(アセチルアセトナート)のようなチタンキレート化合物;テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシジルコニウムステアレートのようなジルコニウムアルコキシド;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)のようなジルコニウムキレート化合物;トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウムのようなアルミニウムアルコキシド;ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)のようなアルミニウムキレート化合物;ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミンのような第1級アミン;ジブチルアミンのような第2級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、キシリレンジアミンのようなポリアミン;トリエチレンジアミン、モルホリン、N−メチルホルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセンのような環状アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのようなアミノアルコール化合物;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのようなアミノフェノール化合物などのアミン化合物及びそのカルボン酸塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセタートのような第四級アンモニウム塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量アミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;並びに3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル(メチル)トリメトキシシランなどのアミノ基含有シラン等が挙げられる。
その他、シリル基の加水分解及び/又は縮合反応に有効な公知の化合物を用いることができる。
また、硬化触媒の成分は、上記例示した硬化触媒のうち、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、保存及び取扱い中に揮発しにくいことから、金属化合物が好ましく、中でも微量の配合で優れた触媒能が得られることから、有機錫化合物、錫キレート化合物およびチタン酸エステルが好ましい。
バインダー層23,63を形成する際のバインダーの状態としては、エレクトロクロミック化合物層22,62上を皮膜形成可能であれば、特に限定はないが、塗工が簡便であることから、液体であることが好ましい。また、バインダー成分は、塗工前の状態で樹脂成分を既に含んでいても良く、塗工後、硬化、架橋されることで樹脂化しても構わない。
導電性化合物の材料としては、導電性を有していれば、特に限定されるものではない。
導電性化合物の材料としては、導電性ポリマー、カーボンナノチューブ、及び金属原子含有顔料からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
エレクトロクロミック層12,52中の導電性化合物の含有量は、それぞれ30重量%以上であることが好ましい。
この範囲であれば、エレクトロクロミック層12,52内での内部抵抗を小さくでき、十分な応答速度を確保できる。
<電解質層>
電解質層5は、電解質として機能する層であり、電気を流したり、電気を貯蔵したりすることが可能となっている。すなわち、電解質層5は、エレクトロクロミック層12,52への電子又はイオンの供給を行うキャリア供給層である。
電解質層5の性状は、特に限定されないが、液体状、ゲル状、固体状、フィルム状であることが好ましい。
電解質層5の性状は、調光装置1を薄くできる観点から、液体状又はフィルム状であることがより好ましい。
本実施形態の電解質層5は、電解質に加えて、有機溶剤及びバインダーの少なくともどちらか1種を含んでいる。
電解質層5は、電解質とバインダーの組み合わせ又は電解質と有機溶剤とバインダーの組み合わせであることが好ましい。
特に電解質層5が液体状である場合には、調光装置1を駆動させた際の電解質層5の液漏れ防止の観点から、電解質層5は電解質とバインダーの組み合わせであることがより好ましい。
(電解質)
電解質層5を構成する電解質の具体例としては、カリウム塩、リチウム塩がある。
無機塩としては、KPF6、KBF4、KAsF6、KSbF6、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6等の無機フッ化物塩や、KClO4、KBRO4、KIO4、LiClO4、LiBRO4、LiIO4等の過ハロゲン酸塩、LiAlCl4等の無機塩化物塩等が挙げられる。
有機塩としては、KCF3SO3、LiCF3SO3等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;KN(CF3SO22、KN(CF3CF2SO22、KN(FSO22、KN(CF3SO2)(C49SO2)、LiN(CF3SO22、LiN(CF3CF2SO22、LiN(FSO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;KC(CF3SO23、LiC(CF3SO23等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;K[PF5(CF2CF2CF3)]、K[PF4(CF2CF2CF32]、K[PF3(CF2CF2CF33]、K[PF5(CF2CF2CF2CF3)]、K[PF4(CF2CF2CF2CF32]、K[PF3(CF2CF2CF2CF33]、Li[PF5(CF2CF2CF3)]、Li[PF4(CF2CF2CF32]、Li[PF3(CF2CF2CF33]、Li[PF5(CF2CF2CF2CF3)]、Li[PF4(CF2CF2CF2CF32]、Li[PF3(CF2CF2CF2CF33]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩などの含フッ素有機塩が挙げられる。
オキサラトボレート塩としては、カリウムビス(オキサラト)ボレート、カリウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等が挙げられる。
これらのなかで、KPF6、KBF4、KAsF6、KSbF6、KClO4、K(Rf1SO3)、KN(Rf1SO22、KN(FSO22、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiClO4、Li(Rf1SO3)、LiN(Rf1SO22、LiN(FSO22、及びKN(Rf1SO2)(Rf2SO22、KN(Rf1SO2)(Rf2SO22、LiN(Rf1SO2)(Rf2SO22LiN(Rf1SO2)(Rf2SO22が好ましく、KPF6、KBF4、KN(Rf1SO22、KN(FSO22、LiPF6、LiBF4、LiN(Rf1SO22、LiN(FSO22、及びKN(Rf1SO2)(Rf2SO22、LiN(Rf1SO2)(Rf2SO22などのイミド塩がさらに好ましい。ここで、Rf1、Rf2はそれぞれパーフルオロアルキル基を示す。
(有機溶剤)
電解質層5を構成する有機溶剤は、高沸点溶剤であって、低粘度高誘電率を有する非水溶媒であれば、特に限定されない。
有機溶剤としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、ジメチルスルホキシドあるいはジメチルスルホキシド燐酸などの有機溶媒が挙げられる。これらは、一種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機溶剤としては、上記した有機溶媒の中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、及び炭酸エチルメチルからなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。
有機溶剤としては、特に、沸点が200℃以上の炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。有機溶剤としてこれらを使用することによって、電解質塩の解離性及びイオンの移動度を向上させることができる。
また、有機溶媒は、不飽和結合を有する環状炭酸エステルを含有していてもよい。こうすることによって、電解液の化学的安定性がより向上することができる。
不飽和結合を有する環状炭酸エステルとしては、例えば、炭酸ビニレン系化合物、炭酸ビニルエチレン系化合物、及び炭酸メチレンエチレン系化合物からなる群のうちの少なくとも1種などが挙げられる。
炭酸ビニレン系化合物としては、例えば、炭酸ビニレン(1,3−ジオキソール−2−オン)、炭酸メチルビニレン(4−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、炭酸エチルビニレン(4−エチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4,5−ジエチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソール−2−オンあるいは4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソール−2−オンなどが挙げられる。
炭酸ビニルエチレン系化合物としては、例えば、炭酸ビニルエチレン(4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン)、4−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−n−プロピル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンあるいは4,5−ジビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。
炭酸メチレンエチレン系化合物としては、4−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オンあるいは4,4−ジエチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。
これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。中でも、炭酸ビニレンが好ましい。高い効果が得られるからである。
(バインダー)
電解質層5を構成するバインダーとしては、特に限定されるものでないが、例えば、バインダー層を構成するバインダー樹脂と同様の主鎖骨格をもつものが使用できる。
電解質層5を構成するバインダーとしては、電解質との相溶性の観点から、ポリエーテル骨格又はアクリル骨格をもつ樹脂であることが好ましい。また、このバインダーは、架橋性官能基を有するものが好ましく、硬化速度の観点からUV硬化性樹脂であることがより好ましい。このバインダーは、極性、硬化性、低粘度(ハンドリング)の観点から、ポリエーテル主鎖系のウレタンアクリレートがさらに好ましい。
続いて、第1実施形態の調光装置1の製造方法について説明する。
まず、電極フィルム15,55を形成する電極フィルム形成工程を実施する。
具体的には、スパッタ装置や真空蒸着装置等の製膜装置によって基材10,50上に金属薄膜層を製膜し、製膜した金属薄膜層に対してエッチング処理を施して、金属線21,61が形成された金属導電層18,58を形成する(金属導電層形成工程)。
このときに行うエッチング処理は、特に限定されるものではない。ウェットエッチングであってもよいし、ドライエッチングであってもよい。
本実施形態では、フォトリソグラフィ法を使用して金属導電層18,58を形成しており、エッチングファクタを調整して金属導電層18,58を構成する金属線21,61の側面に傾斜面を形成している。
また、本実施形態の金属導電層形成工程では、疑似的なサブトラクティブ法により金属線21,61を形成されている。すなわち、本実施形態の金属導電層形成工程では、基材10,50上に金属薄膜を形成する金属薄膜形成工程と、金属薄膜上にレジストパターンを形成するパターンニング工程と、金属薄膜のレジストパターンが形成されていない領域をエッチング除去し、金属線21,61を形成する金属線形成工程とを実施する。
上記した金属薄膜は、スパッタリング法、蒸着法、及びめっき法からなる群より選択される少なくとも1種により形成されることが好ましい。
続いて、スパッタ装置や真空蒸着装置等の製膜装置によって、少なくとも金属導電層18,58上に保護層19,59を形成する(保護層形成工程)。本実施形態の保護層形成工程では、基材10,50と金属導電層18,58に跨って製膜する。
続いて、スパッタ装置やCVD装置によって、保護層19,59が形成された基材10,50上に透明導電層20,60を製膜し(透明導電層形成工程)、電極フィルム15,55を形成する。
上記した電極フィルム工程によって形成された各電極フィルム15,55に対して、エレクトロクロミック層12,52を個別に形成する(エレクトロクロミック層形成工程)。
具体的には、まず、電極フィルム15,55の透明導電層20,60上に、バーコーター等の塗布装置によってエレクトロクロミック化合物を含んだエレクトロクロミック溶液を塗布し、エレクトロクロミック化合物層22,62を形成する。
なお、このとき、エレクトロクロミック溶液の粘度、レオロジーを調整するために、溶剤、塗料配合剤を添加してもよい。
続いて、エレクトロクロミック化合物層22,62上に水又は溶剤にバインダー樹脂及び導電性化合物を分散させたバインダー混合物をバーコーター等の塗布装置で塗工し、所定の温度で所定時間加熱してエレクトロクロミック層12,52を形成する。
続いて、一方の調光フィルム2のエレクトロクロミック層12上に電解質、高沸点溶剤及びバインダーを混合した電解質混合物を塗工し、他方の調光フィルム3をエレクトロクロミック層12,52同士が対向するように貼り合わせる。
このとき、必要に応じて、調光フィルム2,3の間にスペーサー7を介在させ、封止材6によって、平面視したときにエレクトロクロミック層12、電解質層5、エレクトロクロミック層52の重畳部分を封止する。
そして、貼り合わせた調光フィルム2,3に対して熱又は活性エネルギー線を照射して硬化させて一体化させる(電解質層形成工程)。
本実施形態の電解質層形成工程では、活性エネルギー線の一つであるUV線を照射して硬化させて一体化させている。
その後、必要に応じて給電部16,56に給電線等を接続して、調光装置1が完成する。
本実施形態の調光装置1によれば、調光フィルム間に電解質層が形成されているため、調光機能を発現させるための繰り返し通電時の安定性、高温での通電安定性を改善することが可能である。
本実施形態の調光装置1によれば、電極11,51が透明導電層20,60と、透明導電層20,60よりも導電率が高い金属導電層18,58によって構成されており、透明導電層20,60のみで構成される場合に比べて、電極11,51の表面抵抗を小さくできる。
また、本実施形態の調光装置1によれば、金属導電層18,58が金属細線によって形成されているため、開口率を確保しやすく、光透過率が低下しにくい。
本実施形態の調光装置1によれば、バインダー層23,63に高耐久性樹脂であるシロキサン結合をもつシリル系樹脂で形成されるため、耐久性の高い調光装置となる。
続いて、本発明の第2実施形態の調光装置について説明する。なお、第1実施形態の調光装置と同様の構成については同様の付番を振って説明を省略する。
第2実施形態の調光装置は、エレクトロクロミック層が第1実施形態のエレクトロクロミック層12,52と異なり、それぞれエレクトロクロミック化合物と、バインダー樹脂と、導電性化合物が混合された層であり、単層構造となっている。
すなわち、第2実施形態のエレクトロクロミック層は、第1実施形態のエレクトロクロミック層12,52のようなエレクトロクロミック化合物層22とバインダー層23の積層構造をとらず、エレクトロクロミック化合物と、バインダー樹脂と、導電性化合物が入り混じって層状となっている。
エレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック化合物を100重量部としたときに、バインダー樹脂を30重量部〜200重量部、導電性化合物を5重量部〜100重量部を有していることが好ましい。
エレクトロクロミック層中の導電性化合物は、エレクトロクロミック層の抵抗を下げる観点から、30重量%以上であることが好ましく、40重量%以上であることが好ましい。
本実施形態のエレクトロクロミック層中の導電性化合物の比率は、30重量%以上である。
エレクトロクロミック層中のバインダー樹脂は、エレクトロクロミック層の結着性を高める観点から、40重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることが好ましい。
エレクトロクロミック層中のバインダー樹脂は、エレクトロクロミック層の抵抗の増加による応答速度の低下を抑制する観点から、200重量%以下であることが好ましく、100重量%以下であることが好ましい。
続いて、第2実施形態の調光装置の製造方法について説明する。
まず、第1実施形態の調光装置1の製造方法と同様、電極フィルム形成工程を実施し、電極フィルムを形成する。
続いて、上記した電極フィルム形成工程で形成された各電極フィルム15,55に対して、エレクトロクロミック層を形成する(エレクトロクロミック層形成工程)。
本実施形態のエレクトロクロミック層形成工程では、エレクトロクロミック化合物と、バインダー樹脂と、導電性化合物を含むバインダー混合物をバーコーター等の塗布装置で電極フィルム15,55の電極11,51上に塗工し、所定の温度で所定時間加熱してエレクトロクロミック層を形成する。
このとき、バインダー樹脂としてシランカップリング剤と有機溶剤(トルエン)を使用する場合には、例えば、100℃で5分間加熱することでエレクトロクロミック層を形成することができる。
その後、第1実施形態と同様、電解質層形成工程等を実施して、調光装置100が完成する。
第2実施形態の調光装置によれば、エレクトロクロミック層がエレクトロクロミック化合物と、バインダー樹脂と、導電性化合物を含んだ単層である。そのため、製造工程を簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
第2実施形態の調光装置によれば、エレクトロクロミック層中の導電性化合物の比率は、30重量%以上であるため、エレクトロクロミック層の抵抗を低く抑えることが可能であり、比較的速い応答速度を確保することができる。
上記した実施形態では、調光フィルム2,3の電極11,51は、金属導電層18,58上に透明導電層20,60が積層された積層構造となっていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
調光フィルム2,3の電極11,51は、図4(a)のように、透明導電層20,60を設けなくてもよい。すなわち、調光フィルム2,3は、金属導電層18,58上又は保護層19,59上にエレクトロクロミック層12,52が積層されていてもよい。
上記した実施形態では、金属導電層18,58上に保護層19,59を設けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。図4(b)のように、金属導電層18(58)上に保護層19(59)を設けなくてもよい。
上記した実施形態では、エレクトロクロミック層12,52を有した調光フィルム2,3同士を張り合わせたが、本発明はこれに限定されるものではない。少なくとも一方の調光フィルムがエレクトロクロミック層を有していれば、他方の調光フィルムにはエレクトロクロミック層を設けなくてもよい。すなわち、調光装置は、図5のように、エレクトロクロミック層52を有する調光フィルム3と、エレクトロクロミック層12を有しない電極フィルム15とを、電解質層5を挟んで張り合わせて形成してもよい。
上記した実施形態では、基材10,50の片面にのみ電極11,51が形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。基材10,50の両面に電極が形成されていてもよい。
上記した実施形態では、金属導電層18,58は、金属線21,61がストライプ状に配置された導電性パターンを備えていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、金属導電層18,58の導電性パターンの形状は特に限定されない。
金属導電層18,58の金属線21,61は、例えば、正方形格子、菱型格子、ハニカム状等のメッシュパターンであってもよいし、不規則に形成されたランダムメッシュパターンであってもよい。
上記した実施形態では、サブトラクティブ法と略同一の工程により金属導電層18,58を形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。金属導電層18,58は、例えば、セミアディティブ法と略同一の工程により形成してもよい。
上記した実施形態では、フォトリソグラフィ法により金属薄膜をパターニングして金属線を形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。
金属線21,61は、レーザースクライブ法により金属薄膜をパターニングして形成してもよい。また、金属線21,61は、インクジェットプリント法やマイクロコンタクトプリント法などのプリント法によって直接形成してもよい。
これらの中では、上記した実施形態のように、フォトリソグラフィ法により金属薄膜をパターニングして金属線21,61を形成することが好ましい。この方法であれば、他の方法に比べて簡便であり、金属線21,61の断面形状をテーパー状に制御しやすい。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。また、各実施例および比較例における金属導電層および透明導電層の膜厚は、電極付き基板の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。
以下の各工程は、ロールトゥロール方式により実施された。各工程の前後に、純水による洗浄・リンスと乾燥とを実施した。
本実施例及び比較例の調光装置は、電極フィルム1〜3を使用して形成している。各実施例及び比較例の説明に先立って、各電極フィルム1〜3の製造方法について説明する。
(電極フィルム1)
電極フィルム1の製造では、まず平均厚みが125μmのハードコート付きPETフィルム(商品名:KBフィルム125MABG、株式会社きもと社製)に対して、酸化インジウム錫(酸化錫含有量:10重量%)をターゲットとして、酸素とアルゴンとの混合ガスを装置内に導入しながら、酸素分圧2×10-4Pa、製膜室内圧力0.2Pa、基板温度0℃、パワー密度4kWの条件でスパッタリング製膜を行い、膜厚2nmの酸化インジウム錫層(以下、ITO層ともいう)を形成した。
次に、酸化インジウム錫(酸化錫含有量7重量%)をターゲットとして用い、酸素とアルゴンの混合ガスを装置内に導入しながら、酸素分圧2×10-3Pa、製膜室内圧力0.2Pa、基板温度0℃、パワー密度12kWの条件でスパッタリング製膜を行い、PETフィルム上の膜厚が100nmのITO層を形成し、電極フィルム1を得た。
(電極フィルム2)
電極フィルム2の製造では、金属導電層形成工程と、透明導電層形成工程を実施した。
具体的には、金属導電層形成工程では、黒化処理層付きの銅層付きPETフィルム(フィルム厚=100μm)に対し、フォトリソグラフィ法によりパターニングした。なお、使用する銅層付きPETフィルムは、蒸着法によって得られたものであり、金属薄膜たる銅層の平均厚みが2μmであった。
具体的には、ポジ型レジスト(商品名:AZ−6112、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)を乾燥後の膜厚が1μmになるように金属薄膜(銅層)上に塗布し、乾燥した。その後、フォトマスクを用いて積算光量50mJ/cm2で露光を行い、現像液(商品名:AZ400Kの25%希釈液、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)に浸漬することで現像を行った。
そして、純水でリンスを行い、金属薄膜(銅層)上にレジストパターンを形成した。エッチング液として酸化第二鉄水溶液を用い、金属薄膜(銅層)に対してエッチングを行った。その後、純水でリンスを行い、剥離液(商品名:AZ400K、メルク株式会社製)でレジストの剥離を行った。レジストの剥離後、純水でリンスし、乾燥した。
以上のパターニング処理により、銅配線(幅:150μm、厚み:2μm、間隔:480μm)を備えた金属導電層を形成した。
透明導電層形成工程では、金属導電層形成工程で形成された金属導電層上に対して電極フィルム1と同様の条件で透明導電層を製膜した。
具体的には、まず、金属導電層が形成されたフィルムに対して、酸化インジウム錫(酸化錫含有量:10重量%)をターゲットとして用い、酸素とアルゴンとの混合ガスを装置内に導入しながら、酸素分圧2×10-4Pa、製膜室内圧力0.2Pa、基板温度0℃、パワー密度4kWの条件でスパッタリング製膜を行い、膜厚2nmの酸化インジウム錫層(以下、ITO層ともいう)を形成した。
次に、酸化インジウム錫(酸化錫含有量:7重量%)をターゲットとして用い、酸素とアルゴンの混合ガスを装置内に導入しながら、酸素分圧2×10-3Pa、製膜室内圧力0.2Pa、基板温度0℃、パワー密度12kWの条件でスパッタリング製膜を行い、PETフィルム上の平均膜厚が100nmのITO層を形成し、電極フィルム2を得た。
(電極フィルム3)
電極フィルム3の製造では、金属導電層形成工程と透明導電層形成工程の間の工程において保護層形成工程を実施して形成した。
具体的には、電極フィルム3の製造工程は、透明導電層形成工程の前に保護層形成工程を実施したこと以外は、電極フィルム2の製造工程と同様にした。
保護層形成工程では、第1工程でパターニングされた金属導電層に対して、保護層としてTiO2層を、真空度3.0×10-4Pa、総出力=35%、製膜レート1.0〜1.4Å/秒の電子ビーム法(EB法)にて製膜した。このとき、株式会社ULVAC社製の真空蒸着装置(装置名:EBX−2000)を使用し、保護層の平均厚みは、25nmであった。その後、上記第2工程と同様の工程にて保護層上に透明導電層を製膜して電極フィルム3を形成した。
ここで、渦電流式抵抗測定装置(商品名:EC−80、ナプソン株式会社製)を用いて、電極フィルム1〜3についてシート抵抗を測定したところ、シート抵抗はいずれも0.8Ω/□以下であった。
また、全光線透過率測定装置(商品名:NDH7000、日本電色工業株式会社製)を用いて、電極フィルム1〜3の電極形成部分の光線透過率を測定したところ、全光線透過率はいずれも40%以上であった。
実施例1〜3では、各エレクトロクロミック層を構成するバインダー層の形成にバインダー混合物1〜3を使用した。以下、各バインダー混合物1〜3の配合について説明する。
(バインダー混合物1)
バインダー混合物1は、シランカップリング剤として、100重量部のN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名Siluest A1120 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)に対して、ネオスタンU303(ジブチル錫オキサイドとエチルシリケート40との反応物 日東化成株式会社製)を1重量部添加して良く混合することによって得た。すなわち、バインダー混合物1は、シランカップリング剤を配合したシラン配合物である。
(バインダー混合物2)
バインダー混合物2は、シランカップリング剤として、100重量部の3−トリメトキシプロピルコハク酸無水物(商品名X−12−967C、信越化学工業株式会社製)に対してネオスタンU303を1重量部添加して良く混合することによって得た。すなわち、バインダー混合物2は、シランカップリング剤を配合したシラン配合物である。
(バインダー混合物3)
バインダー混合物3は、100重量部の加水分解性シリル基末端テレケリックポリアクリレート(商品名SA120S、株式会社カネカ製)(数平均分子量Mn=10000)に対して、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名A1120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を2重量部、ネオスタンU303を1重量部添加し、固形部が30重量%になるようにトルエンで良く混合して得た。すなわち、バインダー混合物3は、加水分解性シリル基を持つ加水分解性シリル配合物である。
(バインダー混合物4)
バインダー混合物4は、ラジカル硬化性の樹脂として、ラジカル架橋性ポリエーテル主鎖系ウレタンアクリレート(商品名;EBECRYL230、ダイセル・オルネクス株式会社製)100重量部に対して、光ラジカル開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名:DAROCUR1173、BASFジャパン株式会社製)を0.06重量部、ビスアシルホスフィンオキサイド(商品名:IRGACURE819、BASFジャパン株式会社製)を0.03重量部添加して良く混合して得た。すなわち、バインダー混合物4は、ラジカル硬化性樹脂が配合されたラジカル硬化性配合物である。
(バインダー混合物5)
バインダー混合物5は、シランカップリング剤として、100重量部のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名Silquest A187、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)に対してネオスタンU303を1量部添加して良く混合することによって得た。
実施例1〜5及び比較例1では、いずれも共通の電解液を硬化させて電解質層を形成した。以下、電解液の配合について説明する。
電解液は、炭酸プロピレンを37重量部、リチウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:エフトップEF−N115、三菱マテリアル電子化成株式会社製)を31重量部、バインダー成分としてポリエーテル主鎖系ウレタンアクリレート(商品名;EBECRYL230、ダイセル・オルネクス株式会社製)を32重量部、光ラジカル開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名:DAROCUR1173、BASFジャパン株式会社製)を0.06重量部、ビスアシルホスフィンオキサイド(商品名:IRGACURE819、BASFジャパン株式会社製)を0.03重量部添加して良く混合して得た。
[実施例1]
上記した電極フィルム1上に、エレクトロクロミック剤として導電性ポリマーPEDOT(商品名 セブルジータOC−AE503、信越ポリマー株式会社製)を乾燥厚みが10μmになるようにバーコーターで塗工し、100℃で5分間乾燥してエレクトロクロミック化合物層を得た。
続いて、エレクトロクロミック化合物層上にバインダー混合物1を乾燥膜厚10μmになるように塗工してバインダー層を形成し、第1調光フィルムを得た。
また、別途工程にて、上記した電極フィルム1上に、エレクトロクロミック剤としてポリアニリン(商品名:PANTI 化研産業株式会社製)を乾燥膜厚0.5μmになるように塗工し、100℃で5分間乾燥してエレクトロクロミック化合物層を得た。その上にバインダー混合物1を乾燥膜厚10μmになる様に塗工して第2調光フィルムを得た。
そして、第1調光フィルムのエレクトロクロミック層と第2調光フィルムのエレクトクロミック層を向かい合わせにし、厚み200μmの電解液を介して貼り合わせた。そして、積算光量2000mJ/cm2のUV光を照射して硬化して実施例1の調光装置を得た。
[実施例2]
実施例2は、貼り合わせる2つの電極フィルムとして電極フィルム2を用いた。
PEDOT側の電極フィルムでは、バインダー混合物2を乾燥膜厚で10μmになるように塗工し乾燥した。
ポリアニリン側の電極フィルムでは、バインダー混合物3を乾燥膜厚10μmになる様に塗工乾燥した。
これら以外は実施例1と同様にして実施例2の調光装置を得た。
[実施例3]
実施例3では、両方の電極フィルムに電極フィルム3を用いた。
PEDOT側の電極フィルムでは、バインダー混合物3を乾燥膜厚20μmとなるように塗工し、硬化した。
ポリアニリン側の電極フィルムでは、バインダー混合物4を乾燥膜厚20μmとなるように塗工し、UV光を照射してUV硬化(積算光量2000mJ/cm2)させた。
これら以外は実施例2と同様の方法で実施例3の調光装置を得た。
[実施例4]
実施例4では、両方の電極フィルムに電極フィルム2を用いた。
PEDOT側の電極フィルムでは、PEDOTの固形分100重量部に対して、バインダー混合物2を50重部添加した配合物を作製し、乾燥膜厚10μmになるように塗工した。
ポリアニリン側の電極フィルムでは、ポリアニリン100重量部に対して、バインダー混合物5を50重部添加した配合物を作製し、乾燥膜厚5μmになるように塗工した。
両フィルムを120℃×5分間乾燥して硬化させ、調光フィルムを得た。これら以外は実施例1と同様の方法で実施例4の調光装置を得た。
[実施例5]
実施例5では、両方の電極フィルムに電極フィルム2を用いた。
PEDOT側の電極フィルムでは、PEDOTの固形分100重量部に対して、バインダー混合物5を50重部添加した配合物を作製し、乾燥膜厚10μmになるように塗工した。
ポリアニリン側の電極フィルムでは、ポリアニリン100重量部に対して、バインダー混合物3を50重部添加した配合物を作製し、乾燥膜厚10μmになるように電極フィルムに塗工した。
両フィルムを120℃×5分間乾燥して硬化させ、調光フィルムを得た。これら以外は実施例1と同様の方法で実施例5の調光装置を得た。
[比較例1]
比較例1は、エレクトロクロミック層にバインダー層を導入しないこと以外は実施例2と同様の方法で調光装置を作製した。
<調光装置の耐久性試験>
実施例1〜5及び比較例1の調光装置において、各電極フィルムの端部の給電部に銅箔で取り出し電極を付けて、+3Vの電圧と−3Vの電圧を交互に印加し、これを100回繰り返す通電試験を行い、通電試験後に電圧を−3Vの電圧を印加した状態から+3Vの電圧を印加したときのエレクトロクロミック層の劣化状態(目視)、遮光・透明モードの状態(目視)及び応答速度をそれぞれ評価した。
Figure 0006825820
比較例1の調光装置では、−3Vの電圧を印加した状態から3Vの電圧を印加したときの応答速度が30秒と遅いのに対して、実施例1〜5の調光装置では、1〜3秒と非常に早かった。
また、100回連続通電試験では、エレクトロクロミック層にバインダー層を含まない比較例1では、エレクトロクロミック層が黒く変色して、明らかなエレクトロクロミック層の劣化が見られるのに対して、バインダー層を含む実施例1〜5の調光装置では初期と同様、黒く変色せず、正常な状態を保持していた。
この結果から、エレクトロクロミック層中のバインダー樹脂が調光素子の耐久性の改善に寄与しており、バインダー樹脂としてシロキサン結合をもつシリル系化合物を配合することによって調光素子の耐久性を向上できることがわかった。
1 調光装置
2,3 調光フィルム
5 電解質層
8 調光素子
12 エレクトロクロミック層
15,55 電極フィルム
22,62 エレクトロクロミック化合物層
23,63 バインダー層
52 エレクトロクロミック層(第2エレクトロクロミック層)

Claims (9)

  1. 対向する2つの電極と、前記2つの電極の間に電解質層及びエレクトロクロミック層を有し、前記2つの電極間に通電することによって前記エレクトロクロミック層が変色する調光素子であって、
    前記エレクトロクロミック層は、前記電解質層と接するものであって、バインダー樹脂と導電性化合物を含んでおり、
    前記バインダー樹脂は、シロキサン結合をもつシリル系樹脂を含み、
    前記エレクトロクロミック層は、前記電解質層側からバインダー層、エレクトロクロミック化合物層が積層されたものであり、
    前記エレクトロクロミック化合物層は、通電によって変色する層であり、
    前記バインダー層は、前記電解質層と接し、前記バインダー樹脂を主成分とするものであり、
    前記バインダー層は、前記導電性化合物を含むことを特徴とする調光素子。
  2. 前記エレクトロクロミック層と前記電解質層を挟んで対向する第2エレクトロクロミック層を有し、
    前記第2エレクトロクロミック層は、前記電解質層と接するものであって、第2バインダー樹脂を含んでおり、
    前記第2バインダー樹脂は、シロキサン結合をもつシリル系樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の調光素子。
  3. 前記エレクトロクロミック層と前記電解質層を挟んで対向する第2エレクトロクロミック層を有し、
    前記エレクトロクロミック層と前記第2エレクトロクロミック層は、いずれも通電することによって透明状態と遮光状態の間で変化可能であり、
    前記エレクトロクロミック層と前記第2エレクトロクロミック層は、通電時において、いずれも透明状態をとる又はいずれも遮光状態をとることを特徴とする請求項1又は2に記載の調光素子。
  4. 前記シリル系樹脂は、シランカップリング剤系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、及びポリオレフィン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の調光素子。
  5. 記導電性化合物は、導電性ポリマー、カーボンナノチューブ、及び金属原子含有顔料からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の調光素子。
  6. 基材上に、請求項1〜5のいずれかに記載の調光素子を積層した調光装置であって、
    前記基材は、フィルム状であって可撓性を有することを特徴とする調光装置。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の調光素子の製造方法であって、
    前記バインダー樹脂は、加水分解性シリル基を架橋性官能基として有するシリル系樹脂材料を使用して形成されることを特徴とする調光素子の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の調光素子の製造方法であって、
    前記電極上にエレクトロクロミック化合物を含んだエレクトロクロミック溶液を塗布し、エレクトロクロミック化合物層を形成する工程と、
    前記導電性化合物を水又は溶剤に分散して前記エレクトロクロミック化合物層上に塗布する工程を有すること特徴とする調光素子の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の調光素子の製造方法であって、
    熱又は活性エネルギー線により硬化させて前記エレクトロクロミック層を形成することを特徴とする調光素子の製造方法。
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