JPWO2017126527A1 - 近赤外線吸収組成物、近赤外線カットフィルタの製造方法、近赤外線カットフィルタ、固体撮像素子、カメラモジュールおよび赤外線センサ - Google Patents

近赤外線吸収組成物、近赤外線カットフィルタの製造方法、近赤外線カットフィルタ、固体撮像素子、カメラモジュールおよび赤外線センサ Download PDF

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Abstract

保存安定性に優れ、ヘイズが抑制された硬化膜を製造できる近赤外線吸収組成物を提供する。また、近赤外線カットフィルタの製造方法、近赤外線カットフィルタ、固体撮像素子、カメラモジュールおよび赤外線センサを提供する。銅化合物と、M−Xで表される部分構造を有する化合物と、水と、有機溶剤とを含む近赤外線吸収組成物であり、近赤外線吸収組成物は、水の含有量が、0.01〜20質量%である。Mは、Siなどであり、Xは、アルコキシ基などである。

Description

本発明は、近赤外線吸収組成物、近赤外線カットフィルタの製造方法、近赤外線カットフィルタ、固体撮像素子、カメラモジュールおよび赤外線センサに関する。
ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などにはカラー画像の固体撮像素子である、電荷結合素子(CCD)や、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)などが用いられている。これら固体撮像素子は、その受光部において近赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードを使用しているために、視感度補正を行うことが必要であり、近赤外線カットフィルタを用いることが多い。
近赤外線カットフィルタは、赤外線吸収剤を含む組成物(近赤外線吸収組成物)を用いて製造することがある。近赤外線吸収組成物には、赤外線吸収剤の他に、硬化性化合物を配合することが知られている。例えば、特許文献1、2には、硬化性化合物としてアルコキシシラン化合物を使用することが記載されている。
一方、赤外線吸収剤としては、銅化合物などが知られている(特許文献3参照)。
特開2014−203044号公報 国際公開2015/129563号公報 特開2015−134893号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、アルコキシシラン化合物などのゾルゲル法で硬化しうる硬化性化合物を含む近赤外線吸収性組成物は、保存安定性が低下しやすいことが分かった。さらには、得られる硬化膜にヘイズが生じやすいことが分かった。また、特許文献1、2に記載された近赤外線吸収性組成物においても、保存安定性が悪く、得られる硬化膜にヘイズが生じやすかった。
一方、特許文献3は、赤外線吸収剤として銅化合物を使用することが記載されているものの、アルコキシシラン化合物などのゾルゲル法で硬化しうる硬化性化合物を含有させた場合における保存安定性およびヘイズに関する検討や示唆はない。
よって、本発明の目的は、保存安定性に優れ、ヘイズの抑制された硬化膜を製造できる近赤外線吸収組成物を提供することにある。また、近赤外線カットフィルタの製造方法、近赤外線カットフィルタ、固体撮像素子、カメラモジュールおよび赤外線センサを提供することにある。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、後述する構成の近赤外線吸収組成物を用いることで、本発明の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、以下を提供する。
<1> 銅化合物と、M−Xで表される部分構造を有する化合物と、水と、有機溶剤とを含む近赤外線吸収組成物であり、
近赤外線吸収組成物は、水の含有量が、0.01〜20質量%である、近赤外線吸収組成物;
ただし、Mは、Si、Ti、ZrおよびAlから選択される原子であり、Xは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ホスホリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、オキシム基およびO=C(R)(R)から選択される1種であり、RおよびRは、それぞれ独立して、1価の有機基を表し、Xが、O=C(R)(R)である場合、Xは、カルボニル基の酸素原子の非共有電子対でMと結合する。
<2> M−Xで表される部分構造を有する化合物は、MがSiである、<1>に記載の近赤外線吸収組成物。
<3> M−Xで表される部分構造を有する化合物は、Xがアルコキシ基である、<1>または<2>に記載の近赤外線吸収組成物。
<4> M−Xで表される部分構造を有する化合物は、(メタ)アクリル樹脂およびスチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種である、<1>〜<3>のいずれかに記載の近赤外線吸収組成物。
<5> M−Xで表される部分構造を有する化合物は、重量平均分子量が3000〜100,000である、<1>〜<4>のいずれかに記載の近赤外線吸収組成物。
<6> さらに、ジケトン化合物を含む、<1>〜<5>のいずれかに記載の近赤外線吸収組成物。
<7> ジケトン化合物が、下記式(1)で表される化合物である、<6>に記載の近赤外線吸収組成物;
式(1)
Figure 2017126527
式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表す。
<8> <1>〜<7>のいずれかに記載の近赤外線吸収組成物を用いて、近赤外線吸収組成物層を形成する工程を含む、近赤外線カットフィルタの製造方法。
<9> <1>〜<7>のいずれかに記載の近赤外線吸収組成物を用いた、近赤外線カットフィルタ。
<10> さらに、誘電体多層膜および紫外線吸収膜から選ばれる少なくとも1種を有する、<9>に記載の近赤外線カットフィルタ。
<11> <9>または<10>に記載の近赤外線カットフィルタを有する固体撮像素子。
<12> <9>または<10>に記載の近赤外線カットフィルタを有するカメラモジュール。
<13> <9>または<10>に記載の近赤外線カットフィルタを有する赤外線センサ。
本発明によれば、保存安定性に優れ、ヘイズの抑制された硬化膜を製造できる近赤外線吸収組成物を提供することが可能になった。また、近赤外線カットフィルタの製造方法、近赤外線カットフィルタ、固体撮像素子、カメラモジュールおよび赤外線センサを提供することが可能となった。
本発明の実施形態に係る、近赤外線カットフィルタを有するカメラモジュールの構成を示す概略断面図である カメラモジュールにおける近赤外線カットフィルタ周辺部分の一例を示す概略断面図である。 カメラモジュールにおける近赤外線カットフィルタ周辺部分の一例を示す概略断面図である。 カメラモジュールにおける近赤外線カットフィルタ周辺部分の一例を示す概略断面図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを表し、「(メタ)アリル」は、アリルおよびメタリルを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルを表す。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。
本明細書において、化学式中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基をそれぞれ示す。
本明細書において、近赤外線とは、波長領域が700〜2500nmの光(電磁波)をいう。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によるポリスチレン換算値として定義される。
<近赤外線吸収組成物>
本発明の近赤外線吸収組成物は、銅化合物と、M−Xで表される部分構造を有する化合物と、水と、有機溶剤とを含み、水の含有量が、0.01〜20質量%である。ただし、Mは、Si、Ti、ZrおよびAlから選択される原子であり、Xは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ホスホリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、オキシム基およびO=C(R)(R)から選択される1種であり、RおよびRは、それぞれ独立して、1価の有機基を表し、Xが、O=C(R)(R)である場合、Xは、カルボニル基の酸素原子の非共有電子対でMと結合する。
上述したM−Xで表される部分構造を有する化合物(以下、化合物MXともいう)は、加水分解および重縮合反応で硬化する化合物である。また、銅化合物は、赤外線遮蔽性および可視透明性に優れるので、銅化合物を赤外線吸収剤として用いることで、赤外線遮蔽性および可視透明性に優れた硬化膜を製造することができる。
一方、本発明者らの検討によれば、銅化合物は、化合物MXの硬化反応を促進する触媒として機能する場合があることが分かった。このため、銅化合物と、化合物MXとを併用すると、保存安定性が低下することがあった。さらには、得られる硬化膜のヘイズが大きくなりやすいことが分かった。
しかしながら、本発明によれば、銅化合物と、化合物MXとを含む近赤外線吸収組成物において、水の含有量を、0.01〜20質量%としたことで、優れた保存安定性を有し、ヘイズの小さい硬化膜を得ることが可能となった。この理由としては、次によるものと推測する。近赤外線吸収組成物の水の含有量を、0.01〜20質量%としたことで、近赤外線吸収組成物中における銅化合物と他の成分との相溶性が適度に低下して銅化合物が化合物MXの反応系外に存在しやすくなり、化合物MXに対する触媒作用が低下したため、保存安定性が向上したと推測する。また、近赤外線吸収組成物の水の含有量が多いと、保管時に化合物MXの加水分解および重縮合反応が進行して、保存安定性が低下することがあるが、水の含有量を20質量%以下としたことで、保管時における化合物MXの反応を抑制できたと推測する。また、近赤外線吸収組成物の水の含有量が多すぎると、近赤外線吸収組成物中における銅化合物と他の成分との相溶性が低下して銅化合物が析出しやすくなり、得られる硬化膜のヘイズが増加することがあるが、水の含有量を20質量%以下としたことで、銅化合物の析出を抑制して、ヘイズの小さい硬化膜を製造することができた。
また、本発明者らの検討によれば、銅化合物は、ラジカル重合性化合物のラジカル重合反応の重合禁止剤として作用することが分かった。このため、銅化合物を含む近赤外線吸収組成物において、ラジカル重合性化合物を硬化性化合物として使用した場合、ラジカル重合反応が十分に進行しないことがあり、得られる硬化膜の耐久性(例えば、耐溶剤性、耐熱性など)が不十分な場合があった。一方、化合物MXは、銅化合物の存在下でも硬化反応が十分に進行するので、耐久性に優れた硬化膜を製造することもできる。このため、本発明によれば、耐久性に優れた硬化膜を製造することができる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、水の含有量が0.01〜20質量%であり、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
また、銅化合物の100質量部に対して、水を0.04〜80質量部含有することが好ましく、0.04〜40質量部がより好ましく、0.4〜4質量部がさらに好ましい。
また、化合物MXの100質量部に対して、水を0.04〜80質量部含有することが好ましく、0.04〜40質量部がより好ましく、0.4〜4質量部がさらに好ましい。
また、有機溶剤の100質量部に対して、水を0.02〜40質量部含有することが好ましく、0.02〜20質量部がより好ましく、0.2〜2質量部がさらに好ましい。
なお、本発明において、近赤外線吸収組成物における水の含有量は、カールフィッシャー法により測定した値である。具体的には、カールフィッシャー水分計(三菱ケミカルホールディングス社製 KF−06)を用いて測定試料の水分量を測定し、水分量/測定試料の質量×100として、水の含有量を測定した。
以下、本発明の近赤外線吸収組成物の各成分について説明する。
<<M−Xで表される部分構造を有する化合物(化合物MX)>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、M−Xで表される部分構造を有する化合物を含有する。
Mは、Si、Ti、ZrおよびAlから選択される原子であり、Si、Ti、Zrが好ましく、Siがより好ましい。
Xは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ホスホリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、オキシム基およびO=C(R)(R)から選択される1種であり、アルコキシ基、アシルオキシ基およびオキシム基が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。なお、Xが、O=C(R)(R)である場合、Xは、カルボニル基(−CO−)の酸素原子の非共有電子対でMと結合する。RおよびRは、それぞれ独立して1価の有機基を表す。
M−Xで表される部分構造は、特に、MがSiで、Xがアルコキシ基である組み合わせが好ましい。この組み合わせによれば、適度な反応性を有しているので、近赤外線吸収組成物の保存安定性が良好になる。さらにはより耐熱性に優れた膜を形成しやすい。
アルコキシ基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜2が特に好ましい。アルコキシ基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖がより好ましい。アルコキシ基は、無置換であってもよく、置換基を有してもよいが、無置換が好ましい。置換基としては、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、重合性基(例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、エポキシ基、オキセタン基など)、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、例えば、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基等が挙げられる。置換基としては上述したものが挙げられる。
オキシム基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。例えば、エチルメチルケトオキシム基などが挙げられる。
アミノ基としては、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基等が挙げられる。具体例としては、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ基等が挙げられる。置換基としては上述したものが挙げられる。
およびRが表す1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、−R101−COR102で表される基等が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。アルキル基は、無置換であってもよく、上述した置換基を有していてもよい。
アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましい。アリール基は、無置換であってもよく、上述した置換基を有していてもよい。
−R101−COR102で表される基において、R101は、アルキレン基を表し、R102はアルキル基またはアリール基を表す。
101が表すアルキレン基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。アルキレン基は、無置換であってもよく、上述した置換基を有していてもよい。
102が表すアルキル基およびアリール基は、R、Rで説明したものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
M−Xで表される部分構造を有する化合物は、低分子化合物、ポリマーのいずれの形態であってもよいが、近赤外線吸収組成物の保存安定性の観点からポリマーが好ましい。
M−Xで表される部分構造を有する化合物のうち、低分子化合物の分子量は、100〜1000であることが好ましい。上限は、800以下が好ましく、700以下がより好ましい。なお、分子量は、構造式から求めた理論値である。
M−Xで表される部分構造を有する化合物のうち、ポリマータイプの化合物の重量平均分子量は、500〜300,000であることが好ましい。下限は、1000以上が好ましく、2000以上がより好ましい。上限は、250,000以下が好ましく、200,000以下がより好ましい。
<<<低分子化合物>>>
M−Xで表される部分構造を有する化合物のうち、低分子化合物としては、例えば、下記(MX1)で表される化合物が挙げられる。
M−(X ・・・(MX1)
Mは、Si、Ti、ZrおよびAlから選択される原子を表し、Xは置換基または配位子を表し、m個のXのうち、少なくとも1つは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ホスホリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、オキシム基およびO=C(R)(R)から選択される1種であり、X同士は、それぞれ結合して環を形成していてもよく、mは、MのXとの結合手の数を表す。
Mは、Si、Ti、ZrおよびAlから選択される原子であり、Si、Ti、Zrが好ましく、Siがより好ましい。
は置換基または配位子を表し、m個のXのうち、少なくとも1つは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ホスホリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、オキシム基およびO=C(R)(R)から選択される1種であり、m個のXのうち、少なくとも1つは、アルコキシ基、アシルオキシ基およびオキシム基から選択される1種であることが好ましく、m個のXのうち、少なくとも1つがアルコキシ基であることがより好ましく、Xの全てが、アルコキシ基であることがさらに好ましい。
置換基および配位子のうち、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ホスホリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、オキシム基およびO=C(R)(R)は、上述したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ホスホリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、オキシム基以外の置換基としては、炭化水素基が好ましい。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基などが挙げられる。
アルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよい。直鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜8がさらに好ましい。分岐状のアルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜12がより好ましく、3〜8がさらに好ましい。環状のアルキル基は、単環、多環のいずれであってもよい。環状のアルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、4〜10がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
炭化水素基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、重合性基(例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、エポキシ基、オキセタン基など)、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基等が挙げられる。
(MX1)で表される化合物は、アルコキシシリル基を有する化合物(M=Si、Xの少なくとも一つがアルコキシ基である化合物)が好ましい。アルコキシシリル基におけるアルコキシ基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1または2が特に好ましい。アルコキシシリル基は、一分子中に2個以上有することが好ましく、2〜3個有することがより好ましい。また、アルコキシシリル基を有する化合物は、テトラアルコキシシラン化合物、トリアルコキシシラン化合物(トリアルコキシシリル基を有する化合物)、ジアルコキシシラン化合物(ジアルコキシシリル基を有する化合物)、モノアルコキシシラン化合物(モノアルコキシシリル基を有する化合物)が挙げられる。トリアルコキシシラン化合物、ジアルコキシシラン化合物が好ましい。また、テトラアルコキシシラン化合物を用いる場合は、テトラアルコキシシラン化合物と、トリアルコキシシラン化合物、ジアルコキシシラン化合物およびモノアルコキシシラン化合物から選ばれる1種(好ましくは、トリアルコキシシラン化合物。より好ましくはアリール基(好ましくはフェニル基)を有するトリアルコキシシラン化合物)とを併用することが好ましい。この態様によれば、膜の柔軟性が向上し、クラックなどが生じにくくなる。また、テトラアルコキシシラン化合物とトリアルコキシシラン化合物とを併用する場合、質量比は、テトラアルコキシシラン化合物:トリアルコキシシラン化合物=50:50〜80:20が好ましい。
MがSiで表される化合物としては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリノルマルプロポキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。また、下記化合物を用いることもできる。
Figure 2017126527
市販品としては、信越シリコーン社製の、KBM−13、KBM−22、KBM−103、KBE−13、KBE−22、KBE−103、KBM−3033、KBE−3033、KBM−3063、KBM−3066、KBM−3086、KBE−3063、KBE−3083、KBM−3103、KBM−7103、SZ−31、KPN−3504、KBM−1003、KBE−1003、KBM−303、KBM−402、KBM−403、KBE−402、KBE−403、KBM−1403、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−5103、KBM−602、KBM−603、KBM−903、KBE−903、KBE−9103、KBM−573、KBM−575、KBM−9659、KBE−585、KBM−802、KBM−803、KBE−846、KBE−9007、X−40−1053、X−41−1059A、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1818、X−41−1810、X−40−2651、X−40−2655A、KR−513、KC−89S、KR−500、X−40−9225、X−40−9246、X−40−9250、KR−401N、X−40−9227、X−40−9247、KR−510、KR−9218、KR−213、X−40−2308、X−40−9238などが挙げられる。
MがTiで表される化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、リン酸チタン化合物、チタニウムジ−2−エチルヘキソキシビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、ターシャリーアミルチタネート、テトラターシャリーブチルチタネート、テトラステアリルチタネート、チタン−1,3−プロパンジオキシビス(エチルアセトアセテート)、ドデシルベンゼンスルホン酸チタン化合物、チタンイソステアレート、チタンジエタノールアミネート、チタンアミノエチルアミノエタノレートなどが挙げられる。市販品としては、マツモトファインケミカル社製のオルガチックスシリーズ(例えば、TA−10、TA−21、TA−23、TA−30、TC−100、TC−401、TC−710、TC−1040、TC−201、TC−750、TC−300、TC−310、TC−315、TC−400、TA−60、TA−80、TA−90、TC−120、TC−220、TC−730、TC−810、TC−800、TC−500、TC−510など)、味の素ファインテクノ社製のプレンアクトシリーズ(例えば、TTS、46B、55、41B、38S、138S、238S、338X、44、9SA、ETなど)が挙げられる。
MがZrで表される化合物としては、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。市販品としては、マツモトファインケミカル社製のオルガチックスシリーズ(例えば、ZA−45、ZA−65、ZC−150、ZC−540、ZC−700、ZC−580、ZC−200、ZC−320、ZC−126、ZC−300など)が挙げられる。
MがAlで表される化合物としては、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。市販品としては、味の素ファインテクノ社製のプレンアクトAL−Mなどが挙げられる。
<<<ポリマータイプの化合物>>>
M−Xで表される部分構造を有する化合物のうち、ポリマータイプの化合物としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリシロキサンなどが挙げられる。(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂などが挙げられる。ポリマータイプの化合物は、保存安定性、皮膜性の向上、塗布液粘度調整の容易性という理由から(メタ)アクリル樹脂(好ましくは、(メタ)アクリル酸樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂)、および、スチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ポリマータイプの化合物の具体例としては、例えば、下記(MX2−1)で表される繰り返し単位、下記(MX2−2)で表される繰り返し単位および下記(MX2−3)で表される繰り返し単位から選ばれる1種を有するポリマーなどが挙げられる。
Figure 2017126527
Mは、Si、Ti、ZrおよびAlから選択される原子を表し、Xは、置換基または配位子を表し、n個のXのうち、少なくとも1つは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ホスホリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、オキシム基およびO=C(R)(R)から選択される1種であり、X同士は、それぞれ結合して環を形成していてもよく、Rは、水素原子またはアルキル基を表し、Lは、単結合または2価の連結基を表し、nは、MのXとの結合手の数を表す。
MおよびXは、それぞれ(MX1)のMおよびXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
は、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1が特に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐のいずれも好ましく、直鎖がより好ましい。アルキル基は、水素原子の一部または全部がハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換されていてもよい。
は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NR10−(R10は、水素原子またはアルキル基を表し、水素原子が好ましい)、または、これらの組み合わせからなる基が挙げられ、アルキレン基、アリーレン基およびアルキレン基の少なくとも1つと−O−との組み合わせからなる基が好ましい。
アルキレン基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。アルキレン基は、置換基を有していてもよいが、無置換が好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。また、環状のアルキレン基は、単環、多環のいずれであってもよい。
アリーレン基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましく、フェニレン基が特に好ましい。
上記ポリマータイプの化合物は、式(MX2−1)、(MX2−2)、(MX2−3)で表される繰り返し単位の他に、他の繰り返し単位を含有していてもよい。
他の繰り返し単位を構成する成分としては、特開2010−106268号公報の段落番号0068〜0075(対応する米国特許出願公開第2011/0124824号明細書の[0112]〜[0118])に開示の共重合成分の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
好ましい他の繰り返し単位としては、下記式(MX3−1)〜(MX3−6)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2017126527
式(MX3−1)〜(MX3−6)中、Rは、水素原子またはアルキル基を表し、L〜Lは、それぞれ独立して、単結合または2価の連結基を表し、R10〜R13は、それぞれ独立して、アルキル基またはアリール基を表す。
は、式(MX2−1)〜(MX2−3)のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
〜Lは、式(MX2−1)〜(MX2−3)のLと同義であり、好ましい範囲も同様である。
10で表されるアルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれでもよく、環状が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、上述したものが挙げられる。
10で表されるアリール基は、単環であってもよく、多環であってもよいが、単環が好ましい。アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。
10は、環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。
11、R12で表されるアルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれでも良く、直鎖状または分岐状が好ましい。アルキル基は置換基を有していても良く、置換基としては上述したものが挙げられる。アルキル基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。
11、R12で表されるアリール基は、単環であってもよく、多環であっても良いが、単環が好ましい。アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。
11、R12は、直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。
13で表されるアルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれでも良く、直鎖状または分岐状が好ましい。アルキル基は置換基を有していても良く、置換基としては上述したものが挙げられる。アルキル基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。
13で表されるアリール基は、単環であってもよく、多環であっても良いが、単環が好ましい。アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。
13は、直鎖状または分岐状のアルキル基、または、アリール基が好ましい。
上記ポリマータイプの化合物が、他の繰り返し単位(好ましくは式(MX3−1)〜(MX3−6)で表される繰り返し単位)を含む場合、式(MX2−1)〜(MX2−3)で表される繰り返し単位の合計と、他の繰り返し単位の合計とのモル比は、95:5〜20:80であることが好ましく、90:10〜40:60であることがより好ましい。式(MX2−1)〜(MX2−3)で表される繰り返し単位の含有率を上記の範囲内で高めることで、耐湿性および耐溶剤性がより向上する傾向にある。また、式(MX2−1)〜(MX2−3)で表される繰り返し単位の含有率を上記の範囲内で低くすることで、耐熱性がより向上する傾向にある。
MがSiであるポリマータイプの化合物としては、例えば、下記構造が挙げられる。なお、繰り返し単位に記載の数値は、モル比である。
Figure 2017126527
本発明では、M−Xで表される部分構造を有するポリマータイプの化合物として、ポリシロキサンを用いることもできる。ポリシロキサンとしては、信越シリコーン社製のKC−89S、KR−500、X−40−9225、X−40−9246、X−40−9250(いずれもメトキシ基を有するメチル系シリコーンアルコキシオリゴマー)、KR−9218、KR−213、KR−510、X−40−9227、X−40−9247(いずれもメトキシ基を有するメチルフェニル系シリコーンアルコキシオリゴマー)、X−41−1053、X−41−1059A、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1818、X−41−1810、KR−513、X−40−2672B、X−40−9272B、X−40−2651、X−40−2308、X−40−9238(シリコーンアルコキシオリゴマー)などが挙げられる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、M−Xで表される部分構造を有する化合物を、近赤外線吸収組成物の全固形分に対し、15質量%以上含有することが好ましく、20質量%以上含有することがより好ましく、25質量%以上含有することがさらに好ましい。上限は、特に限定はないが、99質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、70質量%以下が一層好ましい。M−Xで表される部分構造を有する化合物の含有量が上記の範囲内であれば、耐熱性に優れた膜を形成しやすい。
また、M−Xで表される部分構造を有する化合物と、銅化合物との質量比は、M−Xで表される部分構造を有する化合物:銅化合物=15:85〜90:10が好ましく、20:80〜80:20がより好ましく、25:75〜70:30がさらに好ましい。両者の比が上記の範囲内であれば、高い近赤外線遮蔽性を維持しつつ、耐熱性に優れた膜を形成しやすい。
本発明において、M−Xで表される部分構造を有する化合物は、上述した低分子化合物およびポリマータイプの化合物から選ばれる1種で実質的に構成されている態様とすることもできる。なお、「低分子化合物およびポリマータイプの化合物から選ばれる1種で実質的に構成されている」とは、例えば、低分子化合物およびポリマータイプの化合物のうち、目的とするタイプの化合物以外の含有量が、M−Xで表される部分構造を有する化合物の全量中に1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、含有しないことがさらに好ましい。例えば、目的とするタイプの化合物がポリマータイプの化合物の場合は、低分子化合物が目的とするタイプの化合物以外に該当する。
また、本発明において、M−Xで表される部分構造を有する化合物は、低分子化合物から選ばれる1種以上と、ポリマータイプの化合物から選ばれる1種以上とを組み合わせて用いることもできる。低分子化合物の合計と、ポリマータイプの化合物の合計との質量比は、1:9〜5:5が好ましく、1:9〜4:6がより好ましく、1:9〜3:7が特に好ましい。
<<銅化合物>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、銅化合物を含有する。銅化合物は、赤外線吸収剤であることが好ましい。赤外線吸収剤としての銅化合物は、赤外領域の波長領域(好ましくは、波長700〜1200mnの範囲)に吸収を有し、可視領域(好ましくは、波長400〜650mnの範囲)の波長の光を透過する化合物が好ましい。
本発明において、赤外線吸収剤として用いる銅化合物は、銅錯体が好ましい。銅錯体としては、銅と、銅に対する配位部位を有する化合物(配位子)との錯体が好ましい。銅に対する配位部位としては、アニオンで配位する配位部位、非共有電子対で配位する配位原子が挙げられる。銅錯体は、配位子を2つ以上有していてもよい。配位子を2つ以上有する場合は、それぞれの配位子は同一であってもよく、異なっていてもよい。銅錯体は、4配位、5配位および6配位が例示され、4配位および5配位が好ましく、5配位がより好ましい。また、銅錯体は、銅と配位子によって、5員環および/または6員環が形成されていることが好ましい。このような銅錯体は、形状が安定であり、錯体安定性に優れる。
本発明において、銅錯体は、フタロシアニン銅錯体以外の銅錯体であることも好ましい。ここで、フタロシアニン銅錯体とは、フタロシアニン骨格を有する化合物を配位子とする銅錯体である。フタロシアニン骨格を有する化合物は、分子全体にπ電子共役系が広がり、平面構造を取る。フタロシアニン銅錯体は、π−π*遷移で光を吸収する。π−π*遷移で赤外領域の光を吸収するには、配位子をなす化合物が長い共役構造をとる必要がある。しかしながら、配位子の共役構造を長くすると、可視光透過性が低下する傾向にある。このため、フタロシアニン銅錯体は、可視光透過性が不十分な場合がある。
また、銅錯体は、400〜600nmの波長領域に極大吸収波長を有さない化合物を配位子とする銅錯体であることも好ましい。400〜600nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物を配位子とする銅錯体は、可視領域(例えば、400〜600nmの波長領域)に吸収を有するため、可視光透過性が不十分な場合がある。400〜600nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物としては、長い共役構造を有し、π−π*遷移の光の吸収の大きい化合物が挙げられる。具体的には、フタロシアニン骨格を有する化合物が挙げられる。
銅錯体は、例えば銅成分(銅または銅を含む化合物)に対して、銅に対する配位部位を有する化合物(配位子)を混合や反応等させて得ることができる。銅に対する配位部位を有する化合物(配位子)は、低分子化合物であってもよく、ポリマーであってもよい。両者を併用することもできる。
銅成分は、2価の銅を含む化合物が好ましい。銅成分は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。銅成分としては、例えば、酸化銅や銅塩を用いることができる。銅塩は、例えば、カルボン酸銅(例えば、酢酸銅、エチルアセト酢酸銅、ギ酸銅、安息香酸銅、ステアリン酸銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅など)、スルホン酸銅(例えば、メタンスルホン酸銅など)、リン酸銅、リン酸エステル銅、ホスホン酸銅、ホスホン酸エステル銅、ホスフィン酸銅、アミド銅、スルホンアミド銅、イミド銅、アシルスルホンイミド銅、ビススルホンイミド銅、メチド銅、アルコキシ銅、フェノキシ銅、水酸化銅、炭酸銅、硫酸銅、硝酸銅、過塩素酸銅、フッ化銅、塩化銅、臭化銅が好ましく、カルボン酸銅、スルホン酸銅、スルホンアミド銅、イミド銅、アシルスルホンイミド銅、ビススルホンイミド銅、アルコキシ銅、フェノキシ銅、水酸化銅、炭酸銅、フッ化銅、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅がより好ましく、カルボン酸銅、アシルスルホンイミド銅、フェノキシ銅、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅がさらに好ましく、カルボン酸銅、アシルスルホンイミド銅、塩化銅、硫酸銅が特に好ましい。
本発明において、銅錯体は、700〜1200nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物が好ましい。銅錯体の極大吸収波長は、720〜1200nmの波長領域に有することがより好ましく、800〜1100nmの波長領域に有することがさらに好ましい。極大吸収波長は、例えば、Cary 5000 UV−Vis−NIR(分光光度計 アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いて測定することができる。
銅錯体の上述した波長領域における極大吸収波長でのモル吸光係数は、100(L/mol・cm)以上が好ましく、120(L/mol・cm)以上がより好ましく、150(L/mol・cm)以上が更に好ましく、200(L/mol・cm)以上がよりさらに好ましく、300(L/mol・cm)以上が一層好ましく、400(L/mol・cm)以上が特に好ましい。上限は、特に限定はないが、例えば、30,000(L/mol・cm)以下とすることができる。銅錯体の上記モル吸光係数が、100(L/mol・cm)以上であれば、薄膜であっても、赤外線遮蔽性に優れた硬化膜を形成することができる。
銅錯体の800nmでのグラム吸光係数は、0.11(L/g・cm)以上が好ましく、0.15(L/g・cm)以上がより好ましく、0.24(L/g・cm)以上がさらに好ましい。
なお、本発明において、銅錯体のモル吸光係数およびグラム吸光係数は、銅錯体を溶媒に溶解させて1g/Lの濃度の溶液を調製し、銅錯体を溶解させた溶液の吸収スペクトルを測定して求めることができる。測定装置としては、島津製作所製UV−1800(波長領域200〜1100nm)、Agilent製Cary 5000(波長領域200〜1300nm)などを用いることができる。測定溶媒としては、水、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,2,4−トリクロロベンゼン、アセトンが挙げられる。本発明では、上述した測定溶媒のうち、測定対象の銅錯体を溶解できるものを選択して用いる。なかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテルで溶解する銅錯体の場合は、測定溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルを用いることが好ましい。なお、溶解するとは、25℃の溶媒に対する、銅錯体の溶解度が0.01g/100gSolventを超える状態を意味する。
本発明において、銅錯体のモル吸光係数およびグラム吸光係数は、上述した測定溶媒のいずれか1つを用いて測定した値であることが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルでの値であることがより好ましい。
銅化合物は、市販品を用いることもできる。市販品の銅化合物としては、イーエクスカラーIR−17(日本触媒(株)製)などが挙げられる。
銅化合物の含有量は、近赤外線吸収組成物の全固形分に対して、銅の元素基準で10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。上限は特にないが、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
また、銅化合物の含有量は、近赤外線吸収組成物の全固形分に対して、1〜80質量%が好ましい。上限は、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。下限は、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。
<<<低分子タイプの銅化合物>>>
銅化合物としては、例えば、下記式(Cu−1)で表される銅錯体を用いることができる。この銅錯体は、中心金属の銅に配位子Lが配位した銅化合物であり、銅は、通常2価の銅である。このような銅錯体は、例えば銅成分に対して、配位子Lとなる化合物またはその塩を混合や反応等させて得ることができる。
Cu(L)n1・(X)n2 式(Cu−1)
上記式中、Lは、銅に配位する配位子を表し、Xは、対イオンを表す。n1は、1〜4の整数を表す。n2は、0〜4の整数を表す。
Xは、対イオンを表す。銅化合物は、電荷を持たない中性錯体のほか、カチオン錯体、アニオン錯体になることもある。この場合、銅化合物の電荷を中和するよう、必要に応じて対イオンが存在する。
対イオンが負の対イオンの場合、例えば、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。具体例としては、水酸化物イオン、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換または無置換のアルキルカルボン酸イオン(酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン等)、置換または無置換のアリールカルボン酸イオン(安息香酸イオン等)、置換もしくは無置換のアルキルスルホン酸イオン(メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等)、置換もしくは無置換のアリールスルホン酸イオン(例えば、パラトルエンスルホン酸イオン、パラクロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラアリールホウ酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン(B(C)、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、アミドイオン(アシル基やスルホニル基で置換されたアミドを含む)、メチドイオン(アシル基やスルホニル基で置換されたメチドを含む)が挙げられ、ハロゲン陰イオン、置換もしくは無置換のアルキルカルボン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラアリールホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、アミドイオン(アシル基やスルホニル基で置換されたアミドを含む)、メチドイオン(アシル基やスルホニル基で置換されたメチドを含む)が好ましい。
対イオンが正の対イオンの場合、例えば、無機もしくは有機のアンモニウムイオン(例えば、テトラブチルアンモニウムイオンなどのテトラアルキルアンモニウムイオン、トリエチルベンジルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、ホスホニウムイオン(例えば、テトラブチルホスホニウムイオンなどのテトラアルキルホスホニウムイオン、アルキルトリフェニルホスホニウムイオン、トリエチルフェニルホスホニウムイオン等)、アルカリ金属イオンまたはプロトンが挙げられる。
また、対イオンは金属錯体イオンであってもよく、特に対イオンが銅錯体、すなわち、カチオン性銅錯体とアニオン性銅錯体の塩であっても良い。
対アニオンは、低求核アニオンが好ましい。低求核アニオンとは、一般的に超酸(super acid)と呼ばれるpKaの低い酸がプロトンを解離してなるアニオンである。超酸の定義は、文献によっても異なるが、メタンスルホン酸よりpKaが低い酸の総称であり、J.Org.Chem.2011,76,391−395 Equilibrium Acidities of Super acidsに記載される構造が知られている。低求核アニオンのpKaは、例えば、−11以下が好ましく、−11〜−18がより好ましい。pKaは、例えば、J.Org.Chem.2011,76,391−395に記載の方法により測定することができる。本明細書におけるpKa値は、特に断りがない場合、1,2−ジクロロエタン中でのpKaである。
低求核アニオンは、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラアリールホウ酸イオン(ハロゲン原子やフルオロアルキル基で置換されたアリールを含む)、ヘキサフルオロホスフェートイオン、イミドイオン(アシル基やスルホニル基で置換されたアミドを含む)、メチドイオン(アシル基やスルホニル基で置換されたメチドを含む)が好ましく、テトラアリールホウ酸イオン(ハロゲン原子やフルオロアルキル基で置換されたアリールを含む)、イミドイオン(スルホニル基で置換されたアミドを含む)、メチドイオン(スルホニル基で置換されたメチドを含む)が特に好ましい。
配位子Lは、銅に対する配位部位を有する化合物であり、銅に対しアニオンで配位する配位部位、および、銅に対し非共有電子対で配位する配位原子から選ばれる1種以上を有する化合物が挙げられる。アニオンで配位する配位部位は、解離していてもよく、非解離でも良い。配位子Lは、銅に対する配位部位を2個以上有する化合物(多座配位子)が好ましい。また、配位子Lは、可視透過性を向上させるために、芳香族などのπ共役系が連続して複数結合していないことが好ましい。配位子Lは、銅に対する配位部位を1個有する化合物(単座配位子)と、銅に対する配位部位を2個以上有する化合物(多座配位子)とを併用することもできる。単座配位子としては、アニオンまたは非共有電子対で配位する単座配位子が挙げられる。アニオンで配位する配位子としては、ハライドアニオン、ヒドロキシドアニオン、アルコキシドアニオン、フェノキシドアニオン、アミドアニオン(アシル基やスルホニル基で置換されたアミドを含む)、イミドアニオン(アシル基やスルホニル基で置換されたイミドを含む)、アニリドアニオン(アシル基やスルホニル基で置換されたアニリドを含む)、チオラートアニオン、炭酸水素アニオン、カルボン酸アニオン、チオカルボン酸アニオン、ジチオカルボン酸アニオン、硫酸水素アニオン、スルホン酸アニオン、リン酸二水素アニオン、リン酸ジエステルアニオン、ホスホン酸モノエステルアニオン、ホスホン酸水素アニオン、ホスフィン酸アニオン、含窒素へテロ環アニオン、硝酸アニオン、次亜塩素酸アニオン、シアニドアニオン、シアナートアニオン、イソシアナートアニオン、チオシアナートアニオン、イソチオシアナートアニオン、アジドアニオンなどが挙げられる。非共有電子対で配位する単座配位子としては、水、アルコール、フェノール、エーテル、アミン、アニリン、アミド、イミド、イミン、ニトリル、イソニトリル、チオール、チオエーテル、カルボニル化合物、チオカルボニル化合物、スルホキシド、へテロ環、あるいは、炭酸、カルボン酸、硫酸、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、硝酸、または、そのエステルが挙げられる。
上記配位子Lが有するアニオンは、銅成分中の銅原子に配位可能なものであればよく、酸素アニオン、窒素アニオンまたは硫黄アニオンが好ましい。アニオンで配位する配位部位は、以下の1価の官能基群(AN−1)、または、2価の官能基群(AN−2)から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、以下の構造式における波線は、配位子を構成する原子団との結合位置である。
官能基群(AN−1)
Figure 2017126527
官能基群(AN−2)
Figure 2017126527
上記式中、Xは、NまたはCRを表し、Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
Rが表すアルキル基は、直鎖状、分岐状または環状であってもよいが、直鎖状が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。アルキル基の例としては、メチル基が挙げられる。アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原子、カルボキシル基、ヘテロ環基が挙げられる。置換基としてのヘテロ環基は、単環であっても多環であってもよく、また、芳香族であっても非芳香族であってもよい。ヘテロ環を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましく、1または2がより好ましい。ヘテロ環を構成するヘテロ原子は、窒素原子が好ましい。アルキル基が置換基を有している場合、さらに置換基を有していてもよい。
Rが表すアルケニル基は、直鎖状、分岐状または環状であってもよいが、直鎖状が好ましい。アルケニル基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。アルケニル基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述したものが挙げられる。
Rが表すアルキニル基は、直鎖状、分岐状または環状であってもよいが、直鎖状が好ましい。アルキニル基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。アルキニル基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述したものが挙げられる。
Rが表すアリール基は、単環であっても多環であってもよいが、単環が好ましい。アリール基の炭素数は6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。アリール基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述したものが挙げられる。
Rが表すヘテロアリール基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子、酸素原子が好ましい。ヘテロアリール基を構成する炭素数は1〜18が好ましく、1〜12がより好ましい。ヘテロアリール基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述したものが挙げられる。
アニオンで配位する配位部位の例として、モノアニオン性配位部位も挙げられる。モノアニオン性配位部位は、1つの負電荷を有する官能基を介して銅原子と配位する部位を表す。例えば、酸解離定数(pKa)が12以下の酸基が挙げられる。具体的には、リン原子を含有する酸基(リン酸ジエステル基、ホスホン酸モノエステル基、ホスフィン酸基等)、スルホ基、カルボキシル基、イミド酸基等が挙げられ、スルホ基、カルボキシル基が好ましい。
非共有電子対で配位する配位原子は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはリン原子が好ましく、酸素原子、窒素原子または硫黄原子がより好ましく、酸素原子、窒素原子がさらに好ましく、窒素原子が特に好ましい。非共有電子対で配位する配位原子が窒素原子である場合、窒素原子に隣接する原子が炭素原子、または、窒素原子であることが好ましく、炭素原子がより好ましい。
非共有電子対で配位する配位原子は、環に含まれるか、または、以下の1価の官能基群(UE−1)、2価の官能基群(UE−2)、3価の官能基群(UE−3)から選択される少なくとも1種の部分構造に含まれることが好ましい。なお、以下の構造式における波線は、配位子を構成する原子団との結合位置である。
官能基群(UE−1)
Figure 2017126527
官能基群(UE−2)
Figure 2017126527
官能基群(UE−3)
Figure 2017126527
官能基群(UE−1)〜(UE−3)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アミノ基またはアシル基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が好ましく、水素原子、アルキル基がより好ましく、アルキル基が特に好ましい。アルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましい。N原子上の置換基、すなわちRをアルキル基とすることで、可視透過性がより向上する。理由は不明だが、配位子軌道のエネルギーレベルが変わることで、配位子−銅間の電荷移動遷移が長波長シフトするためと推定する。
非共有電子対で配位する配位原子は、環に含まれていてもよい。非共有電子対で配位する配位原子が環に含まれる場合、非共有電子対で配位する配位原子を含む環は、単環であっても多環であってもよく、また、芳香族であっても非芳香族であってもよい。非共有電子対で配位する配位原子を含む環は、5〜12員環が好ましく、5〜7員環がより好ましい。
非共有電子対で配位する配位原子を含む環は、置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ハロゲン原子、ケイ素原子、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアシル基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、カルボキシル基等が挙げられる。
非共有電子対で配位する配位原子を含む環が置換基を有している場合、さらに置換基を有していてもよく、さらなる置換基としては、非共有電子対で配位する配位原子を含む環からなる基、上述した官能基群(UE−1)〜(UE−3)から選択される少なくとも1種の部分構造を含む基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアシル基、ヒドロキシ基が挙げられる。
非共有電子対で配位する配位原子が官能基群(UE−1)〜(UE−3)で表される部分構造に含まれる場合、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アミノ基またはアシル基を表す。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、上記アニオンで配位する配位部位で説明したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、およびヘテロアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
アルコキシ基の炭素数は、1〜12が好ましく、3〜9がより好ましい。
アリールオキシ基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。
ヘテロアリールオキシ基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリールオキシ基を構成するヘテロアリール基は、上記アニオンで配位する配位部位で説明したヘテロアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
アルキルチオ基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜9がより好ましい。
アリールチオ基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。
ヘテロアリールチオ基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリールチオ基を構成するヘテロアリール基は、上記アニオンで配位する配位部位で説明したヘテロアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
アシル基の炭素数は、2〜12が好ましく、2〜9がより好ましい。
配位子が、1分子内に、アニオンで配位する配位部位と非共有電子対で配位する配位原子とを有する場合、アニオンで配位する配位部位と非共有電子対で配位する配位原子とを連結する原子数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。このような構成とすることにより、銅錯体の構造がより歪みやすくなるため、色価をより向上させることができ、可視光透過性を高めつつ、モル吸光係数を大きくし易い。アニオンで配位する配位部位と非共有電子対で配位する配位原子とを連結する原子の種類は、1種または2種以上であってもよい。炭素原子、または、窒素原子が好ましい。
配位子が、1分子内に、非共有電子対で配位する配位原子を2以上有する場合、非共有電子対で配位する配位原子は3つ以上有していてもよく、2〜5つ有していることが好ましく、4つ有していることがより好ましい。非共有電子対で配位する配位原子同士を連結する原子数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、2〜3がさらに好ましく、3が特に好ましい。このような構成とすることにより、銅錯体の構造がより歪みやすくなるため、色価をより向上させることができる。非共有電子対で配位する配位原子同士を連結する原子は、1種または2種以上であってもよい。非共有電子対で配位する配位原子同士を連結する原子は、炭素原子が好ましい。
配位子は、少なくとも2つの配位部位を有する化合物(多座配位子ともいう)が好ましい。配位子は、配位部位を少なくとも3つ有することがより好ましく、3〜5個有することがさらに好ましく、4〜5個有することが特に好ましい。多座配位子は、銅成分に対し、キレート配位子として働く。すなわち、多座配位子が有する少なくとも2つの配位部位が、銅とキレート配位することにより、銅錯体の構造が歪んで、可視光領域の高い透過性が得られ、赤外線の吸光能力を向上でき、色価も向上すると考えられる。これにより、近赤外線カットフィルタを長期間使用しても、その特性が損なわれず、またカメラモジュールを安定的に製造することも可能となる。
多座配位子は、アニオンで配位する配位部位を1つ以上と非共有電子対で配位する配位原子を1つ以上とを含む化合物、非共有電子対で配位する配位原子を2つ以上有する化合物、アニオンで配位する配位部位を2つ含む化合物等が挙げられる。これらの化合物は、それぞれ独立して、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、配位子となる化合物は、配位部位を1つのみ有する化合物を用いることもできる。
多座配位子は、下記式(IV−1)〜(IV−14)で表される化合物であることが好ましい。例えば、配位子が4つの配位部位を有する化合物である場合は、下記式(IV−3)、(IV−6)、(IV−7)、(IV−12)で表される化合物が好ましく、金属中心により強固に配位し、耐熱性の高い安定な5配位錯体を形成しやすいという理由から、(IV−12)で表される化合物がより好ましい。また、例えば、配位子が5つの配位部位を有する化合物である場合は、下記式(IV−4)、(IV−8)〜(IV−11)、(IV−13)、(IV−14)で表される化合物が好ましく、金属中心により強固に配位し、耐熱性の高い安定な5配位錯体を形成しやすいという理由から、(IV−9)、(IV−10)、(IV−13)、(IV−14)で表される化合物がより好ましく、(IV−13)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2017126527
式(IV−1)〜(IV−14)中、X〜X59は、それぞれ独立して、配位部位を表し、L〜L25は、それぞれ独立して、単結合または2価の連結基を表し、L26〜L32は、それぞれ独立して、3価の連結基を表し、L33およびL34は、それぞれ独立して、4価の連結基を表す。
〜X42は、それぞれ独立して、非共有電子対で配位する配位原子を含む環からなる基、上述した官能基群(AN−1)、または、官能基群(UE−1)から選択される少なくとも1種を表すことが好ましい。
43〜X56は、それぞれ独立して、非共有電子対で配位する配位原子を含む環からなる基、上述した官能基群(AN−2)、または、官能基群(UE−2)から選択される少なくとも1種を表すことが好ましい。
57〜X59は、それぞれ独立して、上述した官能基群(UE−3)から選択される少なくとも1種を表すことが好ましい。
〜L25は、それぞれ独立して、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−SO−、−O−、−SO−または、これらの組み合わせからなる基が好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基、フェニレン基、−SO−またはこれらの組み合わせからなる基がより好ましい。
26〜L32は、それぞれ独立して、3価の連結基を表す。3価の連結基としては、上述した2価の連結基から水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
33およびL34はそれぞれ独立して4価の連結基を表す。4価の連結基としては、上述した2価の連結基から水素原子を2つ除いた基が挙げられる。
ここで、官能基群(AN−1)および(AN−2)中のR、および、官能基群(UE−1)〜(UE−3)中のRは、R同士、R同士、あるいは、RとR間で連結して環を形成しても良い。
配位子をなす化合物の具体例としては、以下に示す化合物、後述する多座配位子の好ましい具体例として示す化合物、および、これらの化合物の塩が挙げられる。塩を構成する原子としては、金属原子、テトラブチルアンモニウムなどが挙げられる。金属原子としては、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子がより好ましい。アルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属原子としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。また、特開2014−41318号公報の段落番号0022〜0042、特開2015−43063号公報の段落番号0021〜0039、特開2015−158662号公報の段落番号0025、0026の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
Figure 2017126527
Figure 2017126527
Figure 2017126527
銅錯体は、例えば、以下の(1)〜(5)の態様が好ましい一例として挙げられ、(2)〜(5)がより好ましく、(3)〜(5)がさらに好ましく、(4)または(5)が一層好ましい。
(1)2つの配位部位を有する化合物の1つまたは2つを配位子として有する銅錯体
(2)3つの配位部位を有する化合物を配位子として有する銅錯体
(3)3つの配位部位を有する化合物と2つの配位部位を有する化合物とを配位子として有する銅錯体
(4)4つの配位部位を有する化合物を配位子として有する銅錯体
(5)5つの配位部位を有する化合物を配位子として有する銅錯体
多座配位子としては、上述した配位子の具体例で説明した化合物のうち、配位部位を2以上有する化合物や、以下に示す化合物が挙げられる。
Figure 2017126527
Figure 2017126527
(リン酸エステル銅錯体)
本発明において、銅化合物として、リン酸エステル銅錯体を用いることもできる。リン酸エステル銅錯体は、銅を中心金属としリン酸エステル化合物を配位子とするものである。リン酸エステル銅錯体の配位子をなすリン酸エステル化合物は、下記式(L−100)で表される化合物またはその塩が好ましい。
(HO)−P(=O)−(OR3−n 式(L−100)
式中、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、または炭素数2〜18のアルケニル基を表すか、−ORが、炭素数4〜100のポリオキシアルキル基、炭素数4〜100の(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、または、炭素数4〜100の(メタ)アクリロイルポリオキシアルキル基を表し、nは1または2を表す。nが1のとき、Rはそれぞれ同一でもよいし、異なっていてもよい。
リン酸エステル化合物の具体例としては、上述した配位子が挙げられる。また、特開2014−41318号公報の段落番号0022〜0042の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
(スルホン酸銅錯体)
本発明において、銅化合物として、スルホン酸銅錯体を用いることもできる。スルホン酸銅錯体は、銅を中心金属としスルホン酸化合物を配位子とするものである。スルホン酸銅錯体の配位子をなすスルホン酸化合物は、下記式(L−200)で表される化合物またはその塩が好ましい。
−SO−OH 式(L−200)
式中、Rは、1価の有機基を表す。1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などを挙げることができる。
アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、重合性基(好ましくは、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基)、(メタ)アクリロイル基などのエチレン性不飽和結合を有する基)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基、カルボン酸エステル基(例えば−CO2CH3)、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、エーテル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルフィド基、アミド基、アシル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン原子を含有する酸基、アミノ基、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基等が挙げられる。
スルホン酸化合物の具体例としては、上述した配位子が挙げられる。また、特開2015−43063号公報の段落番号0021〜0039の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<<<ポリマータイプの銅化合物>>>
本発明において、銅化合物として、ポリマー側鎖に銅錯体部位を有する銅含有ポリマーを用いることができる。
銅錯体部位としては、銅と、銅に対して配位する部位(配位部位)とを有するものが挙げられる。銅に対して配位する部位としては、アニオンまたは非共有電子対で配位する部位が挙げられる。また、銅錯体部位は、銅に対して4座配位または5座配位する部位を有することが好ましい。配位部位の詳細については、上述した低分子タイプの銅化合物で説明したものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
銅含有ポリマーとしては、配位部位を含むポリマー(ポリマー(B1)ともいう)と、銅成分との反応で得られるポリマーや、ポリマー側鎖に反応性部位を有するポリマー(以下ポリマー(B2)ともいう)と、ポリマー(B2)が有する反応性部位と反応可能な官能基を有する銅錯体とを反応させて得られるポリマーが挙げられる。銅含有ポリマーの重量平均分子量は、2000以上が好ましく、2000〜200万がより好ましく、6000〜200,000がさらに好ましい。
銅含有ポリマーの重量平均分子量は、2000以上が好ましく、2000〜200万がより好ましく、6000〜200,000がさらに好ましい。
<<他の赤外線吸収剤>>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、銅化合物以外の他の赤外線吸収剤をさらに含有してもよい。他の赤外線吸収剤としては、例えば、ピロロピロール化合物、スクアリリウム化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、ジイミニウム化合物、チオール錯体系化合物、遷移金属酸化物系化合物、クアテリレン系化合物、クロコニウム系化合物等が挙げられる。
他の赤外線吸収剤の含有量は、近赤外線吸収組成物の全固形分に対して、1〜80質量%が好ましい。上限は、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。下限は、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。
<<無機微粒子>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、無機微粒子を含んでいてもよい。無機微粒子は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
無機微粒子は、主に、赤外線を遮光(吸収)する役割を果たす粒子である。無機微粒子は、赤外線遮蔽性がより優れる点で、金属酸化物微粒子または金属微粒子が好ましい。
金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)粒子、酸化アンチモンスズ(ATO)粒子、酸化亜鉛(ZnO)粒子、Alドープ酸化亜鉛(AlドープZnO)粒子、フッ素ドープ二酸化スズ(FドープSnO)粒子、ニオブドープ二酸化チタン(NbドープTiO)粒子などが挙げられる。
金属微粒子としては、例えば、銀(Ag)粒子、金(Au)粒子、銅(Cu)粒子、ニッケル(Ni)粒子などが挙げられる。なお、赤外線遮蔽性とフォトリソ性とを両立するためには、露光波長(365〜405nm)の透過率が高い方が望ましく、酸化インジウムスズ(ITO)粒子または酸化アンチモンスズ(ATO)粒子が好ましい。
無機微粒子の形状は特に制限されず、球状、非球状を問わず、シート状、ワイヤー状、チューブ状であってもよい。
また、無機微粒子として、酸化タングステン系化合物が使用できる、具体的には、下記式(組成式)(I)で表される酸化タングステン系化合物であることが好ましい。
・・・(I)
Mは金属、Wはタングステン、Oは酸素を表す。
0.001≦x/y≦1.1
2.2≦z/y≦3.0
Mが表す金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Sn、Pb、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Biが挙げられ、アルカリ金属が好ましく、RbまたはCsがより好ましく、Csが特に好ましい。Mの金属は1種でも2種以上でも良い。
x/yが0.001以上であることにより、赤外線を十分に遮蔽することができ、1.1以下であることにより、酸化タングステン系化合物中に不純物相が生成されることをより確実に回避することができる。
z/yが2.2以上であることにより、材料としての化学的安定性をより向上させることができ、3.0以下であることにより赤外線を十分に遮蔽することができる。
上記式(I)で表される酸化タングステン系化合物の具体例としては、Cs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Ba0.33WOなどを挙げることができ、Cs0.33WOまたはRb0.33WOであることが好ましく、Cs0.33WOであることがより好ましい。
酸化タングステン系化合物は、例えば、住友金属鉱山株式会社製のYMF−02などのタングステン微粒子の分散物として入手可能である。
無機微粒子の平均粒子径は、800nm以下が好ましく、400nm以下がより好ましく、200nm以下がさらに好ましい。無機微粒子の平均粒子径がこのような範囲であることによって、可視光領域における透光性をより確実にすることができる。光散乱を回避する観点からは、平均粒子径は小さいほど好ましいが、製造時における取り扱いの容易性などの理由から、無機微粒子の平均粒子径は、通常、1nm以上である。
無機微粒子の含有量は、近赤外線吸収組成物の全固形分に対して、0.01〜30質量%が好ましい。下限は、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。上限は、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
<<有機溶剤>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、有機溶剤を含有する。溶剤は、特に制限はなく、各成分を均一に溶解または分散しうるものであれば、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、およびジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホラン等が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルコール類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類の具体例としては、特開2012−194534号公報の段落番号0136等に記載のものが挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。エステル類、ケトン類、エーテル類の具体例としては、特開2012−208494号公報の段落番号0497(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0609])に記載のものが挙げられる。さらに、酢酸−n−アミル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、硫酸メチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
有機溶剤としては、1−メトキシ−2−プロパノール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸ブチル、乳酸エチルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルから選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
本発明においては、金属含有量の少ない有機溶剤を用いることが好ましく、有機溶剤の金属含有量は、例えば10ppb以下であることが好ましい。必要に応じてpptレベルの溶剤を用いてもよく、そのような高純度溶剤は例えば東洋合成社が提供している。
有機溶剤から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、蒸留(分子蒸留や薄膜蒸留等)やフィルタを用いたろ過を挙げることができる。フィルタを用いたろ過におけるフィルタ孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下がさらに好ましい。フィルタの材質としては、ポリテトラフルオロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のフィルタが好ましい。
有機溶剤は、異性体(同じ原子数で異なる構造の化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。
有機溶剤の含有量は、本発明の近赤外線吸収組成物の全固形分が5〜60質量%となる量が好ましい。下限は、10質量%以上がより好ましい。上限は、40質量%以下がより好ましい。
有機溶剤は1種類のみでも、2種類以上でもよく、2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<ジケトン化合物>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、さらにジケトン化合物を含有することが好ましい。ジケトン化合物を含有することで、近赤外線吸収組成物の保存安定性がさらに向上する。
ジケトン化合物としては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
式(1)
Figure 2017126527
式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表す。
〜Rが表す置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などが挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜8がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。
ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がさらに好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12がより好ましい。
アルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン原子などが挙げられる。
<<樹脂>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、樹脂を含有することができる。樹脂としては、特に限定はない。例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ−N−ビニルアセトアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、フルオレンポリカーボネート樹脂、フルオレンポリエステル樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、フッ素化芳香族ポリマー樹脂、アリルエステル樹脂およびシルセスキオキサン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂から選択される1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。上記樹脂については、特開2014−218597号公報の段落番号0056〜0060の記載、特開2013−218312号公報の段落番号0074〜0156の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜2,000,000が好ましい。上限は、1,000,000以下がより好ましく、500,000以下がさらに好ましい。下限は、3,000以上がより好ましく、5,000以上がさらに好ましい。また、エポキシ樹脂の場合、重量平均分子量(Mw)は、100以上が好ましく、200〜2,000,000がより好ましい。上限は、1,000,000以下がより好ましく、500,000以下がさらに好ましい。
(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来する構成単位を含むポリマーが挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミドおよび(メタ)アクリロニトリルから選ばれる少なくとも1種を重合して得られるポリマーが挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、ポリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)と、多塩基酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸およびこれらの芳香環の水素原子がメチル基、エチル基、フェニル基等で置換された芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸、およびシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸など)との反応により得られるポリマーや、カプロラクトンモノマー等の環状エステル化合物の開環重合により得られるポリマー(例えばポリカプロラクトン)が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
樹脂の含有量は、近赤外線吸収組成物の全固形分に対して、1〜70質量%が好ましい。下限は、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。上限は、例えば、65質量%以下とすることもでき、60質量%以下とすることもできる。樹脂は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<架橋性基を有する化合物(架橋性化合物)>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、上述した化合物MX以外の成分として、架橋性基を有する化合物(以下、架橋性化合物ともいう)を含有してもよい。架橋性化合物は、例えば、エチレン性不飽和結合を有する基を有する化合物、環状エーテル基を有する化合物、メチロール基を有する化合物等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、スチリル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられ、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基が好ましい。環状エーテル基としては、エポキシ基やオキセタニル基が挙げられ、エポキシ基が好ましい。
架橋性化合物は、モノマーであってもよく、ポリマーであってもよい。モノマーが好ましい。モノマータイプの架橋性化合物の分子量は、2000未満が好ましく、100以上2000未満がより好ましく、200以上2000未満がさらに好ましい。上限は、例えば1500以下が好ましい。ポリマータイプの架橋性化合物の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜2,000,000が好ましい。上限は、1,000,000以下がより好ましく、500,000以下がさらに好ましい。下限は、3,000以上がより好ましく、5,000以上がさらに好ましい。また、環状エーテル基を有する化合物の場合、重量平均分子量(Mw)は、100以上が好ましく、200〜2,000,000がより好ましい。上限は、1,000,000以下がより好ましく、500,000以下がさらに好ましい。
(エチレン性不飽和結合を有する基を有する化合物)
エチレン性不飽和結合を有する基を有する化合物は、3〜15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3〜6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基を含む化合物の例としては、特開2013−253224号公報の段落番号0033〜0034の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。具体例としては、エチレンオキシ変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては、NKエステルATM−35E;新中村化学工業社製)、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては、KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては、KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては、KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては、KAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製、A−DPH−12E;新中村化学工業社製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介して結合している構造のものが好ましい。またこれらのオリゴマータイプも使用できる。また、特開2013−253224号公報の段落番号0034〜0038に記載の重合性化合物の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、特開2012−208494号公報の段落番号0477(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0585])に記載の重合性モノマー等が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、ジグリセリンEO(エチレンオキシド)変性(メタ)アクリレート(市販品としては、M−460;東亞合成製)が好ましい。ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業社製、A−TMMT)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬社製、KAYARAD HDDA)も好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。例えば、RP−1040(日本化薬株式会社製)などが挙げられる。
エチレン性不飽和結合を有する基を含む化合物としては、さらに、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。酸基を有する化合物としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが挙げられ、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に、非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトールおよび/またはジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーである、アロニックスシリーズのM−305、M−510、M−520などが挙げられる。酸基を有する化合物の酸価は、0.1〜40mgKOH/gが好ましい。下限は、5mgKOH/g以上がより好ましい。上限は、30mgKOH/g以下がより好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する基を含む化合物は、カプロラクトン構造を有する化合物も好ましい態様である。カプロラクトン構造を有する化合物としては、特開2013−253224号公報の段落番号0042〜0045の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
本発明において、エチレン性不飽和結合を有する基を有する化合物として、エチレン性不飽和結合を有する基を側鎖に有するポリマーを用いることもできる。側鎖にエチレン性不飽和結合を有する基を有する構成単位の含有量は、上記ポリマーを構成する全構成単位の5〜100質量%であることが好ましい。下限は、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。上限は、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、70質量%以下が特に好ましい。
上記ポリマーは、側鎖にエチレン性不飽和結合を有する基を有する構成単位の他に、他の構成単位を含んでいてもよい。他の構成単位は、酸基等の官能基を含んでいてもよい。官能基を含んでいなくてもよい。酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基が例示される。酸基は1種類のみ含まれていても良いし、2種類以上含まれていても良い。酸基を有する構成単位の割合は、上記ポリマーを構成する全構成単位の0〜50質量%であることが好ましい。下限は、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。上限は、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
上記ポリマーの具体例としては、例えば、(メタ)アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。上記ポリマーの市販品としては、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有polyurethane acrylic oligomer.Diamond Shamrock Co.,Ltd製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ(例えば、ACA230AA)、プラクセルCF200シリーズ(いずれも(株)ダイセル製)、Ebecryl3800(ダイセル・ユーシービー株式会社製)、アクリキュアーRD−F8(日本触媒社製)などが挙げられる。
(環状エーテル基を有する化合物)
本発明では、架橋性化合物として、環状エーテル基を有する化合物を用いることもできる。環状エーテル基としては、エポキシ基、オキセタニル基が挙げられ、エポキシ基が好ましい。
環状エーテル基を有する化合物としては、側鎖に環状エーテル基を有するポリマー、分子内に2個以上の環状エーテル基を有するモノマーまたはオリゴマーなどが挙げられる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。また単官能または多官能グリシジルエーテル化合物も挙げられ、多官能脂肪族グリシジルエーテル化合物が好ましい。環状エーテル基を有する化合物は、グリシジル(メタ)アクリレートやアリルグリシジルエーテル等のグリシジル基を有する化合物や、脂環式エポキシ基を有する化合物を用いることもできる。このような化合物としては、例えば特開2009−265518号公報の段落番号0045等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
環状エーテル基を有する化合物は、市販品を用いることもできる。環状エーテル基を有する化合物の市販品としては、例えば、特開2012−155288号公報の段落番号0191等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、JER827、JER828、JER834、JER1001、JER1002、JER1003、JER1055、JER1007、JER1009、JER1010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、JER806、JER807、JER4004、JER4005、JER4007、JER4010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、JER152、JER154、JER157S70、JER157S65(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(日本化薬(株)製)等が挙げられる。
脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、(株)ダイセル製)、デナコール EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)等が挙げられる。
その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、JER1031S(三菱化学(株)製)、リポキシ SPCF−9X(昭和電工(株)製)等が挙げられる。
架橋性化合物の含有量は、近赤外線吸収組成物の全固形分に対して、1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、1〜20質量%がさらに好ましい。架橋性化合物は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。本発明の近赤外線吸収組成物は、架橋性化合物を実質的に含有しないこともできる。「架橋性化合物を実質的に含有しない」とは、例えば、近赤外線吸収組成物の全固形分に対して、0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、含有しないことがさらに好ましい。
<<ラジカル発生剤>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、さらにラジカル発生剤を含んでもよい。ラジカル発生剤を含むことで、得られる膜の耐熱性が向上し、膜を加熱しても着色を抑制できる。ラジカル発生剤としては、芳香族基を有する化合物が好ましい。例えば、アシルホスフィン化合物、アセトフェノン化合物、α−アミノケトン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、ケタール化合物、チオキサントン化合物、オキシム化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、トリハロメチル化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、ジアゾニウム化合物、ヨードニウム化合物、スルホニウム化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物等のオニウム塩化合物、有機硼素塩化合物、ジスルホン化合物、チオール化合物などが挙げられる。
ラジカル発生剤は、特開2013−253224号公報の段落番号0217〜0228の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
ラジカル発生剤としては、オキシム化合物、アセトフェノン化合物またはアシルホスフィン化合物が好ましい。
オキシム化合物の市販品としては、IRGACURE−OXE01、IRGACURE−OXE02(以上、BASF社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI−831、アデカアークルズNCI−930(以上、(株)ADEKA製)等を用いることができる。
本発明は、オキシム化合物として、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報に記載の化合物、特表2014−500852号公報に記載の化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報に記載の化合物(C−3)などが挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明は、オキシム化合物として、ニトロ基を有するオキシム化合物を用いることができる。ニトロ基を有するオキシム化合物は、二量体とすることも好ましい。ニトロ基を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2013−114249号公報の段落番号0031〜0047、特開2014−137466号公報の段落番号0008〜0012、0070〜0079、特許4223071号公報の段落番号0007〜0025に記載されている化合物、アデカアークルズNCI−831((株)ADEKA製)が挙げられる。
アセトフェノン化合物の市販品としては、IRGACURE−907、IRGACURE−369、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASF社製)等を用いることができる。アシルホスフィン化合物の市販品としては、IRGACURE−819、DAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASF社製)等を用いることができる。
ラジカル発生剤の含有量は、近赤外線吸収組成物の全固形分に対して、0.01〜30質量%が好ましい。下限は、0.1質量%以上がより好ましい。上限は、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。ラジカル発生剤は1種類のみでも、2種類以上でもよく、2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<触媒>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、触媒を含んでもよい。触媒としては、有機金属系触媒、酸系触媒、アミン系触媒などが挙げられ、有機金属系触媒が好ましい。
酸系触媒としては、塩酸、硝酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸などが挙げられる。
有機金属系触媒は、Na、K、Ca、Mg、Ti、Zr、Al、Zn、Sn、およびBiからなる群より選択される少なくとも1つの金属を含む、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、炭酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、アルコキシド、水酸化物、および置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、上記金属の、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、および置換基を有していてもよいアセチルアセトナート錯体からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、アセチルアセトナート錯体がさらに好ましい。特に、Alのアセチルアセトナート錯体が好ましい。有機金属系触媒の具体例としては、例えば、トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III)などが挙げられる。
本発明の近赤外線吸収組成物が、触媒を含有する場合、触媒の含有量は、近赤外線吸収組成物の全固形分に対して0.01〜5質量%が好ましい。上限は、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。下限は、0.05質量%以上がより好ましい。
<<界面活性剤>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。界面活性剤の含有量は、近赤外線吸収組成物の全固形分に対して、0.0001〜5質量%が好ましい。下限は、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい。上限は、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。近赤外線吸収組成物は、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤の少なくとも一方を含有することが好ましい。被塗布面と塗布液との界面張力が低下して、被塗布面への濡れ性が改善される。このため、組成物の液特性(特に、流動性)が向上し、塗布厚の均一性や省液性がより改善する。その結果、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成を行える。
フッ素系界面活性剤のフッ素含有率は、3〜40質量%が好ましい。下限は、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がさらに好ましい。上限は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。フッ素含有率が上述した範囲内である場合は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤として具体的には、特開2014−41318号公報の段落番号0060〜0064(対応する国際公開WO2014/17669号公報の段落番号0060〜0064)等に記載の界面活性剤、特開2011−132503号公報の段落番号0117〜0132に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF−171、同F−172、同F−173、同F−176、同F−177、同F−141、同F−142、同F−143、同F−144、同R30、同F−437、同F−475、同F−479、同F−482、同F−554、同F−780(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PolyFox PF−7002(オムノバ社)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤として、特開2015−117327号公報の段落番号0015〜0158に記載の化合物を用いることもできる。フッ素系界面活性剤としてブロックポリマーを用いることもでき、具体例としては、例えば特開2011−89090号公報に記載された化合物が挙げられる。
フッ素系界面活性剤として、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位とを含む、含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができ、下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。
Figure 2017126527
上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜50,000であり、例えば、14,000である。
また、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体をフッ素系界面活性剤として用いることもできる。具体例としては、特開2010−164965号公報の段落番号0050〜0090および0289〜0295に記載された化合物、例えばDIC社製のメガファックRS−101、RS−102、RS−718K等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、特開2012−208494号公報の段落番号0553(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0679])等に記載のノニオン系界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、特開2012−208494号公報の段落番号0554(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0680])に記載のカチオン系界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、特開2012−208494号公報の段落番号0556(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0682])等に記載のシリコーン系界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<<紫外線吸収剤>>
本発明の近赤外線吸収組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤は、公知の化合物を用いることができる。市販品としては、例えば、UV503(大東化学株式会社)などが挙げられる。紫外線吸収剤の含有量は、近赤外線吸収組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。
<<その他の成分>>
本発明の近赤外線吸収組成物で併用可能なその他の成分としては、例えば、分散剤、増感剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤などが挙げられ、さらに基材表面への密着促進剤およびその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする近赤外線カットフィルタの安定性、膜物性などの性質を調整することができる。これらの成分は、例えば、特開2012−003225号公報の段落番号0183以降(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の[0237]以降)の記載、特開2008−250074号公報の段落番号0101〜0104、0107〜0109等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
酸化防止剤としては、フェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物などが挙げられる。中でも、分子量500以上のフェノール化合物、分子量500以上の亜リン酸エステル化合物または分子量500以上のチオエーテル化合物がより好ましい。これらは2種以上を混合して使用してもよい。フェノール化合物としては、フェノール系酸化防止剤として知られる任意のフェノール化合物を使用することができる。好ましいフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。特に、フェノール性水酸基に隣接する部位(オルト位)に置換基を有する化合物が好ましい。前述の置換基としては炭素数1〜22の置換または無置換のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルへキシル基がより好ましい。また、同一分子内にフェノール基と亜リン酸エステル基を有する化合物(酸化防止剤)も好ましい。また、酸化防止剤として、リン系酸化防止剤も好適に使用することができる。リン系酸化防止剤としてはトリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2−[(4,6,9,11−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−2−イル)オキシ]エチル]アミン、および亜リン酸エチルビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。これらは、市販品として容易に入手可能であり、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−50F、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−60G、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330(以上、(株)ADEKA製)などが挙げられる。酸化防止剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.3〜15質量%であることがより好ましい。酸化防止剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<近赤外線吸収組成物の調製、用途>
本発明の近赤外線吸収組成物は、上記各成分を混合して調製することができる。
組成物の調製に際しては、組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解および/または分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。
本発明においては、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタでろ過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ナイロン(例えばナイロン−6、ナイロン−6,6)等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量のポリプロピレンを含む)等の素材を用いたフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度、超高分子量のポリプロピレンを含む)製およびナイロン製のフィルタが好ましい。
フィルタの孔径は、0.01〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.01〜3.0μm程度、より好ましくは0.05〜0.5μm程度である。この範囲とすることにより、微細な異物を確実に除去することが可能となる。また、ファイバ状のろ材を用いることも好ましく、ろ材としては例えばポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、グラスファイバ等が挙げられ、具体的にはロキテクノ社製のSBPタイプシリーズ(SBP008など)、TPRタイプシリーズ(TPR002、TPR005など)、SHPXタイプシリーズ(SHPX003など)のフィルタカートリッジを用いることができる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタでのろ過は、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。
また、第1のフィルタとして、上述した範囲内で異なる孔径のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)または株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。第2のフィルタの孔径は、0.2〜10.0μmが好ましく、0.2〜7.0μmがより好ましく、0.3〜6.0μmがさらに好ましい。この範囲とすることにより、組成物に含有されている成分粒子を残存させたまま、異物を除去することができる。
本発明の近赤外線吸収組成物は、液状とすることができるため、例えば、本発明の近赤外線吸収組成物を基材などに適用し、乾燥させることにより近赤外線カットフィルタを容易に製造できる。また、本発明の近赤外線吸収組成物は、一液型の組成物とすることができる。すなわち、本発明の近赤外線吸収組成物を、そのまま支持体などに適用して膜を製造することができる。
本発明の近赤外線吸収組成物の粘度は、塗布により近赤外線カットフィルタを形成する場合は、1〜3000mPa・sであることが好ましい。下限は、10mPa・s以上がより好ましく、100mPa・s以上がさらに好ましい。上限は、2000mPa・s以下がより好ましく、1500mPa・s以下がさらに好ましい。
本発明の近赤外線吸収組成物の全固形分は、塗布方法により変更されるが、例えば、1〜70質量%であることが好ましい。下限は10質量%以上がより好ましい。上限は60質量%以下がより好ましい。
本発明の近赤外線吸収組成物の用途は、特に限定されないが、近赤外線カットフィルタ等の形成に好ましく用いることができる。例えば、固体撮像素子の受光側における近赤外線カットフィルタ(例えば、ウエハーレベルレンズに対する近赤外線カットフィルタ用など)、固体撮像素子の裏面側(受光側とは反対側)における近赤外線カットフィルタなどに好ましく用いることができる。特に、固体撮像素子の受光側における近赤外線カットフィルタとして好ましく用いることができる。
また、本発明の近赤外線吸収組成物によれば、耐熱性が高く、可視領域では高い透過率を維持しつつ、高い赤外線遮蔽性を実現できる近赤外線カットフィルタが得られる。さらには、近赤外線カットフィルタの膜厚を薄くでき、カメラモジュール、画像表示装置、赤外線センサなどの低背化に寄与できる。
<近赤外線カットフィルタ>
次に、本発明の近赤外線カットフィルタについて説明する。
本発明の近赤外線カットフィルタは、上述した本発明の近赤外線吸収組成物を用いてなるものである。
本発明の近赤外線カットフィルタは、光透過率が以下の(1)〜(9)のうちの少なくとも1つの条件を満たすことが好ましく、以下の(1)〜(8)のすべての条件を満たすことがより好ましく、(1)〜(9)のすべての条件を満たすことがさらに好ましい。
(1)波長400nmでの光透過率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、92%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。
(2)波長450nmでの光透過率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、92%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。
(3)波長500nmでの光透過率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、92%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。
(4)波長550nmでの光透過率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、92%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。
(5)波長700nmでの光透過率は20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。
(6)波長750nmでの光透過率は20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。
(7)波長800nmでの光透過率は20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。
(8)波長850nmでの光透過率は20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。
(9)波長900nmでの光透過率は20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。
近赤外線カットフィルタは、波長400〜550nmの全ての範囲での光透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。可視領域での透過率は高いほど好ましく、波長400〜550nmで高透過率となることが好ましい。また、波長700〜800nmの範囲の少なくとも1点での光透過率が20%以下であることが好ましく、波長700〜800nmの全ての範囲での光透過率が20%以下であることがさらに好ましい。
近赤外線カットフィルタの膜厚は、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましく、250μm以下がさらに好ましく、200μm以下が特に好ましい。膜厚の下限は、例えば、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらに好ましい。
本発明の近赤外線カットフィルタは、本発明の近赤外線吸収組成物を用いて得られた膜の他に、さらに、誘電体多層膜や、紫外線吸収層を有していてもよい。本発明の赤外線カットフィルタが、さらに誘電体多層膜を有することで、視野角が広く、赤外線遮蔽性に優れた赤外線カットフィルタが得られ易い。また、本発明の赤外線カットフィルタが、さらに、紫外線吸収層を有することで、紫外線遮蔽性に優れた赤外線カットフィルタとすることができる。紫外線吸収層としては、例えば、国際公開WO2015/099060号公報の段落番号0040〜0070、0119〜0145に記載の吸収層を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
誘電体多層膜の材料としては、例えばセラミックを用いることができる。光の干渉の効果を利用した赤外線カットフィルタを形成するためには、屈折率の異なるセラミックを2種以上用いることが好ましい。誘電体多層膜としては具体的には、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した構成の多層膜を好適に用いることができる。
高屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.7以上の材料を用いることができ、屈折率の範囲が通常は1.7〜2.5の材料が選択される。この材料としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛または酸化インジウムを主成分とし、酸化チタン、酸化錫および/または酸化セリウムなどを少量含有させたものが挙げられる。
低屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.6以下の材料を用いることができ、屈折率の範囲が通常は1.2〜1.6の材料が選択される。この材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウムおよび六フッ化アルミニウムナトリウムが挙げられる。
誘電体多層膜を形成する方法としては、特に制限はないが、例えば、CVD(chemical vapor deposition)法、スパッタ法、真空蒸着法などにより、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した誘電体多層膜を形成し、これを、銅を含有する透明層および/または赤外線吸収層と接着剤で張り合わせる方法、銅を含有する透明層および/または赤外線吸収層の表面に、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法などにより、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層して誘電体多層膜を形成する方法を挙げることができる。
高屈折率材料層および低屈折率材料層の各層の厚さは、遮断しようとする赤外線波長λ(nm)の0.1λ〜0.5λの厚さであることが好ましい。厚さが上記範囲とすることにより、特定波長の遮断や透過をコントロールしやすい。
また、誘電体多層膜における積層数は、2〜100層が好ましく、2〜60層がより好ましく、2〜40層がさらに好ましい。誘電体多層膜を蒸着した際に基板に反りが生じてしまう場合には、これを解消するために、基板両面へ誘電体多層膜を蒸着する、基板の誘電多層膜を蒸着した面に紫外線等の放射線を照射する等の方法をとる事ができる。なお、放射線を照射する場合、誘電体多層膜の蒸着を行いながら照射してもよいし、蒸着後別途照射してもよい。
誘電体多層膜としては、特開2014−41318号公報の段落番号0255〜0259、特開2011−100084号公報の段落番号0097〜0108の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の近赤外線カットフィルタは、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの固体撮像素子や、赤外線センサ、画像表示装置などの各種装置に用いることができる。また、本発明の近赤外線カットフィルタは、近赤外線を吸収・カットする機能を有するレンズ(デジタルカメラや携帯電話や車載カメラ等のカメラ用レンズ、f−θレンズ、ピックアップレンズ等の光学レンズ)および半導体受光素子用の光学フィルタ、省エネルギー用に熱線を遮断する近赤外線吸収フィルムや近赤外線吸収板、太陽光の選択的な利用を目的とする農業用コーティング剤、近赤外線の吸収熱を利用する記録媒体、電子機器用や写真用近赤外線フィルタ、保護めがね、サングラス、熱線遮断フィルタ、光学文字読み取り記録、機密文書複写防止用、電子写真感光体、レーザー溶着などに用いられる。またCCDカメラ用ノイズカットフィルタ、CMOSイメージセンサ用フィルタとしても有用である。
<近赤外線カットフィルタの製造方法>
本発明の近赤外線カットフィルタは、本発明の近赤外線吸収組成物を用いて製造できる。
また、本発明の近赤外線カットフィルタの製造方法は、本発明の近赤外線吸収組成物を用いて、近赤外線吸収組成物層を形成する工程を含む。さらに、近赤外線吸収組成物層を硬化する工程を含むことが好ましい。本発明の近赤外線カットフィルタの製造方法では、さらにパターンを形成する工程を行ってもよい。
また、支持体上に、本発明の近赤外線吸収組成物からなる膜を形成した材料を、近赤外線カットフィルタとして用いてもよく、支持体から前述の膜を剥離して、支持体から剥離した前述の膜(単独膜)を近赤外線カットフィルタとして用いてもよい。
近赤外線吸収組成物層を形成する工程において、近赤外線吸収組成物の適用方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、滴下法(ドロップキャスト);スリットコート法;スプレー法;ロールコート法;回転塗布法(スピンコーティング);流延塗布法;スリットアンドスピン法;プリウェット法(たとえば、特開2009−145395号公報に記載されている方法);インクジェット(例えばオンデマンド方式、ピエゾ方式、サーマル方式)、ノズルジェット等の吐出系印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、メタルマスク印刷法などの各種印刷法;金型等を用いた転写法;ナノインプリント法などが挙げられる。インクジェットによる適用方法としては、近赤外線吸収組成物を吐出可能であれば特に限定されず、例えば「広がる・使えるインクジェット−特許に見る無限の可能性−、2005年2月発行、住べテクノリサーチ」に示された特許公報に記載の方法(特に115〜133ページ)や、特開2003−262716号公報、特開2003−185831号公報、特開2003−261827号公報、特開2012−126830号公報、特開2006−169325号公報などにおいて、吐出する組成物を本発明の近赤外線吸収組成物に置き換える方法が挙げられる。
滴下法(ドロップキャスト)の場合、所定の膜厚で、均一な膜が得られるように、支持体上にフォトレジストを隔壁とする近赤外線吸収組成物の滴下領域を形成することが好ましい。近赤外線吸収組成物の滴下量および固形分濃度、滴下領域の面積を調整することで、所望の膜厚が得られる。乾燥後の膜の厚さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
支持体は、ガラスなどの透明基板であってもよい。また、固体撮像素子であってもよい。また、固体撮像素子の受光側に設けられた別の基板であってもよい。また、固体撮像素子の受光側に設けられた平坦化層等の層であっても良い。
近赤外線吸収組成物層を硬化する工程において、近赤外線吸収組成物層の硬化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、近赤外線吸収組成物層を加熱して硬化する方法が挙げられる。加熱により、上述したM−Xで表される部分構造を有する化合物(化合物MX)の、加水分解および重縮合反応(ゾルゲル反応)が進行して、膜の耐溶剤性や耐熱性が向上する。加熱温度は、120℃〜250℃が好ましく、120℃〜220℃がより好ましい。加熱温度が120℃以上であれば、加熱処理によって膜強度が向上し、250℃以下であれば、膜成分の分解を抑制できる。加熱における加熱時間は、3分〜180分が好ましく、5分〜120分がより好ましい。加熱装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、赤外線(IR)ヒーターなどが挙げられる。また、加熱処理に加えて、光硬化を補助的に使用してもよい。
本発明の近赤外線カットフィルタの製造方法は、さらに、近赤外線吸収組成物層を乾燥する工程を有していてもよい。乾燥条件としては、各成分、有機溶剤の種類、使用割合等によっても異なる。例えば、60〜150℃の温度で、30秒間〜15分間が好ましい。
本発明の近赤外線カットフィルタの製造方法は、さらに、パターンを形成する工程を有していてもよい。パターンの形成方法としては、フォトリソグラフィ法を用いたパターン形成方法や、ドライエッチング法を用いたパターン形成方法が挙げられる。
<固体撮像素子、カメラモジュール>
本発明の固体撮像素子は、本発明の近赤外線カットフィルタを含む。また、本発明のカメラモジュールは、本発明の近赤外線カットフィルタを含む。
図1は、本発明の実施形態に係る近赤外線カットフィルタを有するカメラモジュールの構成を示す概略断面図である。
図1に示すカメラモジュール10は、固体撮像素子11と、固体撮像素子の主面側(受光側)に設けられた平坦化層12と、近赤外線カットフィルタ13と、近赤外線カットフィルタの上方に配置され内部空間に撮像レンズ14を有するレンズホルダー15とを備える。カメラモジュール10は、外部からの入射光hνが、撮像レンズ14、近赤外線カットフィルタ13、平坦化層12を順次透過した後、固体撮像素子11の撮像素子部に到達するようになっている。
固体撮像素子11は、例えば、基板16の主面に、フォトダイオード、層間絶縁膜(図示せず)、ベース層(図示せず)、カラーフィルタ17、オーバーコート(図示せず)、マイクロレンズ18をこの順に備えている。カラーフィルタ17(赤色のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルタ、青色のカラーフィルタ)やマイクロレンズ18は、固体撮像素子11に対応するように、それぞれ配置されている。なお、平坦化層12の表面に近赤外線カットフィルタ13が設けられる代わりに、マイクロレンズ18の表面、ベース層とカラーフィルタ17との間、または、カラーフィルタ17とオーバーコートとの間に、近赤外線カットフィルタ13が設けられる形態であってもよい。例えば、近赤外線カットフィルタ13は、マイクロレンズ表面から2mm以内(より好ましくは1mm以内)の位置に設けられていてもよい。この位置に設けると、近赤外線カットフィルタを形成する工程が簡略化でき、マイクロレンズへの不要な近赤外線を十分にカットすることができるので、赤外線遮蔽性をより高めることができる。
本発明の近赤外線カットフィルタは、耐熱性に優れるため、半田リフロー工程に供することができる。半田リフロー工程によりカメラモジュールを製造することによって、半田付けを行うことが必要な電子部品実装基板等の自動実装化が可能となり、半田リフロー工程を用いない場合と比較して、生産性を格段に向上することができる。さらに、自動で行うことができるため、低コスト化を図ることもできる。半田リフロー工程に供される場合、250〜270℃程度の温度にさらされることとなるため、近赤外線カットフィルタは、半田リフロー工程に耐え得る耐熱性(以下、「耐半田リフロー性」ともいう。)を有することが好ましい。
本発明のカメラモジュールは、さらに、紫外線吸収層を有することもできる。この態様によれば、紫外線遮蔽性を高めることができる。紫外線吸収層は、例えば、国際公開WO2015/099060号公報の段落番号0040〜0070、0119〜0145の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、後述する紫外・赤外光反射膜をさらに有することもできる。紫外線吸収層と紫外・赤外光反射膜は、両者を併用してもよく、いずれか一方のみであってもよい。
図2〜4は、カメラモジュールにおける近赤外線カットフィルタ周辺部分の一例を示す概略断面図である。
図2に示すように、カメラモジュールは、固体撮像素子11と、平坦化層12と、紫外・赤外光反射膜19と、透明基材20と、近赤外線吸収層(近赤外線カットフィルタ)21と、反射防止層22とをこの順に有していてもよい。紫外・赤外光反射膜19は、近赤外線カットフィルタの機能を付与または高める効果を有し、例えば、特開2013−68688号公報の段落番号0033〜0039、国際公開WO2015/099060号公報の段落番号0110〜0114を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。透明基材20は、可視領域の波長の光を透過するものであり、例えば、特開2013−68688号公報の段落番号0026〜0032を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。近赤外線吸収層21は、上述した本発明の近赤外線吸収組成物を塗布することにより形成することができる。反射防止層22は、近赤外線カットフィルタに入射する光の反射を防止することにより透過率を向上させ、効率よく入射光を利用する機能を有するものであり、例えば、特開2013−68688号公報の段落番号0040を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
図3に示すように、カメラモジュールは、固体撮像素子11と、近赤外線吸収層(近赤外線カットフィルタ)21と、反射防止層22と、平坦化層12と、反射防止層22と、透明基材20と、紫外・赤外光反射膜19とをこの順に有していてもよい。
図4に示すように、カメラモジュールは、固体撮像素子11と、近赤外線吸収層(近赤外線カットフィルタ)21と、紫外・赤外光反射膜19と、平坦化層12と、反射防止層22と、透明基材20と、反射防止層22とをこの順に有していてもよい。
<画像表示装置>
本発明の近赤外線カットフィルタは、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置などの画像表示装置に用いることもできる。例えば、各着色画素(例えば赤色、緑色、青色)とともに用いることにより、表示装置のバックライト(例えば白色発光ダイオード(白色LED))に含まれる赤外光を遮断し、周辺機器の誤作動を防止する目的や、各着色表示画素に加えて赤外の画素を形成する目的で用いることが可能である。
表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)、平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、(株)工業調査会、1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
画像表示装置は、白色有機EL素子を有するものであってもよい。白色有機EL素子としては、タンデム構造であることが好ましい。有機EL素子のタンデム構造については、特開2003−45676号公報、三上明義監修、「有機EL技術開発の最前線−高輝度・高精度・長寿命化・ノウハウ集−」、技術情報協会、326〜328ページ、2008年などに記載されている。有機EL素子が発光する白色光のスペクトルは、青色領域(430〜485nm)、緑色領域(530〜580nm)および黄色領域(580〜620nm)に強い極大発光ピークを有するものが好ましい。これらの発光ピークに加えさらに赤色領域(650〜700nm)に極大発光ピークを有するものがより好ましい。
<赤外線センサ>
本発明の赤外線センサは、本発明の近赤外線カットフィルタを含む。本発明の赤外線センサの構成としては、本発明の近赤外線カットフィルタを備えた構成であり、赤外線センサとして機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
基板上に、固体撮像素子(CCDセンサ、CMOSセンサ、有機CMOSセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、本発明の硬化膜を有する構成である。さらに、デバイス保護膜上であって本発明の近赤外線カットフィルタの下(基板に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、本発明の近赤外線カットフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は、質量基準である。
<重量平均分子量(Mw)>
重量平均分子量(Mw)は、以下の方法で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて測定した。
カラムの種類:TSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mm(内径)×15.0cm)
展開溶媒:10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液
カラム温度:40℃
流量(サンプル注入量):10μL
装置名:HLC−8220(東ソー(株)製)
検量線ベース樹脂:ポリスチレン
<水の含有量(含水率)の測定方法>
カールフィッシャー水分計(三菱ケミカルホールディングス社製、KF−06)を用いて測定試料(近赤外線吸収組成物)の水分量を測定し、(水分量/測定試料の質量)×100として、水の含有量(質量%)を測定した。
<組成物の調製方法>
(組成1)実施例1〜5の組成物
以下に示す銅錯体1を45質量部と、以下に示す樹脂1を49.95質量部と、IRGACURE−OXE02(BASF社製)を5質量部と、トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III)(東京化成工業(株)製)を0.05質量部と、シクロヘキサノンを100質量部と、水とを混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して組成1からなる実施例1〜5の組成物を調製した。なお、組成1における水の配合量は、各組成物中における水の含有量が表1に量となるように調整した。
銅錯体1:下記構造
Figure 2017126527
樹脂1:下記構造(Mw=1.5万、主鎖に付記した数値は、各構成単位のモル比である)
Figure 2017126527
(組成2)実施例6の組成物
組成1において、さらに、アセチルアセトン1.0質量部を添加し、水の含有量を調整して、組成2からなる実施例6の組成物(水の含有量1質量%)を調整した。
(組成3)実施例7の組成物
テトラエトキシシラン28.9質量部、フェニルトリエトキシシラン28.9質量部、10質量%塩酸30.6質量部を室温にて4時間混合しゾルを得た。シクロペンタノン85.5質量部に、銅錯体1の26.0質量部を室温にて20分溶解させた溶液を、前述のゾルに添加し、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して組成3からなる実施例7の組成物(水の含有量1質量%)を調製した。
(組成4)実施例8の組成物
銅錯体1のかわりに、同量の銅錯体2を用いた以外は組成1と同様の処方にて、組成4からなる実施例8の組成物(水の含有量1質量%)を調製した。
銅錯体2:下記構造
Figure 2017126527
(組成5)実施例9の組成物
銅錯体1のかわりに、同量の銅錯体3を用いた以外は組成1と同様の処方にて組成5からなる実施例9の組成物(水の含有量1質量%)を調製した。
銅錯体3:下記構造
Figure 2017126527
(組成6)実施例10の組成物
銅錯体1のかわりに、同量の銅錯体4を用いた以外は組成1と同様の処方にて組成6からなる実施例10の組成物(水の含有量1質量%)を調製した。
銅錯体4:下記化合物を配位子として有する銅錯体。
Figure 2017126527
(組成7)実施例11、比較例1、比較例2の組成物
銅錯体1のかわりに、同量の銅錯体5を用いた以外は組成1と同様の処方にて組成物7からなる実施例11の組成物(水の含有量1質量%)を調製した。また、組成7における水の配合量を調整して、比較例1の組成物(水の含有量0.005質量%)、比較例2の組成物(水の含有量23質量%)をそれぞれ調製した。
銅錯体5:下記化合物を配位子として有する銅錯体。
Figure 2017126527
(組成8)実施例12の組成物
銅フタロシアニンイーエクスカラーIR−17(日本触媒(株)製)1質量部と、樹脂1を93.95質量部と、IRGACURE−OXE02(BASF社製)を5質量部と、トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III)(東京化成工業(株)製)を0.05質量部と、シクロヘキサノンを100質量部および水を表1に示す含有量になる様に混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して組成8からなる実施例12の組成物を調製した。
(組成9)実施例13の組成物
銅錯体1のかわりに、同量の無水硫酸銅(II)を用いた以外は組成3と同様の処方にて組成9からなる実施例13の組成物(水の含有量1質量%)を調製した。
(組成10)実施例14の組成物
銅錯体1のかわりに、同量の銅錯体6を用いた以外は組成3と同様の処方にて組成10からなる実施例14の組成物(水の含有量1質量%)を調製した。
銅錯体6:下記化合物を配位子として有する銅錯体。
Figure 2017126527
(組成11)実施例15の組成物
銅錯体1のかわりに、同量の銅錯体7を用いた以外は組成3と同様の処方にて組成11からなる実施例15の組成物(水の含有量1質量%)を調製した。
銅錯体7:下記化合物を配位子として有する銅錯体。
Figure 2017126527
(組成12)実施例16の組成物
銅錯体1を6.55質量部と、下記錯体8を19.65質量部と、以下に示す樹脂2を61.9質量部と、IRGACURE−OXE02(BASF社製)を5質量部と、トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III)(東京化成工業(株)製)を0.025質量部と、KBM−3066(信越化学工業(株)製)を6.875質量部と、シクロペンタノン24.344質量部と、酢酸ブチル75.656質量部および水を表1に示すになる水の含有量となるように混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して組成12からなる実施例16の組成物(水の含有量1質量%)を調製した。
銅錯体8:下記構造
Figure 2017126527
樹脂2:下記構造(Mw=1.5万、主鎖に付記した数値は、各構成単位のモル比である)
Figure 2017126527
<液安定性の評価>
水の含有量を下記表に記載の量に調整した各組成物を、45℃で3日加熱し、加熱前と加熱後の粘度の比率で液安定性を評価した。粘度変動が1%未満の場合をAA、粘度変動が1%以上5%未満の場合をA、粘度変動が5%以上10%未満の場合をB、粘度変動が10%以上の場合をCとした。
<近赤外線カットフィルタの製造>
(製造例1)
実施例1〜11、13〜16の組成物、比較例1〜2の組成物を使用した近赤外線カットフィルタの製造方法
ガラスウェハ上に乾燥後の膜厚が200μmになるようにスピンコーターを用いて各組成物を塗布し、160℃のホットプレートを用いて1.5時間加熱処理を行って、近赤外線カットフィルタを製造した。
(製造例2)
実施例12の組成物を使用した近赤外線カットフィルタの製造方法
ガラスウェハ上に乾燥後の膜厚が1μmになるようにスピンコーターを用いて実施例12の組成物を塗布し、160℃のホットプレートを用いて1.5時間加熱処理を行って、近赤外線カットフィルタを製造した。
<ヘイズの評価>
日本電色工業社製ヘーズメーターNDH−5000を用いて、近赤外線カットフィルタのヘイズを測定した。ヘイズが1%を超えると、目視で曇りがわかるレベルであり、ヘイズは1%以下が実用的である。0.1%未満をA、0.1%以上1%未満をB、1%以上をCとした。
Figure 2017126527
上記表1に示す通り、実施例では液安定性が良好で、かつ、ヘイズの小さい膜を製造することができた。また、ケトン化合物をさらに含む実施例6は、液安定性が特に優れていた。これに対し、比較例では液安定性が悪く、さらには膜のヘイズが大きかった。
紫外線吸収層上に、実施例1〜16の組成物を塗布し、上記と同様の方法で近赤外線カットフィルタを製造した場合であっても、同様の効果が得られる。
実施例1〜16の組成物を、支持体から剥離して単独膜として用いた場合であっても、同様の効果が得られる。
誘電体多層膜を形成した基板の上に、実施例1〜16の組成物を塗布し、上記と同様の方法で近赤外線カットフィルタを製造した場合であっても、同様の効果が得られる。
(誘電体多層膜の製造)
基板の一面に、蒸着温度150℃で、シリカ(SiO:膜厚120〜190nm)層とチタニア(TiO:膜厚70〜120nm)層とを交互に積層(積層数40)して誘電体多層膜を得た。
10 カメラモジュール、11 固体撮像素子、12 平坦化層、13 近赤外線カットフィルタ、14 撮像レンズ、15 レンズホルダー、16 シリコン基板、17 カラーフィルタ、18 マイクロレンズ、19 紫外・赤外光反射膜、20 透明基材、21 近赤外線吸収層、22 反射防止層

Claims (13)

  1. 銅化合物と、M−Xで表される部分構造を有する化合物と、水と、有機溶剤とを含む近赤外線吸収組成物であり、
    前記近赤外線吸収組成物は、水の含有量が、0.01〜20質量%である、近赤外線吸収組成物;
    ただし、Mは、Si、Ti、ZrおよびAlから選択される原子であり、Xは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ホスホリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、オキシム基およびO=C(R)(R)から選択される1種であり、RおよびRは、それぞれ独立して、1価の有機基を表し、Xが、O=C(R)(R)である場合、Xは、カルボニル基の酸素原子の非共有電子対でMと結合する。
  2. 前記M−Xで表される部分構造を有する化合物は、MがSiである、請求項1に記載の近赤外線吸収組成物。
  3. 前記M−Xで表される部分構造を有する化合物は、Xがアルコキシ基である、請求項1または2に記載の近赤外線吸収組成物。
  4. 前記M−Xで表される部分構造を有する化合物は、(メタ)アクリル樹脂およびスチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物。
  5. 前記M−Xで表される部分構造を有する化合物は、重量平均分子量が3000〜100000である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物。
  6. さらに、ジケトン化合物を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物。
  7. 前記ジケトン化合物が、下記式(1)で表される化合物である、請求項6に記載の近赤外線吸収組成物;
    式(1)
    Figure 2017126527
    式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または置換基を表す。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物を用いて、近赤外線吸収組成物層を形成する工程を含む、近赤外線カットフィルタの製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物を用いた、近赤外線カットフィルタ。
  10. さらに、誘電体多層膜および紫外線吸収膜から選ばれる少なくとも1種を有する、請求項9に記載の近赤外線カットフィルタ。
  11. 請求項9または10に記載の近赤外線カットフィルタを有する固体撮像素子。
  12. 請求項9または10に記載の近赤外線カットフィルタを有するカメラモジュール。
  13. 請求項9または10に記載の近赤外線カットフィルタを有する赤外線センサ。
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