JP4380202B2 - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエレクトロクロミック素子に係り、特に、高価な製造装置を用いることなく低温環境で製造できエレクトロクロミック素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロクロミック(EC)現象は、物質の電気化学的な酸化還元反応によって色および透過率が変化する現象であり、1969年にベル研究所のS.K.Debによって酸化タングステン(WO)について報告されたのが最初である。WOはタングステン(W)原子に酸素(O)原子が6配位した立方晶で、可視光に対して透明である。電圧印加により立方晶に電子が注入されると、立方晶の中心にプロトンあるいはアルカリ金属イオン等が挿入され立方晶ペロブスカイト型構造に変化する。この構造変化と同時にWの価数が6+から5+に変化し、光エネルギーに基づくWのd軌道間の遷移が可能となり可視光を吸収し着色する。
【0003】
また、電圧を逆に印加することによりプロトンあるいはアルカリ金属イオン等が引き抜かれると立方晶となり消色する。この現象が可逆的に起こる。上記のようにプロトンあるいはアルカリ金属イオン等が挿入される時に着色する材料を還元着色材料と呼ぶ。逆に、プロトンあるいはアルカリ金属イオン等を引き抜く時に着色する材料を酸化着色材料と呼ぶ。
【0004】
エレクトロクロミック素子は、一般に、透明電極、電解質、エレクトロクロミック層を組み合わせた積層構造からなっている。例えば、基材/透明導電膜/酸化タングステン等を主成分とする還元着色型エレクトロクロミック層/電解質層/オキシ水酸化ニッケル等を主成分とする酸化着色型エレクトロクロミック層/透明導電膜/基材の積層構造となっている。これは還元着色材と酸化着色材とを電解質層を介して対向させることにより着色効果が重畳されることを期待した構造である。また、基材/透明導電膜/エレクトロクロミック層/電解質層/透明導電膜/基材の積層構造を有するものもある。
【0005】
還元着色材としては、酸化タングステン、酸化ニオブ、ニオブ酸リチウム、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化錫、アンチモン添加酸化錫(ATO)、リチウム酸コバルト、プルシアンブルー等が知られている。また、酸化着色材としては、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、酸化イリジウム、酸化ロジウム、酸化コバルト、水酸化コバルト等が知られている。さらに消色状態である程度着色していても良い場合には酸化バナジウム、窒化インジウム、窒化錫等がある。
【0006】
電解質には、プロピレンカーボネートなどの極性溶媒にアルカリ金属塩を溶解させた液体電解質が主に使用されている。液体電解質は一般に大きなイオン伝導性を示す反面、エレクトロクロミック材料の溶解、液漏れ等の問題を有している。一方、パーフルオロスルホン酸を代表とするイオン交換膜に用いられる高分子電解質は高いプロトン伝導率を持つが、高価な材料である。
【0007】
また、ポリエチレンオキシド−アルカリ金属塩系に代表される高分子固体電解質は、フィルム化が容易であり、非晶質化することによりガラス転移温度以上でエラストマーになり、エレクトロクロミック層の膨張/収縮に伴う変形を吸収できるという利点を持っているが、経時的に結晶化するため、電解質/エレクトロクロミック層界面でクラックが生じやすいという欠点がある。
【0008】
含水五酸化アンチモンと三酸化アンチモンとの混合組成であるアンチモン酸からなる固体電解質も使用されているが、透明ではないため応用は限定される。一方、有機系に比べ信頼性の高い無機固体電解質として五酸化タンタル薄膜がスッパタリング法、真空蒸着法で作製され実用化されている。しかしながら、製造装置が高価であり、また無機固体の薄膜であるため剛直で屈曲性に欠けている。
【0009】
エレクトロクロミック素子の応用例として、調光ガラス、調光めがね、防眩ミラー、漏電検知器、表示素子等の開発が進められている。調光ガラス、調光めがね等のエレクトロクロミック調光素子では透過光に対して透明、着色を制御するため、還元着色材料、酸化着色材料では消色時において透明であることが求められる。また、電解質層ではすべての状態で透明であることが求められる。
【0010】
一方、エレクトロクロミック表示素子では、反射光を利用し、光を透過させる必要がない場合が多く、必ずしも消色時にエレクトロクロミック層および電解質層が透明である必要はない。この応用では、一般に、基材/透明導電膜/エレクトロクロミック層/電解質層/電極のように、一種類のエレクトロクロミック層と電解質層で形成される場合が多い。
【0011】
一般に、エレクトロクロミック素子に用いられる基材はガラスであるが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、フッ素樹脂、エチレン、ビニルアルコールなどの屈曲性のある透明樹脂フィルム上に形成できれば、曲率のある部分への貼り付け、自由自在に変形させて利用できるなど産業上の利用範囲が格段に広がっていくため、屈曲性のある基材を用いた安価なフレキシブルエレクトロクロミック素子の開発が望まれている。
【0012】
しかしながら、上記のように、一般にエレクトロクロミック素子の作製では、高価な製造装置を必要とする乾式法のスパッタリング法が用いられることが多い。また、湿式法であるディップ法による製膜では基材塗布後に高温の加熱処理が必要となり、ガラス以外の基板への応用は困難であった。
【0013】
これらの問題を解決するため酸化タングステン微粒子を分散するエレクトロクロミック層の作製法が提案されている(特許文献1参照)。さらに、酸化タングステン微粒子の作製法としてゾル−ゲル法が提案されている(特許文献2参照)。また、酸化タングステン微粒子表面をポリマーで修飾しイオン伝導性ポリマーと分散構造を形成させイオンの移動を容易にする試みがなされている(特許文献3参照)。発明者等は、酸化タングステン微粒子とプロトン伝導体を含む樹脂を構成することにより酸化タングステン微粒子へのプロトンの移動を容易にすることを確認している。
【0014】
一方、電解質層の作製においても低温で形成できるとともに、屈曲性に優れ、高価な製造装置を必要としない製造法が求められている。特許文献4には、有機系に比べ信頼性の高い無機固体電解質として、五酸化タンタル薄膜が、スパッタリング法、真空蒸着法で作製されることが記載されている。しかしながら、製造装置が高価であり、無機固体の薄膜であるため剛直で屈曲性に欠けている。また、装置が安価なディップ法でも作製できることも知られている(非特許文献1参照)が、成膜された膜は可撓性に乏しいため、プラスチック樹脂基材や、フレキシブルな基材への応用が困難である。
【0015】
【特許文献1】
特開平04−174824号公報
【特許文献2】
特開平07−175417号公報
【特許文献3】
特開平06−95166号公報
【特許文献4】
特開平10−311990号公報
【非特許文献1】
Fatma Z. Tepehan et al., Solar Energy Materials & Solar Cells 59(1999)265
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の背景のもとでなされたものであり、電解質層がイオンまたはプロトン伝導体微粒子を含むプロトン伝導樹脂からなる固体電解質であることによって、低温で形成できるとともに、特性安定性、屈曲性に優れ、高価な製造装置を必要としないエレクトロクロミック素子を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決する手段として、第1の手段は、
一対の電極層の間にエレクトロクロミック層及び電解質層を有するエレクトロクロミック素子において、前記電解質層が五酸化タンタル微粒子を含むプロトン伝導樹脂を有する固体電解質層であることを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
第2の手段は、
前記エレクトロクロミック層が、プロトン伝導体を含むことを特徴とする第1の手段にかかるエレクトロクロミック素子である。
第3の手段は、
前記固体電解質層が、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、金属アルコキシド加水分解重合物、ゾルゲルシリケートの少なくとも1種類以上を含有することを特徴とする第2の手段にかかるエレクトロクロミック素子である。
第4の手段は、
前記プロトン伝導体が五酸化タンタル、パーフルオロスルホン酸の少なくとも1種類以上を含有することを特徴とする第2または第3の手段にかかるエレクトロクロミック素子である。
【0018】
上述の手段によれば、電解質層を、五酸化タンタル微粒子を含むプロトン伝導樹脂からなる固体電解質層で構成するようにしたことにより、低温で形成できて高価な製造装置を用いずに製造でき、特性安定性、屈曲性に優れたエレクトロクロミック素子を比較的容易に得ることが可能になった。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1、2は本発明の実施の形態にかかるエレクトロクロミック素子の部分断面図である。尚、図1、2において同じ部材については同じ番号を付与している。
【0020】
図1において、実施の形態にかかるエレクトロクロミック素子は、電極層としての透明導電膜1aが形成された透明導電膜つき透明基材2aの内側に還元着色型エレクトロクロミック層3及び電解質層4を形成し、次に、電極層としての透明導電膜1bが形成された透明導電膜つき透明基材2bを貼り合わせた構造になっている。
図2において、異なる実施の形態にかかるエレクトロクロミック素子は、電極層としての透明導電膜1aが形成された透明導電膜つき透明基材2aの内側に還元着色型エレクトロクロミック層3及び電解質層4を形成し、次に、電極層としての透明導電膜1bが形成された透明導電膜つき透明基材2bの内側に酸化着色型エレクトロクロミック層5を形成し、これらを貼り合わせた構造になっている。
【0021】
以下、図2に示す異なる実施の形態にかかるエレクトロクロミック素子を例として、本発明を説明する。
電解質層4は、イオンまたはプロトン伝導体微粒子6と樹脂7とを含む固体電解質である。また、還元着色型エレクトロクロミック層3は、還元着色型エレクトロクロミック微粒子8、および、イオンまたはプロトン伝導体微粒子6と樹脂7とを含む構造になっている。
【0022】
また、酸化着色型エレクトロクロミック層5は、酸化着色型エレクトロクロミック微粒子9、および、イオンまたはプロトン伝導体微粒子6と樹脂7とを含む構造になっている。以下、電解質層4、エレクトロクロミック層3、5、透明導電膜1a、1b、透明基材2a、2bを詳細に説明する。
【0023】
(電解質層4)
電解質層4としては、イオンまたはプロトン伝導体微粒子6としての五酸化タンタル微粒子を含むプロトン伝導樹脂作製用塗布液をエレクトロクロミック層3に塗布し、硬化させて形成したものを用いる。例えば、原料の五塩化タンタル(TaCl)をアルコール中で反応させ、加熱処理して安定な特性を有する状態の五酸化タンタル(Ta)微粒子(=イオンまたはプロトン伝導体微粒子6)として得る。
【0024】
詳細には、以下の製造方法による。原料である五塩化タンタルをアルコールに溶解させる。この時、激しく反応して熱を発生するので、少量ずつ添加することが好ましい。また、五塩化タンタルは空気中の水と反応するので、この操作は窒素ガスやアルゴンガス等の希ガスのような非酸化性雰囲気中か、若しくは真空中で行うことが望ましい。アルコールに溶解した五塩化タンタルは、塩素が解離し、アルコールとタンタルイオンが反応して、アルコキシドのような状態で存在すると思われる。尚、使用するアルコールは、五塩化タンタルが溶解するものであれば特に制限はない。
【0025】
第1の方法は、この溶液から溶媒を蒸発除去することによりイオンまたはプロトン伝導体微粒子6としての五酸化タンタル微粒子が得られる。また、第2の方法は、上記溶液を加熱還流し、その後に溶媒を蒸発除去させる。この加熱還流は、タンタルと酸素の結合を促し、五酸化タンタルの前駆体を形成するために行う。尚、溶媒の除去方法としては、自然乾燥、加熱乾燥など、溶媒を蒸発させ得る方法であれば何でもよく、このとき酸素とタンタルのネットワーク形成が行われると考えられる。しかし、加熱乾燥の場合には、加熱温度によって得られる酸化物の状態が異なるので注意が必要である。更に、第3の方法では、上記溶液に水を添加し、白色のゲル状物質を沈殿させた後、この沈殿物を液体から分離することにより五酸化タンタル微粒子が得られる。
【0026】
溶媒から分離した五酸化タンタル微粒子は、次に600〜800℃の温度で加熱処理する。先の溶媒除去時の乾燥温度及び加熱処理時の温度により、得られる酸化物の状態が異なるので、目的とするプロトン伝導特性に応じて必要な温度で加熱することが望ましい。
【0027】
次に、この微粒子を公知の溶媒、例えばアルコール、ケトン、エーテル、エステルなどの液体中に超音波照射、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等を用いて分散して塗布液とする。該塗布液に、後述する樹脂バインダーを含有させたプロトン伝導樹脂作製用塗布液を塗布・硬化させて、プロトン伝導樹脂を得ることができる。プロトン伝導樹脂作製用塗布液においては、液体中における五酸化タンタル微粒子の分散粒子径を、分散の方法や条件を調整することにより、目的とする用途に応じて変えることが可能である。透過光を利用しない表示素子等では膜形成に支障がない分散粒径であればよい。
【0028】
一方、調光ガラス用途の場合には、塗布液中における五酸化タンタル微粒子の凝集体又は単分散粒子の平均分散粒子径を200nm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下とする。上述のごとく、平均分散粒子径を小さくするほど、良好な透明性が得られるからである。この塗布液中の五酸化タンタル微粒子の分散粒子径は、成膜後のプロトン伝導樹脂中においても保持される。
【0029】
塗布液調整時の粉砕分散処理で分散粒子径を小さくすることは可能であるが、粒子径が小さくなればなるほど再凝集しやすくなり、基材に塗布したとき溶媒の蒸発に伴って大きく凝集してしまう傾向がある。従って、安定して微小な分散粒子径を保持するには、有効な分散剤を添加することが好ましい。
【0030】
分散剤としては、アルコキシド系のものや、高分子系のもの、界面活性剤等が挙げられるが、いずれも粒子表面に作用するものであり、粒子表面のイオン化状態、表面電位、分散溶媒の種類等によって選択される。分散剤の添加により、分散粒子が再凝集することがなくなり、安定的に液体中に分散し、更には膜中に安定して散在させることが可能となる。尚、分散剤の種類や添加量はプロトン伝導特性への影響を考慮して適宜選択するが、添加量はプロトン伝導特性を低下させないために五酸化タンタル微粒子の重量の30%以下とすることが好ましい。
【0031】
塗布液に加えるバインダーとして、既存の樹脂やゾルゲルシリケート等を用いることができる。既存の樹脂バインダーとしては、例えば、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑樹脂、常温硬化樹脂、テトラエトキシシラン(TEOS)等の金属アルコキシドの加水分解重合物等がある。これらのバインダーもまた、プロトン伝導特性を考慮して、あるいは基材への密着性によって、適宜選定すれば良い。基材がPET等の透明樹脂フィルムであれば、製造スピードを考慮すると紫外線硬化タイプの樹脂が望ましい。また、ガラス等の基材であれば、熱硬化樹脂や、ゾルゲルシリケート系のバインダーを使用し、加熱してプロトン伝導樹脂を作製することもできる。また、プロトン伝導性を補助する目的で、五酸化タンタル微粒子の間隙を埋めるバインダーとしては、イオン伝導性又はプロトン伝導性を有するものが好ましい。
【0032】
このプロトン伝導樹脂は、安価なタンタル塩化物を出発原料とすることから、当初の目的である安価なプロトン伝導材料として提供が可能となる。また、常温に近い温度において成膜可能で、且つ可撓性に富んだプロトン伝導材料が得られる。上記プロトン伝導樹脂を固体電解質層4として使用する。
【0033】
固体電解質層4として使用するプロトン伝導樹脂膜は、フレキシブルな基台上にコーティングされた場合でも十分な可撓性を発揮し亀裂を生じないばかりか、たとえ厚膜の形態であっても基台を湾曲させたときの密着性は良好である。さらに、バルク体のものは、ナイフ等で簡単に加工できる程度の可撓性と柔軟性とを有し、基材や素子に容易に挟み込むことが可能である。
【0034】
プロトン伝導樹脂作製用塗布液をエレクトロクロミック層3に塗布する方法は、均一な塗膜が得られる方法であれば特に制限はなく、例えば、バーコート法、グラビヤコート法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法等の方法を適宜選択して用いることが可能である。
【0035】
なお、かかる塗布法によれば、平板状の基材はもちろん、簡単に曲面に塗布することも可能である。更に、PETフィルム等のフレキシブルなフィルム状の基材にも塗布することができるため、例えば、2枚の透明導電膜付きPETフィルム基材にエレクトロクロミック層を形成し、張り合わせることで、フレキシブルなフィルム状のエレクトロクロミック素子を作製することが可能となる。しかも、大面積であっても、均一な特性を有するエレクトロクロミック素子を安定して得ることができる。
【0036】
(エレクトロクロミック層3、5)
エレクトロクロミック層としては、還元着色型エレクトロクロミック層3と、酸化着色型エレクトロクロミック層5とがある。還元着色型エレクトロクロミック層3は、還元着色型エレクトロクロミック微粒子8とイオンまたはプロトン伝導体微粒子6とが、樹脂7中に分散されたものである。また、酸化着色型エレクトロクロミック層5は、酸化着色型エレクトロクロミック微粒子9とイオンまたはプロトン伝導体微粒子6とが、樹脂7中に分散されたものである。
【0037】
還元着色型のエレクトロクロミック層3は、還元着色型エレクトロクロミック微粒子8たる酸化タングステン微粒子を主成分とするが、この還元着色型エレクトロクロミック微粒子8としては、他の還元着色型のエレクトロクロミック材料、例えば、酸化ニオブ、ニオブ酸リチウム、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化錫、アンチモン添加酸化錫(ATO)、リチウム酸コバルト、プルシアンブルー等を併用することもできる。
【0038】
還元着色エレクトロクロミック材料は低温で形成できるとともに、屈曲性に優れ、安価な材料であればよい。たとえば、原料の六塩化タングステン(WCl)をアルコール中で反応させ、加熱処理して安定な特性を有する状態の酸化タングステン(WO)微粒子を得ることができる。
【0039】
一方、酸化着色型のエレクトロクロミック層5は、酸化着色型エレクトロクロミック微粒子9としての酸化発色型のエレクトロクロミック材料、例えば、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、酸化イリジウム、酸化ロジウム、酸化コバルト、水酸化コバルト等の微粒子から選ばれた1種以上を主成分とする。酸化発色型のエレクトロクロミック材料は、これらに限定されず、酸化発色するものであれば良い。尚、還元着色型又は酸化着色型層のエレクトロクロミック層に用いるエレクトロクロミック材料は、酸化状態又は還元状態である程度着色していても良く、そのような材料には酸化バナジウム、窒化インジウム、窒化錫等の微粒子がある。
【0040】
上記エレクトロクロミック特性を有する酸化物微粒子と五酸化タンタル微粒子とを公知の溶媒、例えばアルコール、ケトン、エーテル、エステルなどの液体中に超音波照射、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等を用いて分散して塗布液とする。該塗布液に、樹脂バインダーを含有させたエレクトロクロミック層作製用塗布液を塗布・硬化させて、エレクトロクロミック層を得ることができる。樹脂バインダーとしては、上記プロトン伝導樹脂作製用塗布液の場合と同様に選択できる。
【0041】
得られた膜は、フレキシブルな基台上にコーティングされた場合でも十分な可撓性を発揮し亀裂を生じないばかりか、たとえ厚膜の形態であっても基台を湾曲させたときの密着性は良好である。一方、バルク体のものは、ナイフ等で簡単に加工できる程度の可撓性と柔軟性とを有し、基材や素子に容易に挟み込むことが可能である。
【0042】
なお、エレクトロクロミック層作製用塗布液を透明導電膜付き基材に塗布する方法は、均一な塗膜が得られる方法であれば特に制限はなく、例えば、バーコート法、グラビヤコート法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法等の方法を適宜選択して用いることが可能である。
【0043】
(基材2a、2b、透明導電膜1a、1b)
基材2a、2bとしては、透明な樹脂やガラス等を使用でき、硬いボード状のものでも、フレキシブルなフィルム状のものでも良い。特に、既存の窓ガラス等に貼付し調光ガラスとする用途には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、フッ素樹脂、エチレン、ビニルアルコールなどの透明樹脂フィルムが好ましい。
【0044】
透明基材2a、2bに設ける透明導電膜1a、1bとしては、ITO(錫添加酸化インジウム)、ATO(アンチモン添加酸化錫)、FTO(フッ素添加酸化錫)、AZO(アルミニウム添加酸化亜鉛)、GZO(ガリウム添加酸化亜鉛)、Au、Ag、Pt等の貴金属薄膜等を使用できる。導電性が着色、消色の速度を決める要素となるため、透明導電膜の表面抵抗は低いことが望ましい。
【0045】
なお、基材/透明導電膜/還元着色型エレクトロクロミック層の積層と、酸化着色型エレクトロクロミック層/透明導電膜/基材の積層とを、それぞれ電解質層でラミネートすることも可能である。この場合の電解質層には、例えば塩化ビニル系コポリマー等のラミネート用の樹脂を混合する。
【0046】
上記実施の形態によって得られるフレキシブルなフィルム状のエレクトロクロミック素子は、平面上や曲面上に接着剤等で貼付することができ、例えば、住宅やビル、自動車等の既存の窓等に貼付することが可能である。しかも、このエレクトロクロミック素子自体は1〜5ボルト程度の電圧で動作可能なため、電源として小型電池を用いて簡単に動作させることができるうえ、フィルム状のエレクトロクロミック素子自体に電源を組み込むことも可能である。
【0047】
【実施例】
以下、実施例を掲げて本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
以下の条件で、本発明の、一対の電極層間にエレクトロクロミック層及び電解質層からなる、上述した図1に示す構造を有する、表示素子用のエレクトロクロミック層を構成し、その特性を評価した。
透明導電膜1a,1bを形成した基材2a,2bとしての透明フィルムには、市販のITO導電膜付きPETフィルムを用いた。また、エレクトロクロミック層3、5の形成は、エタノールに酸化タングステン微粒子とパーフルオロスルホン酸(デュポン(株)製、ナフィオン)とUV硬化樹脂(東亜合成(株)製、UV3701)を混合した微粒子分散液を透明導電膜付きフィルムに均一に塗布し、UV光で硬化させた。
【0048】
上記酸化タングステン微粒子は、市販のWCl(高純度化学製)を窒素ガス中において、エタノールに少量ずつゆっくり加えて溶解し、この溶液を70℃に保持して溶媒を蒸発させ、更に300℃で加熱処理することにより得た。
【0049】
固体電解質層4は、エタノールに五酸化タンタル微粒子とUV硬化樹脂(東亜合成(株)製、UV3701)を混合した微粒子分散液を先に形成したエレクトロクロミック層の上に均一に塗布し、透明導電膜付きフィルムの透明導電膜側を上記固体電解質層に接触させるように張り合わせUV光で硬化させエレクトロクロミック素子を作製した。
【0050】
上記五酸化タンタル微粒子は窒素ガス中において、エタノールにTaCl(和光純薬株式会社製)を少量ずつゆっくり加えて溶解し、この溶液を70℃に保持して溶媒を蒸発させ、更に600℃で加熱処理することにより得た。
【0051】
得られたエレクトロクロミック素子に±1Vの電圧を印加することにより着消色を繰り返した。さらに、エレクトロクロミック素子を直径10mmのガラス棒に巻きつけ着消色を繰り返し30回観察したが変化はなかった。
【0052】
(実施例2)
エレクトロクロミック層の形成において、パーフルオロスルホン酸(デュポン(株)製、ナフィオン)を五酸化タンタル微粒子に置き換えたこと以外は実施例1と同じ方法でエレクトロクロミック素子を作製した。得られたエレクトロクロミック素子に±1Vの電圧を印加することにより着消色を繰り返した。さらに、エレクトロクロミック素子を直径10mmのガラス棒に巻きつけ着消色を繰り返し30回観察したが変化はなかった。
【0053】
(実施例3)
以下の条件で、本発明のエレクトロクロミック素子を構成し、その特性を評価した。なお、透明導電膜1a,1bを形成した基材2a,2bとしての透明フィルムには、市販のITO導電膜付きPETフィルムを用いた。また、還元着色を示すエレクトロクロミック層3の形成はエタノールに酸化タングステン微粒子とパーフルオロスルホン酸(デュポン(株)製、ナフィオン)とUV硬化樹脂(東亜合成(株)製、UV3701)を混合した微粒子分散液を透明導電膜付きフィルムに均一に塗布し、UV光で硬化させた。
【0054】
酸化着色を示すエレクトロクロミック層5の形成は、エタノールに酸化ニッケル微粒子とパーフルオロスルホン酸(デュポン(株)製、ナフィオン)とUV硬化樹脂(東亜合成(株)製、UV3701)を混合した微粒子分散液をもう一方の透明導電膜付きフィルムに均一に塗布し、UV光で硬化させた。
【0055】
上記酸化タングステン微粒子は市販のWCl(高純度化学製)を窒素ガス中において、エタノールに少量ずつゆっくり加えて溶解し、この溶液を70℃に保持して溶媒を蒸発させ、更に300℃で加熱処理することにより得た。
【0056】
固体電解質層4は、エタノールに五酸化タンタル微粒子とUV硬化樹脂(東亜合成(株)製、UV3701)を混合した微粒子分散液を先に形成した還元着色を示すエレクトロクロミック層の上に均一に塗布し、酸化着色を示すエレクトロクロミック層を形成した透明導電膜付きフィルムのエレクトロクロミック層側を固体電解質層に接触させるように張り合わせUV光で硬化させエレクトロクロミック素子を作製した。
【0057】
上記五酸化タンタル微粒子は窒素ガス中において、エタノールにTaCl5(和光純薬株式会社製)を少量ずつゆっくり加えて溶解し、この溶液を70℃に保持して溶媒を蒸発させ、更に600℃で加熱処理することにより得た。
【0058】
得られたエレクトロクロミック素子に±1Vの電圧を印加することにより着消色を繰り返した。さらに、エレクトロクロミック素子を直径10mmのガラス棒に巻きつけ着消色を繰り返し30回観察したが変化はなかった。
【0059】
(実施例4)
還元着色を示すエレクトロクロミック層の形成および酸化着色を示すエレクトロクロミック層の形成においてパーフルオロスルホン酸(デュポン(株)製、ナフィオン)を五酸化タンタル微粒子に置き換えたこと以外は実施例3と同じ方法でエレクトロクロミック素子を作製した。
【0060】
得られたエレクトロクロミック素子に±1Vの電圧を印加することにより着消色を繰り返した。さらに、エレクトロクロミック素子を直径10mmのガラス棒に巻きつけ着消色を繰り返し30回観察したが変化はなかった。
【0061】
(比較例1)
以下の条件で、比較例1にかかるエレクトロクロミック素子を構成し、その特性を評価した。なお、透明導電膜を形成した基材としての透明フィルムには、市販のITO導電膜付きPETフィルムを用いた。ITO導電膜付きPETフィルムに固体電解質層である五酸化タンタル薄膜をスパッタリング法で形成した。エレクトロクロミック層の形成はエタノールに酸化タングステン微粒子とパーフルオロスルホン酸(デュポン(株)製、ナフィオン)とUV硬化樹脂(東亜合成(株)製、UV3701)を混合した微粒子分散液を透明導電膜付きPETフィルムに均一に塗布し、五酸化タンタル薄膜をスパッタリング法で形成した透明導電膜付きPETフィルムの五酸化タンタル薄膜側と接触するように貼りあわせUV光で硬化させエレクトロクロミック素子を作製した。
【0062】
上記酸化タングステン微粒子は市販のWCl(高純度化学製)を窒素ガス中において、エタノールに少量ずつゆっくり加えて溶解し、この溶液を70℃に保持して溶媒を蒸発させ、更に300℃で加熱処理することにより得た。得られたエレクトロクロミック素子に±1Vの電圧を印加することにより着消色を繰り返した。さらに、エレクトロクロミック素子を直径10mmのガラス棒に巻きつけ着消色を繰り返し30回観察した結果、折り曲げ方向と垂直に着色しない筋が多数観察された。
【0063】
(比較例2)
以下の条件で、比較例2にかかるエレクトロクロミック素子を構成し、その特性を評価した。なお、透明導電膜を形成した基材としての透明フィルムには、市販のITO導電膜付きPETフィルムを用いた。酸化着色を示すエレクトロクロミック層の形成はエタノールに酸化ニッケル微粒子とパーフルオロスルホン酸(デュポン(株)製、ナフィオン)とUV硬化樹脂(東亜合成(株)製、UV3701)を混合した微粒子分散液を透明導電膜付きフィルムに均一に塗布し、UV光で硬化させた。
【0064】
酸化着色型エレクトロクロミック層を形成した透明導電膜付きPETフィルムのITO導電膜付きPETフィルムの酸化着色型エレクトロクロミック層側に固体電解質層である五酸化タンタル薄膜をスパッタリング法で形成した。還元着色型エレクトロクロミック層の形成は、エタノールに酸化タングステン微粒子とパーフルオロスルホン酸(デュポン(株)製、ナフィオン)とUV硬化樹脂(東亜合成(株)製、UV3701)を混合した微粒子分散液を透明導電膜付きPETフィルムに均一に塗布し、五酸化タンタル薄膜をスパッタリング法で形成した酸化着色型エレクトロクロミック層/透明導電膜/PETフィルムの五酸化タンタル薄膜側と接触するように貼りあわせUV光で硬化させエレクトロクロミック素子を作製した。
【0065】
上記酸化タングステン微粒子は市販のWCl(高純度化学製)を窒素ガス中において、エタノールに少量ずつゆっくり加えて溶解し、この溶液を70℃に保持して溶媒を蒸発させ、更に300℃で加熱処理することにより得た。得られたエレクトロクロミック素子に±1Vの電圧を印加することにより着消色を繰り返した。さらに、エレクトロクロミック素子を直径10mmのガラス棒に巻きつけ着消色を繰り返し30回観察した結果、折り曲げ方向と垂直に着色しない筋が多数観察された。
【0066】
【発明の効果】
本発明のエレクトロクロミック素子は、基材と透明電極、電解質、エレクトロクロミック層を組み合わせた積層構造からなるエレクトロクロミック素子であって、電解質層が五酸化タンタル微粒子を含むプロトン伝導樹脂からなる固体電解質層であり、好ましくは五酸化タンタル、パーフルオロスルホン酸の少なくとも1種類以上を含有するプロトン伝導体を含む、少なくとも1種類以上のエレクトロクロミック層を有するエレクトロクロミック素子とすることによって、低温で形成できるとともに、特性安定性、屈曲性に優れ、高価な製造装置を必要としないエレクトロクロミック素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるエレクトロクロミック素子の部分断面図である。
【図2】本発明の異なる実施の形態にかかるエレクトロクロミック素子の部分断面図である。
【符号の説明】
1a、1b 透明導電膜
2a、2b 透明基材
3 還元着色型エレクトロクロミック層
4 電解質層
5 酸化着色型エレクトロクロミック層
6 イオンまたはプロトン伝導体微粒子
7 樹脂バインダー
8 還元着色型エレクトロクロミック微粒子
9 酸化着色型エレクトロクロミック微粒子

Claims (4)

  1. 一対の電極層の間にエレクトロクロミック層及び電解質層を有するエレクトロクロミック素子において、
    前記電解質層が五酸化タンタル微粒子を含むプロトン伝導樹脂を有する固体電解質層であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 前記エレクトロクロミック層が、プロトン伝導体を含むことを特徴とする請求項1記載のエレクトロクロミック素子。
  3. 前記固体電解質層が、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、金属アルコキシド加水分解重合物、ゾルゲルシリケートの少なくとも1種類以上を含有することを特徴とする請求項2記載のエレクトロクロミック素子。
  4. 前記プロトン伝導体が五酸化タンタル、パーフルオロスルホン酸の少なくとも1種類以上を含有することを特徴とする請求項2または3記載のエレクトロクロミック素子。
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