JP6825721B1 - ミルペーシング制御システム - Google Patents

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Abstract

ミルペーシング制御システムは、ミルペーシング計算器を備える。ミルペーシング計算器は、鋼板SSの圧延仕様SP_SSおよび圧延条件C_SSの情報に基づいて、ミルペーシング制御を行う。ミルペーシング制御では、連続的に圧延される3本の鋼板SSに着目した最適化処理が行われる。最適化処理では、抽出間隔I_TEXを短くすることのできる2本目の鋼板SSの最適条件OC_SSが導き出される。抽出間隔I_TEXは、1本目と2本目の抽出間隔I_EXと、2本目と3本目の抽出間隔I_EXとの合計である。ミルペーシング制御では、最適条件OC_SSでの抽出間隔I_EXと、1本目の鋼板SSの抽出時刻と、に基づいて、2本目の鋼板SSの抽出時刻が算出される。

Description

本発明は、熱間圧延ラインのミルペーシング制御を行うシステムに関する。
熱間圧延ラインは、粗工程が行われる設備と、仕上工程が行われる設備と、を含む。単一の熱間圧延ラインにおいて、複数の材料が各設備で同時に加工されると、この圧延ラインの稼働率が高まる。稼働率が高まれば、生産効率が向上する。稼働率を高める技術として、ミルペーシング制御が知られている。
ミルペーシング制御では、通常、加熱炉から連続的に抽出される2本の被圧延材の間隔(以下、「抽出間隔」とも称す。)が計算される。また、この抽出間隔に基づいて、これらの被圧延材の抽出タイミングが制御される。ここで、抽出間隔が長過ぎると、生産効率が低下する。一方、抽出間隔が短すぎると、後続の被圧延材を待機させる必要が生じる。
ミルペーシング制御に関連する第1の従来技術として、特許文献1に開示された方法が例示される。この従来の方法では、まず、仕上圧延機の入側に到達したときの被圧延材の温度が、過去の圧延実績に基づいて構築されたモデルによって計算される。続いて、この温度に基づいて、仕上圧延機の入側における被圧延材の待機時間が予測される。抽出間隔は、この待機時間を考慮して決定される。
第2の従来技術として、特許文献2に開示された方法が例示される。この従来の方法では、第1および第2の候補のうちの長い方が、抽出間隔として決定される。第1の候補は、加熱炉内のスラブの温度を目標温度まで上昇させるために必要な時間に基づいて計算される。第2の候補は、これから抽出されるスラブの一つ前に抽出されたスラブ(先行スラブ)の圧延時間に基づいて計算される。この圧延時間は、先行スラブの圧延条件に近い条件で圧延された別のスラブの圧延時間に基づいて補正される。
日本特開2018−196888号公報 日本特開2015−174121号公報
しかしながら、第1および第2の従来技術には、予め設定された圧延条件が用いられている。圧延条件は、圧延仕様に沿った製品を生産するための各設備の操作条件である。圧延条件は、例えば、粗出側板厚と、粗圧延パス数と、被圧延材の速度条件と、を含む。圧延仕様は、例えば、鋼種と、スラブのサイズと、製品のサイズと、熱間圧延ライン上の各ポイントにおける目標温度と、を含む。
圧延仕様は、製品の形状や品質に関わる規定事項であることから、その変更を行うことはできない。これに対して圧延条件は、フレキシブルな性質を有する。それにも関わらず、予め設定された圧延条件が用いられるということは、これに基づいて設定される圧延設備の設定値が固定されることを意味する。したがって、従来技術を利用したミルペーシング制御では、抽出間隔の短縮化に限界がある。
本発明は、上述した課題の少なくとも1つを解決するためになされたものである。本発明の目的は、生産効率を向上させる適切な抽出間隔を計算することのできるミルペーシング制御システムを提供することにある。
第1の発明は、熱間圧延ラインのミルペーシング制御を行うミルペーシング制御システムであり、次の特徴を有する。
前記システムは、データベースと、設定計算器と、ミルペーシング計算器とを備える。
前記データベースは、鋼材の圧延仕様に対応する圧延設備の圧延条件を設定するためのものである。
前記設定計算器は、前記熱間圧延ラインでの鋼材の生産のために、前記圧延仕様を用いた前記データベースの参照による前記圧延条件の決定と、前記圧延条件に基づいた前記圧延設備の制御目標値の計算と、を行う。
前記ミルペーシング計算器は、前記ミルペーシング制御において、前記熱間圧延ラインにおいて連続的に圧延される少なくとも2本の鋼材が加熱炉からそれぞれ抽出される時刻を計算する。
前記ミルペーシング計算器は、
前記熱間圧延ラインにおいてこの順番で圧延される第1、第2および第3鋼材の圧延仕様を用いた前記データベースの参照により、前記第1、第2および第3鋼材が順番に圧延されるときの前記圧延条件を、第1、第2および第3条件としてそれぞれ決定し、
前記第1、第2および第3条件に基づいて、前記第1、第2および第3鋼材が順番に圧延されるときの前記設定値を、第1、第2および第3設定値としてそれぞれ計算し、
前記第1および第2設定値を用いて、前記第1鋼材が前記加熱炉から抽出される第1時刻から、前記第2鋼材が前記加熱炉から抽出される第2時刻までの第1間隔を計算し、
前記第2および第3設定値を用いて、前記第2時刻から、前記第3鋼材が前記加熱炉から抽出される第3時刻までの第2間隔を計算し、
前記第1間隔と前記第2間隔との合計を小さくする前記第2条件を、前記設定計算器において行われる前記第2設定値の計算に用いられる最適条件として決定して前記設定計算器に送り
前記最適条件での前記第1間隔と、前記第1時刻と、を用いて前記第2時刻を決定する。
第2の発明は、第1の発明において更に次の特徴を有する。
前記ミルペーシング計算器は、更に、
前記第2鋼材が前記熱間圧延ラインにおいて圧延される最後の鋼材に該当する場合、前記最適条件に代わる代用条件を例外的に計算し、
前記代用条件に基づいて、前記第1および第2時刻を計算する。
前記代用条件は、前記第2鋼材の圧延時間と、前記第1間隔との合計を小さくする前記第2条件である。
第3の発明は、第1または第2の発明において更に次の特徴を有する。
前記圧延条件は、前記第1、第2および第3鋼材の圧延仕様に含まれる要素に対応するように細分化されている。
第4の発明は、熱間圧延ラインのミルペーシング制御を行うミルペーシング制御システムであり、次の特徴を有する。
前記システムは、データベースと、設定計算器と、ミルペーシング計算器とを備える。
前記データベースは、鋼材の圧延仕様に対応する圧延設備の圧延条件を設定するためのものである。
前記設定計算器は、前記熱間圧延ラインでの鋼材の生産のために、前記圧延仕様を用いた前記データベースの参照による前記圧延条件の決定と、前記圧延条件に基づいた前記圧延設備の制御目標値の計算と、を行う。
前記ミルペーシング計算器は、前記ミルペーシング制御において、前記熱間圧延ラインにおいて連続的に圧延される少なくとも2本の鋼材が加熱炉からそれぞれ抽出される時刻を計算する。
前記ミルペーシング計算器は、
前記熱間圧延ラインにおいて所定期間内に順番に圧延される全ての鋼材の圧延仕様を用いた前記データベースの参照により、前記全ての鋼材が順番に圧延されるときの前記圧延条件をそれぞれ決定し、
前記それぞれの圧延条件に基づいて、前記全ての鋼材が順番に圧延されるときの前記設定値をそれぞれ計算し、
前記それぞれの設定値を用いて、前記所定期間内に連続的に圧延される2本の鋼材が前記加熱炉からそれぞれ抽出される時刻の間隔をそれぞれ計算し、
前記それぞれの間隔と、前記所定期間内において最後に圧延される鋼材の圧延時間と、の総合計を小さくする前記それぞれの圧延条件を、前記設定計算器が行う前記設定値の計算に用いられる最適条件として決定して前記設定計算器に送り
前記最適条件での前記それぞれの間隔と、前記所定期間内において最初に圧延される鋼材が前記加熱炉から抽出される時刻と、を用いて、前記全ての鋼材が前記加熱炉からそれぞれ抽出される時刻を決定する。
第5の発明は、第4の発明において更に次の特徴を有する。
前記圧延条件は、前記全ての鋼材の圧延仕様に含まれる要素に対応するように細分化されている。
第1乃至3の発明によれば、第1間隔と第2間隔の合計を小さくする第2条件が最適条件として決定される。つまり、圧延条件がより適切な条件に変更される。そして、この最適条件での第1間隔と、第1鋼材が加熱炉から抽出される第1時刻と、を用いて、第2鋼材が加熱炉から抽出される第2時刻が決定される。したがって、設備の稼働率を高めて生産効率を向上することが可能となる。
第4乃至5の発明によれば、所定期間内に連続的に圧延される2本の鋼材がそれぞれ抽出される時刻の間隔と、所定期間内において最後に圧延される鋼材の圧延時間と、の総合計を小さくする圧延条件が、最適条件として決定される。つまり、全ての鋼材の圧延条件がより適切な条件に変更される。そして、この最適条件において連続的に圧延される2本の鋼材がそれぞれ抽出される時刻の間隔と、最初に圧延される鋼材が加熱炉から抽出される時刻と、を用いて、全ての鋼材が加熱炉からそれぞれ抽出される時刻が決定される。したがって、設備の稼働率を高めて生産効率を向上することが可能となる。
実施の形態1に係るミルペーシング制御システムが適用される熱間圧延ラインの構成例を示す図である。 実施の形態1に係るミルペーシング制御システムの構成を説明するブロック図である。 PDIの一例を示す図である。 圧延条件C_SSの一例を示す図である。 実施の形態1おいて実行されるミルペーシング制御処理の流れを説明するフローチャートである。 鋼材SSの通過時間T_FRおよびT_TAの計算結果の一例を示した図である。 制約時間T_REの一例を示す図である。 実施の形態2おいて実行されるミルペーシング制御処理の流れを説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
1.実施の形態1
まず、図1乃至7を参照しながら、本発明の実施の形態1について説明する。
1.1 熱間圧延ラインの構成
図1は、実施の形態1に係るミルペーシング制御システム(以下、単に「システム」とも称す。)が適用される熱間圧延ラインの構成例を示す図である。図1に示すように、熱間圧延ライン1は、加熱炉11と、粗工程用の設備(以下、「粗設備」とも称す。)12と、仕上工程用の設備(以下、「仕上設備」とも称す。)16と、冷却工程用の設備(以下、「冷却設備」とも称す。)18と、巻取工程用の設備(以下、「巻取設備」とも称す。)19と、を備えている。
加熱炉11は、搬送ラインの上流に設けられる。加熱炉11は、被圧延材としての鋼材SSを加熱する。鋼材SSは、搬送ライン上の位置によって呼び方が変わる。一般的に、加熱炉11と粗設備12の間の鋼材SSは、スラブと呼ばれる。粗工程後の鋼材SSは、シートバーと呼ばれ、または単純にバーと呼ばれる。仕上工程後の鋼材SSは、ストリップと呼ばれる。
粗設備12は、SSP(Slab Sizing Press)13と、エッジャ14aおよび14bと、粗圧延機15aおよび15bと、を備えている。SSP13は、搬送ラインの上流に設けられる。SSP13は、鋼材SSの幅を所定幅まで加工する。エッジャ14aは、粗圧延機15aに付属する装置である。エッジャ14bは、粗圧延機15bに付属する装置である。これらのエッジャは、鋼材SSの幅を調整する。粗圧延機15aおよび15bは、鋼材SSを順方向および逆方向に送りながら圧延する。これらの粗圧延機は、鋼材SSの厚さが目標バー厚となるまで鋼材SSを圧下する。
仕上設備16は、粗設備12の下流に設けられる。仕上設備16は、仕上圧延機17a〜17gを備えている。これらの仕上圧延機は、鋼材SSを順方向のみに送りながら圧延する。これらの仕上圧延機は、鋼材SSの厚さが目標の製品厚となるまで鋼材SSを圧下する。
冷却設備18は、仕上圧延機17gの下流に設けられる。冷却設備18は、冷却バンクと呼ばれる水冷却装置(図示しない)を備える。冷却設備18は、この冷却バンクから鋼材SSに注水してその温度を下げる。
巻取設備19は、冷却設備18の下流に設けられる。巻取設備19は、鋼材SSをコイル状に巻き取る。巻取設備19は、巻取機19a〜19cを備えている。搬送ラインをi−1番目に搬送される鋼材SS(i−1)が巻取機19cによって巻き取られる場合を考える。この場合、例えば、i番目に搬送される鋼材SS(i)は巻取機19bによって巻き取られ、i+1番目に搬送される鋼材SS(i+1)は巻取機19aによって巻き取られる。
1.2 ミルペーシング制御システムの構成
図2は、実施の形態1に係るシステムの構成を説明するブロック図である。図2に示すように、システム2は、上位計算器21と、設定計算器22と、設定データベース23と、ミルペーシング計算器24と、設備用コントローラ25と、を備えている。
上位計算器21は、設定計算器22の上位に位置付けられるコンピュータであり、鋼材SSの生産を管理する。上位計算器21は、プロセッサ、メモリおよび入出力インタフェースを備えている。上位計算器21は、入出力インタフェースを介して各種の情報を受け取る。この各種の情報には、熱間圧延ライン1上を搬送される鋼材SSの位置および温度の実績値を示す情報が含まれる。
上位計算器21は、また、熱間圧延ライン1上で生産される鋼材SSの圧延仕様SP_SSの情報を設定計算器22に送る。この情報は、PDI(Primary Data Input)の形式で保存されている。図3は、PDIの一例を示す図である。図3に示すように、PDIには、製品IDと、スラブのサイズ(厚さおよび幅)と、製品のサイズ(厚さおよび幅)と、抽出温度と、巻取温度と、が含まれる。製品IDには、鋼材SSの種類(以下、「鋼種」と称す。)に関するコードが含まれている。つまり、圧延仕様SP_SSには、鋼種も含まれる。
設定計算器22は、圧延仕様SP_SSおよび圧延条件C_SSの情報に基づいて、粗設備12、仕上設備16、冷却設備18といった各種設備の設定値STを設定する。圧延仕様SP_SSの情報は、上位計算器21から送られてくる。圧延条件C_SSの情報は、圧延仕様SP_SSに含まれる少なくとも一部の要素をキーとして、設定値STの設定時に設定計算器22が設定データベース23から入手する。圧延条件C_SSの情報は、上位計算器21が入手してもよい。この場合、圧延条件C_SSの情報は、圧延仕様SP_SSの情報と共に上位計算器21から送られてくる。
図4は、圧延条件C_SSの一例を示す図である。図4に示すように、圧延条件C_SSは、“粗出側板厚”と、“粗出側上限”と、“粗出側下限”と、“粗圧延パス数”と、“速度条件”と、を含む。“粗出側板厚”は、粗設備12の出側における鋼材SSの目標厚さ(つまり、目標バー厚)である。“粗出側上限”および“粗出側下限”は、目標バー厚の上限および下限である。“粗圧延パス数”は、粗工程の繰り返し回数である。“速度条件”は、粗工程および仕上工程での鋼材SSの速度条件を表している。
図4に示すように、圧延条件C_SSは、圧延仕様SP_SSに含まれる少なくとも一部の要素に対応するように設定されている。図4の例では、“鋼種”、“板厚クラス”および“板幅クラス”がこの要素に該当する。鋼種は、SS400、SPHCといったコードで表され、グループA〜Zに細分化されている。“板厚クラス”は製品厚を意味し、グループ1〜NHに細分化されている。“板幅クラス”は製品幅を意味し、グループ1〜NBに細分化されている。
設定値STには、圧延荷重と、変形抵抗と、ロールギャップと、速度パターンと、が含まれる。これらの値は、例えば、入力変数と、機械定数と、を入力とするモデルを用いて計算される。入力変数は、モデル出力と相関のある物理量である。例えば、モデル出力が圧延荷重の場合、変形抵抗、鋼材SSの幅、圧下量などが入力変数に当たる。機械定数は、ロール径、ミルカーブ、スプレー流量といった各設備の機械特性を表す物理量である。機械定数は、ロール替え、設備の修繕および調整、経年変化によって変わるため、随時更新される。設定計算器22は、設定値STを設備用コントローラ25に送る。
設定データベース23は、図4に示した圧延条件C_SSが格納されたデータベースである。設定データベース23は、上位計算器21または設定計算器22からの要求に応じて、要求元に圧延条件C_SSを提供する。
ミルペーシング計算器24は、圧延仕様SP_SSおよび圧延条件C_SSの情報に基づいて、ミルペーシング制御を行う。ミルペーシング制御を行うために、ミルペーシング計算器24は、設定計算器22が有する機能の一部と同じ機能を有している。ミルペーシング制御では、最適な圧延条件C_SS(以下、「最適条件OC_SS」とも称す。)が計算される。最適条件OC_SSの計算手法については後述する。ミルペーシング計算器24は、最適条件OC_SSを設定計算器22に送る。
最適条件OC_SSが入力された場合、設定計算器22は、最適条件OC_SSに基づいて設定値STを再度計算し、設備用コントローラ25に送る。つまり、最適条件OC_SSが計算された場合、算出済みの設定値STが修正される。
ミルペーシング制御では、また、圧延時間T_TMが計算される。圧延時間T_TMは、速度パターンに基づいて鋼材SSごとに計算される。速度パターンは、設定値STに含まれるものであり、ミルペーシング計算器24において別途計算されている。ミルペーシング制御では、更に、圧延時間T_TMに基づいて、鋼材SSが加熱炉11から抽出される時刻(以下、「抽出時刻t_EX」とも称す。)が鋼材SSごとに計算される。ミルペーシング計算器24は、抽出時刻t_EXを設備用コントローラ25に送る。
設備用コントローラ25は、設定計算器22による計算結果(つまり、設定値ST)に基づいて、各種設備のアクチュエータを制御する。これらのアクチュエータには、電動機、油圧装置および冷却バンクが含まれる。設備用コントローラ25は、また、熱間圧延ライン1上の各ポイントに設けられた各種センサから、鋼材SSの温度およびサイズ、圧延荷重といった制御実績値を収集する。設備用コントローラ25は、更に、圧延制御の実績値に基づいて設定値STの修正を適宜行う。
ミルペーシング計算器24から抽出時刻t_EXが入力された場合、設備用コントローラ25は、抽出時刻t_EXに従って鋼材SSを加熱炉11から抽出する。
1.3 ミルペーシング制御処理
図5は、実施の形態1において、ミルペーシング計算器24が行うミルペーシング制御処理の流れを説明するフローチャートである。図5に示すルーチンは、鋼材SS(i)に着目したときのルーチンであり、少なくとも鋼材SS(i)の抽出前に行われる。つまり、図5に示すルーチンは、鋼材SS(i)の抽出直前に行われてもよいし、鋼材SS(i−1)の抽出前に行われてもよい。
図5に示すルーチンでは、まず、鋼材SS(i−1)の設定値ST(i−1)と、鋼材SS(i+1)の設定値ST(i+1)と、が読み込まれる(ステップS101)。これらの設定値が設定計算器22において計算済みの場合、それらが流用される。そうでない場合、本ステップの処理においてこれらの設定値が計算される。これらの設定値の計算は、以下に説明するステップS102〜S104の処理に準じて行われる。
ステップS101に続いて、鋼材SS(i)のPDIが読み込まれる(ステップS102)。図3の説明で述べたように、PDIは、圧延仕様SP_SSの情報である。本ステップの処理において読み込まれるPDIは、鋼材SS(i)の圧延仕様SP_SS(i)である。
ステップS102に続いて、鋼材SS(i)の圧延条件C_SS(i)が読み込まれる(ステップS103)。圧延条件C_SS(i)は、圧延仕様SP_SS(i)の一部の要素をキーとして、設定データベース23から読み込まれる。
ステップS103に続いて、設定値ST(i)が計算される(ステップS104)。設定値STがモデルを用いて計算されることは既に説明したとおりである。また、既に説明したとおり、設定値STには速度パターンが含まれる。本ステップの処理では、この速度パターンに基づいて、各設備での所要時間TAT(i)が計算される。本ステップの処理においては、所要時間TAT(i−1)およびTAT(i+1)も計算される。これらの時間の計算は、設定値ST(i−1)およびST(i+1)に含まれる速度パターンに基づいて行われる。
ステップS104に続いて、通過時間T_FR(i−1)〜T_FR(i+1)と、通過時間T_TA(i−1)〜T_TA(i+1)と、が計算される(ステップS105)。通過時間T_FR(i)は、鋼材SS(i)の先端が熱間圧延ライン1上に予め設定されたポイントを通過する時間である。通過時間T_TA(i)は、鋼材SS(i)の尾端が同ポイントを通過する時間である。これらの時間は、前回のルーチンの処理時に計算された抽出時刻t_EX(i)を用いて計算される。抽出時刻t_EX(i)が計算済みでない場合、これらの時間は、仮設定した抽出時刻t_EX(i)を用いて計算される。
通過時間T_FR(i−1)およびT_FR(i+1)は、通過時間T_FR(i)の計算手法に準じて計算される。通過時間T_TA(i−1)およびT_TA(i+1)は、通過時間T_TA(i)の計算手法に準じて計算される。
図6は、鋼材SSの通過時間T_FRおよびT_TAの計算結果の一例を示した図である。図6の横軸に示す項目は、基本的に、熱間圧延ライン1上に予め設定されたポイントを表している。“炉11出側”は、加熱炉11の出側における設定ポイントを表している。図6の縦軸は、加熱炉11から出た鋼材SSがそれぞれの設定ポイントに到達するまでの所要時間を表している。
所要時間について詳しく説明すると次のとおりである。まず、図6の横軸に示す“SSP13入側”は、SSP13の入側における設定ポイントを表している。“粗12出側”は、粗圧延機15bの出側における設定ポイントを表している。つまり、“SSP13入側”から“粗12出側”までの時間は、粗設備での所要時間TATに相当する。
次に、図6の横軸に示す“仕上17a入側”は、仕上圧延機17aの入側における設定ポイントを表している。“仕上工程”は、仕上圧延機17aの入側に鋼材SSの先端が入ってから、仕上圧延機17gの出側から鋼材SSの尾端が出てくるまでの時間に相当する。つまり、“仕上17a入側”に対応する通過時間T_FRから、“仕上工程”に対応する通過時間T_TAまでの時間は、仕上設備での所要時間TATに相当する。
また、図6の横軸に示す“巻取19入側”は、巻取設備19の入側における設定ポイントを表している。つまり、“巻取19入側”に対応する通過時間T_TAは、鋼材SSの尾端が巻き取られる時間を表している。このことから、“炉11出側”に対応する通過時間T_FRから“巻取19入側”に対応する通過時間T_TAまでの時間は、鋼材SSの先端が抽出されてから同鋼材SSの尾端が巻き取られるまでの圧延時間T_TMを表していることが分かる。
ステップS105に続いて、制約時間T_RE(i)およびT_RE(i+1)が計算される(ステップS106)。制約時間T_RE(i)は、鋼材SS(i−1)と鋼材SS(i)とを衝突させることなく圧延するための必要な時間である。制約時間T_RE(i+1)は、鋼材SS(i)と鋼材SS(i+1)とを衝突させることなく圧延するための必要な時間である。
図7は、制約時間T_REの一例を示す図である。図7は、縦軸の値が大きいほど、制約時間T_REが長くなることを表している。“炉11出側”は、加熱炉11からの鋼材SSの抽出に要する時間である。“SSP13”は、SSP15aでの鋼材SSの加工に要する時間である。“粗15a進入”は、粗圧延機15aでの鋼材SSの加工に要する時間と、同鋼材SSの加工後におけるロールギャップの調整に要する時間と、を含む。“粗15a冷却”は、鋼材SSの加工後、粗圧延機15aを駆動する電動機の冷却に要する時間である。
“粗15b進入”は、“粗15a進入”の考え方を粗圧延機15bに適用したものである。“粗15b冷却”は、“粗15a冷却”の考え方を粗圧延機15bに適用したものである。“仕上工程”は、鋼材SSの加工に要する時間と、同鋼材SSの加工後におけるロールギャップの調整に要する時間と、を含む。“巻取19”は、巻取機19a〜19cのうちの何れかでの鋼材SSの巻き取りに要する時間である。
“仕上工程”における制約時間T_RE(i)を代表として説明する。この“仕上工程”時間T_RE(i)は、式(1)で表される。
“仕上工程”時間T_RE(i)=通過時間T_TA(i−1)−通過時間T_FR(i)+圧延マージン ・・・(1)
式(1)における通過時間T_TA(i−1)は、鋼材SS(i−1)の尾端が仕上圧延機17gの出側における設定ポイントを通過する時間である。通過時間T_FR(i)は、鋼材SS(i)の先端が仕上圧延機17aの入側における設定ポイントを通過する時間である。
ステップS106の処理では、式(1)の考え方に準じて各種の制約時間T_RE(i)およびT_RE(i+1)も計算される。
ステップS106に続いて、抽出間隔I_EX(i)およびI_EX(i+1)が計算される(ステップS107)。抽出間隔I_EX(i)は、抽出時刻t_EX(i−1)と抽出時刻t_EX(i)との間のインターバルである。抽出間隔I_EX(i)は、ステップS106において計算された各種の制約時間T_RE(i)のうち最大値により表される。抽出間隔I_EX(i+1)は、抽出時刻t_EX(i)と抽出時刻t_EX(i+1)との間のインターバルである。抽出間隔I_EX(i+1)は、各種の制約時間T_RE(i+1)の最大値により表される。
抽出間隔I_EX(i)は、具体的に、式(2)で表される。抽出間隔I_EX(i+1)は、式(2)に示す変数を“i”から“i+1”に変更することにより表される。
抽出間隔I_EX(i)=max{“炉11出側”時間T_RE(i)、“SSP13”時間T_RE(i)、“粗15a進入”時間T_RE(i)、“粗15a冷却”時間T_RE(i)、“粗15b進入”時間T_RE(i)、“粗15b冷却”時間T_RE(i)、“仕上工程”時間T_RE(i)、“巻取19”時間T_RE(i)} ・・・(2)
ステップS107に続いて、総抽出間隔I_TEXが計算される(ステップS108)。総抽出間隔I_TEXは、ステップS107で計算された抽出間隔I_EXの合計であり、式(3)で表される。
総抽出間隔I_TEX=抽出間隔I_EX(i)+抽出間隔I_EX(i+1) ・・・(3)
鋼材SS(i+1)が存在しない場合、つまり、鋼材SS(i)が最後に圧延される場合、式(3)を用いて総抽出間隔I_TEXを算出することができない。そこで、この場合は、式(4)を用いて総抽出間隔I_TEXが計算される。式(4)を用いることで、例外的な場合でも総抽出間隔I_TEXを算出することが可能となる。
総抽出間隔I_TEX=抽出間隔I_EX(i)+圧延時間T_TM(i) ・・・(4)
式(4)において、圧延時間T_TM(i)は、鋼材SS(i)の先端が抽出されてから同鋼材SS(i)の尾端が巻き取られるまでの所要時間である。
ステップS108に続いて、ステップS108で計算された総抽出間隔I_TEXが最適解であるか否かが判定される(ステップS109)。本ステップの処理は、具体的に、総抽出間隔I_TEXを最小にする圧延条件C_SS(i)を探索することにより行われる。
ここでは、圧延条件C_SS(i)の要素のうちの“粗出側板厚”に着目した探索について説明する。この場合の探索は、評価関数を総抽出間隔I_TEXとし、変数を“粗出側板厚”とする最適化問題を解くことにより行われる。ここで、図4の説明で述べたように、圧延条件C_SSには粗出側上限および下限が設けられている。そのため、この最適化問題は、制約付き最適化問題として取り扱うことができる。なお、“粗圧延パス数”または“速度条件”に着目した探索の場合は、制約なし最適化問題として取り扱えばよい。
最適化問題において、解の探索には公知のアルゴリズムが用いられる。公知のアルゴリズムとしては、導関数が必要な勾配法およびニュートン法、および、導関数を必要としない粒子群最適化および遺伝的アルゴリズムが例示される。勾配法またはニュートン法が用いられる場合は、上限および下限制約を陽に捉えることができない。そのため、この場合は、ペナルティ関数法やバリア関数法が併用される。一方、粒子群最適化や遺伝的アルゴリズムは、そのまま用いられる。
圧延条件C_SS(i)(ここでは、“粗出側板厚”)が最適解であるか否かは、式(5)を用いた繰り返し計算により行われる。
|総抽出間隔I_TEX(j)−総抽出間隔I_TEX(j−1)|<ε ・・・(5)
式(5)において、総抽出間隔I_TEX(j)は、ステップS109のj回目の処理において算出された総抽出間隔I_TEXである。総抽出間隔I_TEX(j−1)は、ステップS109のj−1回目の処理において算出された総抽出間隔I_TEXである。εは収束判定条件であり、調整項とする。
ステップS109の1回目の処理が行われた場合、または、式(5)が満たされない場合、総抽出間隔I_TEXが最適解でないと判定される。この場合、圧延条件C_SS(i)が更新される(ステップS110)。ステップS110の処理が行われるたびに最適化の回数jが増える。ステップS110の処理が行われた場合、更新後の圧延条件C_SS(i)に基づいて、ステップS104〜S109の処理が行われる。
式(5)が満たされる場合、総抽出間隔I_TEXが最適解であると判定される。この場合、最適解を導き出した圧延条件C_SS(i)が記録される(ステップS111)。この圧延条件C_SS(i)が、最適条件OC_SS(i)に該当する。最適条件OC_SS(i)は、設定計算器22に送られる。
ステップS111に続いて、抽出時刻t_EX(i)が計算される(ステップS112)。抽出時刻t_EX(i)は、最適条件OC_SS(i)での抽出間隔I_EX(i)を、抽出時刻t_EX(i−1)に加えることにより計算される。この抽出時刻t_EX(i)は、設備用コントローラ25に送られる。
本ステップの処理では、抽出時刻t_EX(i+1)の計算を行ってもよい。抽出時刻t_EX(i+1)は、圧延条件C_SS(i+1)での抽出間隔I_EX(i+1)を、本ステップの処理で算出した抽出時刻t_EX(i)に加えることにより計算される。これらの抽出時刻は、次回のルーチンの処理時に用いられる。
1.4 効果
以上説明した実施の形態1に係るシステムによれば、ミルペーシング制御が行われる。このミルペーシング制御では、連続的に圧延される3本の鋼材SSに着目した最適化処理が行われる。この最適化処理では、総抽出間隔I_TEXを短くすることのできる2本目の鋼材SSの最適条件OC_SSが導き出される。なお、総抽出間隔I_TEXは、1本目と2本目の抽出間隔I_EXと、2本目と3本目の抽出間隔I_EXとの合計である。
また、ミルペーシング制御では、最適条件OC_SSでの抽出間隔I_EXと、1本目の鋼材SSの抽出時刻と、に基づいて、2本目の鋼材SSの抽出時刻が算出される。そして、このような抽出時刻に従って定刻通りに2本目の鋼材SSが抽出され続ければ、設備の稼働率を高めて生産効率を向上することが可能となる。
また、実施の形態1に係るシステムによれば、3本目が存在しない場合には、2本目を最後の鋼材SSと見做した最適化処理が行われる。したがって、このような場合においても、設備の稼働率を高めて生産効率を向上することが可能となる。
1.5 対応関係
上記実施の形態1においては、鋼材SS(i−1)が第1の発明の「第1鋼材」に相当し、鋼材SS(i)が同発明の「第2鋼材」に相当し、鋼材SS(i+1)が同発明の「第3鋼材」に相当する。圧延条件C_SS(i−1)が同発明の「第1条件」に相当し、圧延条件C_SS(i)が同発明の「第2条件」に相当し、圧延条件C_SS(i+1)が同発明の「第3条件」に相当する。抽出時刻t_EX(i−1)が同発明の「第1時刻」に相当し、抽出時刻t_EX(i)が同発明の「第2時刻」に相当し、抽出時刻t_EX(i+1)が同発明の「第3時刻」に相当する。抽出間隔I_EX(i)が同発明の「第1間隔」に相当し、抽出間隔I_EX(i+1)が同発明の「第2間隔」に相当する。
また、上記実施の形態1においては、式(4)に示した総抽出間隔I_TEXに基づく最適化処理により得られる圧延条件C_SS(i)が、第2の発明の「代用条件」に相当する。
2.実施の形態2
次に、図8を参照しながら、本発明の実施の形態2について説明する。なお、上記実施の形態1の説明と重複する説明については適宜省略される。
2.1 ミルペーシング制御処理の概要
上記実施の形態1に係るシステムでは、連続的に圧延される3本の鋼材SSに着目した最適化処理を行った。実施の形態2に係るシステムでは、所定期間内に連続的に圧延される全ての鋼材SSに着目した最適化処理が行われる。この所定期間としては、ワークロールの交換周期(2〜4時間程度)が例示される。
2.2 ミルペーシング制御処理
図8は、実施の形態2において、ミルペーシング計算器が行うミルペーシング制御処理の流れを説明するフローチャートである。図8に示すルーチンは、所定期間内に連続的に圧延されるN本の鋼材SSに着目したときのルーチンであり、最初に圧延される鋼材SSの抽出前に行われる。
図8に示すルーチンでは、ます、N本の鋼材SSの全てのPDIが読み込まれる(ステップS201)。図3の説明で述べたように、PDIは、圧延仕様SP_SSの情報である。説明の便宜上、k番目に圧延される鋼材SS(k)のPDIは、圧延仕様SP_SS(k)であるとする(kは、2≦k≦Nを満たす任意の自然数である)。
ステップS201に続いて、N本の鋼材SSの全ての圧延条件C_SSが読み込まれる(ステップS202)。鋼材SS(k)の圧延条件C_SS(k)は、圧延仕様SP_SS(k)の一部の要素をキーとして、設定データベース23から読み込まれる。
ステップS202に続いて、N本の鋼材SSが圧延されるときの全ての設定値STが計算される(ステップS203)。設定値STがモデルを用いて計算されることは既に説明したとおりである。また、既に説明したとおり、設定値STには速度パターンが含まれる。本ステップの処理では、この速度パターンに基づいて、鋼材SS(k)が圧延されるときの各設備での所要時間TAT(k)が計算される。
ステップS203に続いて、N本の鋼材SSの全ての通過時間T_FRおよび通過時間T_TAが計算される(ステップS204)。通過時間T_FR(k)は、鋼材SS(k)の先端が設定ポイントを通過する時間である。通過時間T_TA(k)は、鋼材SS(k)の尾端が同ポイントを通過する時間である。
ステップS204に続いて、全ての制約時間T_REが計算される(ステップS205)。制約時間T_RE(k)は、鋼材SS(k−1)と鋼材SS(k)とを衝突させることなく圧延するための必要な時間である。制約時間T_RE(k)の考え方は、実施の形態1で説明した制約時間T_RE(i)のそれと同じである。
ステップS205に続いて、全ての抽出間隔I_EXが計算される(ステップS206)。抽出間隔I_EX(k)は、抽出時刻t_EX(k−1)と抽出時刻t_EX(k)との間のインターバルである。抽出間隔I_EX(k)の考え方は、実施の形態1で説明した抽出間隔I_EX(i)のそれと同じである。
ステップS206に続いて、総抽出間隔I_TEXが計算される(ステップS207)。総抽出間隔I_TEXは、ステップS206で計算された全ての抽出間隔I_EX(k)と、圧延時間T_TM(N)との合計であり、式(6)で表される。
Figure 0006825721

式(6)において、圧延時間T_TM(N)は、N番目(つまり、最後)に圧延される鋼材SS(N)の先端が抽出されてから同鋼材SS(N)の尾端が巻き取られるまでの所要時間である。
ステップS207に続いて、ステップS207で計算された総抽出間隔I_TEXが最適解であるか否かが判定される(ステップS208)。本ステップの処理は、具体的に、総抽出間隔I_TEXを最小にする圧延条件C_SSの組み合わせを探索することにより行われる。この探索は、上記実施の形態1で説明した最適化処理に準じて行われる。
圧延条件C_SSの組み合わせが最適解であるか否かは、式(7)を用いた繰り返し計算により行われる。
|総抽出間隔I_TEX(j)−総抽出間隔I_TEX(j−1)|<ε ・・・(7)
式(7)において、総抽出間隔I_TEX(j)は、ステップS208のj回目の処理において算出された総抽出間隔I_TEXある。総抽出間隔I_TEX(j−1)は、ステップS208のj−1回目の処理において算出された総抽出間隔I_TEXである。
ステップS208の1回目の処理が行われた場合、または、式(7)が満たされない場合、総抽出間隔I_TEXが最適解でないと判定される。この場合、圧延条件C_SSが更新される(ステップS209)。ステップS209の処理が行われるたびに最適化の回数jが増える。ステップS209の処理が行われた場合、更新後の圧延条件C_SSに基づいて、ステップS204〜S208の処理が行われる。
式(7)が満たされる場合、総抽出間隔I_TEXが最適解であると判定される。この場合、最適解を導き出した圧延条件C_SSが記録される(ステップS210)。この圧延条件C_SSが、最適条件OC_SSに該当する。最適条件OC_SSは、設定計算器22に送られる。
ステップS210に続いて、全ての抽出時刻t_EXが計算される(ステップS211)。抽出時刻t_EX(k)は、最適条件OC_SSでの抽出間隔I_EX(k)を、抽出時刻t_EX(k−1)に加えることにより計算される。
2.3 効果
以上説明した実施の形態2に係るシステムによれば、ミルペーシング制御が行われる。このミルペーシング制御では、所定期間内に連続的に圧延される全ての鋼材SSに着目した最適化処理が行われる。この最適化処理では、総抽出間隔I_TEXを短くすることのできる最適条件OC_SSが導き出される。なお、総抽出間隔I_TEXは、所定期間内に連続的に圧延される2本の鋼材SSの抽出間隔I_EXの積算値と、圧延時間T_TM(N)との総合計である。
また、ミルペーシング制御によれば、最適条件OC_SSでの抽出間隔I_EXが連続的に圧延される2本の鋼材SSの組み合わせ毎に計算される。そして、これらの抽出間隔I_EXと、最初に圧延される鋼材SSの抽出時刻と、に基づいて、2本目以降の鋼材SSの抽出時刻が算出される。そして、このような抽出時刻に従って定刻通りにN本の鋼材SSが抽出されれば、設備の稼働率を高めて生産効率を向上することが可能となる。
1 熱間圧延ライン
11 加熱炉
12 粗設備
16 仕上設備
18 冷却設備
19 巻取設備
2 ミルペーシング制御システム
21 上位計算器
22 設定計算器
23 設定データベース
24 ミルペーシング計算器
25 設備用コントローラ
C_SS 圧延条件
I_EX 抽出間隔
I_TEX 総抽出間隔
OC_SS 最適条件
SP_SS 圧延仕様
SS 鋼材
ST 設定値
t_EX 抽出時刻
T_FR、T_TA 通過時間
T_RE 制約時間
T_TM 圧延時間

Claims (5)

  1. 熱間圧延ラインのミルペーシング制御を行うミルペーシング制御システムであって、
    鋼材の圧延仕様に対応する圧延設備の圧延条件を設定するためのデータベースと、
    前記熱間圧延ラインでの鋼材の生産のために、前記圧延仕様を用いた前記データベースの参照による前記圧延条件の決定と、前記圧延条件に基づいた前記圧延設備の設定値の計算と、を行う設定計算器と、
    前記ミルペーシング制御において、前記熱間圧延ラインにおいて連続的に圧延される少なくとも2本の鋼材が加熱炉からそれぞれ抽出される時刻を計算するミルペーシング計算器と、
    を備え、
    前記ミルペーシング計算器は、
    前記熱間圧延ラインにおいてこの順番で圧延される第1、第2および第3鋼材の圧延仕様を用いた前記データベースの参照により、前記第1、第2および第3鋼材が順番に圧延されるときの前記圧延条件を、第1、第2および第3条件としてそれぞれ決定し、
    前記第1、第2および第3条件に基づいて、前記第1、第2および第3鋼材が順番に圧延されるときの前記設定値を、第1、第2および第3設定値としてそれぞれ計算し、
    前記第1および第2設定値を用いて、前記第1鋼材が前記加熱炉から抽出される第1時刻から、前記第2鋼材が前記加熱炉から抽出される第2時刻までの第1間隔を計算し、
    前記第2および第3設定値を用いて、前記第2時刻から、前記第3鋼材が前記加熱炉から抽出される第3時刻までの第2間隔を計算し、
    前記第1間隔と前記第2間隔との合計を小さくする前記第2条件を、前記設定計算器において行われる前記第2設定値の再計算に用いられる最適条件として決定して前記設定計算器に送り
    前記最適条件での前記第1間隔と、前記第1時刻と、を用いて前記第2時刻を決定する
    ことを特徴とするミルペーシング制御システム。
  2. 前記ミルペーシング計算器は、更に、
    前記第2鋼材が前記熱間圧延ラインにおいて圧延される最後の鋼材に該当する場合、前記最適条件に代わる代用条件を例外的に計算し、
    前記代用条件に基づいて、前記第1および第2時刻を計算し、
    前記代用条件が、前記第2鋼材の圧延時間と、前記第1間隔との合計を小さくする前記第2条件である
    ことを特徴とする請求項1に記載のミルペーシング制御システム。
  3. 前記圧延条件が、前記第1、第2および第3鋼材の圧延仕様に含まれる要素に対応するように細分化されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のミルペーシング制御システム。
  4. 熱間圧延ラインのミルペーシング制御を行うミルペーシング制御システムであって、
    鋼材の圧延仕様に対応する圧延設備の圧延条件を設定するためのデータベースと、
    前記熱間圧延ラインでの鋼材の生産のために、前記圧延仕様を用いた前記データベースの参照による前記圧延条件の決定と、前記圧延条件に基づいた前記圧延設備の設定値の計算と、を行う設定計算器と、
    前記ミルペーシング制御において、前記熱間圧延ラインにおいて連続的に圧延される少なくとも2本の鋼材が加熱炉からそれぞれ抽出される時刻を計算するミルペーシング計算器と、
    を備え、
    前記ミルペーシング計算器は、
    前記熱間圧延ラインにおいて所定期間内に順番に圧延される全ての鋼材の圧延仕様を用いた前記データベースの参照により、前記全ての鋼材が順番に圧延されるときの前記圧延条件をそれぞれ決定し、
    前記それぞれの圧延条件に基づいて、前記全ての鋼材が順番に圧延されるときの前記設定値をそれぞれ計算し、
    前記それぞれの設定値を用いて、前記所定期間内に連続的に圧延される2本の鋼材が前記加熱炉からそれぞれ抽出される時刻の間隔をそれぞれ計算し、
    前記それぞれの間隔と、前記所定期間内において最後に圧延される鋼材の圧延時間と、の総合計を小さくする前記それぞれの圧延条件を、前記設定計算器が行う前記設定値の再計算に用いられる最適条件として決定して前記設定計算器に送り
    前記最適条件での前記それぞれの間隔と、前記所定期間内において最初に圧延される鋼材が前記加熱炉から抽出される時刻と、を用いて、前記全ての鋼材が前記加熱炉からそれぞれ抽出される時刻を決定する
    ことを特徴とするミルペーシング制御システム。
  5. 前記圧延条件が、前記全ての鋼材の圧延仕様に含まれる要素に対応するように細分化されている
    ことを特徴とする請求項4に記載のミルペーシング制御システム。
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