JP6824479B1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

整流回路(4)と、整流回路(4)に接続されるインダクタ(3)と、整流回路(4)の出力端に接続される平滑コンデンサ(6)と、直流出力を交流変換するインバータ(7)とを有する電力変換回路、整流回路(4)の入力側と出力側のいずれか一方と、交流電源(80)との間に設けられたリレー(2)、およびインバータ(7)とリレー(2)の動作を制御する制御部(20)、を備え、平滑コンデンサ(6)は小容量コンデンサであり、制御部(20)は、位相に伴い変化する交流電源電圧(Vs)を、素子の定格電圧(Vr)に基づいて設定した基準電圧(Vth1)と比較した比較結果に応じて、リレー(2)の開から閉への切り替えの可否を判断するように構成した。

Description

本願は、電力変換装置に関するものである。
モータを駆動する電力変換装置として、様々な回路方式が提案されているが、小型化のため、コンデンサレスインバータと称される平滑コンデンサの容量が小さな電力変換装置が用いられることがある。しかし、平滑コンデンサの容量が小さくなることで、電源投入時にコンデンサ電圧が過大となって素子耐圧を超え、破壊してしまう可能性がある。
そこで、直列接続されたダイオード、抵抗、コンデンサを、平滑コンデンサに対して並列接続することで、平滑コンデンサの見掛け上の容量を増加させ、突入電流におけるコンデンサ電圧の増大を抑制する方式が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
特開2005−20836号公報(段落0023〜0037、図1〜図6)
しかしながら、その構成では、位相に伴う電源電圧の変化を考慮しておらず、電源投入のタイミングによって、平滑コンデンサにかかる電圧に変動が生じ、その最大値に合わせて高耐圧の素子を選定する必要が生じ、過剰な仕様の素子で装置を構成する必要がある。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、最小限の仕様で信頼性の高い小型の電力変換装置を得ることができる。
本願に開示される電力変換装置は、単相の交流電源からの交流出力を全波整流する整流回路と、前記整流回路の入力側と出力側の少なくとも一方に接続されるインダクタと、前記整流回路の出力端に接続される平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサと並列接続され、直流出力を交流変換するインバータとを有する電力変換回路、前記整流回路の入力側と出力側のいずれか一方と、前記交流電源との間に設けられた開閉器、および前記インバータと前記開閉器の動作を制御する制御部、を備え、前記平滑コンデンサの両端電圧は、前記交流出力の周波数の2倍の周波数で脈動し、前記両端電圧の最大値が最小値の2倍以上であり、前記制御部は、前記交流出力の位相に伴い変化する電圧が前記電力変換回路を構成する素子の定格電圧に基づいて設定した電圧の基準値以下、または前記交流出力の位相が前記定格電圧に基づいて設定した前記位相の基準値以下、となる場合に前記開閉器開から閉へ切り替えることを特徴とする。
本願に開示される電力変換装置によれば、交流電源の位相に伴う状態に応じて電力を投入するタイミングを制御して、素子にかかる電圧を抑制するようにしたので、最小限の仕様で信頼性の高い小型の電力変換装置を得ることを目的とする。
実施の形態1にかかる電力変換装置の構成を説明するためのブロック図である。 実施の形態1にかかる電力変換装置の交流電源電圧に応じた制御動作を説明するためのフローチャートである。 図3A〜図3Dそれぞれは、コンデンサレスインバータにおいて、電源投入時の、リレー信号、交流電源電圧、コンデンサ電圧、およびコンデンサ電流の変化を示す、時間軸を合わせた波形図である。 実施の形態1にかかる電力変換装置の交流電源位相に応じた制御動作を説明するためのフローチャートである。 図5A〜図5Dそれぞれは、コンデンサレスインバータにおいて、電源投入時の、リレー信号、交流電源位相、およびコンデンサ電流の変化を示す、時間軸を合わせた波形図である。 実施の形態1にかかる電力変換装置の構成について、寄生抵抗成分を含めて説明するためのブロック図である。 図7A〜図7Fそれぞれは、一般的なコンデンサレスインバータにおいて、電源投入時の、リレー信号、交流電源位相、交流電源電圧とリレー後電圧、コンデンサ電流、整流回路入力電圧と整流回路出力電圧、およびコンデンサ電圧の変化を示す、時間軸を合わせた波形図である。 図8A〜図8Fそれぞれは、実施の形態1にかかる電力変換装置において、交流電源電圧と交流電源位相がともに基準値と一致した状態で電源を投入したときの、リレー信号、交流電源位相、交流電源電圧とリレー後電圧、コンデンサ電流、整流回路入力電圧と整流回路出力電圧、およびコンデンサ電圧の変化を示す、時間軸を合わせた波形図である。 図9A〜図9Fそれぞれは、実施の形態1にかかる電力変換装置において、交流電源電圧と交流電源位相がともに基準値よりも小さな値の状態で電源を投入したときの、リレー信号、交流電源位相、交流電源電圧とリレー後電圧、コンデンサ電流、整流回路入力電圧と整流回路出力電圧、およびコンデンサ電圧の変化を示す、時間軸を合わせた波形図である。 実施の形態1にかかる電力変換装置の制御部の構成を示すブロック図である。 実施の形態2にかかる電力変換装置の交流電源電圧に応じた制御動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2にかかる電力変換装置の交流電源位相に応じた制御動作を説明するためのフローチャートである。 図13A〜図13Fそれぞれは、実施の形態2にかかる電力変換装置において、交流電源電圧と交流電源位相が、ともにコンデンサ電圧に応じて設定した基準値と一致した状態で電源を投入したときの、リレー信号、交流電源位相、交流電源電圧とリレー後電圧、コンデンサ電流、整流回路入力電圧と整流回路出力電圧、およびコンデンサ電圧の変化を示す、時間軸を合わせた波形図である。 図14A〜図14Fそれぞれは、実施の形態2にかかる電力変換装置において、交流電源電圧と交流電源位相が、ともにコンデンサ電圧に応じて設定した基準値よりも小さな値の状態で電源を投入したときの、リレー信号、交流電源位相、交流電源電圧とリレー後電圧、コンデンサ電流、整流回路入力電圧と整流回路出力電圧、およびコンデンサ電圧の変化を示す、時間軸を合わせた波形図である。 実施の形態3にかかる電力変換装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態3の第一変形例にかかる電力変換装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態3の第二変形例にかかる電力変換装置の構成を示すブロック図である。 図18A〜図18Eそれぞれは、実施の形態3にかかる電力変換装置において、交流電源電圧と交流電源位相と基準値との関係が異なる3種のパターンで電源を投入したときの、リレー信号、交流電源電圧、交流電源位相、コンデンサ電圧、およびコンデンサ電流の変化を示す、時間軸を合わせた波形図である。
実施の形態1.
図1〜図9は、実施の形態1にかかる電力変換装置の構成および動作について説明するためのものであり、図1は電力変換装置の構成を説明するための電源と負荷を含めたブロック図、図2は電力変換装置の電源投入における交流電源電圧に応じた制御動作を説明するためのフローチャートである。図3はコンデンサレスインバータに電源を投入したときのパラメータごとの5分の1周期内での変化を示すための時間軸を合わせた波形図であり、図3Aはリレー信号、図3Bは交流電源電圧、図3Cはコンデンサ電圧、および図3Dはコンデンサ電流の変化を示す。
また、図4は電力変換装置の電源投入における交流電源位相に応じた制御動作を説明するためのフローチャートである。そして、図5は、コンデンサレスインバータに電源を投入したときのパラメータごとの5分の1周期内での変化を示すための時間軸を合わせた波形図であり、図5Aはリレー信号、図5Bは交流電源位相、図5Cはコンデンサ電圧、および図5Dはコンデンサ電流の変化を示す。さらに、図6は電力変換装置の構成について、寄生抵抗成分を含めて説明するためのブロック図である。
図7〜図9は、実施の形態1にかかる電力変換装置による効果を説明するため、それぞれ条件を変えて電源投入したときのパラメータごとの33分の1周期内での変化を示す図である。図7は、一般的なコンデンサレスインバータに電源投入したときのパラメータごとの変化を示すための時間軸を合わせた波形図であり、図7Aはリレー信号、図7Bは交流電源位相、図7Cは交流電源電圧とリレー後電圧、図7Dはコンデンサ電流、図7Eは整流回路入力電圧と整流回路出力電圧、および図7Fはコンデンサ電圧の変化を示す。
同様に、図8は、実施の形態1にかかる電力変換装置において、交流電源電圧と交流電源位相がともに上限値である基準値と一致した状態で電源を投入したときの、パラメータごとの変化を示すための時間軸を合わせた波形図であり、図8Aはリレー信号、図8Bは交流電源位相、図8Cは交流電源電圧とリレー後電圧、図8Dはコンデンサ電流、図8Eは整流回路入力電圧と整流回路出力電圧、および図8Fはコンデンサ電圧の変化を示す。さらに、図9は、実施の形態1にかかる電力変換装置において、交流電源電圧と交流電源位相がともに基準値よりも小さな値の状態で電源を投入したときの、パラメータごとの変化を示すための時間軸を合わせた波形図であり、図9Aはリレー信号、図9Bは交流電源位相、図9Cは交流電源電圧とリレー後電圧、図9Dはコンデンサ電流、図9Eは整流回路入力電圧と整流回路出力電圧、および図9Fはコンデンサ電圧の変化を示す。
図面および以下の説明において、同一または同様の構成要素を示す場合には、同一の符号を付すものとする。電力変換装置1、図1に示すように、単相の交流電源80と負荷であるモータ90の間に接続され、交流電源80の電圧を整流し、所望の交流電圧に変換してモータ90を駆動させるものである。
そのため、電力変換装置1には、電力変換回路として、交流電圧を全波整流する整流回路4と、平滑コンデンサ6と、直流電力を交流変換するインバータ7と、インバータ7の動作を制御する制御部20とを備えている。さらに、制御部20の制御により交流電源80と電力変換回路との開閉を行うリレー2と、リレー2と整流回路4との間に設けられた第1インダクタ3と、整流回路4と平滑コンデンサ6との間に設けられた第2インダクタ5とを備えている。
より具体的には、単相の交流電源80と整流回路4の正側の入力との間にリレー2および第1インダクタ3が接続されており、整流回路4の正側の出力に第2インダクタ5の一端が接続される。なお、開閉器であるリレー2の位置は、整流回路4の出力側に接続しても構わない。一方、制御部20は、交流電源80の位相に応じて変化する電圧(交流電源電圧Vs)、および位相(交流電源位相θ)の少なくともいずれかを、リレー2の開閉に関わらずセンシングできる状態で交流電源80に接続されている。
第1インダクタ3および第2インダクタ5は、磁性体を用いたインダクタ、または、配線等に含まれる寄生のインダクタンス成分で構成される。コンデンサレスインバータは、容量の大きい平滑コンデンサ、例えば電解コンデンサで構成されるインバータと比べ、モータ制御により高調波抑制制御を行うため、インダクタの値を小さくできる特徴がある。
整流回路4は、単相のダイオードブリッジ構成であり、図中左側から入力される交流電圧を全波整流し、直流に変換して右側に出力する。なお、ダイオードの代わりにスイッチング素子を用いた構成でも構わない。第2インダクタ5の一端は整流回路4の正の出力に接続され、第2インダクタ5の残りの一端と整流回路4の負側の出力に、平滑コンデンサ6とインバータ7の入力が並列に接続される。
コンデンサレスインバータにおける平滑コンデンサ6は、電解コンデンサのような大型のものではなく、フィルムコンデンサ、セラミックコンデンサ等の小容量で小型のコンデンサが使用される。単相交流電源の場合、コンデンサの容量値としては、系統電流高調波を低減するために、定格出力付近でコンデンサの両端電圧の最大値が最小値の2倍以上あるように設計すればよい。例えば、系統電源電圧が220Vで出力電力が1kW前後のコンデンサレスインバータ回路では、一般的に数μF〜数十μFの容量のものが想定されるが、本願の適用範囲としては100μF以下と定義している。そのため、平滑コンデンサ6は、「平滑コンデンサ」と称しているものの、整流回路4の出力電圧は交流電源80の周波数の2倍で大きく脈動するが、その成分を大きく平滑化する機能は有さない。
また、限流抵抗で考慮すれば、交流電源80から出発し、整流回路4を経由してコンデンサに至る電流経路(いわゆる、充電経路)中に限流抵抗が設置されていないコンデンサを小容量のコンデンサと定義してもよい。平滑コンデンサ6が上述した種類、容量、電流経路での定義のうちのいずれかに該当すれば、コンデンサレスインバータを構成する小容量コンデンサとなり、小型化が可能であるが、電源投入時に電圧が急変する課題が発生することになる。そのため、後述する交流電源の状態を基準値と比較した結果に応じてリレー2をオンにするタイミングを制御することによる作用効果が顕著になる。
インバータ7の出力には、負荷であるモータ90が接続される。制御部20には、リレー2およびインバータ7の制御に必要なセンサ値が入力され、リレー2およびインバータ7を構成するスイッチング素子をオンオフさせる信号を出力する。
モータ90を駆動させるには、リレー2をオフからオンに切り替えて、交流電源80からの電源投入によって平滑コンデンサ6を充電し、インバータ7の動作を適宜制御することで、モータ90を所望の動作状態で駆動させることができる。
この電源投入の制御動作について図2のフローチャートを用いて説明する。まず、交流電源電圧Vsを検出する(ステップS110)。交流電源電圧Vsを検出した後、交流電源電圧Vs(の絶対値)とリレー2の切り替えを判断する基準電圧Vth1とを比較する(ステップS120)。基準電圧Vth1より交流電源電圧Vsの絶対値の方が大きければ(ステップS120で「No」)、再度、交流電源電圧Vsを検出するフローに戻る。一方、交流電源電圧Vsの絶対値が基準電圧Vth1以下であれば(ステップS120で「Yes」)、リレー2をオン(開から閉に切り替えるリレー信号Srを出力)し(ステップS130)、一連の動作が完了する。
なお、基準電圧Vth1は、整流回路4、インバータ7、平滑コンデンサ6のなかで、最も電圧定格が低い素子の定格電圧Vrから、簡易的に式(1)によって求めることができる。
th1=Vr/2 (1)
ただし、式(1)は、リレー切り替え後の平滑コンデンサ6の電圧(コンデンサ電圧Vc1)が最大となるまでの時間(充電時間とする)が、交流電源80の周期に対して10分の1以下の短さと仮定し、その間の交流電源電圧Vsを一定とみなして式を導出している。充電時間が長いと、その間に交流電源電圧Vsが上昇する場合があるので、その分、リレー切り替え後に定格電圧Vrを超えてしまう可能性がある。コンデンサレスインバータは、小容量のコンデンサと、低インダクタンスのインダクタで構成されるので、電解コンデンサのような大容量のコンデンサを用いるインバータより充電時間は短い。しかし、式(1)から多少のずれが生じることがあるので、基準電圧Vth1は、マージンを考慮して設計する必要がある。
コンデンサレスインバータにおいて、式(1)について、どの程度の差が生じるかについて、図3の波形図を例に説明する。図3において、図3Aはリレー信号Sr、図3Bは交流電源電圧Vs、図3Cはコンデンサ電流Ic1、図3Dはコンデンサ電圧Vc1の変化を示す。また、交流電源電圧実効値を220V、周波数を50Hz、第1インダクタ3のインダクタンスを100μH、第2インダクタ5のインダクタンスを100μH、平滑コンデンサ6の容量を5μF、最も電圧定格が低い素子の定格電圧Vrを500Vとしている。これを式(1)に当てはめると、基準電圧Vth1は250Vとなる。
リレー2をオフからオンに切り替える際の交流電源電圧Vsを250Vとすると、充電時間は100μs(図3D)、コンデンサ電圧Vc1は506V(図3C)となる。周波数が50Hzにおける交流電源80の半周期は10ms(=0.01s)となるので、充電時間は十分に短いといえる。また、コンデンサ電圧Vc1は、定格電圧Vrより6V大きい結果となった。したがって、コンデンサレスインバータの場合は、式(1)の基準電圧Vth1に数Vほどのマージンを設けて設定することで、リレー2をオンした直後の電圧上昇を定格電圧Vr以内に抑制することができる。
例示した条件よりも充電時間が長くなる場合は、基準電圧Vth1の設定マージンをより大きくする、または、交流電源電圧Vsの絶対値が減少している際に、リレー2をオフからオンに切り替えるよう、交流電源電圧Vsの増減に応じて判断すればよい。
ここで充電時間は、第1インダクタ3と、第2インダクタ5と、平滑コンデンサ6の共振周波数より簡易的に算出することが可能である。第1インダクタ3のインダクタンス値をL[H]、第2インダクタ5のインダクタンス値をL[H]、平滑コンデンサ6の容量をC[F]とすると、充電時間tは式(2)で表すことができる。
Figure 0006824479
しかしながら、図1で示した電力変換回路は、理想状態の場合の回路図であり、実際に交流電源80に接続する場合は、系統のインピーダンス、および素子と配線の寄生分等を考慮して充電時間を求める必要がある。系統インピーダンスのインダクタンス成分はLに含まれるとし、系統インピーダンスの抵抗分、および平滑コンデンサ6の充電経路に含まれる素子と配線の寄生の抵抗成分をR[Ω]とすると、基準電圧Vth1は式(3)で表すことができる。
Figure 0006824479
式(3)も式(1)と同様に、充電時間tが交流電源80の周期に対して10分の1以下の短さと仮定し、交流電源電圧Vsを一定とみなして式を導出しているため、実際に基準電圧Vth1を設定する際には、マージンを設ける必要がある。また、インダクタンス成分が大きいほど、抵抗成分が小さいほど、電圧が上昇するので、インダクタンス値が最も大きく、抵抗値が最も小さい条件で設計すればよい。充電時間tについては、寄生分を考慮すると式(4)で表せられる。ただし、式(2)で算出した値と、ほぼ同じ値となる。
=π/β (4)
上述したように、基準電圧Vth1を設定することで、リレー2を切り替えた際に、定格電圧Vrを超えることがなくなる。
図2で説明した制御方式では、交流電源電圧Vsに基づいて、リレー2をオフからオンに切り替える判断をしていたが、図4に示す制御方式は、交流電源位相θに基づいてリレー2をオフからオンに切り替える判断を行う。
交流電源位相θに基づく動作制御について説明する。まず、交流電源位相θを検出する(ステップS210)。交流電源位相θを検出した後、交流電源位相θ(の絶対値)とリレー2の切り替えを判断する基準位相値θth1とを比較する(ステップS220)。基準位相値θth1より交流電源位相θの絶対値の方が大きければ(ステップS220で「No」)、再度、交流電源位相θを検出するフローに戻る。一方、交流電源位相θの絶対値が基準位相値θth1以下であれば(ステップS220で「Yes」)、リレー2をオン(開から閉に切り替えるリレー信号Srを出力)し(ステップS230)、一連の動作が完了する。ここで、交流電源位相θは−90°以上、90°以下とし、0°を中心として正負両側に広がる範囲を設定するように基準値を設定している。なお、360°で考慮し、180°を中心として正負両側に広がる範囲を設定するように基準値を設定してもよいが、その場合、以下の説明とは異なる算出式を用いる必要がある。
交流電源80における交流電源電圧Vsと最大電圧Vsmaxとの関係が、式(5)で表現できる場合、基準位相値θth1は、上述した定格電圧Vrと最大電圧Vsmaxから簡易的に式(6)によって求めることができる。
Vs=Vsmaxsinωt (5)
θth1=arcsin(Vr/2Vsmax) (6)
ただし、式(6)は、基準電圧Vth1を求めた場合と同様に、交流電源80の周期に対して、平滑コンデンサ6の充電時間tが短い場合に成り立つ、したがって、基準位相値θth1においてもマージンを設けて設定する必要がある。
コンデンサレスインバータにおいて、充電時間tの間にどの程度の変化が生じるかについて、図5の波形図を例に説明する。図5において、図5Aはリレー信号Sr、図5Bは交流電源位相θ、図5Cはコンデンサ電流Ic1、図5Dはコンデンサ電圧Vc1の変化を示す。また、交流電源電圧実効値を220V、周波数を50Hz、第1インダクタ3のインダクタンスを100μH、第2インダクタ5のインダクタンスを100μH、平滑コンデンサ6の容量を5μF、最も電圧定格が低い素子の定格電圧Vrを500Vとしている。これを式(6)に当てはめると、基準位相値θth1は53°となる。
リレー2をオフからオンに切り替える際の交流電源位相θを53°とすると、充電時間tは100μs(図5D)、コンデンサ電圧Vc1は506V(図5C)となる。したがって、コンデンサレスインバータの場合は、式(6)の基準位相値θth1に数度ほどのマージンを設けて設定することで、リレー2をオンした直後の電圧上昇を定格電圧Vr以内に抑制することができる。
図2で説明した基準電圧Vth1によるフローと同様に、例示した条件より充電時間tが長い場合は、充電時間中に交流電源電圧Vsが基準値を上回ってしまうことがある。その場合、基準位相値θth1設定時のマージンをより大きくする、あるいは、充電時間中の交流電源電圧Vsが減少する期間に入るよう、交流電源位相θの絶対値が減少しているときに、オフからオンに切り替えるようにすればよい。
充電時間tについては、式(2)を適用する。また、系統インピーダンス、寄生の抵抗分を考慮した場合は、式(3)の基準電圧Vth1をVsmaxsin(θth1)として、θth1を算出すればよく、その場合、充電時間tは、式(4)を適用すればよい。
つぎに、本実施の形態1にかかる電力変換装置1における作用効果について詳細に述べる。ここでは、図1で説明した電力変換装置1は、図6に示すように、電力変換回路内に、系統インピーダンスの抵抗分と平滑コンデンサ6の充電経路に含まれる素子と配線の寄生の抵抗成分Rpを合わせたものとし、その値を1Ωとする。また、系統インピーダンスのインダクタンス成分は、第1インダクタ3に含まれるとし、合計で100μHとする。
また、第2インダクタ5のインダクタンスを100μH、平滑コンデンサ6の容量を5μF、最も電圧定格が低い素子の定格電圧Vrを500Vとし、交流電源電圧実効値を220V、周波数を50Hzとしている。この条件を式(3)に当てはめて算出した基準電圧Vth1は281Vとなるが、マージン(6V)を設けて275Vに設定する。同様に、式(6)に当てはめて算出した基準位相値θth1も65°となるが、マージン(3°)を設けて62°に設定する。
まず、実施の形態1にかかる電力変換装置1のリレー動作の制御を使用せず、単純にリレー2をオフからオンに切り替えた際の波形について、図7を用いて説明する。図7において、図7Aはリレー信号Sr、図7Bは交流電源位相θ、図7C交流電源電圧Vsとリレー後電圧VRY、図7Dはコンデンサ電流Ic1、図7Eは整流回路4の入力電圧VDinと出力電圧VDout、図7Fはコンデンサ電圧Vc1の変化を示す。
交流電源の状態(交流電源電圧Vs、交流電源位相θ)に関わらず、リレー2の開閉制御を行う場合は、図7Cに示すように交流電源電圧Vsが経時的に変化している状態で、例えば、最大(311V)となったタイミングでリレー2をオンする場合がある。その場合は、整流回路4の出力電圧VDout(図7E)は、リレー2をオフからオンに切り替えた後に、定格電圧Vr(500V)を超える554Vとなり、素子破壊を招いてしまう。
ここで、注意すべきなのが、整流回路4の入力電圧VDinは最大429Vとなっているが、整流回路4の出力電圧VDoutは最大554Vとなっている点である。これは、第2インダクタ5が含まれるために生じるものである。したがって、整流回路4の入力電圧VDinを500V(定格電圧Vr)以下になるように設計したとしても、出力電圧VDoutは定格電圧Vrを超えてしまい、素子破壊を招いてしまうので、留意する必要がある。
つぎに、実施の形態1にかかる電力変換装置1として、位相に伴い変化する交流電源の状態(交流電源電圧Vs、交流電源位相θ)と基準電圧Vth1および基準位相値θth1を比較して、リレー2の開閉制御を実行した際の状態について説明する。はじめに、交流電源電圧Vsと交流電源位相θがそれぞれ基準電圧Vth1および基準位相値θth1と一致したときに、リレー2をオフからオンへ切り替えるように制御した際の波形について、図8を用いて説明する。図8において、図8A〜図8Fそれぞれは、図7A〜図7Fそれぞれと同じパラメータの変化を示す。
図8C、図8Bに示すように、交流電源電圧Vsが基準電圧Vth1(=275V)、交流電源位相θが基準位相値θth1(=62°)と一致したときに、リレー2をオフからオンに切り替える(図8A)。すると、整流回路4の出力電圧VDoutとコンデンサ電圧Vc1は、最大で493V(図8E、図8F))まで増大するが、定格電圧Vrの500V以内となっている。したがって、切り替え後の素子破壊を防いでいる。
つぎに、交流電源電圧Vsと交流電源位相θが基準電圧Vth1および基準位相値θth1の範囲内の最低値になったときに、リレー2をオフからオンへ切り替えるように制御した際の波形について、図9を用いて説明する。図9において、図9A〜図9Fそれぞれは、図7A〜図7Fそれぞれと同じパラメータの変化を示す。
図9C、図9Bに示すように、交流電源電圧Vsが基準電圧Vth1より小さな値のうちの最低値となる0V、交流電源位相θが基準位相値θth1より小さな値のうちの最低値となる0°になったときに、リレー2をオフからオンに切り替える(図9A)。すると、整流回路4の出力電圧VDoutとコンデンサ電圧Vc1の最大値は311V(図9E、図9F)と、範囲の上限で制御したときよりも抑制されている。さらに、交流電源電圧Vsの上昇に応じて、出力電圧VDoutとコンデンサ電圧Vc1の電圧が上昇している。
この場合、コンデンサ電流Ic1の変化から、基準値ぴったり(上限値)でのオンのような瞬時的な充電(図8D)ではなく、徐々に電流が流れる充電(図9D)となる。これについて説明すると、コンデンサ電圧Vc1は、基本的には式(1)で定めたように、交流電源電圧Vsの2倍の値になる。しかし、今回の場合のように、交流電源電圧Vsがあまりに低い状態で電源投入すると、上昇する電圧も低くなるため、交流電源電圧Vsの上昇に伴うコンデンサ電圧Vc1の上昇は緩慢になる。
つまり、交流電源電圧Vsが基準電圧Vth1以下、交流電源位相θが基準位相値θth1以下になることを条件として、リレー2をオンに切り替えるようにすれば、素子破壊を防止することができる。その際、交流電源電圧Vsと交流電源位相θが、基準値(基準電圧Vth1、基準位相値θth1)ぎりぎりの値よりも、低い値の方がより効果的に阻止にかかる電圧上昇を抑制することができる。また、交流電源電圧Vsと交流電源位相θの両方で制御する必要はなく、どちらか一方の値で制御すればよい。
なお、制御部20は、ハードウエアの一例を図10に示すように、プロセッサ201と記憶装置202を備えたひとつのハードウエア200によって構成することも考えられる。記憶装置は図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ201は、記憶装置202から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ201にプログラムが入力される。また、プロセッサ201は、演算結果等のデータを記憶装置202の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。また、電源投入前に交流電源電圧Vsあるいは交流電源位相θの情報を得るための通信機能をプロセッサ201が有するようにしてもよく、図示しない通信部を具備するようにしてもよい。
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、電力変換回路の回路構成に応じて設定した基準値に基づいて、リレーをオンにするか否かを判断する例について説明した。本実施の形態2においては、平滑コンデンサの初期電圧に基づいて基準値を修正するようにした。
図11〜図14は、本実施の形態2にかかる電力変換装置について説明するためのもので、図11は電力変換装置の電源投入における交流電源電圧に応じた制御動作を説明するためのフローチャート、図12は電力変換装置の電源投入における交流電源位相に応じた制御動作を説明するためのフローチャートである。
そして、図13、図14は電力変換装置による効果を説明するため、それぞれ条件を変えて電源投入したときのパラメータごとの33分の1周期内での変化を示す図である。図13は、交流電源電圧と交流電源位相がともに基準値と一致した状態で電源を投入したときのパラメータごとの変化を示すための時間軸を合わせた波形図であり、図13Aはリレー信号、図13Bは交流電源位相、図13Cは交流電源電圧とリレー後電圧、図13Dはコンデンサ電流、図13Eは整流回路の入力電圧と出力電圧、および図13Fはコンデンサ電圧の変化を示す。同様に、図14は、交流電源電圧と交流電源位相がともに基準値よりも小さな値の状態で電源を投入したときのパラメータごとの変化を示すための時間軸を合わせた波形図であり、図14Aはリレー信号、図14Bは交流電源位相、図14Cは交流電源電圧とリレー後電圧、図14Dはコンデンサ電流、図14Eは整流回路の入力電圧と出力電圧、および図14Fはコンデンサ電圧の変化を示す。
なお、平滑コンデンサのコンデンサ電圧をモニタするようにしたことを除き、電力変換回路自体の構成は実施の形態1で説明したとおりであり、実施の形態1の説明で用いた図1と図6を援用し、同様の説明は繰り返さない。
まず、交流電源電圧Vsと基準値との比較結果に応じてリレー2を切り替える制御動作について図11のフローチャートを参考に説明する。まず、交流電源電圧Vs、およびコンデンサ電圧Vc1を検出する(ステップS310)。そして、検出したコンデンサ電圧Vc1に基づき、基準電圧Vth2を設定する(ステップS315)。コンデンサ電圧Vc1に応じた基準電圧Vth2が設定できれば、検出した交流電源電圧Vs(の絶対値)と設定した基準電圧Vth2とを比較する(ステップS320)。設定した基準電圧Vth2より交流電源電圧Vsの絶対値の方が大きければ(ステップS320で「No」)、再度、交流電源電圧Vsを検出するフロー(ステップS310)に戻る。なお、この制御動作のタイミングでは、基本的にコンデンサ電圧Vc1が変動することはないので、交流電源電圧Vsのみを検出してもよい。
一方、交流電源電圧Vsの絶対値が基準電圧Vth2以下であれば(ステップS320で「Yes」)、リレー2をオン(開から閉に切り替えるリレー信号Srを出力)し(ステップS330)、一連の動作が完了する。つまり、本実施の形態2では、実施の形態1で説明した制御動作に加え、コンデンサ電圧Vc1の検出動作と、検出したコンデンサ電圧Vc1に基づく基準電圧Vth2の設定動作が加わることになる。
基準電圧Vth2の求め方は、整流回路4、インバータ7、平滑コンデンサ6のなかで最も電圧定格が低い素子の定格電圧Vrと、平滑コンデンサ6の充電直前の初期電圧Vciniより、簡易的に式(7)によって求めることができる。
th2=(Vcini+Vr)/2 (7)
ただし、初期電圧Vciniとして、電源投入前にステップS310で検出したコンデンサ電圧Vc1を適用する。
なお、式(7)は、交流電源80の周期に対して、充電時間tが非常に短い(1/10以下)と仮定し、交流電源電圧Vsを一定とみなして導出したものである。したがって、実施の形態1と同様に数Vのマージンを設けて基準電圧Vth2を設定する必要がある。充電時間tは、実施の形態1で説明した式(2)で求められる。ただし、式(3)と同様に、系統インピーダンスおよび寄生成分を考慮した場合は、式(8)となる。
Figure 0006824479
式(8)も式(7)と同様に、交流電源80の周期に対して、充電時間tが非常に短いと仮定し、交流電源電圧Vsを一定とみなして導出しているため、基準電圧Vth2にマージンを設ける必要がある。また、インダクタンス成分が大きいほど、抵抗成分が小さいほど、電圧は上昇するため、インダクタンス値が最も大きく、抵抗値が最も小さい条件で設計すればよい。充電時間tについては、寄生分を考慮すると式(4)で表せられる。
つぎに、交流電源位相θに基づく動作制御について図12のフローチャートを用いて説明する。まず、交流電源位相θ、およびコンデンサ電圧Vc1を検出し(ステップS410)、検出したコンデンサ電圧Vc1に基づき、基準位相値θth2を設定する(ステップS415)。そして、検出した交流電源位相θ(の絶対値)と設定した基準位相値θth2とを比較する(ステップS420)。設定した基準位相値θth2より交流電源位相θの絶対値の方が大きければ(ステップS420で「No」)、再度、交流電源位相θを検出するフロー(ステップS410)に戻る。なお、交流電源電圧Vsに基づく制御動作と同様、このタイミングでは、基本的にコンデンサ電圧Vc1が変動することはないので、交流電源位相θのみを検出してもよい。
一方、交流電源位相θの絶対値が基準位相値θth2以下であれば(ステップS420で「Yes」)、リレー2をオン(開から閉に切り替えるリレー信号Srを出力)し(ステップS430)、一連の動作が完了する。ここでも、交流電源位相θは−90°以上、90°以下としている。
ここで、交流電源80における交流電源電圧Vsと最大電圧Vsmaxとの関係が、式(5)で表現できる場合、基準位相値θth2は、定格電圧Vr、最大電圧Vsmax、および平滑コンデンサ6の初期電圧Vciniから簡易的に式(9)によって求めることができる。
θth2=arcsin((Vr+Vcini)/2Vsmax) (9)
ただし、式(9)は、基準電圧Vth2を求めた場合と同様に、交流電源80の周期に対して、平滑コンデンサ6の充電時間tが非常に短い場合に成り立つ、したがって、実施の形態1と同様に、基準位相値θth2においてもマージンを設けて設定する必要がある。
充電時間tについては、式(2)を適用する。また、式(8)と同様に、系統インピーダンス、寄生の抵抗分を考慮した場合は、式(8)の基準電圧Vth2をVsmaxsin(θth2)として、Vsmaxsin(θth2)を算出すればよく、その場合、充電時間tは、式(4)を適用すればよい。
上述したように、電源投入前のコンデンサ電圧Vc1に基づいて交流電源電圧Vs、あるいは交流電源位相θの基準値(基準電圧Vth2、基準位相値θth2)を設定することで、リレー2をオフからオンに切り替えた後に定格電圧Vrを超えることを防ぐことができる。
つぎに、実施の形態2にかかる電力変換装置1として、交流電源の状態(交流電源電圧Vs、交流電源位相θ)と基準電圧Vth2および基準位相値θth2を比較して、リレー2の開閉制御を実行した際の状態について説明する。ここでも、実施の形態1の図6に示すように、電力変換回路内に、系統インピーダンスの抵抗分と平滑コンデンサ6の充電経路に含まれる素子と配線の寄生の抵抗成分Rp(1Ω)を合わせたものとする。
また、第1インダクタ3のインダクタンスを100μH、第2インダクタ5を100μH、平滑コンデンサ6の容量を5μF、最も電圧定格が低い素子の定格電圧Vrを500Vとする。そして、交流電源電圧実効値を220V、周波数を50Hzで、平滑コンデンサ6の初期電圧Vciniが50Vだったとする。すると、式(8)で算出した基準電圧Vth2は303Vとなるが、マージン(7V)を設けて296Vに設定する。同様に、式(9)で算出した基準位相値θth2も77°となるが、マージン(5°)を設けて72°に設定する。
はじめに、交流電源電圧Vsと交流電源位相θがそれぞれ基準電圧Vth2および基準位相値θth2と一致したときに、リレー2をオフからオンへ切り替えるように制御した際の波形について、図13を用いて説明する。図13において、図13A〜図13Fそれぞれは、実施の形態1の説明で用いた図7A〜図7Fそれぞれと同じパラメータの変化を示す。
図13C、図13Bに示すように、交流電源電圧Vsが基準電圧Vth2(=296V)、交流電源位相θが基準位相値θth2(=72°)と一致したときに、リレー2をオフからオンに切り替える(図13A)。すると、整流回路4の出力電圧VDoutとコンデンサ電圧Vc1は、最大で490V(図13E、図13F))まで増大するが、定格電圧Vrの500V以内となっている。したがって、切り替え後の素子破壊を防いでいる。
ここで、基準値が一定の図8と、基準値が可変の図13を比較する。すると、同じ定数条件でも、基準値が可変の場合、初期電圧Vciniに応じて、基準値が一定の場合よりも、交流電源電圧Vsが高い状態でリレー2を切り替えているのにもかかわらずコンデンサ電圧Vc1が小さい値となっている。したがって、平滑コンデンサ6の初期電圧Vciniを考慮した場合、固定した場合(一定値)と比べて、基準値の値を大きくすることができる。
つぎに、交流電源電圧Vsと交流電源位相θが基準電圧Vth2および基準位相値θth2の範囲内の最低値になったときに、リレー2をオフからオンへ切り替えるように制御した際の波形について、図14を用いて説明する。図14において、図14A〜図14Fそれぞれは、図13A〜図13Fそれぞれと同じパラメータの変化を示す。
図14C、図14Bに示すように、交流電源電圧Vsが基準電圧Vth2より小さな値のうちの最低値となる0V、交流電源位相θが基準位相値θth2より小さな値のうちの最低値となる0°となったときに、リレー2をオフからオンに切り替える(図14A)。交流電源電圧Vsがコンデンサ電圧Vc1より大きくなると平滑コンデンサ6に電流が流れ始める(図14E、図14D)。すると、整流回路4の出力電圧VDoutとコンデンサ電圧Vc1の最大値は311V(図14E、図14F)と、範囲の上限で制御したときよりも抑制されている。
つまり、平滑コンデンサ6の初期電圧Vciniを考慮して基準値を設定すると、素子の定数だけで設定した場合(一定値)と比べて、基準値の値を大きく設定し、電源投入可能な動作範囲を広げることができる。
実施の形態3.
上記実施の形態1または2においては、インバータからの出力のみに負荷が接続される例について説明したが、これに限ることはない。本実施の形態3では、インバータと並列して負荷が接続される例について説明する。
図15〜図18は、本実施の形態3にかかる電力変換装置について説明するためのもので、図15〜図17それぞれは、実施の形態3にかかる電力変換装置、第一変形例にかかる電力変換装置、および第二変形例にかかる電力変換装置の構成を示すブロック図である。そして、図18は基準値に対する電源投入のタイミングを変えた場合の、パラメータごとの変化を示すための時間軸を合わせた5周期分の波形図であり、図18Aはリレー信号、図18Bは交流電源電圧、図18Cは交流電源位相、図18Dは主たる平滑コンデンサのコンデンサ電圧、および図18Eは副回路における平滑コンデンサのコンデンサ電圧の変化を示す。なお、基準値に基づいて電源投入の可否を判断する制御動作については、実施の形態1あるいは実施の形態2で説明したのと同様であり、図2、図4、図11、図12を援用し、同様の説明は繰り返さない。
実施の形態3の各例にかかる電力変換装置1は、図15〜図17に示すように、実施の形態1の図1で説明した電力変換装置1に対し、第2整流回路10と、第2平滑コンデンサ12と、負荷14と、抵抗11と、ダイオード13を追加したものである。
実施の形態3にかかる電力変換装置1では、図15〜図17に示すように、交流電源80と整流回路4の正側の入力との間にリレー2と、第1インダクタ3と、第2整流回路10の入力が接続されており、整流回路4の正側の出力に第2インダクタ5の一端が接続される。ただし、第2整流回路10は、リレー2よりも交流電源80側に接続されなければならない。なお、リレー2の位置は、整流回路4の出力側に接続しても構わない。
第2インダクタ5の残りの一端と整流回路4の負側の出力に、平滑コンデンサ6とインバータ7の入力が並列に接続される。平滑コンデンサ6には、ダイオード13と第2平滑コンデンサ12を直列接続したものが並列接続される。
加えて、第1インダクタ3および第2インダクタ5は、磁性体を用いたインダクタ、または、配線等に含まれる寄生のインダクタンス成分で構成される。第2整流回路10は、ダイオードで構成されており、交流電圧を半波整流し、直流に変換する。なお、ダイオードの代わりにスイッチング素子を用いた構成でも構わない。ここで、実施の形態1、2と同様、平滑コンデンサ6は小容量のコンデンサであり、フィルムコンデンサ、あるいはセラミックコンデンサ等で構成される。そのため、整流回路4の出力電圧は交流電源80の周波数の2倍で大きく脈動するが、その成分を大きく平滑化する機能は有さない。
そして、第一実施例では、図15に示すように、第2整流回路10の出力に抵抗11の一端を接続し、抵抗11の他端を第2平滑コンデンサ12とダイオード13の間部分に接続する。抵抗11は、第2平滑コンデンサ12に流れる電流を限流するためのものである。限流させることで、第2整流回路10の定格電流を下げることができる。ダイオード13は、第2平滑コンデンサ12から平滑コンデンサ6に電流が流れるのを防止するために挿入している。これは、コンデンサレスインバータの高調波抑制制御のために必要である。
第2平滑コンデンサ12は、インバータ7が過電流等で全オフした際に、モータ90からのエネルギーが平滑コンデンサ6に回生し、電圧が急上昇するのを抑制するエネルギーバッファとして用いるため、平滑コンデンサ6より大きな容量が必要である。つまり、文字通りの平滑コンデンサである。ただし、エネルギーバッファとして使用する必要がなければ容量値を下げても構わない。
負荷14は、第2平滑コンデンサ12と並列に接続される。想定される負荷としては、制御回路用の電源供給回路として用いられるDC/DCコンバータ、空調用であれば室外機のファン用の変換器があげられる。なお、第2整流回路10はリレー2がオフしている状態においても負荷14に電力を供給できるために挿入している
実施の形態3における負荷14は、モータ90の消費電力より小さく、第2平滑コンデンサの容量は平滑コンデンサ6と比べて大きいため、第2平滑コンデンサの電圧(第2コンデンサ電圧Vc2)は平滑されている。電源周期ごとの充電時間も短時間でかつ、電流値もモータ90の電流に比べ小さいため、上記のような回路を付加してもコンデンサレスインバータのモータ制御には、ほぼ影響を及ぼさない。
第一変形例にかかる電力変換装置1は、図16に示すように、第一実施例と比べ、第2整流回路10の構成のみ異なり、全波整流回路となっている。そして、全波整流回路である第2整流回路10の入力を、交流電源80と整流回路4との間に接続し、出力には正側負側ともに、それぞれ抵抗11を構成する抵抗素子の一端が接続され、各抵抗素子の他端がそれぞれ第2平滑コンデンサ12の正側と負側に接続される。
第2整流回路10を全波流回路とすることで、半波整流回路に比べ供給電圧の平均値を大きくすることができる。また、抵抗11は限流機能を有するために挿入している。抵抗11を正負いずれか1つの抵抗素子で構成すると、モータ90に供給する電流分が第2整流回路10に流れるモードがあり、全波整流回路の電流定格を大きくする必要があるため、2つとする方が望ましい。
第二変形例にかかる電力変換装置1は、図17に示すように、第一変形例のように、2つの抵抗素子で抵抗11を構成するのではなく、抵抗素子を1つとし、第2平滑コンデンサ12の負側と平滑コンデンサ6の負側との間にダイオード15を挿入するようにした。そうすることで、第2整流回路10において、モータ90に供給する電流分が流れるモードを無くすことができ、第2整流回路10の電流定格を小さく設計することが可能である。
ここで、図15〜図17においては、交流電源電圧Vsと交流電源位相θは、交流電源80にセンサを設けて検出している状態を示しているが、これに限ることはない。例えば、図示していない第2平滑コンデンサの電圧(第2コンデンサ電圧Vc2)、あるいは抵抗11の両端電圧から間接的に求めるようにしてもよい。
実施の形態3の各例における電力変換装置1での基準値の設定方法について説明する。フローは実施の形態2で説明した図11および図12におけるコンデンサ電圧Vc1を第2コンデンサ電圧Vc2に読み替え、基準値としてVth2をVth3に、θth2をθth3にそれぞれ読み替えればよい。そして、定格電圧Vrには、整流回路4と第2整流回路10、インバータ7、ダイオード13、平滑コンデンサ6、第2平滑コンデンサ12、負荷14のなかで、最も電圧定格が低い素子の定格電圧を用いる。
そして、実施の形態2で説明した式(7)における、平滑コンデンサ6の初期電圧Vciniを、第2平滑コンデンサ12の充電直前の初期電圧Vc2iniに置き換えることで、式(10)のように基準電圧Vth3を求めることができる。
th3=(Vc2ini+Vr)/2 (10)
ただし、式(10)は、充電時間tが交流電源80の周期の10分の1以下となる非常に短い期間であると仮定し、その間の交流電源電圧Vsを一定とみなし、さらに、第2平滑コンデンサの容量が平滑コンデンサ6より大きいとして導出している。したがって、実施の形態2と同様に、数Vのマージンを設けて基準電圧Vth3を設定する必要がある。ここで、本実施の形態における第2平滑コンデンサの容量をCとすると、容量Cは平滑コンデンサ6の容量(C)より大きい値となるので、式(2)(CをCに置き換え)から、充電時間tが長くなることがわかる。したがって、設けるマージンも実施の形態1、2より大きい値とする必要がある。これについては、後程説明する。
基準位相値θthについても、接続する交流電源80の最大電圧Vsmaxが式(5)で表せるとし、式(9)における、初期電圧Vciniを、初期電圧Vc2iniに置き換えることで、上述した定格電圧Vrを用いて簡易的に式(11)のように求めることができる。
θth3=arcsin((Vr+Vc2ini)/2Vsmax) (11)
ただし、上式は交流電源80の周期に対して、充電時間tが10分の1以下の短さと仮定し、充電中の交流電源電圧Vsを一定とみなし、さらに、第2平滑コンデンサ12の容量Cが平滑コンデンサ6の容量Cより大きいとして導出している。したがって、式(10)と同様に、算出された基準位相値θth3にマージンを設けて設定する必要がある。
つぎに、本実施の形態3にかかる電力変換装置1における作用効果について、図15で説明した第一実施例の電力変換装置1に次の条件を当てはめて説明する。抵抗11の抵抗値は250Ω、負荷14は簡易的に1000Ωの抵抗で模擬し、第1インダクタ3は系統インピーダンスを含み合計で100μHとし、第2インダクタ5を100μHとする。また、平滑コンデンサ6の容量Cを5μF、第2平滑コンデンサ12の容量Cを100μF、素子の定格電圧Vrを400Vとする。
そして、電源電圧実効値を220V、周波数を50Hz、平滑コンデンサ6の初期電圧を0V、第2コンデンサ電圧Vc2の初期電圧は変動するが、ここでは138V固定とする。この条件を式(10)に当てはめて算出した基準電圧Vth3は269Vとなるが、マージン(17V)を設けて252Vに設定する。
今回のように、充電時間tが長い場合のマージンの設計方法は、想定される最大のインダクタス値より充電時間tを算出する。そして、交流電源電圧Vsが、式(10)を適用して求めた基準電圧Vth3と一致したタイミングでリレー2がオンしてから充電完了までに系統電圧が上昇するかを計算する。その上昇する電圧と同程度の値をマージンとして設ければよい。上述した条件に対し、第1インダクタ3と第2インダクタ5を合わせたインダクタンス値を200μH、第2平滑コンデンサ12のコンデンサ容量Cを100μFとすると、充電時間tは444μsとなり、この間の電圧上昇は19Vとなるので、その値と同程度のマージンを設けて基準電圧Vth3を設定している。
設定した条件で、交流電源電圧Vsと基準電圧Vth3関係が異なる3種のタイミングで、リレー2をオフからオンへ切り替えたときの、波形について、図18を用いて説明する。図18において、図8Aはリレー信号Sr、図18Bは交流電源電圧Vs、図18Cは交流電源位相θ、図18Dはコンデンサ電圧Vc1、図18Eは第2コンデンサ電圧Vc2の変化を示す。
そして、図18A、図18D、図18Eにおける波形Aは、交流電源電圧Vsおよび交流電源位相θが、基準値(基準電圧Vth3、基準位相値θth3)以下のうち、最も低いVs=0V、θ=0°となるタイミングでリレー2をオフからオンに切り替えた場合を示す。同様に、波形Bは、交流電源電圧Vsおよび交流電源位相θが、基準値と一致するVs=252V、θ=54°となるタイミングでリレー2をオンに切り替えた場合を示す。さらに、波形Cは、交流電源電圧Vsおよび交流電源位相θが、基準値を超えるVs=311V、θ=90°となるタイミングでリレー2をオフからオンに切り替えた場合を示す。
図18D、図18Eに示すように、コンデンサ電圧Vc1および第2コンデンサ電圧Vc2の最大値は、波形Aでは315Vとなり、波形Bでは395V、波形Cでは481Vとなっている。したがって、波形Cのように、リレー2をオンにするタイミングに基準値による制限を設けていない場合は、定格電圧Vrを超えて素子破壊を招くことがあることがわかる。一方、波形A、波形Bのように、リレー2をオンにするタイミングを交流電源電圧Vsおよび交流電源位相θが基準値内の値を示すときに制限すれば、素子破壊を防ぐことができるがわかる。
本実施の形態3では、平滑コンデンサ6に対して第2平滑コンデンサ12の容量が比較的大きい値としたが、同程度の値とした場合は、本実施の形態3で述べた説明した充電時間tによるマージンの設計方法と式(1)より、基準値を導出すればよい。また、各実施の形態において、リレー2、制御部20は理想状態で行っていたが、実際には検出系の遅れ、リレー2の遅延時間等がある。そのため、実際に使用する際は、基準値も、遅れを考慮して修正すればよい。
なお、本願は、様々な例示的な実施の形態および実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は、特定の実施の形態で開示した構成の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。したがって、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態で開示した構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
以上のように、各実施の形態にかかる電力変換装置1によれば、単相の交流電源80からの交流出力を全波整流する整流回路4と、整流回路4の入力側と出力側の少なくとも一方に接続されるインダクタ(第1インダクタ3)と、整流回路4の出力端に接続される平滑コンデンサ6と、平滑コンデンサ6と並列接続され、直流出力を交流変換するインバータ7とを有する電力変換回路、整流回路4の入力側と出力側のいずれか一方と、交流電源80との間に設けられた開閉器(リレー2)、およびインバータ7と開閉器(リレー2)の動作を制御する制御部20、を備え、制御部20は、電力変換回路を構成する素子の定格電圧Vrに基づいて設定した電圧の基準値(基準電圧Vth1〜Vth3)と交流出力の位相に伴い変化する電圧(交流電源電圧Vs)との比較結果、または定格電圧Vrに基づいて設定した位相の基準値(基準位相値θth1〜θth3)と位相(交流電源位相θ)との比較結果、に応じて開閉器(リレー2)の開から閉への切り替えの可否を判断するように構成したので、素子にかかる電圧が抑制され、最小限の仕様で信頼性の高い小型の電力変換装置1を得ることができる。
このとき、平滑コンデンサ6は、種類がセラミックコンデンサまたはフィルムコンデンサ、容量Cが100μF以下、および交流電源80を出発し、整流回路4を経由して平滑コンデンサ6に至る電流経路(いわゆる、平滑コンデンサ6の充電経路)が限流抵抗を介さず形成される、のうちいずれかの条件を満たす場合、上述した効果が顕著に顕れる。
とくに、平滑コンデンサ6よりも容量の大きな第2平滑コンデンサ12と第2平滑コンデンサ12に直列接続された整流素子(ダイオード13)とで構成し、平滑コンデンサ6に対して並列接続された回路を備えるように構成すれば、インバータ7がトリップした際に、負荷(モータ90)からのエネルギーが平滑コンデンサ6に回生して電圧が急増することを抑えることができる。
その構成に、さらに、整流回路4と交流電源80の間のうち、一端が開閉器(リレー2)よりも交流電源80に近い側に接続され、他端が限流抵抗(抵抗11)を介して、第2平滑コンデンサ12と整流素子(ダイオード13)との間に接続される第2整流回路10を備えるように構成すれば、リレー2がオフ(開)の状態でも、負荷14に平滑された電圧を印可することができる。
さらに、第2整流回路10は全波整流回路で構成されており、出力の正側に限流抵抗(抵抗11)が、負側に第2平滑コンデンサ12の負側がそれぞれ接続され、第2平滑コンデンサ12の負側と平滑コンデンサ6との間に設けられた第2の整流素子(ダイオード13)を備えるようにすれば、リレー2がオフ(開)の状態でも、負荷14に確実に平滑された電圧を印可することができる。
一方、制御部20は、開閉器(リレー2)が開の状態での平滑コンデンサ6の電圧(コンデンサ電圧Vc1)に基づき、基準値(基準電圧Vth2、基準位相値θth2)を設定するようにすれば、電源投入可能な範囲を拡大できる。
制御部20は、実施の形態3での開示内容において、第2平滑コンデンサ12の電圧(第2コンデンサ電圧Vc2)に基づき、基準値(基準電圧Vth3、基準位相値θth3)を設定するようにすれば、電源投入可能な範囲を拡大できる。
制御部20は、第2平滑コンデンサ12の電圧に基づいて、交流出力の電圧(交流電源電圧Vs)または位相(交流電源位相θ)を推定するように構成すれば、交流電源80部分にセンサを設置せずとも、制御が可能になる。
制御部30は、限流抵抗の両端電圧に基づいて、交流出力の電圧(交流電源電圧Vs)または位相(交流電源位相θ)を推定するように構成しても、交流電源80部分にセンサを設置せずとも、制御が可能になる。
1:電力変換装置、 2:リレー(開閉器)、 3:第1インダクタ、 4:整流回路、 5:第2インダクタ、 6:平滑コンデンサ、 7:インバータ、10:第2整流回路、 11:抵抗(限流抵抗)、 12:第2平滑コンデンサ、 13:ダイオード(整流素子)、 14:負荷、 15:ダイオード(第2の整流素子)、 20:制御部、 80:交流電源、 90:モータ(負荷)、 Sr:リレー信号、 C:容量、 C:容量、 Vc1:コンデンサ電圧、 Vr:定格電圧、 Vs:交流電源電圧、 Vth1:基準電圧(基準値)、 Vth2:基準電圧(基準値)、 Vth3:基準電圧(基準値)、 θ:交流電源位相(位相)、 θth1:基準位相値(基準値)、 θth2:基準位相値(基準値)、 θth3:基準位相値(基準値)。

Claims (10)

  1. 単相の交流電源からの交流出力を全波整流する整流回路と、前記整流回路の入力側と出力側の少なくとも一方に接続されるインダクタと、前記整流回路の出力端に接続される平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサと並列接続され、直流出力を交流変換するインバータとを有する電力変換回路、
    前記整流回路の入力側と出力側のいずれか一方と、前記交流電源との間に設けられた開閉器、および
    前記インバータと前記開閉器の動作を制御する制御部、を備え、
    前記平滑コンデンサの両端電圧は、前記交流出力の周波数の2倍の周波数で脈動し、前記両端電圧の最大値が最小値の2倍以上であり、
    前記制御部は、前記交流出力の位相に伴い変化する電圧が前記電力変換回路を構成する素子の定格電圧に基づいて設定した電圧の基準値以下、または前記交流出力の位相が前記定格電圧に基づいて設定した前記位相の基準値以下、となる場合に前記開閉器開から閉へ切り替えることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記単相の交流電源は系統電源であり、
    前記制御部が、前記交流出力の位相に伴い変化する電圧に応じて前記開閉器を開から閉へ切り替える場合、
    前記電圧の基準値は、系統インピーダンスを含む前記インダクタのインダクタンスと、充電経路に含まれる抵抗分と、平滑コンデンサ容量と、に基づいて算出されることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記電圧の基準値をV th1
    前記整流回路、前記インバータ、前記平滑コンデンサのなかで、最も電圧定格が低い素子の定格電圧をVr、
    前記インダクタのインダクタンスをL、
    前記平滑コンデンサの充電経路に含まれる素子と配線の寄生の抵抗成分をR、
    前記平滑コンデンサ容量をCとした場合、
    Figure 0006824479
    前記電圧の基準値は式(1)で表されることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記平滑コンデンサは、
    種類がセラミックコンデンサまたはフィルムコンデンサ、
    容量が100μF以下、および
    前記交流電源から前記整流回路を経由して前記平滑コンデンサに至る電流経路が限流抵抗を介さず形成される、
    のうちいずれかの条件を満たしていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記平滑コンデンサよりも容量の大きな第2平滑コンデンサと前記第2平滑コンデンサに直列接続された整流素子とで構成し、前記平滑コンデンサに対して並列接続された回路を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記整流回路と前記交流電源の間のうち、一端が前記開閉器よりも前記交流電源に近い側に接続され、他端が限流抵抗を介して、前記第2平滑コンデンサと前記整流素子との間に接続される第2整流回路を備えたことを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
  7. 前記第2整流回路は全波整流回路で構成されており、
    出力の正側に前記限流抵抗が、負側に前記第2平滑コンデンサの負側がそれぞれ接続され、
    前記第2平滑コンデンサの負側と前記平滑コンデンサとの間に設けられた第2の整流素子を備えたことを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
  8. 前記制御部は、前記開閉器が開の状態での前記平滑コンデンサの電圧に基づき、前記基準値を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  9. 前記制御部は、前記第2平滑コンデンサの電圧に基づいて、前記交流出力の電圧または位相を推定することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 前記制御部は、前記限流抵抗の両端電圧に基づいて、前記交流出力の電圧または位相を推定することを特徴とする請求項またはに記載の電力変換装置。
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