JP6823127B2 - 油圧駆動式建設機械の走行制御機構及び走行制御方法 - Google Patents

油圧駆動式建設機械の走行制御機構及び走行制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、油圧駆動式建設機械の走行制御機構及び走行制御方法に関し、さらに詳しくは、走行回路としてHST回路を用いている油圧駆動式建設機械の走行制御機構及び走行制御方法に関する。
油圧駆動式建設機械や油圧駆動式作業機械(以下、「建設機械等」という。)の中には、建設機械等を走行させるための油圧回路としてHST(Hydro Static Transmission)回路を用いているものがある。HST回路を用いた建設機械等は、運転状況に応じて、走行速度等、建設機械等の走行形態を制御している。
例えば、特許文献1で提案されている油圧駆動における負荷依存の調整方法は、二つの油圧モータの同期の最適制御を保証し、所定の操作に従って油圧駆動機構に動力を与える油圧モータを調整する方法である。具体的に、油圧モータの負荷が増大した場合に、油圧モータのトルクが落ちないように制御している。すなわち、同文献の制御形態は、走行系の油圧回路だけで行われている。
一方、建設機械は、オペレータがオペレータキャビンでリモコンバルブを操作することにより制御される。走行機構もリモコンバルブの操作により制御される。そのため、走行機構に対して所定の制御を行う場合、リモコンバルブの操作を考慮することが必要になる。その場合に、リモコンバルブの手動操作から独立して、リモコンバルブを制御することが必要な場合もある。
米国特許出願公開第2016/0341308号明細書
しかしながら、特許文献1で提案されている制御形態は、走行系の油圧回路だけで行われており、リモコンバルブの操作は考慮されていない。そのため、リモコンバルブの操作に応じた建設機械の走行形態を把握することができず、限られた制御、すなわち、油圧モータの負荷が増大した場合に、油圧モータのトルクが落ちないように制御することしかできない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リモコンバルブの操作内容を考慮して、走行機構を制御することができる走行制御機構及び走行制御方法を提供することにある。
(1)上記課題を解決するための本発明に係る走行制御機構は、建設機械の左右に、HST回路からなる走行機構がそれぞれ設けられ、前記走行機構を制御する走行制御機構において、前記走行制御機構には、前記建設機械の動作を制御するリモコンバルブと、前記リモコンバルブに供給する作動油の1次圧を調整する圧力調整ソレノイドバルブと、前記建設機械に所望の動作をさせるために一定の設定をするための設定機構と、前記走行機構を制御するためのコントローラとが設けられ、前記走行機構は、前記リモコンバルブの操作量に応じ、高速と該高速よりも走行速度が遅い低速との間で前記建設機械の走行速度を切り換え可能に構成され、前記HST回路には、ポンプと走行モータとが設けられ、前記ポンプには、前記リモコンバルブから延び、前記リモコンバルブから供給される作動油が流れるパイロットラインが接続され、前記パイロットラインには、該パイロットラインを流れる作動油の圧力を計測する圧力センサがそれぞれ取り付けられ、前記走行モータには、該走行モータの回転数を計測する回転センサが取り付けられ、前記コントローラは、前記設定機構からの設定信号、前記圧力センサからの圧力信号、及び前記回転センサからの回転数信号に基づいて、前記リモコンバルブから供給される作動油の圧力を調整するように、前記リモコンバルブの手動による操作から独立して前記リモコンバルブを作動させ、前記リモコンバルブは、前記パイロットラインを流れる作動油の圧力を変化させるか又は一定に維持することによって、前記ポンプから吐出される作動油の流量を調整する。
この発明によれば、パイロットラインには、パイロットラインを流れる作動油の圧力を計測する圧力センサが取り付けられているので、パイロットラインにつながれているリモコンバルブの操作内容を把握することができる。また、走行制御機構は、リモコンバルブに供給する作動油の1次圧を調整する圧力調整ソレノイドバルブが設けられているので、リモコンバルブから供給される2次圧を1次圧に応じた圧力に調整することができる。そのため、リモコンバルブの操作内容を把握しつつ、その操作内容とは独立して操作内容とは異なる制御を行うことができる。また、走行モータには、走行モータの回転数を計測する回転センサが取り付けられているので、回転センサから送られる回転数信号をコントローラにフィードバックすることによって、コントローラが圧力調整ソレノイドバルブに対し適切な電流値を出力するように制御することができる。
本発明に係る走行制御機構において、前記コントローラは、前記圧力センサからの圧力信号に基づいて、前記リモコンバルブが左右の前記走行機構の一方を前進又は後進させるか、若しくは、前記リモコンバルブが左右の前記走行機構の一方を前進させ、他方を後進させる操作をしたかを判断し、前記コントローラは、前記圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、操作された前記リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記ポンプに供給するように作動させ、前記ポンプは、前記2次圧に応じ、前記ポンプから吐出される作動油の流量を一定に維持することによって、操作された前記リモコンバルブに対応する左右の走行機構の一方又は両方の走行速度を高速から低速に切り換えるように作動する。
この発明によれば、建設機械をピボットターン又はスピンターンさせる場合に、リモコンバルブの手動操作の内容とは独立して、左右の走行機構のいずれか一方又は両方の速度を低速に切り換える制御を行うことができる。そのため、オペレータがピボットターン又はスピンターンを高速で行うようにリモコンバルブを操作している場合であっても、走行機構のいずれか一方又は両方の速度を低速に切り換えて建設機械を安全に旋回させることができる。
本発明に係る走行制御機構において、前記設定機構は、前記建設機械の走行速度を、前記低速よりも前記建設機械の走行速度が遅いクリープモードに設定できるように構成され、前記コントローラは、前記回転数信号に基づいて算定される前記建設機械の走行速度と、前記設定機構によって設定されたクリープモードにおける設定速度とを比較し、前記走行速度が前記設定速度を超える場合に、前記圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、前記リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記ポンプに供給するように作動させ、前記ポンプは、前記2次圧に応じ、前記ポンプから吐出される作動油の流量を一定に維持することによって、前記設定機構によって設定されたクリープモードにおける設定速度で前記建設機械が走行するように作動させる。
この発明によれば、走行制御機構が上記のように構成されているので、リモコンバルブの操作内容にかかわらず、クリープモードで設定された速度で建設機械が走行するように制御することができる。そのため、建設機械を極めて遅い微速で走行させることができる。
本発明に係る走行制御機構において、前記リモコンバルブの操作が前記建設機械を前記高速で走行させる形態であるにもかかわらず、前記コントローラが、前記回転数信号に基づいて前記建設機械が前記低速で走行していると判断した場合、前記コントローラは、前記圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、前記リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記ポンプに供給するように作動させ、前記ポンプは、前記2次圧に応じ、前記ポンプから吐出される作動油の流量を減少することによって、前記建設機械の走行速度を前記低速に切り換えるように作動させる。
この発明によれば、走行制御機構が上記のように構成されているので、建設機械が高速で走行しているときに、負荷がかかった場合でも、リモコンバルブの手動による操作内容とは独立して、建設機械の走行速度を低速に切り換えることができる。そのため、走行機構に過負荷がかからないようにして登坂などの走行を行うことができる。また、建設機械の走行速度が低速よりもさらに遅いクリープモードのときに、左右の走行モータの回転数が違うことを検知した場合、圧力調整ソレノイドバルブを制御して左右の走行モータの回転数を同じにし、これを維持することによって、建設機械の自動直進機能を向上させる。
本発明に係る走行制御機構において、前記建設機械における前記走行モータの回転数が低くエンジントルクが大きい形態から、前記走行モータの回転数が高くエンジントルクが小さい形態に変化した際に、前記コントローラは、前記圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、前記リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記ポンプに供給するように作動させ、前記ポンプは、前記2次圧に応じ、前記ポンプから吐出される作動油の流量を増大することによって、前記建設機械の走行速度を前記低速から前記高速に自動的に切り換えるように作動させる。
この発明によれば、前記走行モータの回転数が低くエンジントルクが大きい形態から、前記走行モータの回転数が高くエンジントルクが小さい形態に変化した際に、建設機械の走行形態に合致した作動油の流量をHST回路に供給することによって、建設機械の走行速度を低速から高速に自動的に切り換えることができる。
本発明に係る走行制御機構において、前記リモコンバルブの操作をフルレバーにして圧カセンサからの圧力信号がフルレバー相当の圧力を検知しているときに、走行速度が設定値以下になったら高速から低速に自動的に切り替わり、一方、走行速度が設定値以上になったら低速から高速に自動的に切り替わる。
この発明によれば、リモコンバルブをフルレバーにして圧カセンサがフルレバー相当の圧力を検知しているときの速度変化により、走行機構を制御することができる。
(2)上記課題を解決するための本発明に係る建設機械の走行制御方法は、建設機械の左右にHST回路からなる走行機構がそれぞれ設けられ、前記走行機構を制御する走行制御方法において、前記走行制御機構に、前記建設機械の動作を制御するリモコンバルブと、前記リモコンバルブに供給する作動油の1次圧を調整する圧力調整ソレノイドバルブと、前記建設機械に所望の動作をさせるために一定の設定をするための設定機構と、前記走行機構を制御するためのコントローラとを設け、前記走行機構を、前記リモコンバルブの操作量に応じ、高速と該高速よりも走行速度が遅い低速との間で前記建設機械の走行速度を切り換え可能に構成し、前記HST回路に、ポンプと走行モータとを設け、前記ポンプに、前記リモコンバルブから延び、前記リモコンバルブから供給される作動油が流れるパイロットラインを接続し、前記パイロットラインに、該パイロットラインを流れる作動油の圧力を計測する圧力センサをそれぞれ取り付け、前記走行モータに、該走行モータの回転数を計測する回転センサを取り付け、前記コントローラが、前記設定機構からの設定信号、前記圧力センサからの圧力信号、及び前記回転センサからの回転数信号に基づいて、前記リモコンバルブから供給される作動油の圧力を調整するように、前記リモコンバルブの手動による操作から独立して前記リモコンバルブを制御し、前記リモコンバルブが、前記パイロットラインを流れる作動油の圧力を変化させるか又は一定に維持することによって、前記ポンプから吐出される作動油の流量を調整する。
この発明によれば、パイロットラインにつながれているリモコンバルブの操作内容を把握することができる。また、リモコンバルブから供給される2次圧を1次圧に応じた圧力に調整することができる。そのため、リモコンバルブの操作内容を把握しつつ、その操作内容とは独立して操作内容とは異なる制御を行うことができる。また、回転センサから送られる回転数信号をコントローラにフィードバックすることによって、コントローラが圧力調整ソレノイドバルブに対し適切な電流値を出力するように制御することができる。
本発明によれば、リモコンバルブの操作内容を考慮して、走行機構制御することができる走行制御機構及び走行制御方法を提供することができる。
本発明が適用される建設機械の一例を示す側面図である。 本発明を実施するためのシステムの概略図である。 建設機械の速度を高速から低速に自動的に切り換える制御形態の流れを簡略的に示したフローチャートである。 クリープモードで設定された走行速度以下で建設機械を走行させる制御形態の流れを簡略的に示したフローチャートである。 負荷が増大した場合に建設機械の速度を高速から低速に切り換える制御形態の流れを簡略的に示したフローチャートである。 走行モータの回転数が低くエンジントルクが大きい形態から、走行モータの回転数が高くエンジントルクが小さい形態に変化した際の制御形態の流れを簡略的に示したフローチャートである。 ソレノイドバルブを1つにしたシステムの概略図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明は、以下に説明する実施形態及び図面に記載した形態と同じ技術的思想の発明を含むものであり、本発明の技術的範囲は実施形態の記載や図面の記載のみに限定されるものでない。
[本発明が適用される建設機械]
本発明が適用される建設機械1としては、例えば油圧ショベル、油圧式トラックローダ及び油圧式キャリヤ等を挙げることができる。また、これらの建設機械1の走行機構8は、クローラ式とホイール式の両方を挙げることができる。図1を参照し、建設機械1の構成の概要について、クローラ式の油圧式トラックローダの構成を例に挙げ、その概略を説明する。
図1は、油圧式トラックローダの一例を示す側面図である。油圧式トラックローダは主としてメインフレーム2、オペレータキャビン3、作業機構4、及び走行機構8によって構成されている。
メインフレーム2は、油圧式トラックローダのエンジンや油圧機器等の各種の駆動構成体が搭載される構成部であると共に、オペレータキャビン3及び作業機構4を支持している。オペレータキャビン3は、建設機械1を操作するオペレータが着座する構成体である。作業機構4は、アーム6及びバケット7から主に構成されていて、バケット7に土砂等を入れて搬送したり、土砂等を前方に押しのけたりするための構成体である。走行機構8は、クローラ9とこのクローラ9を回転駆動させる駆動機構11とで構成されており、建設機械1を走行させたり、ターンさせたりするための構成体である。駆動機構11は走行モータ33、駆動用のスプロケット12、及び複数のトラックローラ10,13等で構成されている。なお、スプロケット12は、走行モータ33と一体的に構成されている。
[本発明の基本構成]
本発明に係る走行制御機構は、図2に示すように、建設機械1の左右に、HST回路30からなる走行機構8がそれぞれ設けられ、走行機構8を制御する制御機構である。走行制御機構は、リモコンバルブ21,22,23,24、圧力調整ソレノイドバルブ61,62、設定機構70及びコントローラ60を備えている。リモコンバルブ21,22,23,24は、建設機械1の動作を制御している。圧力調整ソレノイドバルブ61,62は、リモコンバルブ21,22,23,24に供給する作動油の1次圧を調整している。設定機構70は、建設機械1に所望の動作をさせるために一定の設定を可能にしている。コントローラ60は、走行機構8を含む建設機械1の動作全体を制御している。走行機構8は、リモコンバルブ21,22,23,24の操作量に応じ、高速と高速よりも走行速度が遅い低速との間で建設機械1の走行速度を切り換え可能に構成されている。HST回路30には、ポンプ31,32と走行モータ33とが設けられている。ポンプ31,32は、P1ポンプ31とP2ポンプ32とで構成されている。P1ポンプ31及びP2ポンプ32には、リモコンバルブ21,22,23,24から延び、リモコンバルブ21,22,23,24から供給される作動油が流れるパイロットライン41,42,43,44が接続されている。パイロットライン41,42,43,44には、パイロットライン41,42,43,44を流れる作動油の圧力を計測する圧力センサ45がそれぞれ取り付けられ、走行モータ33には、走行モータ33の回転数を計測する回転センサ65が取り付けられている。
コントローラ60は、設定機構70からの設定信号、圧力センサ45からの圧力信号、及び回転センサ65からの回転数信号に基づいて、圧力調整ソレノイドバルブ61,62を制御して、リモコンバルブ21,22,23,24から供給される作動油の2次圧を調整し、リモコンバルブ21,22,23,24の手動による操作から独立してリモコンバルブ21,22,23,24を作動させている。そして、リモコンバルブ21,22,23,24は、パイロットライン41,42,43,44を流れる作動油の圧力を変化させるか又は一定に維持することによって、P1ポンプ31及びP2ポンプ32から吐出される作動油の流量を調整している。
本発明に係る建設機械1の走行制御方法は、上記のように構成された走行制御機構を利用して、ポンプ31,32から吐出される作動油の流量を制御している。
本発明によれば、リモコンバルブ21,22,23,24の操作内容を考慮して、走行機構8を制御することができる走行制御機構及び走行制御方法を提供することができる。
[本発明を実施するためのシステムの概要]
図2は、本発明を実施するためのシステムの概要を示している。このシステムは、油圧系統とコントロール系統とから構成されている。図2において、実線及び破線で示したラインは油圧系統を表し、一点鎖線で示したラインがコントロール系統を表している。油圧系統は、HST回路30、パイロットライン41,42,43,44、リモコンバルブ21,22,23,24、及び圧力調整ソレノイドバルブ61,62を備えている。また、油圧系統は、P3ポンプ53及びP4ポンプ54を備えている。一方、コントロール系統は、コントローラ60を有している。コントローラ60は、油圧系統からの出力を受けて一定の処理を行った後に、圧力調整ソレノイドバルブ61,62に対して指令を出力している。
<油圧系統>
(HST回路)
HST回路30は、建設機械1の走行機構8を構成する油圧回路である。図2は、発明を容易に説明するために、HST回路30を簡略化してモデル的に示している。HST回路30は、P1ポンプ31、P2ポンプ32、2つの走行モータ33、及びP1ポンプ31及びP2ポンプ32と各走行モータ33とを連絡する油圧ホースや配管から主に構成されている。HST回路30は、建設機械1の左右両側の走行機構8にそれぞれ設けられている。
P1ポンプ31及びP2ポンプ32は、ピストンポンプであって、ポンプ内の傾斜板の傾斜角度を変化させることによって、吐出される作動油の流量を変化させることができるように構成されている。具体的に、後述するパイロットライン41,42,43,44から供給される作動油の圧力を変化させることによって、ポンプ内の傾斜板の傾斜角度は変化される。
走行モータ33は、P1ポンプ31及びP2ポンプ32から吐出された作動油が供給されることにより回転する構成体である。走行モータ33は、その回転軸が、例えば、走行機構8を構成する駆動用のスプロケット12に接続され、駆動用のスプロケット12を回転させることによって、クローラ9を回転駆動させて建設機械1を走行させる。走行モータ33の回転速度は、P1ポンプ31及びP2ポンプ32から送られる作動油の流量によって設定される。すなわち、P1ポンプ31及びP2ポンプ32から送られる作動油の流量が相対的に少ない場合、走行モータ33の回転速度は相対的に遅く、P1ポンプ31及びP2ポンプ32から送られる作動油の流量が相対的に多い場合、走行モータ33の回転速度は相対的に速くなる。また、走行モータ33には、それ自体に、走行モータ33に流入させる作動油の流量を調整する機構が設けられている。こうした走行モータ33には、走行モータ33の回転数を計測する回転センサ65がそれぞれ取り付けられている。
(P3ライン)
P3ライン46は、図2に示すP3ポンプ53に接続された油圧ラインである。P3ライン46は、特に図面には示していないが、ブーム5等から構成される作業機構4の制御を行うコントロールバルブに作動油を供給している。
(P4ライン)
P4ライン47は、図2に示すP4ポンプ54に接続された油圧ラインである。P4ライン47は、特に図面には示していないが、パイロットライン47から分岐して、作動油を走行モータ33に流入し、パーキングブレーキのオンオフ、及び高速と低速との切替えを行っている。また、P4ライン47は、図2に示すように、圧力調整ソレノイドバルブ61,62に接続されている。圧力調整ソレノイドバルブ61,62は、後述するように、リモコンバルブユニット20に1次パイロットライン49によってつながれている。この1次パイロットライン49は、リモコンバルブユニット20を構成している4つのリモコンバルブ21,22,23,24に作動油を供給している。
具体的に、図2に示すように、圧力調整ソレノイドバルブ61,62は2個設けられている。第1圧力調整ソレノイドバルブ61は、リモコンバルブユニット20を構成している4つのリモコンバルブ21,22,23,24のうち、第1リモコンバルブ21と第3リモコンバルブ23とに連絡されている。また、第2圧力調整ソレノイドバルブ62は、第2リモコンバルブ22と第4リモコンバルブ24とに連絡されている。
(パイロットライン)
パイロットライン41,42,43,44は、P1ポンプ31及びP2ポンプ32から吐出される作動油の流量を制御する油圧ラインである。すなわち、2次パイロットラインを構成している。ただし、ここでは、2次パイロットラインを「パイロットライン41,42,43,44」として説明する。
パイロットライン41,42,43,44は、後述するリモコンバルブ21,22,23,24とP1ポンプ31及びP2ポンプ32とを連絡しており、リモコンバルブ21,22,23,24の操作によって、パイロットライン41,42,43,44を流れる作動油の圧力が変化される。P1ポンプ31及びP2ポンプ32には、図2に示すように、パイロットライン41,42,43,44が2本ずつそれぞれ設けられている。具体的に、P1ポンプ31は、パイロットライン41,43によって第1リモコンバルブ21と第3リモコンバルブ23とに連絡され、P2ポンプ32は、パイロットライン42,44によって第2リモコンバルブ22と第4リモコンバルブ24とに連絡されている。
これらのパイロットライン41,42,43,44には、パイロットライン41,42,43,44を流れる作動油の圧力を測定する圧力センサ45がそれぞれ取り付けられている。
(リモコンバルブ)
図2に示したリモコンバルブユニット20は、4個のリモコンバルブ21,22,23,24から構成されており、4個のリモコンバルブ21,22,23,24が1つのリモコンバルブユニット20を構成している。リモコンバルブ21,22,23,24は、オペレータがジョイステック(図示せず)を手動によって操作される。リモコンバルブ21,22,23,24は、手動操作に応じ、パイロットライン41,42,43,44に作動油を供給する。具体的に、第1リモコンバルブ21と第3リモコンバルブ23とは、第1圧力調整ソレノイドバルブ61から作動油が供給され、オペレータの手動によるジョイステックの操作に応じ、P1ポンプ31に作動油を供給することによって、P1ポンプ31が吐出する作動油の流量を制御する。一方、第2リモコンバルブ22と第4リモコンバルブ24とは、第2圧力調整ソレノイドバルブ62から作動油が供給され、オペレータの手動によるジョイステックの操作に応じ、P2ポンプ32に作動油を供給することによって、P2ポンプ32が吐出する作動油の流量を制御する。
こうした4個のリモコンバルブ21,22,23,24は、後述するコントローラ60の指令に基づいて、リモコンバルブ21,22,23,24から供給される作動油の圧力を調整するように、リモコンバルブ21,22,23,24の手動による操作から独立して作動されるように構成されている。
なお、図7のシステム概略図に示すように、圧力調整ソレノイドバルブ61は1個設けられているものであってもよい。この態様において、1個の圧力調整ソレノイドバルブ61は、リモコンバルブユニット20にパイロットライン49によってつながれている。パイロットライン49は、リモコンバルブユニット20を構成している4つのリモコンバルブ21,22,23,24に作動油を供給している。具体的に、第1リモコンバルブ21と第3リモコンバルブ23には、圧力調整ソレノイドバルブ61から作動油が供給され、オペレータの手動によるジョイステックの操作に応じ、P1ポンプ31に作動油を供給することによって、P1ポンプ31が吐出する作動油の流量を制御する。一方、第2リモコンバルブ22と第4リモコンバルブ24にも、同じ圧力調整ソレノイドバルブ61から作動油が供給され、オペレータの手動によるジョイステックの操作に応じ、P2ポンプ32に作動油を供給することによって、P2ポンプ32が吐出する作動油の流量を制御する。なお、これ以外は図2に示すシステム概略図と同じである。
<コントロール系統>
本発明ではコントロール系統として、コントローラ60、圧力センサ45、回転センサ65、及び設定機構70が用いられている。コントローラ60は、例えば、メインフレーム2の内部に設けられ、建設機械1全体の動作を制御しているコントローラ60が用いられる。
圧力センサ45は、リモコンバルブ21,22,23,24とP1ポンプ31及びP2ポンプ32とを連絡しているパイロットライン41,42,43,44に取り付けられている。上述したように、第1リモコンバルブ21と第3リモコンバルブ23とは、P1ポンプ31にパイロットライン41,43で連絡され、第2リモコンバルブ22と第4リモコンバルブ24とは、P2ポンプ32にパイロットライン42,44で連絡されている。圧力センサ45は、コントローラ60と電気的に接続されており、計測した各パイロットライン41,42,43,44を流れる作動油の圧力に対応する圧力信号をコントローラ60に送っている。
回転センサ65は、走行モータ33の回転数を計測するセンサであり、左右の各走行モータ33にそれぞれ取り付けられている。回転センサ65は、コントローラ60と電気的に接続されており、計測した各走行モータ33の回転数に対応する回転数信号をコントローラ60に送っている。
設定機構70は、建設機械1の走行速度を、低速よりもさらに遅いクリープモードで走行するように設定するための装置である。具体的に、設定機構70は、建設機械1が走行する速度の上限を設定し、建設機械1が設定された上限速度よりも遅い速度で走行するように設定を行う。設定機構70によって設定された設定信号は、コントローラ60に送られる。
[制御内容]
<第1の制御形態>
第1の制御形態は、リモコンバルブ21,22,23,24から供給される作動油の圧力を調整し、左右の走行機構8の一方又は両方の速度を高速から低速に自動的に切り換える制御形態である。図3は、建設機械1の速度を高速から低速に自動的に切り換える制御形態の流れを簡略的に示したフローチャートである。図3に示すように、第1の制御形態では、圧力センサ45でパイロットライン41,42,43,44を流れる作動油の圧力を計測し、パイロットライン41,42,43,44を流れる作動油の圧力が予め設定された条件を満たすかどうかをコントローラ60が判断している。条件を満たす場合には、コントローラ60が左右の走行機構8の一方又は両方の速度を高速から低速に自動的に切り換えるように走行機構8を制御している。第1の制御形態の代表的な2つの制御形態として、スピンターン及びピボットターンについて説明する。
(スピンターン)
スピンターンとは、左右の走行機構8のうち、一方の走行機構8を前進させ、他方の走行機構8を後進させることによって、建設機械1全体の向きをその場で旋回させる動作である。スピンターンを行う場合の制御を図3に則して説明する。
まず、オペレータによってリモコンバルブ21,22,23,24が操作されたときのパイロットライン41,42,43,44を流れる作動油の圧力(パイロット圧)を、圧力センサ45が計測する。なお、リモコンバルブ21,22,23,24の操作量は、計測された値に対応している。すなわち、計測された値が大きいときは、リモコンバルブ21,22,23,24の操作量が大きく、計測された値が小さいときは、リモコンバルブ21,22,23,24の操作量が小さい。
次いで、コントローラ60が、圧力センサ45からの圧力信号に基づいて、オペレータの操作が、左右の走行機構8の一方が前進、他方が後進であるかどうかを判断する。コントローラ60が、左右の走行機構8の一方が前進、他方が後進であると判断した場合、オペレータのリモコンバルブ21,22,23,24の操作量とは無関係に、左右の走行機構8の両方の速度を高速から低速に自動的に切り換える。これにより、スピンターンを行う際の旋回性能を向上させている。
(ピボットターン)
ピボットターンとは、左右の走行機構8のうち、一方の走行機構8を前進又は後進させ、他方の走行機構8を止めておくことによって、建設機械1全体の向きを旋回させる動作である。ピボットターンを行う場合の制御を図3に則して説明する。
まず、オペレータによってリモコンバルブ21,22,23,24が操作されたときのパイロットライン41,42,43,44を流れる作動油の圧力(パイロット圧)を、圧力センサ45が計測する。次いで、コントローラ60が、圧力センサ45からの圧力信号に基づいて、オペレータの操作が、左右の走行機構8の一方が前進又は後進、他方が止まっているかどうかを判断する。コントローラ60が、左右の走行機構8の一方が前進又は後進で、他方が止まっていると判断した場合、オペレータのリモコンバルブ21,22,23,24の操作量とは無関係に、一方の走行機構8をコントロールしているリモコンバルブ21,22,23,24から供給される作動油の圧力を制御することによって、高速から低速に自動的に切り換える。これにより、ピボットターンを行う際の旋回性能を向上させている。
<第2の制御形態>
第2の制御形態は、建設機械1の走行形態として、高速モード、低速モードの他に、低速モードよりもさらに低速な超低速モード(以下、「クリープモード」という。)を加えた場合において、建設機械1がクリープモードで走行するように建設機械1の走行速度を制御する制御形態である。第2の制御形態では、建設機械1の走行速度が所定の速度を超えないようにするために、建設機械1の走行速度を設定するための設定機構70が用いられる。設定機構70としては、例えば、ディスプレイ装置やダイアル機構等を挙げることができる。こうした設定機構70によって設定された建設機械1の走行速度を制御する制御形態の流れの概要を図4に則して説明する。
まず、設定機構70によって、クリープモードを選択すると共に、建設機械1の走行速度を設定する。また、コントローラ60は、回転センサ65からの回転数信号を読み取り、回転数信号に基づいて算定される建設機械1の走行速度と、設定機構70によって設定されたクリープモードにおける設定速度とを比較し、走行速度が設定された走行速度よりも遅いか否かを判定する。コントローラ60が、現在の走行速度が設定された走行速度よりも速いと判断した場合、コントローラ60は、設定速度に対応した指令を圧力調整ソレノイドバルブ61,62に出す。すなわち、設定速度に対応した電流値を圧力調整ソレノイドバルブ61,62に供給する。圧力調整ソレノイドバルブ61,62は、設定速度に対応した電流値が供給されることによって、リモコンバルブ21,22,23,24に供給する作動油の1次圧を決定する。リモコンバルブ21,22,23,24は、リモコンバルブ21,22,23,24の操作から独立して、決定された1次圧に対応する作動油の2次圧を、パイロットライン41,42,43,44を介してP1ポンプ31及びP2ポンプ32に供給する。P1ポンプ31及びP2ポンプ32は、作動油の2次圧に対応する流量の作動油を走行モータ33に供給する。供給される作動油の流量は、走行モータ33が設定された走行速度よりも遅く回転する流量である。建設機械1は、こうした制御によって設定速度よりも遅い速度で走行するように制御される。
<第3の制御形態>
建設機械1が、例えば、上り坂を登坂しているとき、走行機構8の負荷が、平坦な地面を走行しているときよりも増大する。第3の制御形態は、走行機構8の負荷が増大した場合に走行機構8を制御する形態である。走行機構8の負荷が増大したかどうかは、走行モータ33の回転数及びエンジントルクを計測することによって判断する。すなわち、走行モータ33の回転数が減少した場合に走行機構8の負荷が増大したと判断する。走行負荷が増大した場合の図5に則して説明する。
まず、コントローラ60が、回転センサ65からの回転数信号を読み取ると共に、圧力センサ45からの圧力信号を読み取る。また、この工程ではエンジントルクも読み取っている。次いで、圧力信号に基づいて、コントローラ60は、オペレータによって操作されているリモコンバルブ21,22,23,24の操作の内容を判断する。具体的に、低速で建設機械1を走行させる操作をしているのか、高速で建設機械1を走行させる操作をしているのか、を判断する。高速で建設機械1を走行させる操作をしていると判断した場合、コントローラ60は、回転数信号に基づいて、建設機械1が高速で走行しているか、低速で走行しているかを判断する。高速で建設機械1を走行させる操作をしているにもかかわらず、建設機械1が低速で走行している場合、走行機構8の負荷が増大していると判断する。
負荷が増大していると判断した場合、走行モータ33に供給する作動油の流量を減少する。具体的に次の制御を実行する。まず、コントローラ60が、圧力調整ソレノイドバルブ61,62に対して供給される電流値を変化させ、リモコンバルブ21,22,23,24に対して供給される作動油の1次圧を決定する。これにより、リモコンバルブ21,22,23,24から供給される作動油の2次圧を1次圧に対応する圧力に調整して作動油をポンプに供給する。ポンプは、2次圧に応じ、ポンプから吐出される作動油の流量を減少することによって、建設機械1の走行速度を低速に切り換えるように作動する。こうした制御を行うことによって、走行機構8にかかる負荷を低減させている。
次に、上り坂を登坂している形態から平地を走行する形態に変化したときの制御について説明する。建設機械1が、低速で上り坂を登坂しているとき、走行モータ33の回転数が低くエンジントルクが大きい。一方、建設機械1が、高速で平地走行をしているとき、走行モータ33の回転数が高くエンジントルクが小さい。建設機械1の走行形態が、低速で上り坂を登坂している形態から平地を走行する形態に変化したとき、建設機械1の走行の形態を低速から高速に自動的に切り換える。その際に、登坂している形態から平地を走行する形態に変化するとき、走行モータ33の回転数とエンジントルクとを計測し低速から高速に切換を行う。
まず、図6に示すように、コントローラ60が、回転数信号、エンジントルク及び圧力信号を読み取る。次いで、コントローラ60は、読み取った信号に基づき、走行モータ33の回転数が高くエンジントルクが小さいかどうかを判断する。コントローラ60は、走行モータ33回転数が高くエンジントルクが小さいと判断した場合、圧力調整ソレノイドバルブ61,62に対して供給される電流値を変化させる。圧力調整ソレノイドバルブ61,62は、電流値に対応する1次圧をリモコンバルブ21,22,23,24に対して供給する。リモコンバルブ21,22,23,24は、1次圧に対応する2次圧をポンプに供給する。ポンプは、2次圧に応じ、ポンプから吐出される作動油の流量を増大することによって、建設機械1の走行速度を高速に切り換えるように作動する。こうした制御を行うことによって、一端低速に落ちた建設機械1の走行形態を、自動的に高速に切り換えている。
(自動変速機構)
上記した各制御形態において、変速機能は、2速での走行時に段々と速度が落ちて1速程度の速度まで落ちたとき、自動で1速に切り替わる。その後、負荷が小さくなったら自動で2速に復帰する。この2速への復帰は、エンジン負荷率を見て制御される。
一方、他の変速機能としては、リモコンバルブ21,22,23,24の操作をフルレバーにして圧カセンサ45からの圧力信号がフルレバー相当の圧力を検知しているときに、2速の走行速度が設定値以下になったら1速へ切り替える。そして、1速の速度が設定値以上に上がってきたら2速へ復帰する。2速から1速への切り替えの際の設定値は任意(例えば2速の速度の35%以下など)に設定でき、1速から2速への切り替えの際の設定値も任意(例えば2速の速度の60%以上など)に設定できる。
1 建設機械
2 メインフレーム
3 オペレータキャビン
4 作業機構
6 アーム
7 バケット
8 走行機構
9 クローラ
10 トラックローラ
11 駆動機構
12 スプロケット
13 トラックローラ
20 リモコンバルブユニット
21,22,23,24 リモコンバルブ
21 第1リモコンバルブ
22 第2リモコンバルブ
23 第3リモコンバルブ
24 第4リモコンバルブ
30 HST回路
31,32 ポンプ
31 P1ポンプ
32 P2ポンプ
33 走行モータ
41,42,43,44 パイロットライン
45 圧力センサ
46 P3ライン
47 P4ライン
49 1次パイロットライン
53 P3ポンプ
54 P4ポンプ
60 コントローラ
61,62 圧力調整ソレノイドバルブ
61 第1圧力調整ソレノイドバルブ
62 第2圧力調整ソレノイドバルブ
65 回転センサ
70 設定機構


Claims (7)

  1. 建設機械の左右にHST回路からなる走行機構がそれぞれ設けられ、前記走行機構を制御する走行制御機構において、
    前記走行制御機構には、前記建設機械の動作を制御する4つのリモコンバルブと、前記リモコンバルブに供給する作動油の1次圧を調整する1又は2つの圧力調整ソレノイドバルブと、前記建設機械に所望の動作をさせるために一定の設定をするための設定機構と、前記走行機構を制御するためのコントローラとが設けられ、
    前記走行機構は、前記各リモコンバルブの操作量に応じ、高速と該高速よりも走行速度が遅い低速との間で前記建設機械の走行速度を切り換え可能に構成され、
    前記各HST回路には、ポンプと走行モータとが設けられ、
    前記各ポンプには、前記リモコンバルブから延び、前記4つのリモコンバルブから供給される作動油が流れるパイロットラインが前記各リモコンバルブに接続され、
    前記各パイロットラインには、該パイロットラインを流れる作動油の圧力を計測する圧力センサがそれぞれ取り付けられ、
    前記各走行モータには、該走行モータの回転数を計測する回転センサがそれぞれ取り付けられ、
    前記コントローラは、前記設定機構からの設定信号、前記各圧力センサからの圧力信号、及び前記各回転センサからの回転数信号に基づいて、前記各リモコンバルブから供給される作動油の圧力を調整するように、前記各リモコンバルブの手動による操作から独立して前記各リモコンバルブを作動させ、
    前記各リモコンバルブは、前記各パイロットラインを流れる作動油の圧力を変化させるか又は一定に維持することによって、前記各ポンプから吐出される作動油の流量を調整し、
    前記設定機構は、前記建設機械の走行速度を、前記低速よりも前記建設機械の走行速度が遅いクリープモードに設定できるように構成され、
    前記コントローラは、前記回転数信号に基づいて算定される前記建設機械の走行速度と、前記設定機構によって設定されたクリープモードにおける設定速度とを比較し、前記走行速度が前記設定速度を超える場合に、前記1又は2つの圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、前記各リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記各リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記各ポンプに供給するように作動させ、
    前記各ポンプは、前記2次圧に応じ、前記各ポンプから吐出される作動油の流量を一定に維持することによって、前記設定機構によって設定されたクリープモードにおける設定速度で前記建設機械が走行するように作動させる、ことを特徴とする走行制御機構。
  2. 前記コントローラは、前記圧力センサからの圧力信号に基づいて、前記各リモコンバルブが左右の前記走行機構の一方を前進又は後進させるか、若しくは、前記各リモコンバルブが左右の前記走行機構の一方を前進させ、他方を後進させる操作をしたかを判断し、
    前記コントローラは、前記1又は2つの圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、操作された前記各リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記各リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記各ポンプに供給するように作動させ、
    前記各ポンプは、前記2次圧に応じ、前記各ポンプから吐出される作動油の流量を一定に維持することによって、操作された前記各リモコンバルブに対応する左右の走行機構の一方又は両方の走行速度を高速から低速に切り換えるように作動させる、請求項1に記載の走行制御機構。
  3. 前記各リモコンバルブの操作が前記建設機械を前記高速で走行させる形態であるにもかかわらず、前記コントローラが、前記回転数信号に基づいて前記建設機械が前記低速で走行していると判断した場合、
    前記コントローラは、前記1又は2つの圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、前記各リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記各リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記各ポンプに供給するように作動させ、
    前記各ポンプは、前記2次圧に応じ、前記各ポンプから吐出される作動油の流量を減少することによって、前記建設機械の走行速度を前記低速に切り換えるように作動させる、請求項1又は2に記載の走行制御機構。
  4. 前記建設機械における前記走行モータの回転数が低くエンジントルクが大きい形態から、前記走行モータの回転数が高くエンジントルクが小さい形態に変化した際に、
    前記コントローラは、前記1又は2つの圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、前記各リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記各リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記各ポンプに供給するように作動させ、
    前記各ポンプは、前記2次圧に応じ、前記各ポンプから吐出される作動油の流量を増大することによって、前記建設機械の走行速度を前記低速から前記高速に自動的に切り換えるように作動させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の走行制御機構。
  5. 前記各リモコンバルブの操作をフルレバーにして前記各圧力センサからの圧力信号がフルレバー相当の圧力を検知しているときに、走行速度が設定値以下になったら高速から低速に自動的に切り替わり、一方、走行速度が設定値以上になったら低速から高速に自動的に切り替わる、請求項1又は2に記載の走行制御機構。
  6. 建設機械の左右にHST回路からなる走行機構がそれぞれ設けられ、前記走行機構を制御する走行制御機構を備えた走行制御方法において、
    前記走行制御機構に、前記建設機械の動作を制御する4つのリモコンバルブと、前記リモコンバルブに供給する作動油の1次圧を調整する1又は2つの圧力調整ソレノイドバルブと、前記建設機械に所望の動作をさせるために一定の設定をするための設定機構と、前記走行機構を制御するためのコントローラとを設け、
    前記走行機構を、前記各リモコンバルブの操作量に応じ、高速と該高速よりも走行速度が遅い低速との間で前記建設機械の走行速度を切り換え可能に構成し、
    前記各HST回路に、ポンプと走行モータとを設け、
    前記各ポンプに、前記各リモコンバルブから延び、前記4つのリモコンバルブから供給される作動油が流れるパイロットラインを前記各リモコンバルブに接続し、
    前記各パイロットラインに、該パイロットラインを流れる作動油の圧力を計測する圧力センサをそれぞれ取り付け、
    前記各走行モータに、該走行モータの回転数を計測する回転センサをそれぞれ取り付け、
    前記コントローラが、前記設定機構からの設定信号、前記各圧力センサからの圧力信号、及び前記各回転センサからの回転数信号に基づいて、前記各リモコンバルブから供給される作動油の各圧力を調整するように、前記各リモコンバルブの手動による操作から独立して前記リモコンバルブを作動させ、
    前記各リモコンバルブが、前記各パイロットラインを流れる作動油の圧力を変化させるか又は一定に維持することによって、前記各ポンプから吐出される作動油の流量を調整し、
    前記設定機構は、前記建設機械の走行速度を、前記低速よりも前記建設機械の走行速度が遅いクリープモードに設定できるように構成され、
    前記コントローラは、前記回転数信号に基づいて算定される前記建設機械の走行速度と、前記設定機構によって設定されたクリープモードにおける設定速度とを比較し、前記走行速度が前記設定速度を超える場合に、前記1又は2つの圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、前記各リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記各リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記各ポンプに供給するように作動させ、
    前記各ポンプは、前記2次圧に応じ、前記各ポンプから吐出される作動油の流量を一定に維持することによって、前記設定機構によって設定されたクリープモードにおける設定速度で前記建設機械が走行するように作動させる、ことを特徴とする走行制御方法。
  7. 以下の(1)〜(4)のいずれかを動作する、請求項6に記載の走行制御方法。
    (1)前記コントローラは、前記圧力センサからの圧力信号に基づいて、前記各リモコンバルブが左右の前記走行機構の一方を前進又は後進させるか、若しくは、前記各リモコンバルブが左右の前記走行機構の一方を前進させ、他方を後進させる操作をしたかを判断し、
    前記コントローラは、前記1又は2つの圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、操作された前記各リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記各リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記各ポンプに供給するように作動させ、
    前記各ポンプは、前記2次圧に応じ、前記各ポンプから吐出される作動油の流量を一定に維持することによって、操作された前記各リモコンバルブに対応する左右の走行機構の一方又は両方の走行速度を高速から低速に切り換えるように作動させる、
    (2)前記各リモコンバルブの操作が前記建設機械を前記高速で走行させる形態であるにもかかわらず、前記コントローラが、前記回転数信号に基づいて前記建設機械が前記低速で走行していると判断した場合、
    前記コントローラは、前記1又は2つの圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、前記各リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記各リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記各ポンプに供給するように作動させ、
    前記各ポンプは、前記2次圧に応じ、前記各ポンプから吐出される作動油の流量を減少することによって、前記建設機械の走行速度を前記低速に切り換えるように作動させる、
    (3)前記建設機械における前記走行モータの回転数が低くエンジントルクが大きい形態から、前記走行モータの回転数が高くエンジントルクが小さい形態に変化した際に、
    前記コントローラは、前記1又は2つの圧力調整ソレノイドバルブに対して供給される電流値を変化させ、前記各リモコンバルブに対して供給される作動油の1次圧を決定し、前記各リモコンバルブから供給される作動油の2次圧を前記1次圧に対応する圧力に調整して作動油を前記各ポンプに供給するように作動させ、
    前記各ポンプは、前記2次圧に応じ、前記各ポンプから吐出される作動油の流量を増大することによって、前記建設機械の走行速度を前記低速から前記高速に自動的に切り換えるように作動させる、
    (4)前記各リモコンバルブの操作をフルレバーにして前記各圧力センサからの圧力信号がフルレバー相当の圧力を検知しているときに、走行速度が設定値以下になったら高速から低速に自動的に切り替わり、一方、走行速度が設定値以上になったら低速から高速に自動的に切り替わる。

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