JP7399820B2 - 作業機 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示の作業機は、エンジンと、エンジンの動力により駆動するHSTポンプと、HSTポンプを操作する走行操作装置と、走行操作装置の一次側の圧力である走行一次側圧力を制御する圧力制御弁と、圧力制御弁を制御する制御装置とを備えている。
本発明は、過度なエンジンドロップによる作業効率の低下とエンジンドロップからの復帰時に走行力が低下するフィーリングの発生を防止することができる作業機を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る作業機は、原動機と、前記原動機の動力によって作動し且つ作動油を吐出する走行ポンプと、前記走行ポンプが吐出した作動油により回転可能な走行モータと、操作部材の操作に応じて前記走行ポンプに出力するパイロット油のパイロット圧を変更可能な操作弁と、制御信号によって作動し且つ、前記操作弁に供給するパイロット油のパイロット圧である一次圧を変更可能な作動弁と、前記原動機の目標回転数と前記原動機の実回転数との差であるドロップ回転数に応じて、前記作動弁に出力する前記制御信号を設定する制御装置と、前記操作弁が出力するパイロット圧である二次圧を検出する圧力検出装置と、を備え、前記制御装置は、前記ドロップ回転数が第1閾値以上である場合に、前記制御信号に応じて定められた一次圧の目標圧と前記二次圧との差圧が第2閾値よりも大きくなると、前記ドロップ回転数に応じた前記一次圧を補正するために、前記作動弁に出力される前記制御信号の設定を変更する設定変更部を有している。
前記制御装置は、前記制御信号と前記目標圧との対応関係を記憶する記憶部を備え、前記演算部は、前記制御信号が前記作動弁に出力された際に当該出力された前記制御信号に対応する前記目標圧を前記記憶部から参照し、前記参照した前記目標圧と前記二次圧との差を前記差圧として演算する。
前記設定変更部は、前記第1ラインの変更を終了したときは、前記制御信号を前記第1ラインの変更前の値に徐々に戻す。
前記作動弁は、電流値の大きさに比例して開度を増加させる電磁比例弁であり、前記設定変更部は、前記差圧が前記第2閾値よりも大きく且つ前記二次圧が前記目標圧よりも大きい場合には前記作動弁から出力する一次圧が小さくなる方向に前記第1ラインを変更し、前記差圧が前記第2閾値よりも大きく且つ前記二次圧が前記目標圧よりも小さい場合には前記作動弁から出力する一次圧が大きくなる方向に前記第1ラインを変更する。
前記記憶部は、前記差圧と前記補正係数の関係を規定した関数を記憶し、前記設定変更部は、前記演算部により算出された前記差圧を前記関数に代入することによって前記補正係数を算出する。
図8は、本発明に係る作業機の側面図を示している。図8では、作業機の一例として、コンパクトトラックローダを示している。但し、本発明に係る作業機はコンパクトトラックローダに限定されず、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
。作業装置4は機体2に装着されている。機体2内の後部には、原動機32が搭載されている。走行装置5は、機体2の外側に設けられている。走行装置5は、機体2の左側に設けられた第1走行装置5Lと、機体2の右側に設けられた第2走行装置5Rとを含んでいる。
ブーム10は、キャビン3の右側及び左側に上下揺動自在に設けられている。作業具11は、例えば、バケットであって、当該バケット11は、ブーム10の先端部(前端部)に上下揺動自在に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10が上下揺動自在となるように、ブーム10の基部(後部)を支持している。ブームシリンダ14は、伸縮することによりブーム10を昇降させる。バケットシリンダ15は、伸縮することによりバケット11を揺動させる。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、左側と右側の各ブーム10に対応して機体2の左側と右側にそれぞれ設けられている。
リフトリンク12は、各ブーム10の基部の後部に、縦向きに設けられている。このリフトリンク12の上部(一端側)は、各ブーム10の基部の後部寄りに枢支軸16(枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。また、リフトリンク12の下部(他端側)は、機体2の後部寄りに枢支軸17(枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。枢支軸17は、枢支軸16の下方に設けられている。
左側のブーム10の前部には、接続部材50が設けられている。接続部材50は、予備アタッチメントに装備された油圧機器と、ブーム10に設けられたパイプ等の第1管材とを接続する装置である。具体的には、接続部材50の一端には、第1管材が接続可能で、他端には、予備アタッチメントの油圧機器に接続された第2管材が接続可能である。これにより、第1管材を流れる作動油は、第2管材を通過して油圧機器に供給される。
左側及び右側の各走行装置5(第1走行装置5L、第2走行装置5R)は、本実施形態ではクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置が採用されている。なお、前輪及び
後輪を有する車輪型の走行装置を採用してもよい。
次に、作業機1の油圧システムについて説明する。
図1に示した作業機1の油圧システムは、走行装置5を駆動することが可能である。作業機1の油圧システムは、第1走行ポンプ53Lと、第2走行ポンプ53Rと、第1走行モータ36Lと、第2走行モータ36Rとを備えている。
第1走行モータ36Lは、機体2の左側に設けられた走行装置5の駆動軸に動力を伝達するモータである。第1走行モータ36Lは、第1走行ポンプ53Lから吐出した作動油により回転が可能であり、作動油の流量によって回転速度(回転数)を変更することができる。第1走行モータ36Lには斜板切換シリンダ37Lが接続され、当該斜板切換シリンダ37Lを一方側或いは他方側に伸縮させることによっても第1走行モータ36Lの回転速度(回転数)を変更することができる。即ち、斜板切換シリンダ37Lを収縮した場合には、第1走行モータ36Lの回転数は低速(第1速度)に設定され、斜板切換シリンダ37Lを伸長した場合には、第1走行モータ36Lの回転数は高速(第2速度)に設定される。つまり、第1走行モータ36Lの回転数は、低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに変更が可能である。
第1切換弁71Lは、第1走行モータ36Lの斜板切換シリンダ37Lに油路を介して接続されていて、第1位置71L1及び第2位置71L2に切り換わる二位置切換弁である。第1切換弁71Lは、第1位置71L1である場合、斜板切換シリンダ37Lを収縮し、第2位置71L2である場合、斜板切換シリンダ37Lを伸長する。
る。第1切換弁71Rは、第1位置71R1である場合、斜板切換シリンダ37Rを収縮し、第2位置71R2である場合、斜板切換シリンダ37Rを伸長する。
第2切換弁72は、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを切り換える電磁弁であって、励磁により第1位置72aと第2位置72bとに切り換え可能な二位置切換弁である。第2切換弁72、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rは、油路41により接続されている。第2切換弁72は、第1位置72aである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第1位置71L1、71R1に切り換え、第2位置72bである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第2位置71L2、71R2に切り換える。
作業機の油圧システムは、第1油圧ポンプP1、第2油圧ポンプP2、操作装置54を備えている。第1油圧ポンプP1は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。特に、第1油圧ポンプP1は、主に制御に用いる作動油を吐出する。説明の便宜上、作動油を貯留するタンク22のことを作動油タンクということがある。また、第1油圧ポンプP1から吐出した作動油のうち、制御用として用いられる作動油のことをパイロット油、パイロット油の圧力のことをパイロット圧ということがある。
操作部材59は、操作弁55に支持され、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作レバー59である。操作レバー59は、中立位置Nを基準とすると、中立位置Nから右方及び左方に操作可能であると共に、中立位置Nから前方及び後方に操作可能である。言い換えれば、操作レバー59は、中立位置Nを基準に少なくとも4方向に揺動することが可能である。尚、説明の便宜上、前方及び後方の双方向、即ち、前後方向のことを第1方向という。また、右方及び左方の双方向、即ち、左右方向(機体幅方向)のことを第2方向ということがある。
(他方)に揺動した場合(後操作した場合)に、後操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。左右方向(第2方向)のうち、操作弁55Cは、操作レバー59を右方(一方)に揺動した場合(右操作した場合)に、右操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。操作弁55Dは、左右方向(第2方向)のうち、操作レバー59を、左方(他方)に揺動した場合(左操作した場合)に、左操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。
すなわち、操作レバー59を左斜め前方に揺動操作すると該操作レバー59の揺動角度に対応した速度で作業機1が前進しながら左旋回し、操作レバー59を右斜め前方に揺動操作すると該操作レバー59の揺動角度に対応した速度で作業機1が前進しながら右旋回し、操作レバー59を左斜め後方に揺動操作すると該操作レバー59の揺動角度に対応した速度で作業機1が後進しながら左旋回し、操作レバー59を右斜め後方に揺動操作すると該操作レバー59の揺動角度に対応した速度で作業機1が後進しながら右旋回する。
図1に示すように、制御装置60には、アクセル65と回転検出装置66とが接続されている。アクセル65は、原動機32の目標回転数を設定する部材である。アクセル65は、運転席8の近傍に設けられている。アクセル65は、揺動自在に支持されたアクセルレバー、揺動自在に支持されたアクセルペダル、回転自在に支持されたアクセルボリューム、スライド自在に支持されたアクセルスライダー等である。なお、アクセル65は、上述した例に限定されない。回転検出装置66は、原動機32の実回転数(実原動機回転数)を検出するセンサ等である。
図1に示すように、作業機1の油圧システムは、作動弁67を備えている。
作動弁67は、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)を作動させるパイロット油のパイロット圧を変更可能な弁である。作動弁67は、パイロット油が流れる吐出油路40に設けられ、開度を変更することによって、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)を作動させるパイロット油のパイロット圧(受圧部53a、53bに作用する作動パイロット圧)を変更する。
上述したように、制御装置60は、制御信号を出力して操作弁55に出力されるパイロット圧(一次圧)を変更する。言い換えれば、一次圧は、制御装置60から出力される制御信号に応じて定められる。本実施形態の場合、制御装置60から出力される制御信号である指示電流値に応じて作動弁67の開度が定められ、作動弁67の開度に応じて一次圧が定められる。より具体的には、指示電流値が増加すると作動弁67の開度が大きくなって一次圧が増加し、指示電流値が減少すると作動弁67の開度が小さくなって一次圧が減
少する。つまり、指示電流値と一次圧との間には、比例関係又は比例関係に近い対応関係(相関関係)がある(図2参照)。そのため、制御装置60は、作動弁67に出力する制御信号である指示電流値を定めることによって、操作弁55に出力される一次圧の目標圧を定めることができる。
具体的には、圧力検出装置68は、第1走行油路45aの作動油の圧力である第1パイロット圧を検出可能な第1圧力検出装置68aと、第2走行油路45bの作動油の圧力である第2パイロット圧を検出可能な第2圧力検出装置68bと、第3走行油路45c作動油の圧力である第3パイロット圧を検出可能な第3圧力検出装置68cと、第4走行油路45dの作動油の圧力である第4パイロット圧を検出可能な第4圧力検出装置68dとを含んでいる。つまり、圧力検出装置68は、走行油路(第2油路)45のパイロット圧(第1パイロット圧、第2パイロット圧、第3パイロット圧、第4パイロット圧)を二次圧として検出する。なお、上述した実施形態では、4つのパイロット圧(第1パイロット圧、第2パイロット圧、第3パイロット圧、第4パイロット圧)を検出可能であるが、アンチストール制御では、第1パイロット圧、第2パイロット圧、第3パイロット圧、第4パイロット圧のうち、最も圧力が高いパイロット圧を二次圧として採用する。或いは、アンチストール制御では、第1パイロット圧、第2パイロット圧、第3パイロット圧、第4パイロット圧の平均値を二次圧として採用してもよいし、第1パイロット圧、第2パイロット圧、第3パイロット圧、第4パイロット圧のそれぞれの差圧を二次圧として採用してもよく限定されない。即ち、アンチストール制御において、複数のパイロット圧の差圧を二次圧として採用してもよいし、パイロット圧自体を二次圧として採用してもよいし、差圧の絶対値を採用してもよい。
記憶部60Aには、制御装置60が作動弁67に出力する制御信号(指示電流値)と一次圧の目標圧との対応関係(図2参照)が記憶されている。この対応関係に基づき、制御信号(指示電流値)に応じて一次圧の目標圧が定められる。
きさと一次圧の目標圧とは比例関係等の対応関係(図2参照)にある。そのため、図3に示す設定ライン(第1ライン80Aと第2ライン80B)は、原動機32の実回転数に基づいて一次圧の目標圧に対応する制御信号(指示電流値)を設定する設定ラインと言い換えることができる。従って、図3において、縦軸は、「一次圧(目標圧)」ということもできるし、「制御信号(指示電流値)」ということもできる。
第2ライン80Bは、原動機32の目標回転数と実回転数との差(ドロップ回転数)が第1閾値未満である場合に、実回転数に基づいて一次圧の目標圧に対応する制御信号(指示電流値)を設定するラインである。
上述したように、設定変更部60Cが、発生差圧が第2閾値(差圧閾値)よりも大きく且つ二次圧が目標圧よりも大きい場合に、一次圧が小さくなる方向に第1ライン80Aを変更することによって、過度なエンジンドロップを抑制することができる。また、設定変更部60Cが、発生差圧が第2閾値(差圧閾値)よりも大きく且つ二次圧が目標圧よりも小さい場合に、一次圧が大きくなる方向に第1ライン80Aを変更することによって、エンジンドロップからの復帰時に走行力が低下するフィーリングの発生(走行ポンプ53L,53Rの流量低下に伴って循環油路57h,57iの圧力(走行圧)が低下することに起因して生じる)を抑制することができる。
演算部60Bは、アクセル65で設定した目標回転数及び回転検出装置66で検出した実回転数に基づき、目標回転数から実回転数を引くことによってドロップ回転数を演算する(S1)。また、演算部60Bは、制御装置60から作動弁67に出力される制御信号
に応じて定められた一次圧の目標圧と、操作弁55が出力するパイロット圧(二次圧)との差圧(発生差圧)を演算する(S2)。次いで、設定変更部60Cは、ドロップ回転数が第1閾値以上であるか否かを判断する(S3)。ドロップ回転数が第1閾値未満である場合(S3、No)、設定変更部60Cは、第2ライン80Bに基づいて制御信号(指示電流値)を設定する(S4)。ドロップ回転数が第1閾値以上である場合(S3、Yes)、設定変更部60Cは、発生差圧が第2閾値(差圧閾値)以下であるか否かを判断する(S5)。発生差圧が第2閾値以下である場合(S5、Yes)、設定変更部60Cは、記憶部60Aに記憶された初期第1ライン80Aに基づいて制御信号(指示電流値)を設定する(S6)。設定変更部60Cは、発生差圧が第2閾値よりも大きい場合(S5、No)、二次圧から一次圧の目標圧を減算した圧力差分値を演算する(S7)。設定変更部60Cは、圧力差分値に基づいて、第1ライン(初期第1ライン)80Aに対して一次圧が大きくなる方向(図3の矢印D1方向)に変位した第1ライン80A1を設定したり、第1ライン(初期第1ライン)80Aに対して一次圧が小さくなる方向(図3の矢印D2方向)に変位した第1ライン80A2を設定する。例えば、設定変更部60Cは、圧力差分値と補正係数によって初期第1ライン80Aに対する変位値を求め、初期第1ライン80Aを図3の矢印D1方向に変位量に応じてシフトすることにより第1ライン80A1を設定し、初期第1ライン80Aを図3の矢印D2方向に変位量に応じてシフトすることにより第1ライン80A2を設定する。なお、補正係数は、圧力差値を制御信号に変換するための値である。
設定変更部60Cは、発生差圧の値(圧力差分値)に対応して設定された補正係数(ゲイン)に基づいて、作動弁67に出力される制御信号の設定を変更することができる。記憶部60Aは、発生差圧と補正係数との関係を規定した関数(以下、「補正関数」という)を記憶している。
設定変更部60Cは、算出された補正係数に基づいて作動弁67に出力される制御信号の設定を変更する。具体的には、算出された補正係数を、第1ライン80Aに示された制御信号の指示電流値に乗じることによって、作動弁67に出力される制御信号である指示電流値を変更する。これによって、第1ライン80Aが変更される。
或いは、図6に示すように、作動弁67を走行ポンプ(左走行ポンプ53L、右走行ポンプ53R)に接続される走行油路45に設けてもよい。具体的には、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dのそれぞれから油路51を分岐させ、油路51に可変リリーフ弁、電磁比例弁などの作動弁67を設けて、当該作動弁67の開度を第1制御信号及び第2制御信号によって制御してもよい。
図7に示すように、走行操作装置54は、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作部材59と、電磁比例弁から構成された操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)とを備えている。制御装置60は、操作部材59の操作量及び操作方向を検出する操作検出センサが接続されている。制御装置60は、操作検出センサが検出した操作量及び操作方向に基づいて、操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)を制御する。
制御装置60は、操作部材59が後方(A2方向、図1参照)に操作されると、操作弁
55B及び操作弁55Dに制御信号を出力し、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板を逆転(後進)の方向に揺動させる。
制御装置60は、操作部材59が左方(A4方向、図1参照)に操作されると、操作弁55B及び操作弁55Cに制御信号を出力し、第1走行ポンプ53Lの斜板を逆転の方向に揺動させ、第2走行ポンプ53Rの斜板を正転の方向に揺動させる。
これによれば、制御装置60は、演算部60Bによって、制御信号に応じて定められた一次圧の目標圧と、二次圧との差圧を演算することができる。そのため、演算により算出された差圧に基づいて、作動弁67に出力される制御信号の設定を、過度なエンジンドロップの抑制と走行力が低下するフィーリングの発生の防止のために有効である適正な設定に変更することができる。
これによれば、目標圧と二次圧との差圧に基づいて、作動弁67に出力される制御信号の設定を適正に変更することができる。
ライン80Aの変更を終了する。これによれば、差圧が第2閾値よりも小さい第3閾値になるまで第1ライン80Aの変更を継続することができる。
設定変更部60Cは、第1ライン80Aの変更を終了したときは、制御信号を第1ライン80Aの変更前の値に徐々に戻す。これによれば、作動弁67に出力する制御信号を、第1ライン80Aの変更によって設定した制御信号から徐々に、変更前の第1ライン80Aに戻すことができ、第1ライン80Aの変更終了時での二次圧(一次圧)の急激な圧力変動を抑制することができる。
これによれば、差圧の値に対応して設定された補正係数を使用して作動弁67に出力される制御信号の設定を変更することができるため、差圧の値に対応して作動弁67に出力される制御信号の設定を簡単に且つ適正に変更することができる。
これによれば、差圧と補正係数の関係を規定する関数を使用して、補正係数を簡単に且つ正確に算出することができる。
これによれば、圧力検出装置68によって操作弁55が出力するパイロット圧である二次圧を確実に且つ正確に検出することができる。
32 原動機
36L,36R 走行モータ
40 第1油路
45 第2油路
53L,53R 走行ポンプ
55 操作弁
59 操作部材
60 制御装置
60A 記憶部
60B 演算部
60C 設定変更部
65 アクセル
66 回転検出装置
67 作動弁
68 圧力検出装置
80A 第1ライン
80B 第2ライン
Claims (10)
- 原動機と、
前記原動機の動力によって作動し且つ作動油を吐出する走行ポンプと、
前記走行ポンプが吐出した作動油により回転可能な走行モータと、
操作部材の操作に応じて前記走行ポンプに出力するパイロット油のパイロット圧を変更可能な操作弁と、
制御信号によって作動し且つ、前記操作弁に供給するパイロット油のパイロット圧である一次圧を変更可能な作動弁と、
前記原動機の目標回転数と前記原動機の実回転数との差であるドロップ回転数に応じて、前記作動弁に出力する前記制御信号を設定する制御装置と、
前記操作弁が出力するパイロット圧である二次圧を検出する圧力検出装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記ドロップ回転数が第1閾値以上である場合に、前記制御信号に応じて定められた一次圧の目標圧と前記二次圧との差圧が第2閾値よりも大きくなると、前記ドロップ回転数に応じた前記一次圧を補正するために、前記作動弁に出力される前記制御信号の設定を変更する設定変更部を有している作業機。 - 前記制御装置は、前記差圧を演算する演算部を備えている請求項1に記載の作業機。
- 前記制御装置は、前記制御信号と前記目標圧との対応関係を記憶する記憶部を備え、
前記演算部は、前記制御信号が前記作動弁に出力された際に当該出力された前記制御信号に対応する前記目標圧を前記記憶部から参照し、前記参照した前記目標圧と前記二次圧との差を前記差圧として演算する請求項2に記載の作業機。 - 前記目標回転数を設定するアクセルと、
前記実回転数を検出する回転検出装置と、
を備え、
前記記憶部は、前記目標回転数と前記実回転数との差である前記ドロップ回転数が前記第1閾値以上且つ前記差圧が前記第2閾値以下である場合に前記実回転数に基づいて前記目標圧に対応する前記制御信号を設定する第1ラインと、前記ドロップ回転数が前記第1
閾値未満である場合に前記実回転数に基づいて前記目標圧に対応する前記制御信号を設定する第2ラインと、を記憶し、
前記設定変更部は、前記差圧が前記第2閾値よりも大きくなったとき、前記第1ラインに示された前記制御信号を変更することにより、前記第1ラインを変更する請求項3に記載の作業機。 - 前記設定変更部は、前記差圧が前記第2閾値よりも小さい第3閾値以下になったときに、前記第1ラインの変更を終了する請求項4に記載の作業機
- 前記設定変更部は、前記第1ラインの変更を終了したときは、前記制御信号を前記第1ラインの変更前の値に徐々に戻す請求項5に記載の作業機。
- 前記作動弁は、電流値の大きさに比例して開度を増加させる電磁比例弁であり、
前記設定変更部は、
前記差圧が前記第2閾値よりも大きく且つ前記二次圧が前記目標圧よりも大きい場合には前記作動弁から出力する一次圧が小さくなる方向に前記第1ラインを変更し、前記差圧が前記第2閾値よりも大きく且つ前記二次圧が前記目標圧よりも小さい場合には前記作動弁から出力する一次圧が大きくなる方向に前記第1ラインを変更する請求項4~6のいずれか1項に記載の作業機。 - 前記設定変更部は、前記差圧の値に対応して設定された補正係数に基づいて前記作動弁に出力される前記制御信号の設定を変更する請求項2~7のいずれか1項に記載の作業機。
- 前記記憶部は、前記差圧と前記補正係数の関係を規定した関数を記憶し、
前記設定変更部は、前記演算部により算出された前記差圧を前記関数に代入することによって前記補正係数を算出する請求項3を引用する請求項8に記載の作業機。 - 前記操作弁と前記作動弁とを繋ぐ第1油路と、
前記操作弁と前記走行ポンプとを繋ぐ第2油路と、
を備え、
前記圧力検出装置は、前記第2油路のパイロット圧を前記二次圧として検出する請求項1~9のいずれか1項に記載の作業機。
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