JP7413201B2 - 作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ、バックホー等の作業機に関するものである。
従来、作業機において減速及び増速を行う技術として特許文献1に示されているものがある。特許文献1の作業機の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプと、作動油の圧力に応じて複数の切換位置に切換可能な油圧切換弁と、油圧切換弁の切換位置に応じて速度が変更可能な走行油圧装置とを備えている。
また、作業機において、原動機のエンジンストールを防止する技術として特許文献2に示されているものがある。特許文献2の作業機の油圧システムは、原動機と、原動機の目標回転数を設定する設定部材と、原動機の駆動により作動可能で且つ作動油を吐出する油圧ポンプと、油圧ポンプから吐出した作動油が供給される作動弁と、作動弁の作動油によって作動可能な油圧機器と、原動機の負荷が所定以上での作動弁の作動油の圧力と原動機の実回転数との関係を示す特性であって目標回転数に対応して定められた傾きの異なる複数の第1制御特性を記憶する記憶部と、原動機の負荷が所定以上である場合には、目標回転数に応じて定められた傾きの異なる第1制御特性に基づいて作動弁の制御を行う制御部と、を備えている。
特開2017-179922号公報 特開2018-62848号公報
特許文献1の作業機では、作業機を増速又は減速する際における変速ショックを低減することが可能であり、特許文献2の作業機では、第1制御特性によって原動機のエンジンストールを防止することができる。
さて、近年では、作業機を増速又は減速する際における変速ショックを低減し且つ、原動機のエンジンストールも防止することができる作業機が求められている。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、簡単に変速ショックの低減をしつつ、原動機のエンジンストールも防止することができる作業機を提供することを目的とする。
技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下の通りである。
作業機は原動機と、前記原動機の動力によって作動し且つ作動油を吐出する走行ポンプと、前記走行ポンプが吐出した作動油により回転可能で、且つ、回転速度が第1速度と前記第1速度よりも高い第2速度とに切換可能な走行モータと、前記原動機、前記走行ポンプ及び前記走行モータが設けられた機体と、前記走行モータの回転速度を前記第1速度にする第1状態と、前記走行モータの回転速度を前記第2速度にする第2状態とに切換可能な走行切換弁と、前記走行ポンプに流す作動油を制御可能な作動弁と、前記原動機の負荷に応じて前記作動弁に第1制御信号を出力することで前記作動弁の開度を低下させるアンチストール制御と、前記第2状態から前記第1状態に切り換える場合に前記作動弁に第2制御信号を出力することで前記作動弁の開度を低下させるショック低減制御と、を行う制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記作動弁の開度を低下させる際に、前記第1制御信号と前記第2制御信号とのうち、前記作動弁の開度が小さくなる方を出力する。
前記作動弁は、前記アンチストール制御を行う場合に前記第1制御信号が大きくなるにしたがって前記開度が大きくなり、前記第1制御信号が小さくなるにしたがって前記開度が小さくなり、且つ、前記ショック低減制御を行う場合に前記第2制御信号が大きくなるにしたがって前記開度が大きくなり、前記第2制御信号が小さくなるにしたがって前記開度が小さくなる弁であり、前記制御装置は、前記作動弁の開度を低下させる際に、前記第1制御信号と前記第2制御信号とのいずれか小さい方を選択する。
前記制御装置は、前記原動機の実回転数と前記原動機の目標回転数との差であるドロップ量に基づいて、前記操作部材の操作量と作動油の圧力との関係を設定する。
作業機は、前記第1制御信号と前記原動機の回転数との関係が設定された第1制御マップを記憶する記憶部を備え、前記制御装置は、前記第1制御マップに基づいて前記第1制御信号を設定する。
作業機は、前記第1制御信号と前記機体の走行速度との関係が設定された第2制御マップを記憶する記憶部を備え、前記制御装置は、前記第2制御マップに基づいて前記第1制御信号を設定する。
前記制御装置は、前記アンチストール制御において前記原動機の実回転数と前記原動機の目標回転数との差であるドロップ量に基づいて前記第1制御信号を設定し、前記ショック低減制御では、前記第2状態から前記第1状態に切り換える自動減速制御を行うときに前記第2制御信号を設定する。
本発明によれば、簡単に変速ショックの低減をしつつ、原動機のエンジンストールも防止することができる。
作業機の油圧システム(油圧回路)を示す図である。 アンチストールにおける走行一次圧と原動機の回転数との関係を示す第1制御マップの一例を示す図である。 自動減速によるショック低減制御において、作動弁に出力する第2制御信号の制御値と走行モータの切換との関係を示した図である。 アンチストール制御を行う場合の第1制御信号の第1制御値の変化と、ショック低減制御を行う場合の第2制御信号の第2制御値の変化との一例を示す図である。 作動弁を走行油路側に設けた場合の一例を示す図である。 走行操作装置を電気的に作動する装置にした場合の油圧回路の一部を示す図である。 ドロップ量、操作量及びパイロット圧PVとの関係を示す図である。 作業機の一例であるトラックローダを示す側面図である。
以下、本発明に係る作業機の油圧システム及びこの油圧システムを備えた作業機の好適な実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
図8は、本発明に係る作業機の側面図を示している。図8では、作業機の一例として、コンパクトトラックローダを示している。但し、本発明に係る作業機はコンパクトトラックローダに限定されず、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
作業機1は、図8に示すように、作業機1は、機体2と、キャビン3と、作業装置4と、走行装置5とを備えている。本発明の実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(図8の左側)を前方、運転者の後側(図8の右側)を後方、運転者の左側(図8の手前側)を左方、運転者の右側(図8の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
キャビン3は、機体2に搭載されている。このキャビン3には運転席8が設けられている。作業装置4は機体2に装着されている。走行装置5は、機体2の外側に設けられている。機体2内の後部には、原動機32が搭載されている。
作業装置4は、ブーム10と、作業具11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ15とを有している。
ブーム10は、キャビン3の右側及び左側に上下揺動自在に設けられている。作業具11は、例えば、バケットであって、当該バケット11は、ブーム10の先端部(前端部)に上下揺動自在に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10が上下揺動自在となるように、ブーム10の基部(後部)を支持している。ブームシリンダ14は、伸縮することによりブーム10を昇降させる。バケットシリンダ15は、伸縮することによりバケット11を揺動させる。
左側及び右側の各ブーム10の前部同士は、異形の連結パイプで連結されている。各ブーム10の基部(後部)同士は、円形の連結パイプで連結されている。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、左側と右側の各ブーム10に対応して機体2の左側と右側にそれぞれ設けられている。
リフトリンク12は、各ブーム10の基部の後部に、縦向きに設けられている。このリフトリンク12の上部(一端側)は、各ブーム10の基部の後部寄りに枢支軸16(第1枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。また、リフトリンク12の下部(他端側)は、機体2の後部寄りに枢支軸17(第2枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第2枢支軸17は、第1枢支軸16の下方に設けられている。
ブームシリンダ14の上部は、枢支軸18(第3枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第3枢支軸18は、各ブーム10の基部であって、当該基部の前部に設けられている。ブームシリンダ14の下部は、枢支軸19(第4枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第4枢支軸19は、機体2の後部の下部寄りであって第3枢支軸18の下方に設けられている。
制御リンク13は、リフトリンク12の前方に設けられている。この制御リンク13の一端は、枢支軸20(第5枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第5枢支軸20は、機体2であって、リフトリンク12の前方に対応する位置に設けられている。制御リンク13の他端は、枢支軸21(第6枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第6枢支軸21は、ブーム10であって、第2枢支軸17の前方で且つ第2枢支軸17の上方に設けられている。
ブームシリンダ14を伸縮することにより、リフトリンク12及び制御リンク13によって各ブーム10の基部が支持されながら、各ブーム10が第1枢支軸16回りに上下揺動し、各ブーム10の先端部が昇降する。制御リンク13は、各ブーム10の上下揺動に伴って第5枢支軸20回りに上下揺動する。リフトリンク12は、制御リンク13の上下揺動に伴って第2枢支軸17回りに前後揺動する。
ブーム10の前部には、バケット11の代わりに別の作業具が装着可能とされている。別の作業具としては、例えば、油圧圧砕機、油圧ブレーカ、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等のアタッチメント(予備アタッチメント)である。
左側のブーム10の前部には、接続部材50が設けられている。接続部材50は、予備アタッチメントに装備された油圧機器と、ブーム10に設けられたパイプ等の第1管材とを接続する装置である。具体的には、接続部材50の一端には、第1管材が接続可能で、他端には、予備アタッチメントの油圧機器に接続された第2管材が接続可能である。これにより、第1管材を流れる作動油は、第2管材を通過して油圧機器に供給される。
バケットシリンダ15は、各ブーム10の前部寄りにそれぞれ配置されている。バケットシリンダ15を伸縮することで、バケット11が揺動される。
左側及び右側の各走行装置(第1走行装置、第2走行装置)5は、本実施形態ではクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置が採用されている。なお、前輪及び後輪を有する車輪型の走行装置を採用してもよい。
原動機32は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の内燃機関、電動モータ等である。この実施形態では、原動機32は、ディーゼルエンジンであるが限定はされない。
次に、作業機の油圧システムについて説明する。
図1に示すように、作業機の油圧システムは、走行装置5を駆動することが可能である。作業機の油圧システムは、第1走行ポンプ53Lと、第2走行ポンプ53Rと、第1走行モータ36Lと、第2走行モータ36Rとを備えている。
第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rは、原動機32の動力によって駆動するポンプである。具体的には、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rは、原動機32の動力によって駆動される斜板形可変容量アキシャルポンプである。第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rは、は、パイロット圧が作用する受圧部53aと受圧部53bとを有している、受圧部53a、53bに作用するパイロット圧によって斜板の角度が変更される。斜版の角度を変更することによって、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの出力(作動油の吐出量)や作動油の吐出方向を変えることができる。
第1走行ポンプ53Lと、第1走行モータ36Lとは、循環油路57hによって接続され、第1走行ポンプ53Lが吐出した作動油が第1走行モータ36Lに供給される。第2走行ポンプ53Rと、第2走行モータ36Rとは、循環油路57iによって接続され、第2走行ポンプ53Rが吐出した作動油が第2走行モータ36Rに供給される。
第1走行モータ36Lは、機体2の左側に設けられた走行装置5の駆動軸に動力を伝達するモータである。第1走行モータ36Lは、第1走行ポンプ53Lから吐出した作動油により回転が可能であり、作動油の流量によって、回転速度(回転数)を変更することができる。第1走行モータ36Lには、斜板切換シリンダ37Lが接続され、当該斜板切換シリンダ37Lを一方側或いは他方側に伸縮させることによっても第1走行モータ36Lの回転速度(回転数)を変更することができる。即ち、斜板切換シリンダ37Lを収縮した場合には、第1走行モータ36Lの回転数は低速(第1速度)に設定され、斜板切換シリンダ37Lを伸長した場合には、第1走行モータ36Lの回転数は高速(第2速度)に設定される。つまり、第1走行モータ36Lの回転数は、低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに変更が可能である。
第2走行モータ36Rは、機体2の右側に設けられた走行装置5の駆動軸に動力を伝達するモータである。第2走行モータ36Rは、第2走行ポンプ53Rから吐出した作動油により回転が可能であり、作動油の流量によって、回転速度(回転数)を変更することができる。第2走行モータ36Rには、斜板切換シリンダ37Rが接続され、当該斜板切換シリンダ37Rを一方側或いは他方側に伸縮させることによっても第2走行モータ36Rの回転速度(回転数)を変更することができる。即ち、斜板切換シリンダ37Rを収縮した場合には、第2走行モータ36Rの回転数は低速(第1速度)に設定され、斜板切換シリンダ37Rを伸長した場合には、第2走行モータ36Rの回転数は高速(第2速度)に設定される。つまり、第2走行モータ36Rの回転数は、低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに変更が可能である。
図1に示すように、作業機の油圧システムは、走行切換弁34を備えている。走行切換弁34は、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)の回転速度(回転数)を第1速度にする第1状態と、第2速度にする第2状態とに切換可能である。走行切換弁34は、第1切換弁71L、71Rと、第2切換弁72と、を有している。
第1切換弁71Lは、第1走行モータ36Lの斜板切換シリンダ37Lに油路を介して接続されていて、第1位置71L1及び第2位置71L2に切り換わる二位置切換弁である。第1切換弁71Lは、第1位置71L1である場合、斜板切換シリンダ37Lを収縮し、第2位置71L2である場合、斜板切換シリンダ37Lを伸長する。
第1切換弁71Rは、第2走行モータ36Rの斜板切換シリンダ37Rに油路を介して接続されていて、第1位置71R1及び第2位置71R2に切り換わる二位置切換弁である。第1切換弁71Rは、第1位置71R1である場合、斜板切換シリンダ37Rを収縮し、第2位置71R2である場合、斜板切換シリンダ37Rを伸長する。
第2切換弁72は、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを切り換える電磁弁であって、励磁により第1位置72aと第2位置72bとに切り換え可能な二位置切換弁である。第2切換弁72、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rは、油路41により接続されている。第2切換弁72は、第1位置72aである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第1位置71L1、71R1に切り換え、第2位置72bである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第2位置71L2、71R2に切り換える。
つまり、第2切換弁72が第1位置72a、第1切換弁71Lが第1位置71L1、第1切換弁71Rが第1位置71R1である場合に、走行切換弁34は第1状態になり、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)の回転速度を第1速度にする。第2切換弁72が第2位置72b、第1切換弁71Lが第2位置71L2、第1切換弁71Rが第2位置71R2である場合に、走行切換弁34は第2状態になり、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)の回転速度を第2速度にする。
したがって、走行切換弁34によって、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)を低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに切り換えることができる。
走行モータにおける第1速度と、第2速度との切換は、切換部によって行うことができる。切換部は、例えば、制御装置60に接続された切換スイッチ61であり、作業者等が操作することができる。切換部(切換スイッチ61)は、第1速度(第1状態)から第2速度(第2状態)に切り換える増速と、第2速度(第2状態)から第1速度(第1状態)に切り換える減速とのいずれかに切り換えることができる。
制御装置60は、CPU、MPU等の半導体、電気電子回路等から構成されている。制御装置60は、切換スイッチ61の切換操作に基づいて、走行切換弁34を切り換える。切換スイッチ61は、プッシュスイッチである。切換スイッチ61は、例えば、走行モータが第1速度の状態で押圧されると、当該走行モータを第2速度にする指令(走行切換弁34を第2状態にする指令)が制御装置60に出力される。また、切換スイッチ61は、走行モータが第2速度の状態で押圧すると、当該走行モータを第1速度にする指令(走行切換弁34を第1状態にする指令)が制御装置60に出力される。なお、切換スイッチ61は、ON/OFFに保持可能なプッシュスイッチであってもよく、OFFである場合には、走行モータを第1速度に保持する指令が制御装置60に出力され、ONである場合には、走行モータを第2速度に保持する指令が制御装置60に出力される。
制御装置60は、走行切換弁34を第1状態にする指令を取得した場合には、第2切換弁72のソレノイドを消磁することで、走行切換弁34を第1状態にする。また、制御装置60は、走行切換弁34を第2状態にする指令を取得した場合には、第2切換弁72のソレノイドを励磁することで、走行切換弁34を第2状態にする。
さて、作業機の油圧システムは、第1油圧ポンプP1と、第2油圧ポンプP2、操作装置(走行操作装置)54とを備えている。第1油圧ポンプP1は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。特に、第1油圧ポンプP1は、主に制御に用いる作動油を吐出する。説明の便宜上、作動油を貯留するタンク22のことを作動油タンクということがある。また、第1油圧ポンプP1から吐出した作動油のうち、制御用として用いられる作動油のことをパイロット油、パイロット油の圧力のことをパイロット圧ということがある。
第2油圧ポンプP2は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第2油圧ポンプP2は、タンク22に貯留された作動油を吐出可能であって、例えば、作業系の油路に作動油を供給する。例えば、第2油圧ポンプP2は、ブーム10を作動させるブームシリンダ14、バケットを作動させるバケットシリンダ15、予備油圧アクチュエータを作動させる予備油圧アクチュエータを制御する制御弁(流量制御弁)に作動油を供給する。
走行操作装置54は、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L、第2走行ポンプ53R)を操作する装置であり、走行ポンプの斜板の角度(斜板角度)を変更可能である。走行操作装置54は、操作レバー等の操作部材59と、複数の操作弁55とを含んでいる。
操作部材59は、操作弁55に支持され、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作レバーである。即ち、操作部材59は、中立位置Nを基準とすると、中立位置Nから右方及び左方に操作可能であると共に、中立位置Nから前方及び後方に操作可能である。言い換えれば、操作部材59は、中立位置Nを基準に少なくとも4方向に揺動することが可能である。尚、説明の便宜上、前方及び後方の双方向、即ち、前後方向のことを第1方向という。また、右方及び左方の双方向、即ち、左右方向(機体幅方向)のことを第2方向ということがある。
また、複数の操作弁55は、共通、即ち、1本の操作部材59によって操作される。複数の操作弁55は、操作部材59の揺動に基づいて作動する。複数の操作弁55には、吐出油路40が接続され、当該吐出油路40を介して、第1油圧ポンプP1からの作動油(パイロット油)が供給可能である。複数の操作弁55は、操作弁55A、操作弁55B、操作弁55C及び操作弁55Dである。
操作弁55Aは、前後方向(第1方向)のうち、操作部材59を前方(一方)に揺動した場合(前操作した場合)に、前操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。操作弁55Bは、前後方向(第1方向)のうち、操作部材59を後方(他方)に揺動した場合(後操作した場合)に、後操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。左右方向(第2方向)のうち、操作弁55Cは、操作部材59を右方(一方)に揺動した場合(右操作した場合)に、右操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。操作弁55Dは、左右方向(第2方向)のうち、操作部材59を、左方(他方)に揺動した場合(左操作した場合)に、左操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。
複数の操作弁55と、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)とは、走行油路45によって接続されている。言い換えれば、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)は、操作弁55(操作弁55A、操作弁55B、操作弁55C、操作弁55D)から出力した作動油によって作動可能な油圧機器である。
走行油路45は、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dと、第5走行油路45eとを有している。第1走行油路45aは、走行ポンプ53Lの受圧部53aに接続された油路である。第2走行油路45bは、走行ポンプ53Lの受圧部53bに接続された油路である。第3走行油路45cは、走行ポンプ53Rの受圧部53aに接続された油路である。第4走行油路45dは、走行ポンプ53Rの受圧部53bに接続された油路である。第5走行油路45eは、操作弁55、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dを接続する油路である。
操作部材59を前方(図1では矢示A1方向)に揺動させると、操作弁55Aが操作されて該操作弁55Aからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第1走行油路45aを介して第1走行ポンプ53Lの受圧部53aに作用すると共に第3走行油路45cを介して第2走行ポンプ53Rの受圧部53aに作用する。これにより、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、第1走行モータ36L及び第2走行モータ36Rが正転(前進回転)して作業機1が前方に直進する。
また、操作部材59を後方(図1では矢示A2方向)に揺動させると、操作弁55Bが操作されて該操作弁55Bからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第2走行油路45bを介して第1走行ポンプ53Lの受圧部53bに作用すると共に第4走行油路45dを介して第2走行ポンプ53Rの受圧部53bに作用する。これにより、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、第1走行モータ36L及び第2走行モータ36Rが逆転(後進回転)して作業機1が後方に直進する。
また、操作部材59を右方(図1では矢示A3方向)に揺動させると、操作弁55Cが操作されて該操作弁55Cからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第1走行油路45aを介して第1走行ポンプ53Lの受圧部53aに作用すると共に第4走行油路45dを介して第2走行ポンプ53Rの受圧部53bに作用する。これにより、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、第1走行モータ36Lが正転し且つ第2走行モータ36Rが逆転して作業機1が右側に旋回する。
また、操作部材59を左方(図1では矢示A4方向)に揺動させると、操作弁55Dが操作されて該操作弁55Dからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は第3走行油路45cを介して第2走行ポンプ53Rの受圧部53aに作用すると共に第2走行油路45bを介して第1走行ポンプ53Lの受圧部53bに作用する。これにより、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、第1走行モータ36Lが逆転し且つ第2走行モータ36Rが正転転して作業機1が左側に旋回する。
また、操作部材59を斜め方向に揺動させると、受圧部53aと受圧部53bとに作用するパイロット圧の差圧によって、第1走行モータ36L及び第2走行モータ36Rの回転方向及び回転速度が決定され、作業機1が前進又は後進しながら右旋回又は左旋回する。
すなわち、操作部材59を左斜め前方に揺動操作すると該操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が前進しながら左旋回し、操作部材59を右斜め前方に揺動操作すると該操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が前進しながら右旋回し、操作部材59を左斜め後方に揺動操作すると該操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が後進しながら左旋回し、操作部材59を右斜め後方に揺動操作すると該操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が後進しながら右旋回する。
さて、制御装置60には、原動機32の目標回転数を設定するアクセル65が接続されている。アクセル65は、運転席8の近傍に設けられている。アクセル65は、揺動自在に支持されたアクセルレバー、揺動自在に支持されたアクセルペダル、回転自在に支持されたアクセルボリューム、スライド自在に支持されたアクセルスライダー等である。なお、アクセル65は、上述した例に限定されない。また、制御装置60には、原動機32の実回転数を検出する回転検出装置67が接続されている。回転検出装置67によって、制御装置60は、原動機32の実回転数を把握することができる。制御装置60は、アクセル65の操作量に基づいて、目標回転数を設定して、設定した目標回転数になるように実回転数を制御する。
さて、制御装置60は、第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)に自動的に減速する自動減速制御を行うことが可能である。
制御装置60は、循環油路57h、57iの圧力に基づいて自動減速(自動減速制御)を行う。循環油路57h、57iには、複数の圧検出装置80が接続されている。複数の圧検出装置80は、第1圧力検出装置80a、第2圧力検出装置80b、第3圧力検出装置80c、第4圧力検出装置80dを含んでいる。第1圧力検出装置80aは、循環油路57hにおいて、第1走行モータ36Lの第1ポートP11側に設けられ、第1ポートP11側の圧力を第1走行圧V1として検出する。第2圧力検出装置80bは、循環油路57hにおいて、第1走行モータ36Lの第2ポートP12側に設けられ、第2ポートP12側の圧力を第2走行圧V2として検出する。第3圧力検出装置80cは、循環油路57iにおいて、第2走行モータ36Rの第3ポートP13側に設けられ、第3ポートP13側の圧力を第3走行圧V3として検出する。第4圧力検出装置80dは、循環油路57iにおいて、第2走行モータ36Rの第4ポートP14側に設けられ、第4ポートP14側の圧力を第4走行圧V4として検出する。
制御装置60には、自動減速を有効又は無効に切り換えるモードスイッチ66が接続されている。例えば、モードスイッチ66は、ON/OFFに切り換え可能なスイッチであり、ONである場合に自動減速を有効に切り換え、OFFである場合には自動減速を無効に切り換える。
制御装置60は、自動減速が有効であるときに、第1走行圧V1、第2走行圧V2、第3走行圧V3、第4走行圧V4が予め定められた減速閾値以上である場合に第2速度から第1速度に自動減速を行い、第1走行圧V1、第2走行圧V2、第3走行圧V3、第4走行圧V4が復帰閾値以上であるときに、第1速度から第2速度に復帰する。なお、制御装置60は、自動減速が無効であるときは、手動減速を行う。
上述した実施形態では、走行圧(第1走行圧V1、第2走行圧V2、第3走行圧V3、第4走行圧V4)が減速閾値以上であるときに、自動減速を行っていたが、自動減速を行う方法は限定されない。
例えば、制御装置60は、第1走行圧V1から第2走行圧V2を減算した第1差圧ΔV1、第2走行圧V2から第1走行圧V1を減算した第2差圧ΔV2、第3走行圧V3から第4走行圧V4を減算した第3差圧ΔV3、第4走行圧V4から第3走行圧V3を減算した第4差圧ΔV4のいずれかが減速閾値である場合に自動減速を行ってもよい。
また、制御装置60は、原動機32の負荷が高い場合に、エンジンストールを防止する制御(アンチストール制御)を行う。即ち、制御装置60は、原動機32の負荷に応じてアンチストール制御を行う。
例えば、アクセル65で設定された目標回転数と回転検出装置67で検出した実回転数との差であるドロップ量が閾値以上である場合は、原動機32の負荷が高いため、制御装置60は、アンチストール制御を行う。アンチストール制御では、図1に示す作動弁69の開度を低下させることで、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)の出力を低下させる。
図1に示すように、作動弁69は、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)を作動させるパイロット油のパイロット圧を変更可能な弁である。作動弁69は、パイロット油が流れる吐出油路40に設けられ、開度を変更することによって、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)を作動させるパイロット油のパイロット圧(受圧部53a、53bに作用する作動パイロット圧)を変更する。例えば、作動弁69は、制御装置60の制御信号(例えば、電圧、電流)に基づいて開度が変更可能な電磁比例弁である。作動弁69は、制御信号の値(制御値)が大きくなるにしたがって開度が大きくなり、制御値が小さくなるにしたがって開度が小さくなる弁である。
制御装置60は、制御信号を作動弁69に出力して、当該作動弁69のソレノイドを励磁することによって、作動弁69から操作装置54へ向かうパイロット圧(走行一次圧)を変更する。これにより、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)を作動させるパイロット圧は変更することになる。
図2は、アンチストールにおける走行一次圧と原動機の回転数との関係を示す第1制御マップの一例を示す図である。図2に示す第1制御マップにおいて、走行一次圧は、作動弁69の開度に対応して決まることから、走行一次圧と作動弁69に出力する制御信号(第1制御信号)の大きさとは相関性があり、走行一次圧を第1制御信号(第1制御値)に置き換えることができる。即ち、第1制御マップの縦軸の走行一次圧は、第1制御信号(第1制御値)と読み替えることができる。第1制御マップは、記憶部63に記憶されている。
制御装置60は、アクセル65で設定された目標回転数と回転検出装置67で検出した実回転数との差であるドロップ量を演算する。制御装置60は、ドロップ量が閾値未満である場合には、第1制御マップのラインL1に一致するように、原動機の回転数(目標回転数又は実回転数)に応じて、第1制御信号の第1制御値を設定する。
一方で、制御装置60は、ドロップ量が閾値以上である場合には、第1制御マップのラインL2に一致するように、原動機の回転数(目標回転数又は実回転数)に応じて、第1制御信号の第1制御値を設定する。即ち、制御装置60は、第1制御マップに基づいて、電流値、電圧値等の第1制御値を設定する。
したがって、アンチストール制御では、ラインL2に基づいて、第1制御値を設定して、当該第1制御値を示す第1制御信号を作動弁69に出力することにより、操作弁55に入る作動油のパイロット圧(走行一次圧)を低く抑えることができる。その結果、走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)の斜板角が調整され、原動機32に作用する負荷が減少し、エンジンのストールを防止することができる。なお、図2では、1本のラインL2を示しているが、ラインL2は複数であってもよい。
また、制御装置60は、自動減速を行うときに、変速のショックを低減するショック低減制御を行う。制御装置60は、ショック低減制御では、第2制御信号を作動弁69に出力して、当該作動弁69の開度を制御することにより、変速のショックを低減する。作動弁69は、ショック低減制御を行う場合に第2制御信号が大きくなるにしたがって開度が大きくなり、第2制御信号が小さくなるにしたがって開度が小さくなる。
図3は、自動減速によるショック低減制御において、作動弁69に出力する第2制御信号の制御値と、走行モータの切換との関係を示した図である。
図3に示すように、制御装置60は、時点Q11において、自動減速の指令、即ち、自動減速の条件が整うと、第2制御信号の制御値の低下量ΔF51を設定する。制御装置60は、作業機1の走行状態に基づいて低下量ΔF51を設定する。例えば、制御装置60は、作業機1が直進しているときは、低下量ΔF51を大きく設定し、作業機1が信地旋回しているときは、低下量ΔF51を小さく設定する。なお、低下量ΔF51の設定方法は、上述した実施形態に限定されず、原動機の負荷、即ち、原動機の実回転数と目標回転数との差であるドロップ量に応じて、設定してもよい。この場合、制御装置60は、ドロップ量が大きく原動機の負荷が大きい場合は、低下量ΔF51を小さく、ドロップ量が小さく原動機の負荷が小さい場合は、低下量ΔF51を大きくする。
制御装置60は、低下量ΔF51の設定を行うと、低減直前の第2制御信号の制御値(現在制御値)W51から、低下量ΔF51を減算した値を、ショック低減制御における低減値W52に設定する。
低減値W52の設定を行うと、制御装置60は、作動弁69に出力する第2制御信号の第2制御値を、時点Q11から低減値W52に向けて減少させる。制御装置60は、第2制御値を示すラインW55に示すように、時点Q12において、低減値W52に達すると、走行切換弁34のソレノイドを励磁する信号を出力して、走行切換弁(切換弁)34を第2状態(第1速度)から第1状態(第2速度)に切り換えることで自動減速を行う。また、時点Q12の以降は、ラインW55に示すように、低減前の第2制御値W51に向けて復帰させる。
より詳しくは、第2制御信号の第2制御値を低下させる始点である時点Q11から第2制御信号の第2制御値を低下させる終点である時点Q12までの低減区間Ta(第2制御値が低減値W52に達するまでの低減区間Ta)に着目すると、制御装置60は、低減区間Taの始点から中途までの区間(第1区間)Ta1と、中途から終点までの区間(第2区間)Ta2とで、第2制御信号の第2制御値の低下速度を変化させている。
制御装置60は、低減区間Taにおいて第2制御値を示すラインW55において、第1区間Ta1における第1低下速度をラインW55aの傾きによって設定し、第2区間Ta2における第2低下速度をラインW55bの傾きによって設定し、第1低下速度(ラインW55aの傾き)を、第2低下速度(ラインW55bの傾き)よりも大きく設定している。つまり、制御装置60は、低減区間Taにおいて、少なくとも第2制御信号(第2制御値)の低下速度を2段階にしている。
上述したように、制御装置60は、アンチストール制御とショック低減制御との両方を行うことが可能である。ここで、制御装置60は、自動減速によってショック低減制御を行っている際に、アンチストール制御も行うことがある。即ち、制御装置60は、作動弁69に出力する制御信号として、アンチストール制御を行う場合の第1制御信号と、ショック低減制御を行う場合の第2制御信号との両方を設定することがある。このような場合、制御装置60は、第1制御信号と第2制御信号との一方を作動弁69に出力することで、作動弁69の開度を低下させる。
具体的には、制御装置60は、アンチストール制御を行う場合の第1制御信号と、ショック低減制御を行う場合の第2制御信号との両方を設定した場合、第1制御信号と第2制御信号とを比較し、第1制御信号と第2制御信号とのいずれか小さい方を選択して、選択した制御信号を作動弁69に出力する。
図4は、アンチストール制御を行う場合の第1制御信号の第1制御値の変化と、ショック低減制御を行う場合の第2制御信号の第2制御値の変化とを示している。図4では、説明の便宜上、第1制御値(第1制御信号)を「第1制御値(第1制御信号)W71」とし、第2制御値(第2制御信号)を「第2制御値(第2制御信号)W72」として説明を進める。また、図4において、実線が作動弁69に出力した制御信号を示している。
図4に示すように、ショック低減制御において、時点Q11以降において、制御装置60は、第1制御値W71と第2制御値W72とを比較する。制御装置60は、第1制御値W71>第2制御値W72である場合、第1制御値W71よりも低い値である第2制御値W72を示す第2制御信号を作動弁69に出力する。制御装置60は、第1制御値W71<第2制御値W72である場合、第2制御値W72よりも低い値である第1制御値W71を示す第1制御信号を作動弁69に出力する。
つまり、制御装置60は、時点Q11から時点Q71までの制御区間T71では、第2制御値W72に対応する第2制御信号を出力し、時点Q72から時点Q72までの制御区間T72では、第1制御値W71に対応する第1制御信号を出力し、時点Q72以降の制御区間T72では、第2制御値W72に対応する第2制御信号を出力する。
上述した実施形態では、作動弁69を操作弁55の上流側(吐出油路40)に設けていたが、これに代えて、操作弁55の下流側(走行油路45)に設けてもよい。例えば、第5走行油路45eの中途部に作動弁69を設けてもよいし、図5に示すように、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dのそれぞれから油路51を分岐させ、油路51に可変リリーフ弁、電磁比例弁などの作動弁69を設けて、当該作動弁69の開度を第1制御信号及び第2制御信号によって制御してもよい。
上述した実施形態では、走行操作装置54は、操作弁55によって走行ポンプ(第1走行ポンプ53L,第2走行ポンプ53R)に作用するパイロット圧を変更する油圧式であったが、図6に示すように、走行操作装置54は、電気的に作動する装置であってもよい。
図6に示すように、走行操作装置54は、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作部材59と、電磁比例弁から構成された操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)とを備えている。制御装置60は、操作部材59の操作量及び操作方向を検出する操作検出センサが接続されている。制御装置60は、操作検出センサが検出した操作量及び操作方向に基づいて、操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)を制御する。
制御装置60は、操作部材59が前方(A1方向、図1参照)に操作されると、操作弁55A及び操作弁55Cに制御信号を出力し、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板を正転(前進)の方向に揺動させる。
制御装置60は、操作部材59が後方(A2方向、図1参照)に操作されると、操作弁55B及び操作弁55Dに制御信号を出力し、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板を逆転(後進)の方向に揺動させる。
制御装置60は、操作部材59が右方(A3方向、図1参照)に操作されると、操作弁55A及び操作弁55Dに制御信号を出力し、第1走行ポンプ53Lの斜板を正転の方向に揺動させ、第2走行ポンプ53Rの斜板を逆転の方向に揺動させる。
制御装置60は、操作部材59が左方(A4方向、図1参照)に操作されると、操作弁55B及び操作弁55Cに制御信号を出力し、第1走行ポンプ53Lの斜板を逆転の方向に揺動させ、第2走行ポンプ53Rの斜板を正転の方向に揺動させる。
上述したように、走行操作装置54は、電気的に作動する装置ある場合、図7に示すように、制御装置60は、原動機の実回転数と前記原動機の目標回転数との差であるドロップ量に基づいて、操作部材59の操作量と操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)から出力する作動油の圧力(パイロット圧)PVとの関係を設定してもよい。図7に示すように、例えば、制御装置60は、ドロップ量が大きくなるにつれて、操作部材59の操作量と操作弁55から出力するパイロット圧PVとの関係を示すラインL10の傾きを小さくし、ドロップ量が小さくなるにつれて、ラインL10の傾きを大きくする。
なお、図6に示すように、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dのそれぞれから油路51を分岐させ、油路51に可変リリーフ弁64を設けて、可変リリーフ弁64の設定圧を調整することにより、パイロット圧PVの上限値を設定してもよい。
また、上述した実施形態では、図2に示すように、第1制御信号(第1制御値)と原動機の回転数との関係を示す第1制御マップに基づいて、アンチストール制御を行っていたが、これに代えて、第1制御信号(第1制御値)と機体2の走行速度(車速)との関係に基づいて第1制御信号(第1制御値)を設定してもよい。即ち、図2の横軸を走行速度(車速)に置き換えればよい。この場合、制御装置60は、実際の走行速度と目標の走行速度との差(ドロップ量)が閾値未満である場合に、ラインL1に一致するように、第1制御信号の第1制御値を設定し、ドロップ量が閾値以上である場合に、ラインL2に一致するように、第1制御信号の第制御値を設定する。
また、上述した実施形態では、自動減速(自動減速制御)を有効及び無効のいずれかに切り換えるモードスイッチ66が設けられていたが、これに加え、アンチストール制御を有効及び無効のいずれかに切り換えるスイッチを有していてもよい。この場合、制御装置60は、スイッチによってアンチストール制御が有効に切り換えられている場合のみアンチストール制御を実行する。
なお、上述した実施形態では、自動減速のときに、制御装置60は、第2制御信号を出力していたが、手動減速のときに、第2制御信号を出力してもよい。
作業機1は、原動機32と、原動機32の動力によって作動し且つ作動油を吐出する走行ポンプ53L、53Rと、走行ポンプ53L、53Rが吐出した作動油により回転可能で、且つ、回転速度が第1速度と第1速度よりも高い第2速度とに切換可能な走行モータ36L,36Rと、原動機32、走行ポンプ53L、53R及び走行モータ36L,36Rが設けられた機体2と、走行モータ36L,36Rの回転速度を第1速度にする第1状態と、走行モータ36L,36Rの回転速度を第2速度にする第2状態とに切換可能な走行切換弁34と、走行ポンプ53L、53Rに流す作動油を制御可能な作動弁69と、原動機32の負荷に応じて作動弁69に第1制御信号を出力することで作動弁69の開度を低下させるアンチストール制御と、第2状態から第1状態に切り換える場合に作動弁69に第2制御信号を出力することで作動弁69の開度を低下させるショック低減制御と、を行う制御装置60と、を備え、制御装置60は、作動弁69の開度を低下させる際に、第1制御信号と第2制御信号とのいずれか一方を出力する。
これによれば、作動弁に第1制御信号と第2制御信号のいずれかを出力することから、当該第1制御信号又は第2制御信号によって作動弁の開度を変更することができ、変速ショックの低減と、原動機のエンジンストールの防止(アンチストール)との両方を簡単に行うことができる。即ち、簡単に変速ショックの低減をしつつ、原動機のエンジンストールも防止することができる。
作動弁69は、アンチストール制御を行う場合に第1制御信号が大きくなるにしたがって開度が大きくなり、第1制御信号が小さくなるにしたがって開度が小さくなり、且つ、ショック低減制御を行う場合に第2制御信号が大きくなるにしたがって開度が大きくなり、第2制御信号が小さくなるにしたがって開度が小さくなる弁であり、制御装置60は、作動弁69の開度を低下させる際に、第1制御信号と第2制御信号とのいずれか小さい方を選択する。これによれば、アンチストール制御とショック低減制御との両方をそれぞれ行うにあたって、簡単に作動弁69の開度を変更することができる。
制御装置60は、原動機32の実回転数と原動機32の目標回転数との差であるドロップ量に基づいて、操作部材59の操作量と操作弁55から出力する作動油の圧力との関係を設定する。これによれば、操作部材59の操作量が如何なる場合であっても、原動機32の負荷、即ち、ドロップ量に応じて、走行ポンプ53L、53Rの出力を簡単に抑えることができる。
作業機1は、第1制御値と原動機32の回転数との関係が設定された第1制御マップを記憶する記憶部63を備え、制御装置60は、第1制御マップに基づいて第1制御値を設定する。これによれば、原動機32の負荷によって変動する原動機32の回転数に応じて、簡単にアンチストール制御の制御を行うことができる。
作業機1は、第1制御値と機体2の走行速度との関係が設定された第2制御マップを記憶する記憶部を備え、制御装置60は、第2制御マップに基づいて第1制御値を設定する。これによれば、走行速度に応じて簡単にアンチストール制御の制御を行うことができる。
制御装置60は、アンチストール制御において原動機32の実回転数と原動機32の目標回転数との差であるドロップ量に基づいて第1制御信号を設定し、ショック低減制御では、第2状態から第1状態に切り換える自動減速制御を行うときに第2制御信号を設定する。これによれば、作業機1を自動的に減速(自動減速)を行いながら、原動機のエンジンストールの防止(アンチストール)を行うことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
走行切換弁34は、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)を第1速度にする第1状態と、第2速度にする第2状態とに切換可能である弁であればよく、方向切換弁とは異なる比例弁であってもよい。
走行モータは、第1速度、第2速度との間に中立(ニュートラル)を有するモータであってもよい。
走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)は、アキシャルピストンモータであってもラジアルピストンモータであってもよい。走行モータがラジアルピストンモータである場合、モータ容量が大きくなることで、第1速に切り換えることができ、モータ容量が小さくなり、第2速に切り換えることができる。
1 :作業機
2 :機体
32 :原動機
34 :走行切換弁
36L :第1走行モータ
36R :第2走行モータ
53L :第1走行ポンプ
53R :第2走行ポンプ
59 :操作部材
60 :制御装置
63 :記憶部
69 :作動弁
W71 :第1制御値

Claims (6)

  1. 原動機と、
    前記原動機の動力によって作動し且つ作動油を吐出する走行ポンプと、
    前記走行ポンプが吐出した作動油により回転可能で、且つ、回転速度が第1速度と前記第1速度よりも高い第2速度とに切換可能な走行モータと、
    前記原動機、前記走行ポンプ及び前記走行モータが設けられた機体と、
    前記走行モータの回転速度を前記第1速度にする第1状態と、前記走行モータの回転速度を前記第2速度にする第2状態とに切換可能な走行切換弁と、
    前記走行ポンプに流す作動油を制御可能な作動弁と、
    前記原動機の負荷に応じて前記作動弁に第1制御信号を出力することで前記作動弁の開度を低下させるアンチストール制御と、前記第2状態から前記第1状態に切り換える場合に前記作動弁に第2制御信号を出力することで前記作動弁の開度を低下させるショック低減制御と、を行う制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記作動弁の開度を低下させる際に、前記第1制御信号と前記第2制御信号とのうち、前記作動弁の開度が小さくなる方を出力する作業機。
  2. 前記作動弁は、前記アンチストール制御を行う場合に前記第1制御信号が大きくなるにしたがって前記開度が大きくなり、前記第1制御信号が小さくなるにしたがって前記開度が小さくなり、且つ、前記ショック低減制御を行う場合に前記第2制御信号が大きくなるにしたがって前記開度が大きくなり、前記第2制御信号が小さくなるにしたがって前記開度が小さくなる弁であり、
    前記制御装置は、前記作動弁の開度を低下させる際に、前記第1制御信号と前記第2制御信号とのいずれか小さい方を選択する請求項1に記載の作業機。
  3. 前記制御装置は、前記原動機の実回転数と前記原動機の目標回転数との差であるドロップ量に基づいて、操作部材の操作量と作動油の圧力との関係を設定する請求項1又は2に記載の作業機。
  4. 前記第1制御信号と前記原動機の回転数との関係が設定された第1制御マップを記憶する記憶部を備え、
    前記制御装置は、前記第1制御マップに基づいて前記第1制御信号を設定する請求項1~3のいずれかに記載の作業機。
  5. 前記第1制御信号と前記機体の走行速度との関係が設定された第2制御マップを記憶する記憶部を備え、
    前記制御装置は、前記第2制御マップに基づいて前記第1制御信号を設定する請求項1~3のいずれかに記載の作業機。
  6. 前記制御装置は、前記アンチストール制御において前記原動機の実回転数と前記原動機の目標回転数との差であるドロップ量に基づいて前記第1制御信号を設定し、前記ショック低減制御では、前記第2状態から前記第1状態に切り換える自動減速制御を行うときに前記第2制御信号を設定する請求項1~4のいずれかに記載の作業機。
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