JP7413203B2 - 作業機 - Google Patents
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Description
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、簡単に変速ショックを低減することができる作業機を提供することを目的とする。
作業機は、原動機と、前記原動機の動力によって作動し且つ作動油を吐出する走行ポンプと、前記走行ポンプが吐出した作動油により回転可能で、且つ、回転速度が第1速度と前記第1速度よりも高い第2速度とに切換可能な走行モータと、前記原動機、前記走行ポンプ及び前記走行モータが設けられた機体と、前記走行モータの回転速度を前記第1速度にする第1状態と、前記走行モータの回転速度を前記第2速度にする第2状態とに切換可能な走行切換弁と、前記第2状態から前記第1状態に切り換える減速に切り換える場合に、前記原動機の回転数を低下させるショック低減制御を行う制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記原動機の目標回転数と前記原動機の実回転数との差であるドロップ量に基づいて、前記ショック低減制御における前記原動機の回転数の低下量を設定し、前記制御装置は、前記ドロップ量が小さい場合は前記低下量を大きく設定し、前記ドロップ量が大きい場合は前記低下量を小さく設定する。
前記制御装置は、前記原動機の実回転数が低減値に達するまでの低減区間において、前記低減区間の始点から終点までの前記原動機の実回転数の第1低下速度を一定にする。
前記制御装置は、前記原動機の実回転数が低減値に達するまでの低減区間において、前記低減区間の始点から前記低減区間の途中までの前記原動機の実回転数の第2低下速度を、前記低減区間の中途から終点までの前記原動機の実回転数の第3低下速度よりも大きくする。
作業機は、増速及び減速のいずれかの変速指令を行う切換スイッチと、前記原動機の目標回転数を設定するアクセルと、を備え、前記制御装置は、前記切換スイッチが前記変速指令を行った場合に、前記原動機の実回転数を、前記低減値に向けて低下させ、前記走行切換弁を前記変速指令に応じて前記第1状態及び前記第2状態のいずれかに切り換える。
図5は、本発明に係る作業機の側面図を示している。図5では、作業機の一例として、コンパクトトラックローダを示している。但し、本発明に係る作業機はコンパクトトラックローダに限定されず、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
作業装置4は、ブーム10と、作業具11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ15とを有している。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、左側と右側の各ブーム10に対応して機体2の左側と右側にそれぞれ設けられている。
リフトリンク12は、各ブーム10の基部の後部に、縦向きに設けられている。このリフトリンク12の上部(一端側)は、各ブーム10の基部の後部寄りに枢支軸16(第1枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。また、リフトリンク12の下部(他端側)は、機体2の後部寄りに枢支軸17(第2枢支軸)を介して横軸回りに回転自
在に枢支されている。第2枢支軸17は、第1枢支軸16の下方に設けられている。
左側のブーム10の前部には、接続部材50が設けられている。接続部材50は、予備アタッチメントに装備された油圧機器と、ブーム10に設けられたパイプ等の第1管材とを接続する装置である。具体的には、接続部材50の一端には、第1管材が接続可能で、他端には、予備アタッチメントの油圧機器に接続された第2管材が接続可能である。これにより、第1管材を流れる作動油は、第2管材を通過して油圧機器に供給される。
左側及び右側の各走行装置(第1走行装置、第2走行装置)5は、本実施形態ではクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置が採用されている。なお、前輪及び後輪を有する車輪型の走行装置を採用してもよい。
次に、作業機の油圧システムについて説明する。
図1に示すように、作業機の油圧システムは、走行装置5を駆動することが可能である。作業機の油圧システムは、第1走行ポンプ53Lと、第2走行ポンプ53Rと、第1走行モータ36Lと、第2走行モータ36Rとを備えている。
第1走行モータ36Lは、機体2の左側に設けられた走行装置5の駆動軸に動力を伝達するモータである。第1走行モータ36Lは、第1走行ポンプ53Lから吐出した作動油
により回転が可能であり、作動油の流量によって、回転速度(回転数)を変更することができる。第1走行モータ36Lには、斜板切換シリンダ37Lが接続され、当該斜板切換シリンダ37Lを一方側或いは他方側に伸縮させることによっても第1走行モータ36Lの回転速度(回転数)を変更することができる。即ち、斜板切換シリンダ37Lを収縮した場合には、第1走行モータ36Lの回転数は低速(第1速度)に設定され、斜板切換シリンダ37Lを伸長した場合には、第1走行モータ36Lの回転数は高速(第2速度)に設定される。つまり、第1走行モータ36Lの回転数は、低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに変更が可能である。
第1切換弁71Lは、第1走行モータ36Lの斜板切換シリンダ37Lに油路を介して接続されていて、第1位置71L1及び第2位置71L2に切り換わる二位置切換弁である。第1切換弁71Lは、第1位置71L1である場合、斜板切換シリンダ37Lを収縮し、第2位置71L2である場合、斜板切換シリンダ37Lを伸長する。
第2切換弁72は、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを切り換える電磁弁であって、励磁により第1位置72aと第2位置72bとに切り換え可能な二位置切換弁である。第2切換弁72、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rは、油路41により接続されている。第2切換弁72は、第1位置72aである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第1位置71L1、71R1に切り換え、第2位置72bである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第2位置71L2、71R2に切り換える。
走行モータにおける第1速度と、第2速度との切換は、切換部によって行うことができる。切換部は、例えば、制御装置60に接続された切換スイッチ61であり、作業者等が操作することができる。切換部(切換スイッチ61)は、第1速度(第1状態)から第2速度(第2状態)に切り換える増速と、第2速度(第2状態)から第1速度(第1状態)に切り換える減速とのいずれかに切り換えることができる。
さて、作業機の油圧システムは、第1油圧ポンプP1と、第2油圧ポンプP2、操作装置(走行操作装置)54とを備えている。第1油圧ポンプP1は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。特に、第1油圧ポンプP1は、主に制御に用いる作動油を吐出する。説明の便宜上、作動油を貯留するタンク22のことを作動油タンクということがある。また、第1油圧ポンプP1から吐出した作動油のうち、制御用として用いられる作動油のことをパイロット油、パイロット油の圧力のことをパイロット圧ということがある。
操作部材59は、操作弁55に支持され、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作部材である。即ち、操作部材59は、中立位置Nを基準とすると、中立位置Nから右方及び左方に操作可能であると共に、中立位置Nから前方及び後方に操作可能である。言い換えれば、操作部材59は、中立位置Nを基準に少なくとも4方向に揺動することが可能である。尚、説明の便宜上、前方及び後方の双方向、即ち、前後方向のことを第1方向という。また、右方及び左方の双方向、即ち、左右方向(機体幅方向)のことを第2方向ということがある。
9を、左方(他方)に揺動した場合(左操作した場合)に、左操作の操作量(操作)に応じて出力する作動油の圧力が変化する。
走行油路45は、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dと、第5走行油路45eとを有している。第1走行油路45aは、走行ポンプ53Lの受圧部53aに接続された油路である。第2走行油路45bは、走行ポンプ53Lの受圧部53bに接続された油路である。第3走行油路45cは、走行ポンプ53Rの受圧部53aに接続された油路である。第4走行油路45dは、走行ポンプ53Rの受圧部53bに接続された油路である。第5走行油路45eは、操作弁55、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dを接続する油路である。
すなわち、操作部材59を左斜め前方に揺動操作すると該操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が前進しながら左旋回し、操作部材59を右斜め前方に揺動操作すると該操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が前進しながら右旋回し、操作部材59を左斜め後方に揺動操作すると該操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が後進しながら左旋回し、操作部材59を右斜め後方に揺動操作すると該操作部材59の揺動角度に対応した速度で作業機1が後進しながら右旋回する。
に支持されたアクセルレバー、揺動自在に支持されたアクセルペダル、回転自在に支持されたアクセルボリューム、スライド自在に支持されたアクセルスライダー等である。なお、アクセル65は、上述した例に限定されない。また、制御装置60には、原動機32の実回転数を検出する回転検出装置66が接続されている。回転検出装置66によって、制御装置60は、原動機32の実回転数を把握することができる。制御装置60は、アクセル65の操作量に基づいて、目標回転数を設定して、設定した目標回転数になるように実回転数を制御する。
以下、減速時におけるショック低減制御について詳しく説明する。
図2は、減速時におけるショック低減制御を行う場合において、原動機の回転数(目標回転数W10、実回転数W12a、W12b、W12cと、走行モータの切換との関係を示した図である。図2に示すように、制御装置60は、原動機32の目標回転数W10と原動機32の実回転数W12a、W12b、W12cとの差であるドロップ量ΔD1に基づいて、ショック低減制御における原動機の回転数の低下量ΔF1を設定し、低下量ΔF1に応じて、変速ショックの低減を図る。
制御装置60は、1速指令を取得すると、目標回転数W10から実回転数W12a、W12b、W12cを減算することによりドロップ量ΔD1(ΔD1a、ΔD1b、ΔD1c)を求める。また、制御装置60は、ドロップ量ΔD1(ΔD1a、ΔD1b、ΔD1c)を求めると、当該ドロップ量ΔD1(ΔD1a、ΔD1b、ΔD1c)に基づいて低下量ΔF1(ΔF1a、ΔF1b、ΔF1c)を設定する。制御装置60が低下量ΔF1の設定にあたっては、ドロップ量ΔD1が小さい場合、低下量ΔF1を大きく、ドロップ量ΔD1が大きい場合、低下量ΔF1を小さくする。
このように、制御装置60は、時点Q11におけるドロップ量ΔD1(ΔD1a、ΔD1b、ΔD1c)の大きさに応じて、低下量ΔF1(ΔF1a、ΔF1b、ΔF1c)の大きさを決定する。
具体的には、時点Q11においてドロップ量がΔD1aであった場合、制御装置60は、ラインW11aに示すように、原動機の実回転数を低減値W14aに向けて低下させる。制御装置60は、ラインW11aに示すように、時点Q12aにおいて、低減値W14aに達すると、走行切換弁34のソレノイドを消磁する信号を出力して、走行切換弁(切換弁)34を第2状態(第2速度)から第1状態(第1速度)に切り換える。また、時点Q12aの以降は、ラインW11aに示すように、実回転数を目標回転数12aに向けて復帰させる。
上述した実施形態では、低減区間Ta、Tb、Tcのそれぞれにおいて、低減区間Ta、Tb、Tcの始点から終点まで一様に原動機の実回転数の低下速度を一定にしていたが、途中で、低下速度を変更してもよい。
制御装置60は、1速指令を取得し、ドロップ量ΔD1aに基づいて低減値W14aを演算すると、図3に示すように、低減区間Taの始点から中途までの区間(第1区間)Ta1の原動機の低下速度を第2低下速度に設定し、中途から終点までの区間(第2区間)Ta2の原動機の低下速度を第3低下速度に設定する。即ち、制御装置60は、低減区間Taにおいて原動機の実回転数を示すラインW11aにおいて、第1区間Ta1における第2低下速度をラインW11a1の傾きによって設定し、第2区間Ta2における第3低下速度をラインW11a2の傾きによって設定する。制御装置60は、第2低下速度(ラインW11a1の傾き)を第3低下速度(ラインW11a2の傾き)よりも大きく設定する。
図4に示すように、走行操作装置54は、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作部材59と、電磁比例弁から構成された操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)とを備えている。制御装置60は、操作部材59の操作量及び操作方向を検出する操作検出センサが接続されている。制御装置60は、操作検出センサが検出した操作量及び操作方向に基づいて、操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)を制御する。
制御装置60は、操作部材59が後方(A2方向、図1参照)に操作されると、操作弁55B及び操作弁55Dに制御信号を出力し、第1走行ポンプ53L及び第2走行ポンプ53Rの斜板を逆転(後進)の方向に揺動させる。
制御装置60は、操作部材59が左方(A4方向、図1参照)に操作されると、操作弁55B及び操作弁55Cに制御信号を出力し、第1走行ポンプ53Lの斜板を逆転の方向に揺動させ、第2走行ポンプ53Rの斜板を正転の方向に揺動させる。
制御装置60は、原動機32の実回転数から低下量ΔF1を減算した値を、ショック低減制御における原動機32の低減値とする。 これによれば、原動機32の実回転数が負荷によってドロップしている場合であっても、減速時の原動機32の実回転数を適正に設定することができる。
作業機1は、増速及び減速のいずれかの変速指令を行う切換スイッチ61と、原動機3
2の目標回転数を設定するアクセル65と、を備え、制御装置60は、切換スイッチ61が変速指令を行った場合に、原動機32の実回転数を、低下量ΔF1に基づいて定められた低減値に向けて低下させ、走行切換弁34を変速指令に応じて第1状態及び第2状態のいずれかに切り換える。これによれば、原動機32の実回転数を十分に低下させてから変速を行うことができ、より変速ショックの低減を向上させることができる。
走行切換弁34は、走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)を第1速度にする第1状態と、第2速度にする第2状態とに切換可能である弁であればよく、方向切換弁とは異なる比例弁であってもよい。
走行モータ(第1走行モータ36L、第2走行モータ36R)は、アキシャルピストンモータであってもラジアルピストンモータであってもよい。走行モータがラジアルピストンモータである場合、モータ容量が大きくなることで、第1速に切り換えることができ、モータ容量が小さくなり、第2速に切り換えることができる。
2 :機体
5 :走行装置
14b :低減値
14c :低減値
32 :原動機
34 :走行切換弁
36L :第1走行モータ
36R :第2走行モータ
53L :第1走行ポンプ
53R :第2走行ポンプ
60 :制御装置
61 :切換スイッチ
65 :アクセル
Claims (7)
- 原動機と、
前記原動機の動力によって作動し且つ作動油を吐出する走行ポンプと、
前記走行ポンプが吐出した作動油により回転可能で、且つ、回転速度が第1速度と前記第1速度よりも高い第2速度とに切換可能な走行モータと、
前記原動機、前記走行ポンプ及び前記走行モータが設けられた機体と、
前記走行モータの回転速度を前記第1速度にする第1状態と、前記走行モータの回転速度を前記第2速度にする第2状態とに切換可能な走行切換弁と、
前記第2状態から前記第1状態に切り換える減速に切り換える場合に、前記原動機の回転数を低下させるショック低減制御を行う制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記原動機の目標回転数と前記原動機の実回転数との差であるドロップ量に基づいて、前記ショック低減制御における前記原動機の回転数の低下量を設定し、
前記制御装置は、前記ドロップ量が小さい場合は前記低下量を大きく設定し、前記ドロップ量が大きい場合は前記低下量を小さく設定する作業機。 - 前記制御装置は、前記原動機の実回転数から前記低下量を減算した値を、前記ショック低減制御における前記原動機の低減値とする請求項1に記載の作業機。
- 前記制御装置は、前記原動機の実回転数が低減値に達するまでの低減区間において、前記低減区間の始点から終点までの前記原動機の実回転数の第1低下速度を一定にする請求項2に記載の作業機。
- 前記制御装置は、前記原動機の実回転数が低減値に達するまでの低減区間において、前記低減区間の始点から前記低減区間の途中までの前記原動機の実回転数の第2低下速度を、前記低減区間の中途から終点までの前記原動機の実回転数の第3低下速度よりも大きくする請求項2に記載の作業機。
- 前記制御装置は、前記ドロップ量に応じて前記走行切換弁を前記第2状態から第1状態に切り換える場合のタイミングを変更する請求項1~4のいずれかに記載の作業機。
- 増速及び減速のいずれかの変速指令を行う切換スイッチと、
前記原動機の目標回転数を設定するアクセルと、
を備え、
前記制御装置は、前記切換スイッチが前記変速指令を行った場合に、前記原動機の実回転数を、前記低減値に向けて低下させ、前記走行切換弁を前記変速指令に応じて前記第1状態及び前記第2状態のいずれかに切り換える請求項2~4のいずれかに記載の作業機。 - 前記機体の左側に設けられた第1走行装置と、
前記機体の右側に設けられた第2走行装置と、
を備え、
前記走行モータは、前記第1走行装置に走行の動力を伝達する第1走行モータ及び前記第2走行装置に走行の動力を伝達する第2走行モータであり、
前記走行ポンプは、前記第1走行モータ及び前記第2走行モータを作動可能であり、
前記走行切換弁は、前記第1走行モータ及び前記第2走行モータを前記第1速度と前記第2速度とに切り換え可能である請求項1~6のいずれかに記載の作業機。
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