JPH11173411A - 油圧駆動式作業車両の走行装置およびその制御方法 - Google Patents

油圧駆動式作業車両の走行装置およびその制御方法

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JPH11173411A
JPH11173411A JP34859797A JP34859797A JPH11173411A JP H11173411 A JPH11173411 A JP H11173411A JP 34859797 A JP34859797 A JP 34859797A JP 34859797 A JP34859797 A JP 34859797A JP H11173411 A JPH11173411 A JP H11173411A
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hydraulic pump
traveling
vehicle
switching valve
speed
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JP34859797A
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Inventor
Masao Fukuda
正男 福田
Hiroaki Inoue
宏昭 井上
Nobuo Matsuyama
伸生 松山
Morita Hayashi
盛太 林
Sadao Nunotani
貞夫 布谷
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンにより駆動される油圧ポンプと、油
圧モータにより駆動輪を駆動して走行する油圧駆動式車
両に作業機を装着した油圧駆動式作業車両を、高速走行
する時には作業機用油圧ポンプからの吐出油を作業機駆
動用油圧回路から走行用ポンプの吐出回路に合流させる
油圧回路で、作業車両の降坂走行時などに発生が予想さ
れるオーバーランの現象を防止できる、簡素な構成の油
圧駆動式作業車両の走行装置およびその制御方法を提供
する。 【解決手段】 作業機用油圧ポンプ3からの吐出油の応
援を受けて車両の高速走行を選択するHi−Loスイッ
チ19と、Hi−Loスイッチ19からの高速走行指令
を受け、第1切換バルブ10に切換信号を出力する第2
切換バルブ17と、走行用油圧ポンプ2の吐出回路2a
の圧力が所定圧力より低下した時に第1切換バルブ10
の切換を復帰させるパイロットピストン13とを有する
油圧駆動式作業車両の走行装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧駆動式作業車両
の走行装置およびその制御方法に係わり、特に、エンジ
ンにより駆動される作業車両用および走行用のそれぞれ
の油圧ポンプと、その油圧ポンプからの油圧を受ける油
圧モータにより駆動輪を駆動して走行する油圧駆動式作
業車両の走行装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンによって走行用油圧ポンプと作
業機用油圧ポンプを駆動し、走行を閉回路にして走行用
油圧ポンプの吐出圧油で走行モータを回転して駆動輪を
駆動して走行し、走行と別の回路を構成して前記作業機
用油圧ポンプの吐出圧油で作業機用シリンダを伸縮して
作業機を動かすようにした油圧駆動式作業車両が知られ
ている。
【0003】前述の作業車両の油圧回路としては、走行
用油圧ポンプと油圧モータを閉回路に接続して、制御弁
を切換えることにより走行用油圧ポンプの吐出側から圧
油を油圧モータの一方のポートに供給し、油圧モータの
他方のポートからの油は走行用油圧ポンプの吸込側に還
流させて走行駆動する油圧回路が知られている。
【0004】この油圧回路であれば、作業車両が降坂す
る時、車両重量により油圧モータがポンプ作用して走行
用油圧ポンプの吐出量に見合った速度を超える急速度で
降坂する現象(以下、オーバーランと言う。)が生じて
も、閉回路で構成されているので、走行用油圧ポンプが
モータ作用し、駆動源であるエンジンの逆駆動トルクに
より油圧モータの動力を吸収してオーバーランを防ぐこ
とができる。一方、制御弁を微操作すればサーボシリン
ダを介して走行用油圧ポンプの容量(1回転当たりの吐
出量)を変えることができるので、走行速度を最小速度
から最大速度までの範囲で調整することができる。従っ
て、予め、容量の大きい走行用油圧ポンプを選定して最
大容量にて使用すれば、高速走行も可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、閉回路
の構成であると、オーバーランした時には、作業車両の
慣性エネルギー(定格車速の略125%)は、エンジン
の逆駆動トルクにより発生する慣性エネルギーを吸収す
る必要があるため、走行用油圧ポンプおよび油圧モータ
で吸収するためには容量(1回転当たりの吐出容積cc
/rev)を大きくしなければならない。実験の結果か
ら、容量100cc/revの油圧ポンプおよび油圧モ
ータは、120cc/rev(+20%)まで大きくす
る必要がある。また、最大走行速度は油圧ポンプおよび
油圧モータの容量で決まるので、少なくとも油圧ポンプ
は最初から容量の大きい使用する必要があり、大型の作
業車両では、より大きい吐出容積の油圧ポンプが必要に
なるとともに、それに伴いエンジンの出力馬力も大きく
する必要が生じて不経済である。また、大きい吐出容積
の油圧ポンプがない場合には、複数の油圧ポンプを用い
ることが必要であり、油圧回路が複雑になるという問題
がある。
【0006】本発明は上記問題点に着目し、油圧駆動式
作業車両の走行装置およびその制御方法に係わり、特
に、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、油圧モー
タにより駆動輪を駆動して走行する油圧駆動式車両に作
業機を装着した油圧駆動式作業車両を、高速走行する時
には作業機用油圧ポンプからの吐出油を作業機駆動用油
圧回路から走行用ポンプの吐出回路に合流させる油圧回
路で、作業車両の降坂走行時などに発生が予想されるオ
ーバーランの現象を防止できる、簡素な構成の油圧駆動
式作業車両の走行装置およびその制御方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願第1の発明に係わる油圧駆動式作業車両の走行
装置は、エンジンの動力により駆動され車両を走行する
走行用油圧ポンプと、エンジンの動力により駆動され車
両に付設されたバケット等の作業機を駆動する作業機用
油圧ポンプと、作業機用油圧ポンプからの吐出油を、走
行用油圧ポンプの吐出回路あるいは作業機回路のいづれ
か、または両回路に分配する第1切換バルブと、走行用
油圧ポンプ、あるいは、走行用油圧ポンプと作業機用油
圧ポンプからの吐出油を受けて車両を所定の速度で走行
する油圧モータとを有する油圧駆動式作業車両の走行装
置において、作業機用油圧ポンプからの吐出油の応援を
受けて車両の高速走行を選択するHi−Loスイッチ
と、Hi−Loスイッチからの高速走行指令を受け、第
1切換バルブに切換信号を出力する第2切換バルブと、
走行用油圧ポンプの吐出回路の圧力が所定圧力より低下
した時に第1切換バルブの切換を復帰させるパイロット
ピストンとを有することを特徴とする。
【0008】上記構成によれば、Hi−Loスイッチの
信号をHi(高速走行)に操作し、第2切換バルブを切
換えた状態で走行用油圧ポンプの吐出側圧力がパイロッ
トピストンにより予め設定された所定圧力より高けれ
ば、第1切換バルブはパイロットピストンによる拘束が
解除されてパイロット圧により切換わり、作業機用油圧
ポンプの吐出油は走行用油圧ポンプの吐出回路に合流す
る。一方、降坂時オーバーランにより走行用油圧ポンプ
の吐出回路の圧力が、前記所定圧力より低くなると、パ
イロットピストンが第1切換バルブを元の位置に復帰さ
せて合流を中止するか、あるいは、応援流量を減少する
ことにより、油圧モータの駆動圧力が、益々圧力が低下
する。この結果、走行用油圧ポンプの吐出回路と連通す
るパイロット圧供給バルブから走行用バルブの切換え用
供給圧が低下し、走行用バルブは中立位置に戻り、走行
用モータの吐出側の圧力が上昇して走行用モータにより
制動トルクがかかり車両は減速する。これにより、油圧
モータの駆動圧力が再度上昇し、走行用バルブは開く方
向に移動するとともに、油圧モータは、油圧ポンプから
の吐出油により駆動され、オーバランは生じない。した
がって、走行時、必要なときに、走行用油圧ポンプの吐
出油に作業機用油圧ポンプの吐出油を合流させて高速走
行を行うため、走行用油圧ポンプの容量が小さくできる
とともに、高速走行中でも、作業機用油圧ポンプの応援
流量を制御することにより、走行用バルブの応答性を向
上でき、かつ、油圧ポンプからの吐出油により油圧モー
タが駆動されるため、オーバランの発生は確実に防止さ
れる。
【0009】本願第2の発明に係わる油圧駆動式作業車
両の走行装置は、エンジンの動力により駆動され車両を
走行する走行用油圧ポンプと、エンジンの動力により駆
動され車両に付設されたバケット等の作業機を駆動する
作業機用油圧ポンプと、作業機用油圧ポンプからの吐出
油を、走行用油圧ポンプの吐出回路あるいは作業機回路
のいづれか、または両回路に分配する第1切換バルブ
と、走行用油圧ポンプ、あるいは、走行用油圧ポンプと
作業機用油圧ポンプからの吐出油を受けて車両を所定の
速度で走行する油圧モータとを有する油圧駆動式作業車
両の走行装置において、作業機用油圧ポンプからの吐出
油の応援を受けて車両の高速走行を選択するHi−Lo
スイッチと、第1切換バルブに切換信号を出力する第2
切換バルブと、油圧モータの駆動軸に装着されて駆動軸
の回転数を検出する走行用回転センサと、Hi−Loシ
フタからの高速走行指令信号を受けて第1切換バルブに
切換信号を出力するように第2切換バルブに指令を出力
するとともに、走行用回転センサからの信号を受けて車
両の速度が所定値以上になったとき、第1切換バルブの
切り換えを復帰させる信号を第2切換バルブに指令を出
力するコントローラとを有することを特徴とする。
【0010】上記構成によれば、Hi−Loスイッチの
信号をHi(高速走行)に操作すると、コントローラを
介して第2切換バルブを切換えると第1切換バルブはパ
イロット圧により切換わり、作業機用油圧ポンプの吐出
油は走行用油圧ポンプの吐出回路に合流する。一方、降
坂時オーバーランが発生しそうになり油圧モータが、予
め設定された所定回転数を超えると走行用回転センサと
接続するコントローラからの指令により第2切換バルブ
は中立位置に復帰して第1切換バルブを元の位置に復帰
させて合流を中止するか、あるいは、応援流量を減少す
ることにより、第1発明と同様に、走行用バルブは中立
位置に戻り、走行用モータの吐出側の圧力が上昇して走
行用モータにより制動トルクがかかり車両は減速する。
したがって、走行時、油圧モータが所定回転数を超える
と走行用回転センサからの指令により、第1切換バルブ
を元の位置に復帰させるため、精度の良い制御が行える
とともに、第1発明に比べるとパイロットピストンを用
いなくてもよいため構成を簡単にできる。
【0011】本願第3の発明に係わる油圧駆動式作業車
両の走行装置は、エンジンの動力により駆動され車両を
走行する走行用油圧ポンプと、エンジンの動力により駆
動され車両に付設されたバケット等の作業機を駆動する
作業機用油圧ポンプと、作業機用油圧ポンプからの吐出
油を、走行用油圧ポンプの吐出回路あるいは作業機回路
のいづれか、または両回路に分配する第1切換バルブ
と、走行用油圧ポンプ、あるいは、走行用油圧ポンプと
作業機用油圧ポンプからの吐出油を受けて車両を所定の
速度で走行する油圧モータとを有する油圧駆動式作業車
両の走行装置において、作業機用油圧ポンプからの吐出
油の応援を受けて車両の高速走行を選択するHi−Lo
スイッチと、油圧モータの駆動軸に装着されて駆動軸の
回転数を検出する走行用回転センサと、Hi−Loシフ
タからの高速走行指令信号を受けて第1切換バルブに切
換信号を出力するとともに、走行用回転センサからの信
号を受けて車両の速度が所定値以上になったとき、第1
切換バルブの切り換えを復帰させる信号を出力するコン
トローラとを有することを特徴とする。
【0012】上記構成によれば、Hi−Loスイッチの
信号をHi(高速走行)に操作すると、コントローラを
介して第1切換バルブに信号を送り、第1切換バルブを
切換えて作業機用油圧ポンプの吐出油は走行用油圧ポン
プの吐出回路に合流する。一方、降坂時が発生しそうに
なり油圧モータが、予め設定された所定回転数を超える
と走行用回転センサと接続するコントローラからの指令
により第1切換バルブを元の位置に復帰させて合流を中
止するか、あるいは、応援流量を減少することにより、
第1発明と同様に、走行用バルブは中立位置に戻り、走
行用モータの吐出側の圧力が上昇して走行用モータによ
り制動トルクがかかり車両は減速する。したがって、走
行時、油圧モータが所定回転数を超えると走行用回転セ
ンサからの指令により、第1切換バルブを元の位置に復
帰させるため、精度の良い制御が行えるとともに、第2
発明よりさらに構成を簡単にできる。
【0013】本願第4の発明に係わる油圧駆動式作業車
両の走行装置は、エンジンの動力により駆動され車両を
走行する走行用油圧ポンプと、エンジンの動力により駆
動され車両に付設されたバケット等の作業機を駆動する
作業機用油圧ポンプと、作業機用油圧ポンプからの吐出
油を、走行用油圧ポンプの吐出回路あるいは作業機回路
のいづれか、または両回路に分配する第1切換バルブ
と、走行用油圧ポンプ、あるいは、走行用油圧ポンプと
作業機用油圧ポンプからの吐出油を受けて車両を所定の
速度で走行する油圧モータとを有する油圧駆動式作業車
両の走行装置において、作業機用油圧ポンプからの吐出
油の応援を受けて車両の高速走行を選択するHi−Lo
スイッチと、油圧モータを駆動する油圧を検出する圧力
センサと、Hi−Loシフタからの高速走行指令信号を
受けて第1切換バルブに切換信号を出力するとともに、
圧力センサからの信号を受けて油圧モータを駆動する油
圧が所定値以下になったとき、第1切換バルブの切り換
えを復帰させる信号を出力するコントローラとを有する
ことを特徴とする。
【0014】上記構成によれば、第3発明と同様に、H
i−Loスイッチの信号をHi(高速走行)に操作する
と、コントローラを介して第1切換バルブに信号を送
り、第1切換バルブを切換えて作業機用油圧ポンプの吐
出油は走行用油圧ポンプの吐出回路に合流する。一方、
降坂時が発生しそうになり油圧モータを駆動する油圧が
所定値以下になったとき、圧力センサと接続するコント
ローラからの指令により第1切換バルブを元の位置に復
帰させて合流を中止するか、あるいは、応援流量を減少
することにより、第1発明と同様に、走行用バルブは中
立位置に戻り、走行用モータの吐出側の圧力が上昇して
走行用モータにより制動トルクがかかり車両は減速す
る。したがって、走行時、油圧モータが所定回転数を超
えると圧力センサからの指令により、第1切換バルブを
元の位置に復帰させるため、第3発明と同様に、精度の
良い制御が行えると共に、第2発明よりさらに構成を簡
単にできる。
【0015】本願第5の発明に係わる作業車両の油圧駆
動式走行装置は、第3,4の発明のいずれかにおいて、
エンジン回転数を検出するエンジン回転センサ、または
エンジンスロットル開度を検出するスロットル開度セン
サと、エンジン回転数またはエンジンスロットル開度の
増加に応じて、作業機用油圧ポンプから走行用油圧ポン
プの吐出回路に合流する吐出油を増加させるように、第
1切換バルブを制御することを特徴とする。
【0016】上記構成によれば、第1切換バルブを制御
するエンジン回転数信号を、エンジン回転センサまたは
スロットル開度センサで検出するため、精度の高い制御
が可能となり、かつ構成の簡素化により安価となる。
【0017】本願第6の発明に係わる作業車両の油圧駆
動式走行装置は、第3,4の発明のいずれかにおいて、
道路の下り傾斜を検出する傾斜センサと、傾斜センサが
検出した下り傾斜信号を入力して、第1切換バルブのソ
レノイド受信部に出力する制御信号を、下り傾斜の増加
に応じて所定の比率で減ずるコントローラとを有するこ
とを有することを特徴とする。
【0018】上記構成によれば、第1切換バルブは、作
業機用油圧ポンプから走行用油圧ポンプの吐出回路に供
給する吐出油を、下り傾斜の増加に応じて所定の比率で
減少させるように制御されるため、車両は坂道が急にな
る程、減速割合が増加して、下り坂走行における車両の
オーバランを確実に防止できる。
【0019】本願第7の発明に係わる作業車両の油圧駆
動式走行装置は、第1〜6の発明のいずれかにおいて、
Hi−Loスイッチと第2切換バルブ間、コントローラ
と第2切換バルブ間、あるいはコントローラに設置さ
れ、作業機の作動と連動させて油圧モータが受ける作業
機用油圧ポンプからの吐出油を遮断する応援中止手段を
有することを特徴とする油圧駆動式作業車両の走行装
置。
【0020】上記構成によれば、車両の高速走行中に、
作業機を作動すると応援中止手段51aが連動して、油
圧モータ8が受ける作業機用油圧ポンプ3からの吐出油
が遮断される。このため、作業中には車両が自動的に減
速されて、作業し易くなり、作業性が向上する。
【0021】本願第8の発明に係わる油圧駆動式作業車
両の走行装置の制御方法は、エンジンの動力により駆動
され車両を走行する走行用油圧ポンプと、エンジンの動
力により駆動され車両に付設されたバケット等の作業機
を駆動する作業機用油圧ポンプと、作業機用油圧ポンプ
からの吐出油を、走行用油圧ポンプの吐出回路あるいは
作業機回路のいづれか、または両回路に分配する第1切
換バルブと、走行用油圧ポンプ、あるいは、走行用油圧
ポンプと作業機用油圧ポンプからの吐出油を受けて車両
を所定の速度で走行する油圧モータとを有する油圧駆動
式作業車両の走行装置の制御方法において、Hi−Lo
スイッチをHiを選択し、作業機用油圧ポンプからの吐
出油を走行用油圧ポンプの吐出油に合流させて高速走行
中に、車両の速度が所定値を越えたとき、および/ある
いは、油圧モータを駆動する油圧が所定値以下になった
とき、のいずれかにおいて、作業機用油圧ポンプからの
応援を中止し、かつ、油圧モータで制動トルクをかける
とともに、走行用油圧ポンプの吐出油量で油圧モータを
駆動して走行することを特徴とする。
【0022】上記構成によれば、オペレータが高速走行
を行いたいときには、Hi−LoスイッチでHiを選択
することにより、作業機用油圧ポンプと走行用油圧ポン
プとが合流して高速走行が可能になるとともに、その速
度はエンジンの回転数、すなわち、アクセルレバー等に
より制御ができる。また、減速したいときには、Hi−
LoスイッチでHiを切り換えることなく、エンジンの
回転数を制御すれば良いため操作が容易になる。また、
構成の第1発明と同様な効果が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態及び実施例】次に、本発明の実施例
につき図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1
実施例の油圧駆動式作業車両の油圧回路図である。図1
に示すように、エンジン1により走行用油圧ポンプ2と
作業機用油圧ポンプ3と制御用油圧ポンプ4が駆動され
ている。走行回路の走行用油圧ポンプ2の吐出回路2a
は走行用バルブ5の切り換えで第1主回路6と第2主回
路7の一方に接続され、その第1・第2主回路6、7は
油圧モータ8のポート8a、ポート8bに接続してい
る。第1主回路6と第2主回路7に接続される油圧モー
タ8の出力トルクは駆動輪9を駆動する。
【0024】図5に斜線で示すように、エンジン回転数
の高速域では、油圧モータ駆動圧(車両速度)が所定の
高圧Pdより低いときに、作業機用油圧ポンプ3の吐出
油を走行用油圧ポンプ2の吐出回路2aに応援して車両
を高速走行させ、油圧モータ駆動圧が所定の高圧Pd以
上になると、作業機用油圧ポンプ3の吐出油を走行用油
圧ポンプ2の吐出回路2aに応援しないようにして、エ
ンジンに過負荷が作用しないようにしている。但しこの
構成は本発明には直接関係しないため、説明を省略す
る。作業機用油圧ポンプ3の吐出回路3aは、応援回路
12に合流あるいは作業機回路11に分流する合・分流
機能をもつ第1切換バルブ10により、作業機回路11
と応援回路12とに接続するよう制御される。第1切換
バルブ10は3ポートからなり、第1ポートは作業機用
油圧ポンプ3の吐出回路3aに、第2ポートは作業機回
路11に、および、第3ポートは応援回路12に、それ
ぞれ接続されている。また、第1切換バルブ10はD,
M,Eの3位置からなり、D位置は、作業機用油圧ポン
プ3の吐出回路3aから作業機回路11への開口が最大
で、作業機用油圧ポンプ3の吐出回路3aから応援回路
12への開口が遮断されている。M位置ではE位置方向
に移動するにつれて、作業機用油圧ポンプ3の吐出回路
3aから作業機回路11への開口が徐々に減少してE位
置で遮断され、作業機用油圧ポンプ3の吐出回路3aか
ら応援回路12への開口が徐々に増大してE位置で最大
となる。
【0025】第1切換バルブ10の一端部にはパイロッ
トピストン13およびスプリング15が、また、他端部
には受圧部16が配設されている。応援回路12の一方
は、走行用油圧ポンプ2の吐出回路2aに、他方は、パ
イロットピストン13に接続している。パイロットピス
トン13にはスプリング14が有り、パイロットピスト
ン13は前記第1切換バルブ10のスプリング15と合
わせて第1切換バルブ10がD位置となる方向に付勢し
ている。また、第1切換バルブ10の受圧部16には、
制御用油圧ポンプ4の吐出回路4aから分岐した油路に
配設された可変絞り21によって、エンジン回転数に比
例して生じた圧力が作用して、第1切換バルブ10がE
位置となる方向に付勢している。いま、走行用油圧ポン
プ2の吐出回路2a、即ち、応援回路12の油圧P1が
設定値以上で、かつ、第1切換バルブ10の受圧部16
に設定した切換圧P2以上の圧力が作用すると、第1切
換バルブ10はE位置まで切り換わる。また、応援回路
12の油圧P1がより低下して、かつ、第1切換バルブ
10の受圧部16に設定した切換圧P2より低下する
と、これら圧力P1,P2の低下に応じて、第1切換バ
ルブ10がD位置となる方向の付勢力とE位置となる方
向の付勢力とがバランスするM位置まで移動する。この
ようなM位置の各開口に応じて、作業機用油圧ポンプ3
の吐出油が作業機回路11と応援回路12とに分流され
る。さらに、圧力P1あるいはP2が低下すると第1切
換バルブ10はD位置となる。なお、上記においては、
第1切換バルブ10にパイロットピストン13を付設
し、パイロットピストン13が応援回路12の圧力を受
けて第1切換バルブ10を制御しているが、第1切換バ
ルブ10の受圧部16と並列に、応援回路12からの受
圧部を設け、第1切換バルブ10を制御しても良い。
【0026】前記第2切換バルブ17は3ポートからな
り、第1ポートは制御用油圧ポンプ4に、第2ポートは
タンク22に、および、第3ポートは第1切換バルブ1
0の受圧部16に接続されている。前記制御用油圧ポン
プ4の吐出回路4aから分岐した油路は、可変絞り21
を経てタンク22と通じており、制御用油圧ポンプ4の
吐出量に応じた圧力、すなわち、エンジンの回転数に生
じた圧力を発生している。第2切換バルブ17は一方端
部にスプリング18が、他方端部にソレノイド20が配
設され、通常では、スプリング18でF位置に保持され
ている。F位置では、第2切換バルブ17はタンク22
に接続され、第1切換バルブ10の受圧部16を低圧に
している。一方、第2切換バルブ17のソレノイド20
が、Hi−Loスイッチ19からのHi(高速走行)信
号を受信するとG位置に切換わり制御用油圧ポンプ4の
油圧が第1切換バルブ10の受圧部16に導かれる。こ
の第1切換バルブ10の受圧部16に導かれた圧力が設
定した切換圧P2以上になると第1切換バルブ10はE
位置に切換わり、作業機用油圧ポンプ3の吐出油は応援
回路12に流れる。
【0027】走行用バルブ5はポンプポート23、タン
クポート24、第1、第2アクチュエータポート25、
26が有り、ポンプポート23に可変容量型の走行用油
圧ポンプ2の吐出回路2aが接続し、タンクポート24
にタンク22が接続し、第1アクチュエータポート25
に第1主回路6が接続し、第2アクチュエータポート2
6に第2主回路7が接続している。前記走行用バルブ5
は、一端部に第1スプリング28および第1受圧部30
が、また、他端部に第2スプリング29および第2受圧
部31が配設されている。走行用バルブ5は、第1・第
2スプリング28、29で中立位置Aに保持され、か
つ、第1受圧部30の圧力で第1位置Bに、また第2受
圧部31の圧力で第2位置Cに切換わるパイロット圧切
換式となっている。走行用バルブ5が中立位置Aには、
第1・第2チェック弁32、33および絞り34が配設
され、第1チェック弁32はポンプポート23と第1主
回路6の間に、また、第2チェック弁33はポンプポー
ト23と第2主回路7の間で、かつ、ポンプポート23
から第1、第2アクチュエータポート25、26に向け
て流れ、第1、第2アクチュエータポート25、26か
らポンプポート23に向けて流れが阻止するように配設
されている。絞り34は、ポンプポート23とタンクポ
ート24の間に配設され、タンク22への流れを絞って
所定の圧力を発生し、油圧モータ8への第1主回路6お
よび第2主回路7が負圧になるのを防止している。前記
走行用バルブ5の第1・第2受圧部30、31には、後
述するパイロット圧供給弁35を経た第1・第2主回路
6、7の圧力がパイロット圧力として供給される。
【0028】パイロット圧供給弁35は、第1・第2・
第3・第4ポート36、37、38、39とタンクポー
ト40を有し、第1ポート36は第1パイロット回路4
1から第2主回路7に接続し、第2ポート37は第2パ
イロット回路42から第2受圧部31に接続し、第3ポ
ート38は第3パイロット回路43から第1主回路6に
接続し、第4ポート39は第4パイロット回路44から
第1受圧部30に接続し、タンクポート40はタンク4
5に接続し、作動時には第1主回路6の圧力を走行用バ
ルブ5の第1受圧部30に、あるいは第2主回路7の圧
力を走行用バルブ5の第2受圧部31にパイロット圧力
として供給している。前記パイロット圧供給弁35は、
一端部に第1スプリング46および第1ソレノイド受信
部48が、また、他端部に第2スプリング47および第
2ソレノイド受信部49が配設されている。パイロット
圧供給弁35は、第1・第2スプリング46、47で中
立位置Fに保持され、かつ、第1ソレノイド受信部48
により第1位置Gとなり、第2ソレノイド受信部49に
より第2位置Hとなる電磁切換式となり、第1・第2ソ
レノイド受信部48、49には操作部材50を操作する
ことで電流が供給される。
【0029】操作部材50は、前進あるいは後進を選択
するときに用い、例えば、第2主回路7を前進の時の回
路とすると、操作部材50を図示の右側に操作し、第1
ソレノイド受信部48に電流を送り、パイロット圧供給
弁35を第1位置Gに切り換える。パイロット圧供給弁
35は、走行用バルブ5の第2受圧部31に第2主回路
7の圧力をパイロット圧として供給し、走行用バルブ5
はC位置となり、走行用油圧ポンプ2は、走行用バルブ
5および第2主回路7を経て、油圧モータ8を前進方向
に回転させる。後進は、この反対であり、操作部材50
を図示の左側に操作し、第2ソレノイド受信部49に電
流を送ることにより行われる。Hi−Loスイッチ19
は、オペレータが高速走行を選択するときのスイッチで
あり、スイッチを押して通電することによりHiが選択
され、第2切換バルブ17が作動して作業車両は高速走
行が可能となる。Hi−Loスイッチ19と第2切換バ
ルブ17間には、油圧モータ8が受ける作業機用油圧ポ
ンプ3からの吐出油を遮断する応援中止手段51aが介
設されており、作業機の作動と連動させて作業中には自
動的に車両を減速して、作業し易いようになっている。
【0030】次に走行動作を説明する。例えば、作業車
両を前進走行させるため操作部材50を操作しパイロッ
ト圧供給弁35を第1位置Gに切換えると、絞り34に
よって絞られた第2主回路7の所定の圧力が走行用バル
ブ5の第2受圧部31にパイロット圧として供給されて
走行用バルブ5はC位置となり、走行用油圧ポンプ2の
吐出圧油が第2主回路7に供給されると共に、第1主回
路6の油はタンク22に流れて油圧モータ8と接続す
る。これにより、油圧モータ8は走行用油圧ポンプ2か
らの吐出圧油を受け、駆動軸9を前進方向に回転駆動す
る。この状態でオペレータがエンジン1の回転数を高速
回転にすると、走行用油圧ポンプ2の吐出流量は多くな
り、油圧モータ8も高速回転して駆動輪9が高速で駆動
されて作業車両は高速で走行する。この時の車両速度は
エンジン1の回転数の増加に応じて増大する。
【0031】さらにオペレータが作業車両を高速走行さ
せるためにHi−Loスイッチ19を押し、Hiを選択
操作すると、第2切換バルブ17はソレノイド20に信
号が受信されてG位置に切り換わり、制御用油圧ポンプ
4の油圧が第1切換バルブ10の受圧部16に入って第
1切換バルブ10はE位置方向に切り換わり、第1切換
バルブ10をD位置とする方向の付勢力とバランスする
M位置まで移動する。この結果、作業機用油圧ポンプ3
の吐出油は、応援回路12に通じる第1切換バルブ10
の開口量に応じて、応援回路12を通じて走行用油圧ポ
ンプ2の吐出回路2aに合流し、走行バルブ5のポンプ
ポート23から第2主回路7を経て油圧モータ8のポー
ト8bに入り、駆動輪9を、さらに高速で駆動できる。
【0032】いま、オペレータがHi−Loスイッチ1
9をHiに操作して、アクセルペダルの踏込量を一定に
してエンジン回転数が一定の状態で、作業車両を高速で
降坂走行している時に、作業車両の慣性エネルギーが大
きくなり、油圧モータ8の回転数が走行用油圧ポンプ2
と応援回路12から供給される作業機用油圧ポンプの吐
出量に見合った速度を超えそうになると、すなわち、オ
ーバーランが発生しそうになると第2主回路7の圧力が
低下する。従って、第2主回路7から第1パイロット回
路41、第2切換バルブ17のG位置、および第2パイ
ロット回路42を経て、走行用バルブ5の第2受圧部3
1に作用するパイロット圧力が低下する。これにより、
走行用バルブ5は第1スプリング28によりC位置から
A位置に戻される。走行用バルブ5がA位置に戻される
と、作業車両の慣性エネルギーにより駆動される油圧モ
ータ8から吐出された戻り油は、走行用バルブ5の第1
チェック弁32によりタンク22に戻るのが阻止され、
油圧モータ8からの戻り油は圧力が上昇する。油圧モー
タ8の戻り油の圧力上昇により、油圧モータ8の回転数
は減速されるように制動トルクが生ずる。すなわち、作
業車両にはブレーキが掛かり、作業車両のオーバーラン
の発生を防げる。そのため、走行用バルブ5がよりA位
置に戻されて油圧モータ8の戻り油の圧力上昇により制
動トルクが発生して作業車両にブレーキが作用し、車両
速度が低下すると、再度、第2主回路7の圧力が上昇
し、油圧モータ8は、走行用油圧ポンプ2と応援回路1
2から供給される作業機用油圧ポンプの吐出量に見合っ
た速度にバランスして車両を高速で降坂走行させる。
【0033】一方、高速で降坂走行している時に、油圧
モータ8の回転数が走行用油圧ポンプ2と、応援回路1
2から合流する作業機用油圧ポンプ3の吐出量に見合っ
た速度を超えそうになり、応援回路12の圧力が低下す
ると、パイロットピストン13により第1切換バルブ1
0がD位置となる方向の付勢力が増加する。このとき
に、アクセルペダルの踏込量が一定でエンジン回転数が
一定であると、第1切換バルブ10の受圧部16のパイ
ロット圧により第1切換バルブ10がE位置となる方向
の付勢力は一定であるため、第1切換バルブ10はこれ
ら付勢力がバランスするM位置までD位置となる方向に
移動する。このM位置での応援回路12へ通じる第1切
換バルブ10の開口量は、D位置に近づくほど減少し
て、応援回路12へ合流する作業機用油圧ポンプ3の吐
出量が減少するため、応援回路12の圧力がさらに低下
して油圧モータ8に生ずる制動トルクが増加する。この
ようにして、油圧モータ8は、走行用油圧ポンプ2と、
作業機用油圧ポンプ3から応援回路12への吐出量とに
見合った速度でバランスするまで速く減速される。
【0034】また、作業車両にブレーキが作用し、車両
速度が低下して再度、第2主回路7の圧力が上昇すると
きは、応援回路12の圧力も上昇してパイロットピスト
ン13により第1切換バルブ10がE位置となる方向の
付勢力が増加する。このため、第1切換バルブ10はこ
れら付勢力がバランスするM位置までE位置となる方向
に移動する。このM位置での応援回路12へ通じる第1
切換バルブ10の開口量は、E位置に近づくほど増加し
て、応援回路12へ合流する作業機用油圧ポンプ3の吐
出量が増加するため、応援回路12の圧力がさらに上昇
する。従って、油圧モータ8は、走行用油圧ポンプ2と
応援回路12から供給される作業機用油圧ポンプの吐出
量に見合った速度に、速くバランスして車両を高速で降
坂走行させる。このように、作業車両はオペレータの望
む速度に、速くバランスして降坂走行するためオーバラ
ンが確実に防止される。
【0035】高速で降坂走行中に、オペレータがさらに
減速して降坂したいときには、オペレータは図示しない
アクセルペタル等を操作してエンジン1の回転数を低下
させる。これに伴い、エンジンの回転数に応じた圧力を
発生している可変絞り21による圧力が低下し、パイロ
ット圧供給弁35のG位置を経て、第1切換バルブ10
の受圧部16に作用している圧力も低下する。このと
き、この圧力が第1切換バルブ10の切換圧P2以下に
低下すると、第1切換バルブ10をE位置とする方向の
付勢力が減少するため、第1切換バルブ10はこれら付
勢力がバランスするM位置までD位置となる方向に移動
する。このため、応援回路12へ通じる第1切換バルブ
10のM位置での開口量は、図6に示すように減少し
て、応援回路12へ合流する作業機用油圧ポンプ3の吐
出量も減少する。このようにして、エンジン1の回転数
が一定のまま降坂するときと同様に、油圧モータ8は、
走行用油圧ポンプ2と作業機用油圧ポンプ3から応援回
路12への応援量に見合った速度でバランスして、作業
車両はオーバランを起こすことなくオペレータの望む速
度で降坂走行する。オペレータが減速度を大きくした場
合には、第1切換バルブ10はE位置に切換わり、作業
機用油圧ポンプ3から応援回路12への応援がなくな
り、油圧モータ8は、走行用油圧ポンプ2からの吐出量
のみに見合った速度でバランスして、作業車両はオペレ
ータの望む速度で降坂走行する。上記において、走行用
バルブ5は、前記のごとく作業車両に適宜ブレーキを作
動させ、油圧モータ8は、油圧ポンプから供給される供
給量のみで回転し、オーバランを起こすことはない。
【0036】一方、高速で降坂走行中に、オペレータが
さらに減速して降坂したいときについても、エンジン1
の回転数が一定のまま降坂するときと同様に、作業車両
は第1切換バルブ10によりオペレータの望む速度に、
速くバランスして降坂走行するためオーバランが確実に
防止される。
【0037】降坂終了後に、再度高速走行を行いたいと
きには、オペレータは図示しないアクセルペタル等を操
作してエンジン1の回転数を上昇させる。これにより、
第1切換バルブ10の受圧部16に作用する圧力を切換
圧P2以上にすることにより、再度、第1切換バルブ1
0がE位置に戻り、作業機用油圧ポンプ3が応援して高
速走行が可能となる。このように、Hi−Loスイッチ
19がHiに操作されていても、作業車両はオペレータ
の望む速度で降坂走行することができる。
【0038】次に、本発明の第2実施例につき図2の図
面を参照して説明する。なお、図1と同一部品には同一
符号を付して説明は省略する。図2において、作業機回
路11の作業機用油圧ポンプ3の吐出回路3aは、応援
回路12に合流あるいは作業機回路11に分流する合・
分流機能をもつ第1切換バルブ10により、作業機回路
11と応援回路12に接続するよう制御されている。第
1実施例では、第1切換バルブ10に付設して、油圧モ
ータ8を応援する応援回路12からの圧力を受けて第1
切換バルブ10を制御するパイロットピストン13を設
けていたが、第2実施例では省略し、応援回路12は走
行用油圧ポンプ2の吐出回路2aのみに接続している。
第1切換バルブ10は、一端部にスプリング15が、他
端に受圧部16が配設されている。第1切換バルブ10
は、通常ではスプリング15によりD位置に保持されて
いる。一方、受圧部16は、第2切換バルブ17に接続
され、第1実施例と同様に、第2切換バルブ17を経
て、制御用油圧ポンプ4に接続されている。第2切換バ
ルブ17は、一方端部にスプリング18が、他方端部に
ソレノイド20が配設され、また、ソレノイド20はコ
ントローラ51に接続され、コントローラ51からの信
号を受信して第2切換バルブ17を切り換えている。通
常では、第2切換バルブ17はスプリング18でF位置
に保持され、F位置では第2切換バルブ17はタンク2
2に接続され、第1切換バルブ10の受圧部16を低圧
にしている。
【0039】油圧モータ8の駆動軸9には、走行用回転
センサ52が装着され、その信号はコントローラ51に
送信されている。コントローラ51には、Hiを選択し
たときに走行用油圧ポンプ2および作業機用油圧ポンプ
3からの吐出量を受けて高速走行するか、あるいは、L
oを選択したときに走行用油圧ポンプ2のみで走行する
通常走行するか、何れかを選択するHi−Loシフタ5
3が付設されている。コントローラ51には、油圧モー
タ8に流入する圧油量に合わせた油圧モータ8の回転数
(車両速度)の上限規定値と、下限規定値とが設定さ
れ、それぞれ記憶されている。例えば、油圧モータ8に
流入する圧油量Qのときの速度を、車両速度35Km/
Hとすると、上限規定値37Km/Hとし、下限規定値
35Km/Hというように、上限値でオーバランを起こ
さない範囲に設定されている。この上限値、および下限
値は、Hiを選択したときエンジン1のそれぞれの回転
数に応じた制御用油圧ポンプ4の圧力により、第1切換
バルブ10の開口量を設定するとともに、作業機用油圧
ポンプ3からの吐出量を設定し、このときの、走行用油
圧ポンプ2および作業機用油圧ポンプ3からの吐出量を
受けて回転する油圧モータ8の回転数により決めてい
る。また、このときの車両速度の範囲は、ハンチングを
起こさないように設定されている。
【0040】次に走行動作を説明する。作業車両を走行
用油圧ポンプ2のみで走行する動作は第1実施例と同様
である。さらに、オペレータが作業車両を高速走行させ
るためにHi−Loシフタ53をHiに操作すると、コ
ントローラ51を介して第2切換バルブ17のソレノイ
ド20に信号が発信され、切換バルブ17はG位置に切
換わり、制御用油圧ポンプ4の油圧が第1切換バルブ1
0の受圧部16に入って第1切換バルブ10をE位置方
向に切換える。この結果、第1切換バルブ10の受圧部
16には、エンジンの回転数に応じた圧力が供給され、
第1切換バルブ10は圧力に応じて、図1に示す第1実
施例と同様にして図示しないスプールの開口量が規制さ
れ、作業機用油圧ポンプ3から応援回路12への吐出油
が規制される。この作業機用油圧ポンプ3から応援回路
12への吐出油と、エンジンの回転数に応じた走行用油
圧ポンプ2の吐出油とにより、油圧モータ8の回転数、
すなわち、駆動軸9を介して伝えられる作業車両の速度
は所定速度に設定される。駆動輪9の回転数(即ち、車
両速度)の信号は、常に走行用回転センサ52によりコ
ントローラ51に送られている。
【0041】いま、高速で降坂走行中、作業車両の慣性
エネルギーにより作業車両が加速して、エンジンの回転
数に応じた上限規定値を越えそうになると、駆動軸9に
装着されている走行用回転センサ52からの信号を受け
たコントローラ51は、ソレノイド20に指令を出力し
て、第2切換バルブ17をF位置の方向に切換える。第
2切換バルブ17は、制御用油圧ポンプ4からの圧力を
絞り、減圧して第1切換バルブ10の受圧部16に供給
する。これにより、第1切換バルブ10の図示しないス
プールの開口量は減少して、作業機用油圧ポンプ3から
応援回路12への吐出量は減少する。油圧モータ8への
供給量が減少すると、第2主回路7の圧力が低下し、第
1実施例と同様に、走行用バルブ5の第2受圧部31に
作用するパイロット圧力が低下する。これにより、走行
用バルブ5は第1スプリング28によりC位置からA位
置に戻され、油圧モータ8から吐出された戻り油の圧力
が上昇し、油圧モータ8の回転数は減速されるように制
動トルクが生ずる。すなわち、車両速度は、減速し所定
速度に維持される。この制動トルクが大きくて、車両速
度が下限規定値以下になるときは、上記の反対に作動
し、作業機用油圧ポンプ3から応援回路12への吐出量
は増大し、車両速度を速くする。降坂終了後に、再度高
速走行を行いたいときは、第1実施例と同一のため説明
は省略する。
【0042】次に、図3を参照して、本発明の第3実施
例を説明する。なお、図1,2と同一部品には同一符号
を付して説明は省略する。以下の実施例では、主に次の
構成が異なる。第1実施例あるいは第2実施例では、エ
ンジン1の回転数は制御用油圧ポンプ4からの吐出量を
可変絞り21で絞り、その圧力を第1切換バルブ10に
作用させていたが、第3実施例以下では、エンジン1の
回転数をエンジン回転センサ58、またはエンジンスロ
ットル開度を検出するスロットルセンサ(図示省略)に
より検出し、その信号により第1切換バルブ10を制御
している。また、第3実施例から第5実施例まではコン
トローラ51に入力する3種類の信号の組合わせのみ異
なる発明であるため、図4には符号を併記している。図
3において、作業機用油圧ポンプ3の吐出回路3aは、
応援回路12に合流あるいは作業機回路11に分流する
合・分流機能をもつ第1切換バルブ10により作業機回
路11と応援回路12とに接続するよう制御されてい
る。第1切換バルブ10は、一端にスプリング15が、
他端にソレノイド受信部16aが配設されている。第1
切換バルブ10は、通常ではスプリング15によりD位
置に保持されている。また、ソレノイド受信部16a
は、コントローラ51に接続されている。作業機用油圧
ポンプ3および走行用油圧ポンプ2を駆動するエンジン
1の駆動軸には、エンジン1の回転数を検出するエンジ
ン回転センサ58が配設されている。第2実施例と同様
に、油圧モータ8の駆動軸9には、走行用回転センサ5
2が装着されている。圧力センサ57、エンジン回転セ
ンサ58、および走行用回転センサ52からの信号はコ
ントローラ51に送信されている。
【0043】また、道路の下り傾斜を検出する傾斜セン
サ70と、傾斜センサ70が検出した下り傾斜信号を入
力して、第1切換バルブ10のソレノイド受信部16a
に出力する制御信号を、下り傾斜の増加に応じて所定の
比率で減少するコントローラ51とを設置している他
は、第2実施例と同様のため、図2と同一部品には同一
符号を付して説明は省略する。
【0044】次に、第3実施例について説明する。第2
実施例ではエンジン1の回転数が油圧により検出されて
いたのを、第3実施例ではエンジン回転センサ58によ
り検出するように変更している。また、第1切換バルブ
10は、第2実施例では油圧により切り換わっていた
が、第3実施例ではコントローラ51からの指令により
切り換わる。
【0045】次に走行動作を説明する。作業車両を走行
用油圧ポンプ2のみで走行する動作は第2実施例と同様
である。さらに、オペレータが作業車両を高速走行させ
るためにHi−Loシフタ53をHiに操作すると、コ
ントローラ51を介して第1切換バルブ10のソレノイ
ド受信部16aに制御信号が発信され、第1切換バルブ
10は、D位置からE位置まで制御信号に応じて、応援
回路12へ通じる開口量を増加させるM位置の所定位置
に保持される。このとき、コントローラ51は、エンジ
ン回転センサ58からの信号を受けて、当初に設定され
てコントローラ51に記憶されているエンジン回転数に
応じた指令を第1切換バルブ10のソレノイド受信部1
6aに出力する。第1切換バルブ10は指令を受けて、
図示しないスプールが当初に設定された開口量だけ開く
ように移動し、第1切換バルブ10は作業機用油圧ポン
プ3から所定の吐出油量を応援回路12へ流す。この結
果、作業機用油圧ポンプ3から応援回路12への吐出油
と、エンジンの回転数に応じた走行用油圧ポンプ2の吐
出油とにより、油圧モータ8の回転数、すなわち、駆動
軸9を介して伝えられる作業車両の走行速度は所定速度
に設定される。この走行速度が下限規定値以下になると
きは、作業機用油圧ポンプ3から応援回路12への吐出
量は増大し、反対に、車両速度が上限規定値以上になる
ときは、作業機用油圧ポンプ3から応援回路12への吐
出量は減少し、車両速度を遅くする。
【0046】いま、高速で降坂走行中、作業車両の慣性
エネルギーにより作業車両が加速して、エンジンの回転
数に応じた上限規定値を越えそうになると、駆動軸9に
装着されている走行用回転センサ52からの信号を受け
たコントローラ51は、第1切換バルブ10のソレノイ
ド受信部16aに指令を出力して、図示しないスプール
の開口量は減少して、作業機用油圧ポンプ3から応援回
路12への吐出量は減少する。油圧モータ8への供給量
が減少すると、第2主回路7の圧力が低下し、第1実施
例と同様に、走行用バルブ5の第2受圧部31に作用す
るパイロット圧力が低下する。これにより、走行用バル
ブ5は第1スプリング28によりC位置からA位置に戻
され、油圧モータ8から吐出された戻り油の圧力が上昇
し、油圧モータ8の回転数は減速されるように制動トル
クが生ずる。すなわち、車両速度は、減速し所定速度に
維持される。この制動トルクが大きくて、車両速度が下
限規定値以下になるときは、上記の反対に作動し、作業
機用油圧ポンプ3から応援回路12への吐出量は増大
し、車両速度を速くする。また、図7に示すように、コ
ントローラ51が傾斜センサ70から下り傾斜信号を入
力すると、ソレイド受信部16aに出力する第1切換バ
ルブ10の制御信号に対する、応援回路12に通ずる第
1切換バルブ10の開口量を、走行路が急勾配になる
程、所定の比率で減少するように制御される。このた
め、車両は坂道が急になる程、減速割合が増加して、下
り坂走行における車両のオーバランが確実に防止され
る。
【0047】降坂終了後に、再度、高速走行を行いたい
ときは、オペレータは図示しないアクセルペタル等を操
作してエンジン1の回転数を上昇させる。これにより、
エンジン回転センサ58からの信号を受けて、コントロ
ーラ51は、第1切換バルブ10のソレノイド受信部1
6aに指令を出力して、再度、第1切換バルブ10がE
位置方向に戻り、作業機用油圧ポンプ3が応援して高速
走行が可能となる。このように、Hi−Loスイッチ1
9がHiに操作されていても、作業車両はオペレータの
望む速度で降坂走行することができる。なお、上記実施
例では、第1切換バルブ10は、エンジン回転数に応じ
てスプールを移動し開口量を設定するとともに応援量も
設定したが、Hi−Loシフタ53のHi信号を受け
て、第1切換バルブ10はスプールがフルストローク移
動し、作業機用油圧ポンプ3の吐出量を走行に全量応援
させ、速度が所定速度を越えるときに、作業機用油圧ポ
ンプ3からの応援量を制御するようにしても良い。
【0048】次に、本発明の第4実施例につき図3を参
照して説明する。第3実施例では走行用回転センサ52
を用いていたが、第4実施例では走行用油圧ポンプ2の
吐出回路2aに装着した圧力センサ57を用いている。
また、圧力センサ57は、図3ではポンプの吐出回路に
設けているが、油圧モータ8の入口ポートにそれぞれ設
けても良い。
【0049】次に走行動作を説明する。作業車両を走行
用油圧ポンプ2のみの場合、および作業機用油圧ポンプ
3の吐出圧油を応援回路12を通して走行用油圧ポンプ
2の吐出回路2aに合流させる場合のいずれも第3実施
例と同様であるので説明は省略する。オペレータが作業
車両を高速走行させるときは、第3実施例と同様に、H
i−Loシフタ53をHiに操作すると、コントローラ
51からの指令により、第1切換バルブ10が作動し、
作業機用油圧ポンプ3から所定の吐出油量を応援回路1
2へ流す。この結果、作業機用油圧ポンプ3から応援回
路12への吐出油と、エンジンの回転数に応じた走行用
油圧ポンプ2の吐出油とにより、油圧モータ8は所定の
圧力を受けて回転し、駆動軸9を介して作業車両を所定
の走行速度で走行させる。
【0050】いま、高速で降坂走行中、作業車両の慣性
エネルギーにより作業車両が加速して、作業機用油圧ポ
ンプ3から応援回路12への吐出油と、エンジンの回転
数に応じた走行用油圧ポンプ2の吐出油とで、油圧モー
タ8を駆動する圧力が、所定圧力以下になりそうなと
き、圧力センサ57からの信号を受けたコントローラ5
1は、第1切換バルブ10のソレノイド受信部16aに
指令を出力して、図示しないスプールの開口量は減少し
て、作業機用油圧ポンプ3から応援回路12への吐出量
は減少する。このとき、所定圧力以下とは、油圧モータ
8が通常の平地を走行するための必要圧力よりも低め
で、かつ、走行用バルブ5の切換圧力よりも高めに設定
しておくと良い。油圧モータ8への供給量が減少する
と、第2主回路7の圧力が低下し、第1実施例と同様
に、走行用バルブ5の第2受圧部31に作用するパイロ
ット圧力が低下する。これにより、走行用バルブ5は第
1スプリング28によりC位置からA位置に戻され、油
圧モータ8から吐出された戻り油の圧力が上昇し、油圧
モータ8の回転数は減速されるように制動トルクが生ず
る。すなわち、車両速度は、減速し所定速度に維持され
る。この制動トルクが大きくて、車両速度が下限規定値
以下になるときは、上記の反対に作動し、作業機用油圧
ポンプ3から応援回路12への吐出量は増大し、車両速
度を速くする。
【0051】降坂終了後に、再度高速走行を行いたいと
きは、オペレータは図示しないアクセルペタル等を操作
してエンジン1の回転数を上昇させる。これにより、エ
ンジン回転センサ58および圧力センサ57からの信号
を受けて、油圧モータ8を駆動する圧力が所定圧力を越
えたとき、コントローラ51は、第1切換バルブ10の
ソレノイド受信部16aに指令を出力して、再度、第1
切換バルブ10がE位置に戻り、作業機用油圧ポンプ3
が応援して高速走行が可能となる。このように、Hi−
Loシフタ53がHiに操作されていても、作業車両は
オペレータの望む速度で降坂走行することができる。
【0052】次に、本発明の第5実施例につき図4を参
照して説明する。第4実施例では走行用油圧ポンプ2の
吐出回路2aに装着した圧力センサ57とエンジン回転
センサ58とを用いていたが、第5実施例では、圧力セ
ンサ57のみを用いている。また、この圧力センサ57
は、図4では走行用油圧ポンプ2の吐出回路2aに設け
ているが、油圧モータ8の入口ポートにそれぞれ設けて
も良い。
【0053】次に走行動作を説明する。作業車両を走行
用油圧ポンプ2のみの場合、および作業機用油圧ポンプ
3の吐出圧油を応援回路12を通して走行用油圧ポンプ
2の吐出回路2aと合流させる場合のいずれも第3実施
例と同様であるので説明は省略する。さらに、オペレー
タが作業車両を高速走行させるためにHi−Loシフタ
53をHiに操作すると、コントローラ51を介して第
1切換バルブ10のソレノイド受信部16aに信号が発
信され、第1切換バルブ10はE位置に切換える。この
とき、第1切換バルブ10は指令を受けて、図示しない
スプールがフルストローク(端部に当接するまで)移動
し、第1切換バルブ10は作業機用油圧ポンプ3から所
定の吐出油量を応援回路12へ流す。この結果、エンジ
ンの回転数に応じた作業機用油圧ポンプ3および走行用
油圧ポンプ2の吐出油とにより、油圧モータ8は所定の
圧力を受けて回転し、駆動軸9を介して作業車両を所定
の走行速度で走行させる。作業機用油圧ポンプ3から所
定の吐出油量を応援回路12へ流す。この結果、作業機
用油圧ポンプ3から応援回路12への吐出油と、エンジ
ンの回転数に応じた走行用油圧ポンプ2の吐出油とによ
り、油圧モータ8は所定の圧力を受けて回転し、駆動軸
9を介して作業車両を所定の走行速度で走行させる。
【0054】いま、高速で降坂走行中、作業車両の慣性
エネルギーにより作業車両が加速して、エンジンの回転
数に応じた作業機用油圧ポンプ3および走行用油圧ポン
プ2の吐出油とで、油圧モータ8を駆動する圧力が、所
定圧力以下になりそうなとき、圧力センサ57からの信
号を受けたコントローラ51は、第1切換バルブ10の
ソレノイド受信部16aに指令を出力して、図示しない
スプールの開口量は減少して、作業機用油圧ポンプ3か
ら応援回路12への吐出量は減少する。このとき、所定
圧力以下とは、油圧モータ8が通常の平地を走行するた
めの必要圧力よりも低めで、かつ、走行用バルブ5の切
換圧力の近傍の高めに設定しておくと良い。
【0055】作業機用油圧ポンプ3および走行用油圧ポ
ンプ2から油圧モータ8への供給量が減少すると、第2
主回路7の圧力が低下し、第1実施例と同様に、走行用
バルブ5の第2受圧部31に作用するパイロット圧力が
低下する。これにより、走行用バルブ5は第1スプリン
グ28によりC位置からA位置に戻され、油圧モータ8
から吐出された戻り油の圧力が上昇し、油圧モータ8の
回転速度は減速されるように制動トルクが生ずる。この
制動トルクが大きくて、車両速度が減速されると、油圧
モータ8の駆動は作業機用油圧ポンプ3および走行用油
圧ポンプ2からの吐出油による圧力となり、この駆動圧
力は上昇する。圧力センサ57からの信号を受けたコン
トローラ51は、第1切換バルブ10のソレノイド受信
部16aに指令を出力して、図示しないスプールの開口
量は増加して、作業機用油圧ポンプ3から応援回路12
への吐出量は増加し、車両速度を速くする。すなわち、
車両速度は、所定速度に維持されるとともに、油圧モー
タ8の駆動は作業機用油圧ポンプ3および走行用油圧ポ
ンプ2からの吐出油による圧力に戻りバランスする。
【0056】降坂終了後に、再度高速走行を行いたいと
きは、オペレータは図示しないアクセルペタル等を操作
してエンジン1の回転速度を上昇させる。これにより、
圧力センサ57からの信号を受けて、油圧モータ8を駆
動する圧力が所定圧力を越えたとき、コントローラ51
は、第1切換バルブ10のソレノイド受信部16aに指
令を出力して、再度、第1切換バルブ10がE位置に戻
り、作業機用油圧ポンプ3が応援して高速走行が可能と
なる。このように、Hi−Loスイッチ19がHiに操
作されていても、作業車両はオペレータの望む速度で降
坂走行することができる。
【0057】以上説明した通り、高速走行時に作業機用
油圧ポンプ3の吐出圧油を走行用油圧ポンプ2に供給す
る油圧回路において、降坂時などでオーバーランが発生
しそうになったとき、作業機用油圧ポンプ3からの応援
流量を制御して、走行用バルブ5を確実に作動するよう
にしたので、車両を油圧ポンプからの吐出量に速度にな
るように確実に制動、減速できる。なお、第2の発明か
ら第4の発明では、走行用回転センサ52、走行用油圧
ポンプ2の圧力センサ57、エンジン回転センサ58な
どからの入力信号に対して、コントローラ51、51か
ら出力を開始する設定値には幅を設けてある。即ち、走
行用回転センサ52、エンジン回転センサ58からの入
力信号が設定幅の上限に達したとき、あるいは走行用油
圧ポンプ2の圧力センサ57からの入力信号が設定幅の
下限に達したときにコントローラ51、51は第1切換
バルブ10に切換信号を発信する。また、切換信号発信
中に走行用回転センサ52、エンジン回転センサ58か
らの入力信号が設定幅の下限に達した時に、あるいは走
行用油圧ポンプの圧力センサ57からの入力信号が設定
幅の上限に達したときに、始めて、コントローラ51、
51は第1切換バルブ10への切換信号の発信を停止す
る。従って、設定値が1点の場合に発生する切換バルブ
の磁励振動によるハンチング現象が回避できる。以上の
各実施例を組み合わせることにより、機能を果たすに十
分であるから、車両の使用条件、環境条件、その他の条
件、及び経済性から判断していづれかを選択できるメリ
ットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す油圧回路図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す油圧回路図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す油圧回路図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す油圧回路図である。
【図5】エンジン回転数と油圧モータの駆動圧との関係
を示す図である。
【図6】走行用油圧ポンプの吐出圧と第1切換バルブの
開口量の関係を示す図である。
【図7】第1切換バルブの、制御信号と開口量との関係
を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 走行用油圧ポンプ 3 作業機用油圧ポンプ 4 制御用油圧ポンプ 5 走行用バルブ 8 油圧モータ 9 駆動輪 10 第1切換バルブ 12 応援回路 13 パイロットピストン 16 受圧部 16a ソレノイド受信部 17 第2切換バルブ 19 Hi−Loスイッチ 51 コントローラ 51a 応援中止手段 52 走行用回転センサ 53 Hi−Loシフタ 57 圧力センサ 58 エンジン回転センサ 70 傾斜センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 盛太 栃木県小山市横倉新田400 株式会社小松 製作所小山工場内 (72)発明者 布谷 貞夫 栃木県小山市横倉新田400 株式会社小松 製作所小山工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1) の動力により駆動され車両
    を走行する走行用油圧ポンプ(2) と、エンジン(1) の動
    力により駆動され車両に付設されたバケット等の作業機
    を駆動する作業機用油圧ポンプ(3) と、作業機用油圧ポ
    ンプ(3) からの吐出油を、走行用油圧ポンプ(2) の吐出
    回路(2a)あるいは作業機回路(11)のいづれか、または両
    回路に分配する第1切換バルブ(10)と、走行用油圧ポン
    プ(2)、あるいは、走行用油圧ポンプ(2) と作業機用油
    圧ポンプ(3) からの吐出油を受けて車両を所定の速度で
    走行する油圧モータ(8) とを有する油圧駆動式作業車両
    の走行装置において、作業機用油圧ポンプ(3) からの吐
    出油の応援を受けて車両の高速走行を選択するHi−L
    oスイッチ(19)と、Hi−Loスイッチ(19)からの高速
    走行指令を受け、第1切換バルブ(10)に切換信号を出力
    する第2切換バルブ(17)と、走行用油圧ポンプ(2) の吐
    出回路(2a)の圧力が所定圧力より低下した時に第1切換
    バルブ(10)の切換を復帰させるパイロットピストン(13)
    とを有することを特徴とする油圧駆動式作業車両の走行
    装置。
  2. 【請求項2】 エンジン(1) の動力により駆動され車両
    を走行する走行用油圧ポンプ(2) と、エンジン(1) の動
    力により駆動され車両に付設されたバケット等の作業機
    を駆動する作業機用油圧ポンプ(3) と、作業機用油圧ポ
    ンプ(3) からの吐出油を、走行用油圧ポンプ(2) の吐出
    回路(2a)あるいは作業機回路(11)のいづれか、または両
    回路に分配する第1切換バルブ(10)と、走行用油圧ポン
    プ(2)、あるいは、走行用油圧ポンプ(2) と作業機用油
    圧ポンプ(3) からの吐出油を受けて車両を所定の速度で
    走行する油圧モータ(8) とを有する油圧駆動式作業車両
    の走行装置において、作業機用油圧ポンプ(3) からの吐
    出油の応援を受けて車両の高速走行を選択するHi−L
    oシフタ(53)と、第1切換バルブ(10)に切換信号を出力
    する第2切換バルブ(17)と、油圧モータ(8) の駆動軸
    (9) に装着されて駆動軸(9) の回転数を検出する走行用
    回転センサ(52)と、Hi−Loシフタ(53)からの高速走
    行指令信号を受けて第1切換バルブ(10)に切換信号を出
    力するように第2切換バルブ(17)に指令を出力するとと
    もに、走行用回転センサ(52)からの信号を受けて車両の
    速度が所定値以上になったとき、第1切換バルブ(10)の
    切り換えを復帰させる信号を第2切換バルブ(17)に指令
    を出力するコントローラ(51)とを有することを特徴とす
    る油圧駆動式作業車両の走行装置。
  3. 【請求項3】 エンジン(1) の動力により駆動され車両
    を走行する走行用油圧ポンプ(2) と、エンジン(1) の動
    力により駆動され車両に付設されたバケット等の作業機
    を駆動する作業機用油圧ポンプ(3) と、作業機用油圧ポ
    ンプ(3) からの吐出油を、走行用油圧ポンプ(2) の吐出
    回路(2a)あるいは作業機回路(11)のいづれか、または両
    回路に分配する第1切換バルブ(10)と、走行用油圧ポン
    プ(2)、あるいは、走行用油圧ポンプ(2) と作業機用油
    圧ポンプ(3) からの吐出油を受けて車両を所定の速度で
    走行する油圧モータ(8) とを有する油圧駆動式作業車両
    の走行装置において、作業機用油圧ポンプ(2) からの吐
    出油の応援を受けて車両の高速走行を選択するHi−L
    oシフタ(53)と、油圧モータ(8) の駆動軸(9) に装着さ
    れて駆動軸(9) の回転数を検出する走行用回転センサ
    (9) と、Hi−Loシフタ(53)からの高速走行指令信号
    を受けて第1切換バルブ(10)に切換信号を出力するとと
    もに、走行用回転センサ(52)からの信号を受けて車両の
    速度が所定値以上になったとき、第1切換バルブ(10)の
    切り換えを復帰させる信号を出力するコントローラ(51)
    とを有することを特徴とする油圧駆動式作業車両の走行
    装置。
  4. 【請求項4】 エンジン(1) の動力により駆動され車両
    を走行する走行用油圧ポンプ(2) と、エンジン(1) の動
    力により駆動され車両に付設されたバケット等の作業機
    を駆動する作業機用油圧ポンプ(3) と、作業機用油圧ポ
    ンプ(3) からの吐出油を、走行用油圧ポンプ(2) の吐出
    回路(2a)あるいは作業機回路(11)のいづれか、または両
    回路に分配する第1切換バルブ(10)と、走行用油圧ポン
    プ(2)、あるいは、走行用油圧ポンプ(2) と作業機用油
    圧ポンプ(3) からの吐出油を受けて車両を所定の速度で
    走行する油圧モータ(8) とを有する油圧駆動式作業車両
    の走行装置において、作業機用油圧ポンプ(3) からの吐
    出油の応援を受けて車両の高速走行を選択するHi−L
    oシフタ(53)と、油圧モータ(8) を駆動する油圧を検出
    する圧力センサ(57)と、Hi−Loシフタ(53)からの高
    速走行指令信号を受けて第1切換バルブ(10)に切換信号
    を出力するとともに、圧力センサ(57)からの信号を受け
    て油圧モータ(8)を駆動する油圧が所定値以下になった
    とき、第1切換バルブ(10)の切り換えを復帰させる信号
    を出力するコントローラ(51)とを有することを特徴とす
    る油圧駆動式作業車両の走行装置。
  5. 【請求項5】 請求項3,4のいずれかにおいて、エン
    ジン回転数を検出するエンジン回転センサ(58)、または
    エンジンスロットル開度を検出するスロットル開度セン
    サと、エンジン回転数またはエンジンスロットル開度の
    増加に応じて、作業機用油圧ポンプ(3) から走行用油圧
    ポンプ(2) の吐出回路に合流する吐出油を増加させるよ
    うに、第1切換バルブ(10)を制御することを特徴とする
    油圧駆動式作業車両の走行装置。
  6. 【請求項6】 請求項3,4のいずれかにおいて、道路
    の下り傾斜を検出する傾斜センサ(70)と、傾斜センサ(7
    0)が検出した下り傾斜信号を入力して、第1切換バルブ
    (10)のソレノイド受信部(16a) に出力する制御信号を、
    下り傾斜の増加に応じて所定の比率で減ずるコントロー
    ラ(51)とを有することを特徴とする作業車両の油圧駆動
    式走行装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかにおいて、Hi
    −Loスイッチ(19)と第2切換バルブ(17)間、コントロ
    ーラ(51)と第2切換バルブ(17)間、あるいはコントロー
    ラ(51)に設置され、作業機の作動と連動させて油圧モー
    タ(8) が受ける作業機用油圧ポンプ(3) からの吐出油を
    遮断する応援中止手段(51a) を有することを特徴とする
    作業車両の油圧駆動式走行装置。
  8. 【請求項8】 エンジン(1) の動力により駆動され車両
    を走行する走行用油圧ポンプ(2) と、エンジン(1) の動
    力により駆動され車両に付設されたバケット等の作業機
    を駆動する作業機用油圧ポンプ(3) と、作業機用油圧ポ
    ンプ(3) からの吐出油を、走行用油圧ポンプ(2) の吐出
    回路(2a)あるいは作業機回路(11)のいづれか、または両
    回路に分配する第1切換バルブ(10)と、走行用油圧ポン
    プ(2)、あるいは、走行用油圧ポンプ(2) と作業機用油
    圧ポンプ(3) からの吐出油を受けて車両を所定の速度で
    走行する油圧モータ(8) とを有する油圧駆動式作業車両
    の走行装置の制御方法において、Hi−Loスイッチ(1
    9)をHiを選択し、作業機用油圧ポンプ(3) からの吐出
    油を走行用油圧ポンプ(2) の吐出油に合流させて高速走
    行中に、車両の速度が所定値を越えたとき、および/あ
    るいは、油圧モータ(8) を駆動する油圧が所定値以下に
    なったとき、のいずれかにおいて、作業機用油圧ポンプ
    (3) からの応援を中止し、かつ、油圧モータ(8) で制動
    トルクをかけるとともに、走行用油圧ポンプ(2) の吐出
    油量で油圧モータ(8) を駆動して走行することを特徴と
    する油圧駆動式作業車両の走行装置の制御方法。
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