JP6820396B2 - 表皮材用布帛 - Google Patents

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Description

本発明は、模様付け用布帛及び模様付けされた布帛に関するものであり、主に表皮材用布帛であり、特には、自動車の表皮材用布帛として、天井、ドアトリム、リヤーパッケージなどに好適に使用することができる表皮材用布帛に関するものである。
従来、自動車等の車両用表皮材には、一般的に、その表面用の材料として不織布、織物、編物などの布帛が用いられる。前記不織布としては、ニードルパンチ不織布、ウォーターパンチ不織布に、樹脂加工を施し、伸縮性に優れながらも、複雑な形状に対しても成型性が良好であるものが開発されている。しかし、単に不織布に樹脂加工を施したものでは、表面に特徴がないため車両用の内装に用いるには意匠性に乏しい。一方、織物や編物は意匠性には優れるものの単体ではクッション性に乏しいため、質感が悪いといった問題がある。また織物や編物では、さらに成型性や価格面で不織布より劣る、という問題もある。
不織布の意匠性を向上させる方法としては、例えば特許文献1〜5に示すような、不織布表面にエンボス加工により模様を施した表皮材用布帛や各種用途に使用される不織布が開示されている。
特許文献1は熱融着性繊維を使用して、風合がソフトでありながら成型性と鮮明な模様付けがされた内装表皮材に関するものであるが、通常使用される車両用表皮材表面の耐摩耗性の要求を満たすために熱融着性繊維を多く混綿している。そのためこのような不織布では風合いが硬くなり、特にホットプレスによって複雑な成型をすると成型金型に追従しないためシワが発生するなどの問題が生じていた。
特許文献2は、プレス用金型にエンボス加工を施して、不織布を表面に持つ素材をプレスすることで規則正しいエンボス模様を形成するものであるが、プレス用金型は高価であり、模様毎にプレス用金型を作製することは経済的に困難である。
特許文献3では、意匠性を高めるためにプリント加工とエンボス加工を併用しているが、工程が多く安価に製造することが出来ない。
更に特許文献3及び特許文献4は、エンボス加工を施した表皮材用布帛を熱成型する際にエンボス模様が消失しないように主体となる繊維の融点よりも低い融点/軟化点である低融点繊維やバインダー樹脂を使用して、その温度間でエンボス加工をするものであるが、効果は不足している。
特許文献5は、装飾性に優れ車室内を広く感じられるプリント不織布に関するものであるが、一般的に不織布表面は凹凸があり平滑ではないため鮮明に柄をプリントすることが困難であり、意匠性の効果としては不十分である。
特開2005−54295号公報 特開平9−109795号公報 特開平1−168540号公報 特開平2−139481号公報 特開2014−51268号公報
ところで表皮材用布帛の分野では、白、グレー、ベージュ、黒など多種多様の原着繊維が、1種類または複数種混綿して使用される。近年、黒色、赤色、青色など色の濃いはっきりした色調や、ピンク色・水色・淡黄色などのパステルカラーが採用される例も多く、デザインの多様化に対応するために複数種、例えば2〜6種類の異なる色の繊維を混綿する場合が多い。また、より安価な表皮材用布帛にするために、淡色(明度が高い)の繊維を混綿することも多い。しかしながら本発明者が検討したところによると、淡色(明度が高い)の繊維が混綿された布帛に対し、意匠性を高めるためにエンボス加工で凹凸模様を形成した場合、人間の目には淡色の繊維とエンボスの凹凸模様が同時に視認されてしまうことがわかった。繊維の淡色とエンボスの凹凸模様が同時に視認されてしまうと、意匠性を高めるために形成した凹凸模様がぼやけてしまうという問題が生じてしまう。
この様な状況下、本発明では、エンボスによる凹凸模様が明瞭に視認される表皮材用布帛の提供を課題として掲げた。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、明度75未満の濃色繊維を70重量%以上が含まれる繊維基材に対し、樹脂加工及びエンボス加工を施すことにより、エンボスによる凹凸模様が明瞭となる表皮材用布帛が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る表皮材用布帛は、以下の点に要旨を有する。
[1]明度75未満の濃色繊維を70重量%以上含む繊維基材に、樹脂加工及びエンボス加工が施されていることを特徴とする表皮材用布帛。
[2]繊維基材がニードルパンチ不織布である[1]に記載の表皮材用布帛。
[3]ニードルパンチ加工の針の打ち込み本数が80〜1200本/cm2であり、前記
繊維基材の目付が50〜400g/m2である[1]または[2]に記載の表皮材用布帛

[4]エンボス率が5〜55%であり、表皮材用布帛の厚さに対するエンボスの深さは、表皮材用布帛の厚さの0.125倍以上である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
[5]前記濃色繊維の明度が55以下である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
[6]更に中空繊維、捲縮繊維及び中空捲縮繊維から選ばれる少なくとも1種以上の嵩高繊維が含まれる[1]〜[5]のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
[7]明度75以上の淡色繊維として前記嵩高繊維が含まれる[1]〜[6]のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
[8]更に低融点繊維が含まれ、前記低融点繊維の混綿率が、表皮材用布帛100重量%中、1重量%以上15重量%以下である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
[9]前記樹脂加工が、前記布帛の表面から施されており、その深さが布帛厚さの1/3〜2/3である[1]〜[8]のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
[10]前記樹脂加工用の樹脂のガラス転移温度(Tg)が−35℃以上20℃以下である[1]〜[9]のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
[11]前記濃色繊維として、明度が異なる2種以上の繊維が混綿されている[1]〜[10]のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
[12]タテ方向の10%伸張時モジュラスが90N/5cm未満、ヨコ方向の10%伸
張時モジュラスが70N/5cm未満である[1]〜[11]のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
本発明の表皮材用布帛によれば、明度75未満の濃色繊維を70重量%以上が含まれる繊維基材に対し、樹脂加工及びエンボス加工を施しているため、エンボス部と非エンボス部の差異が明らかとなり、エンボスによる凹凸模様がぶれることなくはっきり視認することが可能となる。これにより表皮材用布帛として意匠性の高いものが得られる。
本発明の表皮材用布帛は、明度75未満の濃色繊維を70重量%以上含む繊維基材に、樹脂加工及びエンボス加工が施されていることを特徴とする。前記表皮材用布帛は、例えば、明度75未満の濃色繊維を70重量%以上含む繊維基材を製造した後、得られた繊維基材に樹脂加工を施し、その後、エンボス加工により凹凸模様を形成することにより製造される。以下、各構成について説明する。
1.繊維及び繊維基材
1−1.繊維
繊維基材には、明度が75未満の濃い色の繊維(以降、「濃色繊維」と称する場合がある)が、繊維基材100重量%中、70重量%以上含まれている。本発明に係る表皮材用布帛は、その意匠性を高めるためにエンボス加工が施されており、型押された凹凸模様(以降、「エンボス部」と称する場合がある)を視認することでデザインを楽しむことができる。しかし濃色繊維の混綿率が低くなると、凹凸模様と型押しされていない部分(以降、「非エンボス部」と称する場合がある)との差がはっきりせずに、柄(凹凸模様)の輪郭がぼやけて視認されてしまう。特に、明度が75〜90程度の淡色繊維と、明度が20〜40程度の濃い色の繊維を混綿するときにこの問題は顕著であるため、従来、内装材のデザインの幅には制約があった。しかし本発明では、濃色繊維の混綿率が70重量%以上になるように調整しているため、このような柄ボケの現象は見られず、エンボスによる凹凸模様が明瞭となる。濃色繊維は柄ボケの点からは多いほど好ましく、濃色繊維の混綿率は、繊維基材100重量%中、例えば、70重量%以上であり、80重量%以上が好ましく、85重量%以上がより好ましく、更に好ましくは90重量%以上であり、より更に好ましくは95重量%以上であり、特に好ましくは100重量%である。
なお繊維の明度は、例えば、実施例に示す方法で測定できる。
前記繊維基材には、濃色繊維の混綿率が70重量%以上であれば、明度が75以上の繊維(以降、「淡色繊維」と称す場合がある)が含まれていてもよい。前記濃色繊維と前記淡色繊維の混綿率(濃色繊維:淡色繊維)は、重量比で、100:0〜70:30が好ましく、95:5〜75:25がより好ましく、92:8〜80:20が更に好ましい。
前記濃色繊維の明度は、例えば72以下が好ましく、より好ましくは70以下であり、更に好ましくは55以下であり、特に好ましくは40以下であり、より更に好ましくは30以下であり、下限は特に限定されないが、例えば10以上である。濃色繊維の明度が低いほど(すなわち、より濃い色の繊維になるほど)、エンボスによる凹凸模様がより明瞭になるため好ましい。
一方、前記淡色繊維の明度は、一般的には、90以下であり、86以下がより好ましい。下限は前述のように75以上であり、77以上であってもよい。
繊維基材が、上記濃色繊維と淡色繊維の両方を含むとき、濃色繊維と淡色繊維の合計は、繊維基材を構成する繊維100重量%中、90重量%以上が好ましく、より好ましくは
95重量%以上であり、更に好ましくは100重量%である。
前記濃色繊維及び前記淡色繊維としては、それぞれ、明度が異なる2種以上の繊維が混綿されていてもよい。特に濃色繊維の場合は、明度が55以下の繊維を含むことが好ましく、この場合、明度が55以下の繊維の混綿率は濃色繊維100重量%中、40重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、65重量%以上であってもよく、上限は特に限定されないが、100重量%であってもよく、90重量%以下であってもよい。
また濃色繊維として明度が異なる2種以上の繊維が混綿される場合、混綿する態様としては、明度10〜55以下の繊維と明度55超〜75未満の繊維を混綿する態様;明度10〜55以下の繊維から明度が異なる2種以上の繊維を混綿する態様;明度55超〜75未満の繊維から明度が異なる2種以上の繊維を混綿する態様;などのいずれであってもよい。また、濃色繊維の混綿率が70重量%以上であれば、明度差の大小によらず、外観、柄消失の点では問題はない。
明度10〜55以下の繊維と明度55超〜75未満の繊維を混綿するとき、混綿率(明度10〜55以下の繊維:明度55超〜75未満の繊維)は、90:10〜10:90が好ましく、80:20〜20:80がより好ましく、75:25〜40:60が更に好ましく、70:30〜55:45が特に好ましい。
明度10〜55以下の繊維から明度が異なる2種以上の繊維を混綿するとき、混綿率(明度10〜30以下の繊維:明度30超〜55以下の繊維)は、90:10〜10:90が好ましく、80:20〜20:80がより好ましく、60:40〜30:70が更に好ましく、45:55〜35:65が特に好ましい。
明度55超〜75未満の繊維から明度が異なる2種以上の繊維を混綿するとき、混綿率(明度55超〜71以下の繊維:明度71超〜75未満の繊維)は、90:10〜10:90が好ましく、80:20〜20:80がより好ましく、75:25〜50:50が更に好ましく、75:25〜55:45が特に好ましい。
前記濃色繊維としては、例えば、黒色、赤色、グレー色、黄色、水色等が好ましく、前記淡色繊維としては、例えば、ベージュ色、淡黄色、白色等が好ましい。後工程として、繊維基材に樹脂加工を施す前後に、印刷などにより、繊維基材を所望の色で着色して、その後エンボス加工を実施することも可能であるが、製造工程を簡略化しより安価・簡便に表皮材用布帛を製造するために、本発明では、前記濃色繊維及び前記淡色繊維として、原着繊維を用いることが好ましい。前記「原着繊維」とは、紡糸前の原液の段階で顔料や染料などの着色剤を混合することにより、着色された原糸である。
繊維基材を構成する繊維としては、例えば、綿、麻、毛、絹等の天然繊維;レーヨン、ポリノジック、キュプラ、レヨセル等の再生繊維;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド繊維;ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリ乳酸繊維、ポリアリレート等のポリエステル繊維;ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維;等が例示でき、これらの繊維を1種、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、耐熱性や耐候性などに優れ、原着繊維の種類が多く、取扱いが容易であることから、主としてポリエステル繊維が使用されることが好ましく、特にポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。前記ポリエステル繊維の使用量は、繊維基材を構成する繊維100重量%中、例えば、80〜100重量%が好ましく、より好ましくは90〜100重量%であり、特に好ましくは100重量%である。
前記の断面形状は特に限定されるものではなく、丸断面;三角形、星形、五角形等の異型断面;のいずれも使用することができる。
1−2.嵩高繊維
更に非エンボス部の質感・触感を高め、表皮材用布帛の低モジュラス化実現、更にはエンボスの凹凸模様の明瞭化のために、繊維基材には、中空繊維、捲縮繊維及び中空捲縮繊維から選ばれる少なくとも1種以上の嵩高繊維が含まれていることが好ましい。これらの嵩高繊維を混綿することにより、非エンボス部のボリューム感が向上して、エンボス部との厚さの差異が大きくなり、エンボスによる凹凸模様がより強調される。また成型時に非エンボス部が圧縮されにくいため、エンボスによる凹凸模様が消失しにくく、意匠性に非常に優れた表皮材用布帛となる。加えて、エンボス加工を施すことにより風合いは多少硬くなるが、非エンボス部のボリューム感によって緩和されるという効果もある。
嵩高繊維は、前記濃色繊維または前記淡色繊維のいずれか一方、若しくは濃色繊維と淡色繊維の両方として含まれていることがより好ましく、淡色繊維のみに嵩高繊維が含まれていることが更に好ましく、嵩高繊維が淡色繊維であるときの明度は、例えば、75以上〜90であり、80〜90がより好ましい。
前記中空繊維とは、例えば、繊維の内部が空洞であり且つ捲縮構造を有していない繊維をいう。中空繊維の中空率は、特に限定されるものではないが、例えば、10%以上が好ましく、より好ましくは15%以上であり、更に好ましくは20%以上である。上限は特に限定されるものではないが、カード機での紡出容易性を考慮すると60%以下が好ましく、より好ましくは50%以下であり、更に好ましくは35%以下であり、入手が容易なことから30%以下であってもよい。中空率は例えば、繊維の断面写真から次式により算出することができる。
中空率(%)=(中空部の断面積/繊維の断面積)×100
前記捲縮繊維とは、例えば、中実で且つスパイラル形状の三次元捲縮構造を有する繊維をいう。捲縮繊維の捲縮率は、例えば16%以上が好ましく、より好ましくは18%以上であり、更に好ましくは19%以上であり、上限は例えば、30%以下が好ましく、より好ましくは25%以下である。捲縮率は、例えば、JIS L1015の8.12.2法に準じて測定することが可能である。
また前記捲縮繊維の捲縮数は、例えば、3個/インチ以上が好ましく、より好ましくは5個/インチ以上であり、更に好ましくは7個/インチ以上であり、例えば、25個/インチ以下が好ましく、より好ましくは20個/インチ以下であり、更に好ましくは15個/インチ以下であり、特に好ましくは12個/インチ以下である。なお本発明において、「インチ」は25.4mmである。また捲縮数は、例えば、JIS L 1015の7.12法に準じて測定できる。
前記捲縮繊維は、顕在型、潜在型のどちらも使用可能である。
前記中空捲縮繊維とは、繊維の内部が空洞であり且つスパイラル形状の三次元捲縮構造を有する繊維をいう。中空捲縮繊維における中空率、捲縮率、捲縮数等は、いずれも中空繊維、捲縮繊維の欄で詳述した通りである。
嵩高繊維としては、捲縮を有する捲縮繊維または中空捲縮繊維が好ましく、より好ましくは中空捲縮繊維である。
嵩高繊維は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリアリレート等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−塩化ビニル共重合体等のアクリル樹脂;等を原料とする合成繊維;レーヨン、ポリノジック等の再生繊維;アセテート繊維、トリアセテート繊維等の半合成繊維;等から形成される各種化学繊維を好ましく使用
することができる。特に、これらの繊維の原料である熱可塑性樹脂材料を用いて、熱収縮率の異なる樹脂を組み合わせた複合繊維も好ましい。本発明では、繊維が熱や湿気等で劣化しにくく、安価で、且つ入手が容易であることからポリエステル樹脂を原料に含む繊維が好ましい。
嵩高繊維としては、熱収縮率の異なる樹脂を同時に押し出した偏心構造や、サイドバイドサイド構造を有する複合繊維(コンジュゲート繊維);熱収縮率の異なる繊維を組み合わせたバイコン繊維;繊維の表側と裏側とで熱処理等の処理の程度を異ならせて立体捲縮を発現させた捲縮繊維;等の各種繊維が例示できる。本発明には、異なる材料を組み合わせた複合繊維がより好ましく、特にサイドバイサイド構造を有する複合繊維が好ましい。このような繊維であれば、捲縮構造がしっかりと維持されるため触感がよく、また成型時の圧力により凹凸模様の潰れを防止することができる。
前記嵩高繊維の使用量は、例えば、繊維基材を構成する繊維100重量%中、1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、10重量%以上が更に好ましく、30重量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましく、20重量%以下が更に好ましい。
1−3.低融点繊維
繊維基材には更に低融点繊維が含まれていることが望ましい。低融点繊維を用いると、エンボス加工時の加熱により低融点繊維が溶融するため、エンボス部と非エンボス部の界面がよりシャープになり、凹凸模様の輪郭は明瞭なものとなりやすい。またエンボスロールの熱の影響によりエンボス部だけではなく非エンボス部も表面が平滑になるため、触感も改善し、耐スクラッチ性や耐摩耗性も良好なものとなる。繊維基材をニードルパンチ加工等の機械的絡合法による不織布とする場合には、更に、低融点繊維を用いると、加熱により一部または全部が溶融した低融点繊維が、繊維基材を構成する他の繊維と接合するため、ニードルパンチ加工の条件を変更して繊維の交絡を緩くできるため、低モジュラスを実現できる上、ニードルパンチ加工によるパンチマークも目立たなくなるため、意匠性がより向上するといった利点もある。
低融点繊維は、前記濃色繊維または前記淡色繊維のいずれか一方、若しくは濃色繊維と淡色繊維の両方として含まれていることがより好ましく、淡色繊維のみに低融点繊維が含まれていることが更に好ましく、嵩高繊維が淡色繊維であるときの明度は、例えば、75以上〜90であり、80〜90がより好ましい。
本発明において「低融点繊維」とは、繊維基材の骨格を形成する濃色繊維よりも、融点が30℃以上低い繊維として定義する。融点差が30℃未満であると、加熱条件によっては、濃色繊維及び低融点繊維の両方が溶融又は軟化して繊維基材が固化する虞があるため好ましくない。低融点繊維の融点は、濃色繊維の融点よりも60℃以上低いことがより望ましい。また低融点繊維の融点の下限は特に限定されるものではないが、例えば、濃色繊維の融点から180℃以下が好ましく、より好ましくは濃色繊維の融点から160℃以下である。低融点繊維の融点は、例えば、80〜200℃であることが好ましく、より好ましくは80〜160℃である。
低融点繊維の形態は、特に限定されないが、低融点繊維としては、ポリエチレン−ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリエステル、ポリエステル−変性ポリエステル等の融点の異なる複数の樹脂からなる芯鞘構造、偏心構造、あるいはサイドバイサイド構造を有する複合繊維;変性ポリエステル繊維;変性ポリアミド繊維;変性ポリプロピレン繊維等の変性ポリオレフィン繊維;等が使用できる。中でも、生産性がよく入手が容易であることから、芯鞘構造を有する複合繊維が好ましいが、単一の樹脂からなる低融点繊維であっても問題はない。
低融点繊維の混綿率は、繊維基材100重量%中、1重量%以上が好ましく、より好ましくは2重量%以上であり、更に好ましくは3重量%以上であり、特に好ましくは4重量%以上である。上限は例えば、15重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以下であり、更に8重量%以下が好ましい。低融点繊維の配合比率が上限値を超えると、繊維基材が硬くなる虞があるため好ましくない。
低融点繊維とは、ポリエステル−変性ポリエステル、ナイロン−変性ナイロン、オレフィン系樹脂であるポリエチレン−ポリプロピレン等の融点の異なる複数の樹脂からなる芯鞘構造あるいはサイドバイサイド構造を有する複合繊維や単一の樹脂からなる低融点繊維等があるが、ポリエステル−変性ポリエステル樹脂からなる芯鞘構造を有する複合繊維が融点の選択範囲が広く好適に使用される。低融点樹脂の融点は使用される繊維の種類やエンボス加工及び成型加工の温度などの製造条件によるが、濃色繊維の融点よりも30〜100℃程度低ければ、エンボス部がよりシャープになりながら、耐熱性にも優れるため好ましい。特に低融点樹脂が結晶性の樹脂からなる低融点繊維であれば、成型する際に再溶融することがなく模様の消失をより防止することが可能である。
繊維基材に使用される繊維(前述した濃色繊維、淡色繊維、嵩高繊維、低融点繊維など)の繊度は、例えば、0.8〜8dtexが好ましく、さらに好ましくは1.1〜7dtex、さらに好ましくは1.4〜3.3dtexである。繊度が1.0dtex未満では、通気性が低くなることにより吸音性が悪化するだけでなくカード機での紡出性が悪いため好ましくない。8dtexより大きくなると、特にエンボス部は厚さが薄いため成型する際に接着剤が染み出したり、圧密により平滑化されるため、繊維基材全体の明度に対して低い/高い繊維の繊維感が強くなりすぎるため好ましくない。
中でも前述した嵩高繊維の繊度は、例えば、4〜8dtexが好ましく、より好ましくは5.5〜7.5dtexである。
また低融点繊維の繊度は、0.8〜6dtexが好ましく1.5〜5dtexが好ましい。低融点繊維の繊度が前記範囲内であれば、低融点繊維が溶融しやすく、加熱処理時間を短縮できる。
繊維基材に使用される繊維の繊維長は、15〜152mmが好ましく、より好ましくは30〜100mmである。
1−4.繊維基材
表皮材用布帛に使用される繊維基材は、不織布、織物、編物等のいずれであってもよいが、成型性に優れることから不織布が望ましい。前記不織布としては、長繊維不織布、短繊維不織布のいずれも使用することができるが、特に短繊維不織布が好ましい。
不織布としては、スパンボンド不織布;サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、水流絡合法、ステッチボンド法等の各種結合方法により得られた乾式不織布;サーマルボンド法、ケミカルボンド法、スパンレース法等の各種結合方法により得られた湿式不織布;等が例示できる。本発明では、低モジュラス実現のため、ニードルパンチ法、水流絡合法などの機械的絡合法が好ましく、より好ましくはニードルパンチ法である。
繊維基材の製造方法は、前記繊維基材が不織布である場合、公知の方法で製造することが可能である。例えば、繊維を計量した後混綿し、その後、カード機を用いてカーディングした後、クロスラッパーによりラッピングし、クロスレイヤー機等を使用して積層した後、得られた繊維ウエブを、所定の打ち込み本数及び針深さ3〜12mm(より好ましくは4〜9mm)にてニードルパンチ加工を実施するとよい。
表皮材用布帛は、エンボス加工を施さない従来品と比較して、エンボス加工により表皮材用布帛の繊維の一部が固定化(圧密化)されることで高モジュラスとなりやすい。表皮材用布帛が高モジュラスになると、成型時にシワが発生しやすくなる。そのため、ニードルパンチ加工などの機械的交絡処理の製造条件を弱くすることで、繊維の機械的交絡を低減させ、低モジュラスにすることが望ましい。このような観点から、ニードルパンチ加工の針の打ち込み本数を、通常の10〜20%程度に相当する80〜1200本/cm2
すると(エンボス加工していない通常の表皮材用布帛の繊維基材では100〜1500本/cm2程度)、エンボス加工を施しても低モジュラスの内装材を得られる。このため、
優れた意匠性を有しながら、現行使用している成型金型で成型できるという大きなメリットが得られる。針の打ち込み本数はより好ましくは200〜1200本/cm2であり、
更に好ましくは500〜1100本/cm2であり、特に好ましくは700〜1000本
/cm2であり、より更に好ましくは800〜1000本/cm2である。
また、ニードルパンチ加工では、ウエブの上面又は下面の一方を針で突く方法;ウエブの上面及び下面の両面を針で突く方法;のいずれも採用できる。
また、そのほかの手法としてシリコーン油剤処理された繊維を1〜30%程度混綿すると、繊維間の摩擦が低下し過度に繊維が交絡しないため、低モジュラス化を実現することが可能である。
繊維基材の目付や厚さは、使用態様に応じて適宜調整するとよい。目付は50〜400g/m2が好ましく、より好ましくは100〜300g/m2であり、更に好ましくは150〜250g/m2である。また厚さは0.3〜5mmが好ましく、1〜4mmがより好
ましい。
2.樹脂加工
繊維基材に樹脂加工を施すことで、エンボス加工する際の加熱・加圧により、エンボス部に光沢(テカリ)が発生しやすくなる。この光沢により、エンボス部と非エンボス部との差が明瞭なものとなって、凹凸模様がより立体的に見えるという視覚効果が発揮される。特に繊維基材に濃い色調やパステルカラーを用いる場合には、印刷等の手法ではこのような視覚効果を発揮することは難しかったが、本発明によれば可能となる。
使用する樹脂の種類は汎用のものでよく、例えば、アクリル酸及び/またはアクリル酸エステルに由来する構成単位を含むアクリル系バインダー;酢酸ビニルに由来する構成単位を含む酢酸ビニル系バインダー;塩化ビニルに由来する構成単位を含む塩化ビニル系バインダー;ブタジエン−スチレン系、ブタジエン−アクリロニトリル系、クロロプレン系等の合成ゴム系バインダー;ポリエステル系バインダー;ウレタン系バインダー;等が好ましい。これらの樹脂は1種のみでも2種以上を組み合わせても使用することができる。中でも、エンボスの凹凸模様が明瞭で入手が容易なことから、アクリル系バインダーが好ましい。
前記アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2,2−ジメチルプロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−tert−ブチルフェニル、アクリル酸2−ナフチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2,2−ジメチルプロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−tert−ブチルフェニル、メタクリル酸2−ナフチル、メタクリル酸フェニル等のラジカル重合性単量体が例示できる。
エンボスの凹凸模様の明瞭化、表皮材用布帛表面の風合い及び加工性向上の観点から、樹脂加工用の樹脂のガラス転移温度(Tg)は−35℃以上が好ましく、より好ましくは−20℃以上であり、更に好ましくは−10℃以上であり、上限は20℃以下が好ましく、より好ましくは15℃以下であり、更に好ましくは10℃以下であり、特に好ましくは5℃以下である。樹脂のTgが−35℃より低いと、風合いがソフトで低モジュラスである表皮材用布帛が得られるが、エンボス型や成型金型へ樹脂が付着したり、表皮材用布帛の耐摩耗性が低下したり、表皮材用布帛の表面のべたつきが発生して触感が悪くなるため好ましくない。一方、20℃より高くなると、成型する際に金型に対して追従性が悪くシワが発生するため好ましくない。
樹脂加工時のバインダーの形態は特に限定されないが、機械的及び/又は化学的に発泡された発泡性バインダーであってもよい。バインダーを発泡させ、この発泡させた発泡性バインダーを繊維基材に塗布し、その後、発泡性バインダー中の泡の一部又は全部を繊維基材上で破泡することにより、バインダーの繊維基材の厚さ方向に対する浸透度合を制御することができる。
発泡性バインダーには、前述した樹脂に加え、発泡剤、整泡剤、増粘剤などが含まれていることが好ましい。
発泡剤としては、各種界面活性剤が好ましく使用でき、特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル等のノニオン性界面活性剤;モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤;等が好ましく使用できる。
発泡剤の添加量は、発泡性バインダー100重量%中、0.1〜6重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5.5重量%であり、更に好ましくは0.5〜5重量%である。発泡剤の添加量が0.1重量%を下回ると、所望の発泡倍率にまでバインダーを発泡できない虞があるため好ましくない。また、発泡剤の添加量が6重量%を上回ると、塗工後の発泡性バインダーの破泡性が悪くなり、発泡性バインダーが繊維基材の厚さ方向に浸み込みにくくなるため好ましくない。
整泡剤としては、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系の化合物;ステアリン酸アンモニウム等の脂肪酸のアンモニウム塩系の化合物;等が好ましく使用できる。
整泡剤の添加量としては、発泡性バインダー100重量%中、0.05〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜16重量%であり、更に好ましくは0.3〜14重量%である。整泡剤の添加量が0.05重量%を下回ると、泡を均一に形成できない虞がある。また、20重量%を超えても、整泡剤の添加量の増加に伴って、泡をより均一にできるということもないため、整泡剤が無駄になる虞があり、経済的でない。
増粘剤としては、例えば、アルギン酸ソーダなどの天然物由来の増粘剤;ポリウレタン樹脂等の会合系増粘剤;ポリアクリル酸エステル樹脂等のアンモニア系増粘剤;カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系増粘剤;等が挙げられる。中でも、ポリウレタン樹脂等の会合系増粘剤が好適である。
増粘剤の添加量としては、発泡性バインダー100重量%中、0.05〜5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜4.5重量%であり、更に好ましくは0.5〜3重量%である。増粘剤の添加量が0.05重量%を下回ると、発泡性バインダーに適
度な粘度を付与できず、発泡性バインダーを塗工した際に、発泡性バインダーが繊維基材の裏面にまで浸みだしてしまう虞があるため好ましくない。また、増粘剤の量が5重量%を超えると、発泡性バインダーの粘度が高くなりすぎて、発泡性バインダーを十分に発泡できない虞があるため好ましくない。
発泡性バインダーの発泡倍率は、例えば、3〜11.5倍が好ましく、より好ましくは4〜10.5倍であり、更に好ましくは5〜9.5倍である。発泡倍率が3倍を下回ると、発泡性バインダー中に含まれる空気量が低下し、発泡性バインダーが繊維基材を通過し易くなる。これにより、発泡性バインダーが繊維基材の裏側にまで浸透する虞があるため好ましくない。一方、発泡倍率が11.5倍を超えると、発泡性バインダーが繊維基材に深く浸透し難くなるため好ましくない。発泡性バインダーによる具体的な手法の詳細は、例えば、特開2015−003445号公報を参考にするとよい。
樹脂には、内装材としての機能を向上させる目的で、顔料、染料、消臭剤、難燃剤、防汚剤、芳香剤などの機能剤を混合してもよい。また成型する際に塗布される接着剤の染み出しを防止する目的で、撥水剤や防水剤を添加してもよい。前記撥水剤及び前記防水剤としては、非フッ素系のものが好ましく、例えば、サイデン化学社製「サイビノール(登録商標)」シリーズ、日華化学社製「TH−44」、日華化学社製「ネオシード(登録商標)」シリーズ等が挙げられる。
樹脂加工の方法としては、スプレー法、コーティング法、印刷法、転写法などにより繊維基材に塗布する方法;繊維基材にバインダーを含漬させる方法;等が好ましい。本発明では含浸も可能であるが、耐摩耗性を向上させるためには一定以上の樹脂量が必要となる為、表皮材用布帛の風合いが硬くなり成型性に劣るため、中でも塗布が好ましく、スプレー法による塗布がより好ましい。
スプレー法において、オリフィス径は特に限定されず、例えば、0.3〜1mm程度のものが好ましく、0.4〜0.8mmが好ましい。
また前述した発泡性バインダーを塗布する場合には、泡を壊さないようにコーティング法が好ましく、ドクターコーティング法を採用することがより好ましい。
樹脂加工の目的は、主として、耐摩耗性の向上とエンボス部に光沢を出す点にあるため、表皮材用布帛を低モジュラスに仕上げるには、スプレー法においてスプレー圧を調整したり(例えば、1〜5kg/cm2程度)、発泡性バインダーを用いることなどによって
、表皮材用布帛の表層部のみにバインダーを固定するとよい。表皮材用布帛においては、前記樹脂加工が、前記布帛の表面から施されており、その深さが布帛厚さの1/3〜2/3であることが望ましい。
樹脂の固定量(樹脂目付)としては、固形分で、2〜30g/m2が好ましく、より好
ましくは5〜20g/m2であり、更に好ましくは8〜15g/m2である。樹脂目付が前記範囲内であれば、エンボスによる凹凸模様を保持しながら、耐摩耗性に優れ、更に低モジュラスな表皮材用布帛が得られる。一方、樹脂目付が多い場合には、耐摩耗性には優れるものの、風合いが硬く高モジュラスな表皮材用布帛となりやすい。このような場合であっても、例えばスプレー加工の場合には、スプレーチップのオリフィス直径を小さくして樹脂の粒径を小さくしたり、繊維基材がニードルパンチ不織布であれば、打ち込み本数を減らすなどして繊維の交絡を緩くすれば、風合いやモジュラスの点を改善することも可能である。
前記樹脂加工は、繊維基材の少なくとも片面に施されていればよく、両面に施されてい
てもよい。
また樹脂加工前後に、繊維基材を加熱板や加熱ロール間に通過させて繊維基材の表面を平滑化しておくと、繊維基材表面の凹凸が減り、成型工程時の圧力によってエンボスによる凹凸模様がぼやけることを抑制できる。
3.エンボス加工
本発明では、前述した方法で得られた樹脂加工された繊維基材に、更にエンボス加工を施すことで意匠性、成型性及び耐摩耗性に優れた表皮材用布帛が得られる。エンボス加工では、加熱及び加圧の条件下で、樹脂加工された繊維基材に模様となる凹部を形成する。
エンボス加工の条件は模様の種類・深さ・面積及び繊維基材の構成などに応じて、適宜決定すればよいが、温度は130〜240℃(より好ましくは180〜210℃)、圧力は30〜200kg/cm(より好ましくは80〜150kg/cm)程度が好ましい。
エンボスの模様は特に限定されず、カーボンクロス調、織目調、皮しぼ調、ダイヤ柄、ドット、多角形、波形、ストライプ、ハートなどの形状をエンボス型の凸部として形成するとよい。エンボス型の凸部は全て同じ形状・高さである必要はなく、様々な形状・高さにすることでテカリ具合に変化が生じさらに意匠性は向上する。
意匠性、風合い、成型金型への追従性の観点より、エンボス率は5〜55%が好ましく、20〜45%がより好ましく、25〜40%が更に好ましい。
表皮材用布帛の厚さに対するエンボスの深さは、表皮材用布帛の厚さの0.125倍以上であることが好ましく、0.2倍以上がより好ましく、0.25倍以上が更に好ましい。上限は特に限定されないが、0.5倍以下が好ましく、0.4倍以下であってもよい。特に、濃色繊維の混綿率が70重量%以上である繊維基材に、前述の範囲のエンボス率と表面からの深さになるようエンボス加工を施すと、エンボスによる凹凸模様が明瞭となる。しかもエンボス部のテカリにより、明るい色は近く、暗い色は遠く認識するという空間錯覚が引き起こされやすく、車室空間を広く見せるのに非常に効果的である。
またエンボス部の深さは、エンボス部の繊維基材の厚さ(すなわち、繊維基材の厚さからエンボス部の深さを差し引いた長さに相当)の0.15〜0.8倍の範囲である事が好ましく、より好ましくは0.3〜0.6倍である。
本発明に係る表皮材用布帛は、成型のしやすさから伸張特性に優れている。例えば、表皮材用布帛のタテ方向の10%伸張時モジュラスは、90N/5cm未満が好ましく、より好ましくは70N/5cm以下であり、更に好ましくは50N/5cm以下であり、下限は特に限定されないが、例えば40N/5cm以上である。また、表皮材用布帛のヨコ方向の10%伸張時モジュラスは、70N/5cm未満が好ましく、より好ましくは36N/5cm以下であり、更に好ましくは25N/5cm以下であり、下限は特に限定されないが、例えば15N/5cm以上である。
また本発明に係る表皮材用布帛は耐摩耗性にも優れており、例えば、JIS L1913 6.6.1a)に準じて測定される耐摩耗性では、3級以上を発揮でき、更には4級以上、より好ましく4〜5級、更に好ましくは5級を発揮できる。
4.内装材
車用の内装材として成型する際には、基材上に接着材層と本発明の表皮を積層してなる成型材料を、上下の成型金型間に配置して加熱加圧するとよい。基材は、成型品の目的・
用途等によって適宜選択されるが、成型工程において、熱と圧力、又は、圧力のみによって所定形状に賦形されるものが好ましく、通常、ポリウレタンやポリスチレンなどの発泡体、硬質・半硬質の合成樹脂材料、またはこれらの発泡体やガラス繊維等で補強された繊維強化合成樹脂等が用いられ、中でも厚さ3〜5mm程度のポリウレタン樹脂発泡体、ポリスチレン樹脂発泡体、または繊維強化合成樹脂板状体が好適である。
接着材層は、イソシアネート系、アクリル系、合成ゴム系等のエマルジョン接着剤や、合成樹脂系のホットメルト接着剤としてフィルム、シート、ペレットが使用可能であり、特に低融点(80℃〜160℃)ポリアミド樹脂からなるスパンボンド不織布(くもの巣状ホットメルトシート:ダイナック(登録商標))が好適である。
成型方法は既知プレス方法で加圧することによって成型すればよく、予め成型材料を加熱しておいて常温下で加圧するコールドプレス法;上下型の少なくとも下型を加熱しておき、成型材料を加熱加圧するホットプレス法;等、既知の手段が適用される。
成型条件としては、表皮及び基材の種類・形成形状などに合わせて適時決定すればよいが、例えばホットプレスの場合、温度は50〜170℃が好ましく、より好ましくは80〜150℃、プレス時間は10〜60sec程度が好適である。
一般的に、エンボス加工と比較して成型加工の加熱・加圧条件は緩やかとなっているため、本発明の表皮材用布帛を使用すると、エンボスによる凹凸模様を維持することが可能となる。本発明に係る表皮材用布帛は、特に、天井、ドアトリム、リヤーパッケージなどの車両用の表皮材用布帛(すなわち、表皮材用の意匠性外面材)として好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例・比較例で用いた測定方法は以下の通りである。
(エンボス率)
一定面積(S0)のエンボスロール上における凸部の面積(S1)の比率を下式によりエンボス率を算出する。
エンボス率(%)=S1/S0×100
(エンボス深さ)
エンボス加工した不織布より試料を採取して、鋭利なカッターで切断し、その切断された断面を拡大観察して、非エンボス部の厚さ(T0:すなわち不織布の厚さに相当)及び
表面からのエンボス部深さ(T1)を計測する。下式により表面からのエンボス深さを算
出する。
エンボス深さ=T1/T0
(目付)
JIS L1913 6.2に準じる。
(繊維の明度)
繊維をカード機でカーディングして得た繊維ウエブを積層し、ニードル(オルガン製:
品番1−40)を使用して、表面より打ち込み本数60本/cm2、針深さ8mm、次い
で裏面より打ち込み本数90本/cm2、針深さ8mm、その後表面より打ち込み本数1
20本/cm2、針深さ8mmでニードルパンチ加工をした目付100g/m2の不織布表面の明度を、高速分光光度計((株)村上色彩技術研究所製:型番CMS−500:試料窓寸法15.5mm×24mm、観測寸法8mm×16mm)により計測する。
(モジュラス)
JIS L1913 6.3に準じ、実施例・比較例で作製した表皮材用布帛から5cm×20cmの試料を採取し、タテ方向(製造工程における不織布の流れ方向;MD方向)・ヨコ方向(MD方向に直交する方向;CD方向)に対してつかみ間隔10cm、速度20cm/minで引張り、10%伸張時(1cm伸張時)のモジュラスを計測する。モジュラスは、以下の項目に準じて評価した。
◎:モジュラスが非常に低く(タテ:<50N/5cm、ヨコ:<25N/5cmを両方とも満たす)、成型に非常に適している
○:モジュラスが低く(タテ:50N/5cm以上70N/5cm未満、ヨコ:25N/5cm以上36N/5cm未満のいずれかを満たす)、成型に適している
△:モジュラスがやや高いが(タテ:70N/5cm以上90N/5cm未満、ヨコ:36N/5cm以上70N/5cm未満のいずれかを満たす)、成型可能である
×:モジュラスが高く(タテ:≧90N/5cm、ヨコ:≧70N/5cmの両方とも満たす)、成型に適していない
(耐摩耗性)
JIS L1913 6.6.1a)に準じ、摩耗輪CS−10に500gの荷重をかけて50回転後の表面状態を目視で確認する。3級以上のものを評価良好とする。
(成型性)
現行使用している成型金型で成型し、深絞り部分にシワが発生するか目視で確認する。
◎:エンボス加工が無い場合同様に、全くシワが無い
○:かなり小さいシワがあるものの、製品として使用できる
△:小さいシワがあるものの、製品として使用できる
×:大きいシワが多数発生し、製品としては使用できない
(表面意匠性)
成型前後の意匠性について下記の通り評価する。
成型前:外観・触感、成型後:外観・柄の消失・触感
・外観(柄) 柄が明瞭であるかを目視で確認する。
◎:柄が非常に明瞭に確認できる
○:柄が明瞭に確認できる
×:柄がはっきりせずぼやけている
・柄の消失 深絞り部分の柄が消失しているかを目視で確認する。
◎:柄の消失が無く意匠性に非常に優れている
○:やや柄の消失があるものの意匠性に優れている
×:柄の消失があり意匠性に優れていない
・触感 表面を手で触った時の触感を確認する
◎:非常に触感に優れている
○:触感に優れている
△:表面状態が悪く触感が優れていない
本願実施例・比較例で使用される繊維及びバインダーを以下にまとめる。
実施例1
繊度3.3dtex、繊維長51mmの濃グレー色原着ポリエステル繊維(明度43)90重量%と、繊度2.2dtex、繊維長51mmの白色原着ポリエステル繊維(明度80)10重量%をそれぞれ計量し、混綿、カーディング、ラッピングした繊維ウエブを、針本数950本/cm2、針深さ6mmで、繊維ウエブの両面からニードルパンチ加工
を施して190g/m2の不織布を形成後、その片面に、スプレー(スプレーチップのオ
リフィス直径0.66mm)にて、ポリアクリル酸エステル系バインダー(ガラス転移温度:Tg−10℃)をドライ換算10g/m2になるよう塗布して乾燥させ、合計200
g/m2となる模様付け用不織布を得た。
ダイヤ柄の模様を凸部としてエンボス率が35%になるように形成されたエンボスロールを用いて、温度200℃、圧力120kg/cmの条件でエンボス加工を施して、表面にダイヤ柄の模様付けがされた表皮材用布帛を得た。基材(ウレタン発泡体)、接着剤(イソシアネート系)、表皮材の順に積層して、自動車用天井となる成型金型を用いて温度150℃、プレス時間30secの条件で成型した。
実施例2〜14、比較例1〜6
繊維構成、ニードルパンチ条件、目付、樹脂のTg及び樹脂加工の方法、エンボス率を表に示すとおりに変更する以外は、実施例1と同様にして表皮材用布帛を得、その後成型した。
なお実施例5では、以下の方法で発泡性バインダー用の組成物を作製し、汎用の機械発泡機にて、調製した発泡性バインダー用組成物を発泡させ、発泡性バインダーを得た。実施例1と同様にして不織布を形成した後、スプレーによる樹脂加工に代えて、ドクターコーティング法にて、不織布の片面に上記の方法により作製した発泡倍率6〜7倍の発泡性バインダーを塗工し、得られた不織布の片面に発泡性バインダーの一部を不織布内に含浸させた。その後、150℃に加熱した熱風乾燥機に発泡性バインダー塗工後の不織布を導入し、1分間の乾燥処理を行って模様付け用不織布を得た。得られた模様付け用不織布に施すエンボス加工、成型加工は実施例1と同様にして、表皮材用布帛を得た。
〔発泡性バインダー用組成物〕
・ポリアクリル酸エステル系バインダー(Tg:−10℃):20部
・発泡剤(メイフォーマF210):1部
・整泡剤(ステアリン酸アンモニウム33%含有整泡剤、サンノプコ社製「DC−100A」):3部
・増粘剤(ポリウレタン樹脂の会合系増粘剤、日華化学社製「ネオステッカーN」:0.8部
また比較例1〜2では、表に示す繊維をそれぞれ計量し、混綿、カーディング、ラッピングした繊維ウエブを、表に示す条件に基づいてニードルパンチ加工を施して180g/m2の不織布を形成後、樹脂加工に代えて、温度150℃の熱処理機に滞留時間20秒と
なるようにして作製した不織布を導入し、これに熱処理を施して模様付け用不織布を得た。得られた模様付け用不織布に施すエンボス加工、成型加工は実施例1と同様にして、表皮材用布帛を得た。
また比較例3では、エンボス加工を施さなかったこと以外は実施例1と同様にして内装用を得た。
下記表3〜5中、「NP」はニードルパンチ加工を意味し、「NP/TB」はニードルパンチ加工を施した後に、更にサーマルボンド加工を行うことを意味する。
実施例1の表皮材用布帛は、明度75未満の濃色繊維を70重量%以上含んでいるため、エンボスによる凹凸模様が明瞭であった。
実施例2では、実施例1に比べて樹脂目付を5g/m2にまで減らし、浅めのエンボス
で広範囲にエンボス加工を施した。この場合樹脂の固定量が少ないため、低モジュラスを実現できたが、耐摩耗性は4級から3級に低下した。
実施例3では、使用する繊維を、濃グレー色から淡グレー色に変更し、更に白色繊維の混綿率を30%にまで高め、明るいトーンの表皮材用布帛を作成した。加えて、樹脂目付も20g/m2にまで増やした。比較的明るいトーンの表皮材用布帛であっても、濃色繊
維の混綿率が70重量%以上であれば、外観は良好であった。一方、樹脂目付が多いため、モジュラスは実施例1より劣ったが、製品として満足できるレベルであった。
実施例4では、Tgの高いバインダーを用いて樹脂加工を行った。Tgが高いためモジュラスは実施例1より劣ったが、製品として満足できるレベルであった。その他の項目でも良好な結果を得た。
実施例5では、発泡性バインダーを用いて樹脂加工を行った。この場合、表皮材用布帛の厚さ方向にバインダーが部分的に含浸した状態で固化しているため、樹脂加工をスプレーで行った実施例1と比べると、モジュラスの点で若干劣るが、製品として満足できるレベルであり、その他の項目でも良好な結果が得られた。
実施例6では、中空捲縮ポリエステルを含む表皮材用布帛を作製した。捲縮した繊維を含むため、表皮材用布帛は低モジュラスを実現でき、また捲縮繊維のバネ効果により柄は消失し難く、触感にも優れていた。
実施例7では、樹脂目付も20g/m2としたが、スプレーの直径を小さくし、さらに
ニードルパンチ加工の条件を変更して、繊維の交絡を緩くしたため、実施例3と同程度に樹脂が塗布されていても、低モジュラスを実現できた。また樹脂目付が多いため、耐摩耗性も良好であった。
実施例8では、低融点繊維を含む表皮材用布帛を作製した。加熱により低融点繊維の一部または全部が溶融するため、不織布に含まれる他の繊維と接合することができる。そのためニードルパンチ加工の条件を変更して繊維の交絡を緩くできるため、低モジュラスを実現できる。またエンボス加工時の加熱により低融点繊維が溶融するため、凹凸模様の輪郭は明瞭なものとなった。更に金型に対する追従性も良くなるため、成型性にも優れていた。
実施例9では、エンボス率を高め、更に樹脂目付を10g/m2とした以外は実施例3
と同様にして表皮材用布帛を得た。使用する樹脂の量が少ないため、表皮材用布帛は、実施例3に比べて低モジュラスであり、且つ、成型性にも優れていた。
実施例10〜13では、不織布に含まれる繊維の種類を実施例1のものから様々に変更した。実施例10では、不織布に含まれる繊維として、明度72の繊維を40重量%使用したが、繊維の明度が75を下回っていれば、その混綿率がたとえ30重量%を超えたとしても、外観、柄消失の点では問題はなかった。実施例11では明度21の繊維100重量%からなる表皮材用布帛を作製したが、濃色繊維の混綿率が高いほど凹凸模様は非常に明瞭となり、「外観」の点では最良であった。実施例12では、明度21の繊維、明度36の繊維、明度86の繊維という明度差の大きな繊維を組み合わせて表皮材用布帛を作製した。一方、実施例13では、明度70、明度72、明度76という明度差の小さな繊維を組み合わせて表皮材用布帛を作製した。これら実施例12及び実施例13の結果から明らかなように、明度差の大小によらず、濃色繊維の混綿率が70重量%以上であれば、外観、柄消失の点では問題がないことがわかった。
実施例14では、Tgが−30℃の樹脂バインダーを用いて樹脂加工を行った。Tgが低いため耐摩耗性は良好であり、また金型への追従性にも優れるため、成型時に全くシワが発生しなかった。しかしTgが低いためにベタつきを感じ、触感では「△」の評価にとどまった。
一方、比較例1〜2では樹脂加工を行わなかったため、表皮材用布帛を成型加工した後にはエンボスの凹凸模様が消失してしまい、満足できる意匠性は発揮できなかった。また比較例1では低融点繊維の混綿率を高めていたため、モジュラスは高く、硬い感触になってしまった。また、シワが発生しやすく、成型性の点でも劣っていた。比較例2では樹脂加工を行わなかったために、耐摩耗性は「2級」と悪くなっていた。
比較例3ではエンボス加工を実施しなかったため、モジュラスは高かったものの、デザ
インの点で劣っていた。
比較例4〜6では、濃色繊維の混綿率が60重量%の表皮材用布帛を作製した。いずれの例においても濃色繊維の混綿率が低いため、エンボス加工によって形成された凹凸模様は見た目にぼけてしまい、意匠性の点では劣っていた。

Claims (12)

  1. 明度75未満の濃色繊維を70重量%以上含む繊維基材に、樹脂加工及びエンボス加工が施されていて、且つプリント加工が施されていない、樹脂の固定量が2〜15g/m2であることを特徴とする表皮材用布帛。
  2. 繊維基材がニードルパンチ不織布である請求項1に記載の表皮材用布帛。
  3. ニードルパンチ加工の針の打ち込み本数が80〜1200本/cm2であり、前記繊維基材の目付が50〜400g/m2である請求項1または2に記載の表皮材用布帛。
  4. エンボス率が5〜55%であり、表皮材用布帛の厚さに対するエンボスの深さは、表皮材用布帛の厚さの0.125倍以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
  5. 前記濃色繊維の明度が55以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
  6. 更に中空繊維、捲縮繊維及び中空捲縮繊維から選ばれる少なくとも1種以上の嵩高繊維が含まれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
  7. 明度75以上の淡色繊維として前記嵩高繊維が含まれる請求項1〜6のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
  8. 更に低融点繊維が含まれ、前記低融点繊維の混綿率が、表皮材用布帛100重量%中、1重量%以上15重量%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
  9. 前記樹脂加工が、前記布帛の表面から施されており、その深さが布帛厚さの1/3〜2/3である請求項1〜8のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
  10. 前記樹脂加工用の樹脂のガラス転移温度(Tg)が−35℃以上20℃以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
  11. 前記濃色繊維として、明度が異なる2種以上の繊維が混綿されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
  12. 前記樹脂加工の方法が塗布である請求項1〜11のいずれか1項に記載の表皮材用布帛。
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