JP6819088B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。より詳しくは、本発明は、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出を抑制できる画像形成装置に関する。
従来、プリンター、複写機、ファクシミリ又はこれらの複合機等の画像形成装置の使用により、画像形成装置から粒子径が100nm未満の超微粒子が排出されることが指摘されている。そこで、例えば、BlueAngel Mark(BAM(ドイツ連邦材料研究試験機関)の基準)においては、このような超微粒子の放散量が規格化されている。
このような超微粒子の排出を抑える画像形成装置として、画像形成装置内において発生した微粒子粉塵を静電的に回収する静電的集塵手段又はサイクロン方式により捕集するサイクロン集塵手段を備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1は、画像形成装置は静電的集塵手段を使用することにより、超微粒子をイオン化させた後に、静電的に捕集でき、また、サイクロン集塵手段を使用することにより、超微粒子を凝集させて捕集できることを開示している。
また、特許文献1は、吸着剤を担持するフィルター手段を併用することによって、超微粒子を吸着除去できることも開示している。
また、特許文献2は、超微粒子化する前のガス状物質を含むガスを通過させることにより、吸着層の活性炭粒子の作用によってガス状物質を吸着し、除去することができるため、超微粒子自体の発生を抑制でき、結果として画像形成装置からの超微粒子の排出を抑制できることを開示している。
さらに、特許文献3は多孔質樹脂を用いてシロキサンを除去することができることを開示しており、さらに特許文献4はシロキサン類を吸着させた多孔質樹脂を用いてシロキサンを除去できることを開示している。
しかしながら、特許文献1におけるような、静電的集塵手段又はサイクロン集塵手段を画像形成装置に設置することは、画像形成装置のスペース的な問題から困難であるばかりでなく、構造が複雑化するため、実用化は困難であった。
また、特許文献2におけるような化学吸着剤を用いて、活性炭に化学吸着させてガスを除く方法では、化学吸着剤の比表面積が小さく、また、発生成分に対する親和性が高いとはいえず、十分な効果を示すに至っていない。
また、特許文献3におけるような多孔質樹脂では、低揮発有機化合物は吸着しない(特許文献3参照。)。さらに、この多孔質樹脂を使用する際には、圧力損失が大きいため、高圧で排気エアを送り込んで処理する必要がある。これらのことから、特許文献3に記載の多孔質樹脂だけでは十分に画像形成装置からの揮発性化合物及び超微粒子を除去することはできない。
さらに、特許文献4に記載の多孔質樹脂においては、加熱されるとフィルターに吸着しているシロキサン類が脱離してしまうため、画像形成装置からの排気が室温以上に上がったときには、排気に含まれるシロキサンを吸着することができないばかりか、内在していたシロキサンも脱離してしまうおそれがある。
このように、従来の技術では、画像形成装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出を抑制する、という観点においては、改善の余地があった。
特開2010−2803号公報 特開2013−33197号公報 特開2015−174006号公報 特開2013−103154号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出を抑制できる画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、定着処理時に発生する揮発性化合物及び超微粒子を、化学的に親和性の高い多孔質樹脂粒子を担持してなるフィルターにより、効率よく回収することで、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出を抑制できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.トナー像を担持する記録材を、一対の定着部材によって形成されたニップ部に通しつつ加熱及び加圧する定着処理により、前記トナー像を前記記録材上に定着する定着部を有する画像形成装置であって、
前記定着部近傍の空気を画像形成装置本体外へ排気する排気ダクトを備え、
前記排気ダクト内の排気経路が、多孔質樹脂粒子を担持したフィルターを有し、
前記多孔質樹脂粒子が、内部にシリコーンオイル又は高級炭化水素化合物を含み、
前記多孔質樹脂粒子を担持させたフィルターの圧力損失Plと、担持させていない状態の前記フィルターの圧力損失Plとが、下記関係式(1)を満たすことを特徴とする画像形成装置。
関係式(1):67%≦Pl/Pl ≦99%
2.前記多孔質樹脂粒子の少なくとも一部が、内部を露出していることを特徴とする第1項に記載の画像形成装置。
3.前記多孔質樹脂粒子の有する孔が、メソ孔であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の画像形成装置。
4.前記多孔質樹脂粒子の体積基準のメジアン径(d50)が、0.5〜5μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
5.前記多孔質樹脂粒子の含有するシリコーンオイルの量が、前記多孔質樹脂粒子の体積の1〜50%の範囲内であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
6.前記多孔質樹脂粒子の含有するシリコーンオイルの粘度平均分子量が、6万以上であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
7.前記多孔質樹脂粒子の含有する高級炭化水素化合物の量が、前記多孔質樹脂粒子の体積の1〜50%の範囲内であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
8.前記多孔質樹脂粒子の含有する高級炭化水素化合物が、飽和高級炭化水素又はエステル基を有する炭化水素化合物であることを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
9.前記多孔質樹脂粒子の内部にシリコーンオイル及び高級炭化水素化合物を含むことを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
本発明の上記手段により、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出を抑制できる画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
従来、電子写真方式の画像形成装置にて大量の印字を行っている際には、定着処理過程で、大量の揮発性化合物及び超微粒子が発生し、それによって機内及び周囲の環境が汚染されるという問題があった。
上記問題に対する従来の手法は、フィルターを使用するなど物理的な穴の大きさで濾し取る、静電的な引力で吸着して除く、化学的な吸着力で除く、冷却して粒子を凝集して除く、などという考え方であった。また、シリコーンゴムから発生するシロキサンを同様のシロキサン類で、吸着して除くという考え方も提案されてきていた。
本発明者は、定着ローラーが有するシリコーンゴムから発生するシロキサン分子又はトナーから発生するパラフィン成分を、シロキサン分子及びパラフィン成分に対する親和性がより高く、より細かい孔を多数有する多孔質樹脂粒子にて、脱離することなく捕捉するという、従来に比べ新規な考え方のもと、上記問題にアプローチした。
本発明者の検討の結果、より圧力損失が少なく、高効率で揮発性化合物と超微粒子を回収するには、(1)揮発性化合物と超微粒子が嵌まりやすい表面形状又は表面積が広いこと、(2)揮発性微粒子と超微粒子との親和性が高い表面であること、(3)一度吸着させた揮発性微粒子と超微粒子が再び脱離しないこと、の条件を兼ね備えた回収機構が好適であると考え、フィルターに内部にシリコーンオイル又は高級炭化水素化合物を含む多孔質樹脂粒子を担持させる本発明に至った。すなわち、揮発性化合物と超微粒子が嵌まりやすい表面形状又は表面積が広い多孔質樹脂粒子を使用し、かつ、揮発性微粒子と超微粒子との親和性が高いシリコーンオイル又は高級炭化水素化合物を含む多孔質樹脂粒子を担持するフィルターによれば、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出を抑制できることを見いだし本発明に至った。
なお、従来、揮発性化合物及び超微粒子が画像形成装置内に漂うことで、これら揮発性化合物及び超微粒子を核にして成長する粗大粒子が生じ、この結果、画像汚れが発生するという問題もあった。しかしながら、本発明によれば、揮発性化合物及び超微粒子を好適に回収できるため、当該問題の発生も好適に阻止できる。
本発明に係る画像形成装置の一例を示す模式断面図 図1に示す粉塵除去部Cの要部拡大図
本発明の画像形成装置は、トナー像を担持する記録材を、一対の定着部材によって形成されたニップ部に通しつつ加熱及び加圧する定着処理により、前記トナー像を前記記録材上に定着する定着部を有する画像形成装置であって、
前記定着部近傍の空気を画像形成装置本体外へ排気する排気ダクトを備え、
前記排気ダクト内の排気経路が、多孔質樹脂粒子を担持したフィルターを有し、
前記多孔質樹脂粒子が、内部にシリコーンオイル又は高級炭化水素化合物を含み、
前記多孔質樹脂粒子を担持させたフィルターの圧力損失Plと、担持させていない状態の前記フィルターの圧力損失Plとが、下記関係式(1)を満たすことを特徴とする。
関係式(1):67%≦Pl/Pl ≦99%
この特徴は各請求項に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。これにより、本発明は、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出を抑制できる。
本発明の実施態様としては、前記多孔質樹脂粒子の少なくとも一部が、内部を露出していることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。
前記多孔質樹脂粒子の有する孔が、メソ孔であることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。
前記多孔質樹脂粒子の体積基準のメジアン径(d50)が、0.5〜5μmの範囲内であることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。
前記多孔質樹脂粒子の含有するシリコーンオイルの量が、前記多孔質樹脂粒子の体積の1〜50%の範囲内であることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。
前記多孔質樹脂粒子の含有するシリコーンオイルの粘度平均分子量が、6万以上であることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。
前記多孔質樹脂粒子の含有する高級炭化水素化合物の量が、前記多孔質樹脂粒子の体積の1〜50%の範囲内であることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。
前記多孔質樹脂粒子の含有する高級炭化水素化合物が、飽和高級炭化水素又はエステル基を有する炭化水素化合物であることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。
前記多孔質樹脂粒子の内部にシリコーンオイル及び高級炭化水素化合物を含むことが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。
前記多孔質樹脂粒子を担持させたフィルターの圧力損失Plと、担持させていない状態の前記フィルターの圧力損失Plとが、上記関係式(1)を満たすことが好ましい。これにより、高圧で排気エアを送り込んで処理する必要がなく、また、装置内部の温度が上昇することを抑えることができる。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪画像形成装置の概要≫
本発明の画像形成装置は、トナー像を担持する記録材を、一対の定着部材によって形成されたニップ部に通しつつ加熱及び加圧する定着処理により、前記トナー像を前記記録材上に定着する定着部を有する画像形成装置であって、
前記定着部近傍の空気を画像形成装置本体外へ排気する排気ダクトを備え、
前記排気ダクト内の排気経路が、多孔質樹脂粒子を担持したフィルターを有し、
前記多孔質樹脂粒子が、内部にシリコーンオイル又は高級炭化水素化合物を含むことを特徴とする。
〔排気ダクト〕
本発明に係る画像形成装置は、定着部近傍の空気を画像形成装置本体外へ排気する排気ダクトを備える。
排気ダクト内の排気経路は、多孔質樹脂粒子を担持したフィルターを有する。
〔多孔質樹脂粒子を担持したフィルター〕
本発明に係るフィルターは、多孔質樹脂粒子を担持する。
フィルターとしては特に限定されず、従来から使用されているものを使用することができる。本発明においては、従来使用されているフィルターに、多孔質樹脂粒子を、振りかけるなどして、担持させる。なお、担持させ方は特に限定されず、フィルターが多孔質樹脂を担持できるようであれば構わない。例えば、多孔質樹脂粒子を分散させた塗布液をフィルター上に塗布して乾燥させることによって担持させることとしてもよい。
<圧力損失>
多孔質樹脂粒子を担持させたフィルターの圧力損失Plと、担持させていない状態の前記フィルターの圧力損失Plとが、下記関係式(1)を満たすことが好ましい。これにより、多孔質樹脂粒子を担持させたフィルターの通気性が過度に低下することが回避されるため、高圧で排気エアを送り込んで処理する必要がなく、また、装置内部の温度が上昇することを抑えることができる。
関係式(1):67%≦Pl/Pl ≦99%
(圧力損失の計算方法)
圧力損失は、公知の方法で求めることができる。例えば、濾材(フィルター)をダクト内に設置し、空気濾過速度が10cm/秒になるよう大気を通気させ、濾材の上流、下流の静圧差を差圧計にて読み取り、圧力損失を測定することができる。
上記圧力損失を、多孔質樹脂粒子を担持させたフィルターと、担持させていない状態の前記フィルターについて、それぞれ測定することで、上記関係式(1)を満たすようすればよい。
なお、上記関係式(1)の関係とするには、フィルターに担持させる多孔質樹脂粒子の量を調節するなどして調整できる。
〔多孔質樹脂粒子〕
本発明に係る多孔質樹脂粒子は、内部にシリコーンオイル又は高級炭化水素化合物を含む。なお、本発明に係る多孔質樹脂粒子は、本発明の効果発現を阻害しない範囲内で、内部にシリコーンオイル及び高級炭化水素化合物以外の化合物や空気等を含んでいてもよい。
本発明においては、多孔質樹脂粒子の内部にシリコーンオイル及び高級炭化水素化合物を含むことが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。
多孔質樹脂粒子の含有するシリコーンオイルの量が、前記多孔質樹脂粒子の体積の1〜50%の範囲内であることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。これは、50%以内であれば圧力損失が大きくなりすぎることを回避でき、1%以上であれば本願発明の効果発現に十分な量であるためと考える。
多孔質樹脂粒子の少なくとも一部が、内部を露出していることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。なお露出の程度としては、特に限定されないが、多孔質樹脂粒子の内部に空気が触れることができる程度に露出していることが好ましい。また、内部を露出した多孔質樹脂粒子は、全多孔質粒子数の20〜100%を占めることが好ましい。
多孔質樹脂粒子の有する孔が、メソ孔であることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。これは、メソ孔のような小さな穴を沢山有することで、中空粒子の表面積が広くなり、この結果、超微粒子等の捕捉・吸着に、より有利となるためと考える。
<シリコーンオイル>
本発明に係るシリコーンオイルとは、シロキサンよりも粘度平均分子量が大きく、加熱されても脱離して、揮発性化合物や超微粒子となって放散しない成分をいう。
多孔質樹脂粒子の含有するシリコーンオイルの粘度平均分子量は、6万以上であることが好ましい。これにより、多孔質樹脂粒子に含有されたシリコーンオイルが漏れ出てしまうことを回避でき、この結果、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。
なお、シリコーンオイルの粘度平均分子量は、粘度(ηcs/25℃)から、例えば、
A.J.Barryの式:log(ηcs/25℃)=1.00+0.0123M0.5
によって算出することができる(J.Appl.Physics.17.1020(1946参照。)。ただし、粘度平均分子量は2500以上であり、また、粘度(ηcs/25℃)は25℃における動粘度(cs=mm2/s)を表す。なお、以下の記載において、粘度平均分子量は、上記A.J.Barryの式によって計算された値とする。
本発明に係るシリコーンオイルは、上述のようなものであれば特に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、ジメチルシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイルを使用でき、市販品であれば、具体的には、例えば、信越化学工業(株)製のKF96−5000−cs(25℃での動粘度5000mm2/s、粘度平均分子量4万5千)、KF−96H−1万cs(25℃での動粘度10000mm2/s、粘度平均分子量6万)、KF−96H−3万cs(25℃での動粘度30000mm2/s、粘度平均分子量8万)、KF−96H−5万cs(25℃での動粘度50000mm2/s、粘度平均分子量9万)などを好適に使用できる。
<高級炭化水素化合物>
本発明に係る高級炭化水素化合物とは、炭素数10以上の炭化水素のことをいい、飽和であっても不飽和であってもよく、炭素数14〜50の範囲内が好ましく、炭素数16〜30の範囲内が更に好ましい。具体的には、高級炭化水素化合物としてオクタデカン、イコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサンなどの飽和高級炭化水素を使用できるが、これらに限定されない。さらに、酸素や窒素、硫黄、ハロゲンなどの元素が含有されていてもよく、例えば、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、脂肪酸などであってもよい。
多孔質樹脂粒子の含有する高級炭化水素化合物の量が、前記多孔質樹脂粒子の体積の1〜50%の範囲内であることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。これは、50%以内であれば圧力損失が大きくなりすぎることを回避でき、1%以上であれば本願発明の効果発現に十分な量であるためと考える。
多孔質樹脂粒子の含有する高級炭化水素化合物が、ヘキサコサンなど上記飽和高級炭化水素並びにアラキジン酸アラキジニル、ステアリン酸ステアリルなどのエステル基を有する炭化水素化合物であることが好ましい。このような化合物であれば揮発性化合物及び超微粒子への親和性がより高いため、この結果、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。
なお、エステル基を有する炭化水素化合物としては、上記のほか、ベヘン酸ベヘニル、パルミチン酸パルミチリルなども使用できるが、これに限定されない。
〔多孔質樹脂粒子の構造及び具体的構成〕
以下に、多孔質樹脂粒子の具体的構成や構造について、詳細に述べる。
本発明に係る多孔質樹脂粒子とは、内部に複数の空間を有する中空粒子であって、疎水性溶媒に重合性単量体及び当該重合性単量体に対して重合開始能を有する油溶性重合開始剤を溶解又は分散させた油相液を、前記重合性単量体に対して重合開始能を有する水溶性重合開始剤が含有された水系媒体中において分散させて油滴を形成させ、前記重合性単量体に前記油溶性重合開始剤及び前記水溶性重合開始剤を同時に作用させて、当該重合性単量体を重合することによって、複数の空間を区画する樹脂壁部分や外殻部分などの固体媒体樹脂に囲繞された孔を形成して作製された中空粒子であることが好ましい。
更に好ましくは、重合体よりなる固体媒体の内部に複数のメソ孔を有するものであり、また、当該複数のメソ孔によってメソポーラス構造が形成されたメソポーラス構造部分を有する構成としてもよく、さらには、メソポーラス構造部分と、当該メソポーラス構造部分の表面に一体的に形成された外殻部分とからなる構成としてもよい。
このような構成の多孔質樹脂粒子においては、具体的には、表面に露出する外殻部分と、表面に露出せず、複数のメソ孔を区画する樹脂壁部分とが固体媒体として一体的に形成されており、複数のメソ孔とこれらを区画する樹脂壁部分とからメソポーラス構造部分が形成されていることが好ましい。
多孔質樹脂粒子の内部の断面構造は、例えば、多孔質樹脂粒子をUV硬化樹脂中に包埋して液体窒素に浸漬して割った断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察することや、切片を透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察することなどの公知の手段によって観察することなどによって確認することができる。
本発明に係るメソ孔とは、多孔質樹脂粒子を光硬化性樹脂中に包埋したサンプルからウルトラミクロトームにより切り出した厚さ50nmの超薄切片を、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したときに白抜けとして見える、直径2〜50nmの細孔をいう。
また、メソポーラス構造とはメソ孔からなる多孔質構造をいい、本発明においては、(1)後述する中空率が30体積%以上であり、かつ、(2)上記の条件を満たすメソ孔の個数が、ランダムに選んだ白抜け100個のうち50個数%以上である構造をいう。
多孔質樹脂粒子における上記の条件を満たすメソ孔の個数は、80個数%以上であることが好ましく、さらに好ましくは90個数%以上である。
多孔質樹脂粒子における外殻部分は、メソポーラス構造部分の表面の全面に形成されている形態のみならず、メソポーラス構造部分の表面の一部に形成されている形態のものであってもよい。
〔固体媒体樹脂〕
固体媒体樹脂とは、外殻部分及び樹脂壁部分を構成する樹脂という。この固体媒体樹脂は、例えば重合性単量体を重合することによって得られる重合体からなる。
固体媒体樹脂としては、例えばスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレンアクリル樹脂などが挙げられる。また、固体媒体樹脂は、架橋構造を含むものであることが好ましい。
〔多孔質樹脂粒子の粒径〕
多孔質樹脂粒子の粒径は、体積基準のメジアン径(d50)で0.5〜5μmであることが好ましい。これにより、より好適に揮発性化合物及び超微粒子を吸着でき、この結果、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出をより低減できる。これについては、次のように考えている。すなわち、5μm以下であれば、大きすぎないため、フィルターに担持可能な粒子数が少なくなりすぎることを回避でき、この結果、表面積を十分に広くでき、ひいては、揮発性化合物及び超微粒子が嵌まりやすくなる効果を十分に発現できる。また、0.5μm以上であれば、多孔質樹脂粒子がメソ径の孔を好適に保持することができる。
なお、この多孔質樹脂粒子の粒径は、後述する製造方法における油滴の大きさを調整することによって制御することができる。
なお、多孔質樹脂粒子の体積基準のメジアン径は「LA−750」(堀場製作所社製)を用いて測定することができる。例えば具体的には、多孔質樹脂粒子0.2gを、界面活性剤水溶液(多孔質樹脂粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)20mLに添加し、超音波分散を3分間行った分散液を試料にして測定することができる。
〔多孔質樹脂粒子の中空率〕
多孔質樹脂粒子の中空率は、30体積%以上であることが好ましく、より好ましくは50体積%以上、さらに好ましくは60体積%以上である。
多孔質樹脂粒子の中空率は、後述する油相液における疎水性溶媒の含有割合を調整することによって制御することができる。
多孔質樹脂粒子の中空率は、例えば、以下のとおりに測定されるものである。
すなわち、まず、多孔質樹脂粒子10.0gを、水性ウレタンエマルジョン「WBR−016U」(大成ファインケミカル社製)2.4g(固形分換算)及び純水2.0gの混合物に添加し、自転公転型ミキサー「ARE−310」(シンキー社製)にて分散させて分散液を得る。この分散液を、幅80mm×長さ120mm×厚さ2mmの型枠に充填し、常温乾燥、次いで、加熱乾燥させて固化させた後、型より取り出すことによって試料板を作製する。そして、この試料板の体積及び質量を比重計「DME−220H」(新光電子株式会社製)によって測定することにより、下記中空率の計算式に従って多孔質樹脂粒子の中空率を算出することができる。
中空率の計算式:中空率(体積%)=
{多孔質樹脂粒子の内部空間の体積/多孔質樹脂粒子の全体積}×100
ここで、
・多孔質樹脂粒子の内部空間の体積=試料板における空隙の体積
・多孔質樹脂粒子の全体積=試料板における空隙の体積+多孔質樹脂粒子の固体媒体樹脂の体積である。また、
・試料板における空隙の体積=
{試料板の体積−(バインダー樹脂部分の体積+多孔質樹脂粒子の固体媒体樹脂の体積+多孔質樹脂粒子間の空隙に浸入した水の体積)}
・バインダー樹脂部分の体積=
{(試料板におけるバインダー樹脂の質量)/(バインダー樹脂の密度)}
・ここで、試料板におけるバインダー樹脂の質量=試料板の質量×0.1935と仮定する
・また、バインダー樹脂の密度は1.07と仮定する
・多孔質樹脂粒子の固体媒体樹脂の体積=
{(試料板における多孔質樹脂粒子の質量)/(多孔質樹脂粒子の固体媒体樹脂の密度)}
・試料板における多孔質樹脂粒子の質量=試料板の質量×0.8065であり、多孔質樹脂粒子の固体媒体樹脂の密度は1.05と仮定する
<多孔質樹脂粒子の製造方法>
本発明に係る多孔質樹脂粒子の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いて製造できる。
ここでは、多孔質樹脂粒子の製造方法の具体例として、上記メソポーラス構造部分と、当該メソポーラス構造部分の表面に一体的に形成された外殻部分とからなる多孔質樹脂粒子を製造する場合を例として説明する。
メソポーラス構造部分と、当該メソポーラス構造部分の表面に一体的に形成された外殻部分とからなる多孔質樹脂粒子は、疎水性溶媒に重合性単量体及び当該重合性単量体に対する重合開始能を有する油溶性重合開始剤を溶解又は分散させた油相液が、前記重合性単量体に対する重合開始能を有する水溶性重合開始剤が含有された水系媒体中において油滴として分散された状態において、当該油滴に油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤を同時に作用させることで製造できる。このような製造方法によれば、油滴中の重合性単量体に対して油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤を同時に作用させてこれを重合することによって複数のメソ孔を区画する樹脂壁部分が形成されるので、内部に複数のメソ孔が形成された多孔質樹脂粒子を確実に製造することができる。
メソポーラス構造部分と、当該メソポーラス構造部分の表面に一体的に形成された外殻部分とからなる多孔質樹脂粒子の製造方法の一例を具体的に示すと、
(1)疎水性溶媒に固体媒体樹脂を形成するための重合性単量体と油溶性重合開始剤とを溶解又は分散させた油相液を調製する油相液調製工程、
(2)水溶性重合開始剤や界面活性剤を溶解させた水系媒体中に油相液を分散させて油滴を形成する油滴形成工程、
(3)重合性単量体に油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤を同時に作用させて当該重合性単量体を重合することにより多孔質樹脂粒子の外殻部分及び樹脂壁部分(固体媒体)を形成する重合工程、
(4)形成された多孔質樹脂粒子の内部空間に充填された疎水性溶媒を除去して水系媒体に置換する疎水性溶媒除去工程、
(5)水系媒体から多孔質樹脂粒子を濾別し、当該多孔質樹脂粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程、
(6)洗浄処理された多孔質樹脂粒子を乾燥する乾燥工程
から構成される。
(1)油相液調製工程
油相液は、疎水性溶媒中に固体媒体樹脂を形成するための重合性単量体を溶解又は分散させ、さらに油溶性重合開始剤を添加することによって調製される。
〔疎水性溶媒〕
疎水性溶媒としては、水への溶解性が極めて低く、したがって水系媒体中において油滴を形成することができ、さらに、沸点が固体媒体樹脂を形成するための重合性単量体の重合温度よりも高いものであればよく、例えばシクロヘキサン、シクロヘプタン、ヘキサンなどの炭化水素化合物;ジクロロメタンなどの塩化炭化水素化合物などを用いることができる。これらは1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、疎水性溶媒としては、疎水性溶媒除去工程において当該疎水性溶媒を容易に除去することができる観点から、水系媒体よりも沸点が低いものを用いることが好ましい。水系媒体として例えば水を用いる場合には、水よりも沸点が低い、例えば沸点が40〜90℃のものを用いることが好ましい。
また、疎水性溶媒に溶解又は分散する成分を加えることにより、その成分を多孔質樹脂粒子に内包させることや、多孔質樹脂粒子の内部のメソ孔に対する表面処理を行うことができる。すなわち、疎水性溶媒に溶解又は分散する成分として、本発明に係るシリコーンオイル又は高級炭化水素化合物を加えることで、本発明に係る多孔質樹脂粒子の内部にシリコーンオイル又は高級炭化水素化合物を含ませることができる。
固体媒体樹脂を形成するための重合性単量体としては、例えば固体媒体樹脂としてビニル樹脂を用いる場合、固体媒体樹脂を形成するべき重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
<1>スチレン系単量体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレンなど。
<2>(メタ)アクリル酸エステル系単量体
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなど。
<3>オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレンなど。
<4>ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど。
<5>ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど。
<6>ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど。
<7>N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど。
<8>その他
ブタジエン、ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアクリル酸又はメタクリル酸誘導体、無水マレイン酸など。
固体媒体樹脂を形成するための重合性単量体としては、上記のものを1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、架橋構造を含む固体媒体樹脂を得るために、単官能重合性単量体と多官能重合性単量体とを併用することが好ましい。
例えば固体媒体樹脂がビニル樹脂である場合は、上記のスチレン系単量体や(メタ)アクリル酸エステル系単量体などの単官能ビニル単量体とともに、多官能重合性単量体として以下の多官能ビニル単量体を使用することが好ましい。
<9>多官能ビニル単量体
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキシレングリコールジメタクリレート、ヘキシレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの3級以上のアルコールのジメタクリレート及びトリメタクリレートなど。
このような多官能重合性単量体を使用することによって、多孔質樹脂粒子の耐油性を向上させることや、水系媒体からの濾別時に多孔質樹脂粒子同士が融着することを抑止することができる。
また、固体媒体樹脂を形成するための重合性単量体としてフッ化アルキル基を有する重合性単量体を用いることによって、多孔質樹脂粒子の撥水性を向上させることや撥油性を付与することができ、また、ヒドロキシ基やカルボキシ基などの親水性基を有する重合性単量体を用いることによって、水中撥油性を付与することができる。
固体媒体樹脂を形成するための重合性単量体全体における多官能重合性単量体の割合(共重合比)は、例えば0.1〜99質量%とされ、好ましくは1〜80質量%とされる。
油相液において、固体媒体樹脂を形成するための重合性単量体の含有割合は、疎水性溶媒100質量部に対して1〜100質量部であることが好ましい。
〔油溶性重合開始剤〕
油溶性重合開始剤としては、疎水性溶媒の沸点よりも低い温度で重合開始能を発揮することができるものであればよく、例えば、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを用いることができる。
これらの油溶性重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、油溶性重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、重合性単量体の重合性、特に樹脂壁部分の形成性を向上させることなどの観点から、重合性単量体全体に対して0.1〜3.0質量%であることが好ましい。
(2)油滴形成工程
油滴形成工程は、例えば具体的には、臨界ミセル濃度(CMC)未満の界面活性剤を含有し、さらに水溶性重合開始剤が添加された水系媒体中に、固体媒体樹脂を形成するための重合性単量体を含有する油相液を添加し、機械的エネルギーを加えて油滴を形成させることによって行われる。
油滴の形成は、油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤においてラジカルを発生させない程度の低い温度で行われることが必要とされ、例えば室温で行われることが好ましい。
〔水系媒体〕
本発明において、水系媒体とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなるものをいう。水溶性の有機溶媒としては、水と混合して水系媒体としたときに固体媒体樹脂、当該固体媒体樹脂を形成するための重合性単量体及び油溶性重合開始剤を溶解しないものであれば限定されず、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどを用いることができる。
水系媒体としては、環境適性や安全性に優れていることから、有機溶媒を含有しない水が好ましく用いられる。
〔界面活性剤〕
水系媒体中に界面活性剤を含有させる場合において、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。
アニオン系界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル塩;オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなどの脂肪酸塩などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドなどの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステルなどを挙げることができる。
これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記界面活性剤の代わりに、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンなどの保護コロイド能を有する物質を用いることができる。
〔水溶性重合開始剤〕
水溶性重合開始剤としては、疎水性溶媒の沸点よりも低い温度で重合開始能を発揮することができるものであればよく、過硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素などを用いることができる。
これらの水溶性重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、水溶性重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、重合性単量体の重合性、特に外殻部分の形成性を向上させることなどの観点から、重合性単量体全体に対して0.1〜5.0質量%であることが好ましい。
また、油溶性重合開始剤と水溶性重合開始剤との使用量比も、特に制限されないが、重合性単量体の重合性、特に樹脂壁部分と外殻部分との形成バランスを向上させることなどの観点から、油溶性重合開始剤と水溶性重合開始剤との使用量比(油溶性重合開始剤:水溶性重合開始剤の使用量比(質量比))が、1:1〜5:1の範囲であることが好ましい。
水系媒体の使用量は、油相液100質量部に対して、50〜2000質量部であることが好ましい。
水系媒体の使用量を上記の範囲とすることで、水系媒体中において油相液を所望の粒径に乳化分散させることができる。
機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー(乳化機)、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌又は超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この油滴形成工程において得られる油滴の平均粒径は、体積基準のメジアン径で例えば10nm〜数十μmの範囲にあることが好ましい。
(3)重合工程
この工程は、固体媒体樹脂を形成するための重合性単量体に、油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤を同時に作用させて当該重合性単量体を重合する工程である。
本発明において、「油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤を同時に作用させる」とは、油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤のそれぞれのラジカル発生時間帯に重複の時間帯があることをいう。
この工程においては、反応系を昇温して油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤においてラジカルを発生させる。このとき、油滴内部の多点と油滴表面から重合反応が行われる。そして、重合反応の進行によって固体媒体と疎水性溶媒とが非相溶化して分離するが、固体媒体を構成する高分子の位置が油滴表面に束縛されているために、高分子同士や溶媒分子同士の凝集安定化が抑制されることになる。これにより、内部に疎水性溶媒が充填された複数のメソ孔となる空間を有する固体媒体が形成されると考えられる。
得られた内部空間に疎水性溶媒が充填された多孔質樹脂粒子の分散液における当該多孔質樹脂粒子の平均粒子径は、体積基準のメジアン径で例えば10nm〜数十μmであることが好ましい。
なお、体積基準のメジアン径は、「LA−750」(堀場製作所社製)を用いて測定したものである。
本発明に係る多孔質樹脂粒子の製造方法によれば、油滴中の重合性単量体に対して油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤を同時に作用させてこれを重合することによって、外殻部分及び複数のメソ孔を区画する樹脂壁部分がともに形成され、メソポーラス構造部分が形成された多孔質樹脂粒子を容易に製造することができる。
ここで、重合工程における重合性単量体の重合条件は、特に制限されず、使用する疎水性溶媒及び水系媒体の融点や沸点、使用する重合性単量体並びに油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤の種類や量などに応じて適宜選択することができる。例えば、重合温度を20〜90℃、重合時間を2〜20時間とすることができる。このような重合条件で重合を行うことにより、所定の重合性単量体を効率よく重合することができる。なお、上記の重合反応の前に、重合反応を阻害する酸素を窒素などの不活性気体に置換する目的で、不活性気体の導入下において重合性単量体、油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤などを含む乳化液を例えば10〜30℃で5〜60分間程度撹拌する処理を行ってもよい。
(4)疎水性溶媒除去工程
この工程は、形成された多孔質樹脂粒子の内部空間に充填された疎水性溶媒を除去して水系媒体に置換する工程である。好ましくは、水系媒体中において、前記重合性単量体を重合した後、前記空間に充填された疎水性溶媒を、当該水系媒体に置換した後、乾燥する。なお、疎水性溶媒除去工程は、上記重合工程と同時に進行させてもよく、上記重合工程後に行ってもよい。
疎水性溶媒の除去は、内部空間に疎水性溶媒が充填された多孔質樹脂粒子が水系媒体中に分散された状態の分散液全体を、気流下において撹拌することによって行うことができる。また、当該分散液全体を疎水性溶媒の沸点未満まで昇温してもよい。また、減圧状態において分散液全体を撹拌してもよい。ここで、疎水性溶媒除去工程における疎水性溶媒の除去処理の条件は、特に限定されず、使用する疎水性溶媒の量や水系媒体への溶解度、揮発性などに応じて適宜選択することができる。例えば、多孔質樹脂粒子の分散液の撹拌を、温度10〜30℃で5〜48時間程度行うこととすることができる。このような条件で疎水性溶媒の除去処理を行うことにより、疎水性溶媒と水系媒体とが固体媒体(外殻部分及び樹脂壁部分)を介して相互に混じり合い、疎水性溶媒が気化して多孔質樹脂粒子の外部に排出されることにより、多孔質樹脂粒子の内部空間を効率よく疎水性溶媒から水系媒体に置換することができる。
また、疎水性溶媒としてトルエンなどの水蒸気蒸留することができる物質を用いる場合は、疎水性溶媒を水蒸気蒸留によって除去してもよい。
このように多孔質樹脂粒子の内部空間に充填された疎水性溶媒を一旦水系媒体に置換することによって、固体媒体への疎水性溶媒の含浸による強度の低下が抑制されるので、中空率が高い多孔質樹脂粒子であっても水系媒体からの濾別時に多孔質樹脂粒子同士が融着することを抑止することができる。なお、濾別時に多孔質樹脂粒子同士が融着しない場合は、本工程を省略することができる。
(5)洗浄工程
この工程においては、多孔質樹脂粒子の分散液を固液分離する固液分離処理を行い、固液分離して形成された、ウェット状態にある多孔質樹脂粒子を凝集させた集合物より界面活性剤などの付着物を除去する。固液分離処理の代表的なものとしては濾過処理が挙げられるが、濾過処理の具体的な方法としては、例えば遠心分離法やヌッチェなどの使用による減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用する濾過法などを用いることができる。
(6)乾燥工程
この工程においては、洗浄処理された多孔質樹脂粒子の乾燥処理が行われる。この工程において使用することのできる乾燥機としては、例えば、スプレードライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などの公知の乾燥処理機や、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などが挙げられる。乾燥処理された多孔質樹脂粒子の含水量は5質量%以下とされることが好ましく、2質量%以下とされることがより好ましい。
また、乾燥処理された多孔質樹脂粒子同士が弱い粒子間引力で凝集して凝集体を形成している場合は、当該凝集体を解砕処理することが好ましい。解砕処理装置の具体例としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサなどの機械式解砕処理装置が挙げられる。
上述のような多孔質樹脂粒子の製造方法によれば、メソポーラス構造部分の表面に一体的に形成された外殻部分とからなる多孔質樹脂粒子を確実に製造することができる。
また、重合性単量体に油溶性重合開始剤及び水溶性重合開始剤を同時に作用させて、当該重合性単量体を重合することによって固体媒体を形成することを特徴とする多孔質樹脂粒子の製造方法であれば、上記の多孔質樹脂粒子を製造することができる。例えば、疎水性溶媒の使用量を適度に減らし、重合の途中や終了後に当該疎水性溶媒の沸点以上に昇温して気化発泡させることによって上記の多孔質樹脂粒子を製造してもよい。
〔定着部〕
定着部は、トナー像を担持する記録材を、一対の定着部材によって形成されたニップ部に通しつつ加熱及び加圧する定着処理により、前記トナー像を前記記録材上に定着する。このような定着部としては、公知のものを使用でき、例えば、後述の図1に示すような定着部60が挙げられるが、これに限定されない。
〔画像形成装置及び画像形成方法〕
以下に、上述した構成以外の本発明に係る構成について、本発明に係る多孔質樹脂粒子を担持したフィルターを採用した排気ダクトを有する定着部を備える画像形成装置と、当該画像形成装置を用いた画像形成方法(以下、それぞれ、「本発明に係る画像形成装置」、「本発明に係る画像形成方法」ともいう。)とともに説明する。
本発明に係る画像形成方法は、少なくとも、像担持体帯電工程と、静電潜像形成工程と、トナー像担持工程と、トナー像転写工程とを含む画像形成方法であって、トナー像を担持する記録材を、一対の定着部材によって形成されたニップ部に通しつつ加熱及び加圧する定着処理を有するものであることが好ましい。
また、本発明に係る画像形成装置は、定着部近傍の空気を画像形成装置本体外へ排気する排気ダクトを備え、前記排気ダクト内の排気経路が、上記フィルターを有していること以外は、公知の画像形成装置と同様に構成することが可能である。
また、本発明に係る画像形成方法は、像担持体を帯電させる工程(像担持体帯電工程)と、帯電した像担持体に静電潜像を形成する工程(静電潜像形成工程)と、静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給してトナー画像を担持させる工程(トナー像担持工程)と、像担持体に担持されているトナー画像を転写材に転写する工程(トナー像転写工程)と、一対の定着部材によって形成されたニップ部に通しつつ加熱及び加圧する定着処理と、を有するものであり、電子写真方式における公知の画像形成方法と同様に実施することが可能である。
以下、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法を、図面を参照しながら説明する。図1に示す画像形成装置1は、画像読取部110、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60及び粉塵除去部Cを有する。図2は、図1に示す粉塵除去部Cの要部拡大図である。
画像形成部40は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナーによる画像を形成する画像形成ユニット41Y、41M、41C及び41Kを有する。これらは、収容されるトナー以外はいずれも同じ構成を有するので、以後、色を表す記号を省略することがある。画像形成部40は、さらに、中間転写ユニット42及び二次転写ユニット43を有する。これらは、トナー画像転写手段に相当する。
画像形成ユニット41は、露光部411、現像部412、感光体ドラム413、帯電手段である帯電部414及びクリーニング部415を有する。感光体ドラム413は、例えば負帯電型の有機感光体である。感光体ドラム413の表面は、光導電性を有する。感光体ドラム413は、像担持体に相当する。
帯電部414は、例えばコロナ帯電器である。帯電部414は、帯電ローラーや帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を感光体ドラム413に接触させて帯電させる接触帯電部であってもよい。露光部411は、例えば、光源としての半導体レーザーと、形成すべき画像に応じたレーザー光を感光体ドラム413に向けて照射する光偏向装置(ポリゴンモーター)とを含む。
現像部412は、二成分現像方式の現像部である。現像部412は、例えば、二成分現像剤を収容する現像容器と、当該現像容器の開口部に回転自在に配置されている現像ローラー(磁性ローラー)と、二成分現像剤が連通可能に現像容器内を仕切る隔壁と、現像容器における開口部側の二成分現像剤を現像ローラーに向けて搬送するための搬送ローラーと、現像容器内の二成分現像剤を撹拌するための撹拌ローラーと、を有する。上記現像容器には、二成分現像剤としての上記トナーが収容されている。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、中間転写ベルト421を感光体ドラム413に圧接させる一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423及びベルトクリーニング部426を有する。中間転写ベルト421は、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つの駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
なお、図1に示す画像形成装置1においては、一次転写ローラー422がトナー画像転写手段に相当し、中間転写ベルト421が転写材に相当する。
二次転写ユニット43は、無端状の二次転写ベルト432及び二次転写ローラー431Aを含む複数の支持ローラー431を有する。二次転写ベルト432は、二次転写ローラー431A及び支持ローラー431によってループ状に張架される。
クリーニング部415は、例えば、ゴム製の弾性ブレードを有し、感光体ドラム413に付着したトナーを除去する。
定着部60は、例えば、定着ローラー62と、定着ローラー62の外周面を覆い、用紙S上のトナー画像を構成するトナーを加熱、融解するための無端状の発熱ベルト63と、記録材である用紙Sを定着ローラー62及び発熱ベルト63に向けて押圧する加圧ローラー64と、を有する。
この定着部60においては、発熱ベルト63及び加圧ローラー64が、本発明に係る一対の定着部材である。用紙Sを、発熱ベルト63と、加圧ローラー64とで形成されたニップ部に通しつつ加熱及び加圧する定着処理により、前記トナー像を前記記録材上に定着する。
なお、本発明に係る一対の定着部材として、発熱ベルト63及び加圧ローラー64を例としたが、本発明はこれに限定されず、公知の定着部材を使用できる。
例えば、定着ローラー62は、一般的には、円筒状の基材としての芯金と、この芯金の外周面を覆うように設けられたゴム層(弾性体)と、このゴム層の外周面を覆うように設けられた表層との3層からなっている。
上記ゴム層は、シリコーンゴム材料からなることが好ましい。シリコーンゴム材料であれば、定着温度に対する耐熱性と、用紙Sが圧接される領域の寸法(ニップ部の長さ)を確保するための弾性をもつ点で好ましい。その他、ゴム層に使用できる材料としては、定着温度に対する耐熱性を有するものであればよく、アクリルゴム、フッ素系ゴム材料等が挙げられる。
ゴム層の厚さは、特に限定されないが、一般的には、0.05〜2mmの範囲内である。
上記表層は、特に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等のフッ素系樹脂からなり、定着温度に対する耐熱性と、ニップ部を通過した用紙Sの剥離を助ける離型性と、さらにゴム層から発生する揮発性化合物及び超微粒子を透過しにくい性質(ガスバリアー性)とをもつことが好ましい。
表層の厚さは、特に限定されないが、一般的には、5〜100μmの範囲内である。
画像形成装置1は、さらに、画像読取部110、画像処理部30及び用紙搬送部50を有する。画像読取部110は、給紙部111及びスキャナー112を有する。用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52及び搬送経路部53を有する。給紙部51を構成する三つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズなどに基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)があらかじめ設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aなどの複数の搬送ローラー対を有する。
画像形成装置1による画像の形成を説明する。画像形成装置1による画像形成方法は、感光体ドラム413を帯電させる工程(像担持体帯電工程)と、帯電した感光体ドラム413に静電潜像を形成する工程(静電潜像形成工程)と、静電潜像が形成された感光体ドラム413にトナーを供給してトナー画像を担持させる工程(トナー像担持工程)と、感光体ドラム413に担持されているトナー画像を転写材に転写する工程(トナー像転写工程)と、トナー像を担持する記録材を、一対の定着部材によって形成されたニップ部に通しつつ加熱及び加圧する定着処理と、を有する。
まず始めに、スキャナー112は、コンタクトガラス上の原稿Dを光学的に走査して読み取る。原稿Dからの反射光がCCDセンサー112aにより読み取られ、入力画像データとなる。入力画像データは、画像処理部30において所定の画像処理が施され、露光部411に送られる。
感光体ドラム413は一定の周速度で回転する。帯電部414は、感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光部411では、ポリゴンモーターのポリゴンミラーが高速で回転し、各色成分の入力画像データに対応するレーザー光が、感光体ドラム413の軸方向に沿って展開し、当該軸方向に沿って感光体ドラム413の外周面に照射される。こうして感光体ドラム413の表面には、静電潜像が形成される。
現像部412では、上記現像容器内の二成分現像剤の撹拌、搬送によってトナー粒子が帯電し、二成分現像剤は上記現像ローラーに搬送され、当該現像ローラーの表面で磁性ブラシを形成する。帯電したトナー粒子は、上記磁性ブラシから感光体ドラム413における静電潜像の部分に静電的に付着する。こうして、感光体ドラム413の表面の静電潜像が可視化され、感光体ドラム413の表面に、静電潜像に応じたトナー画像が形成される。
感光体ドラム413の表面のトナー画像は、中間転写ユニット42によって中間転写ベルト421に転写される。一次転写ローラー422によって中間転写ベルト421が感光体ドラム413に圧接することにより、感光体ドラム413と中間転写ベルト421とによって、一次転写ニップが感光体ドラム413ごとに形成される。当該一次転写ニップにおいて、各色のトナー画像が中間転写ベルト421に順次重なって転写される。
一方で、二次転写ローラー431Aは、中間転写ベルト421及び二次転写ベルト432を介して、バックアップローラー423Aに圧接される。それにより、中間転写ベルト421と二次転写ベルト432とは、二次転写ニップを形成する。当該二次転写ニップを用紙Sが通過する。用紙Sは、用紙搬送部50によって二次転写ニップへ搬送される。用紙Sの傾きの補正及び搬送のタイミングの調整は、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により行われる。
上記二次転写ニップに用紙Sが搬送されると、二次転写ローラー431Aへ転写バイアスが印加される。この転写バイアスの印加によって、中間転写ベルト421に担持されているトナー画像が二次転写ニップにて用紙Sに転写される。トナー画像が転写された用紙Sは、二次転写ベルト432によって、定着部60に向けて搬送される。
定着部60は、一対の定着部材である発熱ベルト63と加圧ローラー64とによって、ニップ部を形成し、搬送されてきた用紙Sを当該ニップ部で加熱及び加圧する。用紙S上のトナー像を構成するトナー粒子は、加熱され、トナー粒子全体が速やかに融解し、トナー成分が用紙Sに付着し、そして速やかに固化する。こうして、上記トナー画像が用紙Sに定着する。トナー像が定着された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。こうして、高画質の画像が形成される。
なお、この用紙Sを当該ニップ部で加熱及び加圧する際に、トナーに離型剤として含有されるパラフィン成分や、定着ローラーが有するシリコーンゴムからシロキサンなどの、揮発性化合物及び超微粒子が発生すると考えられる。
本発明に係る画像形成装置は、該画像形成装置内において発生した粒子径100nm未満の超微粒子を含む微粒子粉塵を除去するための粉塵除去部Cを有する。具体的には、粉塵除去部Cは、定着部60の近傍の微粒子粉塵を含む空気を、画像形成装置本体外へ排気するための排気ダクト140と、排気ダクト140内に空気を吸引する吸引ファン41と、を備える。排気ダクト140の吸気口140aは、発熱ベルト63の近傍であって、その上方に配置されている。この排気ダクト140内の排気経路(図2において、吸気口140aから排気口140bまでの経路)は、本発明に係る多孔質樹脂粒子を担持したフィルター170を有する。
前記構成の粉塵除去部Cを作動させると、定着部60近傍の微粒子粉塵を含む空気は、吸気口140aから排気ダクト140内に吸引され、多孔質樹脂粒子を担持したフィルター170により、定着部で発生した揮発性物質と超微粒子とを吸着除去できる。揮発性物質と超微粒子が除去された排気は排気口140bから機外へ排出される。これによって、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出を抑制することができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われたものとする。
〔多孔質樹脂粒子〔1〕の製造例〕
スチレン25質量部、ジビニルベンゼン33部及びシクロヘキサン59部に、油溶性重合開始剤「V−65」(和光純薬工業社製)0.61質量部、「KF−96−5,000cs」(信越化学工業(株)製、粘度平均分子量45000、シリコーンオイル)14.6部を加えて溶解させた。
この溶液に、0.12質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液420質量部を加え、これを乳化分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)にて10000rpmにて6分間分散することにより、乳化分散液を調製した。
この乳化分散液を、撹拌装置と水冷還流管と窒素導入管とをセットしたセパラブルフラスコに入れ、水溶性重合開始剤「VA−57」(和光純薬工業社製)0.84質量部を加えて溶解させた後、撹拌下、窒素気流を導入し、次いで昇温し、重合温度60℃を維持して8時間加熱撹拌して重合反応を行って多孔質樹脂粒子を生成させた。
その後、生成された多孔質樹脂粒子を吸引濾過によって濾取し、イオン交換水にて洗浄した後、バットに広げて40℃で乾燥する工程を経て白色の多孔質樹脂粒子〔1〕を得た。
多孔質樹脂粒子〔1〕の体積基準のメジアン径は8.0μmであった。
得られた多孔質樹脂粒子〔1〕そのままを、走査型電子顕微鏡(SEM、倍率は25000倍)で観察したところ、中空粒子のメソ孔が、平均孔径75nmであることがSEM観察より分かった。
(多孔質樹脂粒子の体積基準のメジアン径の計測方法)
多孔質樹脂粒子0.2gを、界面活性剤水溶液(多孔質樹脂粒子の分散を目的として、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)20mLに添加し、超音波分散を3分間行った分散液を試料にして、多孔質樹脂粒子の体積基準のメジアン径を測定した。
(孔径の計測方法)
多孔質樹脂粒子を光硬化性樹脂中に包埋したサンプルからウルトラミクロトームにより切り出した厚さ50nmの超薄切片を、透過型電子顕微鏡(TEM、JSM−7500F(日本電子社製))により2000倍の倍率で撮影し、多孔質樹脂粒子断面の画像を得た。なお、サンプリングする多孔質樹脂粒子が100個になるように複数の視野を撮影した。得られた画像から、LUZEX AP(ニレコ社製)によって多孔質樹脂粒子の孔の直径を測定した。なお、当該多孔質樹脂粒子の孔の測定では、多孔質樹脂粒子の中心付近の断面の径を測定するために、多孔質樹脂粒子の切断面の最大径が多孔質樹脂粒子のメジアン粒径の95%以上である切断面をもつ多孔質樹脂粒子のみを測定に用いた。切断した多孔質樹脂粒子の内、当該条件を満たすもの10個を無作為にピックアップして、それぞれの粒子につき10個の孔の直径を求め、その平均を孔径とした。
〔多孔質樹脂粒子〔2〕の製造例〕
多孔質樹脂粒子〔1〕の製造例の「KF−96−5,000cs」の代わりにアラキジン酸アラキジニルを用いることのほかは、多孔質樹脂粒子〔1〕の製造例と同様にして、多孔質樹脂粒子〔2〕とした。
〔多孔質樹脂粒子〔3〕〜〔5〕の製造例〕
多孔質樹脂粒子〔1〕の製造例において、スチレン、ジビニルベンゼン及びシクロヘキサンの割合を調整することで、表1に記載の孔径、樹脂粒子径としたほかは、多孔質樹脂粒子〔1〕の製造例と同様にして、多孔質樹脂粒子〔3〕〜〔5〕とした。
なお、多孔質樹脂粒子〔3〕〜〔5〕は、ラッピングフィルムシート#4000(スリーエム ジャパン(株)製)にて1cm2当り40gの圧力で研磨し、内部が露出した多孔質樹脂粒子とした。内部の露出の有無は、SEM(倍率は25000倍)により観察して確認した。なお、多孔質樹脂粒子において、平滑な表面から陥没している部分があれば、露出があるものとした。
〔多孔質樹脂粒子〔6〕〜〔8〕の製造例〕
多孔質樹脂粒子〔1〕の製造例の「KF−96−5,000cs」の代わりに表1中の化合物を用いることのほかは、多孔質樹脂粒子〔1〕の製造例と同様にして、多孔質樹脂粒子〔6〕〜〔8〕とした。
〔フィルター〔1〕〜〔8〕の製造例〕
上記製造した多孔質樹脂粒子〔1〕〜〔8〕を、市販のフルカラー複合機bizhubC754(コニカミノルタ社製)に附属のフィルターの半分の厚さのフィルター2枚で挟み込むことで、多孔質樹脂粒子を担持したフィルター〔1〕〜〔8〕とした。
〔フィルター〔9〕の製造例〕
活性炭粒子と、リン系難燃剤液(難溶性のポリリン酸アンモニウムが水に分散した難燃剤液:分散液濃度54%)とを使用し、特開2013−33197号公報の段落0074〜0080に記載の「超微粒子発生抑制フィルタ13」を製造する方法と同様の方法により、フィルター〔9〕を製造した。
〔フィルター〔10〕の製造例〕
特開2013−103154号公報の段落0049(実施例1)に記載の方法で、シロキサン類を吸着させた多孔質樹脂粒子〔10〕の分散液を製造した。この多孔質樹脂粒子〔10〕の分散液から分散媒を揮発させた後、フィルター〔1〕〜〔8〕の製造例と同様に、上記bizhubC754(コニカミノルタ社製)に附属のフィルターの半分の厚さのフィルター2枚で挟み込むことで、多孔質樹脂粒子を担持したフィルター〔10〕とした。
〔フィルター〔11〕の製造例〕
エチルスチレン−ジビニルベンゼン共重合体(「セパビーズSP700」、三菱化学(株)製)を、トレイに入れ、60℃の温風乾燥機で24時間乾燥した後、常温常圧の大気雰囲気下で24時間放置し、多孔質樹脂粒子〔11〕を得た。
多孔質樹脂粒子〔11〕について、カールフィッシャ水分計で水分含量を算出したところ、水分含量は1質量%であった。
この多孔質樹脂粒子〔11〕を、フィルター〔1〕〜〔8〕の製造例と同様に、上記bizhubC754(コニカミノルタ社製)に附属のフィルターの半分の厚さのフィルター2枚で挟み込み、多孔質樹脂粒子を担持したフィルター〔11〕とした。
Figure 0006819088
〔評価〕
上記フィルター〔1〕〜〔11〕をbizhubC754(コニカミノルタ社製)に装着し、画像形成装置〔1〕〜〔11〕とし、下記評価を行った。結果は表2に示す。
(揮発性化合物)
揮発性化合物のサンプリングは、Tenax管(Tenax:登録商標)で100mL/minの吸引速度でチャンバー内の空気を捕獲し、プリント動作の停止後も約2時間連続してサンプリングを行った。Tenax管から捕集した揮発性化合物を加熱脱着装置で脱離させ、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)にて脱離された揮発性化合物の量を測定した。装置から排出された全揮発性有機化合物量(TVOC)をBlueAngel Mark(BAM(ドイツ連邦材料研究試験機関)の基準)のエミッション率の計算式にて算出した。10mg/h以上の場合を実用上問題となるレベルとする。
(超微粒子総数)
チャンバー内に排出された超微粒子をTSI社製微粒子計測器(型式CPC3007)で連続的に測定した。プリント開始からプリント終了後3換気相当分の時間に観測された粒子径10〜1000nmの範囲内の超微粒子数の総数を測定した。1×107個/mL以上の場合を実用上問題となるレベルとする。
(圧力損失)
まず、多孔質樹脂粒子を担持させたフィルターをダクト内に設置し、空気濾過速度が10cm/秒になるよう大気を通気させ、フィルターの上流、下流の静圧差を差圧計にて読み取り、圧力損失Plを測定した。
次に、多孔質樹脂粒子を担持させていない状態のフィルターをダクト内に設置し、空気濾過速度が10cm/秒になるよう大気を通気させ、フィルターの上流、下流の静圧差を差圧計にて読み取り、圧力損失Plを測定した。
なお、フィルター〔9〕については、特開2013−33197号公報に記載の「超微粒子発生抑制フィルタ13」で使用されるカバー材の厚さが半分のものを二つ積層したものを、多孔質樹脂粒子を担持させていない状態のフィルターとして、圧力損失Plを測定した。
力損失比として、Pl /Pl を計算し、表2に結果を記載した。
<画像評価>
(画像汚れの数)
10万枚印刷後において、べた画像をJ紙(A4)出力したときに、スポットのように観察できる画像汚れを数えた。1枚当たりの画像汚れが100以上である場合を実用上問題となるレベルとする。
Figure 0006819088
表2に示すとおり、本発明によれば、定着処理時に発生する揮発性化合物及び超微粒子を、効率良く、安価に回収できる構成を有するため、装置外への揮発性化合物及び超微粒子の排出を抑制できることが示された。
なお、シリコーンオイル量及び高級炭化水素化合物の量は、原料の仕込み量を、それぞれの存在量として計算した。
1 画像形成装置
30 画像処理部
40 画像形成部
41、41Y、41M、41C、41K 画像形成ユニット
42 中間転写ユニット
43 二次転写ユニット
50 用紙搬送部
51 給紙部
51a、51b、51c 給紙トレイユニット
52 排紙部
52a 排紙ローラー
53 搬送経路部
53a レジストローラー対
60 定着部
62 定着ローラー
63 発熱ベルト
64 加圧ローラー
110 画像読取部
111 給紙部
112 スキャナー
112a CCDセンサー
140 排気ダクト
140a 吸気口
140b 排気口
141 吸引ファン
170 フィルター
411(411Y) 露光部
412(412Y) 現像部
413(413Y) 感光体ドラム
414(414Y) 帯電部
415(415Y) クリーニング部
421 中間転写ベルト
422 一次転写ローラー
423、431 支持ローラー
423A バックアップローラー
426 ベルトクリーニング部
431A 二次転写ローラー
432 二次転写ベルト
C 粉塵除去部
D 原稿
S 用紙

Claims (9)

  1. トナー像を担持する記録材を、一対の定着部材によって形成されたニップ部に通しつつ加熱及び加圧する定着処理により、前記トナー像を前記記録材上に定着する定着部を有する画像形成装置であって、
    前記定着部近傍の空気を画像形成装置本体外へ排気する排気ダクトを備え、
    前記排気ダクト内の排気経路が、多孔質樹脂粒子を担持したフィルターを有し、
    前記多孔質樹脂粒子が、内部にシリコーンオイル又は高級炭化水素化合物を含み、
    前記多孔質樹脂粒子を担持させたフィルターの圧力損失Plと、担持させていない状態の前記フィルターの圧力損失Plとが、下記関係式(1)を満たすことを特徴とする画像形成装置。
    関係式(1):67%≦Pl/Pl ≦99%
  2. 前記多孔質樹脂粒子の少なくとも一部が、内部を露出していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記多孔質樹脂粒子の有する孔が、メソ孔であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記多孔質樹脂粒子の体積基準のメジアン径(d50)が、0.5〜5μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記多孔質樹脂粒子の含有するシリコーンオイルの量が、前記多孔質樹脂粒子の体積の1〜50%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記多孔質樹脂粒子の含有するシリコーンオイルの粘度平均分子量が、6万以上であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記多孔質樹脂粒子の含有する高級炭化水素化合物の量が、前記多孔質樹脂粒子の体積の1〜50%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記多孔質樹脂粒子の含有する高級炭化水素化合物が、飽和高級炭化水素又はエステル基を有する炭化水素化合物であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記多孔質樹脂粒子の内部にシリコーンオイル及び高級炭化水素化合物を含むことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
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