JP2014010224A - 静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非磁性の一成分現像剤として用いた場合において、画像ムラやカブリの発生を抑制すると共に、スリーブゴーストの発生を抑制することにより、長期間にわたって高画質の画像を安定的に形成することができる静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法の提供。
【解決手段】非磁性の一成分現像剤として用いられる静電荷像現像用トナーにおいて、結着樹脂よりなるコア粒子上に、フッ素を有する重合性単量体と、酸性極性基を有する重合性単量体とにより形成された共重合体樹脂よりなるシェル層が形成されてなるトナー粒子と、外添剤とからなり、前記外添剤には、少なくともマグネシウムおよびアルミニウムを含有する無機化合物よりなる複合無機微粒子が含有されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、非磁性の一成分現像剤として用いられる静電荷像現像用トナーおよびこの静電荷像現像用トナーを用いた画像形成方法に関する。
従来、非磁性の一成分現像方式としては、例えば、トナー搬送部材、トナー層規制部材およびトナー補給補助部材を備え、かつ、トナー搬送部材とトナー層規制部材、および、トナー搬送部材とトナー補給補助部材がそれぞれ当接されている構成の現像装置により、非磁性の一成分現像剤として静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)を静電潜像担持体表面に供給して潜像を現像する方式が挙げられる。この方式においては、長時間の使用によって、トナーの流動性に変化が生じ、トナーの搬送ムラが起こりやすくなり、その結果、画像ムラが発生するという問題がある。また、長期間の使用によっては、特に高温高湿環境下において、トナー搬送部材やトナー層規制部材にトナーが融着し、帯電性が低下するため、カブリが発生するという問題もある。
トナー流動性および環境特性を改善する技術として、特許文献1には、フッ素を有する樹脂粒子を表面にシェル化したトナーを用いることが開示されている。
しかしながら、上記トナーを非磁性の一成分現像剤として用いると、フッ素の影響により、トナー表面に高い負帯電のチャージアップが発生しやすくなり、スリーブゴーストが発生するという問題がある。
特許第3994686号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、非磁性の一成分現像剤として用いた場合において、画像ムラやカブリの発生を抑制すると共に、スリーブゴーストの発生を抑制することにより、長期間にわたって高画質の画像を安定的に形成することができる静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法を提供することにある。
本発明の静電荷像現像用トナーは、非磁性の一成分現像剤として用いられる静電荷像現像用トナーにおいて、
結着樹脂を含有するコア粒子上に、フッ素を有する重合性単量体と、酸性極性基を有する重合性単量体とにより形成された共重合体樹脂を含有するシェル層が形成されてなるトナー粒子と、外添剤とからなり、
前記外添剤には、シリカ微粒子と、マグネシウムおよびアルミニウムを含有する無機化合物よりなる複合無機微粒子とが少なくとも含有されていることを特徴とする。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、前記複合無機微粒子が、マグネシウムとアルミニウムとの含有比率〔Mg(atm%)/Al(atm%)〕が1〜4、静抵抗が1×1010〜1×1013Ω・cm、数平均一次粒径が50〜1000nmのものであることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、前記外添剤には、チタン含有酸化物微粒子がさらに含有されていることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、前記複合無機微粒子は、当該静電荷像現像用トナー全質量に対して0.02〜1.0質量%の割合で含有されていることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、前記コア粒子に係る結着樹脂が、スチレン−アクリル系共重合体樹脂よりなることが好ましい。
本発明の画像形成方法は、上記の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする。
本発明の静電荷像現像用トナーによれば、シェル層が、フッ素を有する重合性単量体と酸性極性基を有する重合性単量体とによる共重合体樹脂を含有することにより、画像ムラやカブリの発生を抑制することができ、また、外添剤として、シリカ微粒子と、マグネシウム(Mg)およびアルミニウム(Al)を含有する無機化合物よりなる複合無機微粒子とを少なくとも用いることにより、シリカ微粒子によってより一層高い流動性が付与されるので画像ムラの発生を確実に抑制し、その上、複合無機微粒子が正帯電性のものであることから、トナー表面における負帯電のチャージアップを抑制するため、スリーブゴーストの発生を抑制することができる。以上のことから、本発明の静電荷像現像用トナーによれば、非磁性の一成分現像剤として用いた場合において、長期間にわたって高画質の画像を安定的に形成することができる。
本発明に係る静抵抗を測定する際に用いられる装置の構成を示す説明用概略図である。 本発明のトナーを非磁性の一成分現像剤として用いるフルカラー画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。 一成分現像剤の現像カートリッジの構成の一例を示す説明用断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔静電荷像現像用トナー〕
本発明のトナーは、非磁性の一成分現像剤として用いられるトナーであって、結着樹脂を含有するコア粒子上に、フッ素を有する重合性単量体と、酸性極性基を有する重合性単量体とにより形成された共重合体樹脂を含有するシェル層が形成されてなるトナー粒子と、外添剤とからなるものである。本発明に係るトナー粒子は、結着樹脂を含有するコア粒子の表面に、例えば塩析/融着法によって、共重合体樹脂を含有する樹脂(以下、「シェル樹脂」ともいう。)による微粒子(以下、「シェル樹脂微粒子」ともいう。)を融着させることにより、コアシェル構造が形成される。
〔シェル層〕
本発明に係るトナー粒子を構成するシェル層は、フッ素を有する重合性単量体(以下、「重合性単量体A」ともいう。)と、酸性極性基を有する重合性単量体(以下、「重合性単量体B」ともいう。)とにより形成された共重合体樹脂(以下、「特定の共重合体樹脂」ともいう。)を含有するシェル樹脂によって構成される。シェル樹脂には、特定の共重合体樹脂以外に、例えば、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などの他の樹脂が含有されていてもよい。
シェル樹脂における特定の共重合体樹脂の含有割合は、シェル樹脂100質量%中において20〜100質量%であることが好ましく、50〜100質量%であることがさらに好ましい。
シェル樹脂における特定の共重合体樹脂の含有割合が上記範囲内であることにより、画像ムラやカブリの発生を確実に抑制することができる。
一方、シェル樹脂における特定の共重合体樹脂の含有割合が20質量%未満である場合においては、フッ素による十分な負帯電性が得られず、画像ムラやカブリが発生するおそれがある。
フッ素を有する重合性単量体Aとしては、下記一般式(1)で表わされる単量体が好ましく用いられる。
上記一般式(1)中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2 は、少なくとも一つのフッ素を有するアルキル基を示す。R2 で表される少なくとも一つのフッ素を有するアルキル基としては、−(CH2 n −Rfで表されるアルキル基が好ましく用いられる。中でも、nは1〜10の整数が好ましく、更に好ましくは2〜4である。また、Rfは、炭素数1〜21のフルオロアルキル基であることが好しく、更に好ましくは炭素数6〜10の直鎖状または分枝鎖状のフルオロアルキル基またはペルフルオロアルキル基である。
以下、上記一般式(1)で表わされる重合性単量体Aの具体例を示す。
化合物(A−1):CH2 =C(CH3 )CO2 CH2 CF3
化合物(A−2):CH2 =C(CH3 )CO2 CH2 (CF2 2
化合物(A−3):CH2 =C(CH3 )CO2 CH2 CF2 CF3
化合物(A−4):CH2 =CHCO2 CH2 CF3
化合物(A−5):CH2 =CHCO2 CH2 (CF2 2
化合物(A−6):CH2 =CHCO2 CH2 CF2 CF3
化合物(A−7):β−(パーフルオロオクチルエチル)アクリレート
化合物(A−8):β−(パーフルオロオクチルエチル)メタクリレート
化合物(A−9):β−(パーフルオロイソノニルエチル)アクリレート
化合物(A−10):β−(パーフルオロイソノニルエチル)メタクリレート
これらは1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
酸性極性基を有する重合性単量体Bとしては、例えば、カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物、スルホン酸基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物などが挙げられる。
カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、およびこれらのNa、Znなどの金属塩類などが挙げられる。
スルホン酸基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物としては、例えば、スルホン化スチレン、およびそのNa塩、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル、およびこれらのNa塩などが挙げられる。
上記のなかでも、特に好ましいものは、メタクリル酸、アクリル酸である。また、上記記載の化合物は1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
本発明においては、特定の共重合体樹脂は、重合性単量体Aおよび重合性単量体Bと共に、その他のビニル系重合性単量体Cを用いて形成されることが好ましい。
ビニル系重合性単量体Cとしては、例えば、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体などが挙げられる。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレンなどのスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどが挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどが挙げられ、ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテルなどが挙げられる。
これらのうち、特に好ましいのはアクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルである。
また、上記記載の化合物は1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
重合性単量体A、重合性単量体B、およびその他のビニル系重合性単量体Cの構成比率は、重合性単量体A、重合性単量体B、およびその他のビニル系重合性単量体Cの合計質量を基準として、重合性単量体Aは20〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜70質量%であり、また、重合性単量体Bは、2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜12質量%である。
重合性単量体Aの重合成分を含む重合体Aの濃度は、シェル樹脂微粒子表面から内部にかけて濃度が高くなってもよく、逆にシェル樹脂微粒子表面から内部にかけて低くなってもよい。
トナー粒子の作製時、コア粒子とシェル層との接着性を高める観点から、シェル樹脂微粒子表面から内部にかけて、重合体Aの濃度が高くなることが特に好ましい。
重合性単量体Aの重合成分を含む重合体Aの濃度の変化は、具体的には重合性単量体A,BおよびCを一定の比で混合した分散液に重合開始剤を添加し重合を開始してシードを作製後、重合性単量体A,BおよびCの比をシードに対し変化させて滴下し重合を完給させることにより、達成することができる。
一例を挙げると、重合性単量体Aと重合性単量体Bを含む重合性単量体分散液に重合開始剤溶液を加えシェル樹脂微粒子のコア部を形成した後、重合性単量体Aを含まない、もしくは主成分としない重合性単量体を滴下しシェル部を形成させることにより、シェル樹脂微粒子を製造することができる。
ここで、重合性単量体Aの重合体成分である重合体Aは、重合性単量体Aのホモポリマーでもよく、その他の重合性単量体との共重合体でもよい。
また、シェル樹脂微粒子は、コアシェル構造のような非連続層を有することが好ましい。ここで、コア部の樹脂層またはシェル部の樹脂層を構成する樹脂は構成成分として、重合性単量体Aの重合成分を20〜80質量%、重合性単量体Bの重合成分を2〜20質量%の割合で含むことが好ましい。
重合性単量体Aの重合成分を含む重合体Aの濃度が、シェル樹脂微粒子表面か内部にかけて高くなっているものや、逆に低くなっているもの、また、コアシェル構造のような非連続層を有するものの組成分析は、微粒子表面からエッチングをかけながら、微粒子表面から微粒子内部にかけてX線光電子分光法による分析を行うことにより測定することができる。
特定の共重合体樹脂の軟化点は80〜170℃であることが好ましく、より好ましくは、90〜120℃であり、ガラス転移点は35〜80℃であることが好ましく、より好ましくは40〜60℃である。
本発明において、特定の共重合体樹脂の軟化点は、フローテスターで測定されるものである。
具体的には、荷重は200N、ダイ径1mm、10mm、高さ12mmのペレットを80℃で300秒放置した後、昇温速度6℃/分で5mmオフセット方式により測定する。
本発明において、特定の共重合体樹脂のガラス転移点は、示差熱量分析方法で測定され、例えば、DSC曲線を用いて測定されるものである。
具体的には、DSC−7(パーキンエルマー社製)を使用して測定し、測定条件としては、昇温・冷却条件として、0℃で1分間放置した後、10℃/分の条件で200℃まで昇温する(第1の昇温過程)。次いで、200℃で1分間放置後、10℃/分の条件で0℃まで冷却する(第1の冷却過程)。次いで、0℃で1分間放置後、10℃/分の条件で200℃まで昇温する(第2の昇温過程)。この第2の昇温過程で測定されたオンセット法での値、すなわち、ピークのベースラインとピークの最大傾きの直線との交点をガラス転移点とした。
特定の共重合体樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される数平均分子量(Mn)が1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000であること好ましい。さらに、分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜100であることが好ましく、より好ましくは1.8〜70である。
〔コア粒子〕
本発明に係るトナー粒子を構成するコア粒子は、結着樹脂を含有するものであって、着色剤を含有したものであっても、着色剤を含有しないものであってもよい。
なお、トナーとして着色剤を含有させたものを用いる場合においては、コア粒子に含有させることが好ましい。
結着樹脂としては、スチレン−アクリル系共重合体樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン樹脂などの公知の種々の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明のトナーにおいては、シェル層との接着性の観点から、スチレン−アクリル系共重合体樹脂を用いることが好ましい。
また、コア粒子の製法としては、粒子径の均一性の観点より、粉砕法ではなくケミカル法が好ましい。
結着樹脂は、ガラス転移点が30〜60℃であることが好ましく、より好ましくは30〜50℃である。また、軟化点が80〜110℃であることが好ましく、より好ましくは90〜100℃である。
結着樹脂のガラス転移点および軟化点は、測定試料として結着樹脂を用いて上述と同様に測定されるものである。
結着樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される分子量が10万〜100万の領域にピークもしくは肩を有する高分子量成分と、1000〜5万の領域にピークもしくは肩を有する低分子量成分の両成分を少なくとも含有することが好ましく、さらに好ましくは1.5万〜10万の領域にピークまたは肩を有する中間分子量体の樹脂を使用ことが好ましい。
〔着色剤〕
コア粒子が着色剤を含有したものとして構成される場合の着色剤としては、各種の無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラック、さらにマグネタイト、フェライトなどの磁性粉も用いられる。
これらの無機顔料は1種単独でまたは2種以上を併用することができる。また顔料の添加量は、結着樹脂に対して2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜15質量%である。
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加することが好ましい。
有機顔料および染料も従来公知のものを用いることができ、具体的な有機顔料および染料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156などが挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などを用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
これらの有機顔料および染料は1種単独でまたは2種以上を併用することができる。顔料の添加量は、結着樹脂に対して2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜15質量%である。
本発明において、着色剤は、表面改質されていてもよい。表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤などを好ましく用いることができる。シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどのアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。チタンカップリング剤としては、例えば、味の素社製の「プレンアクト」と称する商品名で市販されているTTS、9S、38S、41B、46B、55、138S、238Sなど、日本曹達社製の市販品A−1、B−1、TOT、TST、TAA、TAT、TLA、TOG、TBSTA、A−10、TBT、B−2、B−4、B−7、B−10、TBSTA−400、TTS、TOA−30、TSDMA、TTAB、TTOPなどが挙げられる。アルミニウムカップリング剤としては、例えば、味の素社製の「プレンアクトAL−M」などが挙げられる。
これらの表面改質剤の添加量は、着色剤に対して0.01〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。また、着色剤の表面改質法として、着色剤微粒子の分散液中に表面改質剤を添加し、この系を加熱して反応させる方法が挙げられる。この様にして表面改質された着色剤微粒子は、濾過により採取され、同一の溶媒による洗浄処理と濾過処理が繰り返された後、乾燥処理されて得られるものである。
〔外添剤〕
本発明のトナーを構成する外添剤は、シリカ微粒子と、マグネシウム(Mg)およびアルミニウム(Al)を含有する無機化合物よりなる複合無機微粒子とを少なくとも含有するものである。
外添剤を構成するシリカ微粒子は、乾式気相法で作製されるフュームドシリカ、湿式ゾルゲル法で作製されるゾルゲルシリカなどいずれでもよく、限定されるものではない。
本発明のトナーにおいては、外添剤としてシリカ微粒子が用いられることにより、トナー粒子に対して高い流動性を付与することができる。
シリカ微粒子の数平均一次粒径は、5〜200nmであることが好ましく、より好ましくは10〜150nmである。数平均一次粒径の異なる2種以上のものを併用してもよい。
シリカ微粒子の含有割合は、トナー全質量に対して0.05〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%である。
外添剤を構成する複合無機微粒子は、マグネシウム(Mg)およびアルミニウム(Al)を含有する無機化合物よりなるものである。
本発明のトナーにおける当該複合無機微粒子は正帯電性のものであることから、フッ素を有するトナー表面で生ずる負帯電の過剰なチャージアップを抑制するため、スリーブゴーストの発生を抑制することができる。
特にこの複合無機微粒子の中でも、層状の結晶構造を有する複水酸化物、いわゆるハイドロタルサイト類化合物は、帯電特性が良好であり、より高品位の画像を得ることができるため、さらに好ましく用いることができる。
複合無機微粒子としては、具体的には下記のものが挙げられる。
化合物(FM−1):MgAl2 4
化合物(FM−2):Mg2 (Ni)6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2
化合物(FM−3):Mg3.5 Zn0.5 Al2 (OH)12CO3 ・3H2
化合物(FM−4):Mg4 Al2 (OH)12CO3 ・3H2
化合物(FM−5):Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2
化合物(FM−6):Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2
化合物(FM−7):Mg10Al2 (OH)24CO3
複合無機微粒子の含有割合は、トナー全質量に対して0.02〜1.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.80質量%である。
複合無機微粒子の含有割合が0.02質量%以上であることにより、帯電特性やトナーの凝集度を調整することができ、また、1.0質量%以下であることにより環境変動に対しても安定性を確保することができる。
複合無機微粒子のMgとAlの含有比率〔Mg(atm%)/Al(atm%)〕は1〜4であることが好ましく、より好ましくは1.5〜2.5である。
含有比率〔Mg(atm%)/Al(atm%)〕が上記範囲内であることにより、目的とする帯電性能を確保することができる。
本発明において、含有比率〔Mg(atm%)/Al(atm%)〕は、蛍光X線分析装置(XRF)を用いて測定されるものである。
蛍光X線分析装置(XRF)は、試料に連続X線を照射して、試料を構成する元素に固有の特性X線(蛍光X線)を発生させる。そして、発生した蛍光X線を分光結晶により分光(波長分散型)することによりスペクトルを生成させ、得られたスペクトルを測定し、その強度から構成元素を定量分析するものである。
蛍光X線分析法では、マグネシウムとアルミニウムの含有割合が既知の複合無機微粒子を用いて蛍光X線分析装置で検量線をそれぞれ作成しておき、この検量線を用いて複合無機微粒子中のマグネシウムとアルミニウムの含有割合を求めるものである。
蛍光X線分析装置(XRF)としては、例えば、XRF−1800(島津製作所社製)や、ZSX−100E((株)RIGAKU社製)などが挙げられる。
蛍光X線分析装置(XRF)によるマグネシウムとアルミニウムの定量は、例えば、以下の手順により実施することが可能である。
(1)先ず、検量線作成用の試料を作製する。スチレンパウダー100質量部に既知量の水酸化マグネシウムを添加して、水酸化マグネシウム用の測定用ペレットを作製する。同様に、スチレンパウダー100質量部に既知量の酸化アルミニウムを添加し、酸化アルミニウム用の測定用ペレットを作製する。
(2)作製したペレットをそれぞれ蛍光X線分析装置にて測定し、スチレンパウダー中の水酸化マグネシウム或いは酸化アルミニウムについて、各試料より得られるピーク強度よりマグネシウムとアルミニウムについての検量線を作成する。
(3)次に、本発明に使用されるマグネシウムとアルミニウムを含有する複合無機微粒子を蛍光X線分析装置で測定し、得られたピーク強度を検量線と照合することにより、マグネシウムとアルミニウムの含有割合を定量する。
上記蛍光X線分析では、X線としてロジウム(Rh)のKα線を使用し、例えば、管電圧が20kV、管電流が100mAの出力条件の下で定量する。また、分光結晶はマグネシウム用およびチタン用の公知の分光結晶を用いることが可能である。
さらに、スペクトルを検出する検出器としては、公知のシンチレーションカウンタやプロポーションカウンタが使用可能である。
複合無機微粒子の静抵抗は、1×1010〜1×1013Ω・cmであることが好ましく、より好ましくは5×1010〜5×1012Ω・cmである。
複合無機微粒子の静抵抗が1×1010Ω・cm以上のものを用いることにより、高温高湿環境でも帯電量がリークを抑えることができ、1×1013Ω・cm以下のものを用いることにより低温低湿環境でも過帯電を抑えることができ、環境安定性を維持することができる。
本発明において、複合無機微粒子の静抵抗は、下記手順によって測定される値である。
図1に、静抵抗を測定する際に用いられる装置の構成を示す説明用概略図を示す。
図1において、1は荷重ユニット、2は試料、3は試料の高さ、4は本体セル、5は高圧電源、6は抵抗測定器である。
測定は、まず本体セル4に試料2(1g)を投入した後、1400gの荷重ユニット1を乗せ、その状態で試料の高さ3を測定する。その後、高圧電源5を用い、試料2の上下の電極面に1000Vの直流電圧を印加し、30秒後の抵抗測定器6で表示される抵抗値を読み取る。
本測定器の電極の面積は0.968cm2 であり、これらの値から静抵抗は下記数式(1)によって算出する。
数式(1):静抵抗={抵抗(Ω)×電極の面積(cm2 )}/試料高さ(cm)
複合無機微粒子の数平均一次粒径は、50〜1000nmあることが好ましく、より好ましくは200〜800nmである。
数平均一次粒径が50nm〜1000nmである複合無機微粒子を用いることにより、トナー粒子表面に好ましい状態で添加され、帯電特性を確保することができる。
本発明において、複合無機微粒子の数平均一次粒径は、下記の方法によって測定されるものである。
走査型電子顕微鏡にてトナーの3万倍写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。画像処理解析装置「LUZEX AP(ニレコ製)」にて、該写真画像のトナー粒子表面に存在する外添剤について2値化処理し、複合無機微粒子1種につき100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を数平均粒径とする。
複合無機微粒子の比表面積は、1.0m2 /g以上であることが好ましく、より好ましくは5.0〜200m2 /gである。
本発明において、比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置「オートソープ1」(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出して得られた値である。
本発明において、シリカ微粒子および複合無機微粒子は、表面処理剤によって疎水化処理を行うことが環境安定化を図る上でも好ましい。
表面処理剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどが挙げられる。
中でもシランカップリング剤が好ましく用いられ、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が使用可能であり、シリコ−ンオイルとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が例示される。
本発明のトナーにおいては、外添剤としてシリカ微粒子および複合無機微粒子と共に、帯電性の安定化の観点からチタン含有酸化物微粒子を用いることが好ましい。この微粒子の具体例としては、チタニア微粒子、ケイ素原子とチタン原子とを含有する複合酸化物微粒子が挙げられる。
このようなチタン含有酸化物微粒子を添加することにより、帯電量が適正値で安定するため耐久末期でカブリをさらに抑制することができる。
チタニア微粒子としては、アナターゼ型チタニア、ルチル型チタニア、アモルファスチタニア等が使用可能であるが、アナターゼ型チタニアが好ましい。
また、チタニア微粒子の数平均一次粒径は5〜200nmであることが好ましく、より好ましくは8〜100nmである。
ケイ素原子とチタン原子とを含有する複合酸化物微粒子としては、全金属元素量に対するチタン原子の割合が80atm%以上99.5atm%以下であることが好ましく、より好ましくは、90atm%以上97atm%以下である。
また、複合酸化物微粒子の数平均一次粒径は10〜500nmであることが好ましく、より好ましくは20〜200nmである。
本発明に使用可能なケイ素原子とチタン原子を含有する複合酸化物微粒子の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、気相法は代表的な作製方法の1つである。気相法は、ケイ素原子及びチタン原子を含有する原料化合物を加熱して気化させ、得られた気体を燃焼させてケイ素原子とチタン原子を含有する酸化物を作製する方法である。気相法によるチタン原子とケイ素原子とを含有する酸化物粒微子の様な複合酸化物微粒子の作製方法としては、たとえば、特許第3202573号公報に開示される高熱分解による混合酸化物の製法等はその1つである。
チタニア微粒子やケイ素原子とチタン原子とを含有する複合酸化物微粒子は、これらの粒径、表面処理の異なる2種以上の微粒子を添加してもよく、添加量は、トナー全質量に対して0.05〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%である。
本発明において、外添剤としては、これらのほかに、他の微粒子を併用することもできる。他の微粒子としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム微粒子やステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、チタン酸ストロンチウムやチタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。他の無機微粒子は、数平均一次粒径が5〜200nmであることが好ましく、より好ましくは8〜100nmである。
他の無機微粒子の含有割合は、トナー全質量に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜3質量%である。
チタニア微粒子やケイ素原子とチタン原子とを含有する複合酸化物微粒子、他の微粒子は、環境安定性の観点から、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって表面処理が行われたものであることが好ましい。
中でもシランカップリング剤が好ましく用いられ、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が使用可能であり、シリコ−ンオイルとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が使用可能である。
〔トナーの製造方法〕
本発明のトナーは、公知の種々の方法によって製造することができるが、コア粒子の表面に均一にシェル層を形成させることができることから、水系媒体に分散された結着樹脂微粒子と着色剤微粒子などを凝集、融着させてコア粒子を形成し、当該コア粒子の表面にシェル樹脂微粒子を凝集、融着させることによりトナー粒子が得られる乳化重合凝集法によって製造することが好ましい。
本発明のトナーを乳化重合凝集法によって製造する場合の、着色剤を含有するトナーの製造例を具体的に示すと、
(1−1)水系媒体中において、シェル樹脂によるシェル樹脂微粒子を形成して当該シェル樹脂微粒子が分散されてなる分散液を調製するシェル樹脂微粒子分散液調製工程、
(1−2)水系媒体中において、結着樹脂による結着樹脂微粒子を重合により形成して当該結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液を調製する結着樹脂重合工程、
(1−3)水系媒体中に、着色剤による着色剤微粒子が分散されてなる分散液を調製する着色剤微粒子分散液調製工程、
(2)水系媒体中で結着樹脂微粒子および着色剤微粒子を凝集させてコア粒子を形成するコア粒子形成工程、
(3)コア粒子が分散されてなる水系媒体中に、シェル樹脂微粒子を添加してコア粒子の表面にシェル樹脂微粒子を凝集、融着させてコア−シェル構造を有するトナー粒子を形成するシェル化工程、
(4)熱エネルギーにより熟成させて、トナー粒子の形状を調整する熟成工程、
(5)トナー粒子の分散系(水系媒体)からトナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程、
(6)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程、
(7)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程
から構成される。
本発明において、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
(1−1)シェル樹脂微粒子分散液調製工程
シェル樹脂微粒子は、乳化重合法、ミニエマルジョン重合法により作製されることが好ましく、より好ましくは、重合時に下記一般式(2)で表される連鎖移動剤を用いることにより、シェル樹脂の分子量、分子量分布を好ましい範囲に調整することができる。
以下、乳化重合法またはミニエマルジョン重合法について説明する。
乳化重合法は、単量体(以下、「モノマー」ともいう。)を臨界ミセル形成濃度(以下、「CMC」と略す。)以上の濃度の乳化剤(以下、「界面活性剤」ともいう。)の存在下で、ホモジナイザー等の機械的分散手段により乳化・分散し、ついで主に水溶性の重合開始剤を添加し、重合して樹脂微粒子を形成し、次いで、会合により所望のサイズの樹脂微粒子を製造する方法である。
また、ミニエマルジョン重合法は、乳化重合法の1形態であり、CMC以下の乳化剤濃度で乳化する方法である。このときに用いる重合開始剤は、水溶性、油溶性のいずれでも良いが、例えば、油溶性の重合開始剤や機能性化合物を重合性モノマーと共存させ、CMC以下の濃度の乳化剤の存在下で機械的に分散および重合を行うことにより、モノマー粒子内での機能性添加剤などの分子拡散が抑制され、モノマー油滴内でのみ重合が進行するため、微粒子でかつ、所望の添加物がモノマー粒子内に確実に含有された樹脂微粒子を得ることができる。
〔連鎖移動剤〕
一般式(2):HS−R3 −COOR4
上記一般式(2)中、R3 は炭素数1〜10の2価の基を示し、R4 は炭素数2〜15のアルキル基を示す。
上記一般式(2)において、R3 としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基などが挙げられるが、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、オクタメチレン基、ヘキサメチレン基、エチルエチレン基、プロペニレン基、ビニレン基などが挙げられる。これらの置換基は未置換でもさらに置換基を有しても良い。
上記一般式(2)において、R4 としては、例えば、直鎖状または分岐状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基など)、アルケニル基(例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基など)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基など)が挙げられる。
上記一般式(2)で表される連鎖移動剤としては、例えば、チオグリコール酸エステル類、3−メルカプトプロピオン酸エステル類を挙げることができる。具体的には、チオグリコール酸エステル類としては、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコール酸エステル、ネオペンチルグリコールのチオグリコール酸エステル、トリメチロールプロパンのチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリトールのチオグリコール酸エステル、ソルビトールのチオグリコール酸エステルが挙げられる。3−メルカプトプロピオン酸エステル類としては、エチルエステル、オクチルエステル、デシルエステル、ドデシルエステル、ペンタエリスリトールテトラキスエステル、エチレングリコールの3−メルカプトプロピオン酸エステル、ネオペンチルグリコールの3−メルカプトプロピオン酸エステル、トリメチロールプロパンの3−メルカプトプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールの3−メルカプトプロピオン酸エステル、ソルビトールの3−メルカプトプロピオン酸エステルなどが挙げられる。これらのなかでも、特に好ましく用いられるのは、3−メルカプトプロピオン酸エステル類であり、特に、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルである。
上記一般式(2)で表される連鎖移動剤の使用量としては、重合性単量体に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは、0.03〜3質量%である。
上記記載の乳化重合法、ミニエマルジョン重合法においては、重合反応開始に重合開始剤が用いられる。この重合開始剤としては、水溶性の開始剤が好ましく、例えば、過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(例えば、4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。さらに、上記ラジカル重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合せレドックス系開始剤とすることができる。レドックス系開始剤を用いることにより、重合活性を上昇させ、重合温度の低下が図られ、更に、重合時間の短縮が達成できるなど好ましい面を有している。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であれば、特に限定されないが例えば50〜90℃の範囲である。但し、過酸化水素・還元剤(アスコルビン酸など)を組み合わせた常温開始の重合開始剤を用いることで、室温またはそれ以上の温度で重合することも可能である。
反応温度は、使用する単量体、重合開始剤の種類などによって異なるが、通常は30〜80℃の範囲が好ましい。また、反応時間は、単量体成分が消失する時点までであるが、通常、3〜20時間が好ましい。なお、重合を行うpHは弱酸性雰囲気で行われ、4〜6が好ましい。固形分は25%以上であり、好ましくは35%以上で行われる。
このシェル樹脂微粒子分散液調製工程において得られるシェル樹脂微粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で例えば30〜400nmの範囲にあることが好ましい。
なお、体積基準のメジアン径は、「UPA−150」(マイクロトラック社製)を用いて測定されるものである。
〔界面活性剤〕
水系媒体中には、分散させた微粒子の凝集を防ぐために、分散安定剤が添加されていることが好ましい。
分散安定剤としては、公知の種々のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などの界面活性剤を使用することができる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデイシルトリメチルアンオニウムブロマイドなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノリルフェニルポリキオシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、スチリルフェニルポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウムなどの脂肪族石鹸や、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げることができる。
以上の界面活性剤は、所望に応じて、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(1−2)結着樹脂重合工程
この結着樹脂重合工程においては、結着樹脂に係る樹脂微粒子が形成されて、これがコア粒子形成工程に供される。
具体的には、結着樹脂に係る樹脂微粒子は、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、結着樹脂を形成するための重合性単量体に必要に応じてワックスや荷電制御剤などのトナー構成成分を溶解あるいは分散させた単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで、水溶性のラジカル重合開始剤を添加して、液滴中において重合反応を進行させる。なお、前記液滴中に油溶性の重合開始剤が含有されていてもよい。このような結着樹脂重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌または超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この結着樹脂重合工程において形成させる結着樹脂微粒子は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成のものとすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した第1樹脂微粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
結着樹脂重合工程において界面活性剤を使用する場合は、界面活性剤として、例えば上述のシェル樹脂微粒子分散液調製工程において使用することのできる界面活性剤として挙げたものと同じものを使用することができる。
本発明に係るトナー粒子中には、結着樹脂および着色剤の他に、トナー構成成分として必要に応じてワックスや荷電制御剤、磁性粉などの内添剤が含有されていてもよく、このような内添剤は、例えば、この結着樹脂重合工程において、予め、結着樹脂を形成するための単量体溶液に溶解または分散させておくことによってトナー粒子中に導入することができる。
また、このような内添剤は、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、コア粒子形成工程において樹脂微粒子および着色剤微粒子と共に当該内添剤微粒子を凝集させることにより、トナー粒子中に導入することもできるが、結着樹脂重合工程において予め導入しておく方法を採用することが好ましい。
〔ワックス〕
ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス類、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、クエン酸ベヘニルなどのエステルワックス類などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ワックスとしては、トナーの低温定着性および離型性を確実に得る観点から、その融点が50〜95℃であるものを用いることが好ましい。
ワックスの含有割合は、トナーを構成する樹脂全量に対して2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜18質量%、さらに好ましくは4〜15質量%である。
〔荷電制御剤〕
荷電制御剤としては、水系媒体中に分散することができる公知の種々の化合物を用いることができ、具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体などが挙げられる。
トナー粒子中に荷電制御剤を含有させる方法としては、上記に示したオフセット防止剤を含有させる方法と同様の方法を挙げることができる。
荷電制御剤の含有割合は、トナーを構成する樹脂全量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%とされる。
〔重合開始剤〕
結着樹脂重合工程において使用される重合開始剤としては、上記と同様のものを使用することができる。
〔連鎖移動剤〕
結着樹脂重合工程においては、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては上記と同様のものを使用することができる。
この結着樹脂重合工程において得られる結着樹脂微粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で例えば30〜400nmの範囲にあることが好ましい。
なお、体積基準のメジアン径は、「UPA−150」(マイクロトラック社製)を用いて測定されるものである。
(1−3)着色剤微粒子分散液調製工程
着色剤微粒子分散液は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、着色剤が均一に分散されることから、水系媒体中において界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われることが好ましい。着色剤の分散処理に使用する分散機としては、公知の種々の分散機を用いることができる。
この着色剤微粒子分散液調製工程において調製される着色剤微粒子分散液中の着色剤微粒子の分散径は、体積基準のメジアン径で10〜300nmとされることが好ましい。
この着色剤微粒子分散液中の着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」で測定されるものである。
この着色剤微粒子分散液調製工程において界面活性剤を使用する場合は、界面活性剤として、例えば上述のシェル樹脂微粒子分散液調製工程において使用することのできる界面活性剤として挙げたものと同じものを使用することができる。
(2)コア粒子形成工程
このコア粒子形成工程においては、必要に応じて、結着樹脂微粒子および着色剤微粒子と共に、ワックスや荷電制御剤などのその他のトナー構成成分の微粒子を凝集させることもできる。
結着樹脂微粒子および着色剤微粒子を凝集、融着する具体的な方法としては、水系媒体中に凝集剤を臨界凝集濃度以上となるよう添加し、次いで、結着樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、かつ、これら混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することによって、結着樹脂微粒子および着色剤微粒子などの微粒子の塩析を進行させると同時に融着を並行して進め、所望の粒子径まで成長したところで、凝集停止剤を添加して粒子成長を停止させ、さらに、必要に応じて粒子形状を制御するために加熱を継続して行う方法である。
この方法においては、凝集剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くして速やかに結着樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、かつ、これら混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することが好ましい。この理由は明確ではないが、塩析した後の放置時間によっては粒子の凝集状態が変動して粒径分布が不安定になったり、融着させた粒子の表面性が変動したりする問題が発生することが懸念されるためである。この昇温までの時間としては通常30分間以内であることが好ましく、10分間以内であることがより好ましい。また、昇温速度としては1℃/分以上であることが好ましい。昇温速度の上限は特に規定されるものではないが、急速な融着の進行による粗大粒子の発生を抑制する観点から、15℃/分以下とすることが好ましい。さらに、反応系がガラス転移点以上の温度に到達した後、当該反応系の温度を一定時間保持することにより、融着を継続させることが肝要である。これにより、コア粒子の成長と、融着とを効果的に進行させることができ、最終的に得られるトナー粒子の耐久性を向上することができる。
〔凝集剤〕
このコア粒子形成工程において使用する凝集剤としては、特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。金属塩としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の塩などの一価の金属塩;カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの二価の金属塩;鉄、アルミニウムなどの三価の金属塩などが挙げられる。具体的な金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンなどを挙げることができ、これらの中で、より少量で凝集を進めることができることから、二価の金属塩を用いることが特に好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
コア粒子形成工程において界面活性剤を使用する場合は、界面活性剤として、例えば上述のシェル樹脂微粒子分散液調製工程において使用することのできる界面活性剤として挙げたものと同じものを使用することができる。
このコア粒子形成工程において得られるコア粒子の粒径は、例えば体積基準のメジアン径(D50)が2〜9μmであることが好ましく、より好ましくは4〜7μmである。
コア粒子の体積基準のメジアン径は、「コールターマルチサイザー3」(コールター・ベックマン社製)によって測定されるものである。
(3)シェル化工程
このシェル化工程においては、コア粒子の分散液中にシェル樹脂微粒子を添加してコア粒子の表面にシェル樹脂微粒子を凝集、融着させ、コア粒子の表面にシェル層を被覆させてトナー粒子を形成する。
具体的には、コア粒子の分散液はコア粒子形成工程における温度を維持した状態でシェル樹脂微粒子の分散液を添加し、加熱撹拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル樹脂微粒子をコア粒子の表面に凝集、融着させることによってコア粒子の表面に厚さ100〜300nmのシェル層を被覆させてトナー粒子を形成する。加熱撹拌時間は、1〜7時間が好ましく、3〜5時間が特に好ましい。
(4)熟成工程
上記のコア粒子形成工程およびシェル化工程における加熱温度の制御によりある程度トナーにおけるトナー粒子の形状の均一化を図ることができるが、さらなる形状の均一化を図るために、熟成工程を経る。
この熟成工程は、加熱温度と時間の制御を行うことにより、粒径が一定で分布が狭く形成したトナー粒子表面が平滑だが均一な形状を有するものとなるよう制御する。具体的には、コア粒子形成工程およびシェル化工程において加熱温度を低めにして樹脂微粒子同士の融着の進行を抑制させて均―化を促進させ、この熟成工程においても加熱温度を低めに、かつ、時間を長くしてトナー粒子を所望の平均円形度となる、すなわち表面が均一な形状のものとなるよう制御する。
(5)洗浄工程〜(6)乾燥工程
洗浄工程および乾燥工程は、公知の種々の方法を採用して行うことができる。
(7)外添剤添加工程
この外添剤添加工程は、乾燥処理したトナー粒子に外添剤を添加、混合することにより、トナーを調製する工程である。
外添剤としては、少なくともシリカ微粒子および複合無機微粒子を用い、チタニア微粒子をさらに用いることが好ましい。
外添剤の添加方法としては、乾燥されたトナー粒子に外添剤を粉体で添加する乾式法が挙げられ、混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置が挙げられる。
〔トナーの平均粒径〕
本発明のトナーの平均粒径は、例えば体積基準のメジアン径(D50)で3〜10μmであることが好ましい。この粒径は、乳化重合凝集法を採用して製造する場合には、使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、例えば1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することができる。
本発明において、トナーの体積基準のメジアン径は「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。
具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を調製し、このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を100μmにして頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
〔トナーの平均円形度〕
本発明のトナーは、このトナーを構成する個々のトナー粒子について、転写効率の向上の観点から、下記式(T)で示される円形度の算術平均値が0.850〜0.990であることが好ましい。
式(T):円形度=粒子投影像と同等の投影面積を有する真円の周囲長/粒子投影像の周囲長
本発明において、トナーの平均円形度は「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定される値である。
具体的には、トナー粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行い、分散した後、「FPIA−2100」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある測定値が得られる。
以上のようなトナーによれば、シェル層が、フッ素を有する重合性単量体と酸性極性基を有する重合性単量体とによる共重合体樹脂を含有することにより、画像ムラやカブリの発生を抑制することができ、また、外添剤として、シリカ微粒子と、マグネシウム(Mg)およびアルミニウム(Al)を含有する無機化合物よりなる複合無機微粒子とを少なくとも用いることにより、シリカ微粒子によってより一層高い流動性が付与されるので画像ムラの発生を確実に抑制し、その上、複合無機微粒子が正帯電性のものであることから、トナー表面における負帯電のチャージアップを抑制するため、スリーブゴーストの発生を抑制することができる。以上のことから、本発明のトナーによれば、非磁性の一成分現像剤として用いた場合において、長期間にわたって高画質の画像を安定的に形成することができる。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、非磁性の一成分現像剤として用いられるものである。
〔画像形成装置〕
本発明のトナーは、一般的な電子写真方式の画像形成方法に用いることができ、このような画像形成方法が行われる画像形成装置としては、例えば静電潜像担持体である感光体と、トナーと同極性のコロナ放電によって当該感光体の表面に一様な電位を与える帯電手段と、一様に帯電された感光体の表面上に画像データに基づいて像露光を行うことにより静電潜像を形成させる露光手段と、トナーを感光体の表面に搬送して前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成する現像手段と、当該トナー像を必要に応じて中間転写体を介して転写材に転写する転写手段と、転写材上のトナー像を定着させる定着手段を有するものを用いることができる。
また、本発明のトナーは、定着温度(定着部材の表面温度)が100〜200℃とされる比較的低温のものにおいて好適に用いることができる。
さらに、本発明のトナーは、静電潜像担持体の線速が100〜500mm/secとされる高速機に好適に用いることができる。
図2は、本発明のトナーを非磁性の一成分現像剤として用いるフルカラー画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
図2示すフルカラー画像形成装置においては、回転駆動される感光体ドラム10の周囲に、この感光体ドラム10の表面を所定の電位に均一に帯電させる帯電手段である帯電ブラシ111や、この感光体ドラム10上に残留したトナーを除去するクリーナー112が設けられている。
また、帯電ブラシ111によって帯電された感光体ドラム10をレーザービームによって走査露光する露光手段であるレーザー走査光学系20が設けられており、このレーザー走査光学系20はレーザダイオード、ポリゴンミラー、fθ光学素子を内蔵した周知のものであり、その制御部にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック毎の印字データがホストコンピュータから転送されるようになっている。そして、このレーザー走査光学系20は、上記の各色毎の印字データに基づいて、順次レーザービームとして出力し、感光体ドラム10上を走査露光し、これにより感光体ドラム10上に各色毎の静電潜像を順次形成するようになっている。
また、このように静電潜像が形成された感光体ドラム10に各色のトナーを供給してフルカラーの現像を行う現像手段であるフルカラー現像カートリッジ30は、支軸33の周囲にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各非磁性一成分トナーを収容させた4つの色別の現像カートリッジ31Y、31M、31C、31Bkが設けられており、支軸33を中心として回転し、各現像カートリッジ31Y、31M、31C、31Bkが感光体ドラム10と対向する位置に導かれるようになっている。
また、このフルカラー現像カートリッジ30における各現像カートリッジ31Y、31M、31C、31Bkにおいては、例えば図3に示すように、回転してトナーを搬送する現像剤担持体(現像ローラー)25の外周面にトナー規制部材が圧接(当接)されており、このトナー規制部材により、現像ローラー25によって搬送されるトナーの量を規制すると共に、搬送されるトナーを帯電させるようになっている。
そして、上記のようにレーザー走査光学系20によって感光体ドラム10上に各色の静電潜像が形成される毎に、上記のように支軸33を中心にして、このフルカラー現像カートリッジ30を回転させ、対応する色彩のトナーが収容された現像カートリッジ31Y、31M、31C、31Bkを感光体ドラム10と対向する位置に順々に導き、各現像カートリッジ31Y、31M、31C、31Bkにおける現像ローラー25を感光体ドラム10に接触させてまたは非接触で、上記のように各色の静電潜像が順々に形成された感光体ドラム10上に、帯電された各色のトナーを順々に供給して現像を行うようになっている。
また、このフルカラー現像カートリッジ30より感光体ドラム10の回転方向下流側の位置には、中間転写体として、回転駆動される無端状の中間転写ベルト40が設けられており、この中間転写ベルト40は感光体ドラム10と同期して回転駆動されるようになっている。そして、この中間転写ベルト40は回転可能な1次転写ローラー41により押圧されて感光体ドラム10に接触するようになっており、またこの中間転写ベルト40を支持する支持ローラー42の部分には、2次転写ローラー43が回転可能に設けられ、この2次転写ローラー43によって記録紙等の転写材Sが中間転写ベルト40に押圧されるようになっている。
更に、フルカラー現像カートリッジ30とこの中間転写ベルト40との間のスペースには、中間転写ベルト40上に残留したトナーを掻き取るクリーナー50が中間転写ベルト40に対して接離可能に設けられている。
また、転写材Sを中間転写ベルト40に導く給紙手段60は、転写材Sを収容させる給紙トレイ61と、この給紙トレイ61に収容された転写材Sを1枚ずつ給紙する給紙ローラー62と、中間転写ベルト40上に形成された画像と同期して給紙された転写材Sを中間転写ベルト40と2次転写ローラー43との間に送るタイミングローラー63とで構成されており、このようにして中間転写ベルト40と2次転写ローラー43との間に送られた転写材Sを2次転写ローラー43によって中間転写ベルト40に押圧させて、中間転写ベルト40からトナー像を転写材Sへ押圧転写させるようになっている。
一方、上記のようにトナー像が押圧転写された転写材Sは、エアーサクションベルト等で構成された搬送手段66により定着手段70に導かれるようになっており、この定着手段70において転写されたトナー像が転写材S上に定着され、その後、この転写材Sが垂直搬送路80を通して装置本体100の上面に排出されるようになっている。
次に、このフルカラー画像形成装置を用いてフルカラーの画像形成を行う動作について具体的に説明する。
まず、感光体ドラム10と中間転写ベルト40とを同じ周速度でそれぞれの方向に回転駆動させ、感光体ドラム10を帯電ブラシ111によって所定の電位に帯電させる。
そして、このように帯電された感光体ドラム10に対して、上記のレーザー走査光学系20によりイエロー画像の露光を行い、感光体ドラム10上にイエロー画像の静電潜像を形成した後、この感光体ドラム10にイエロートナーを収容させた現像カートリッジ31Yからトナー規制部材によって荷電されたイエロートナーを供給してイエロー画像を現像し、このようにイエローのトナー像が形成された感光体ドラム10に対して中間転写ベルト40を1次転写ローラー41によって押圧させ、感光体ドラム10に形成されたイエローのトナー像を中間転写ベルト40に1次転写させる。
このようにしてイエローのトナー像を中間転写ベルト40に転写させた後は、フルカラー現像カートリッジ30を、支軸33を中心にして回転させ、マゼンタトナーが収容された現像カートリッジ31Mを感光体ドラム10と対向する位置に導き、イエロー画像の場合と同様に、レーザー走査光学系20により帯電された感光体ドラム10に対してマゼンタ画像を露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をマゼンタトナーが収容された現像カートリッジ31Mによって現像し、現像されたマゼンタのトナー像を感光体ドラム10から中間転写ベルト40に1次転写させ、更に同様にして、シアン画像及びブラック画像の露光、現像及び1次転写を順々に行って、中間転写ベルト40上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像を順々に重ねてフルカラーのトナー像を形成する。
そして、中間転写ベルト40上に最終のブラックのトナー像が1次転写されると、転写材Sをタイミングローラー63により2次転写ローラー43と中間転写ベルト40との間に送り、2次転写ローラー43により転写材Sを中間転写ベルト40に押圧させて、中間転写ベルト40上に形成されたフルカラーのトナー像を転写材S上に2次転写させる。
そして、このようにフルカラーのトナー像が転写材S上に2次転写されると、この転写材Sを上記の搬送手段66により定着手段70に導き、この定着手段70によって転写されたフルカラーのトナー像を記録材S上に定着させ、その後、この転写材Sを、垂直搬送路80を通して装置本体100の上面に排出させるようになっている。
図3は、一成分現像剤の現像カートリッジの構成の一例を示す説明用断面図である。
この現像カートリッジ31は、少なくとも現像ローラー25と規制ブレード28を有し、非磁性一成分トナーの現像装置として用いられる。
現像カートリッジ31は、現像ローラー25に隣接したバッファ室26と、バッファ室26に隣接したホッパ27とを有する。
バッファ室26にはトナー規制部材である規制ブレード28が現像ローラー25に圧接(当接)させた状態で配置されている。規制ブレード28は、現像ローラー25上のトナーの帯電量および付着量(搬送量)を規制するものである。また、現像ローラー25の回転方向に対して規制ブレード28の下流側に、現像ローラー25上のトナー帯電量・付着量の規制を補助するための補助ブレード29を更に設けることも可能である。
現像ローラー25には供給ローラー30が押圧されている。供給ローラー30は、図示しないモータにより現像ローラー25と同一方向(図中反時計回り方向)に回転駆動する。供給ローラー30は、導電性の円柱基体と基体の外周にウレタンフォームなどで形成された発泡層を有する。
ホッパ27には非磁性の一成分現像剤であるトナーTが収容されている。また、ホッパ27にはトナーTを撹拌する回転体35が設けられている。回転体35には、フィルム状の搬送羽根が取付けられており、回転体35の矢印方向への回転によりトナーTを搬送する。搬送羽根により搬送されたトナーTは、ホッパ27とバッファ室26を隔てる隔壁に設けられた通路32を介してバッファ室26に供給される。なお、搬送羽根の形状は、回転体31の回転に伴い羽根の回転方向前方でトナーTを搬送しながら撓むとともに、通路32の左側端部に到達すると真っ直ぐの状態に戻るようになっている。このように羽根はその形状を、湾曲状態を経て真っ直ぐに戻るようにすることでトナーTを通路32に供給している。
また、通路32には通路32を閉鎖する弁321が設けられている。この弁321はフィルム状の部材で、一端が隔壁の通路32右側面上側に固定され、トナーTがホッパ27から通路28に供給されると、トナーTからの押圧力により右側に押されて通路32を開けるようになっている。その結果、バッファ室26内にトナーTが供給される。
現像カートリッジ31では、画像形成時に現像ローラー25が矢印方向に回転駆動するとともに供給ローラー34の回転によりバッファ室26のトナーが現像ローラー25上に供給される。現像ローラー25上に供給されたトナーTは、規制ブレード28、補助ブレード29により帯電、薄層化された後、像担持体との対向領域に搬送され、像担持体上の静電潜像の現像に供される。現像に使用されなかったトナーは、現像ローラー25の回転に伴って除電ブレード24によりトナーを除電する。現像ローラー25とトナーの静電的な付着力を低減させた後、供給ローラー34により現像ローラー25から掻き取られ回収される。
本発明において、現像ローラー25へ当接する規制ブレード28の当接圧平均は、10〜50N/mであることが好ましく、より好ましくは15〜45N/mである。
当接圧を上記範囲とすることで、現像ローラーの樹脂層を痛めることなく、非磁性一成分トナーを均一な厚さにして搬送でき、且つ非磁性一成分トナーに均一な帯電量を付与することができる。
本発明で用いられる規制ブレード28は、現像ローラー25表面にトナーを均一に薄層化し、トナーを均一に帯電付与させる目的で現像カートリッジ31内に設置されている。
規制ブレード28としては、非磁性一成分トナーを均一に薄層化と帯電付与ができ、且つ現像ローラーへの当接圧平均が規定範囲に制御できるバネ弾性を持つリン青銅を用いる。
リン青銅は、他の金属弾性材料(例えば、ステンレス)と比較し、非磁性一成分トナーに安定した帯電を付与できる。
これは、リン青銅の帯電序列が、ステンレスよりプラスであるため、ステンレスより安定した帯電を非磁性一成分トナーに付与することができるものと推測している。
リン青銅板の材質は、JIS H3731相当品が好ましい。
リン青銅の厚さは特に限定されないが、厚さ0.03〜0.12mmのものを用いると当接圧平均を上記範囲に調整しやすい。
なお、規制ブレード28は、ホルダーにより固定され、ホルダーに固定された状態で現像カートリッジ20に取付けられて用いられる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。なお、文中「部」とは「質量部」を表す。
〔シェル樹脂微粒子分散液の調製例1〕
温度計、還流冷却器、撹拌機およびモノマーチャージ器を備えたセパラブルフラスコに脱イオン水430部を入れて、窒素ガスで酸素を置換した後70℃に昇温し、過硫酸カリウム(KPS)5部を入れ撹拌を行った。
上記と同一の装置を備えたセパラブルフラスコを用意し、ビニル系重合性単量体Cとして、メチルメタクリレート(MMA)44部、n−ブチルアクリレート(BA)44部、重合性単量体Aとして、上記化合物(A−1)(2,2,2−トリフロオロエチルメタクリレート)を100部、酸性極性基を有する重合性単量体Bとして、メタクリル酸(MAA)12部、連鎖移動剤して、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル1部を脱イオン水480部、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフホン酸ナトリウム:SDS)9部で乳化したもの5%をシードとして、過硫酸カリウムの入ったセパラブルフラスコに加え20分間重合した。
さらに、残りの乳化物を5時間にわたって連続的にフラスコ中に滴下した。それから更に、75℃で3時間反応させた後、50℃に冷却し、イオン交換水で5倍に希釈したのちアンモニア水でpH8に調整し、シェル樹脂微粒子〔S1〕の分散液を得た。シェル樹脂微粒子〔S1〕の平均粒径は体積基準のメジアン径で95nmであった。
〔シェル樹脂微粒子分散液の調製例2〜5〕
シェル樹脂微粒子の作製例1において、重合性単量体A、重合性単量体B、ビニル系重合性単量体Cを表1に記載のように変更した以外は、同様にしてシェル樹脂微粒子〔S2〕〜〔S5〕の分散液を各々調製した。
〔シェル樹脂微粒子分散液の調製例6(コアシェル構造)〕
(1)コア部の形成
温度計、還流冷却器、撹拌機およびモノマーチャージ器を備えたセパラブルフラスコに脱イオン水998部を入れて、窒素ガスで酸素を置換した後72℃に昇温し、過硫酸カリウム5部を入れ攪拌を行った。
上記と同一の装置を備えたセパラブルフラスコを用意し、ビニル系重合性単量体Cとして、メチルメタクリレート44部、n−ブチルアクリレート44部、重合性単量体Aとして、上記化合物(A−1)2,2,2−トリフロオロエチルメタクリレート100部、重合性単量体Bとして、メタクリル酸12部、連鎖移動剤としてn−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル1部を脱イオン水191部、SDS2.2部で乳化したものの5%をシードとして、過硫酸カリウムの入ったセパラブルフラスコに加え20分間重合した。更に残りの乳化物を1.5〜2時間にわたって連続的にフラスコ中に滴下し、コア部とした。
(2)シェル部の形成
その後、1時間反応させ、コア部と同様に、ビニル系重合性単量体Cとして、メチルメタクリレート44部、n−ブチルアクリレート44部、重合性単量体Bとして、メタクリル酸12部、連鎖移動剤としてn−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル1部で乳化したものを1〜2時間にわたって上記の3リットルセパラブルフラスコ中に連続的に滴下し、シェル部とした。
それから更に75℃で2時間反応させた後、50℃に冷却しアンモニア水でpH8に調整し、コアシェル構造を有するシェル樹脂微粒子〔S6〕の分散液を得た。
〔シェル樹脂微粒子分散液の調製例7〕
シェル樹脂微粒子の作製例1において、重合性単量体Bおよびビニル系重合性単量体Cのみを用い、表1に記載のように変更した以外は、同様にして比較用シェル樹脂微粒子〔S7〕の分散液を調製した。
得られたシェル樹脂微粒子〔S1〕〜〔S7〕の構成、物性等の一覧を表1に示す。
〔結着樹脂微粒子分散液の調製例1〕
(1)第一段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにアニオン系界面活性剤(C1021(OCH2 CH2 2 OSO3 Na)7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
(2)第二段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に、ワックスとして「HNP−57」(日本精蝋社製)98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(C1021(OCH2 CH2 2 OSO3 Na)1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、ラテックス(1H)を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記単量体溶液を8時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックスを得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
(3)第三段重合
ラテックス(1HM)に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却し、結着樹脂微粒子〔1〕の分散液を得た。
この結着樹脂微粒子の分子量は、1380000、80000および13000にピーク分子量を有するものであり、また、平均粒径は122nmであった。
〔着色剤微粒子分散液の調製〕
SDS59.0gをイオン交換水1600mlに撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、C.I.Pigment red 122 420.0gを徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子の分散液(以下、「着色剤微粒子分散液〔1〕」という。)を調製した。この着色剤微粒子分散液〔1〕における着色剤微粒子の粒径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメジアン径で89nmであった。
<トナーの作製例1>
結着樹脂微粒子〔1〕の分散液420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、着色剤微粒子分散液〔1〕166gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ撹拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜10.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6〜60分間かけて90℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンター TA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径で5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長をいったん停止し、コア粒子〔1〕を得た。次いで、シェル樹脂微粒子〔S1〕の分散液を固形分換算で30gを添加し、更に熟成処理として液温度98℃にて2時間にわたり加熱撹拌し、塩化ナトリウム40.2gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子の熟成をいったん停止し液温度98℃にて1〜4時間にわたり加熱撹拌することにより、粒子の融着を継続させた。その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥し、トナー粒子〔1〕を得た。トナー粒子〔1〕の体積基準のメジアン径は6.4μmであった。
乾燥させたトナー粒子〔1〕に、下記表2に示すシリカ微粒子〔SI−1〕を0.8質量%、下記表3に示す複合無機微粒子〔FM−1〕を0.03質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合し、目開き50μmの篩を通過させることにより、粗大粒子や凝集物を取り除いてトナー〔1〕を作製した。
<トナーの作製例2〜15>
トナーの作製例1において、シェル樹脂微粒子の種類および外添剤の種類および添加量を表2〜表5に従って変更したことの他は同様にして、トナー〔2〕〜〔15〕を作製した。
以上のトナー〔1〕〜〔15〕を非磁性一成分現像剤として用いて、ハーフトーン均一性、カブリおよびスリーブゴーストについて評価した。
評価機として、市販のデジタルカラープリンター「magicolor5440DL」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用いた。上記のトナーを投入し、20℃/50%RHの環境下で20万枚の印刷を行い、初期状態および20万枚耐久後の状態において以下の評価を行った。結果を表6に示す。
〔ハーフトーン均一性〕
20万枚耐久後のトナー搬送性変動によるハーフトーン画像の均一性(ムラのなさ)を評価した。下記のように4段階に目視評価した。
A:ムラの無い均一な画像
B:スジ状の極めて薄いムラが存在
C:スジ状の薄いムラが数本存在するが実用上問題ないレベル
D:スジ状のはっきりしたムラが数本以上存在
評価ランクは、A〜Cを合格、Dを不合格とした。
〔カブリ〕
初期と20万枚耐久後のカブリ濃度を、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて測定した。なお、カブリ濃度は以下のように算出される値である。印字されていない印刷用紙(白紙)の濃度を20箇所測定し、その平均値を白紙濃度とし、次に、無地画像が印刷された印刷用紙の白地部分の濃度を同様に20箇所測定し、その平均値から白紙濃度を引いた値をカブリ濃度とした。カブリ濃度が0.005未満であれば良好であり、0.010未満であれば実用上問題なく、合格と判断される。
〔スリーブゴースト〕
ベタ白部とベタ黒部とが隣り合う画像を現像した現像スリーブの位置が、現像スリーブの次の回転時に現像位置に存在し、ハーフトーンを現像するように設定し、ハーフトーンに現れる濃淡差を目視により確認し、下記評価基準で評価を行った。
◎:濃淡差が見られない
○:濃淡差が見られるが実用可能レベル
×:濃淡差が見られ、実用不可能レベル
以上の結果より、実施例1〜10に係る本発明のトナーにおいては、ハーフトーンの均一性、カブリおよびスリーブゴーストのいずれにおいても良好な結果が得られた。
1 荷重ユニット
2 試料
3 試料の高さ
4 本体セル
5 高圧電源
6 抵抗測定器
10 感光体ドラム
111 帯電ブラシ
112 クリーナー
20 レーザー走査光学系
24 除電ブレード
25 現像ローラー
26 バッファ室
27 ホッパ
28 規制ブレード
29 補助ブレード
30 フルカラー現像カートリッジ
31 現像カートリッジ
32 通路
321 弁
33 支軸
34 供給ローラー
35 回転体
40 中間転写ベルト
41 1次転写ローラー
42 支持ローラー
43 2次転写ローラー
50 クリーナー
60 給紙手段
61 給紙トレイ
62 給紙ローラー
63 タイミングローラー
66 搬送手段
70 定着手段
80 垂直搬送路
100 装置本体
S 転写材

Claims (6)

  1. 非磁性の一成分現像剤として用いられる静電荷像現像用トナーにおいて、
    結着樹脂を含有するコア粒子上に、フッ素を有する重合性単量体と、酸性極性基を有する重合性単量体とにより形成された共重合体樹脂を含有するシェル層が形成されてなるトナー粒子と、外添剤とからなり、
    前記外添剤には、シリカ微粒子と、マグネシウムおよびアルミニウムを含有する無機化合物よりなる複合無機微粒子とが少なくとも含有されていることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記複合無機微粒子が、マグネシウムとアルミニウムとの含有比率〔Mg(atm%)/Al(atm%)〕が1〜4、静抵抗が1×1010〜1×1013Ω・cm、数平均一次粒径が50〜1000nmのものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記外添剤には、チタン含有酸化物微粒子がさらに含有されていることを特徴とする請求項1または請求子2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記複合無機微粒子は、当該静電荷像現像用トナー全質量に対して0.02〜1.0質量%の割合で含有されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記コア粒子に係る結着樹脂が、スチレン−アクリル系共重合体樹脂よりなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
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