以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る水栓装置を表す説明図である。
図1に表したように、水栓装置10(吐水装置)は、対象物(人体や物体等)を検知して自動的な吐止水を行うものであり、洗面台に備え付けられる洗面器11に対して吐止水を行う。
洗面器11は、洗面カウンタ12の上面に設けられる。洗面カウンタ12の上には、洗面器11のボウル面11aに対して水を吐出するためのスパウトを構成する水栓13(吐水部)が設けられる。水栓13は、水を吐出する吐水口13aを有し、この吐水口13aから吐出される水が洗面器11のボウル面11a内に吐出されるように設けられる。
水栓13が吐水口13aから吐出する水は、給水路14により供給される。給水路14は、水道管等の給水源から供給される水を吐水口13aへと導く。洗面器11には、排水路15が接続されている。排水路15は、吐水口13aから洗面器11のボウル面11a内に吐水された水を排出する。
水栓装置10は、電磁弁16と、センサ部18と、コントローラ部20と、発電部22と、を備える。センサ部18は、コントローラ部20と分離されている。センサ部18は、例えば、水栓13の内部に収容される。電磁弁16及びコントローラ部20は、例えば、洗面台の下側に収容される。電磁弁16及びコントローラ部20は、例えば、洗面カウンタ12の下方に設けられるキャビネット(図示は省略)内に収容される。
センサ部18とコントローラ部20とは、接続ケーブル17で接続されている。コントローラ部20は、例えば、接続ケーブル17を介してセンサ部18に電源電圧を供給し、接続ケーブル17を介してセンサ部18を制御する。
電磁弁16は、給水路14に設けられ、給水路14の開閉を行う。電磁弁16が開くと、給水路14から供給された水が吐水口13aから吐出される吐水状態となり、電磁弁16が閉じると、給水路14から供給された水が吐水口13aから吐出されない止水状態となる。
電磁弁16は、コントローラ部20に接続されており、コントローラ部20は、電磁弁16を駆動して開/閉動作を制御する。電磁弁16は、コントローラ部20からの制御信号に従って電気的に制御され、給水路14の開閉を行う。このように、電磁弁16は、吐水口13aから吐水される水の給水路14を開閉する給水バルブとして機能する。
電磁弁16は、いわゆるラッチング・ソレノイド・バルブと称される自己保持型電磁弁(ラッチ式電磁弁)であり、ソレノイドコイルへの一方向への通電によって閉状態から開状態に動作(開動作)し、その後ソレノイドコイルへの通電を遮断しても開状態を保持し、ソレノイドコイルへの他方向への通電によって開状態から閉状態に動作(閉動作)し、その後ソレノイドコイルへの通電を遮断しても閉状態を保持する。
センサ部18は、吐水口13aに接近する対象物(手など)を検知する。この吐水口13aの吐水先が、センサ部18の検知領域となる。センサ部18は、光信号を送信し、送信した光信号を受けた人体等の対象物から反射した反射信号を受信することにより、対象物の位置や動き等を検知する。
センサ部18は、例えば、赤外光の光信号を用いた光センサである。センサ部18から送信される光信号は、例えば、可視光などでもよい。以下では、光信号を赤外光として説明を行う。なお、「赤外光」とは、例えば、0.7μm以上1000μm以下の波長の光である。また、センサ部18には、例えば、超音波センサやマイクロ波センサなどを用いてもよい。
センサ部18は、水栓13の吐水口13a近くの内部に設けられ、洗面台の使用者側(図1において左側)に向けて光信号を送信するように配置される。これにより、センサ部18は、吐水口13aに人体が近づいてきたことや、吐水口13aに近づいた人体から吐水口13aに向けて手が差し出されたこと等を検知可能にする。
センサ部18は、対象物の検知結果を表す検知信号を接続ケーブル17を介してコントローラ部20に入力する。コントローラ部20は、センサ部18から入力された検知信号に基づいて、対象物の有無を検知する。コントローラ部20は、例えば、検知信号に基づいて、対象物の位置や動き等を検知する。そして、コントローラ部20は、この検知結果に基づいて電磁弁16の開/閉動作を制御する。また、コントローラ部20は、センサ部18に対して制御信号を出力して、センサ部18のセンシング動作を制御する。
発電部22は、例えば、水栓13と電磁弁16との間の給水路14の経路上に設けられ、電磁弁16を開いた際に、給水路14を流れる水の流れを利用して発電を行う。発電部22は、発電した電力をコントローラ部20に供給する。なお、発電部22は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
以上のように、本実施形態の水栓装置10は、電磁弁16と、センサ部18と、コントローラ部20と、発電部22と、を備え、センサ部18の検知信号に基づいてコントローラ部20が制御することにより、電磁弁16の開/閉動作が制御される。これにより、吐水口13aに接近する対象物の検知結果(洗面台の使用者の動き等)に応じた吐水を行う。コントローラ部20は、対象物の検知に応じて吐水を行い、対象物の非検知に応じて吐水を停止させる。すなわち、水栓装置10では、使用者が吐水口13aの近くに手などを差し出している間、自動的に吐水が行われる。
また、センサ部18は常に動作しているのではなく、センシングを必要とするタイミングに動作をするように、コントローラ部20が制御している。これにより、センサ部18の消費電力を下げることができる。コントローラ部20は、例えば、使用者が不便に感じない程度にセンサ部18のセンシング動作の頻度を下げる。これにより、水栓装置10全体の低消費電力化を図ることができる。
図2は、第1の実施形態に係る水栓装置を表すブロック図である。
図3は、第1の実施形態に係る水栓装置を表す回路図である。
図2及び図3に表したように、センサ部18は、センサ30及び制御部32を有する。コントローラ部20は、駆動部を構成する駆動制御部40、弁駆動回路42、パルス発生部44、及び電源部46を有する。
センサ30は、赤外線を投光する投光素子、赤外線を受光する受光素子、及び物体検知処理部を備えている。物体検知処理部は、投光素子や受光素子の投光及び受光タイミングを制御したり、受光素子の受光した光信号に基づく物体検知を行ったりする。物体検知処理部は、対象物を検知すると検知信号を制御部32に出力する。
制御部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やメモリ、入出力インターフェイス等の各種機能部分を備え、これら各種機能部分が、データ通信用のバス等により互いに通信可能に接続されている。
制御部32は、入出力インターフェイスとして、少なくとも、駆動制御部40に対して開指令信号S1を入出力するための入出力インターフェイスと、閉指令信号S2を入出力するための入出力インターフェイスを有する。
制御部32は、メモリとして、少なくとも、CPUが演算処理を行う際にワークエリアとして利用するメモリと、各種の情報を記憶するための不揮発性メモリと、CPUが水栓装置10を制御するために実行する制御プログラムを記憶するためのメモリと、を有する。これらメモリは、別々に用意してもよいし、単一のメモリを共用してもよい。
センサ部18とコントローラ部20とは、接続ケーブル17で接続されている。接続ケーブル17は、コントローラ部20がセンサ部18へ供給する電源を伝送するための電源ラインL5とGNDラインL6、及び、センサ部18がコントローラ部20へ出力する開指令信号S1を伝送するための第1信号ラインL1と閉指令信号S2を伝送するための第2信号ラインL2、の計4本の配線により構成されている。
制御部32の出力する開指令信号S1は、第1信号ラインL1を介して駆動制御部40に入力され、制御部32の出力する閉指令信号S2は、第2信号ラインL2を介して駆動制御部40に入力される。
なお、開指令信号S1とは、電磁弁16を開弁するための開駆動の実行を駆動制御部40に対して指令するための信号であり、閉指令信号S2とは、電磁弁16を閉弁するための閉駆動の実行を駆動制御部40に対して指令するための信号である。
また、駆動制御部40は、第3信号ラインL3及び第4信号ラインL4を介して弁駆動回路42と接続されている。第3信号ラインL3は、駆動制御部40と弁駆動回路42との間で開駆動信号S3を伝送する信号ラインであり、第4信号ラインL4は、駆動制御部40と弁駆動回路42との間で閉駆動信号S4を伝送する信号ラインである。
なお、開駆動信号S3とは、電磁弁16を開弁するための開弁動作の実行を弁駆動回路42に対して指令するための信号であり、閉駆動信号S4とは、電磁弁16を閉弁するための閉弁動作を弁駆動回路42に対して指令するための信号である。
なお、以下では、これら信号S1〜S4の出力状態は、アクティブ/非アクティブという語を用いて説明する。アクティブな開指令信号S1とは、駆動制御部40に対して電磁弁16の開駆動を指令する信号を意味し、非アクティブな開指令信号S1とは、駆動制御部40に対して電磁弁16の開駆動を指令しない信号を意味する。また、アクティブな閉指令信号S2とは、駆動制御部40に対して電磁弁16の閉駆動を指令する信号を意味し、非アクティブな閉指令信号S2とは、駆動制御部40に対して電磁弁16の閉駆動を指令しない信号を意味する。
また、アクティブな開駆動信号S3とは、電磁弁16を開弁させる駆動を指令する駆動信号を意味し、非アクティブな開駆動信号S3とは、電磁弁16を開弁させる駆動を指令しない駆動信号を意味する。また、アクティブな閉駆動信号S4とは、電磁弁16を閉弁させる駆動を指令する駆動信号を意味し、非アクティブな閉駆動信号S4とは、電磁弁16を閉弁させる駆動を指令しない駆動信号を意味する。
駆動制御部40は、弁駆動回路42の開駆動を制御する開駆動制御回路40aと、弁駆動回路42の閉駆動を制御する閉駆動制御回路40bとを備える。開駆動制御回路40aは、制御部32から入力される開指令信号S1に基づいて開駆動信号S3を生成して弁駆動回路42に出力する開駆動制御を行う。閉駆動制御回路40bは、制御部32から入力される閉指令信号S2に基づいて閉駆動信号S4を生成して弁駆動回路42に出力する閉駆動制御を行う。
開駆動制御回路40aは、例えば、開指令信号S1をアクティブローの論理信号とし、開駆動信号S3をアクティブハイの論理信号とした場合、開指令信号S1の論理を反転した信号を生成して出力する回路で構成することが出来る。図3には、このような回路の一例として、論理を反転した信号を生成して出力するトランジスタ回路を例示してある。
図3に示す例では、開駆動制御回路40aは、弁駆動回路42がH型のブリッジ回路であるため、N型のFETとP型のFETを駆動することにより電磁弁16のソレノイドコイルの開方向に電流を流すようになっている。このため、N型のFETのゲートには、開駆動信号S3をそのまま印加しているが、P型のFETのゲートには、開駆動信号S3の論理を反転回路にて論理反転させた電圧を印加するようになっている。
閉駆動制御回路40bは、例えば、閉指令信号S2をアクティブローの論理信号とし、閉駆動信号S4をアクティブハイの論理信号とした場合、閉指令信号S2の論理を反転した信号を生成して出力する回路で構成することが出来る。図3には、このような回路の一例として、論理を反転した信号を生成して出力するトランジスタ回路を例示してある。
図3に示す例では、閉駆動制御回路40bは、弁駆動回路42がH型のブリッジ回路であるため、N型のFETとP型のFETを駆動することにより電磁弁16のソレノイドコイルの閉方向に電流を流すようになっている。このため、N型のFETのゲートには、閉駆動信号S4をそのまま印加しているが、P型のFETのゲートには、閉駆動信号S4の論理を反転回路にて論理反転させた電圧を印加するようになっている。
なお、ここで説明した開指令信号S1と開駆動信号S3の論理関係、及び閉指令信号S2と閉駆動信号S4の論理関係は一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能であることは言うまでも無い。
弁駆動回路42は、第3信号ラインL3を介して開駆動信号S3を入力されると電磁弁16を開弁するための開駆動を行い、第4信号ラインL4を介して閉駆動信号S4を入力されると電磁弁16を閉弁させるための閉駆動を行う。これにより、弁駆動回路42は、電磁弁16の開/閉状態を、駆動制御部40の開閉駆動に応じた状態に変更し、ひいては制御部32の開閉指令に応じた状態に変更する事が出来る。
図3において、弁駆動回路42は、4つのトランジスタ(図では電界効果トランジスタ)を用いたH型のブリッジ回路により、電磁弁16のソレノイドコイルを負荷として駆動する構成になっている。なお、H型のブリッジ回路には、誘導性負荷であるソレノイドコイルの逆起電力対策として、各トランジスタと並列にダイオードを配置してある。
この弁駆動回路42は、駆動制御部40から入力される開駆動信号S3によって電磁弁16のラッチングソレノイドのソレノイドコイルに一方向(開方向)の電流を流し、駆動制御部40から入力される閉駆動信号S4によって電磁弁16のラッチングソレノイドのソレノイドコイルに他方向(閉方向)の電流を流す。これにより、電磁弁16は、ソレノイドコイルに流れる電流の方向に応じた開/閉動作を行い、給水路14を開閉する。
開駆動制御回路40aは、例えば、PNP型のトランジスタTr1を有する。トランジスタTr1のベースは、第1信号ラインL1に接続されている。また、トランジスタTr1のコレクタは、第3信号ラインL3に接続されている。
閉駆動制御回路40bは、例えば、PNP型のトランジスタTr2を有する。トランジスタTr2のベースは、第2信号ラインL2に接続されている。また、トランジスタTr2のコレクタは、第4信号ラインL4に接続されている。
弁駆動回路42は、例えば、反転回路42a、42bと、ブリッジ回路42cと、を有する。反転回路42aは、例えば、NPN型のトランジスタTr3を有する。反転回路42bは、例えば、NPN型のトランジスタTr4を有する。ブリッジ回路42cは、例えば、P型のFET42c1、42c2と、N型のFET42c3、42c4と、を有する。
トランジスタTr3のベースは、第3信号ラインL3に接続されている。また、トランジスタTr3のコレクタは、FET42c1のゲートに接続されている。トランジスタTr4のベースは、第4信号ラインL4に接続されている。また、トランジスタTr4のコレクタは、FET42c2のゲートに接続されている。FET42c3のゲートは、第3信号ラインL3に接続されている。FET42c4のゲートは、第4信号ラインL4に接続されている。
第1信号ラインL1をローレベルにすると、トランジスタTr1がオンになる。トランジスタTr1がオンになると、第3信号ラインL3がハイレベルに設定され、トランジスタTr3がオンになる。トランジスタTr3がオンになると、FET42c1のゲートがローレベルになり、FET42c1がオンになる。また、第3信号ラインL3がハイレベルに設定されているため、FET42c3もオンになる。これにより、電磁弁16に対して矢線Aで示す方向に電流が流れ、電磁弁16が開状態となる。
第2信号ラインL2をローレベルにすると、トランジスタTr2がオンになる。トランジスタTr2がオンになると、第4信号ラインL4がハイレベルに設定され、トランジスタTr4がオンになる。トランジスタTr4がオンになると、FET42c2のゲートがローレベルになり、FET42c2がオンになる。また、第4信号ラインL4がハイレベルに設定されているため、FET42c4もオンになる。これにより、電磁弁16に対して矢線Bで示すように開駆動時とは逆方向に電流が流れ、電磁弁16が閉状態となる。
制御部32は、対象物を感知していない待機状態においては、第1信号ラインL1及び第2信号ラインL2をいずれもハイレベルに設定する。これにより、例えば、電磁弁16の閉状態が維持される。制御部32は、センサ30の検知結果を基に、対象物の感知を検知すると、一時的に第1信号ラインL1をローレベルにする。これにより、電磁弁16が開状態となり、水栓13から水が吐出される。そして、制御部32は、センサ30の検知結果を基に、対象物の非感知を検知すると、一時的に第2信号ラインL2をローレベルにする。これにより、電磁弁16が閉状態となり、水栓13からの水の吐出が停止される。
また、制御部32は、上記のように対象物の検知動作を行う通常動作モードと、対象物の検知動作を行わずに通常動作モードよりも消費電力を低下させた低消費電力モードと、を有する。低消費電力モードは、例えば、内部のクロック発振の少なくとも一部を停止させた状態である。低消費電力モードは、例えば、スリープモードである。このため、制御部32は、外部からの信号の入力が無い限り、低消費電力モードから通常動作モードには復帰しない。低消費電力モードは、通常動作モードよりも消費電力が低く、かつ外部からの信号入力が無いと復帰しない任意の動作状態でよい。
制御部32は、入力端子32aを有する。制御部32は、入力端子32aに対する外部からの信号入力に応じて低消費電力モードから通常動作モードに復帰する。制御部32は、例えば、入力端子32aに対する所定の信号の入力に応じて外部割込みを発生させ、低消費電力モードから通常動作モードに復帰する。入力端子32aは、第1信号ラインL1に接続されている。
制御部32は、通常動作モードの動作を行った後、低消費電力モードに移行する。そして、制御部32は、例えば、低消費電力モードにおいて、第1信号ラインL1がハイレベルからローレベルに切り替わったことに応答して低消費電力モードから通常動作モードに復帰する。
より詳しくは、制御部32は、通常動作モードにおいて、センサ30の検知結果を基に、対象物の感知・非感知を判定する。制御部32は、水栓13から水が吐出されていない止水状態において対象物の感知を判定した場合には、第1信号ラインL1の開指令信号S1をアクティブにして電磁弁16を開状態にした後、第1信号ラインL1の開指令信号S1を非アクティブに戻し、通常動作モードから低消費電力モードに移行する。
制御部32は、水栓13から水が吐出されている吐水状態において対象物の非感知を判定した場合には、第2信号ラインL2の閉指令信号S2をアクティブにして電磁弁16を閉状態にした後、第2信号ラインL2の閉指令信号S2を非アクティブに戻し、通常動作モードから低消費電力モードに移行する。
制御部32は、止水状態において対象物の非感知を判定した場合には、電磁弁16の閉状態を維持したまま通常動作モードから低消費電力モードに移行する。
制御部32は、吐水状態において対象物の感知を判定した場合には、電磁弁16の開状態を維持したまま通常動作モードから低消費電力モードに移行する。
そして、制御部32は、低消費電力モードにおいて第1信号ラインL1の開指令信号S1がアクティブになった場合に、低消費電力モードから通常動作モードに移行し、上記いずれかの動作を実行する。
パルス発生部44は、第1信号ラインL1に接続されている。パルス発生部44は、制御部32の通常動作モードの最長の動作時間よりも長い所定の周期で第1信号ラインL1の開指令信号S1を一時的にアクティブにするパルス信号を第1信号ラインL1に入力する。パルス発生部44が開指令信号S1をアクティブにする時間は、例えば、制御部32が低消費電力モードから通常動作モードに移行するのに必要で、かつ制御部32による開指令信号S1の制御の妨げとならない時間である。パルス発生部44は、例えば、制御部32が低消費電力モードから通常動作モードに移行した後、センサ30の検知結果を基に対象物の感知・非感知を判定している間に、開指令信号S1をアクティブから非アクティブに戻す。
これにより、制御部32は、通常動作モードの動作を行って低消費電力モードに移行した後、パルス発生部44のパルス信号の入力に応じて低消費電力モードから通常動作モードに復帰する。従って、制御部32は、パルス発生部44のパルス信号の周期に応じて通常動作モードを低消費電力モードとを周期的に繰り返す。これにより、対象物の感知に応じて自動的に水栓13から水を吐出し、対象物の非感知に応じて自動的に水栓13からの水の吐出を停止させる制御が可能となる。
この例において、パルス発生部44は、トランジスタTr1のベースに接続されている。この場合、開指令信号S1をアクティブにすると、開駆動信号S3もアクティブになってしまう。従って、この例では、パルス発生部44が、第3信号ラインL3にも接続されている。パルス発生部44は、開指令信号S1をアクティブにしたタイミングで、開駆動信号S3を非アクティブにする。これにより、パルス発生部44が開指令信号S1をアクティブにしたタイミングで、水栓13から水が吐出されてしまうことを抑制することができる。パルス発生部44の構成は、上記に限ることなく、開指令信号S1を定期的にアクティブにでき、かつ開指令信号S1をアクティブにしたタイミングで、開駆動信号S3を非アクティブにできる任意の構成でよい。
電源部46は、発電部22及び電池24と接続されている。電源部46は、発電部22及び電池24から供給される直流電力を所定の電圧値の直流電力に変換し、電磁弁16、センサ部18、及びコントローラ部20の各部などに供給する。電池24は、図示を省略したホルダなどに着脱可能に取り付けられる。電池24は、電源部46に対して着脱可能に接続される。電池24の電圧が低下した場合などには、電池24の交換が行われる。
電源部46は、例えば、蓄電コンデンサ50と、昇圧回路52と、制限抵抗54と、駆動コンデンサ56と、充電電圧制限部58と、を有する。
蓄電コンデンサ50は、発電部22及び電池24から供給された直流電力を蓄電する。充電電圧制限部58は、蓄電コンデンサ50の電圧を検出し、蓄電コンデンサ50の電圧が所定値以上である場合に、発電部22から蓄電コンデンサ50への直流電力の供給を停止させることにより、蓄電コンデンサ50の過充電を抑制する。
昇圧回路52は、蓄電コンデンサ50に蓄電された直流電力を所定の電圧値の直流電力に変換する。昇圧回路52は、例えば、蓄電コンデンサ50に蓄電された第1電圧値の直流電力から、第1電圧値よりも高い第2電圧値の直流電力に変換する。換言すれば、昇圧回路52は、蓄電コンデンサ50に蓄電された直流電力の電圧値を昇圧する。このように、昇圧回路52は、入力電圧を所定の出力電圧に昇圧する。
昇圧回路52は、昇圧制御部52aを有する。昇圧制御部52aは、例えば、スイッチング素子を含み、スイッチング素子のオン・オフの切り替えにより、昇圧回路52による直流電力の変換を制御する。昇圧制御部52aは、例えば、変換後の直流電力の電圧値が実質的に一定となるように、スイッチング素子のオン・オフを制御する。
昇圧回路52は、変換後の直流電力をセンサ部18及びコントローラ部20の各部に供給する。センサ部18及びコントローラ部20の各部は、昇圧回路52からの電力供給に応じて動作する。また、昇圧回路52は、変換後の直流電力により、駆動コンデンサ56を充電する。
制限抵抗54は、昇圧回路52から駆動コンデンサ56に供給される直流電力の電流及び電圧を制限する。駆動コンデンサ56は、電磁弁16のソレノイドコイルに電流を供給する。駆動コンデンサ56は、換言すれば、電磁弁16のソレノイドコイルを駆動するためのコンデンサである。電磁弁16のソレノイドコイルには、比較的大きな電流が流れる。駆動コンデンサ56は、電磁弁16のソレノイドコイルに供給する電力を蓄電することにより、電磁弁16のソレノイドコイルの動作時に、瞬間的に負荷が高くなってセンサ部18、コントローラ部20、及び昇圧回路52などの動作が不安定になってしまうことを抑制する。
図4は、第1の実施形態に係る水栓装置の動作の一例を表すフローチャートである。
図5〜図7は、第1の実施形態に係る水栓装置の動作の一例を表すタイミングチャートである。
図4〜図7に表したように、センサ部18の制御部32は、電源部46への電池24の接続などにともなって動作を開始すると、まず、閉指令信号S2をアクティブにすることにより、止水制御を開始する(図4のステップS01)。閉指令信号S2をアクティブにすると、閉駆動信号S4がアクティブになり、電磁弁16のソレノイドバルブに電流が流れて、電磁弁16が閉状態となる。
制御部32は、止水制御を行った後、開指令信号S1及び閉指令信号S2を非アクティブにする(図4のステップS02、図5のタイミングT01)。これにより、電磁弁16の閉状態が維持される。すなわち、水栓13から水が吐出していない状態が維持される。この後、制御部32は、低消費電力モードに移行する(図4のステップS03)。
また、電源部46に電池24を接続し、電源部46からパルス発生部44に電力が供給されると、パルス発生部44が起動する。パルス発生部44は、電力の供給に応じて起動すると、パルス信号の生成を開始し、生成したパルス信号を第1信号ラインL1に入力する。
制御部32は、パルス発生部44からのパルス信号によって第1信号ラインL1の開指令信号S1がアクティブになるまで、低消費電力モードを維持する(図4のステップS04)。そして、制御部32は、パルス発生部44からのパルス信号によって第1信号ラインL1の開指令信号S1がアクティブになったことに応答して、低消費電力モードから通常動作モードに移行する(図4のステップS05、図5のタイミングT02)。
制御部32は、低消費電力モードから通常動作モードに移行すると、センサ30を駆動し、対象物の検知を行う(図4のステップS06)。この後、制御部32は、吐水中であるか否かを判定する(図4のステップS07)。
制御部32は、止水中と判定した場合、今回の検知結果が感知か否かを判定する(図4のステップS08)。
制御部32は、非感知と判定した場合、センサ30の動作を停止させて通常動作モードから低消費電力モードに移行し、ステップS04の処理に戻る(図4のステップS09、図5のタイミングT03)。
一方、制御部32は、感知と判定した場合、開指令信号S1をアクティブにして電磁弁16を開状態とし、水栓13から水を吐出させる吐水制御を行う(図4のステップS10、図6のタイミングT11)。制御部32は、水栓13からの水の吐出を開始させた後、開指令信号S1を非アクティブに戻すとともに、センサ30の動作を停止させて通常動作モードから低消費電力モードに移行し、ステップS04の処理に戻る(図4のステップS09、図6のタイミングT12)。
また、制御部32は、ステップS07において吐水中と判定した場合、今回の検知結果が非感知か否かを判定する(図4のステップS11、図6のタイミングT13)。制御部32は、感知と判定した場合、センサ30の動作を停止させて通常動作モードから低消費電力モードに移行し、ステップS04の処理に戻る(図4のステップS09、図6のタイミングT14)。
一方、制御部32は、非感知と判定した場合、閉指令信号S2をアクティブにして電磁弁16を閉状態とし、水栓13からの水の吐出を停止させる止水制御を行う(図4のステップS12、図7のタイミングT21)。制御部32は、水栓13からの水の吐出を停止させた後、閉指令信号S2を非アクティブに戻すとともに、センサ30の動作を停止させて通常動作モードから低消費電力モードに移行し、ステップS04の処理に戻る(図4のステップS09、図7のタイミングT22)。
以下、制御部32は、図4のステップS04〜ステップS12の処理を繰り返す。これにより、制御部32によって水栓13からの水の吐出及び水の吐出の停止が制御される。
以上、説明したように、本実施形態に係る水栓装置10によれば、コントローラ部20が、第1信号ラインL1に接続され、制御部32を低消費電力モードから通常動作モードに復帰させるためのパルス信号を、第1信号ラインL1に入力するパルス発生部44を有する。これにより、パルス発生部44をコントローラ部20に設けつつも、専用の信号ラインを設ける必要がない。従って、センサ部18とコントローラ部20とを分離して配置し、センサ部18に設けられた制御部32を定期的に低消費電力モードにする場合にも、センサ部18の大型化や部品点数の増加を招くことなく、制御部32に対して外部から信号を入力できる水栓装置10が提供される。
図8は、第1の実施形態に係る水栓装置の変形例を表す回路図である。
なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
図8に表したように、この例では、パルス発生部44が、トランジスタTr1のエミッタに接続され、トランジスタTr1のエミッタとベースとを接続する抵抗素子R1を介して第1信号ラインL1と接続されている。
この例では、パルス発生部44のパルス信号を第1信号ラインL1に入力して開指令信号S1をアクティブにした場合にも、開駆動信号S3を非アクティブのままとすることができる。このため、この例では、パルス発生部44を第3信号ラインL3に接続する必要がない。従って、この例では、1本の配線のみで制御部32の動作を制御することができ、水栓装置10の構成をより簡単にすることができる。
図9は、第1の実施形態に係る水栓装置の変形例を表す回路図である。
図9に表したように、この例では、パルス発生部44が、昇圧制御部52aと接続されており、パルス発生部44が、昇圧制御部52aの駆動を制御する。
図10は、第1の実施形態に係る水栓装置の動作の変形例を表すタイミングチャートである。
図10に表したように、パルス発生部44は、開指令信号S1をアクティブにしている時にのみ昇圧制御部52aを駆動させる。すなわち、パルス発生部44は、制御部32が低消費電力モードの時には、昇圧制御部52aの駆動を停止させ、制御部32が通常動作モードで動作する時に、昇圧制御部52aを駆動させる。
これにより、昇圧制御部52aを常時駆動させる場合と比べて、消費電力をより抑えることができる。また、制御部32が通常動作モードで動作する比較的電力の必要となる時に、昇圧制御部52aを駆動させているため、消費電力を抑えつつ、センサ部18及びコントローラ部20の各部に適切に電力を供給することができる。
また、この場合、パルス発生部44が生成するパルス信号のパルス幅は、昇圧回路52の能力に応じて設定してもよい。これにより、例えば、昇圧制御部52aの駆動時間を適切に確保することができ、昇圧回路52から各部に適切に電力を供給することができる。また、昇圧制御部52aの駆動時間は、必ずしもパルス発生部44が開指令信号S1をアクティブにしている時間と一致していなくてもよい。例えば、昇圧制御部52aを駆動させた後、開指定信号S1がアクティブから非アクティブになったタイミングから所定時間経過した後に、昇圧制御部52aの駆動を停止させてもよい。
図11は、第1の実施形態に係る水栓装置の変形例を表す回路図である。
図11に表したように、この例では、パルス発生部44が、駆動コンデンサ56と接続されている。パルス発生部44には、駆動コンデンサ56の電圧が入力される。また、この例では、パルス発生部44が、電圧検出部44aを有する。電圧検出部44aは、駆動コンデンサ56の電圧値を検出する。電圧検出部44aは、例えば、駆動コンデンサ56の電圧値が所定値以下か否かを検出する。
図12は、第1の実施形態に係る水栓装置の動作の変形例を表すフローチャートである。
図13及び図14は、第1の実施形態に係る水栓装置の動作の変形例を表すタイミングチャートである。
図12において、ステップS21〜ステップS26の動作は、図4に関して説明したステップS01〜ステップS06の動作と実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。
図12〜図14に表したように、この例において、制御部32は、低消費電力モードから通常動作モードに移行し、センサ30を駆動して対象物の検知を行った後、開指令信号S1がアクティブの状態が継続されているか否かを判定する(図12のステップS27、図13のタイミングT31、図14のタイミングT41)。
図13及び図14に表したように、パルス発生部44は、電圧検出部44aが駆動コンデンサ56の電圧値を所定値以下と検出した場合、開指令信号S1をアクティブ(所定状態)にし続ける。また、この場合、パルス発生部44は、昇圧制御部52aを駆動させ続ける。なお、図13は、対象物の非感知中(止水中)に駆動コンデンサ56の電圧値の低下が発生した場合の動作の一例を表している。図14は、対象物の感知中(吐水中)に駆動コンデンサ56の電圧値の低下が発生した場合の動作の一例を表している。
制御部32は、センサ30を駆動して対象物の検知を行った後、開指令信号S1が非アクティブであると判定した場合、続いて、吐水中であるか否かを判定する(図12のステップS28)。以下、ステップS29〜ステップS33の動作は、図4に関して説明したステップS08〜ステップS12の動作と実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。
制御部32は、センサ30を駆動して対象物の検知を行った後、開指令信号S1がアクティブであると判定した場合、センサ30の動作を停止させる(図12のステップS34、図13のタイミングT32、図14のタイミングT42)。
制御部32は、センサ30を停止させた後、シャットダウン処理を実行する(図12のステップS35)。シャットダウン処理とは、例えば、制御部32が、使用者の使用状況、検知情報、周囲環境の情報などを記憶・更新するような機能を備えている場合、これらの情報に係る処理を完結させるための処理である。これにより、これらの情報の各種パラメータが電源の遮断によっても情報が揮発しない不揮発性メモリに記憶され、水栓装置10が動作再開したときに異常動作することを防止することができる。
制御部32は、シャットダウン処理を実行した後、吐水中か否かを判定する(図12のステップS36)。制御部32は、吐水中と判定した場合、閉指令信号S2をアクティブにして電磁弁16を閉状態とし、水栓13からの水の吐出を停止させる止水制御を行う(図4のステップS37、図14のタイミングT42〜T43)。これにより、例えば、駆動コンデンサ56の電圧値の低下にともなって電磁弁16を正常に駆動できなくなる前に、確実に電磁弁16を閉状態としておくことができる。
制御部32は、止水制御を行った後、開指令信号S1がアクティブの状態が継続されているか否かを再び判定する(図12のステップS38)。また、制御部32は、ステップS36において止水中と判定した場合には、止水制御を行うことなく、開指令信号S1がアクティブの状態が継続されているか否かを再び判定する。
制御部32は、例えば、昇圧制御部52aの駆動によって駆動コンデンサ56が充電され、駆動コンデンサ56の電圧値が所定値よりも大きくなって、パルス発生部44が開指令信号S1を非アクティブとした場合に、低消費電力モードに移行し、通常の動作に復帰する。
この例では、パルス発生部44が開指令信号S1をアクティブにしている時間(パルス幅)が、制御部32がセンサ30を駆動して対象物の検知を行う時間よりも長いと、ステップS27の判定において電圧値の低下が発生していると毎回判定されてしまう。従って、この例において、パルス発生部44は、制御部32が低消費電力モードから通常動作モードに移行した後、センサ30の検知結果を基に対象物の感知・非感知を判定している間に、開指令信号S1をアクティブから非アクティブに戻す。
一方、図4に関して説明した動作のみを行う場合には、パルス発生部44が開指令信号S1をアクティブにしている時間は、制御部32がセンサ30を駆動して対象物の検知を行う時間よりも長くてもよい。例えば、パルス発生部44が開指令信号S1をアクティブにしている時間が、制御部32がセンサ30を駆動して対象物の検知を行う時間よりも長い場合には、図4のステップS10の処理において、制御部32が、パルス発生部44が開指令信号S1を非アクティブにするのを待った後、開指令信号S1をアクティブにすればよい。
図15〜図17は、第1の実施形態に係る水栓装置の変形例を表す回路図である。
図15に表した例では、パルス発生部44が、蓄電コンデンサ50と接続されている。この例では、蓄電コンデンサ50の電圧が、パルス発生部44に入力される。電圧検出部44aは、蓄電コンデンサ50の電圧値を検出し、蓄電コンデンサ50の電圧値が所定値以下か否かの検出を行う。
図16に表した例では、パルス発生部44が、電池24と接続されている。この例では、電池24の電圧が、パルス発生部44に入力される。電圧検出部44aは、電池24の電圧値を検出し、電池24の電圧値が所定値以下か否かの検出を行う。
図17に表した例では、パルス発生部44が、昇圧回路52と接続されている。この例では、昇圧回路52の出力電圧が、パルス発生部44に入力される。電圧検出部44aは、昇圧回路52の出力電圧値を検出し、昇圧回路52の出力電圧値が所定値以下か否かの検出を行う。
このように、電圧検出部44aが検出する電圧値は、蓄電コンデンサ50の電圧値でもよいし、電池24の電圧値でもよいし、昇圧回路52の出力電圧値でもよい。電圧検出部44aが検出する電圧は、電源部46の任意の電圧でよい。
上記実施形態では、電圧検出部44aが、電圧が所定値以下か否かを検出している。これに限ることなく、電圧検出部44aは、電圧が所定値以下か否かを検出してもよい。また上記実施形態では、パルス発生部44が、電圧検出部44aが駆動コンデンサ56の電圧値を所定値以下と検出した場合に、開指令信号S1をアクティブにし続けている。これに限ることなく、パルス発生部44は、電圧検出部44aが所定の電圧を検出した時に、所定の電圧の検出を制御部32に伝達することが可能な所定状態に第1信号ラインL1を設定すればよい。制御部32は、水栓13から水を吐出している状態で、第1信号ラインL1が所定状態になった時に、第2信号ラインL2からコントローラ部20に閉駆動の実行を指令すればよい。
図18は、第1の実施形態に係る水栓装置の変形例を表す回路図である。
図18に表したように、この例では、パルス発生部44が、第2信号ラインL2に接続されている。また、この例では、制御部32の入力端子32aが、第2信号ラインL2に接続されている。
このように、パルス発生部44は、第2信号ラインL2にパルス信号を出力するようにしてもよい。制御部32は、低消費電力モードにおいて第2信号ラインL2の閉指令信号S2がアクティブになった場合に、低消費電力モードから通常動作モードに移行するようにしてもよい。
但し、閉駆動を行う第2信号ラインL2側にパルス発生部44を接続した場合には、パルス発生部44の誤動作などにより、電磁弁16の閉駆動を適切に行うことができなくなってしまう可能性がある。従って、上記各実施形態で表したように、パルス発生部44は、第1信号ラインL1側に接続することが好ましい。これにより、開駆動を適切に行うことができなくなってしまう可能性が残るものの、閉駆動をより確実に行うことができる。例えば、水栓13及び電磁弁16が吐水状態のままとなってしまうことを抑制することができる。従って、水栓装置10の信頼性をより向上させることができる。
(第2の実施形態)
図19は、第2の実施形態にかかるトイレ装置を表す斜視図である。
図19に表したように、トイレ装置100(吐水装置)は、大便器102と、給水路14と、電磁弁16と、センサ部18と、コントローラ部20と、を備える。なお、上記第1の実施形態に関して説明した水栓装置10と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
大便器102は、凹状のボウル部と、ボウル部に洗浄水を吐出する吐水口(図示は省略)と、を有する。大便器102は、給水路14を介して供給された洗浄水を吐水口からボウル部内に吐出することにより、ボウル部内に排泄された汚物などを洗い流す。すなわち、この例においては、大便器102が吐水部として機能する。大便器102は、換言すれば、洋式腰掛便器である。
このように構成されたトイレ装置100において、上記第1の実施形態と同様に、コントローラ部20にパルス発生部44を設けることにより、センサ部18とコントローラ部20とを分離して配置し、センサ部18に設けられた制御部32を定期的に低消費電力モードにする場合にも、センサ部18の大型化や部品点数の増加を招くことなく、制御部32に対して外部から信号を入力できるトイレ装置100が提供される。
(第3の実施形態)
図20は、第3の実施形態にかかるトイレ装置を表す説明図である。
図20に表したように、トイレ装置200(吐水装置)は、小便器202と、給水路14と、電磁弁16と、センサ部18と、コントローラ部20と、を備える。
小便器202は、凹状のボウル部と、ボウル部に洗浄水を吐出する吐水口(図示は省略)と、を有する。小便器202は、給水路14を介して供給された洗浄水を吐水口からボウル部内に吐出することにより、ボウル部の表面を洗い流す。すなわち、この例においては、小便器202が吐水部として機能する。
このように構成されたトイレ装置200において、上記第1の実施形態と同様に、コントローラ部20にパルス発生部44を設けることにより、センサ部18とコントローラ部20とを分離して配置し、センサ部18に設けられた制御部32を定期的に低消費電力モードにする場合にも、センサ部18の大型化や部品点数の増加を招くことなく、制御部32に対して外部から信号を入力できるトイレ装置200が提供される。
このように、吐水装置は、水栓装置でもよいし、大便器を用いたトイレ装置でもよいし、小便器を用いたトイレ装置でもよい。吐水装置は、これらに限ることなく、対象物の検出を行って吐止水を制御する任意の吐水装置でよい。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、水栓装置10、トイレ装置100、200などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。