以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る蓄電素子について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
[実施の形態]
実施の形態に係る蓄電素子100の構成を説明する。図1は、実施の形態に係る蓄電素子100の外観を模式的に示す斜視図である。図1に示されるように、蓄電素子100は、扁平な直方体状の外形を有している。蓄電素子100は、電気の充電と放電とを可能な二次電池である。例えば、蓄電素子100は、具体的にはリチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。しかしながら、蓄電素子100は、非水電解質二次電池に限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよく、キャパシタであってもよい。
図1及び図2を合わせて参照すると、蓄電素子100は、扁平な直方体状の容器10と、容器10の中に含まれる電極体20と、正極端子30と、負極端子40とを備えている。容器10は、有底角筒状の容器本体11と、容器本体11の開口部11aを閉鎖可能である細長い矩形板状の蓋体12とを有している。なお、図2は、図1の蓄電素子100において、容器本体11から蓋体12を分離した斜視図である。容器本体11は、扁平な直方体状の外形を有している。開口部11aの形状は、細長い長方形状となっている。蓋体12の外面12a上に、正極端子30及び負極端子40が配置されている。蓋体12において、正極端子30と負極端子40との中間には、安全弁50が形成されている。安全弁50の構成については、後述する。ここで、正極端子30及び負極端子40は、電極端子の一例であり、蓋体12は、容器の壁部の一例である。
容器本体11と蓋体12とは、溶接等の接合方法によって、互いの接合部を気密な状態にして固定されることができる。これにより、容器10は、内部に密閉された空間を形成する。容器本体11及び蓋体12は、容器10の内圧の上昇時に、変形すること及び接合部の気密性が損なわれることがないような材料から作製されることができる。限定するものではないが、容器本体11及び蓋体12は、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等の溶接可能な金属から作製されることができる。
また、容器10の内部には電解質として電解液(本実施の形態では、非水電解液)などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。容器10に封入される電解液としては、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
正極端子30及び負極端子40はそれぞれ、蓋体12の外面12aと反対側において、正極集電体60及び負極集電体70と接続されている。正極集電体60及び負極集電体70はさらに、電極体20と接続されている。よって、電極体20は、正極集電体60及び負極集電体70を介して、蓋体12から吊り下げられるように設けられている。そして、電極体20は、正極集電体60及び負極集電体70と共に、容器本体11に収容される。なお、電極体20と容器本体11との間を電気的に絶縁するために、電極体20が絶縁フィルムなどで覆われる場合もある。電極体20と容器本体11との間に、スペーサ等の緩衝材が設けられる場合もある。
電極体20は、電気を蓄えることができる発電要素である。そして、電極体20は、図3に示す帯状の正極21及び帯状の負極22が帯状のセパレータ23を介して巻回軸Aを中心に渦巻き状に多重に巻回されることによって、形成されたものであり、扁平な外形を有している。巻回軸Aは、図2において一点鎖線で示される仮想の軸であり、電極体20は、巻回軸Aに関して略対称である。巻回軸Aは、蓋体12の長手方向に沿って延在している。電極体20は、巻回方向に沿って形成される外周部分を蓋体12に対向させる向きで配置されている。上述のような配置構成を有する電極体20は、縦巻き型の電極体と呼ばれる。
ここで、以下の説明及び図面中において、蓄電素子100の電極体20の巻回軸A方向を、X軸方向と呼ぶ。よって、図1及び図2に示されるように、正極集電体60及び負極集電体70は、X軸方向に沿って並び、正極端子30及び負極端子40は、X軸方向に沿って並んでいる。そして、容器本体11における対向する細長の長方形状の短側面が、X軸方向に沿って並んでいる。
さらに、容器本体11から蓋体12に向かう方向に沿い且つX軸に垂直である蓄電素子100の上下方向を、Z軸方向と呼ぶ。よって、正極集電体60及び負極集電体70は、蓋体12からZ軸方向に沿って突出すると共に、Z軸方向に沿って延在する。そして、容器本体11の細長の短側面の長手が、Z軸方向に沿って延在する。なお、使用態様によっては、蓄電素子100は、Z軸方向を上下方向として配置されない場合もあるため、Z軸方向は必ずしも上下方向には限定されない。
また、X軸方向及びZ軸方向と垂直である方向を、Y軸方向と呼ぶ。よって、容器本体11における対向する幅広の長側面が、Y軸方向に沿って並び、容器本体11の短側面の短手が、Y軸方向に沿って延在している。さらに、Y軸方向は、容器10の厚さ方向として定義できる。
図3を参照して、電極体20の詳細な構成を説明する。図3は、図2の電極体20の一部を展開して示す斜視図である。
電極体20は、長尺帯状のシートの形状をした正極21と、長尺帯状のシートの形状をした負極22と、長尺帯状のシートの形状をしたセパレータ23とを、層状に重ねるように含んでいる。そして、電極体20は、層状に重ねられた正極21、負極22及びセパレータ23を一緒に、巻回軸Aを中心に巻回方向Bで渦巻き状に巻回されて形成される。なお、本実施の形態では、正極21、負極22及びセパレータ23を巻回し始めたものを巻回軸Aを中心として巻回方向Bに回転させることによって、未巻回の帯状の正極21、負極22及びセパレータ23が巻き付けられるものとする。つまり、図3で時計回りの方向で示される巻回方向Bは、巻回時の電極体20の回転方向である。
正極21は、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属からなる長尺帯状の金属箔である正極基材層上に正極活物質層を塗工等の方法で積層することによって、形成されている。負極22は、銅、銅合金等の金属からなる長尺帯状の金属箔である負極基材層上に負極活物質層を塗工等の方法で積層することによって、形成されている。セパレータ23は、樹脂等の電気的な絶縁性を有する材料からなる微多孔性のシートである。
正極活物質層に用いられる正極活物質又は負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質又は負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。
正極21の長手方向に沿った2つの縁21a及び21bのうちの一方の縁21aの近傍の帯状領域には、正極活物質層が積層されていない。上記帯状領域を形成する正極21の縁部を正極未塗工部21cと呼ぶ。正極未塗工部21cでは、正極基材層が露出している。つまり、正極未塗工部21cは、正極集電体60が接続されるように構成されており、集電領域を形成している。
さらに、負極22の長手方向に沿った2つの縁22a及び22bのうちの一方の縁22bの近傍の帯状領域にも、負極活物質層が積層されていない。上記帯状領域を形成する負極22の縁部を負極未塗工部22cと呼ぶ。負極未塗工部22cでは、負極基材層が露出している。つまり、負極未塗工部22cは、負極集電体70が接続されるように構成されており、集電領域を形成している。
なお、正極未塗工部21cと負極未塗工部22cとは、正極21及び負極22を巻回のために重ね合わせたときに、正極21及び負極22の重なり部分を挟んで互いに反対側に位置する。さらに、正極未塗工部21cは、負極22の縁22aよりも突出し、負極未塗工部22cは、正極21の縁21bよりも突出する。なお、正極21と負極22とは、縁21aと縁22aとが長手方向に対して同じ側に位置し、縁21bと縁22bとが長手方向に対して同じ側に位置するように、重ねられる。
セパレータ23は、負極未塗工部22cを除く負極22全体を覆うような巻回軸A方向の幅を有して形成されている。2つのセパレータ23が、1つの負極22の両側の平坦な主面上に設けられる。負極未塗工部22cが、2つのセパレータ23間を通ってセパレータ23から突出する。さらに、1つの正極21が、巻回時に負極22に内側で隣り合うセパレータ23のさらに内側に位置するように、上記セパレータ23上に重ねて設けられる。正極21は、正極未塗工部21cを除く正極21全体が負極22及びセパレータ23によって覆われるような巻回軸A方向の幅を有して形成されている。セパレータ23上に重ねられた正極21は、正極未塗工部21cを除く全体を負極22に面している。正極未塗工部21cは、セパレータ23から突出している。
上述のように積層された1つの正極21と1つの負極22と2つのセパレータ23とが一緒に、巻回軸Aを中心に、巻回方向Bで渦巻き状に巻回され、それにより、電極体20が形成される。本実施の形態では、電極体20は、YZ平面方向で扁平な長円形状の断面形状を有するように形成されている。しかしながら、電極体20の断面形状は、長円形以外であってもよく、円形、楕円形、矩形、その他の多角形であってもよい。
図2及び図4〜図7を参照する。図4は、図2から容器本体11を除いた蓄電素子100の分解斜視図である。図5は、図1の蓄電素子100の断面側面図を示し、正極端子30及び負極端子40の中央を通る蓋体12に垂直な断面を、方向Vからみた図である。なお、図5では、電極体20は、側面図で描かれている。図6は、図5の蓋体12の内面12bをVI−VI線に沿った断面からみた平面図である。図7は、図2から容器本体11を除いた蓄電素子100の正面図である。
図2及び図4に示されるように、正極端子30は、端子本体31と、上部絶縁部材32と、下部絶縁部材33とを有している。負極端子40は、端子本体41と、上部絶縁部材42と、下部絶縁部材43とを有している。端子本体31及び41は、金属等の導電性を有する材料から作製されている。平板状の端子本体31及び41にはそれぞれ、円筒状のリベット部31a及び41aが、突出して形成されている。上部絶縁部材32及び42、並びに、下部絶縁部材33及び43は、樹脂等の電気的な絶縁性を有する材料から作製された板状のパッキンである。
図4〜図6に示されるように、蓋体12には、第一取付部13と第二取付部14とが、長手方向に間隔をあけて、一体に成形されている。第一取付部13及び第二取付部14は、蓋体12の外面12aから突出し、台形台状の外形を形成している。第一取付部13及び第二取付部14はそれぞれ、蓋体12の内面12bから外面12aに向かって窪み且つ内面12b側で開口した第一凹部13a及び第二凹部14aを、それぞれの内側に形成している。第一凹部13a及び第二凹部14aは、台形台状の形状を有している。第一取付部13及び第二取付部14それぞれにおける平坦な取付面を形成する底壁13b及び14bには、貫通孔13c及び14cが形成されている。貫通孔13cには、端子本体31のリベット部31aが通ることができ、貫通孔14cには、端子本体41のリベット部41aが通ることができる。ここで、第一凹部13a及び第二凹部14aは、容器の壁部の凹部の一例である。
蓋体12において、第一取付部13と第二取付部14との中間位置に、安全弁50が設けられている。安全弁50は、蓋体12と一体に成形されている。安全弁50は、蓋体12の一部の厚さを薄くすることによって形成された弱化部51と、弱化部51に切り込むように形成された溝部52とを含む。本実施の形態では、弱化部51は、楕円状の平面形状を有している。溝部52は、1つの溝の端のそれぞれに2つの異なる向きの溝が接続する形状、つまり、2つのYの字を連結した平面形状を有している。これにより、溝の交差部で弱化部51が破断しやすくなる。よって、安全弁50に所定の圧力が作用すると、溝部52において弱化部51が破断し、溝部52の周囲の弱化部51の部材が開いて圧力逃がし穴としての開口を形成する。弱化部51における弱化部の形状、弱化部の部材厚さ、溝部の形状、溝部の深さ等によって、安全弁50が開放する圧力をコントロールすることができる。
上部絶縁部材32及び42にはそれぞれ、リベット部31a及び41aがそれぞれ通ることができる貫通孔32a及び42aが形成されている。上部絶縁部材32は、その一方側で、正極端子30の端子本体31が内側に嵌り、その他方側で、蓋体12から突出する第一取付部13が内側に嵌るように、構成されている。上部絶縁部材42は、その一方側で、負極端子40の端子本体41が内側に嵌り、他方側で、蓋体12から突出する第二取付部14が内側に嵌るように、構成されている。
下部絶縁部材33及び43にはそれぞれ、リベット部31a及び41aがそれぞれ通ることができる貫通孔33a及び43aが形成されている。下部絶縁部材33は、第一取付部13の第一凹部13a内に嵌って収まるように形成されている。下部絶縁部材43は、第二取付部14の第二凹部14a内に嵌って収まるように形成されている。
正極集電体60は、正極端子30の端子本体31と、電極体20の正極未塗工部21cとに接続されるように構成されている。正極集電体60は、導電性と剛性とを備えた部材である。正極集電体60は、電極体20の正極基材層と同様に、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属から作製されている。
正極集電体60は、蓋体12の第一取付部13の平坦な底壁13bに取り付けられる板状の固定部61と、固定部61と一体に成形され且つ固定部61から延びる2つの細長の板状の脚部62とを含む。2つの脚部62は、積層方向に集束された正極未塗工部21cに両側から挟むように組み付けられ、超音波溶接、抵抗溶接などの溶接等によって正極未塗工部21cに接合される。固定部61には、リベット部31aが通ることができる貫通孔61aが、形成されている。固定部61は、下部絶縁部材33と共に、第一取付部13の第一凹部13a内に嵌って収まるような形状で形成されている。
端子本体31のリベット部31aは、上部絶縁部材32の貫通孔32aと、蓋体12の貫通孔13cと、下部絶縁部材33の貫通孔33aと、正極集電体60の貫通孔61aとに順次通された後に、かしめられる。そして、正極集電体60の固定部61から突出するリベット部31aの先端は、径方向外側へと拡げられ、かしめ端部31aaを形成する。これにより、第一取付部13の平坦な底壁13bに対して、正極端子30の端子本体31と正極集電体60の固定部61とが、上部絶縁部材32及び下部絶縁部材33を間に介在させて、取り付け及び固定される。このとき、端子本体31が、正極集電体60と物理的に且つ電気的に接続される。上部絶縁部材32が、端子本体31と蓋体12とを電気的に絶縁する。下部絶縁部材33は、蓋体12と正極集電体60とを電気的に絶縁する。固定部61の概ね全ては、第一取付部13の第一凹部13a内に収まっている。
負極集電体70は、負極端子40の端子本体41と、電極体20の負極未塗工部22cとに接続されるように構成されている。負極集電体70は、導電性と剛性とを備えた部材である。負極集電体70は、電極体20の負極基材層と同様に、銅、銅合金等の金属から作製されている。
負極集電体70は、蓋体12の第二取付部14の平坦な底壁14bに取り付けられる板状の固定部71と、固定部71と一体に成形され且つ固定部71から延びる2つの細長の板状の脚部72とを含む。2つの脚部72は、積層方向に集束された負極未塗工部22cに両側から挟むように組み付けられ、超音波溶接、抵抗溶接などの溶接等によって負極未塗工部22cに接合される。固定部71には、負極端子40の端子本体41のリベット部41aが通ることができる貫通孔71aが、形成されている。
端子本体41のリベット部41aは、上部絶縁部材42の貫通孔42aと、蓋体12の貫通孔14cと、下部絶縁部材43の貫通孔43aと、負極集電体70の貫通孔71aとに順次通された後に、かしめられる。そして、負極集電体70の固定部71から突出するリベット部41aの先端は、径方向外側へと拡げられ、かしめ端部41aaを形成する。これにより、第二取付部14の平坦な底壁14bに対して、負極端子40の端子本体41と負極集電体70の固定部71とが、上部絶縁部材42及び下部絶縁部材43を間に介在させて、取り付け及び固定される。このとき、端子本体41が、負極集電体70と物理的に且つ電気的に接続される。上部絶縁部材42が、端子本体41と蓋体12とを電気的に絶縁する。下部絶縁部材43は、蓋体12と負極集電体70とを電気的に絶縁する。固定部71の概ね全ては、第二取付部14の第二凹部14a内に収まっている。
なお、正極端子30の端子本体31、上部絶縁部材32、蓋体12、下部絶縁部材33及び正極集電体60の固定部61の連結構造は、リベット留めに限定されるものでなく、上部絶縁部材32、蓋体12及び下部絶縁部材33を間に挟んで端子本体31と固定部61とを連結する構造であればよい。同様に、負極端子40の端子本体41、上部絶縁部材42、蓋体12、下部絶縁部材43及び負極集電体70の固定部71の連結構造は、リベット留めに限定されるものでなく、上部絶縁部材42、蓋体12及び下部絶縁部材43を間に挟んで端子本体41と固定部71とを連結する構造であればよい。例えば、リベット部31a又は41aの代わりにボルト及びナットが用いられてもよく、リベット部31a又は41aが固定部61又は71に溶接されてもよい。
図6を参照すると、蓋体12の内面12b上には、内面12bから電極体20に向かって突出する複数の凸部80が、蓋体12に一体に成形されている。凸部80は、蓋体12と同一材料で且つ蓋体12と連続的に形成されている。上述のような凸部80は、蓋体12を構成する板材の鋳造時に一体成形されてもよく、蓋体12を構成する板材をプレス加工することによって一体成形されてよい。凸部80は、中実であっても中空であってもよい。
凸部80は、安全弁50の側方、つまり、安全弁50及び第一取付部13の間と、安全弁50及び第二取付部14の間とにそれぞれ形成されている。各凸部80は、弧状に湾曲した帯状突起の外形を有している。本実施の形態では、4つの凸部80が、安全弁50の近傍で、互いに間隔をあけつつ安全弁50を囲むように周状に配置されている。
これにより、隣り合う凸部80同士を隔てる4つの通路81、82、83及び84が、蓋体12の内面12b上に形成される。第一通路81は、安全弁50から第一取付部13に向かう方向に沿って延在する。第二通路82は、安全弁50から第二取付部14に向かう方向に沿って延在する。第三通路83は、安全弁50から第一通路81及び第二通路82と交差する方向に沿って延在する。第四通路84は、安全弁50から第三通路83と反対方向に且つ第一通路81及び第二通路82と交差する方向に沿って延在する。
図7を参照すると、各凸部80は、正極集電体60及び負極集電体70を介して蓋体12に固定された電極体20に近接する高さで、蓋体12から突出している。凸部80は、僅かな隙間をあけて電極体20に接触しないような高さを有するようにすることができる。しかしながら、凸部80が導電性を有さない場合、電極体20が電気的な絶縁物で覆われている場合などでは、凸部80は、電極体20に接触する高さを有してもよい。又は、凸部80が導電性を有する場合でも、凸部80は、電気的な絶縁物を介して電極体20に接触するような高さを有してもよい。しかしながら、凸部80は、電極体20に近接する高さを必ずしも有する必要はない。凸部80は、正極集電体60の固定部61から突出するリベット部31aのかしめ端部31aaの高さ及び負極集電体70の固定部71から突出するリベット部41aのかしめ端部41aaの高さよりも少なくとも高い突出高さを有するのが望ましい。つまり、凸部80は、固定部61及び71の固定部材の最大突出の高さよりも少なくとも高い突出高さを有するのが望ましい。また、凸部80は、3mm以上であるような高さを有するのがさらに望ましい。
図6を再び参照すると、蓋体12の内面12b上における安全弁50に対する凸部80の位置は、安全弁50の弱化部51に直接的に隣接する位置であるのが、最も望ましい。しかしながら、安全弁50に対する凸部80の位置は、上記位置に限定されるものでなく、弱化部51から離れていてもよい。安全弁50に対する凸部80の位置は、内面12bからの凸部80の突出高さ、内面12b上での凸部80の延在長さ、蓋体12との衝突時の変形に対する電極体20の剛性等に基づき、電極体20に生じ得る凸部80との衝突の際に電極体20が安全弁50を塞がないように、設定することができる。
図5及び図6を合わせて参照すると、蓄電素子100では、例えば、過充電、衝撃、突き刺し等の異常発生に起因して電解液が分解して生じる気体により、容器10の内圧が上昇し安全弁50が開放する。この場合、安全弁50から外部に流出する気体の急激な気流により、電極体20が蓋体12に向かって移動することがある。移動した電極体20は、リベット部31a及び41aのかしめ端部31aa及び41aa並びに蓋体12に接触する前に、凸部80に衝突する。そして、電極体20は、凸部80との衝突により変形した場合であっても、安全弁50の周辺では、凸部80によって蓋体12の内面12bから離れた状態のまま保たれ、安全弁50を塞がない。さらに、電極体20が、安全弁50及び全ての凸部80を覆いつつ凸部80に接触する場合でも、安全弁50は、様々な方向に延びる通路81〜84を介して、凸部80の周囲にある容器10と電極体20との間の空間に連通する。上述より、安全弁50は、容器10内の気体を外部に逃がすことができる。
上述したように、本実施の形態に係る蓄電素子100は、正極端子30及び負極端子40と容器10とを備える。容器10は、容器10の壁部を構成する蓋体12に設けられる安全弁50と、蓋体12の正極端子30及び負極端子40が配置される位置に、容器10の外側に向かって窪んで形成される第一凹部13a及び第二凹部14aと、安全弁50の側方に位置し且つ蓋体12から容器10の内側に向かって突出する凸部80とを有する。
上述の構成において、容器10の蓋体12において正極端子30及び負極端子40が配置される位置に第一凹部13a及び第二凹部14aが形成されることによって、正極端子30及び負極端子40と電極体20との接続部分を構成する下部絶縁部材33及び43、並びに、正極集電体60の固定部61及び負極集電体70の固定部71を、第一凹部13a及び第二凹部14a内に配置することができる。このため、電極体20を蓋体12に接近させて配置することができ、電極体20の収容領域を効率的に確保することができる。この場合、容器10内の圧力の上昇により安全弁50が開放した時に電極体20が蓋体12に向かって移動すると、蓋体12及び安全弁50に接近して位置する電極体20が、安全弁50を直接塞ぐ可能性がある。しかしながら、安全弁50の側方の凸部80は、電極体20と蓋体12との間に間隙を確保することができる。よって、安全弁50は、電極体20によって塞がれることなく、上昇した圧力を安定して逃がすことができる。従って、蓄電素子100の小型化と、電極体20が安全弁50を塞ぐのを抑制するための構造の簡易化とが、可能になる。
本実施の形態に係る蓄電素子100において、凸部80は、蓋体12に一体に成形された少なくとも1つの突起によって構成される。上述の構成において、凸部80の形成及び凸部80の位置の固定が容易である。
本実施の形態に係る蓄電素子100において、複数の凸部80が、互いに間隔をあけて設けられる。上述の構成において、複数の凸部80は、安全弁50を囲むように設けられた場合であっても、互いの間に安全弁50に通じる通路81〜84を確保することができる。
本実施の形態に係る蓄電素子100は、正極端子30及び負極端子40に接続される正極集電体60及び負極集電体70を備え、正極集電体60及び負極集電体70それぞれの一部が、第一凹部13a内及び第二凹部14a内に位置する。上述の構成において、容器10の蓋体12からの正極集電体60及び負極集電体70の突出量を低減することができるため、正極集電体60及び負極集電体70に接続される電極体20を蓋体12及び凸部80に接近させて配置することができる。よって、容器10の小型化が可能になる。
[変形例1]
また、実施の形態に係る蓄電素子100の変形例1として、以下のような構成が挙げられる。具体的には、図8に示されるように、変形例1に係る蓄電素子200では、容器10の蓋体12に形成された凸部80が、凸部貫通孔281を有している。なお、図8は、実施の形態に係る蓄電素子100の変形例1に係る蓄電素子200の構成を、図7と同様に示す正面図である。さらに、図9は、図8の蓋体12の内面12bを図6と同様に示す平面図である。
図8及び図9を合わせて参照すると、蓋体12の各凸部80には、蓋体12の内面12bに沿って延在する凸部貫通孔281が、形成されている。凸部貫通孔281は、通路81〜84から離れた位置で、安全弁50から離れる方向に沿って延在している。よって、凸部貫通孔281は、凸部80の安全弁50側の空間を、凸部80の安全弁50と反対側の空間に連通する。
上述のような構成を有する蓄電素子200では、容器10の内圧が上昇した際の安全弁50の開放時、凸部80に衝突した電極体20が、変形し、凸部80間の通路81〜84を塞いだ場合でも、凸部貫通孔281が、安全弁50を凸部80の外側に連通する。よって、安全弁50は、容器10内の気体を外部に逃がすことができる。なお、変形例1に係る蓄電素子200のその他の構成については、実施の形態に係る蓄電素子100の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
上述したように、変形例1に係る蓄電素子200によると、実施の形態に係る蓄電素子100と同様の効果が得られる。さらに、変形例1に係る蓄電素子200によると、凸部80は、蓋体12に沿う方向に凸部80を貫通する凸部貫通孔281を含む。上述の構成において、電極体20が凸部80と接触し、凸部80同士の間の間隙を塞いだ場合でも、凸部80の凸部貫通孔281を介した安全弁50へ通じる通路の確保が、可能になる。よって、安全弁50の閉塞がより抑制される。
なお、変形例1に係る蓄電素子200において、凸部貫通孔281は、全ての凸部80に形成されていなくてもよい。また、凸部貫通孔281は、1つの凸部80に2つ以上形成されてもよい。
[変形例2]
また、実施の形態に係る蓄電素子100の変形例2として、以下のような構成が挙げられる。図10に示すように、変形例2に係る蓄電素子300では、正極端子及び負極端子の構成が、実施の形態に係る蓄電素子100と異なっている。なお、図10は、実施の形態に係る蓄電素子100の変形例2に係る蓄電素子300の構成を図5と同様に示す断面側面図である。なお、図10では、電極体20は、側面図で描かれている。
変形例2に係る蓄電素子300は、容器10の蓋体12に正極端子330及び負極端子340を備えている。さらに、蓄電素子300は、正極端子330と電極体20の正極未塗工部21cとを接続する正極集電体360と、負極端子340と電極体20の負極未塗工部22cとを接続する負極集電体370とを備えている。蓋体12は、平坦な矩形板状の形状を有している。蓋体12には、外面12aから内面12bへの2つの貫通孔12c及び12dが形成されている。正極端子330は、貫通孔12cに配置され、負極端子340は、貫通孔12dに配置されている。安全弁50は、蓋体12における貫通孔12c及び12dの間に位置している。
図11を参照すると、正極集電体360は、矩形板状の固定部361と、固定部361の2つの角部から互いに略平行に延在する2つの脚部362とを有している。なお、図11は、図10の蓄電素子300の正極集電体360の斜視図である。さらに、円筒状のリベット部361aが、脚部362と反対側の固定部361の表面から、脚部362の突出方向と反対方向に突出している。リベット部361aは、固定部361における脚部362が形成されている角部と反対側の2つの角部の近傍に位置している。固定部361、リベット部361a及び脚部362は、一体成形により形成されている。正極集電体360は、実施の形態に係る蓄電素子100の正極集電体60と同様の材料から作製されている。そして、2つの脚部362は、正極集電体60の脚部62と同様にして、電極体20の正極未塗工部21cに接合される。
図10に示す負極集電体370も、正極集電体360と同様の構成を有している。負極集電体370でも、固定部371、リベット部371a及び脚部372が、一体成形により形成されている。負極集電体370は、実施の形態に係る蓄電素子100の負極集電体70と同様の材料から作製されている。そして、2つの脚部372は、負極集電体70の脚部72と同様にして、電極体20の負極未塗工部22cに接合される。
図10を参照すると、正極端子330は、矩形板状の端子本体331と、矩形板状の上部絶縁部材332と、矩形板状の下部絶縁部材333とを有している。端子本体331、上部絶縁部材332及び下部絶縁部材333には、正極集電体360のリベット部361aが通ることができる貫通孔が形成されている。端子本体331には、蓄電素子300の外部からの配線を接続するための正極突起331aが、形成されている。
負極端子340は、矩形板状の端子本体341と、矩形板状の上部絶縁部材342と、矩形板状の下部絶縁部材343とを有している。端子本体341、上部絶縁部材342及び下部絶縁部材343には、負極集電体370のリベット部371aが通ることができる貫通孔が形成されている。端子本体341には、蓄電素子300の外部からの配線を接続するための負極突起341aが、形成されている。
正極集電体360のリベット部361aは、蓋体12の内面12b側から、下部絶縁部材333の貫通孔と、蓋体12の貫通孔12cと、上部絶縁部材332の貫通孔と、端子本体331の貫通孔とに順次通された後に、蓋体12の外面12a側のリベット部361aの先端部がかしめられる。これにより、蓋体12に対して、正極端子330の端子本体331と正極集電体360の固定部361とが、上部絶縁部材332及び下部絶縁部材333を間に介在させて、取り付け及び固定される。このとき、端子本体331が、正極集電体360と物理的に且つ電気的に接続される。正極突起331aが、端子本体331から突出する。上部絶縁部材332が、端子本体331と蓋体12とを電気的に絶縁する。さらに、上部絶縁部材332の筒状部332aが、貫通孔12cの内側でリベット部361aを囲んで延在し、蓋体12とリベット部361aとを電気的に絶縁する。下部絶縁部材333は、蓋体12と正極集電体360の固定部361とを電気的に絶縁する。
同様に、負極集電体370のリベット部371aも、蓋体12の内面12b側から、下部絶縁部材343の貫通孔と、蓋体12の貫通孔12dと、上部絶縁部材342の貫通孔と、端子本体341の貫通孔とに順次通された後に、かしめられる。これにより、蓋体12に対して、負極端子340の端子本体341と負極集電体370の固定部371とが、上部絶縁部材342及び下部絶縁部材343を間に介在させて、取り付け及び固定される。このとき、端子本体341が、負極集電体370と物理的に且つ電気的に接続される。負極突起341aが、端子本体341から突出する。上部絶縁部材342が、端子本体341と蓋体12とを電気的に絶縁し、上部絶縁部材342の筒状部342aが、蓋体12とリベット部371aとを電気的に絶縁する。下部絶縁部材343は、蓋体12と負極集電体370の固定部371とを電気的に絶縁する。
上述のような蓄電素子300では、正極端子330の端子本体331と正極集電体360との接続部、つまり、正極集電体360のリベット部361aのかしめられて拡がった先端部であるかしめ端部361aaが、蓋体12の外面12a側にあり、端子本体331から外面12a側に突出している。同様に、負極端子340の端子本体341と負極集電体370との接続部、つまり、負極集電体370のリベット部371aのかしめられて拡がった先端部であるかしめ端部371aaが、蓋体12の外面12a側にあり、端子本体341から外面12a側に突出している。ここで、かしめ端部361aa及び371aaは、電極端子と集電体との接続部の一例である。
さらに、蓋体12の内面12b上では、脚部362及び372を除くと、積層された下部絶縁部材333及び正極集電体360の固定部361と、積層された下部絶縁部材343及び負極集電体370の固定部371とが、突出しているに過ぎない。そして、下部絶縁部材333と固定部361とによる積層体も、下部絶縁部材343と固定部371とによる積層体も、2つの板状体を重ねた突出高さしか有さない。よって、電極体20は、蓋体12に接近させた状態で、集電体360及び370に接合されることができる。
そして、蓋体12の内面12bには、実施の形態に係る蓄電素子100と同様に構成された複数の凸部80が、安全弁50の周りに一体に形成されている。凸部80は、下部絶縁部材333と固定部361とによる積層体よりも高く内面12bから突出し、且つ、下部絶縁部材343と固定部371とによる積層体よりも高く内面12bから突出している。凸部80は、電極体20に接触する高さを有してもよく、電極体20に接触しない高さを有してもよい。
また、変形例2に係る蓄電素子300のその他の構成については、実施の形態に係る蓄電素子100の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。そして、変形例2に係る蓄電素子300によると、実施の形態に係る蓄電素子100と同様の効果が得られる。さらに、変形例2に係る蓄電素子300によると、正極端子330及び負極端子340と正極集電体360及び負極集電体370との接続部、つまり、正極集電体360のリベット部361aのかしめ端部361aa及び負極集電体370のリベット部371aのかしめ端部371aaが、蓋体12の外面12a側に位置する。上述の構成によって、電極体20を蓋体12に接近させて配置し、電極体20の収容領域を効率的に確保することができる。なお、変形例2に係る蓄電素子300の正極端子330及び負極端子340の構成は、変形例1に適用することもできる。
[変形例3]
また、実施の形態に係る蓄電素子100の変形例3として、以下のような構成が挙げられる。変形例3に係る蓄電素子では、容器10の蓋体12に形成された凸部80が、蓋体12と別体に構成される。凸部80は、中実又は中空の帯状のブロックから構成されることができる。凸部80を構成するブロックは、電気的な絶縁性を有する材料から形成されるのが望ましい。これにより、凸部80と電極体20との間の電気的な絶縁部材が不要になる。凸部80を構成するブロックは、溶着、溶接、締結部材を使用した締結、両面テープ又は接着剤などを使用した接着等の方法で、蓋体12に取り付けられ得る。又は、凸部80を構成するブロックは、蓋体12に形成された嵌合穴に嵌合することによって、蓋体12に取り付けられてもよい。なお、変形例3に係る蓄電素子のその他の構成については、実施の形態に係る蓄電素子100の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
上述したように、変形例3に係る蓄電素子によると、実施の形態に係る蓄電素子100と同様の効果が得られる。さらに、変形例3に係る蓄電素子によると、凸部80は、蓋体12に取り付けられた少なくとも1つのブロック状部材によって構成される。上述の構成によって、凸部80を形成する材料を、電気的な絶縁性を有する材料のような蓋体12と異なる任意の材料とすることができる。また、蓋体12の作製後に、任意の形状、寸法及び配置で凸部80を設けることができる。つまり、凸部80の配置形態、形状及び強度を任意に設定及び変更することができる。
なお、変形例3に係る蓄電素子の凸部80の構成は、変形例1及び変形例2に適用することもできる。また、変形例3に係る蓄電素子、並びに、変形例1及び2に係る蓄電素子において、複数の凸部80のうちの一部が、蓋体12と一体成形され、複数の凸部80のうちの他部が、蓋体12と別体であってもよい。
[その他の変形例]
以上、本発明の実施の形態及び変形例に係る蓄電素子について説明したが、本発明は、実施の形態及び変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及び変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子では、容器10の蓋体12において、複数の凸部80が、安全弁50を囲む一重の周状に配置されていたが、これに限定されるものでない。安全弁50を囲む2つ以上の多重の周状に、凸部80が配置されてもよい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子では、容器10の蓋体12において、4つの凸部80が、安全弁50を囲むように互いに間隔をあけて配置されていたが、これに限定されるものでない。3つ以下又は5つ以上の凸部80が、安全弁50を囲むように一重の周状に配置されてもよい。さらに、凸部80の配置形態は、平行な配置形態などの安全弁50を囲むものでなくてもよい。4つの凸部80が、蓋体12に設けられる場合でも、凸部80によって形成される通路の配置は、実施の形態の配置に限定されない。また、4つの凸部80は、連続していてもよい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子では、容器10の蓋体12上において、凸部80は、湾曲した線形の平面形状を有していたが、直線状の線形、円形、楕円形、多角形等の平面形状を有してもよい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子では、容器10の蓋体12上において、4つの凸部80は、同一の形状を有していたが、互いに異なる形状を有していてもよい。また、蓋体12からの4つの凸部80の突出量、つまり、凸部80の高さは、同一でなくてもよい。例えば、安全弁50を挟んで対向する凸部80の組の間で、安全弁をまたぐ凸部80間の距離が異なる場合、凸部80間の距離が大きい凸部80の組の高さをより大きくしてもよい。これにより、凸部80との衝突時に電極体20が安全弁50に向かって撓むように変形しても、電極体20が安全弁50を塞ぐのが抑えられる。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子では、正極集電体及び負極集電体はそれぞれ、板状の固定部と、固定部から延びる2つの脚部とを有する構成であった。しかしながら、固定部及脚部の構成は、実施の形態及び変形例における構成に限定されるものでない。例えば、実施の形態に係る蓄電素子の正極集電体及び負極集電体は、蓋体12に固定される部位が第一取付部13の第一凹部13a内及び第二取付部14の第二凹部14a内に収まる構成であればよい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子は、1つの電極体20を備えていた。しかしながら、蓄電素子は、2つ以上の電極体を備えるものであってもよい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子では、電極体20は、正極未塗工部21c及び負極未塗工部22cでそれぞれ、正極集電体及び負極集電体に接続される構成であったが、これに限定されるものでない。電極体は、正極未塗工部21cの位置及び負極未塗工部22cの位置にそれぞれ、正極及び負極から突出するタブを一体的に有する構成であってもよい。さらに、正極集電体及び負極集電体が、タブに接続されてよい。
実施の形態及び変形例に係る蓄電素子は、縦巻き型の電極体20を備える蓄電素子であったが、巻回軸A方向の電極体20の端部を容器10の蓋体12に対向させる向きで電極体20が配置される横巻き型の電極体を備える蓄電素子であってもよい。
また、実施の形態及び変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。また、本発明は、上述のような蓄電素子として実現することができるだけでなく、1つ以上の蓄電素子を備える蓄電装置においても実現することができる。