JP6812866B2 - シリンダヘッド構造 - Google Patents

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    • F02F1/40Cylinder heads having cooling means for liquid cooling cylinder heads with means for directing, guiding, or distributing liquid stream 

Description

本発明は、ウォータジャケットを備えたシリンダヘッド構造に関する。
例えば4バルブの水冷式エンジンにおいて、シリンダの上方に設けられるシリンダヘッドは、2つの吸気ポート、2つの排気ポート、プラグホールおよびウォータジャケットを備えている。ウォータジャケットは、冷却水を流通させる冷却水通路の集まりであり、燃料の燃焼により発生する熱によって高温となるシリンダヘッドを冷却水により冷却する。
一般的なシリンダヘッドにおいて、ウォータジャケットを構成する主たる冷却水通路は燃焼室の周囲に設けられている。具体的には、燃焼室の上方には、点火プラグが収容されるプラグホールが配置されているので、主たる冷却水通路はプラグホールを囲むように設けられている。
通常、点火プラグはその軸線がシリンダの軸線と一致するように配置される。それゆえ、プラグホールも、燃焼室の上方において、その軸線がシリンダの軸線と一致するように配置されている。したがって、シリンダヘッドにおいて、プラグホールと吸気ポートとの間の領域の大きさと、プラグホールと排気ポートとの間の領域の大きさとは概ね等しい。このような構造上、プラグホールを囲む主たる冷却水通路において、プラグホールと吸気ポートとの間を通る部分の流路面積と、プラグホールと排気ポートとの間を通る部分の流路面積とはほぼ等しい。
さらに、シリンダヘッドにおいて、2つの排気ポートの間が高温となり易く、熱が移動し難い箇所であることから、近時のシリンダヘッドの中には、ウォータジャケットを構成する冷却水通路が排気ポート間の領域にも設けられているものがある。
下記の特許文献1には、ウォータジャケットを備えたシリンダヘッドが記載されている。このシリンダヘッドにおいて、プラグホールは、その軸線がシリンダの軸線と一致するように配置されている。また、ウォータジャケットは、プラグホールを囲むように設けられた中央流路を備えている。そして、この中央流路において、プラグホールと吸気ポートとの間を通る部分の流路面積と、プラグホールと排気ポートとの間を通る部分の流路面積とはほぼ等しい。さらに、ウォータジャケットは、排気ポート間を通るポート間流路を備えている。
特開2015−10598号公報
ところで、シリンダヘッドにおいて排気ポート間の領域は小さい。このため、排気ポート間の領域に冷却水通路を設ける場合、その冷却水通路は、流路面積が小さく、それに比して流路長が長くなり、それゆえ圧力損失が大きくなる。
このため、シリンダの軸線と軸線が一致するように配置されたプラグホールと、当該プラグホールを囲むように設けられた冷却水通路とを備えた一般的なシリンダヘッドにおいて、その排気ポート間の領域に単に冷却水通路を追加しただけでは、当該追加した冷却水通路には少量の冷却水しか流通しない。それゆえ、冷却水により排気ポート間の領域を冷却する効果は低いと考えられる。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、排気ポート間の領域に設けられた冷却水通路を流通する冷却水の流量を増やし、当該領域を冷却水により冷却する効果を高めることができるシリンダヘッド構造を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のシリンダヘッド構造は、シリンダの上方に設けられるシリンダヘッド本体と、前記シリンダヘッド本体に設けられ、燃焼室に吸気を導入するための吸気ポートと、前記シリンダヘッド本体に設けられ、前記燃焼室から排気を排出するための複数の排気ポートと、前記シリンダヘッド本体において前記吸気ポートと前記複数の排気ポートとの間に設けられ、一端側が前記燃焼室と連通し、点火プラグを収容するためのプラグホールと、前記シリンダヘッド本体内に冷却水を流通させるウォータジャケットとを備え、前記プラグホールは、当該プラグホールの他端側が前記吸気ポートに接近するように前記シリンダの軸線に対して傾斜し、前記ウォータジャケットは、前記シリンダヘッド本体において前記プラグホールと前記複数の排気ポートとの間の領域に設けられた第1の冷却水通路と、前記シリンダヘッド本体において前記排気ポート間の領域に設けられた第2の冷却水通路とを備え、前記第1の冷却水通路は、前記シリンダの周壁部に設けられたシリンダ側冷却水通路を流通する冷却水を当該第1の冷却水通路に流入させる第1の流入口を備え、前記第2の冷却水通路は、前記シリンダ側冷却水通路を流通する冷却水を当該第2の冷却水通路に流入させる第2の流入口を備え、前記第1の流入口は前記第2の流入口よりも前記シリンダ側冷却水通路における冷却水の主要な流通方向における下流側に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、シリンダヘッドにおける排気ポート間の領域に設けられた冷却水通路を流通する冷却水の流量を増やし、当該領域を冷却水により冷却する効果を高めることができる。
本発明の実施例のシリンダヘッド構造を備えたエンジンを右方から見た外観図である。 図1中のエンジンを前方から見た外観図である。 図2中の矢示III−III方向から見たシリンダおよびシリンダヘッドを示す断面図である。 図2中の矢示IV−IV方向から見たシリンダおよびシリンダヘッドを示す断面図である。 図1中のエンジンにおけるシリンダヘッドに設けられた動弁機構等を示す斜視図である。 シリンダ側ウォータジャケットおよび本発明の実施例のシリンダヘッド構造におけるウォータジャケット(ヘッド側ウォータジャケット)を示す説明図である。 シリンダ側ウォータジャケットを示す説明図である。 本発明の実施例のシリンダヘッド構造におけるウォータジャケット(ヘッド側ウォータジャケット)を示す説明図である。 本発明の実施例のシリンダヘッド構造におけるガスケットを示す説明図である。 シリンダ側ウォータジャケットおよび本発明の実施例のシリンダヘッド構造のウォータジャケット(ヘッド側ウォータジャケット)における冷却水の流れを前方から見た説明図である。 シリンダ側ウォータジャケットおよび本発明の実施例のシリンダヘッド構造のウォータジャケット(ヘッド側ウォータジャケット)における冷却水の流れを上方から見た説明図である。 比較例のシリンダ側ウォータジャケットおよびヘッド側ウォータジャケットを示す説明図である。
本発明の実施形態によるシリンダヘッド構造は、シリンダの上方に設けられるシリンダヘッド本体と、シリンダヘッド本体に設けられ、燃焼室に吸気を導入するための吸気ポートと、シリンダヘッド本体に設けられ、燃焼室から排気を排出するための複数の排気ポートと、シリンダヘッド本体において吸気ポートと複数の排気ポートとの間に設けられ、一端側が燃焼室と連通し、点火プラグを収容するためのプラグホールと、シリンダヘッド本体内に冷却水を流通させるウォータジャケットとを備えている。
プラグホールは、当該プラグホールの他端側が吸気ポートに接近するようにシリンダの軸線に対して傾斜している。
また、ウォータジャケットは、シリンダヘッド本体においてプラグホールと複数の排気ポートとの間の領域に設けられた第1の冷却水通路と、シリンダヘッド本体において排気ポート間の領域に設けられた第2の冷却水通路とを備えている。
プラグホールを、当該プラグホールの他端側が吸気ポートに接近するように傾斜させることにより、プラグホールと複数の排気ポートとの間の領域を大きくすることができる。したがって、プラグホールと複数の排気ポートとの間の領域に設ける第1の冷却水通路の流路面積を大きくすることができる。これにより、シリンダヘッド本体のうち複数の排気ポートが設けられている側の領域における冷却水の流量を増やすことができ、排気ポート間の領域に設けられた第2の冷却水通路を流通する冷却水の流量を増やすことができる。よって、排気ポート間の領域を冷却水により冷却する効果を高めることができる。
<エンジンの構成>
図1は本発明の実施例のシリンダヘッド構造8が設けられたエンジン1を右方から見た図であり、図2はこのエンジン1を前方から見た図である。図3は、図2中の矢示III−III方向から見たシリンダ7およびシリンダヘッド9の断面を示している。図4は、図2中の矢示IV−IV方向から見たシリンダ7およびシリンダヘッド9の断面を示している。図5はシリンダヘッド9に設けられた動弁機構35等を示している。なお、各図の右下部に、前(F)、後(B)、左(L)、右(R)、上(U)、下(D)の方向を指す矢印を示した。これらの方向は、エンジン1が搭載された鞍乗型車両を運転する運転者を基準としている。以下の実施例において方向について説明するときには、これらの矢印に従う。
図1において、エンジン1は、水冷式エンジンであり、例えば単気筒のSOHC4バルブエンジンである。エンジン1は例えば鞍乗型車両に搭載される。エンジン1はクランクケース2、シリンダ7、シリンダヘッド9およびシリンダヘッドカバー11を備えている。
クランクケース2は、図2に示すように、左側ケース3と右側ケース4とを互いに合わせることにより形成されている。クランクケース2内にはクランクシャフトが設けられている。また、クランクケース2内において、クランクシャフトの後方にはクラッチおよびトランスミッションが設けられ、クランクシャフトの左端側にはマグネトが設けられている。また、クランクケース2の右側にはクラッチカバー5が取り付けられ、クランクケース2の左側にはマグネトカバー6が取り付けられている。
シリンダ7はクランクケース2上に設けられている。シリンダ7内にはピストンが設けられ、ピストンはコネクティングロッドを介してクランクシャフトに接続されている。なお、図3および図4においてピストンおよびコネクティングロッドの図示を省略している。また、図3に示すように、シリンダ7は、後述のシリンダ側ウォータジャケット46を備えている。
シリンダヘッド9は、例えば金属製のガスケット10を介してシリンダ7上に設けられている。シリンダヘッドカバー11はシリンダヘッド9の上部を覆っている。
<シリンダヘッド構造>
図3または図4に示すように、シリンダヘッド9は、シリンダヘッド本体21、燃焼室を形成する凹部22、2つの吸気ポート23、2つの排気ポート24、プラグホール25、2つの吸気バルブ支持孔27、および2つの排気バルブ支持孔28を備えている。さらに、シリンダヘッド9は、後述のヘッド側ウォータジャケット51を構成する中間通路52、ポート間通路53、吸気側通路54、排気側通路55およびヘッド側流出口63を備えている(図6参照)。
シリンダヘッド本体21は例えばアルミニウム合金により形成されている。凹部22、2つの吸気ポート23、2つの排気ポート24、プラグホール25、2つの吸気バルブ支持孔27、2つの排気バルブ支持孔28、中間通路52、吸気側通路54、排気側通路55およびヘッド側流出口63はシリンダヘッド本体21に鋳造によって形成されている。また、ポート間通路53はシリンダヘッド本体21に例えばドリルで穴を開けることにより形成されている。
凹部22は、ピストンが上死点に位置するときに、ピストンの上面と共に燃焼室を形成する部分である。凹部22は、シリンダヘッド本体21の下面中央に形成されている。
各吸気ポート23は燃焼室に吸気を導入するためのポートである。各吸気ポート23は、図4に示すように、シリンダヘッド本体21においてシリンダ7の軸線(シリンダ軸線)Sよりも後方の部分に形成されている。また、2つの吸気ポート23において、吸気の流出端側はそれぞれ燃焼室内に開口しているが、流入端側は結合して1つの通路となり、シリンダヘッド本体21の後部において開口している。
各排気ポート24は燃焼室から排気を排出するためのポートである。各排気ポート24は、シリンダヘッド本体21においてシリンダ軸線Sよりも前方の部分に形成されている。また、2つの排気ポート24において、排気の流入端側はそれぞれ燃焼室内に開口しているが、流出端側は結合して1つの管路となり、シリンダヘッド本体21の前部右側において開口している。
プラグホール25は点火プラグ31を収容する孔である。プラグホール25は、図3に示すように、シリンダヘッド本体21において、2つの吸気ポート23と2つの排気ポート24との間に設けられている。また、プラグホール25の一端側は燃焼室と連通している。また、プラグホール25は、その他端側がそれぞれの吸気ポート23に接近するようにシリンダ軸線Sに対して傾斜している。すなわち、プラグホール25の一端部はシリンダヘッド本体21のほぼ中央に位置しており、プラグホール25の一端部の位置はシリンダ軸線Sが貫く位置とほぼ一致している。一方、プラグホール25の他端部は、シリンダヘッド本体21の中央から後方に外れており、シリンダ軸線Sが貫く位置よりも後方に位置している。プラグホール25のシリンダ軸線Sに対する傾斜角度αは例えばおよそ5度〜15度である。プラグホール25がこのように傾斜している結果、シリンダヘッド本体21において、プラグホール25と2つの排気ポート24との間の領域Aが、プラグホール25と2つの吸気ポート23との間の領域Bよりも大きくなっている。
また、プラグホール25には、図5に示すように、プラグホールガイド26が取り付けられる。プラグホールガイド26は、点火プラグ31のターミナルおよびプラグコード等を保護するための筒状の部材である。なお、図3および図4ではプラグホールガイド26の図示を省略している。
各吸気バルブ支持孔27は、図4に示すように、吸気バルブ32を支持する孔である。各吸気バルブ支持孔27の一端側は吸気ポート23と連通している。また、各吸気バルブ支持孔27は、その一端部よりも他端部が後方に位置するようにシリンダ軸線Sに対して傾斜している。本実施例において、プラグホール25のシリンダ軸線Sに対する傾斜角度αは、吸気バルブ支持孔27のシリンダ軸線Sに対する傾斜角度と等しい。
各排気バルブ支持孔28は、排気バルブ33を支持する孔である。各排気バルブ支持孔28の一端側は排気ポート24と連通している。また、各排気バルブ支持孔28は、その一端部よりも他端部が前方に位置するようにシリンダ軸線Sに対して傾斜している。
また、図3に示すように、プラグホール25には、燃料室内の混合気に点火する点火プラグ31が収容されている。点火プラグ31はプラグホール25と同様にシリンダ軸線Sに対して傾斜している。また、図4に示すように、各吸気バルブ支持孔27には、吸気ポート23を開閉する吸気バルブ32が支持されている。各吸気バルブ32は吸気バルブ支持孔27と同様にシリンダ軸線Sに対して傾斜している。点火プラグ31のシリンダ軸線Sに対する傾斜角度は吸気バルブ32のシリンダ軸線Sに対する傾斜角度と等しい。それゆえ、点火プラグ31は吸気バルブ32と平行に配置されている。また、各排気バルブ支持孔28には、排気ポート24を開閉する排気バルブ33が支持されている。排気バルブ33は排気バルブ支持孔28と同様にシリンダ軸線Sに対して傾斜している。
また、図5に示すように、シリンダヘッド本体21の上部には動弁機構35が設けられている。動弁機構35は、各吸気バルブ32および各排気バルブ33の開閉を制御する機構である。動弁機構35は、図3または図4に示すように、カムシャフト36、吸気バブル用のカム37、排気バルブ用のカム38、吸気バルブ用のロッカーアーム39、排気バルブ用のロッカーアーム40、およびクランクシャフトの回転をカムシャフト36に伝達するカムチェーン(図示を省略)が掛けられるカムチェーンスプロケット41を備えている。カムシャフト36は2つの排気バルブ33の上方に配置されている。
なお、シリンダヘッド9と、2つの吸気バルブ32と、2つの排気バルブ33と、点火プラグ31と、動弁機構35と、ヘッド側ウォータジャケット51における後述のメイン流入口56およびポート間流入口57が形成されたガスケット10(図9参照)とを備えたシリンダヘッド構造8が本発明のシリンダヘッド構造の実施例に当たる。
<エンジン冷却システム>
エンジン1は、ウォータポンプ43およびウォータジャケット45を備えている。ウォータポンプ43は、図1に示すように、例えばクランクケース2の右部に取り付けられている。ウォータジャケット45は、図3に示すように、シリンダ7およびシリンダヘッド9等に設けられている。これらウォータポンプ43およびウォータジャケット45は、鞍乗型車両において例えばエンジン1の前方に設けられたラジエータと共に、エンジン1を冷却水により冷却するシステムを構成する。
ウォータポンプ43の吐出側とウォータジャケット45の流入側との間は、クランクケース2内に形成された通路により接続されている。また、ウォータジャケット45の流出側とラジエータの流入側との間はラジエータインレットホースにより接続されている。また、ラジエータの流出側とウォータポンプの吸込側との間はラジエータアウトレットホースにより接続されている。冷却水は、ウォータポンプ43からウォータジャケット45へ供給され、ウォータジャケット45内を流通した後、ラジエータへ送られ、ラジエータにより冷却された後、ウォータポンプ43へ戻る。
<ウォータジャケット>
図6はウォータジャケット45を示している。ウォータジャケット45は、シリンダ7およびシリンダヘッド9等に形成された通路の集まりである。図6はそれら通路の集まりの外形を描いたものである。図7はシリンダ側ウォータジャケット46を示している。図8はヘッド側ウォータジャケット51を示している。図9はシリンダ7とシリンダヘッド9との間に設けられたガスケット10を示している。
ウォータジャケット45は、図6に示すように、シリンダ側ウォータジャケット46およびヘッド側ウォータジャケット51を備えている。シリンダ側ウォータジャケット46はシリンダ7側に設けられ、ヘッド側ウォータジャケット51はシリンダヘッド9側に設けられている。シリンダ側ウォータジャケット46とヘッド側ウォータジャケット51とは、後述するメイン流入口56、ポート間流入口57および複数の小孔58を介して互いに連通している部分を除き、ガスケット10によって、両者間を冷却水が流通できないように遮断されている。
シリンダ側ウォータジャケット46は、図7に示すように、シリンダ側冷却水通路47およびシリンダ側流入口48を備えている。シリンダ側冷却水通路47は、シリンダ7の周壁の内部にシリンダ7の全周に亘って環状に形成されている。シリンダ側流入口48は、シリンダ7の右前部外周側に形成されており、シリンダ軸線Sよりも前側かつ右側に位置している。シリンダ側流入口48には、クランクケース2内に形成された通路が接続されている。ウォータポンプ43から吐出された冷却水は、クランクケース2内に形成された通路を通り、シリンダ側流入口48からシリンダ側冷却水通路47に流入する。
ヘッド側ウォータジャケット51は、図8に示すように、中間通路52、ポート間通路53、吸気側通路54、排気側通路55、メイン流入口56、ポート間流入口57、およびヘッド側流出口63を備えている。
中間通路52は、シリンダヘッド本体21においてプラグホール25と2つの排気ポート24との間の領域Aに形成されている(図3参照)。中間通路52は、シリンダヘッド本体21において、その外周部の左部から、プラグホール25と2つの排気ポート24との間の領域Aを通り、外周部の右部に至る。また、中間通路52は、シリンダヘッド本体21の外周部の左部からシリンダヘッド本体21の外周部の右部に至るまでの間において、子細に見ると緩やかに湾曲している部分を有するものの、全体的に見て概ね直線状に伸長している。また、中間通路52は、シリンダヘッド本体21の外周部の左部からシリンダヘッド本体21の外周部の右部に至るまでの間において、冷却水が分流する部分が存在しない。
ポート間通路53は、シリンダヘッド本体21において、隣接する2つの排気ポート24間の領域に形成されている。ポート間通路53は、シリンダヘッド本体21において、その外周部の前部から、排気ポート24間の領域を通り、プラグホール25と2つの排気ポート24との間の領域Aの左右方向中間部に至る。また、ポート間通路53は直線状に伸長している。また、ポート間通路53の流入側は排気側通路55の下方に位置している。なお、図6に示すように、ポート間通路53の流入側は排気側通路55とは連通していない。また、ポート間通路53の流出側は中間通路52と連通している。また、ポート間通路53は細長い形状を有しており、中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55のそれぞれと比較して流路面積が小さい。
吸気側通路54は、シリンダヘッド本体21において、2つの吸気ポート23よりも径方向外側の領域に形成されている。吸気側通路54は、シリンダヘッド本体21において、その外周部の左部から、外周部の後部を通り、外周部の右部へ至る。また、吸気側通路54は、シリンダヘッド本体21の外周部の湾曲に沿うように緩やかに湾曲しつつ伸長している。
排気側通路55は、シリンダヘッド本体21において、2つの排気ポート24よりも径方向外側の領域に形成されている。排気側通路55は、シリンダヘッド本体21において、その外周部の左部から、外周部の前部を通り、外周部の右部へ至る。また、吸気側通路54は、シリンダヘッド本体21の外周部の湾曲に沿うように緩やかに湾曲しつつ伸長している。
本実施例において、中間通路52、吸気側通路54、排気側通路55は、シリンダヘッド本体21の鋳造時に中子を用いて形成されている。一方、ポート間通路53は、シリンダヘッド本体21の鋳造後にドリル加工により形成されている。
メイン流入口56は、中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55の流入口である。また、ポート間流入口57はポート間通路53の流入口である。メイン流入口56は、シリンダ側冷却水通路47と、中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55との間を連通させている。また、ポート間流入口57は、シリンダ側冷却水通路47とポート間通路53との間を連通させている。シリンダ側冷却水通路47を流通する冷却水は、メイン流入口56から中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55にそれぞれ流入し、ポート間流入口57からポート間通路53に流入する。
図9に示すように、メイン流入口56およびポート間流入口57はそれぞれ、ガスケット10に形成された孔である。このような孔が形成されたガスケット10をシリンダ7とシリンダヘッド9との間に設けることにより、メイン流入口56およびポート間流入口57が形成される。
図8に示すように、メイン流入口56およびポート間流入口57はいずれも、シリンダ軸線Sよりも2つの排気ポート24が設けられている側、すなわち、シリンダ軸線Sよりも前側に配置されている。具体的には、メイン流入口56は、シリンダ軸線Sよりも前側かつ左側に配置され、より具体的には、シリンダヘッド本体21の外周部における左部から左前部にかけての領域の下側に配置されている。また、ポート間流入口57は、シリンダヘッド本体21の外周部の前部の下側に配置されている。
また、メイン流入口56はポート間流入口57よりもシリンダ側冷却水通路47における冷却水の主要な流通方向における下流側に配置されている。すなわち、後述するように、冷却水は、シリンダ側ウォータジャケット46のシリンダ側流入口48からシリンダ側冷却水通路47に流入する。シリンダ側冷却水通路47に流入した冷却水は、シリンダ側冷却水通路47を、シリンダ7を上方から見た場合に左回り方向(図6中の矢示C方向)および右回り方向(矢示E方向)にそれぞれ分かれて流通する。しかしながら、シリンダ側流入口48、メイン流入口56およびポート間流入口57のそれぞれの配置から、シリンダ側冷却水通路47において、シリンダ側流入口48から左方向に進んでポート間流入口57またはメイン流入口56に至る左回り方向の経路の方が、シリンダ側流入口48から右方向に進んでメイン流入口56またはポート間流入口57に至る右回り方向の経路よりも短い。したがって、左回り方向に流通する冷却水の方が、右回り方向に流通する冷却水よりも量が多くなる。最も多くの冷却水が流通する方向が冷却水の主要な流通方向である。したがって、シリンダ側冷却水通路47における冷却水の主要な流通方向は左回り方向である。メイン流入口56は、シリンダ側冷却水通路47の左回り方向の経路において、シリンダ側流入口48から、ポート間流入口57よりも離れた位置に配置されている。
また、メイン流入口56は、ヘッド側ウォータジャケット51の複数の流入口のうち、最大の面積を有する流入口である。すなわち、ガスケット10には、図9に示すように、シリンダ側ウォータジャケット46とヘッド側ウォータジャケット51との間を連通させる孔として、メイン流入口56、ポート間流入口57および複数の小孔58が形成されている。メイン流入口56は、ポート間流入口57および複数の小孔58のいずれよりも大きい面積を有している。また、メイン流入口56は、シリンダヘッド本体21の外周部の湾曲した形状に沿うように周方向に拡がった長孔である。一方、ポート間流入口57は、ポート間通路53の流路面積と同等の面積を有する円形の孔である。なお、各小孔58は主としてウォータジャケット45内の空気を逃がすためのものである。各小孔58の面積は、ポート間流入口57の面積よりも大幅に小さい。また、ガスケット10には、シリンダボアに対応する孔59や、カムチェーンを通す孔60等が形成されている。
図8に示すように、ヘッド側流出口63はヘッド側ウォータジャケット51の流出口である。ヘッド側流出口63は、ポート間通路53から見てメイン流入口56の反対側に配置されている。また、ヘッド側流出口63は、シリンダ軸線Sよりも2つの吸気ポート23が設けられている側に配置されている。具体的には、ヘッド側流出口63は、シリンダ軸線Sよりも後ろ側かつ右側に配置され、より具体的には、シリンダヘッド本体21の外周部における右部のやや後部寄りの位置に配置されている。中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55のそれぞれの流出側はヘッド側流出口63に接続されている。また、ヘッド側流出口63は、図6に示すように、上方に湾曲している。
また、図1または図5に示すように、ヘッド側流出口63には、出口パイプ64が接続されている。出口パイプ64は、その軸線がシリンダ軸線Sと平行になるように配置されている。さらに、図示を省略しているが、出口パイプ64にはラジエータインレットホースが接続されている。中間通路52、ポート間通路53、吸気側通路54または排気側通路55を流通した冷却水は、ヘッド側流出口63からシリンダヘッド本体21外へ流出し、出口パイプ64およびラジエータインレットホースを介してラジエータへ送られる。
また、本発明の実施例におけるシリンダヘッド本体21では、図3に示すように、プラグホール25と2つの吸気ポート23との間の領域Bには、冷却水通路が全く設けられていない。すなわち、図8に示すように、ヘッド側ウォータジャケット51は、プラグホール25と2つの吸気ポート23との間を通る冷却水通路を備えていない。プラグホール25と2つの吸気ポート23との間の領域Bには、当該領域Bを冷却水が流通することを阻止する壁部が形成されている。
図10および図11はウォータジャケット45における冷却水の流れを示している。ウォータポンプ43から吐出され、クランクケース2内に形成された通路を通って供給された冷却水は、図10または図11に示すように、シリンダ側ウォータジャケット46のシリンダ側流入口48からシリンダ側冷却水通路47に流入する。シリンダ側冷却水通路47に流入した冷却水は、シリンダ側冷却水通路47を左回り方向および右回り方向に分かれて流通するが、左回り方向に流通する冷却水の方が右回り方向に流通する冷却水よりも量が多い。そして、シリンダ側冷却水通路47を流通する冷却水は、ヘッド側ウォータジャケット51のメイン流入口56から中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55に流入し、かつ、ポート間流入口57からポート間通路53に流入する。
メイン流入口56は、ヘッド側ウォータジャケット51の複数の流入口のうち最大の面積を有している。また、中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55はそれぞれ流路面積が大きく、圧力損失が小さい。これに対し、ポート間流入口57は、メイン流入口56よりも面積が小さい。または、ポート間通路53は中間通路52よりも流路面積が小さく、圧力損失が大きい。したがって、メイン流入口56に流入する冷却水の量がポート間流入口57に流入する冷却水の量よりも多くなる。この結果、シリンダ側冷却水通路47からメイン流入口56へ流入する冷却水の流れが、シリンダ側ウォータジャケット46からヘッド側ウォータジャケット51へ移動する冷却水の本流となる。しかし、メイン流入口56はポート間流入口57よりもシリンダ側冷却水通路47における冷却水の主要な流通方向(左回り方向)における下流側に配置されているので、シリンダ側冷却水通路47からメイン流入口56へ向かう冷却水の一部は確実にポート間流入口57に流入する。
メイン流入口56から中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55に流入した冷却水は、中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55をヘッド側流出口63に向かってそれぞれ流通する。中間通路52は、上述したように全体的に見て直線状に伸長しており、途中、冷却水が分流する部分が存在しない。したがって、冷却水は中間通路52をほぼ滞留することなく円滑に流れる。
また、ポート間流入口57からポート間通路53に流入した冷却水は、直線状に伸長したポート間通路53を円滑に流れ、中間通路52を流通する冷却水と合流する。
中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55を流通した冷却水はヘッド側流出口63の手前で合流し、ヘッド側流出口63から出口パイプ64を通り、さらにラジエータインレットホースを通ってラジエータへ向かう。
以上、説明した通り、本発明の実施例のシリンダヘッド構造8では、プラグホール25を、当該プラグホール25の他端側がそれぞれの吸気ポート23に接近するように傾斜させることにより、プラグホール25と2つの排気ポート24との間の領域を拡大する構成とした。これにより、ヘッド側ウォータジャケット51において、プラグホール25と2つの排気ポート24との間の領域Aに設ける中間通路52の流路面積を大きくすることができる。したがって、シリンダヘッド本体21のうち2つの排気ポート24が設けられている側の領域における冷却水の流量を増やすことができ、排気ポート24間の領域に設けられたポート間通路53を流通する冷却水の流量を増やすことができる。よって、排気ポート24間の領域を冷却水により冷却する効果を高めることができる。
また、本発明の実施例のシリンダヘッド構造8では、シリンダヘッド本体21において、プラグホール25と2つの吸気ポート23との間の領域Bに冷却水通路を設けない構成とした。これにより、ヘッド側ウォータジャケット51内に流入した冷却水が、シリンダヘッド本体21のうち2つの吸気ポート23が設けられている側の領域を流通する量を減らすことができる。この結果、シリンダヘッド本体21のうち、2つの排気ポート24が設けられている側の領域における冷却水の流量を増やすことができる。よって、排気ポート24間の領域に設けられたポート間通路53を流通する冷却水の流量を増やすことができる。
また、本発明の実施例のシリンダヘッド構造8によれば、シリンダヘッド本体21のうち2つの吸気ポート23が設けられている側の領域における冷却水の流量を減らすことで、当該領域における冷却水による冷却効果を低減させることができる。したがって、吸気ポート23の早期暖機による燃焼効率ないし燃費の向上を図ることができる。
また、本発明の実施例のシリンダヘッド構造8によれば、冷却水の滞留を抑制することができ、滞留した冷却水の突沸による冷却水の冷却効果の低下を抑えることができる。すなわち、図12に示す比較例によるウォータジャケット81のように、プラグホールと2つの吸気ポートとの間の領域とプラグホールと2つの排気ポートとの間の領域とのそれぞれに冷却水通路82、83を設けた場合、当該2つの冷却水通路82、83の上流側の冷却水通路が当該2つの冷却水通路82、83に分岐する部分P、または当該2つの冷却水通路82、83がそれらの下流側で合流する部分Qにおいて冷却水が滞留し易くなる。冷却水が滞留すると、滞留した冷却水が突沸し、冷却水による冷却効果が低下することがある。図8に示す本発明の実施例におけるヘッド側ウォータジャケット51のように、プラグホール25と2つの吸気ポート23との間の領域に冷却水通路を設けないことにより、冷却水の滞留を抑制することができ、滞留した冷却水の突沸による冷却水の冷却効果の低下を抑えることができる。
また、本発明の実施例のシリンダヘッド構造8では、シリンダ側冷却水通路47における冷却水の主要な流通方向において、流路面積が比較的大きく圧力損失が比較的小さい中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55のメイン流入口56を、流路面積が比較的小さく圧力損失が比較的大きいポート間通路53のポート間流入口57よりも下流側に配置する構成とした。これにより、シリンダ側冷却水通路47をメイン流入口56へ向かって流通する冷却水の一部をポート間通路53へ確実に分流させることができ、ポート間通路53における冷却水の流量を増やすことができる。
また、本発明の実施例のシリンダヘッド構造8では、メイン流入口56およびポート間流入口57をいずれもシリンダ軸線Sよりも2つの排気ポート24が設けられている側に配置する構成とした。これにより、シリンダ側冷却水通路47を流通する冷却水が、シリンダヘッド本体21のうち2つの排気ポート24が設けられている領域に直接的に供給されるようになる。したがって、シリンダヘッド本体21の排気側の領域を冷却水により冷却する効果を高めることができる。
また、本発明の実施例のシリンダヘッド構造8では、ヘッド側ウォータジャケット51への冷却水の流入口をメイン流入口56およびポート間流入口57のみとし、かつ、メイン流入口56の面積をポート間流入口57の面積よりも大きくし、かつ、このメイン流入口56に中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55を接続する構成とした。これにより、シリンダヘッド本体21において冷却水が流通する経路を単純化することができ、シリンダヘッド本体21内における冷却水の流れを円滑化することができる。具体的には、多量の冷却水を単一のメイン流入口56から中間通路52、吸気側通路54および排気側通路55に一気に流し込み、冷却水をシリンダヘッド本体21における広範囲の領域に円滑に行き渡らせることができる。仮にヘッド側ウォータジャケットの流入口が多数ある場合には、それら多数の流入口から流入した冷却水がシリンダヘッド本体内の多数の箇所で合流する複雑な冷却水経路が形成され、それゆえ冷却水の円滑な流れをつくり出すことが難しくなる。本発明の実施例のシリンダヘッド構造8によれば、流入口の個数を絞り込むことで、冷却水の円滑な流れを容易に作り出すことができる。
また、本発明の実施例のシリンダヘッド構造8では、ヘッド側ウォータジャケット51のヘッド側流出口63を、ポート間通路53から見てメイン流入口56が配置された位置とは反対側の位置に配置した。また、本発明の実施例のシリンダヘッド構造8では、ヘッド側流出口63を、シリンダヘッド本体21において、シリンダ軸線Sよりも2つの吸気ポート23が設けられている側に配置した。このように、ヘッド側流出口63を、シリンダヘッド本体21内へ冷却水を流入させる最大の流入口であるメイン流入口56から離れた位置に配置することにより、シリンダヘッド本体21内の各所に冷却水を広く行き渡らせることができる。
また、本発明の実施例のシリンダヘッド構造8では、ヘッド側流出口63に接続された出口パイプ64をシリンダ軸線Sと平行となるように配置した。これにより、出口パイプ64によって、冷却水をシリンダヘッド本体21から上方へ流出させることができる。したがって、ラジエータにおいてエンジンよりも高い位置に配置されている流入口に向けて冷却水を円滑に送ることができる。
また、本発明の実施例のシリンダヘッド構造8では、動弁機構35のカムシャフト36を2つの排気バルブ33の上方に配置した。これにより、吸気バルブ32上に空間を確保することが容易になる。そして、吸気バルブ32上に確保された空間を利用して、シリンダ軸線Sに対する各吸気ポート23の傾斜角を小さくすることができる。これにより、吸気抵抗を低減することができる。また、点火プラグ31を吸気バルブ32と平行に配置することにより、点火プラグ31の脱着性を良くすることができる。
なお、上述した実施例では、シリンダヘッド本体21において、プラグホール25と2つの吸気ポート23との間の領域Bに冷却水通路を設けない構成とした。しかしながら、プラグホール25と2つの吸気ポート23との間の領域Bに冷却水通路を設けてもよい。ただし、シリンダヘッド本体21における排気側の領域を流通する冷却水の流量を増やすために、プラグホール25と2つの吸気ポート23との間の領域Bに設ける冷却水通路の流路面積は、プラグホール25と2つの排気ポート24との間の領域Aに設ける冷却水通路の流路面積よりも小さくする。また、プラグホール25の傾斜により領域Bは領域Aよりも小さいので、領域Bの大きさに合わせ、領域Bに設ける冷却水通路の流路面積は、領域Aに設ける冷却水通路の流路面積よりも小さくする。
また、上述した実施例では、ヘッド側ウォータジャケット51のポート間通路53をドリル加工によりシリンダヘッド本体21に形成する場合を例にあげたが、ポート間通路53を中子により形成してもよい。
また、上述した実施例では、本発明のシリンダヘッド構造を4バルブエンジンに適用する場合を例にあげたが、本発明のシリンダヘッド構造は、2つ以上の排気バルブを有するエンジンであれば、3バルブ、または5バルブ、またはそれ以上のバルブ数のエンジンにも適用することができる。また、本発明のシリンダヘッド構造は、単気筒のエンジンに限らず、複数気筒のエンジンにも適用することができる。
また、本発明のシリンダヘッド構造において、動弁機構の構成は上述した実施例の構成に限定されない。例えば、点火プラグの脱着性が損なわれないように配慮しつつ、カムシャフトの配置を変更してもよい。また、DOHCの動弁機構を採用することも可能である。
また、本発明は鞍乗型車両用のエンジンに限らず、種々の車両や船舶用のエンジンにも適用することができる。
また、上述した実施例における事項と特許請求の範囲の事項との対応関係は次の通りである。なお、両事項間で表現が一致しないものについてのみ記載する。ヘッド側ウォータジャケット51がウォータジャケットの具体例である。中間通路52が第1の冷却水通路の具体例である。ポート間通路53が第2の冷却水通路の具体例である。吸気側通路54が第3の冷却水通路の具体例である。排気側通路55が第4の冷却水通路の具体例である。メイン流入口56が第1の流入口の具体例である。ポート間流入口57が第2の流入口の具体例である。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うシリンダヘッド構造もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 エンジン
7 シリンダ
8 シリンダヘッド構造
9 シリンダヘッド
10 ガスケット
21 シリンダヘッド本体
22 凹部
23 吸気ポート
24 排気ポート
25 プラグホール
31 点火プラグ
32 吸気バルブ
33 排気バルブ
35 動弁機構
36 カムシャフト
45 ウォータジャケット
46 シリンダ側ウォータジャケット
47 シリンダ側冷却水通路
51 ヘッド側ウォータジャケット
52 中間通路(第1の冷却水通路)
53 ポート間通路(第2の冷却水通路)
54 吸気側通路(第3の冷却水通路)
55 排気側通路(第4の冷却水通路)
56 メイン流入口(第1の流入口)
57 ポート間流入口(第2の流入口)
63 ヘッド側流出口(流出口)
64 出口パイプ

Claims (8)

  1. シリンダの上方に設けられるシリンダヘッド本体と、
    前記シリンダヘッド本体に設けられ、燃焼室に吸気を導入するための吸気ポートと、
    前記シリンダヘッド本体に設けられ、前記燃焼室から排気を排出するための複数の排気ポートと、
    前記シリンダヘッド本体において前記吸気ポートと前記複数の排気ポートとの間に設けられ、一端側が前記燃焼室と連通し、点火プラグを収容するためのプラグホールと、
    前記シリンダヘッド本体内に冷却水を流通させるウォータジャケットとを備え、
    前記プラグホールは、当該プラグホールの他端側が前記吸気ポートに接近するように前記シリンダの軸線に対して傾斜し、
    前記ウォータジャケットは、前記シリンダヘッド本体において前記プラグホールと前記複数の排気ポートとの間の領域に設けられた第1の冷却水通路と、前記シリンダヘッド本体において前記排気ポート間の領域に設けられた第2の冷却水通路とを備え
    前記第1の冷却水通路は、前記シリンダの周壁部に設けられたシリンダ側冷却水通路を流通する冷却水を当該第1の冷却水通路に流入させる第1の流入口を備え、
    前記第2の冷却水通路は、前記シリンダ側冷却水通路を流通する冷却水を当該第2の冷却水通路に流入させる第2の流入口を備え、
    前記第1の流入口は前記第2の流入口よりも前記シリンダ側冷却水通路における冷却水の主要な流通方向における下流側に配置されていることを特徴とするシリンダヘッド構造。
  2. 前記シリンダヘッド本体において前記プラグホールと前記吸気ポートとの間の領域には冷却水通路が設けられていないことを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッド構造。
  3. 前記第1の流入口および前記第2の流入口は、前記シリンダの軸線よりも前記複数の排気ポートが設けられている側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダヘッド構造。
  4. 前記ウォータジャケットは、前記シリンダヘッド本体において前記吸気ポートよりも径方向外側の領域に設けられた第3の冷却水通路と、前記シリンダヘッド本体において前記2つの排気ポートよりも径方向外側の領域に設けられた第4の冷却水通路とをさらに備え、
    前記第1の冷却水通路、前記第3の冷却水通路および前記第4の冷却水通路は前記第1の流入口を介して前記シリンダ側冷却水通路とそれぞれ連通し、
    前記第1の流入口は、前記シリンダ側冷却水通路から前記ウォータジャケット内へ冷却水を流入させる複数の流入口のうち最大の面積を有する流入口であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシリンダヘッド構造。
  5. 前記シリンダヘッド本体には、前記ウォータジャケット内を流通した冷却水を当該シリンダヘッド本体の外部へ流出させる流出口が設けられ、
    前記流出口は、前記第2の冷却水通路から見て前記第1の流入口が配置された位置とは反対側の位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のシリンダヘッド構造。
  6. 前記流出口は、前記シリンダの軸線よりも前記吸気ポートが設けられている側に配置されていることを特徴とする請求項に記載のシリンダヘッド構造。
  7. 前記流出口に接続された出口パイプを備え、
    前記出口パイプは、その軸線が前記シリンダの軸線と平行となるように配置されていることを特徴とする請求項5または6に記載のシリンダヘッド構造。
  8. 前記プラグホールに挿入された前記点火プラグと、
    前記吸気ポートを開閉する吸気バルブと、
    前記複数の排気ポートをそれぞれ開閉する複数の排気バルブと、
    前記吸気バルブおよび前記複数の排気バルブの開閉を制御するカムシャフトとをさらに備え、
    前記カムシャフトは前記複数の排気バルブの上方に配置され、前記点火プラグは前記吸気バルブと平行に配置されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のシリンダヘッド構造。
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