JP5447228B2 - エンジンの冷却構造 - Google Patents

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Description

この発明は、複数の気筒を列状に有する水冷式エンジンにおいて、特に、冷却水でシリンダヘッドを冷却するようなエンジンの冷却構造に関する。
一般に、複数の気筒を列状に有するエンジンにおいては、該エンジンがシリンダブロックとその上部にボルト締結されるシリンダヘッドとを備えている。
上述のシリンダブロックはシリンダボアの外周部に設けられたブロックジャケット(詳しくはブロック側のウオータジャケット)内の冷却水で冷却され、シリンダヘッドはその内部に設けられたヘッドジャケット(詳しくはヘッド側のウオータジャケット)内の冷却水で冷却される。
上述のシリンダブロックの前部に複数気筒のシリンダボアを取り囲むブロックジャケットに対して冷却水を導入する冷却水導入部を設け、シリンダヘッドには、ブロックジャケットからヘッドジャケットの排気側に冷却水を上昇させ、その吸気側のエンジン気筒列方向一端側に冷却水を導出させる冷却水導出部を設けた場合、ウオータポンプからの冷却水は、冷却水導入部からブロックジャケットに流入した後に、ヘッドジャケットの排気側からその吸気側のエンジン気筒列方向一端側に設けられた冷却水導出部に向けて、該ヘッドジャケット内を気筒列と直交する方向に流れ(いわゆる横流れ)、冷却水導出部から導出される。
シリンダヘッド内のヘッドジャケット内部においては、その排気側から吸気側に向けて冷却水を均一に流通させることが望まれるが、ブロックジャケットにおける冷却水導入部に近いエンジン気筒列方向の一端側と、冷却水導入部から遠いエンジン気筒列方向の他端側とでは、冷却水に必然的に流通抵抗差が生ずる。これにより、エンジン気筒列方向の他端側では冷却水の流通抵抗の影響を受けて、冷却水の圧力が相対的に低くなる。
エンジンの始動、停止の繰返しにより、吸気ポート部と排気ポートとの間には、燃焼温度により熱応力が集中し、熱疲労に起因してクラックが発生する問題点があり、特に、冷却水の圧力が低くなる部分においては、これが顕著となる。
一方で、シリンダヘッドはシリンダブロックに対してボルト締結されており、1つの気筒当りシリンダボアの4つのコーナ部でボルトアップされるのが一般的であって、このボルトアップによりシリンダヘッドにおける気筒間の面圧が確保されている。
しかし、ボルト間においては、ボルト締結力いわゆる軸力を強めても、面圧が低下ぎみとなり、これを解決するためにはボルト間の面剛性を高めることが要請される。
ところで、特許文献1には直列4気筒エンジンにおいて、シリンダヘッドのヘッドジャケット内を気筒列方向に流れ(いわゆる縦流れ)る冷却水で、該シリンダヘッドを冷却するように成したエンジンの冷却構造が開示されている。
この特許文献1のものは、シリンダヘッドのウオータジャケット内に、気筒間の一方の吸気ポート壁から斜めに指向するリブを各気筒間部位に設けたものであり、各リブはそれぞれ同じ一方向に指向している。
要するに、該特許文献1に開示されたものは、熱負荷が高い排気ポート壁部に冷却水を向ける偏向リブを設け、この偏向リブにより冷却水の淀みの発生領域を減少させるものであって、シリンダヘッドのウオータジャケット内の冷却水の流れを阻害することなく、気筒間の補強を行なうものではない。
特開2002−339799号公報
そこで、本発明者等らは、上述のシリンダブロックのエンジン気筒列方向一端側に複数気筒のシリンダボアを取り囲むブロックジャケットに対して冷却水を導入する冷却水導入部を設け、シリンダヘッドには、各気筒毎に配置されてブロックジャケットからヘッドジャケットの排気側に冷却水を上昇させる冷却水入口が形成され、かつその吸気側のエンジン気筒列方向一端側に冷却水を導出させる冷却水導出部を設けたエンジンにおいて、シリンダヘッドのヘッドジャケット内における冷却水の流れの方向を解析した。
この解析の結果、上記ヘッドジャケット内のエンジン気筒列方向一端側とこれに隣接する気筒との気筒間と、エンジン気筒列方向他端側とこれに隣接する気筒との気筒間とでは、冷却水の流れの方向が異なることが明らかとなった(図11参照)。本発明は、この解析結果に基づいて成されたものである。
この発明は、ヘッドジャケットの各気筒間部位に、一方気筒の吸気ポート壁部から延びて他方気筒の排気ポート側に指向するリブをそれぞれシリンダヘッドの下壁に形成し、これら各リブを、エンジン気筒列方向一端側のものが当該気筒側から隣接気筒側に延び、エンジン気筒列方向他端側のものが当該気筒側から隣接気筒側に延びるように形成することで、ヘッドジャケット内を気筒列方向と直交する方向に流れる冷却水でシリンダヘッドを冷却することにより、単位時間当りの冷却水流量を抑制して、冷却効率を維持しながら、ヘッドジャケットに対する流通抵抗差が存在していても、これに伴うヘッドジャケット内の冷却水の流れを阻害することなく、気筒間の補強をリブで行なうことができるエンジンの冷却構造の提供を目的とする。
この発明によるエンジンの冷却構造は、複数の気筒を列状に有する水冷式エンジンにおいて、上記エンジンが、シリンダブロックとその上部にボルト締結されるシリンダヘッドとを備え、上記シリンダブロックのエンジン気筒列方向一端側に各ボアを取り囲むブロックジャケットに冷却水を導入する冷却水導入部があり、上記シリンダヘッドには、各気筒毎に配置されてブロックジャケットからヘッドジャケットの排気側に冷却水を上昇させる冷却水入口が形成され、かつ該ヘッドジャケットの吸気側のエンジン気筒列方向一端側に冷却水を導出させる冷却水導出部があり、上記ヘッドジャケットの各気筒間部位には、一方気筒の吸気ポート壁部から延びて他方気筒の排気ポート側に指向するリブがそれぞれシリンダヘッドの下壁に形成され、これら各リブは、エンジン気筒列方向一端側のものが当該気筒側から隣接気筒側に延び、エンジン気筒列方向他端側のものが当該気筒側から隣接気筒側に延びているものである。
上記構成によれば、ヘッドジャケット内をその排気側から吸気側に向けて気筒列方向と直交する方向に流れる(いわゆるエンジン幅方向に流れる横流れの)冷却水でシリンダヘッドを冷却することができ、これにより、単位時間当りの冷却水流量を抑制して、冷却効率を維持することができる。
また、ブロックジャケットの冷却水導入部の位置によりヘッドジャケットに対する流通抵抗差(冷却水導入部からの距離の大小差)が存在していても、これに伴うヘッドジャケット内の冷却水の流れを阻害することなく、上記リブで気筒間の補強を行なって、ボルト間の面剛性を高めることができる。
この発明の一実施態様においては、上記エンジンが吸気2弁排気2弁のDOHCエンジンであり、吸気ポート壁部と排気ポート壁部との間に、燃料噴射弁または点火プラグ用のボス部が配置され、一対の排気ポート壁部の間およびこれら排気ポート壁部と上記ボス部との間に冷却水流動空間を備えたものである。
上記構成によれば、一対の排気ポート壁部の間、および排気ポート壁部とボス部との間に冷却水流動空間を設けたので、この冷却水流動空間を通る冷却水で吸排気ポート壁部の間(いわゆる弁間)を有効に冷却することができて、熱疲労によるクラックの発生を防止することができる。
この発明の一実施態様においては、上記各リブは、その基端側から先端側に向けて下り傾斜しているものである。
上記構成によれば、リブによる補強効果を確保しつつ、シリンダヘッドを鋳造で構成する場合には、ヘッドジャケット成形用の中子の強度を維持することができ、中子折損などによる鋳造不良を抑制することができる。
この発明によれば、ヘッドジャケットの各気筒間部位に、一方気筒の吸気ポート壁部から延びて他方気筒の排気ポート側に指向するリブをそれぞれシリンダヘッドの下壁に形成し、これら各リブを、エンジン気筒列方向一端側のものが当該気筒側から隣接気筒側に延び、エンジン気筒列方向他端側のものが当該気筒側から隣接気筒側に延びるように形成したので、ヘッドジャケット内を気筒列方向と直交する方向に流れる冷却水でシリンダヘッドを冷却することにより、単位時間当りの冷却水流量を抑制して、冷却効率を維持しながら、ヘッドジャケットに対する流通抵抗差が存在していても、これに伴うヘッドジャケット内の冷却水の流れを阻害することなく、気筒間の補強をリブで行なうことができる効果がある。
本発明の冷却構造を備えたエンジンの側面図 シリンダヘッドの平面図 吸排気ポートの構造を示す平面図 オープンデッキ構造のシリンダブロックを示す概略平面図 図1のA−A線矢視断面図 図5のB−B線矢視断面図 図5のC−C線矢視断面図 図5のD−D線矢視断面図 リブの形状を示す要部拡大断面図 図5の部分拡大平面図 リブを設けない状態での冷却水の流れ方向の解析結果を示す平面図 ヘッドジャケット成形用の中子の形状を示す平面図
単位時間当りの冷却水流量を抑制し、冷却効率を維持しつつ、ヘッドジャケット内の冷却水の流れを阻害することなく、リブにより気筒間の補強を行なって、ボルト間の面剛性向上を図るという目的を、複数の気筒を列状に有する水冷式エンジンにおいて、上記エンジンが、シリンダブロックとその上部にボルト締結されるシリンダヘッドとを備え、上記シリンダブロックのエンジン気筒列方向一端側に各ボアを取り囲むブロックジャケットに冷却水を導入する冷却水導入部があり、上記シリンダヘッドには、各気筒毎に配置されてブロックジャケットからヘッドジャケットの排気側に冷却水を上昇させる冷却水入口が形成され、かつ該ヘッドジャケットの吸気側のエンジン気筒列方向一端側に冷却水を導出させる冷却水導出部があり、上記ヘッドジャケットの各気筒間部位には、一方気筒の吸気ポート壁部から延びて他方気筒の排気ポート側に指向するリブがそれぞれシリンダヘッドの下壁に形成され、これら各リブは、エンジン気筒列方向一端側のものが当該気筒側から隣接気筒側に延び、エンジン気筒列方向他端側のものが当該気筒側から隣接気筒側に延びている、という構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面はエンジンの冷却構造を示すが、まず、図1〜図3を参照して、エンジンの概略構造について説明する。なお、図中、矢印Fはエンジン前方を示し、矢印Rはエンジン後方を示し、矢印INは吸気側を示し、矢印EXは排気側を示す。
図1はエンジン1の側面図で、このエンジン1はシリンダブロック2の上部にシリンダヘッド3を締結固定すると共に、シリンダブロック2の下部にはオイルパン(図示せず)を取付ける一方、シリンダヘッド3の上部には、シリンダヘッドカバー(図示せず)を取付けることで構成される。
図2はシリンダヘッド3の平面図、図3は吸排気ポートの構成を示す平面図であって、図2、図3において、シリンダヘッド3には1気筒当り2つの吸気バルブ孔4,4と、1気筒当り2つの排気バルブ孔5,5とを形成し、吸排気をクロスフロー式に成すと共に、吸気2弁排気2弁のDOHCエンジンを構成している。
上述の各吸気バルブ孔4,4…には、それぞれ独立した吸気ポート6,6…が連通される一方、1気筒当り2つの排気バルブ孔5,5には平面視Y字状の排気ポート7,7…を連通して、吸気2弁、排気2弁タイプの直列4気筒ディーゼルエンジンを構成している。
図3に示すように、この実施例では、エンジン前方から後方に向けてその長手方向(気筒列方向)に、第1気筒♯1、第2気筒♯2、第3気筒♯3、第4気筒♯4が形成されている。
図2、図3に示すように、第3気筒♯3と第4気筒♯4との気筒間に対応した排気側には、各Y字状の排気ポート7…を連通する排気集合部8がシリンダヘッド3内形成されている。なお、この排気集合部8の下流側には、シリンダヘッド3外において排気管(図示せず)が接続される。
第4気筒♯4の排気ポート7から分岐した連通路9を設け、この連通路9がシリンダヘッド3の後方側に延びて該シリンダヘッド3の内部でさらに分岐してシリンダヘッド3の後端面にはエンジン幅方向に間隔を隔てて、排気寄り側の開口部10と、吸気寄り側の開口部11と、の2つの開口部10,11が形成されている。
ここで、一方の開口部10には水冷却のEGRクーラが接続され、他方の開口部11にはEGRクーラをバイパスとするバイパス管が接続されるものである。また、図2、図3において、12は各Y字状の排気ポート7と排気集合部8とを連通するために、気筒列方向に延びる連通路、13は各開口部10,11を連通するために、エンジン幅方向に延びるEGR用の連通路である。
図4はシリンダブロック2の概略平面図であって、シリンダブロック2とその上部に配置されるシリンダヘッド3とは、1つの気筒当りシリンダボア14の4つのコーナ部においてボルト15を用いて締結される。
このシリンダブロック2には、各気筒♯1,♯2,♯3,♯4のシリンダボア14外周部を取り囲むブロックジャケット16(ウオータジャケット)が形成されており、シリンダブロック2の前部には、ウオータポンプ(図示せず)から吐出されるエンジン冷却水を該ブロックジャケット16に導入する冷却水導入部17が形成されている。
また、上述のシリンダブロック2は、オープンデッキ構造に形成されており、ブロックジャケット16の排気側には、シリンダブロック2とシリンダヘッド3との間に介在される不図示のヘッドガスケットに形成され、冷却水をシリンダヘッド3に向けて上昇させる複数、例えば、1気筒当り3つの冷却水上昇部18…が位置される。
一方、上述のシリンダヘッド3には、図2、図5に示すようにヘッドジャケット19(ウオータジャケット)が形成されており、図1のA−A線矢視断面図である図5に示すように、該ヘッドジャケット19の排気側には、図4で示した冷却水上昇部18と上下方向に対向するように冷却水入口20…(つまり、シリンダブロック2からの冷却水導入部)が形成されている。
図2、図5で示したヘッドジャケット19は、吸気ポート部の冷却空間19aと排気側下部空間19bとを連続させた主冷却ジャケット部であるが、シリンダヘッド3内には、図6、図7、図8に示すように、排気側上部空間19cを構成するサブ冷却ジャケット部も形成されている。
そして、下側に位置する冷却空間19aおよび排気側下部空間19bと、上側に位置する排気側上部空間19cとは、図2に示すように、気筒間に位置する複数の連通路21…で連通するように構成されている。
また、図5に示すように、ヘッドジャケット19の吸気側のエンジン気筒列方向の一端側(この実施例では、エンジン前部側)には、冷却水を導出させる冷却水導出部22を形成している。
しかも、図2、図5に示すように、ヘッドジャケット19の気筒♯1,♯2間、気筒♯2,♯3間および気筒♯3,♯4間部位には、一方気筒の吸気ポート壁部23(図10参照)から延びて他方気筒の排気ポート7側に指向する第1リブ24,24、第2リブ25がそれぞれシリンダヘッド3の下壁3B(図9参照)に一体形成されている。
図2、図5に示すように、上述の第1リブ24,24、第2リブ25は、エンジン気筒列方向一端側としての第1気筒♯1、第2気筒♯2側のもの(第1リブ24,24)が、当該気筒♯1,♯2側から隣接する気筒♯2,♯3側に延び、エンジン気筒列方向他端側としての第4気筒♯4側のもの(第2リブ25)が、当該気筒♯4から隣接する気筒♯3側に延びるように形成されている。
詳しくは、図5の部分拡大図を図10に示すように、吸気側においては燃料噴射弁(いわゆるインジェクタ)用のボス部26と、吸気ポート壁部23とがシリンダヘッド3に一体形成されており、排気側においては一対の排気ポート壁部27,27がシリンダヘッド3に一体形成されており、第1気筒♯1側の第1リブ24は、当該気筒♯1吸気ポート壁部23後部から隣接する後側の気筒#2の排気ポート壁部27に向けて斜め後方に延び、第2気筒#2側の第1リブ24も、当該気筒#2の吸気ポート壁23後部から隣接する後側の気筒#3の排気ポート壁部27に向けて斜め後方に延びている。
また、第4気筒#4側の第2リブ25は、当該気筒#4の吸気ポート壁部23前部から隣接する前側の気筒#3の排気ポート壁部27に向けて斜め前方に延びている。
さらに、上述の第1リブ24は、図9に示すように、その基端側24aから先端側24bに向けて下り傾斜していて、冷却水の流れを阻害しないように構成している。図9では第1リブ24のみを示したが、第2リブ25についても第1リブ24と同様に、その基端側から先端側に向けて下り傾斜している。
図9に示すように、上述の第1リブ24は略直角三角形状に形成されており、底辺と斜辺との成す角度は50度〜70度の範囲内の約60度に設定されているが、冷却水の流れを阻害しないものであれば、これに限定されるものではない。この点に関しては第2リブ25についても同様である。
図10に示すように、上述の燃料噴射弁用のボス部26は、吸気ポート壁部23と排気ポート壁部27との間、詳しくはシリンダボア14と対向する各気筒#1,#2,♯3,♯4の略中央に配置されており、一対の排気ポート壁部27,27の間には冷却水流動空間28が形成されると共に、これら排気ポート壁部27,27と上述のボス部26との間にも冷却水流動空間29,29が形成されている。
これらの各冷却水流動空間28,29を流れる冷却水により、一対の排気ポート壁部27,27間、並びに、排気ポート壁部27とボス部26との間、要するに、弁間を効率的に冷却すべく構成したものである。つまり、燃焼室に近い部分の温度が最も高くなるので、これに対応して弁間(排気弁相互間、吸排気弁間)を効率的に冷却するものである。
なお、図2、図5、図10において、30は燃料噴射弁配設孔である。
図11はリブ24,25を設けない状態での冷却水の流れ方向の解析結果を示す平面図である。詳しくは、上述のシリンダブロック2の前部に複数気筒のシリンダボア14を取り囲むブロックジャケット16に対して冷却水を導入する冷却水導入部17を設け、シリンダヘッド3には、ブロックジャケット16からヘッドジャケット19の排気側に冷却水を上昇させ、その吸気側のエンジン気筒列方向一端側に冷却水を導出させる冷却水導出部22を設けたエンジン1において、シリンダヘッド3のヘッドジャケット19内における冷却水の流れの方向を解析した結果を示すものである。
図11に示すそれぞれの矢印は各部における冷却水の流れの方向を示すものである。この解析結果により、各気筒♯1,♯2間、および各気筒♯2,♯3間を流れる冷却水の流れの方向に対して、各気筒♯3,♯4間を流れる冷却水の流れの方向が異なることが判明した。
このように第3気筒♯3と第4気筒♯4との間では、他の気筒間に対して冷却水の流れの方向が異なるのは、ブロックジャケット16の前部に冷却水導入部17が存在するので、ブロックジャケット16の第1気筒♯1側では冷却水の流通抵抗が小となり、第4気筒#4側では冷却水の流通抵抗が大となり、加えてヘッドジャケット19に対してはその排気側から冷却水が上昇供給され、さらにヘッドジャケット19の吸気側のエンジン気筒列方向一端側に冷却水を導出させる冷却水導出部22が存在することに起因するものであると推考される。
そこで、この実施例では図11に矢印で示した各気筒間の冷却水の流れを阻害しないように、上述の第1リブ24,24、第2リブ25を設けたものである。
図12は、図2、図5で示したヘッドジャケット19を形成するためのジャケット中子N100(詳しくは、吸気ポート部の冷却空間19aと排気側下部空間19bとを含む主冷却ジャケット部成形用のロア中子)を示す平面図である。
このジャケット中子N100は、ヘッドジャケット19、吸気ポート部の冷却空間19a、排気側下部空間19b、吸気ポート壁部23、第1リブ24、第2リブ25、ボス部26、排気ポート壁部27、冷却水流動空間28,29、をそれぞれ形成するための形成部N19,N19a,N19b,N23,N24,N25,N26,N27,N28,N29を有するガス硬化タイプのシェル中子である。
シリンダヘッド3を鋳造する場合には、金型(主型)にジャケット中子N100と、図示しない吸気通路中子、排気通路中子、排気側上部空間19cを形成するサブ冷却ジャケット部成形用のアッパ中子をセットする。
そして、低加圧鋳造(low pressure die casting)により、低圧力のガスを用い、重力とは逆の方向に溶湯を押し上げて、金型の各中子との間のキャビティに溶湯を注湯し、溶湯の凝固後において、これらの各中子を除去すると、シリンダヘッド3が鋳造される。
鋳造後にジャケット中子N100が除去されると、この中子N100の各形成部に対応して、ヘッドジャケット19、吸気ポート部の冷却空間19a、排気側下部空間19b、吸気ポート壁部23、第2リブ24、第2リブ25、ボス部26、排気ポート壁部27、冷却水流動空間28,29がそれぞれ形成されるものである。
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
ウオータポンプ(図示せず)から吐出された冷却水は、図4に示す冷却水導入部17からブロックジャケット16内に流入し、各シリンダボア14外周部の吸気側と排気側とに分流した後に、ブロックジャケット16の排気側上端における冷却水上昇部18からシリンダヘッド3側に上昇する。
ブロックジャケット16の冷却水上昇部18から上昇した冷却水は、図5に示すヘッドジャケット19の冷却水入口20から該ヘッドジャケット19内に流入し、この冷却水はヘッドジャケット19内をその排気側から吸気側に向けてエンジン幅方向に流れ(いわゆる気筒列方向と直交する方向に流れる横流れ)た後に、該ヘッドジャケット19の吸気側のエンジン気筒列方向一端側(この実施例では第1気筒#1に相当するエンジン前部側)から流出する。
このように、上記実施例のエンジンの冷却構造は、複数の気筒#1〜#4を列状に有する水冷式エンジンにおいて、上記エンジン1が、シリンダブロック2とその上部にボルト15締結されるシリンダヘッド3とを備え、上記シリンダブロック2の前部に各シリンダボア14を取り囲むブロックジャケット16に冷却水を導入する冷却水導入部17があり、上記シリンダヘッド3には、ブロックジャケット16からヘッドジャケット19の排気側に冷却水を上昇させ、該ヘッドジャケット19の吸気側のエンジン気筒列方向一端側に冷却水を導出させる冷却水導出部22があり、上記ヘッドジャケット19の各気筒間部位には、一方気筒の吸気ポート壁部23から延びて他方気筒の排気ポート7側に指向するリブ(第1リブ24、第2リブ25参照)がそれぞれシリンダヘッド3の下壁3Bに形成され、これら各リブ(第1リブ24、第2リブ25)は、エンジン気筒列方向一端側のもの(第1リブ24)が当該気筒側から隣接気筒側に延び、エンジン気筒列方向他端側のもの(第2リブ25)が当該気筒側から隣接気筒側に延びているものである(図1、図4、図5、図9、図10参照)。
この構成によれば、ヘッドジャケット19内をその排気側から吸気側に向けて気筒列方向と直交する方向に流れる(いわゆるエンジン幅方向に流れる横流れの)冷却水でシリンダヘッド3を冷却することができ、これにより、単位時間当りの冷却水流量を抑制して、冷却効率を維持することができる。
また、ブロックジャケット16の冷却水導入部17の位置によりヘッドジャケット19に対する流通抵抗差(冷却水導入部17からの距離の大小差)が存在していても、これに伴うヘッドジャケット19内の冷却水の流れ(図11の矢印参照)を阻害することなく、上記リブ(第1リブ24、第2リブ25参照)で気筒間の補強を行なって、ボルト15,15間の面剛性を高めることができる。
さらに、上記エンジン1が吸気2弁排気2弁のDOHCエンジンであり、吸気ポート壁部23と排気ポート壁部27との間に、燃料噴射弁用のボス部26が配置され、一対の排気ポート壁部27,27の間およびこれら排気ポート壁部27と上記ボス部26との間に冷却水流動空間28,29を備えたものである(図5、図10参照)。
この構成によれば、一対の排気ポート壁部27,27の間、および排気ポート壁部27とボス部26との間に冷却水流動空間28,29を設けたので、この冷却水流動空間28,29を通る冷却水で吸排気ポート壁部23,27の間を有効に冷却することができて、熱疲労によるクラックの発生を防止することができる。
加えて、上記各リブ24,25は、その基端側から先端側に向けて下り傾斜しているものである(図9参照)。
この構成によれば、リブ(第1リブ24、第2リブ25参照)による補強効果を確保しつつ、シリンダヘッド3を鋳造で構成する場合には、ヘッドジャケット19成形用の中子N100(図12参照)の強度を維持することができ、中子N100折損などによる鋳造不良を抑制することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のリブは、実施例の第1リブ24、第2リブ25に対応し、
以下同様に、
エンジン気筒列方向一端側のリブは、第1リブ24に対応し、
エンジン気筒列方向他端側のリブは、第2リブ25に対応し、
燃料噴射弁用のボス部は、ボス部26に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては直列4気筒ディーゼルエンジンを例示したが、上記実施例のエンジンの冷却構造を直列多気筒ガソリンエンジンに適用する場合には、上記ボス部は点火プラグ用のものに設定すればよい。
また、上記実施例では、シリンダブロック2の冷却水導入部17を吸気側の側面に形成するものとしたが、排気側の側面に形成するものであってもよい。
#1,#2,#3,#4…気筒
1…エンジン
2…シリンダブロック
3…シリンダヘッド
3B…下壁
7…排気ポート
14…シリンダボア(ボア)
15…ボルト
16…ブロックジャケット
17…冷却水導入部
19…ヘッドジャケット
20…冷却水入口
22…冷却水導出部
23…吸気ポート壁部
24…第1リブ(リブ)
25…第2リブ(リブ)
26…ボス部
27…排気ポート壁部
28,29…冷却水流動空間

Claims (3)

  1. 複数の気筒を列状に有する水冷式エンジンにおいて、
    上記エンジンが、シリンダブロックとその上部にボルト締結されるシリンダヘッドとを備え、
    上記シリンダブロックのエンジン気筒列方向一端側に各ボアを取り囲むブロックジャケットに冷却水を導入する冷却水導入部があり、
    上記シリンダヘッドには、各気筒毎に配置されてブロックジャケットからヘッドジャケットの排気側に冷却水を上昇させる冷却水入口が形成され、かつ該ヘッドジャケットの吸気側のエンジン気筒列方向一端側に冷却水を導出させる冷却水導出部があり、
    上記ヘッドジャケットの各気筒間部位には、一方気筒の吸気ポート壁部から延びて他方気筒の排気ポート側に指向するリブがそれぞれシリンダヘッドの下壁に形成され、
    これら各リブは、エンジン気筒列方向一端側のものが当該気筒側から隣接気筒側に延び、
    エンジン気筒列方向他端側のものが当該気筒側から隣接気筒側に延びている
    エンジンの冷却構造。
  2. 上記エンジンが吸気2弁排気2弁のDOHCエンジンであり、
    吸気ポート壁部と排気ポート壁部との間に、燃料噴射弁または点火プラグ用のボス部が配置され、
    一対の排気ポート壁部の間およびこれら排気ポート壁部と上記ボス部との間に冷却水流動空間を備えた
    請求項1記載のエンジンの冷却構造。
  3. 上記各リブは、その基端側から先端側に向けて下り傾斜している
    請求項1または2記載のエンジンの冷却構造。
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