JP3958004B2 - 水冷v型エンジン船外機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水冷式のV型エンジンを搭載した船外機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術としては、特開昭62−20793号公報では、詳細説明はないが、V字状の補助冷却水通路を有するものが開示されており、図面から判断すると該通路はドリル加工で形成されているものと思料され、2つの冷却水出口に対してウオータポンプ側入口が前方のチルト軸寄りに配設されている。
特開平09−41967号公報の技術として、V型エンジンのオイルパン下部に分岐通路が形成されているものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来技術において前者(特開昭62−20793号公報)では、通路をドリル加工で形成しているので、孔加工が難しく、煩雑活面倒で、製造上において不利である。
後者(特開平09−41967号公報)では、冷却水の分岐通路部分がオイルパンと、その下部に結合する部品とで構成されているので、部品点数が多くなり、作業工数も増える。
【0004】
本発明は、以上の課題を解決すべくなされたもので、その目的とする処は、水冷式のV型エンジンを搭載した船外機において、エンジンの左右のバンクの冷却水ジャケットへの冷却水の分岐供給を、オイルパンの構成部分を利用して容易、確実に行わせ、左右の分岐冷却水供給口を錐加工等の機械加工を要することなく形成することができ、冷却水の排水もスムーズに行い得るようにした水冷V型エンジン船外機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1は、水冷V型船外機であって、外水を1つの水ポンプから冷却水を送り出し、途中で分岐してV型エンジンの左右のバンクの冷却水ジャケットに夫々冷却水を供給するようにした水冷V型エンジン船外機であって、前記エンジンの左右のバンク毎に排気通路を設け、オイルパンの取付フランジ部上面を前方に延長して延長部とし、また、前記取付フランジ部の一部を延長して排気管取付部を形成し、この排気管取付部に連通部を形成し、この連通部は、上流側がマウントケースの排気通路と接続し、下流側が排気管と接続するものであり、前記延長部に、上方に開放する凹部を前記エンジンの左右方向に、且つ、前記排気通路の周囲までわたるように形成し、前記凹部の左右の間であって前記取付フランジ部の前方延長部分に、前記水ポンプからの送水入口を接続するとともに、後寄りの左右の部分に前記エンジンの左右のバンクの各冷却水ジャケットへの出口を設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項1では、オイルパンのエンジン側への取付フランジ部を利用して冷却水の分岐通路及び冷却水の入口を形成するので、オイルパン成形時にこれ等通路及び入口が形成でき、又排水もスムーズに行える。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。又図において推進方向の前方をFrで表し、同後方をRrで表した。
図1は、船外機を船体の船尾に取り付けた状態の船外機全体の外観図である。
船外機1は、最上部のエンジンを覆うエンジンカバー2、この下方のアンダーカバー3、この下方のエクステンションケース4、この下方の後部にスクリュー6を配置したギアケース5で外観を構成し、船体100の船尾101にスターンブラケット7を介してチルト動(上下動)及び左右揺動(転舵動)可能に取付、支持されている。エクステンションケース4、ギアケース5は、本発明の本体ケースを構成するものである。
尚、チルトアップ状態を鎖線で示した。
【0008】
図2は、船外機の上部のエンジンカバーを縦断した側面図、図3は図2の3−3線の図で、図2のうち後述する吸気消音箱35と吸気マニフォールド37を取り外した平面図、図4は図2の要部の拡大縦断側面図である。これ等の図面に従って船外機のエンジンを含む上部構造を説明する。
エンジン10は、シリンダブロック11、前方のクランクケース12、後方のシリンダヘッド13、これの後端部に配設されたシリンダヘッドカバー14等からなる。
【0009】
シリンダブロック11内には、軸線を横向きとした複数シリンダ15…(…は複数を表す。以下同じ)を上下に並行に配置し、内装したピストン16…をコンロッド17…で縦向きのクランクシャフト18に連結したバーチカルエンジンである。
実施の形態では、上下に3個のシリンダを備える3気筒エンジンで、図3に示すように左右に拡開した3個のシリンダからなるシリンダ列を備えたV型6気筒エンジンを搭載する船外機を示す。
以上によりエンジン小組体を構成する。
【0010】
図4に示すように、シリンダヘッド13には、シリンダ15…の天井部を構成する燃焼室19…を備える。燃焼室19…には吸気弁20…、排気弁21…、点火プラグ22…を配設し、燃焼室19…の外側には縦向きのカムシャフト23を、これで駆動されるバルブロッカーアームを支持する縦向きのロッカーアームシャフト24を備える。
シリンダブロック11のシリンダ15…周囲には、これを囲むようにシリンダ冷却水ジャケット25が相互に連通するように設けられ、又シリンダヘッド13の燃焼室19周囲にも、シリンダヘッド冷却水ジャケット26が、前記冷却水ジャケット25と連通するように設けられている。
【0011】
クランクケース12の上方に突出したクランクシャフト18の上端部には上下に駆動プーリ27,28を同軸に設け、上部プーリ28をクランクケース12の上部前側に設置した発電機29の被動プーリ30にベルト31を介して連結し、発電機29を駆動する。
下部プーリ27は、ガイドプーリ32…を介して左右のシリンダヘッド13のカムシャフト23,23の上端部に設けたカムシャフトプーリ33,33にベルト34により連結し、カムシャフト23,23を駆動する。
【0012】
以上のベルト・プーリ機構の上方に吸気消音箱35を配設し、吸気消音箱35は吸気口を後方に向けて開口し、吸気口を左右のシリンダ間のVバンク間の上方部に配置したスロットル弁装置36に接続する。
スロットル弁装置36は、左右のシリンダ間のVバンク間の後方に、縦向きに配設した吸気マニフォールド37に接続し、吸気マニホールド37はシリンダヘッド13に形成した吸気通路に接続し、吸気系を構成する。吸気はエンジンカバー2の外気取入れ口2aから行われる。
【0013】
左右のシリンダブロック11,11の各シリンダヘッド13,13の各外側には、図2に示すように燃焼室19…の各排気通路と接続する排気マニフォールド40,40を配設する。
排気マニホールド40,40は、シリンダヘッド13,13の各外側部にボルト40a…で一体的に組付けられる本体部41を備え、ボルト40a…は図示では片側バンクにつき、8箇所である。
各本体部41の排気通路41aの周りには冷却水ジャケット42を備えており、燃焼室19…から排出される排気を最上流部分で冷却する。
【0014】
各排気マニフォールド40の本体部41の下部41bは、内部の排気通路が内側に傾斜する。排気マニフォールド40,40は、左右のシリンダブロック13,13の各外側に設置されているので、左右の本体部41,41の下部41b,41bは、対称的に内側に傾斜している。
これ等排気マニフォールド40,40及び後述するマウントケースの内部通路並びに排気管、排気膨張室等で排気通路構成体を構成する。即ち、排気通路はこれ等複数部分に分割されている。
【0015】
図5は、左右に配設された排気マニフォールド40の一方の下部及びこれの下部41bと接続するマウントケース内部通路、並びに排気管、排気膨張室の関係を示す要部拡大縦断面図で船外機の後方から見た図、図6は左右に配設されたシリンダブロックの冷却水排出口及び排気マニフォールド並びに排気膨張室への冷却水の排出系路を示す要部拡大縦断面図で船外機の後方から見た図である。
これ等の図面と前記した図2を参照しつつ説明する。
【0016】
図5に従って説明する。
エンジン10は、クランクケース12、シリンダブロック11、シリンダヘッド13の結合体及びピストン15、クランクシャフト18等から成るエンジン小組体からなり、これの下方に配置したマウントケース50上に載置され、該マウントケース50の結合面50pに取付、支持されている。オイルパンやマウントケースの一部もエンジン機能を有しているので、それらを除くエンジン上半部を小組体とする。
マウントケース50の左右方向(船外機幅方向)の両側には上方に開口した凹部51,51を設ける。図はマウントケース右側の凹部51を示しているが、不図示のマウントケース左側の凹部51も左右が入れ替わった対称形状、対称構造である。凹部51は上面開口52が全面的に開口し、内壁51aは略々垂直で、外壁51bは幅方向内方に潜るように湾曲し、底部に環状堤部51c(環状凸部)を有する円孔53を備える。
【0017】
前記した排気マニフォールド40の本体部41の下部41bは凹部51の開口52の外側寄り部分に位置し、下部41bの下端部に上下に内外に環状堤部41c,41dを備える。
凹部51内にはマウントケース50の内部通路を構成する略横Z字形の中間排気管54を配設し、該排気管54の上部に設けた環状溝部54aに、上方の排気マニフォールド40の本体部41の下部41bの内側環状堤部41cを嵌合する。中間排気管54の下端部には環状溝部54bを備え、且つ内側部分の一部にはボス部54cを備える。
【0018】
中間排気管54の下端部の環状溝部54bをマウントケースの凹部51の底部の環状堤部51cに嵌合し、これにより中間排気管54で、排気マニフォールド40の本体部41の下部41bと凹部51の底部に設けた円孔53とを連通、接続する。
尚、中間排気管54の前記したボス部54cは、凹部51の底部に設けた段部51d上に係合し、ボルト55で結合し、凹部51内に取付、支持した。
【0019】
凹部51の上面開口52の上にはカバー56を被冠して全面的に閉塞する。カバー56は、一部に前記排気マニフォールド40の本体部41の下部41bの外側環状堤部41d及び中間排気管54の上端部周と嵌合する円孔56aを備え、該円孔56aにこれ等を嵌合し、中間排気管54と排気マニフォールド40との連通を保障する。
カバー56の周辺部にはボス部56bを設け、該ボス部56bの内側部分の一部と凹部51の内壁51aの一部との間にボルト57を縦通し、マウントケース50にカバー56を固定する。
【0020】
ところで、カバー56の凹部51周辺部へのボルト結合部は複数箇所であるが、この結合部は船外機の幅方向の外形寸法に影響する凹部51の最外側方を除いた凹部51の周囲(図の手前、奥)に設けられている。図5では便宜上、凹部51周辺部の他の一部51eとの結合部を符号56bのボス部、57のボルトの想像線(鎖線)で、図の右側に偏倚させて示した。このボルト配置により、マウントケース50の凹部51付近の最外側部とアンダーカバー3との干渉を回避し、船外機の小型化の要件を達成している。
以上により、中間排気管54で排気マニフォールド40の内部通路を構成し、カバー56で塞がれたマウントケース50の一部に設けた凹部内の空所で中間排気管54を囲む冷却水室(冷却水ジャケット)58を形成する。即ち、船外機全体としては、マウントケース50と中間排気管54とは一体となってエンジンの支持ケースとなる。
【0021】
マウントケース50の下面にはエクステンションケース4を配置して双方を接合し、マウントケース50の凹部51の外底部59には上方へ潜る凹所59aを設け、この部分を含んでエクステンションケース4の上面と接合する。
また、マウントケース50の下面には、前記エクステンションケース4の内側において、不図示の金属ガスケットを介してオイルパン60が接合する。オイルパンのマウントケースへの取付フランジの一部を延長させ、排気管64の取付部61を形成する。
取付部61には、排気通路を構成する連通部62が設けられている。連通部62は、上流でマウントケース50の円孔53の排気通路の壁面と接続され、下流で排気管64と接続される壁面62aを有する。
連通部62の上端部は前記した中間排気管54の下流部通路54fと連通、接続し、連通部62の下端部には排気管64の上端部をスティ65及びボルト66で取り付け、中間排気管54から排気管64までを連通する。
排気管64は、排気管64周囲の本体ケース内の空間である排気膨張室67に排気を排出する。
既に述べたように、本実施例においてはマウントケース50の円孔53の周辺部分が、下流側の接続部における第2排気通路部材に相当するが、例えば、これ等排気管取付部61、或いは排気管64で第2排気通路を構成してもよい。
【0022】
オイルパン60の取付部61には下方に潜った凹所61aを設けるとともに、マウントケース50の凹部51の底部59には対称的に上方に潜った凹所59bを設ける。この凹所部分に後述する水ポンプで汲み上げられる冷却水を送り、水通路63とする。該水通路63は連通路68を介して冷却水室58と接続する。
前記したクランクシャフト18と連結し、前記したスクリュー6を駆動する駆動軸18aは、本体ケースを構成するエクステンションケース4、ギアケース5を縦通し、ギアケース5内のギア機構に導かれる。
【0023】
図6に従って説明すると、エンジン10のシリンダブロック11の最上部のシリンダボア15の冷却水ジャケット25と連通する室25aをサーモスタット71を介してサーモスタットカバー69及び配管70により前記した排気マニホールド40の排水通路72に連通接続する。
これにより、エンジンの冷却水が所定温度を超えたならば、サーモスタット71を開き、冷却水ジャケット25の冷却水を排気マニフォールド40の排水通路72に排出する。
【0024】
排気マニフォールド40の下部には、排出口72b(パイプ)に連通し、L型ジョイント73を介して前記したマウントケース50の下面で且つ排気膨張室に開口する排出通路74に接続する。
図6において、82は水ポンプ76が停止したときのシリンダブロック11の冷却水ジャケット25の残水を排出する排出パイプとして働く。
【0025】
図7は、エンジン及び排気系の冷却水回路の模式的説明図である。
冷却水ジャケット25,25を備えるシリンダブロック11,11の各外側に冷却水ジャケットを備える排気マニフォールド40,40を備える。
下端部の取り水口であるストレーナ75を介してポンプ76により海水等を供給管77により汲み上げ、シリンダブロック11,11の冷却水ジャケット25に通孔25b,25bを介して冷却水を導入し、又連通路68,68を介して冷却水室58,58に冷却水を導入し、マウントケース50の内部通路54,54を冷却する。
【0026】
又冷却水室58,58内の冷却水を排気マニフォールド40の冷却水ジャケット42,42に導入し、排気マニフォールド40を冷却する。矢印は冷却水の流れを示し、排気マニフォールド40の冷却水ジャケット42,42は、排気通路を冷却しながら、シリンダヘッド13,13に流入する。
サーモスタット71後の排水は、排気マニフォールド40の排水通路を通って排気通路の一部を冷却しながら排出通路74から排水される。
【0027】
シリンダブロック11の冷却水ジャケット25,25の残水は、チューブ81,82を経て、水の供給側と接続されているので、水ポンプの停止後は、ストレーナで構成される取り水口75から排水される。
又排気マニフォールド40の冷却水ジャケット42,42の冷却水の排出及びシリンダブロック11,11の冷却水の排出も同様に水の供給側に戻される。
尚、図7において78はベーパーセパレータで、冷却水の一部を分岐管79を介して周囲に供給し、サブ燃料タンクを冷却するものである。
【0028】
61は前記したようにオイルパン60の延長部の排気管64取付部であるが、延長部に分岐通路及び外水の入口を設け、又エンジンのVバンクの各シリンダブロック、シリンダヘッド等に冷却水を供給する送出口を設けるので、これを図8に詳細に示す。
以下にオイルパンを説明するので、符号を160をオイルパンとし、詳細に説明する。
【0029】
図8は、オイルパンの平面図で、エンジンを取り外し、上方から見た図である。
オイルパン160の上端部の周辺部には、エンジン側への取付フランジ部161が設けられており、中間部に下方に膨出、垂下するオイル収容凹部162が形成されている。
フランジ部161の前半部を、オイル収容部162よりも前方に延長して延長部160aとし、延長部160aのフランジ部161の前部161a、左右の部分161b、161bにかけて、前部〜左右の部分を繋ぐ通路163が凹状に設けられ、通路163は前後及び左右内外の取付縁面164、165で外部及びオイル収容凹部162と区画される。
【0030】
通路163の左右方向の中央部には、供給管77に接続する冷却水入口166が設けられ、供給管77で、前記したポンプ76で汲み上げられる外水である海水等を冷却水入口166から通路163に供給する。
入口166は通路163に開口し、供給管77の上端部77aをグロメット167を介して通路底部に形成した孔166aに嵌合し、止め金具168及びボルト169でオイルパン160側に固定する。
【0031】
通路163は入口166から左右に分岐され、左右の分岐通路163a、163aを構成し、これの各端部は左右において後方に延出し、左右の延出通路163b、163bの後方(後寄り部分)の左右の部分には、対称的に夫々弧状の端部通路163c,163cを連通して設け、端部通路163c、163cの中央部に円孔170,170を上下に貫通するように設置する。
円孔170,170に前記した中間排気管54,54が通り、図の鎖線で示した171…は、上方に配設される排気マニホールド等の冷却水ジャケットである。
尚、図において172…は、オイルパンをエンジン側に結合するボルト孔である。
【0032】
以上のオイルパン160は、アルミニウム合金の鋳造等で鋳造する。
取付フランジ部をはじめ、これの上面に設けた通路163、入口166、送出口を構成する円孔170、オイル収容凹部162等を全一体的に鋳造して形成する。
従って、冷却水通路や外水の取り入れ口、送出口は錐加工等の機械加工を必要とすることなく形成することができる。
又左右の通路163a、163aの間で、船外機の前方部分に供給管77からの冷却水の入口166を備え、図1において鎖線で示したチルトアップ状態では図8の船外機前方Frに臨む入口166は下方に傾斜し、エンジン各部の冷却水ジャケットから排出された冷却水は下傾した入口166から迅速に、スムーズに排水されることとなる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、水冷V型船外機であって、外水を1つの水ポンプから冷却水を送り出し、途中で分岐してV型エンジンの左右のバンクの冷却水ジャケットに夫々冷却水を供給するようにした水冷V型エンジン船外機であって、
前記エンジンの左右のバンク毎に排気通路を設け、
オイルパンの取付フランジ部上面を前方に延長して延長部とし、また、前記取付フランジ部の一部を延長して排気管取付部を形成し、この排気管取付部に連通部を形成し、
この連通部は、上流側がマウントケースの排気通路と接続し、下流側が排気管と接続するものであり、
前記延長部に、上方に開放する凹部を前記エンジンの左右方向に、且つ、前記排気通路の周囲までわたるように形成し、
前記凹部の左右の間であって前記取付フランジ部の前方延長部分に、前記水ポンプからの送水入口を接続するとともに、後寄りの左右の部分に前記エンジンの左右のバンクの各冷却水ジャケットへの出口を設けた。
【0034】
請求項1では、鋳造されるオイルパンのエンジン側への取付フランジ部を利用して冷却水の分岐通路及び冷却水の入口を形成するので、オイルパンの鋳造成形時に、これ等通路及び入口が一体に成形することができ、冷却水通路や冷却水入口、エンジン側への送出口を錐加工等の機械加工を一切必要とすることなく製作することができる。
従って、製造上きわめて有利で、又部品点数もオイルパンに冷却水通路や出入口を集約したので増加することがなく、部品組付作業も必要としないことから、船外機エンジンの組立性、製造上も有利である。
又オイルパン前方の取付フランジ部に入口が設けられているので、船外機のチルトアップ状態においては入口が下傾して最も下位になり、エンジンの冷却水ジャケット内の冷却水の排水もスムーズに、迅速になされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】船外機を船体の船尾に取り付けた状態の船外機全体の外観図
【図2】船外機の上部のエンジンカバーを縦断した側面図
【図3】図2の3−3線の図で、図2のうち吸気消音箱と吸気マニフォールドを取り外して示した平面図
【図4】図2の要部の拡大縦断側面図
【図5】排気マニフォールドの下部及びこれの下部と接続する内部通路、並びに排気管、排気膨張室の関係を示す要部拡大縦断面図
【図6】シリンダブロックの冷却水排出口及び排気マニフォールド並びに排気膨張室への冷却水の排出系路を示す要部拡大縦断面図
【図7】エンジン及び排気系の冷却水回路の模式的説明図
【図8】オイルパンの平面図で、エンジンを取り外し、上方から見た図。
【図9】図8の9−9線拡大断面図
【符号の説明】
1…船外機、 10…エンジン、 60,160…オイルパン、 160a…延長部、 161…取付フランジ、 163…凹状通路、 163d…出口。
Claims (1)
- 水冷V型船外機であって、外水を1つの水ポンプから冷却水を送り出し、途中で分岐してV型エンジンの左右のバンクの冷却水ジャケットに夫々冷却水を供給するようにした水冷V型エンジン船外機であって、
前記エンジンの左右のバンク毎に排気通路を設け、
オイルパンの取付フランジ部上面を前方に延長して延長部とし、また、前記取付フランジ部の一部を延長して排気管取付部を形成し、この排気管取付部に連通部を形成し、
この連通部は、上流側がマウントケースの排気通路と接続し、下流側が排気管と接続するものであり、
前記延長部に、上方に開放する凹部を前記エンジンの左右方向に、且つ、前記排気通路の周囲までわたるように形成し、
前記凹部の左右の間であって前記取付フランジ部の前方延長部分に、前記水ポンプからの送水入口を接続するとともに、後寄りの左右の部分に前記エンジンの左右のバンクの各冷却水ジャケットへの出口を設けた、
ことを特徴とする水冷V型エンジン船外機。
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