以下、本発明に係る食材盛付装置を詳細に説明する。尚、以下の説明において、図1における操作パネル13側を「前方」、操作パネル13とは反対側を「後方」、「前方」から「後方」を向いた場合の左右を「左右方向」として説明する。
図1は本発明に係る食材盛付装置4の全体構成を示すものである。同図において、11は装置の筐体であり、その上部に蓋体11bが後方の水平回動軸11b’(図2参照)を以って開閉自在に設けられ、筐体11の前面には操作パネル13が設けられ、操作パネル13の下方には一対の食材解しローラ1a,1bが設けられ(図1、図8参照)、上記食材解しローラ1a,1bの下側にシャッター15を介して容器載置部14が形成され、容器載置部14内には電子的な計量器(電子秤)16が設けられており、上記容器載置部14上に載置された食材容器(茶碗)3に落下供給される食材の重量を計量可能に構成されている。
上記筐体11内部には、図2、図3に示すように、食材保温用筐体19が上記筐体11内の中間部の内部機枠11a上に固定されている。この飯保温用筐体19は、内部の食材ホッパー12と、該ホッパー12の下方に設けられた食材搬送部2の全体を被覆する筐体であり、上半部の略逆円錐形状のホッパー筐体17と、下半部に上記ホッパー筐体17と一体に設けられた円筒筐体18とから構成されており、上記円筒筐体18の下面側は図6に示すように上記食材解しローラ1a,1bの上方に位置する開口6以外は固定底板18aにて閉鎖されている。尚、円筒筐体18の固定底板18aの中心には直立回転軸7を挿通するための開口18bが設けられている(図1参照)。従って、円筒筐体18の円筒中心は上記直立回転軸7の中心軸Pに一致するように構成されている。
上記ホッパー筐体17の内部には、食材ホッパー12が設けられている(図1、図4参照)。この食材ホッパー12はその方形の上端縁12a下面が上記ホッパー筐体17の上端部に位置する上記筐体11の内向突出縁11d上に固定されることで、上記ホッパー筐体17内に固定されている(図2参照)。尚、図4中、56は上記食材ホッパー12に設けられた食材の周り止板である。
この食材ホッパー12は、方形の上面開口12bより下方に向けて略逆四角錐形状に設けられており、該ホッパー12の下側に上記食材搬送部2が形成されている。
図4に示すように、上記食材ホッパー12は、上記上面開口12bは方形であるが、下端部12cは、上記中心軸P(直立回転軸7)を中心とする円形となっており、各側面(四面)は上面開口12bから下端部12cに向けて平面から円弧面に徐々に変化する形状から構成されている。そして、上記円形の下端部12cの位置は、後述の食材送り羽根20の若干上方位置であり(上記食材送り羽根20の上縁と上記ホッパー12の下端部12cとの距離t5、図2参照)、上記下端部12cの円形の直径は、後述の固定円盤23の直径と略同一又は若干小になるように形成されている。
上記食材ホッパー12の上記下端部12cの下側には上記食材搬送部2が設けられている。この食材搬送部2は、上方から供給される飯を一対の解しローラ1a,1bまで搬送するものであり、この食材搬送部2により上記解しローラ1a,1bに飯が供給され、該解しローラ1a,1bの回転により飯が下方の食材容器3に落下供給される。この上記食材搬送部2は、上記食材保温筐体19の下半部の上記円筒筐体18の内部に設けられている(図2、図3参照)。
上述のように、上記円筒筐体18の底面を構成する固定底板18aの前面寄りの位置に、上記解しローラ1a,1bに通ずる開口6が設けられ、固定底板18aの中央の上記開口18bを貫通する直立回転軸7が上記固定底板18a及び上記内部機枠11aを貫通して上記食材保温用筐体19内に突設されている(図2参照)。
ここで上記直立回転軸7の中心軸Pは、上記食材ホッパー12の下端部12cの円形の中心軸と一致する位置に設けられている。この直立回転軸7は図2に示すように、食材送り羽根20及び円錐キャップ20’に接続された内側直立回転軸7a(アングル21にて内部機枠11aに回転自在に支持されている)、回転円筒体8の内側の小円筒部8a(図5参照)の内周が接続された外側直立回転軸7b(アングル22にて内部機枠11aに回転自在に支持されている)とにより二重管構造に構成されており、さらに上記内側直立回転軸7aと上記外側直立回転軸7bとの間に直立固定軸7c(上記アングル22に固定されている)が設けられている。
そして、上記円筒筐体18内部における上記固定底板18aの上側に、上記中心軸P(直立回転軸7)を共通中心軸とし、上記外側直立回転軸7bにより回転駆動される上下開口の回転円筒体8が設けられている(図2、図5参照)。この回転円筒体8は内部に同心の上記小円筒部8aが設けられ、上記小円筒部8aの外周面と上記回転円筒体8の内周面との間に半径方向に複数(8枚)の仕切板9が接続され、上記小円筒部8aの内周が上記外側直立回転軸7bに固定されることにより、上記外側直立回転軸7bと共に矢印B方向に回転駆動されるものである。
この回転円筒体8は、その直径が上記円筒筐体18の内径より若干小であり、その円筒外面は上記円筒筐体18の内面に近接するように設けられている(図2、図3参照)。そして、この回転円筒体8は、その外周下端8bと上記固定底板18aの上面とは、図2に示すように、短い距離t3離間して設けられ、かつ上記各仕切板9の下縁9aも上記回転円筒体8の外周下端8bと同一位置に設けられており、各仕切板9の下縁9aと上記固定底板18aの上面との間も、上記距離t3離間して設けられている。尚、上記距離t3は、図2に示す距離よりも短くしても良く、上記下縁9aを上記固定底板18aの上面に近接させてもよく、上記距離t3は食材の性状に応じて定められるものである。図5では仕切板9の下縁9aと上記固定底板18aとの距離は極めて小としてる。
一方、上記回転円筒体8の外周上端8cは、上記食材ホッパー12の下端部12cの位置より上方水準位置に設けられており(図2参照)、上記ホッパー12から上記回転円筒体8内(固定円盤23上)に落下供給される飯が、上記回転円筒体8の外側にはみ出すことのないように、上記食材ホッパー12から上記飯が上記回転円筒体8内に確実に落下供給されるように構成されている。尚、上記各仕切板9の上記上縁9bの位置は、上記回転円筒体8の外周上端8cよりも低い位置(後述の固定円盤23より低い位置)となるように構成されている。
このように、上記回転円筒体8の内空間、即ち、上記小円筒部8aの外周面と上記回転円筒体8の内周面と、上記固定底板18aの上面による空間は、上記複数の仕切板9によって複数の食材室10に区分け(8区分)された状態となっており(図7参照)、上記回転円筒体8の回転により上記各食材室10が上記固定底板18aに設けられた上記解しローラ1a,1bに通じる上記開口6の上方を順次横切るように構成されている。
上記回転円筒体8の上記仕切板9の上縁9bより若干上方位置であって、上記中心軸P(直立回転軸7)を共通中心とし、上記回転円筒体8の直径より小径であって、上記ホッパー12の円形の下端部12cの直径と同一又は若干大の固定円盤23が水平に設けられている。この回転円盤23は、上記回転円筒体8の外周上端8cより低い位置に固定されている。この固定円盤23は、その内周が上記直立固定軸7cに接続固定されているものであり、具体的には、上記固定底板18aの上面より距離t1の高さに位置しており(図2、図5参照)、該固定円盤23の外周縁と上記回転円筒体8の内周面とは半径方向に距離t2の幅の飯落下用(食材落下用)の環状空間Sが生じるように構成されている(図3、図5、図7参照)。
尚、上記固定円盤23の下面と上記回転円筒体8の上記小円筒部8aの上面は、極めて小の間隔を以って近接状態となっており(図2参照)、上記固定円盤23下側において上記回転円筒体8の回転が阻害されないように構成されている。
また、上記固定円盤23上に上記内側直立回転軸7aに固定された複数の食材送り羽根20(実施形態では4枚)が放射状に設けられている。より具体的には、上記内側直立回転軸7aの先端部には円錐キャップ20’が設けられており、各飯送り羽根20の内端部が上記円錐キャップ20’の円筒側面に各々固定されている。
これらの食材送り羽根20は、各々回転方向(図5の矢印A方向)に突出する湾曲面20aが形成された湾曲状の羽根であり、上記固定円盤23の上面と上記食材送り羽根20の下端との距離は極めて小(1mm乃至それ以下)となるように構成されている。さらに、上記各食材送り羽根20の先端部20b(図7参照)が上記固定円盤23の外周縁近傍、本実施形態では上記先端部20bが上記回転円盤23の外周縁より若干外側に突出するように構成され(図7参照)、上記固定円盤23上の飯を確実に、上記回転円盤23の外周縁方向に移送し得るように構成されている。
従って、上記食材送り羽根20の矢印A方向の回転により、該食材送り羽根20上即ち、固定円盤23上に供給された飯を、上記湾曲面20aにより、上記固定円盤23の全周の外周縁方向に搬送し得るように構成されている。よって、上記固定円盤23の外周縁方向に搬送された飯は、上記固定円盤23の外周縁の全周から上記環状空間Sを介して上記各食材室10に落下供給されるように構成されている。
図6に示すように、上記内側直立回転軸7aはプーリ25及びベルト26により駆動モータM1により駆動され、これにより上記食材送り羽根20は矢印A方向に回転駆動される。また、上記外側直立回転軸7bはプーリ27及びベルト28により駆動モータM2により駆動され、これにより上記回転円筒体8は上記矢印A方向とは逆方向の矢印B方向に回転駆動される。また、図5中、55は攪拌板であり、1本の上記食材送り羽根20の上縁に直立状態で固定され、上記食材送り羽根20と共に矢印A方向に回転して、食材ホッパー12内の食材を攪拌及び解すものである。
そして、図4に示すように、上記食材送り羽根20の上方に上記食材ホッパー12が固定され、その下端部12cが上記中心軸P(直立回転軸7)を共通中心とする円形であり、上記円形の直径が上記固定円盤23の直径と同一径又は若干小径となるように構成されているため、上記ホッパー12に供給された飯は、上記中心軸Pを中心とする上記固定円盤23上に均等に供給される。
上記開口6の下側には、上記直立回転軸7と直交する2本の回転軸5a,5bにより回転駆動される円筒状の解しローラ1a,1bが設けられている(図1、図8参照)。
上記解しローラ1a,1bは、前後方向の軸受板24a,24b(図2参照)により水平に支持されており、図8に示すように、上記解しローラ1aを駆動する上記回転軸5aは、駆動モータM3に接続され、上記解しローラ1bを駆動する上記回転軸5bは、駆動モータM4に接続されている。そして、上記解しローラ1a,1bは上記各駆動モータM3,M4により互いに対向方向(矢印C,C’方向)に回転駆動されるように構成されている。そして、図7に示すように、上記開口6は長方形状であり、上記解しローラ1a,1b間に飯が供給落下されるように構成されている。
上記解しローラ1a,1bの下方には(図1参照)、前後の上記軸受板24a,24bに水平方向にスライド自在のシャッター15が設けられている。このシャッター15は上記軸受板24a,24b内に駆動シリンダー41(図11参照)が設けられており、当該駆動シリンダー41を伸縮することにより、水平方向(図1中矢印D,E方向)にスライドし得るように構成されている。よって、上記解しローラ1a,1bが回転して飯が下方に落下供給される場合は、矢印D方向にスライドして上記ローラ下方を開状態とし、上記解しローラ1a,1bの回転が停止して、上記飯の落下供給が非終了すると矢印E方向にスライドして上記ローラ下方を閉状態とするように構成されている。
上記解しローラ1a,1bから飯が下方の食材容器3に落下供給されると、上記容器載置部14に設けられた電子秤16により食材の重量が計量され、計量値が所定の重量に到達したことを制御部40(図11参照)にて検出すると、該制御部40が上記駆動モータM1,M2の駆動を停止して上記食材送り羽根20及び上記回転円筒体8の回転を停止し、かつ上記駆動モータM3,M4の駆動を停止して上記解しローラ1a,1bの回転を停止し、さらに上記シャッター15を閉鎖して食材の落下供給を停止し、所定量の飯を上記食材容器3に盛り付けることができるように構成されている。
図5、図7、図9において、30は、上記円筒筐体18に設けられた詰まり検知スイッチである。この詰まり検知スイッチ30は、板状体30aを軸支する検知部31が上記円筒筐体18に固定されており、上記板状体30aの下端が上記仕切板9の上縁9bに近接して位置するように設置されている(図10参照)。通常、飯は、上記回転円筒体8の各食材室10の飯は仕切板9に押されながら上記開口6まで移送され、当該開口6の通過時に当該開口6から下方に落下供給される(図10(a)参照)。しかしながら、飯の性状、量等により、上記食材室10が上記開口6を通り過ぎるとき、飯が開口6から完全に落ちずに、開口6を通り過ぎ、開口6の下流側の固定底板18a上(再移送経路)に移送される場合がある(図10(b)参照)。ここで開口6を通り過ぎて固定底板18aの下流側に移送される飯を残留飯(残留食材)R’という。この残留飯R’が蓄積すると、固定底板18a上に飯が詰まって動作不良となるので、この残留飯R’を検知して、迅速、的確に上記開口6から落下させる必要がある。上記詰まり検知スイッチ30は上記残留飯R’を検知するものである(図10参照)。
この詰まり検知スイッチ30は、細長の板状体30aからなり、その上端の回動支点30bが上記回転円筒体8の外周上端8cより上部位置において、上記検知部31に回動可能に軸支されており、上記板状体30aの下端が、上記食材室10の上記仕切板9の若干上部位置に位置するように設置されている。また、上記板状体30aは上記開口6の下流側寄りの位置に設けられている。上記回動支点30bは上記検知部31に接続されており、上記検知部31は、図10(b)に示すように、残留飯R’が上記開口6を超えて固定底板18aの下流側に再移行したとき、残留飯R’により矢印B方向に押されて傾動し、上記板状体30aは上記残留飯Rが移動する間、傾斜状態を維持することになる。上記板状体30aは上記回動支点30bにてスプリング(図示せず)により常時、垂直下方に位置するように附勢されており、上記残留飯R’が通り過ぎると、垂直下向きに回動復帰する。
上記詰まり検知スイッチ30(板状体30a)は、上述のように残留飯R’により傾斜するとオン状態となり、上記検知部31は上記オン状態の間、オン信号を制御部40に送出するものである。従って、オン状態の期間(時間)を検知することにより、残留飯R’の量を検知することができる。
図11は、本発明の電気的構成を示すブロック図であり、図12〜図14のフローチャートに示す動作手順を記憶しており、上記動作手順に従って各種接続機器を制御する制御部40を有している。上記制御部40には、上記食材送り羽根20を駆動する駆動モータM1、上記回転円筒体8を駆動する駆動モータM2、上記詰まり検知スイッチ30、上記検出部31、上記解しローラ1a,1bを駆動する駆動モータM3,M4、上記シャッター15を開閉駆動するシリンダー41、上記電子秤16が接続されている。50は内部メモリ、51は内部カウンタである。
上記制御部40の動作は上記図12〜図14のフローチャートと共に以下説明する。また、図15に示すものは主に食材送り羽根20の回転制御機能を実現するための上記制御部40の機能ブロック図、図16は主に食材の詰まり防止のための回転円筒体8の回転制御機能を実現するための上記制御部40の機能ブロック図であり、これらについても以下の動作と共に説明する。
ここで、本実施形態においては、茶碗3に炊いた飯を盛り付けるものとする。よって、操作パネル13には飯の重量の盛付ボタン、例えば100g、150g、200g、250g、300g等に対応する複数の盛付ボタンが並んでいるものとする。
また、上記駆動モータM1,M2は何れもパルスモータを使用するものとする。従って、制御部40の速度制御手段40e(図15、図16)において、駆動モータM1,M2の速度は、駆動用のパルス信号の周波数を低くすることで低速化し、駆動用パルス信号の周波数を高くすることで高速化し得るものとする。
また、上記回転円筒体8の8つの食材室10には、通常は、50gずつの飯が供給され(上記50gを「単位量」という)、例えば250gの盛付スイッチが押されると、5区画分の食材室10が上記開口6を通過することにより(50g×5=250g)、茶碗3に250gの飯が供給される設定がされているものとする。従って、200gの盛付ボタンが押されると、4区画分の食材室10が上記開口6を通過することにより(50g×4=200g)、茶碗3に200gの飯が供給されることになる。尚、上記単位量は食材等によって変更可能なのは勿論である。
上記制御部40の基準値認識手段40a(図15参照)は、上記盛付ボタンが押されると、その食材の重量に基づいて、指定された重量が単位量の何倍であるかの基準値を演算し認識して記憶する。例えば、250gの盛付ボタンが押されると、単位量=50gであるので、250/50の演算を行い、基準値が「5」を内部メモリ50に記憶し認識する。尚、指定された重量が200gであれば、基準値は「4」、指定された重量が150gであれば基準値は「3」となる。
また、制御部40の現状値認識手段40b(図15参照)は、計量値認識手段40cで認識された実際の計量値が250gである場合、いくつの食材室10にて計量されたかを現状値をとして認識し内部メモリ50に記憶する。この現状値認識手段40bは、現状の回転円筒体8の回転速度において、上記開口6を1つの食材室10が通り過ぎるためのパルス数(例えば500パルス)を認識しており、食材室10が上記開口6を通り過ぎる度に食材室10の数を内部カウンタ51にてカウントする。そして、計量値認識手段40cでの計量値が指定された重量(例えば250g)になったとき、いくつの食材室10にて計量されたかを現状値として内部メモリ50に認識し記憶する。例えば、指定量が250gで、5つの食材室10の通過にて250gが計量されたときは現状値として「5」を内部メモリ50に記憶し認識し、4つの食材室10の通過にて250gが計量されたときは現状値として「4」を記憶し認識し、6つの食材室10の通過にて250gが計量されたときは現状値として「6」を記憶し認識する。
上記比較手段40d(図15参照)は上記「基準値」と上記「現状値」とを比較する。そして速度制御手段40eは、基準値と現状値が同一又は同一と認められる範囲内にある場合は、食材送り羽根20の駆動モータM1は現状の速度を維持する。一方、現状値が基準よりも大の場合は、食材室10の1区画に供給されている食材の量が少ないということなので、上記駆動モータM1の速度を増加させて、食材室10への食材の供給量を増やす制御を行う。一方、現状値が基準値よりも小の場合は、食材室10の1区画に供給されている食材の量が多いということなので、上記駆動モータM1の速度を低下させて、食材室10への飯の供給量を減らす制御を行う。尚、ここで、同一と認められる範囲内にある場合とは、基準値が「5」で、例えば現状値が、2700パルス(500×5.4)にて250gの設定値が計量された場合、現状値は「5.4」となるが、例えば四捨五入によって同一(「5」)となる場合は、同一と認められる範囲内とする。このように現状値は整数に限定されない。
尚、上記速度制御手段40eは上記詰まり検出スイッチ30がオンした場合は、上記駆動モータM1を停止して食材室10への飯の供給を停止する。
次に、制御部40のオン状態検出手段40f(図16参照)は、飯が開口6を過ぎて開口6の下流側の固定底板18aに再移送され、上記再移送された飯によって、上記詰まり検出スイッチ30が傾斜してオン状態となったとき(図10(b)参照)、そのオン状態となった期間(時間)を、検出部31からのオン信号と、パルス検出手段40gからのパルス数にて検出するものである。ここで、開口6の下流側に再移送された食材を残留飯R’という。尚、上記パルス検出手段40gから入力するパルス数は上記回転円筒体8を駆動する駆動モータM2の駆動用のパルス信号である。尚、ここで1つの上記食材室10が上記詰まり検出スイッチ30を通過するときのパルス数を500パルスとする。従って、上記速度制御手段40eは、回転円筒体8が1回転したこと(食材の再移送が検知された食材室10が上記開口6に到達するまで)を、上記パルス数にて認識し得る。例えば、再移送(残留飯R’)が発生した食材室10が1回転したことは、上記食材室10が開口6を通過してから3500パルス(500×7)経過した後の、次のパルス数から4000パルス目までが、当該再移送(残留飯R’)が発生した食材室10であるので、当該再移送が発生してから1周目のその食材室10を容易に認識することができる。
上記速度制御手段40e(低速化手段40h)は、上記詰まり検出スイッチ30が再移送された食材によって傾斜してオン状態となり、オン状態検出手段40fにて、上記食材が上記スイッチ30を通り過ぎ上記スイッチ30の傾斜が解除されてオフ状態となるまでのパルス数が300パルス以上600パルス未満であると検出された場合、再移送された食材(残留飯R’)の量は「小」であると判断する。
また、上記速度制御手段40e(低速化手段40i)は、上記詰まり検出スイッチ30が再移送された食材によって傾斜してオン状態となり、上記オン状態検出手段40fにて、上記食材が上記スイッチ30を通り過ぎ上記スイッチ30の傾斜が解除されてオフ状態となるまでのパルス数が600パルス以上1300パルス未満であると検出された場合、再移送された食材(残留飯R’)の量は「中」(小より多い量)であると判断する。
また、上記速度制御手段40e(逆転手段40j)は、上記詰まり検出スイッチ30が再移送された食材によって傾斜してオン状態となり、上記オン状態検出手段40fにて、上記食材が上記スイッチ30を通り過ぎ上記スイッチ30の傾斜が解除されてオフ状態となるまでのパルス数が1300パルス以上であると検出された場合、再移送された食材(残留飯R’)の量は「大」であると判断する。
そして、速度制御手段40e(低速化手段40h)は、上記再移送された飯が「小」である場合は、通常速度で上記回転円筒体8を1回転して当該再移送が発生した食材室10が開口6上に至るまで回転させ、その後、当該食材室10が上記開口6を通過する際、駆動モータM2を低速化して、食材室10に残った食材を開口6から確実に下方に落下させる。
そして、速度制御手段40e(低速化手段40i)は、上記再移送された飯が「中」である場合は、通常速度で上記回転円筒体8を1回転して当該再移送が発生した食材室10が開口6上に至るまで回転させ、その後、当該食材室10が上記開口6を通過する再、駆動モータM2を上記「小」のときの低速よりさらに低速化して、食材室10に残った食材を開口6から確実に下方に落下させる。
さらに、速度制御手段40e(逆転手段40j)は、上記再移送された飯が「大」である場合は、上記駆動モータM2を直ちに逆転する。この場合、速度制御手段40eは、上記オン状態検出手段40fにて検知されたオン状態のパルス数(例えば1500パルス)だけ、上記回転円筒体8を逆転させる。上記オン状態のパルス数が例えば1500パルスであったとすると、食材室10の3区画分に亘って飯が再移送された(残留した)ことになるので、当該3区画分の食材室10が上記開口6上を通り過ぎるように、上記回転円筒体8を逆転させ、上記3区画分の食材室10に残った食材を上記開口6から下方に落下させるように制御を行う。
尚、上記詰まり検出スイッチ30に基づく上記速度制御手段40eの動作中は、速度制御手段40eは食材送り羽根20の駆動モータM1は停止して、食材の食材室10への落下供給は停止する。
本発明は上述のように構成されるので、以下、本発明の動作を説明する。
上記ホッパー12内には炊いた飯が収納されており、当該飯の下方は上記固定円盤23上に位置しているものとする。
まず操作者が、操作パネル13の盛付ボタン(この場合、250gとする)を押したとする(図12P1)。
ここで、制御部40は、食材室10に落下供給される飯の量を単位量として「50g」を認識するように予め設定されており、当該単位量を内部メモリ50に記憶しているものとする。そして、制御部40(基準値認識手段40a、図15参照)は、上記単位量(50g)が指定された重量(250g)の何倍かを演算し、その結果(「5」)を基準値として上記内部メモリ50に記憶する(図12P2参照)。尚、単位量は飯の性状、食材送り羽根20の回転速度等に合わせて任意に設定可能である。
制御部40はシリンダー41を駆動してシャッター15を開き(図12P3参照)、食材送り羽根20の駆動モータM1及び回転円筒体8の駆動モータM2を駆動する(図12P4照)。さらに、解しローラ1a,1bの駆動モータM3,M4を駆動する(図12P5照)。
すると、上記食材送り羽根20が矢印A方向に回転し、上記固定円盤23上の飯を該固定円盤23の外縁方向に送り出す。これにより、上記固定円盤23上の飯は、固定円盤23の外縁全周から均等に下方の食材室10内に落下供給されていく。上記回転円筒体8は上記食材送り羽根20とは逆方向(矢印B方向)に回転されているので、上記固定円盤23の外縁から下方に落下供給された飯は、回転円筒体8の各食材室10内に供給されて行き、食材室10内に供給された飯は、当該回転円筒体8の回転により仕切板9により固定底板18a上を矢印B方向に移送されていく。そして、上記食材室10が上記開口6を順次通り過ぎる度に、各食材室10内の飯は開口6から下方に落下供給されていく。
このとき、制御部40(現状値認識手段40b、図15参照)は、回転円筒体8の食材室10が上記開口6を通過する度に(500パルスをカウントする度に)、内部カウンタ51をインクリメントしていく(図12P6参照)。
上記開口6の下側には解しローラ1a,1bが対向回転しているので、飯は上記両ローラ1a,1b間において解されながら下方に移行し、その後、茶碗3内に落下供給されていく。上記茶碗3に供給された飯の重量は電子秤16にて計量され、その計量値は制御部40(計量値認識手段40c、図15参照)にて認識される(図12P7照)。
そして制御部40(計量値認識手段40c、図15参照)が電子秤16の計量値に基づいて、上記設定値の250gになったと判断したとき(図12P8参照)、上記制御部40はシャッター16を閉鎖し(図12P9参照)、上記食材送り羽根20の駆動モータM1及び上記回転円筒体8の駆動モータM2を停止し(図12P10参照)、上記解しローラ1a,1bの駆動モータM3,M4を停止し(図12P11参照)、電源オフ等の終了動作がない限り(図12P12,P13参照)、プログラムの最初に戻って待機状態となる。
ここで、制御部40(上記現状値認識手段40b)は、最終的にいくつの食材室10にて250gの設定値になったかの現状値を内部メモリ50に記憶する(図12P12)。
ここで、食材送り羽根20の速度制御動作について説明する(図12、図13参照)。
上記制御部40(比較手段40d)は、上記ステップP12の動作が終了した後に、以下の速度制御動作を行う。即ち、制御部40(比較手段40d)は、上記現状値と上記基準値との比較を行う(図13P14,P15参照)。ここで、現状値が「5」、基準値も「5」の場合は、制御部40(速度制御手段40e)は、食材室10の単位量である50gの食材が供給されていることになるので、駆動モータM1の速度制御は行わずに現状速度を維持する(図13P16参照)。
次に、比較手段40dの比較により、現状値が「6」、基準値が「5」の場合は、制御部40(速度制御手段40e)は、食材室10に供給されている飯の量が少ないと判断し、駆動モータM1の速度を増加させ、食材送り羽根20の速度を増加させて、食材室10への落下供給される飯の量を増加する(図13P15,P17参照)。
一方、比較手段40dの比較により、現状値が「4」、基準値が「5」の場合は、制御部40(速度制御手段40e)は、食材室10に供給されている飯の量が多いと判断し、駆動モータM1の速度を減少させ、食材送り羽根20の速度を減少させて、食材室10への落下供給される飯の量を減少する(図13P15,P18参照)。
以上の食材送り羽根20の速度制御を繰り返すことにより、飯の性状(硬い飯、柔らかい飯等)等に合わせて、食材送り羽根20の回転速度を自動的に最適の速度に制御することができる。
また、食材室10へ供給される単位量を食材の詰まりの発生しないできるだけ多い量に設定することにより、食材の重量が指定されてから迅速に指定重量の食材を例えば食材容器等に供給することができる食材盛付装置を実現することができる。
次に、飯の詰まりが発生した場合の制御を説明する。
上記図12の動作において、プログラムP2〜P13の計量動作中に、食材室10が開口6を通り過ぎても飯が全て開口6から下方に落下せず、開口6の下流側の固定底板18a上に再移送されて残留飯R’が発生し、詰まり検知スイッチ30がオンした場合の動作を図14のフローチャートと図16の機能ブロック図により説明する。
上記詰まり検出スイッチ30がオンした場合は(図14P19参照)、制御部40(オン状態検出手段40f、図16参照)は、上記詰まり検出スイッチ30のオン時間を駆動モータM2のパルス検出手段40gから入力する駆動用パルス信号に基づいて検出する。具体的には、上記パルス検出手段40gは上記駆動モータM2の駆動用のパルス信号を上記オン状態検出手段40fに送出しているので、オン状態検出手段40fは、上記詰まり検知スイッチ30がオン状態の期間(検知部31からオン信号が入力している間)に、上記パルス検出手段40gから入力するパルス数をカウントして、飯の詰まりの程度を検出する。
尚、上記詰まり検出スイッチ30がオンしたときは、制御部40(速度制御手段40e、図16参照)は、駆動モータM1を停止して上記食材送り羽根20の回転を停止する(図14P20参照)。この停止動作は、上記再移送された飯(残留飯R’)を上記開口6から落下させる動作(図14P21〜P31)が終了して図12の正規のプログラムに戻るまで継続する。よって、速度制御手段40eは、残留飯R’の排出が終了した後、上記駆動モータM1の駆動を開始して食材送り羽根20の回転が再開される。
そして制御部40(速度制御手段40e)は、上記オン状態検出手段40fにて検出されたパルス数が、300パルス以上600パルス未満である場合は、再移送された食材の量(残留飯R’の量)、即ち飯の詰まりの量は「小」であると判断し(図14P21参照)、制御部40(速度制御手段40e)は、上記回転円筒体8を1回転(正転)し、即ち、残留食材R’が存在する状態の該当食材室10をそのままの速度で1回転して、残留飯R’を再度開口6に移送した後(図14P22参照)、上記詰まりが発生した該当食材室10が、上記開口6上に到来したとき速度制御手段40eの低速化手段40hが、該当食材室10が上記開口6を通過するまで、上記駆動モータM2を低速化(低速度1)する(図14P23、P24参照)。
従って、残留飯R’の存在する上記詰まりの発生した上記食材室10は、低速にて上記開口6を通過するため、当該食材室10に残留する飯を開口6から確実に下方に落下供給することができる。その後は、図12の正常時のプログラム(ステップP2〜P11)に戻って、通常の動作を行う。
制御部40(速度制御手段40e)は、上記オン状態検出手段40fにて検出されたパルス数が、600パルス以上1300パルス未満である場合は、再移送された食材の量、即ち飯の詰まりの量は「中」であると判断され(図14P25参照)、制御部40(速度制御手段40f)は、上記回転円筒体8を通常速度で1回転した後(図14P26参照)、上記詰まりが発生した食材室10が上記開口6上に到来したとき速度制御手段40eの低速化手段40iが、残留飯R’の発生した上記食材室10が上記開口6を通過するまで上記駆動モータM2を低速化する(図14P27,P28参照)。このとき、上記低速化手段40iは上記低速化手段40hの速度よりも遅い速度(低速度2)で上記駆動モータM2を駆動する。よって、上記詰まりの発生した上記食材室10(単数区画の場合、或いは、複数区画の場合もある)は上記「小」のときよりもより遅い速度で開口6を通過し、上記食材室10内の飯を確実に開口6から下方に落下供給することができる。
尚、詰まりが発生した食材室10の区画数は、上記オン状態検出手段40fにてパルス数にて認識しているので、例えばオン状態のパルス数が例えば1000パルスであれば、食材室10の2区画(1区画500パルス×2)に跨って残留飯R’が発生していることになる。従って、この場合、速度制御手段40eは、当該食材室10が開口6に到達するには、5区画分正回転し、6区画目から、残留食材R’が存在する食材室10がはじまることになるので、6区画目から7区画目の2区画分を低速にて回転することになる。その後は、図12の正常時のプログラム(ステップP2〜P13)に戻って、通常の動作を行う。
制御部40(速度制御手段40e)は、上記オン状態検出手段40fにて検出されたパルス数が、1300パルス以上である場合は、再移送された食材の量、即ち飯の詰まりの量は「大」であると判断され(図14P29参照)、制御部40(速度制御手段40eの逆転手段40j)は、直ちに駆動モータM2を逆転し(図14P30参照)、オン時間の分、即ち検出されたパルス数分、即ち、飯の詰まりが発生した区間、回転円筒体8の逆転を行う(図14P30,P31参照)。従って、飯の詰まりが大の場合は、直ちに、回転円筒体8が逆転し、再移送された飯を開口6から下方に落下供給することができる。その後は、図12の正常時のプログラム(ステップP2〜P13)に戻って、通常の動作を行う。
この場合も、上記と同様に、詰まり検知スイッチ30のオン状態の期間のパルス数と同じパルス数分を逆転することにより、残留飯R’が発生した食材室10の区画数分を逆転し、上記食材室10に残留する飯を直ちに下方に落下させることができる。
上記詰まり検知スイッチ30は他の詰まり検知手段を用いても良い。例えば光センサ等により残留食材の量を検知するように構成しても良い。また、上記駆動モータM1,M2はパルスモータを用いたが、その他サーボモータ或いは、ロータリーエンコーダ等によりモータの回転数を検出するように構成しても良い。また、上記実施形態では食材送り羽根20と回転円筒体8は逆方向に回転したが、同一方向に回転しても良い。また、上記実施形態では食材として飯について説明したが、食材としては飯に限定されず、各種の食材に適用可能である。
本発明は、以上のように、食材室10に残留する食材を自動的に検知して、残留食材を開口6から下方に迅速に落下供給することができるので、食材の詰まりのない食材盛付装置を実現することができる。
また、再移送された残留食材の量に応じて、残留食材が生じた食材室10が開口6を通過する際の回転円筒体8の低速化の度合いを変化しているので、残留食材が多い場合であっても確実に、残留食材を開口6から下方に落下供給することができる。
また、再移送された食材の量が大の場合は、回転円筒体8を逆転して、迅速に残留食材を排除することができ、残留食材が多い場合においても、残留食材を迅速に排出することができる。
また、残留食材が開口6から排出されるまでは、食材送り羽根20の回転が停止されるので、食材の食材室10への供給が停止され、残留食材の排出を円滑に行うことができる。
また、速度制御手段40eにより、再移送される食材の量を検知し得るため、再移送される食材の量に応じて、回転円筒体8の速度制御等の各種の対応をとることが可能となり、食材の詰まりのない食材盛付装置を実現し得る。