JP6806241B2 - フロントアクスルビームおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フロントアクスルビームおよびその製造方法に関する。
フロントアクスルビーム(以下では「フロントアクスル」と称する場合がある)は、主に、車両(たとえば貨物自動車やバス等(但し、2輪車は除く))の前輪が取り付けられて車体を支持するために使用される。フロントアクスルは、左右の前輪に車体の荷重を伝達する部品として、および、構造保安部品として、重要である。フロントアクスルは、所定位置に車輪を固定するとともに前輪の操舵性能を確保することによって、走行安定性を担う。また、ブレーキ時において、フロントアクスルは、車輪の制動力を伝える伝達経路となる。このように、フロントアクスルは、走行性、操舵性、および制動性に強く影響を及ぼす部品である。フロントアクスルには高い剛性が求められるため、フロントアクスルの質量は大きい。一方、燃費向上の観点から、フロントアクスルの軽量化が求められている。
一般に、車両の走行安定性のため、重量物は車両の車高方向の低い位置に配置される。すなわち、フロントアクスルの上に搭載されるエンジンの位置は車高方向の低い位置に搭載されることが望ましい。フロントアクスルの両端にはキングピン取り付け部が設けられる。車両の前輪には足回り部品が取り付けられている。キングピンは車高方向上側からキングピン取り付け部を通って前輪の足回り部品に差し込まれてフロントアクスルと前輪とを接続する。この構成により車両の舵をきるとキングピンを軸に前輪が旋回する。この構成のため、例えば図2に示す通り、フロントアクスルは、車幅方向中央は車高方向で低く、車幅方向端部は車高方向で高い、弓型形状である。フロントアクスルは横断面がH型ではあるが、H型鋼のようにユニバーサル圧延機では製造されない。なぜなら、弓型形状にはユニバーサル圧延機では成形できないからである。
通常、フロントアクスルは型鍛造によって製造される。鍛造の場合、例えば図14に示されるように、型抜きのために角度Q、Q’の抜き勾配が必要となる。そのため、フロントアクスルの形状が制限される。その結果、フロントアクスルの剛性の向上が制約される。
特開2003−285771号公報(特許文献1)は、車両走行時の空力抵抗を減らすことが可能なフロントアクスルを提案している。特許文献1に記載の発明は、空力抵抗を減らすことによる燃費向上を目的としている。
また、フロントアクスルの製造方法についても従来から提案されている。特開2009−106955号公報(特許文献2)は、左右一対のバネ座を備えるアクスルビームの製造方法を開示している。この製造方法では、一方のバネ座を第1回目のプレス工程でプレス成形し、他方のバネ座を第2回目のプレス工程でプレス成形する。
フロントアクスルの軽量化の方策の1つとして、フロントアクスルの剛性を高めることが挙げられる。フロントアクスルの剛性を高めることができれば、従来品と同じ剛性を、より軽いフロントアクスルや、よりコンパクトなフロントアクスルで実現できる。また、フロントアクスルの剛性を高めることができれば、従来品と同じ断面サイズや同じ質量で、フロントアクスルが関係する様々な特性を向上させることが可能となる。そのため、フロントアクスルの剛性を高めることが可能な新たな技術が求められている。
一方で、フロントアクスルの周囲には、エンジンおよび操舵用の可動部品が密集して配置されている。そのため、フロントアクスルには、これら周辺部品と干渉しないように狭いスペースに収まることも求められている。したがって、フロントアクスルの断面サイズを大きくすることなくその剛性を高めることが可能な技術が、特に求められている。
特開2003−285771号公報 特開2009−106955号公報
このような状況において、本発明の目的の1つは、その剛性を高めることが可能なフロントアクスルビーム、および、その製造方法を提供することである。
本発明の一実施形態による製造方法は、ウエブ部と、ウエブ部の両端部に接合されるフランジ部と、を備えるH型の横断面のビーム部を備えるフロントアクスルビームの製造方法である。製造方法は、前記横断面において、ウエブ部の中心軸を境界に対になった金型で素材を鍛造する。さらに、前記横断面において、フランジ部を対向するフランジ部に向けて曲げる。
本発明の一実施形態によるフロントアクスルビームは、ウエブ部と、ウエブ部の両端部に接合したフランジ部と、を備えるH型の横断面のビーム部を備えるフロントアクスルビームである。前記横断面において、ウエブ部の長さより対向するフランジ部の先端の間隔の方が狭い。
本発明によれば、剛性の高いフロントアクスルビームが得られる。本発明の製造方法によれば、当該フロントアクスルビームを容易に製造できる。
図1は、第1実施形態のフロントアクスルの一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示したフロントアクスルの正面を模式的に示す図である。 図3は、図1に示したフロントアクスルの上面を模式的に示す図である。 図4は、図1に示したフロントアクスルの断面を模式的に示す図である。 図5Aは、第2実施形態の製造方法の型鍛造工程で製造される鍛造品の一例の一部を模式的に示す斜視図である。 図5Bは、図5Aに示した鍛造品の断面を模式的に示す図である。 図6Aは、曲げ工程の一例について変形開始前の状態を模式的に示す断面図である。 図6Bは、図6Aに示した一例について変形完了時の状態を模式的に示す断面図である。 図7Aは、曲げ工程の他の一例について変形開始前の状態を模式的に示す断面図である。 図7Bは、図7Aに示した一例について変形完了時の状態を模式的に示す断面図である。 図8Aは、曲げ工程の他の一例について変形開始前の状態を模式的に示す断面図である。 図8Bは、図8Aに示した一例について変形完了時の状態を模式的に示す断面図である。 図9Aは、曲げ工程の他の一例について変形開始前の状態を模式的に示す断面図である。 図9Bは、図9Aに示した一例について変形完了時の状態を模式的に示す断面図である。 図10は、曲げ工程の前後における鍛造品の断面の輪郭の変化を示す図である。 図11は、曲げ工程の他の一例について変形開始前の状態を模式的に示す断面図である。 図12は、実施例で仮定したサンプルの断面形状を示す図である。 図13は、実施例で仮定した試験の方法を示す図である。 図14は、従来のフロントアクスルの断面を模式的に示す図である。
鋭意検討した結果、本願発明者らは、フロントアクスルの断面形状を工夫することでフロントアクスルの剛性を向上させることを見出した。また、剛性の高いフロントアクスルの製造方法も見出した。本発明は、この新たな知見に基づくものである。
本発明の一実施形態による製造方法は、ウエブ部と、ウエブ部の両端部に接合されるフランジ部と、を備えるH型の横断面のビーム部を備えるフロントアクスルビームの製造方法である。製造方法は、前記横断面において、ウエブ部の中心軸を境界に対になった金型で素材を鍛造する。さらに、前記横断面において、フランジ部を対向するフランジ部に向けて曲げる。
上記の製造方法では、曲げられたフランジ部は湾曲していてもよい。
本発明の一実施形態によるフロントアクスルビームは、ウエブ部と、ウエブ部の両端部に接合したフランジ部と、を備えるH型の横断面のビーム部を備えるフロントアクスルビームである。前記横断面において、ウエブ部の長さより対向するフランジ部の先端の間隔の方が狭い。
上記のフロントアクスルの場合、前記横断面において、フランジ部は湾曲していてもよい。
上記のフロントアクスルは、少なくとも2つのバネ取り付け座を備える場合、前記横断面はバネ取り付け座の間の横断面であってもよい。
また、別の観点では、本発明の一実施形態による製造方法は、ビーム部と、ビーム部の長手方向の両端にそれぞれ設けられた2つのキングピン取り付け部とを含むフロントアクスルビームの製造方法である。ビーム部は、長手方向に延びるウエブ部と、ウエブ部の上端および下端のそれぞれから前方および後方に突出している4つのフランジ部とを含む。
製造方法は、
ウエブ部となる粗ウエブ部と、粗ウエブ部の上端および下端のそれぞれから前方および後方に向かって突出している板状の4つの粗フランジ部とを含む鍛造品を、型を用いて鋼材を鍛造することによって形成する型鍛造工程と、
4つの粗フランジ部のうちの少なくとも1つの特定粗フランジ部を少なくとも1つの第1金型で押すことによって、鍛造品の上下方向の内側に向かって曲がっている曲がり部を特定粗フランジ部に形成する曲げ工程とを含む。
上記の製造方法では、少なくとも1つの特定粗フランジ部は、前後方向または上下方向に並んでいる第1および第2の特定粗フランジ部を含んでもよい。第1金型は、第1斜面と、第1斜面となす角度が180°未満である第2斜面とを含んでもよい。この場合、曲げ工程は、第1の特定粗フランジ部を第1斜面によって押し、かつ、第2の特定粗フランジ部を第2斜面によって押すことによって行われてもよい。
上記の製造方法では、曲がり部が形成されない粗フランジ部と特定粗フランジ部とが前後方向に並んでいる場合、曲げ工程において、曲がり部が形成されない粗フランジ部を固定した状態で特定粗フランジ部に曲がり部を形成してもよい。
上記の製造方法では、少なくとも1つの特定粗フランジ部は、第1および第2の特定粗フランジ部と、第3および第4の特定粗フランジ部とからなってもよい。この場合、曲げ工程は、第1および第2の特定粗フランジ部を1つの第1金型の第1斜面および第2斜面によって押すと同時に、第3の特定粗フランジ部を他の第1金型の第1斜面によって押し、かつ、第4の特定粗フランジ部を他の第1金型の第2斜面によって押すことによって行われてもよい。
上記の製造方法では、第1の特定粗フランジ部と第2の特定粗フランジ部とが、鍛造品の上下方向に並んでいる場合、曲げ工程は、第1金型を鍛造品の前後方向に移動させることによって行われてもよい。この製造方法において、曲げ工程は、粗ウエブ部の上端から突出する2つの粗フランジ部の境界部と、粗ウエブ部の下端から突出する2つの粗フランジ部の境界部とを、上下方向から2つの第2金型によって挟んだ状態で行われてもよい。
上記の製造方法では、第1の特定粗フランジ部と第2の特定粗フランジ部とが、鍛造品の前後方向に並んでいる場合、曲げ工程は、第1金型を鍛造品の上下方向に移動させることによって行われてもよい。この製造方法において、曲げ工程は、粗ウエブ部の前後方向から粗ウエブ部を2つの第2金型によって挟んだ状態で行われてもよい。
また、別の観点では、本発明の一実施形態によるフロントアクスルビームは、ビーム部と、ビーム部の長手方向の両端にそれぞれ設けられた2つのキングピン取り付け部とを含むフロントアクスルビームである。ビーム部は、長手方向に延びるウエブ部と、ウエブ部の上端および下端のそれぞれから前方および後方に突出している4つのフランジ部とを含む。4つのフランジ部のうちの少なくとも1つは、曲がり部を含む特定フランジ部である。曲がり部は、曲がり部の端部に近づくほど、曲がり部に対向するフランジ部に近づくように曲がっている。
このフロントアクスルの場合、4つのフランジ部は、前後方向または上下方向に並んでいる2つの特定フランジ部を含む、ことが好ましい。
以下に、本発明の実施形態について例を挙げて説明する。なお、本発明は以下で説明する例に限定されない。
この明細書において、フロントアクスルおよびそれを構成する部材の方向について言及するときは、特に記載がない限り、フロントアクスルを使用時の向きに配置した状態における方向を意味する。たとえば、フロントアクスルの上下方向というときには、特に記載がない限り、フロントアクスルを使用時の向きに配置した状態における上下方向を意味する。すなわち、上下方向とはフロントアクスルの車高方向である。水平方向および前後方向についても同様に、フロントアクスルを使用時の向きに配置した状態における方向を意味する。すなわち、水平方向とはフロントアクスルの車幅方向である。前後方向とはフロントアクスルの車長方向である。ここで、フロントアクスルは、H型の横断面を有するビーム部を備え、このビーム部は、板状のウエブ部と、ウエブ部の両端から突出する4つの板状のフランジ部と、を含む。フロントアクスルを使用時の向きに配置したとき、ビーム部は水平方向に配置される。さらに、フロントアクスルの横断面において、ウエブ部は上下方向に延在し、4つのフランジ部は前後方向に突出する。そのため、フロントアクスルの横断面において、上下方向はウエブ部の延在方向と同じ方向であり、前後方向はウエブ部の延在方向と直交する方向と同じ方向である。なお、フロントアクスルの前方および後方はそれぞれ、フロントアクスルが配置される車両の前方および後方と同じ方向を意味する。ただし、フロントアクスルが前後で対称の形状である場合には、いずれか一方向を前方とし他方向を後方とする。また、フロントアクスルを製造する際の中間品(鍛造品など)およびそれを構成する部材の方向について言及するときは、特に記載がない限り、完成品であるフロントアクスルと同じ方向を意味する。
(フロントアクスルビームの製造方法)
本実施形態の製造方法は、ビーム部と、ビーム部の長手方向の両端にそれぞれ設けられた2つのキングピン取り付け部とを含むフロントアクスル(フロントアクスルビーム)を製造する方法である。当該ビーム部は、長手方向に延びるウエブ部と、ウエブ部の上端および下端のそれぞれから前方および後方に突出している4つのフランジ部とを含む。つまり、本実施形態の製造方法は、ウエブ部と、ウエブ部の両端部に接合されるフランジ部と、を備えるH型の横断面のビーム部を備えるフロントアクスル(フロントアクスルビーム)の製造方法である。この製造方法は、以下で説明する型鍛造工程および曲げ工程を含む。なお、本開示において、接合とは単に一体化していることを意味し、必ずしも溶接や締結などの手段によってつなぎ合わせることを意味しない。
型鍛造工程は、型を用いて鋼材を鍛造することによって鍛造品(たとえば図5Aおよび図5B)を形成する工程である。当該鍛造品は、ウエブ部となる粗ウエブ部と、粗ウエブ部の上端および下端のそれぞれから前方および後方に向かって突出している板状の4つの粗フランジ部とを含む。4つの粗フランジ部は、フロントアクスルの4つのフランジ部となる部分である。
つまり、本実施形態の製造方法では、一対の金型(鍛造型)を用いて素材(鋼材)を型鍛造する。鍛造型はウエブ部(粗ウエブ部)の中心線を境界にして対になっている。
通常、型鍛造工程で得られる鍛造品にはバリが形成される。そのため、型鍛造工程と曲げ工程との間でバリ抜き工程を行ってもよい。バリ抜き工程に限定はなく、公知の方法を適用してもよい。バリ抜き工程を行う場合、バリが除去された鍛造品が、曲げ工程に供される。
曲げ工程は、4つの粗フランジ部のうちの少なくとも1つの特定粗フランジ部を少なくとも1つの第1金型で押すことによって、鍛造品の上下方向の内側に向かって曲がっている曲がり部を特定粗フランジ部に形成する工程である。
つまり、本実施形態の製造方法では、フランジ部(特定粗フランジ部)を対向する別のフランジ部(特定粗フランジ部、または特定粗フランジ部ではない粗フランジ部)に向けて曲げる。曲げられたフランジ部は湾曲していてもよい。
この明細書において、フランジ部(または粗フランジ部)について内側および外側という場合には、文脈に反しない限り、フロントアクスルまたは鍛造品の上下方向VDにおける内側および外側を意味する。ウエブ部(または粗ウエブ部)の上端から突出しているフランジ部(または粗フランジ部)の場合、内側の方向は下方を意味し、外側の方向は上方を意味する。ウエブ部(または粗ウエブ部)の下端から突出しているフランジ部(または粗フランジ部)の場合、内側の方向は上方を意味し、外側の方向は下方を意味する。
4つの粗フランジ部のうちの少なくとも1つ(1つ、2つ、3つ、または4つ)は、曲がり部(たとえば図4の132)を含む特定粗フランジ部である。製法上の観点から、並んでいる2つの粗フランジ部を同時に曲げることが好ましい。そのため、好ましい一例では、4つの粗フランジ部のうちの2つまたは4つが特定粗フランジ部である。
曲がり部は、ビーム部の長手方向の全体にわたって形成されていてもよいし、ビーム部の長手方向の一部のみに形成されていてもよい。通常、フロントアクスルは、2つのバネ取り付け座を有する。曲がり部は、その2つのバネ取り付け座の間の領域の全部または一部に形成されていてもよい。
上記少なくとも1つの特定粗フランジ部は、前後方向または上下方向に並んでいる第1および第2の特定粗フランジ部を含んでもよい。第1金型は、第1斜面と、第1斜面となす角度が180°未満である第2斜面(たとえば図6Aの310a、310b)とを含んでもよい。そして、曲げ工程は、第1の特定粗フランジ部を第1斜面によって押し、かつ、第2の特定粗フランジ部を第2斜面によって押すことによって行われてもよい。
第1斜面と第2斜面とがなす角度Pは、曲げ工程が実施できる角度に設定すればよく、特に限定はない。一例では、角度Pは、30°〜170°の範囲にあってもよい。また、角度Pは、90°〜160°の範囲にあってもよい。第1金型の一例は、第1斜面および第2斜面を有する凹部が形成されている金型である。そのような凹部の例には、断面がV字状の凹部(図6A参照)、および、断面がU字状の凹部(図8A参照)が含まれる。なお、第1斜面を有する1つの金型と第2斜面を有する他の金型とによって第1金型が構成されていてもよい。
曲がり部が形成されない粗フランジ部と特定粗フランジ部とが前後方向に並んでいる場合について考える。この場合、曲げ工程において、曲がり部が形成されない粗フランジ部を固定した状態で特定粗フランジ部に曲がり部を形成してもよい。この構成によれば、特定フランジ部を形成する際に加えられる力によって、特定粗フランジ部の前後方向に並ぶ粗フランジ部が変位することを抑制できる。
少なくとも1つの特定粗フランジ部は、上記の第1および第2の特定粗フランジ部と、第3および第4の特定粗フランジ部とからなってもよい。すなわち、4つの粗フランジ部のすべてが特定粗フランジ部であってもよい。この場合、曲げ工程は、第1および第2の特定粗フランジ部を1つの第1金型の第1斜面および第2斜面によって押すと同時に、第3の特定粗フランジ部を他の第1金型の第1斜面によって押し、かつ、第4の特定粗フランジ部を他の第1金型の第2斜面によって押してもよい。
上記第1の特定粗フランジ部と第2の特定粗フランジ部とは、鍛造品の上下方向に並んでいてもよいし、鍛造品の前後方向に並んでいてもよい。前者の場合の曲げ工程の一例(第1の例)、および、後者の場合の曲げ工程の一例(第2の例)について以下に説明する。なお、前者および後者の例には、4つの粗フランジ部のすべてが特定粗フランジ部である形態が含まれる。この場合には、上述したように、2つの第1金型によって鍛造品を挟むように押してもよい。
第1の例の曲げ工程は、第1の特定粗フランジ部と第2の特定粗フランジ部とが、鍛造品の上下方向に並んでいる場合に行われる。第1の例の曲げ工程は、第1金型を鍛造品の前後方向に移動させることによって行われる。第1金型の第1斜面で第1の特定粗フランジ部を押し、第2斜面で第2の特定粗フランジ部を押すことによって、両者に同時に曲がり部を形成できる(たとえば図6B)。
第1の例の曲げ工程は、粗ウエブ部の上端から突出する2つの粗フランジ部の境界部と、粗ウエブ部の下端から突出する2つの粗フランジ部の境界部とを、上下方向から2つの第2金型によって挟んだ状態で行われてもよい。それら4つの粗フランジ部うち、上下方向に並ぶ少なくとも2つの粗フランジ部は、第1および第2の特定粗フランジ部である。2つの第2金型によって上記境界部を挟むことによって、鍛造品の姿勢を安定させて曲げ工程を安定して実施できる。
第2の例の曲げ工程は、上記第1の特定粗フランジ部と第2の特定粗フランジ部とが、鍛造品の前後方向に並んでいる場合に行われる。第2の例の曲げ工程は、第1金型を鍛造品の上下方向に移動させることによって行われる。第1金型の第1斜面で第1の特定粗フランジ部を押し、第2斜面で第2の特定粗フランジ部を押すことによって、両者に同時に曲がり部を形成できる。
第2の例の曲げ工程は、粗ウエブ部の前後方向から粗ウエブ部を2つの第2金型によって挟んだ状態で行われてもよい。曲げ工程では特定粗フランジ部に大きい力が加わるため、2つの第2金型によって粗ウエブ部を固定して行うことが好ましい。この構成によれば、鍛造品の姿勢を安定させて曲げ工程を安定して実施できるとともに、粗ウエブ部が変形することを抑制できる(たとえば図7B)。
(フロントアクスルビーム)
本実施形態のフロントアクスル(フロントアクスルビーム)は、本実施形態の製造方法で製造できる。本実施形態の製造方法について説明した事項は、本実施形態のフロントアクスルに適用できるため、重複する説明を省略する場合がある。また、本実施形態のフロントアクスルについて説明した事項は、本実施形態の製造方法に適用できる。なお、本実施形態のフロントアクスルは、本実施形態の製造方法以外の方法で製造してもよい。
本実施形態のフロントアクスルは、ウエブ部と、ウエブ部の両端部に接合した4つのフランジ部と、を備えるH型の横断面のビーム部を備える。相互に対向する2つのフランジ部の先端部の間隔がウエブ部の長さよりも狭い。これは、その2つのフランジ部のうちの少なくとも1つが、曲がり部を有する特定フランジ部であるためである。なお、本開示において、接合とは単に一体化していることを意味し、必ずしも溶接や締結などの手段によってつなぎ合わせることを意味しない。
本実施形態のフロントアクスルは、ビーム部と、ビーム部の長手方向の両端にそれぞれ設けられた2つのキングピン取り付け部とを含む。ビーム部は、ビーム部の長手方向に延びるウエブ部と、ウエブ部の上端および下端のそれぞれから前方および後方に突出している4つのフランジ部とを含む。4つのフランジ部のうちの少なくとも1つは、曲がり部を含む特定フランジ部である。曲がり部は、曲がり部の端部に近づくほど、曲がり部に対向するフランジ部に近づくように曲がっている。ここで、曲がり部に対向するフランジ部とは、特定フランジ部と上下方向に並ぶフランジ部である。当該フランジ部も特定フランジ部であってもよい。曲がり部は、上述した曲げ工程によって形成できる。
特定フランジ部は上記曲がり部を含む。つまり、特定フランジ部の先端部と、この特定フランジ部に対向する別のフランジ部(特定フランジ部、または特定フランジ部ではないフランジ部)の先端部と、の間隔は、ウエブ部の長さよりも狭い。この場合、フロントアクスルの横断面において、限られた範囲内で、ビーム部の重心から比較的遠い位置に特定フランジ部の重心が配置される。そのため、平板状に延びる従来のフロントアクスルのフランジ部に比べて、フロントアクスルの断面サイズを大きくすることなく特定フランジ部の断面二次モーメントを大きくすることが可能である。その結果、本実施形態のフロントアクスルによれば、断面サイズを大きくすることなくその剛性(前後方向HDの曲げ剛性)を高めることが可能である。さらに、従来のフランジ部に比べて、特定フランジ部が曲がり部を持つことによって、断面全体の重心位置から遠い位置に多くの部材がねじり方向(円周方向)に連なって配置される。そのため、極二次モーメントを大きくすることが可能である。その結果、本実施形態のフロントアクスルによれば、断面サイズを大きくすることなくそのねじり剛性を高めることが可能である。
別の観点では、1つの特定フランジ部の曲がり部は、当該特定フランジ部が突出する側から水平に見たときに、上下方向の内側の表面に死角となる部分を有する。このような曲がり部は、型鍛造工程において逆勾配となるため、このような曲がり部を型鍛造工程のみで形成することは困難である。そのため、型鍛造工程を含む製造方法によって特定フランジ部を形成する場合、上述した曲げ工程が必要となる。逆に、上記曲がり部の形状は、上述した型鍛造工程および曲げ工程を含む製造方法によって容易に形成できる。そのため、本実施形態のフロントアクスルは、製造上の点でも有利である。
ここで、フランジ部とウエブ部の接合部におけるウエブ部の長さを次のように定義する。ビーム部の横断面において、ウエブ部の付け根の輪郭は直角ではなく弧を描いている。すなわち、コーナーRがある。フランジ部のうち、ウエブ部近傍のウエブ部と接触していない箇所の厚さの中心点を、ウエブ部を間に挟んでフランジ部の両側で求める。その中心点同士を結んだ方向をフランジ部の延在方向とする。フランジ部の延在方向と、コーナーRとの接線と、のなす角は、接線の接点がウエブ部中央に近づくほど大きくなる。フランジ部延在方向と、コーナーRの接線と、のなす角が、10°になったときの接線とコーナーRとの接点を、ウエブ部を間に挟んでフランジ部の両側で求める。その接点同士を結んだ直線をフランジ部とウエブ部の境界とみなす。この境界に基づきウエブ部の長さを評価する。
ここで、従来のフロントアクスル500の断面(長手方向LDに垂直な断面)を、図14に示す。型鍛造によって、フロントアクスルを製造する場合、フランジ部530a〜530dが突出する方向(前後方向HD(ウエブ部520の延在方向と直交する方向))に型(鍛造型)を移動させることによって行われる。そのため、フランジ部530a〜530dには、型抜きのための勾配が設けられている。図14には、型打ち方向(前後方向HD)に対する抜き勾配の角度Q、Q’を示す。この勾配のため、従来のフロントアクスル500では、相互に対向する2つのフランジ部(例えばフランジ部530aとフランジ部530b)の間隔は、それらの先端部に近づくほど広がっている。これに対し、本実施形態では、相互に対向する2つのフランジ部の先端部の間隔がウエブ部の長さよりも狭い。つまり、相互に対向する2つのフランジ部の間隔は、それらの先端部に近づくほど狭まっている。
曲がり部は、特定フランジ部とウエブ部との境界部からの距離が大きくなるほど水平方向に対する傾きが大きくなっていてもよい。つまり、曲がり部を有するフランジ部は、湾曲していてもよい。
4つのフランジ部のうち、少なくとも1つ(1つ、2つ、3つ、または4つ)が特定フランジ部である。4つのフランジ部は、前後方向または上下方向に並んでいる2つの特定フランジ部を含んでもよい。さらに、4つのフランジ部のすべてが特定フランジ部であってもよい。
上述したように、曲がり部は、2つのバネ取り付け座の間の領域の少なくとも一部(一部または全部)に形成されていてもよい。たとえば、曲がり部は、2つのバネ取り付け座の間の領域の50%(長手方向LDの長さを基準とする)以上に形成されていてもよい。つまり、特定フランジ部を含む横断面は、2つのバネ取り付け座の間の横断面である。
(製造装置)
別の観点では、本発明はフロントアクスルの製造装置に関する。この製造装置は、曲げ工程で用いられる上述の金型と、当該金型を上述したように移動させる機構とを有する。当該機構には、公知のプレス装置などで用いられている機構を適用できる。
以下では、本発明の実施形態の例について図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施形態は例示であり、以下の実施形態の構成の少なくとも一部を、上述した構成に置き換えることができる。以下の説明では、同様の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。さらに、以下に示す図はすべて模式図であり、説明に不要な部分を省略する場合がある。
(第1実施形態)
第1実施形態では、本実施形態のフロントアクスルの一例について説明する。第1実施形態のフロントアクスル100の斜視図を、図1に示す。フロントアクスル100の前方から水平にフロントアクスル100を見たときの正面図を、図2に示す。フロントアクスル100の上面図を図3に示す。さらに、図3の線IV−IVにおける断面図を、図4に示す。これらの図および以下で説明する図には、フロントアクスル100(または鍛造品200)の、前方の方向FwD、上下方向VD、および前後方向HDを示す場合がある。同様に、それらの図には、ビーム部110(または粗ビーム部210)の長手方向LDを示す場合がある。
図1を参照して、フロントアクスル(フロントアクスルビーム)100は、ビーム部110と、ビーム部110の長手方向LDの両端にそれぞれ設けられた2つのキングピン取り付け部150とを含む。キングピン取り付け部150には、キングピンが取り付けられる貫通孔が形成されている。通常、フロントアクスル100は、車幅方向中央を中心に概ね対称の形状を有し、且つ、全体としては概ね弓形の形状を有する。図2に示すように、キングピン取り付け部150には、キングピンを介してタイヤ1が接続される。
ビーム部110は、ウエブ部120と4つのフランジ部130とを含む。4つのフランジ部130は、ウエブ部120の上端および下端のそれぞれから前方および後方に突出している。すなわち、4つのフランジ部130のうちの1つはウエブ部120の上端から前方に突出し、1つはウエブ部120の上端から後方に突出し、1つはウエブ部120の下端から前方に突出し、1つはウエブ部120の下端から後方に突出する。別の観点では、ビーム部110は、ウエブ部120と、ウエブ部120の両端部に接合される4つのフランジ部130とを備え、H型の横断面を有する。4つのフランジ部130のうちの少なくとも1つは、曲がり部132を含む特定フランジ部131である。図1〜図4には、4つのフランジ部130のすべてが特定フランジ部131である場合を例示する。図4に示すように、曲がり部132は、曲がり部132の端部132aに近づくほど、曲がり部132に対向するフランジ部130に近づくように曲がっている。
ウエブ部120の上方から突出する2つのフランジ部130には、2つのバネ取り付け座111が形成されている。2つのバネ取り付け座111は、間隔を置いて左右対称な位置に配置されている。バネ取り付け座111にはバネが配置され、バネの上には車体(エンジンを含む)が取り付けられる。
ここで、4つの特定フランジ部131を、第1〜第4の特定フランジ部131a〜131dとする。図4では、一例として、ウエブ部120の前方において上下に並んでいる特定フランジ部131を、第1および第2の特定フランジ部131aおよび131bとする。さらに、ウエブ部120の後方において上下に並んでいる特定フランジ部131を、第3および第4の特定フランジ部131cおよび131dとする。なお、いずれの特定フランジ部を第1〜第4の特定フランジ部とするかは任意である。たとえば、ウエブ部120の前後方向HDの中心を通る鉛直線Lctを間に挟んで前後に並んでいる2つの特定フランジ部を、第1および第2の特定フランジ部としてもよい。
4つの特定フランジ部131はそれぞれ、曲がり部132を含む。第1実施形態では、曲がり部132が2つのバネ取り付け座111の間に形成される場合について説明するが、他の部分に曲がり部132が形成されてもよい。
図1〜図4には、4つのフランジ部130のすべてが曲がり部132を含む特定フランジ部131である一例を図示した。しかし、少なくとも1つのフランジ部130が曲がり部132を有すればよい。たとえば、4つのフランジ部130のうち、上下方向VDに並ぶ2つのフランジ部130のみが特定フランジ部131であってもよい。それらは、ウエブ部120から前方に突出していてもよいし後方に突出していてもよい。あるいは、4つのフランジ部130のうち、前後方向HDに並ぶ2つのフランジ部130のみが特定フランジ部131であってもよい。それらは、ウエブ部120の上端に配置されていてもよいし、ウエブ部120の下端に配置されていてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態では、図1〜図4に示したフロントアクスル100を製造する一例について、図面を参照しながら説明する。この製造方法は、以下で説明する型鍛造工程および曲げ工程をこの順序で含む。型鍛造工程および曲げ工程は、加工対象を加熱して行われる熱間加工である。
型鍛造工程では、型を用いて鋼材を鍛造することによって、所定の鍛造品を形成する。型鍛造工程に限定はなく、公知の型鍛造工程によって実施できる。型鍛造工程では、通常、鍛造品にバリが形成される。鍛造品にバリが形成される場合、曲げ工程の前にバリ抜き工程が行われる。図5Aは、バリ抜き工程が実施された後の鍛造品200の一部の断面を示す斜視図である。
鍛造品200は、ビーム部110となる粗ビーム部210を含む。粗ビーム部210は、ウエブ部120となる粗ウエブ部220と、粗ウエブ部220の上端および下端のそれぞれから前方および後方に向かって突出している板状の4つの粗フランジ部230とを含む。4つの粗フランジ部230はすべて、特定フランジ部131となる特定粗フランジ部231である。鍛造品200には、バネ取り付け座111となる部分211が形成されている。
鍛造品200の断面(長手方向LDに垂直な断面)を、図5Bに示す。図5Bの断面は、曲がり部132となる部分の断面である。特定粗フランジ部231は、第1〜第4の特定フランジ部131a〜131dとなる第1〜第4の特定粗フランジ部231a〜231dからなる。
型鍛造工程は、粗フランジ部230が突出する方向(前後方向HD(粗ウエブ部220の延在方向と直交する方向))に型(鍛造型)を移動させることによって行われる。鍛造型は、粗ウエブ部220の中心線を境界にして対になっている。そのため、粗フランジ部230には、型抜きのための勾配が設けられている。図5Bには、型打ち方向(前後方向HD)に対する抜き勾配の角度Q、Q’を示す。この勾配のため、粗フランジ部230は、その端部に近づくほど薄くなっている。図5Bに示す一例において、前後方向HDに隣接する2つの粗フランジ部230の境界部230aは、バリが除去されたバリ線の位置にある。
型鍛造工程の材料となる鋼材は、通常、型鍛造に適した形状を有する。そのような鋼材は、出発材料であるビレットを予備成形工程で予備成形することによって形成できる。すなわち、鋼材は、予備成形品であってもよい。予備成形工程に限定はなく、公知の予備成形工程を適用してもよい。たとえば、予備成形工程は、ビレットを絞る工程や、曲げ打ち工程を含んでもよい。予備成形工程は通常、熱間加工である。
曲げ工程では、特定粗フランジ部231を少なくとも1つの第1金型で押すことによって、鍛造品200の上下方向VDの内側に向かって曲がっている曲がり部232(図6B参照)を特定粗フランジ部231に形成する。この曲げ工程によって、曲がり部132となる曲がり部232が形成される。曲がり部232は、通常、曲がり部132の形状を有する。すなわち、通常、曲がり部232はそのまま曲がり部132となる。
曲げ工程の2つの例(第1および第2の例)について以下に説明する。上述したように、第1の例は、2つの特定粗フランジ部231が鍛造品の上下方向VDに並んでいる場合に行われる。第1の例では、鍛造品200の前後方向HDに第1金型を移動させる。第2の例は、2つの特定粗フランジ部231が鍛造品の前後方向HDに並んでいる場合に行われる。第2の例では、鍛造品200の上下方向VDに第1金型を移動させる。なお、4つの粗フランジ部230のすべてが特定粗フランジ部231である場合、2つの特定粗フランジ部231が前後方向HDに並んでいるとみなすこともできるし、上下方向VDに並んでいるとみなすこともできる。そのため、この場合には、第1の例の方法および第2の例の方法のいずれもが実施可能である。
(第1の例)
第1の例の方法を、図6Aおよび図6Bの断面図を参照して説明する。図6Aおよび図6Bはそれぞれ、曲がり部232が形成される部分の断面図である。なお、ここでは、第1〜第4の特定フランジ部131a〜131dとなる第1〜第4の特定粗フランジ部231a〜231dを図6Aおよび図6Bに示すように規定する。この場合、第1の特定粗フランジ部231aと第2の特定粗フランジ部231bとは、鍛造品200の上下方向VDに並んでいる。
第1の例では、まず、図6Aに示すように、鍛造品200の前後方向HDから鍛造品200を挟むように2つの第1金型310を配置する。通常、曲げ工程では、第1金型310を鉛直方向(重力の方向)に移動させる。そのため、第1の例の方法では、通常、鍛造品200の前後方向HDが鉛直方向と平行となるように鍛造品200を配置して、曲げ工程が行われる。
第1金型310は、V字状の凹部を有する。第1金型310の凹部は、第1斜面310aと、第2斜面310bとを含む。第1斜面310aと第2斜面310bとがなす角度Pは、たとえば上述した範囲にある。図示している例では、第1の斜面310aおよび第2の斜面310bはそれぞれ、上下方向VDに並ぶ2つの特定粗フランジ部231に対して同じ角度で当接する。この場合、それらの斜面と特定粗フランジ部が突出している方向とがなす角度は、P/2である。なお、特定粗フランジ部が突出している方向は、前後方向HDであり、第1金型310の移動方向に等しい。
図6Aでは、第1斜面310aおよび第2斜面310bが平面状である場合を示しているが、それらは曲面であってもよい。そのような第1金型310については後述する。
次に、図6Bに示すように、第1金型310を鍛造品200の前後方向HDに移動させることによって曲げ工程を実施する。曲げ工程によって、曲がり部232を有する鍛造品201が形成される。典型的な一例では、鍛造品200を下方の第1金型310上に載置し、上方の第1金型310のみを移動させることによって曲げ工程が実施される。
曲げ工程では、鍛造品200の上下方向VDに並んでいる2つの特定粗フランジ部231を、1つの第1金型310の第1および第2斜面310aおよび310bによって同時に押す。このように曲げ工程を実施することによって、2つまたは4つの曲がり部を一度の圧下で精度よく形成できる。図示した一例では、4つの特定粗フランジ部231が、2つの第1斜面310aと2つの第2斜面310bとによって同時に押される。
曲げ工程では、鍛造品200はバリを有していてもよい。この場合、バリは前後方向HDに隣接する2つの粗フランジ部230の境界部230aに、上下方向VDに沿って存在する(図5B参照)。図6A及び図6Bを参照して、バリを有する鍛造品200に対し曲げ工程を実施すると、バリは粗フランジ部230の上下方向VDの変形を抑制する。したがって、曲げ工程を精度よく実施できる。
曲げ工程は、他の金型によって鍛造品200を固定した状態で行われてもよい。他の金型を用いた第1の例の曲げ工程の一例を、図7Aおよび図7Bを参照して説明する。図7Aおよび図7Bはそれぞれ図6Aおよび図6Bに対応する図であるため、重複する説明を省略する。
図7Aおよび図7Bに示す一例では、2つの第2金型320が鍛造品200を挟んで固定した状態で曲げ工程が行われる。具体的には、2つの第2金型320は、粗ウエブ部220の上端から突出する2つの特定粗フランジ部231(粗フランジ部230)の境界部230aと、粗ウエブ部220の下端から突出する2つの特定粗フランジ部231(粗フランジ部230)の境界部230aとを、鍛造品200の上下方向VDから挟んでいる。
第2金型320で鍛造品200を保持した状態で曲げ工程を行うことによって、曲げ工程を精度よく実施できる。
(第2の例)
第2の例の方法を、図8Aおよび図8Bの断面図を参照して説明する。図8Aおよび図8Bはそれぞれ、曲がり部232が形成される部分の断面図である。なお、ここでは、第1〜第4の特定フランジ部131a〜131dとなる第1〜第4の特定粗フランジ部231a〜231dを図8Aおよび図8Bに示すように規定する。この場合、第1の特定粗フランジ部231aと第2の特定粗フランジ部231bとは、鍛造品200の前後方向HDに並んでいる。
第2の例では、まず、図8Aに示すように、鍛造品200の上下方向VDから鍛造品200を挟むように2つの第1金型310を配置する。通常、曲げ工程では、第1金型310を鉛直方向(重力の方向)に移動させる。そのため、第2の例の方法では、通常、鍛造品200の上下方向VDが鉛直方向と平行となるように、鍛造品200を配置して曲げ工程が行われる。
第1金型310は、U字状の凹部を有する。第1金型310の凹部は、第1斜面310aと、第2斜面310bとを含む。図8Aでは、第1斜面310aおよび第2斜面310bが曲面である場合を示している。この場合、第1斜面310aと第2斜面310bとがなす角度は、場所によって変化する。しかし、特定粗フランジ部231と接触する第1斜面310aの少なくとも一部と、特定粗フランジ部231と接触する第2斜面310bの少なくとも一部とがなす角度Pは、たとえば上述した範囲にある。
次に、図8Bに示すように、第1金型310を鍛造品200の上下方向VDに移動させることによって曲げ工程を実施する。曲げ工程によって、曲がり部232が形成される。典型的な一例では、鍛造品200を下方の第1金型310上に載置し、上方の第1金型310のみを移動させることによって曲げ工程が実施される。
曲げ工程では、鍛造品200前後方向HDに並んでいる2つの特定粗フランジ部231を、1つの第1金型310の第1および第2斜面310aおよび310bによって同時に押す。このように曲げ工程を実施することによって、2つまたは4つの曲がり部を一度の圧下で精度よく形成できる。図示した一例では、4つの特定粗フランジ部231が、2つの第1斜面310aと2つの第2斜面310bとによって同時に押される。
曲げ工程は、他の金型によって鍛造品200を固定した状態で行われてもよい。他の金型を用いた第2の例の曲げ工程の一例を、図9Aおよび図9Bを参照して説明する。図9Aは、第1金型310による変形を開始する前の断面図である。図9Bは、変形が完了したときの断面図である。
図9Aおよび図9Bに示す一例では、2つの第2金型320が鍛造品200を挟んで固定した状態で曲げ工程が行われる。具体的には、鍛造品200の前後方向HDから粗ウエブ部220を2つの第2金型320によって挟んだ状態で、曲げ工程が行われる。
第2金型320で粗ウエブ部220を保持した状態で曲げ工程を行うことによって、曲げ工程を精度よく実施できる。さらに、曲げ工程における粗ウエブ部220の変形を、第2金型320で制御することが可能である。
上記の曲げ工程によって、フロントアクスル100とほぼ同じ外形を有する鍛造品201が得られる。得られた鍛造品201は、必要に応じて様々な工程に供されてもよい。それらの工程の例には、バリ抜き工程、整形工程、穴あけ工程、熱処理工程、曲がり取り工程、表面処理工程、塗装工程などが含まれる。このようにして、フロントアクスル100が製造される。
上記の製造方法における、曲げ工程前の鍛造品200および曲げ工程後の鍛造品201のそれぞれの断面の輪郭を、図10に重ねて示す。さらに、図10には、鍛造品200の輪郭を囲む四角形を一点鎖線で示す。
剛性を向上させる方法の1つとして、フランジ部を前後方向に長くすることが考えられる。しかし、単にフランジ部を前後方向に長くした場合、フロントアクスルの前後方向のサイズが大きくなる。一方、本実施形態の製造方法によれば、図10に示すように、前後方向に伸びているフランジ部を曲げているため、前後方向のサイズを小さくできる。すなわち、本実施形態の製造方法によれば、剛性を向上させるとともにサイズの増大を抑制することが可能である。
(その他の例)
上記の例では、4つのフランジ部130のすべてが特定フランジ部131であるフロントアクスル100を製造する場合について説明した。しかし、4つのフランジ部130のうち、前後方向HDまたは上下方向VDに並んでいる2つのフランジ部130のみが特定フランジ部131である場合も、同様に製造できる。この場合、並んでいる2つの特定粗フランジ部231を、1つの第1金型310の第1斜面310aおよび第2斜面310bで押すことによって曲がり部232を形成すればよい。
以下では、特定粗フランジ部231ではない通常の粗フランジ部230を、粗フランジ部230nと称する場合がある。特定粗フランジ部231と粗フランジ部230nとが前後方向HDに並んでいる場合、曲げ工程ではそれらのうちの特定粗フランジ部231のみに曲がり部232が形成される。その場合、特定粗フランジ部231のみに力が加えられると、粗ウエブ部220と特定粗フランジ部231との境界部分を支点として、粗フランジ部230nが変位するおそれがある。そのような変位を抑制するために、粗フランジ部230nの変位を抑制した状態で曲げ工程を行うことが好ましい。粗フランジ部230nの変形を抑制する方法の一例を、図11の断面図に示す。
図11の断面図は、曲げ工程における変形を開始する前の状態を示す。図示した鍛造品200は、上下方向VDに並んでいる2つの特定粗フランジ部231aおよび231bと、上下方向VDに並んでいる2つの粗フランジ部230nとを含む。2つの粗フランジ部230nは、第3金型330の凹部に嵌合するように配置されている。すなわち、第3金型330には、粗フランジ部230nが嵌合する凹部が形成されている。第3金型330を用いることによって、粗フランジ部230nが変位することを抑制できる。なお、曲げ工程において粗フランジ部230nが変位する場合、粗フランジ部230nは上下方向VDの外側に移動する。そのため、図11に示す第3金型330ではなく、粗フランジ部230nの外側の部分のみを固定する第3金型を用いてもよい。
なお、4つのフランジ部130のうちの1つのみが特定フランジ部131である場合には、1つの斜面を備える第1金型を用いて、特定粗フランジ部231に曲がり部232を形成すればよい。その場合、上述したように、特定粗フランジ部231と前後方向HDに隣接する粗フランジ部230nを固定した状態で曲げ工程を実施することが好ましい。
以下では、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
この実施例では、曲がり部を有する本実施形態のビーム部の剛性と、曲がり部を有さない比較例のビーム部の剛性とをシミュレーションによって評価した。シミュレーションでは、ビーム部のモデルとして、長手方向に垂直な断面形状が一定で長さが100mmのモデルを仮定した。サンプル1および2の物性としては、ヤング率を210GPaと仮定し、ポアソン比を0.293と仮定した。シミュレーションは、有限要素法によって行った。サンプル1およびサンプル2の質量は同じとした。すなわち、長手方向に垂直な断面積は、サンプル1およびサンプル2で同じとした。
本実施形態のサンプル1の断面形状、および、比較例のサンプル2の断面形状を図12に示す。図12に示す断面(長手方向に垂直な断面)において、サンプル1およびサンプル2の断面は左右対称で且つ上下対称である。サンプル2のフランジ部は、ウエブ部の上端および下端から前後方向HDに水平に突出していると仮定した。なお、サンプル2の抜き勾配の角度Q、Q’(図5B参照)は、5°と仮定した。
図12に示すように、図12の断面におけるそれぞれのサンプルの重心CTを原点とするX座標およびY座標を仮定する。X座標のX軸はビーム部の前後方向HDに平行であり、Y座標のY軸はビーム部の上下方向VDに平行である。そして、X座標およびY座標がともに正である領域、すなわち、断面の4分の1について、重心を求めた。サンプル1の重心CG1の位置、および、サンプル2の重心CG2の位置を図12に示す。それらの座標(単位:mm)は、以下の通りであった。
サンプル1の重心CG1:(X,Y)=(22.608,19.973)
サンプル2の重心CG2:(X,Y)=(21.388,22.768)
上記のように、本実施形態のサンプル1の重心CG1のX座標は、比較例のサンプル2の重心CG2のX座標よりも大きかった。このX座標が大きいことによって、前後荷重による曲げ変形に対する断面2次モーメントとねじりに対する極2次モーメントの増大を軽量で行えるという効果が得られる。
サンプル1およびサンプル2について、図13に示すように荷重を加えたときの剛性を、シミュレーションによって求めた。具体的には、2つの端面のうちの一方の端面を拘束し、他方の端面に図13に示す向きの荷重を加えた。図13に示す前後曲げの荷重によって、前後方向の剛性を求めた。図13に示す回転トルクの荷重によって、ねじり剛性を求めた。評価結果を表1に示す。
Figure 0006806241
表1に示すように、本実施形態のサンプル1の前後方向の剛性は、比較例のサンプル2のそれと同等以上であった。さらに、サンプル1のねじり剛性は、サンプル2のそれに比べて大幅に高かった。
以上の結果から明らかなように、曲がり部を有するビーム部を用いることによって、質量が同じで所定の剛性が高いフロントアクスルが得られる。このことは、所定の剛性を低下させることなくフロントアクスルを軽量化できることを示している。このことは、さらに、従来品と同等以下の断面サイズで従来品と同等以上の剛性を実現できる可能性があることを示している。
本発明は、フロントアクスルビームに利用できる。
100:フロントアクスル(フロントアクスルビーム)
110:ビーム部
111:バネ取り付け座
120:ウエブ部
130:フランジ部
131:特定フランジ部
132:曲がり部
150:キングピン取り付け部
210:粗ビーム部
220:粗ウエブ部
230:粗フランジ部
231:特定粗フランジ部
310:第1金型
310a:第1斜面
310b:第2斜面
320:第2金型
330:第3金型
LD:長手方向
HD:前後方向
VD:上下方向

Claims (10)

  1. ビーム部と、前記ビーム部の長手方向の両端にそれぞれ設けられた2つのキングピン取り付け部とを含むフロントアクスルビームの製造方法であって、
    前記ビーム部は、前記長手方向に延びるウエブ部と、前記ウエブ部の上端および下端のそれぞれから前方および後方に突出している4つのフランジ部とを含み、
    前記製造方法は、
    前記ウエブ部となる粗ウエブ部と、前記粗ウエブ部の上端および下端のそれぞれから前方および後方に向かって突出している板状の4つの粗フランジ部とを含む鍛造品を、型を用いて鋼材を鍛造することによって形成する型鍛造工程と、
    前記4つの粗フランジ部のうちの少なくとも1つの特定粗フランジ部を少なくとも1つの第1金型で押すことによって、前記鍛造品の上下方向の内側に向かって曲がっている曲がり部を前記特定粗フランジ部に形成する曲げ工程とを含む、フロントアクスルビームの製造方法。
  2. 前記少なくとも1つの特定粗フランジ部は、前後方向または上下方向に並んでいる第1および第2の特定粗フランジ部を含み、
    前記第1金型は、第1斜面と、前記第1斜面となす角度が180°未満である第2斜面とを含み、
    前記曲げ工程は、前記第1の特定粗フランジ部を前記第1斜面によって押し、かつ、前記第2の特定粗フランジ部を前記第2斜面によって押すことによって行われる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記曲がり部が形成されない前記粗フランジ部と前記特定粗フランジ部とが前後方向に並んでおり、
    前記曲げ工程において、前記曲がり部が形成されない前記粗フランジ部を固定した状態で前記特定粗フランジ部に前記曲がり部を形成する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記少なくとも1つの特定粗フランジ部は、前記第1および第2の特定粗フランジ部と、第3および第4の特定粗フランジ部とからなり、
    前記曲げ工程は、前記第1および第2の特定粗フランジ部を1つの前記第1金型の前記第1斜面および前記第2斜面によって押すと同時に、前記第3の特定粗フランジ部を他の第1金型の前記第1斜面によって押し、かつ、前記第4の特定粗フランジ部を他の第1金型の前記第2斜面によって押すことによって行われる、請求項2に記載の製造方法。
  5. 前記第1の特定粗フランジ部と前記第2の特定粗フランジ部とは、前記鍛造品の上下方向に並んでおり、
    前記曲げ工程は、前記第1金型を前記鍛造品の前後方向に移動させることによって行われる、請求項2または4に記載の製造方法。
  6. 前記曲げ工程は、前記粗ウエブ部の上端から突出する2つの前記粗フランジ部の境界部と、前記粗ウエブ部の下端から突出する2つの前記粗フランジ部の境界部とを、前記上下方向から2つの第2金型によって挟んだ状態で行われる、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記第1の特定粗フランジ部と前記第2の特定粗フランジ部とは、前記鍛造品の前後方向に並んでおり、
    前記曲げ工程は、前記第1金型を前記鍛造品の上下方向に移動させることによって行われる、請求項2または4に記載の製造方法。
  8. 前記曲げ工程は、前記粗ウエブ部の前後方向から前記粗ウエブ部を2つの第2金型によって挟んだ状態で行われる、請求項7に記載の製造方法。
  9. ビーム部と、前記ビーム部の長手方向の両端にそれぞれ設けられた2つのキングピン取り付け部とを含むフロントアクスルビームであって、
    前記ビーム部は、前記長手方向に延びるウエブ部と、前記ウエブ部の上端および下端のそれぞれから前方および後方に突出している4つのフランジ部とを含み、
    前記4つのフランジ部のうちの少なくとも1つは、曲がり部を含む特定フランジ部であり、
    前記曲がり部は、前記曲がり部の端部に近づくほど、前記曲がり部に対向する前記フランジ部に近づくように曲がっており、
    前記曲がり部は、前記特定フランジ部と前記ウエブ部との境界部からの距離が大きくなるほど水平方向に対する傾きが大きくなっている、フロントアクスルビーム。
  10. 前記4つのフランジ部は、前後方向または上下方向に並んでいる2つの前記特定フランジ部を含む、請求項9に記載のフロントアクスルビーム。
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