JP7328545B2 - フロントアクスルビーム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フロントアクスルビーム及びその製造方法に関する。
フロントアクスルビーム(以下、単に「フロントアクスル」ともいう。)は、トラックやバス等の車両に搭載される。フロントアクスルは長尺な部品であり、左右の前輪と車体(シャシー)と接続する重要保安部品である。例えば特開2003-285771号公報(特許文献1)に記載されるように、フロントアクスルは、通常、2つのキングピン取付け部、2つのバネ取付け座部、ビーム部、及び2つのアーム部を備える。キングピン取付け部は、フロントアクスルの両端部にそれぞれ配置される。バネ取付け座部は、キングピン取付け部同士の間に配置される。ビーム部は、バネ取付け座部同士をつなぐ。アーム部は、キングピン取付け部とバネ取付け座部とをつなぐ。
フロントアクスルが車両に搭載されるとき、キングピン取付け部にキングピンが取り付けられ、キングピンに車両の前輪が取り付けられる。バネ取付け座部にはバネが取り付けられ、バネの上に車体が取り付けられる。車両に搭載されたフロントアクスルは、キングピン取付け部で支えられつつ、車重をバネ取付け座部で受ける。
乗り心地の観点から、フロントアクスルには車高方向の曲げ剛性が高いことが要求される。つまり、バネ取付け座部を固定した状態で、キングピン取付け部に車高方向下向きの荷重が加えられたときに、バネ取付け座部とキングピン取付け部との間の車高方向の変位が小さいことが要求される。
また、車両走行中に前輪に急ブレーキが加えられた場合、車体の慣性力がバネ取付け座部に作用する。この慣性力は車長方向前向きの荷重である。この場合、車両が車線を逸脱しないことが必要である。このため、急ブレーキ時の走行安定性の観点から、フロントアクスルには車長方向の曲げ剛性が高いことも要求される。つまり、バネ取付け座部を固定した状態で、キングピン取付け部に車長方向の荷重が加えられたときに、バネ取付け座部とキングピン取付け部との間の車長方向の変位が小さいことも要求される。
フロントアクスルの曲げ剛性を高める手法として、単純には、ビーム部及びアーム部を太くすることが考えられる。しかしながら、この場合、フロントアクスルの重量が大幅に増加する。また、フロントアクスルの周辺には様々な部品が配置されている。ビーム部及びアーム部を太くしてその断面積を大きくした場合、フロントアクスルの設置スペースが拡大する。このため、車両全体が不必要に大きくならざるを得ない。
一般に、車両には燃費性能が求められる。このため、フロントアクスルの重量の増加は可能な限り抑える必要がある。また、上記の通り、フロントアクスルは重要保安部品である。このため、フロントアクスルには高い信頼性が要求される。この点、型鍛造によって製造される鍛造品は、疲労強度及び破壊靭性に優れる。したがって、多くのフロントアクスルは鍛造品である。
鍛造品であるフロントアクスル(以下、「鍛造フロントアクスル」ともいう。)において、従来、ビーム部、バネ取付け座部及びアーム部の各横断面はI字形である。型鍛造時に、鍛造品となる鍛造材を一対の鍛造型から取り出すためである。I字形の横断面を有する、ビーム部、バネ取付け座部及びアーム部は、いずれも、車高方向に沿うウェブ部と、車長方向に沿う2つのフランジ部と、から構成される。フランジ部は、ウェブ部の両側端にそれぞれつながる。I字形の横断面は、ウェブ部及び2つのフランジ部の全体の横断面によって形作られる。
このような鍛造フロントアクスルにおいて、車高方向の曲げ剛性を確保しつつ、車長方向の曲げ剛性を高める手法として、フランジ部の幅(横断面における車長方向の長さ)を大きくすることが考えられる。しかしながら、フランジ部の幅の拡大は、型鍛造による製造上の制約から限界がある。また、フランジ部と周辺部品との干渉を避けるために、フランジ部の幅を無限に拡大することはできない。
特開2003-285771号公報
本発明の1つの目的は、車高方向の曲げ剛性を確保しつつ、車長方向の曲げ剛性を高めることができるフロントアクスルビームを提供することである。また、本発明の他の目的は、そのようなフロントアクスルビームを鍛造品として製造できる製造方法を提供することである。
本発明の実施形態によるフロントアクスルビームは、車両に搭載されるフロントアクスルビームである。当該フロントアクスルビームは、2つのキングピン取付け部と、2つのバネ取付け座部と、ビーム部と、2つのアーム部と、を備える。キングピン取付け部は、相互に車幅方向に間隔をあけて配置される。バネ取付け座部は、相互にキングピン取付け部同士の間で車幅方向に間隔をあけて配置される。ビーム部は、バネ取付け座部同士をつなぐ。アーム部は、相互に車幅方向に間隔をあけて配置される。アーム部は、各々が対応するキングピン取付け部と各々が対応するバネ取付け座部とをつなぐ。ここで、アーム部それぞれはI字形の横断面を有する。バネ取付け座部それぞれはI字形の横断面を有する。ビーム部は、主ビーム部と、2つの軸部と、を含む。主ビーム部は、H字形の横断面を有する。軸部は、各々が主ビームの対応する両端につながる。軸部は、各々が軸回りに捩じられたO字形の横断面を有する。
本発明の実施形態による製造方法は、上記した本実施形態のフロントアクスルビームの製造方法である。当該製造方法は、型鍛造工程と、バリ抜き工程と、捩じり工程と、を含む。型鍛造工程では、バリ付きの鍛造材を得る。バリ付きの鍛造材は、2つのキングピン取付け相当部、各々がI字形の横断面を有する2つのバネ取付け座相当部、ビーム相当部、及び各々がI字形の横断面を有する2つのアーム相当部を備える。バリ付きの鍛造材は、ビーム相当部として、I字形の横断面を有する主ビーム相当部、及び各々が主ビーム相当部の対応する両端につながり、各々がO字形の横断面を有する2つの軸相当部を含む。バリ抜き工程では、上記の鍛造材からバリを除去する。捩じり工程では、キングピン取付け相当部、アーム相当部、及びバネ取付け座相当部に対して、主ビーム相当部を軸相当部の範囲で軸回りに捩じる。
本発明の実施形態によるフロントアクスルビームによれば、車高方向の曲げ剛性を確保しつつ、車長方向の曲げ剛性を高めることができる。また、本実施形態による製造方法によれば、そのようなフロントアクスルビームを鍛造品として製造できる。
図1は、第1実施形態のフロントアクスルの斜視図である。 図2は、機械加工後の第1実施形態のフロントアクスルの斜視図である。 図3は、第1実施形態のフロントアクスルを前方から見たときの正面図である。 図4は、第1実施形態のフロントアクスルを上方から見たときの平面図である。 図5は、図3の線V-Vにおける断面図である。 図6は、図3の線VI-VIにおける断面図である。 図7は、図3の線VII-VIIにおける断面図である。 図8は、図3の線VIII-VIIIにおける断面図である。 図9は、第2実施形態のフロントアクスルを前方から見たときの正面図である。 図10は、第2実施形態のフロントアクスルを上方から見たときの平面図である。 図11は、図9の線XI-XIにおける断面図である。 図12は、第3実施形態のフロントアクスルの製造方法を示すフロー図である。 図13は、型鍛造工程によって得られるバリ付きの鍛造材の模式図である。 図14は、バリ抜き工程後の鍛造材の模式図である。 図15は、捩じり工程前の状況を示す模式図である。 図16は、捩じり工程後の状況を示す模式図である。 図17は、調査で作成したフロントアクスルの解析モデルの車幅方向の半分を示す正面図である。 図18は、調査1で作成したフロントアクスルの解析モデルの状況を示す図である。 図19は、調査1の結果をまとめた図である。 図20は、調査2で作成したフロントアクスルの解析モデルの状況を示す図である。 図21は、調査2の結果をまとめた図である。 図22は、調査2の結果を別の指標でまとめた図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明の実施形態について例を挙げて説明するが、本発明は以下で説明する例に限定されない。以下の説明において特定の数値や特定の材料を例示する場合があるが、本発明はそれらの例示に限定されない。
本実施形態のフロントアクスルビームは、車両に搭載されるフロントアクスルビームである。当該フロントアクスルビームは、2つのキングピン取付け部と、2つのバネ取付け座部と、ビーム部と、2つのアーム部と、を備える。キングピン取付け部は、相互に車幅方向に間隔をあけて配置される。バネ取付け座部は、相互にキングピン取付け部同士の間で車幅方向に間隔をあけて配置される。ビーム部は、バネ取付け座部同士をつなぐ。アーム部は、相互に車幅方向に間隔をあけて配置される。アーム部は、各々が対応するキングピン取付け部と各々が対応するバネ取付け座部とをつなぐ。ここで、アーム部それぞれはI字形の横断面を有する。バネ取付け座部それぞれはI字形の横断面を有する。ビーム部は、主ビーム部と、2つの軸部と、を含む。主ビーム部は、H字形の横断面を有する。軸部は、各々が主ビームの対応する両端につながる。軸部は、各々が軸回りに捩じられたO字形の横断面を有する(第1の構成)。
本明細書において、フロントアクスル及びそれを構成する部位の方向について言及するときは、特に記載がない限り、フロントアクスルを車両に搭載した状態、すなわちフロントアクスルを使用時の向きに配置した状態における方向を意味する。例えば、車高方向は車両の上下方向を意味する。車幅方向は車両の左右方向を意味する。車長方向は車両の前後方向を意味する。本明細書において、フロントアクスルを構成する部位の横断面とは、該当の部位の長手方向(概ね車幅方向)に垂直な断面を意味する。
I字形及びH字形とは、いずれも、ウェブ部及び2つのフランジ部の全体の横断面によって形作られる横断面形状を意味する。I字形の横断面の場合、ウェブ部は車高方向(上下方向)に沿う。この場合のフランジ部は、ウェブ部の上側端及び下側端にそれぞれつながり、車長方向(前後方向)に沿う。一方、H字形の横断面の場合、ウェブ部は車長方向(前後方向)に沿う。この場合のフランジ部は、ウェブ部の前側端及び後側端にそれぞれつながり、車高方向(上下方向)に沿う。いずれの場合も、横断面において、フランジ部の厚み中心線がウェブ部の厚み中心線と交差する。ここで、I字形の横断面の場合、フランジ部の厚み中心線が、横断面の図心を通る鉛直軸と交差する。H字形の横断面の場合、フランジ部の厚み中心線が、横断面の図心を通る水平軸と交差する。
第1の構成のフロントアクスルビームでは、アーム部及びバネ取付け座部の各横断面はI字形であり、ビーム部を主体的に構成する主ビーム部の横断面はH字形である。I字形の横断面を有する、アーム部及びバネ取付け座部は、従来のアーム部及びバネ取付け座部と同様に、車高方向に沿うウェブ部と、車長方向に沿う2つのフランジ部と、から構成される。これに対して、H字形の横断面を有する主ビーム部は、従来のビーム部と異なり、車長方向に沿うウェブ部と、車高方向に沿う2つのフランジ部と、から構成される。材料力学の観点から、I字形の横断面では、縦方向の剛性が高く、横方向の剛性は比較的低い。一方、H字形の横断面では、横方向の剛性が高く、縦方向の剛性は比較的低い。
フロントアクスルにおいて、縦方向の剛性は車高方向の曲げ剛性に対応し、横方向の剛性は車長方向の曲げ剛性に対応する。このため、車高方向の曲げ剛性を確保するためには、縦方向の剛性が高いI字形の横断面が適する。一方、車長方向の曲げ剛性を確保するためには、横方向の剛性が高いH字形の横断面が適する。
第1の構成のフロントアクスルの場合、アーム部及びバネ取付け座部の各横断面はI字形であり、ビーム部を主体的に構成する主ビーム部の横断面はH字形である。このため、各アーム部では、縦方向の剛性、すなわち車高方向の曲げ剛性が高い。さらに、ビーム部を主体的に構成する主ビームでは、横方向の剛性、すなわち車長方向の曲げ剛性が高い。要するに、第1の構成のフロントアクスルでは、車高方向の曲げ剛性の確保に寄与するI字形の横断面の部分(アーム部)と、車長方向の曲げ剛性の確保に寄与するH字形の横断面の部分(主ビーム部)とが共存する。したがって、第1の構成のフロントアクスルによれば、車高方向の曲げ剛性を確保しつつ、車長方向の曲げ剛性を高めることができる。
典型的な例では、第1の構成のフロントアクスルにおいて、ビーム部を構成する上記の軸部それぞれは、各々が対応するバネ取付け座部につながる(第2の構成)。他の典型的な例では、第1の構成のフロントアクスルにおいて、ビーム部は、各々が対応する軸部と各々が対応するバネ取付け座部とをつなぐ2つの副ビーム部を含み、副ビーム部それぞれはI字形の横断面を有する(第3の構成)。
第1~第3の構成のフロントアクスルにおいて、好ましくは、ビーム部を構成する軸部それぞれの車幅方向の長さは、バネ取付け座部同士の間隔の半分の長さの40%以下である(第4の構成)。第4の構成のフロントアクスルの場合、軸部による重量増加を抑えつつ、車長方向の曲げ剛性を向上することができる。軸部の車幅方向の長さの上限は、より好ましくは、バネ取付け座部同士の間隔の半分の長さの30%である。一方、軸部の車幅方向の長さの下限は、特に限定されないが、製造上の観点から、好ましくは、バネ取付け座部同士の間隔の半分の長さの10%である。軸部は捩じられた部分であるため、軸部の車幅方向の長さがあまりに小さければ、軸部に捩じりを与えることが困難になるからである。なお、本明細書において、軸部の車幅方向は、軸部の軸方向(長手方向)を意味する。
本実施形態の製造方法は、上記した本実施形態のフロントアクスルビームの製造方法である。当該製造方法は、型鍛造工程と、バリ抜き工程と、捩じり工程と、を含む。型鍛造工程では、バリ付きの鍛造材を得る。バリ付きの鍛造材は、2つのキングピン取付け相当部、各々がI字形の横断面を有する2つのバネ取付け座相当部、ビーム相当部、及び各々がI字形の横断面を有する2つのアーム相当部を備える。バリ付きの鍛造材は、ビーム相当部として、I字形の横断面を有する主ビーム相当部、及び各々が主ビーム相当部の対応する両端につながり、各々がO字形の横断面を有する2つの軸相当部を含む。バリ抜き工程では、上記の鍛造材からバリを除去する。捩じり工程では、キングピン取付け相当部、アーム相当部、及びバネ取付け座相当部に対して、主ビーム相当部を軸相当部の範囲で軸回りに捩じる(第5の構成)。
第5の構成の製造方法によれば、第1~第4の構成のフロントアクスルを鍛造品として製造できる。
典型的な例では、キングピン取付け相当部、アーム相当部、及びバネ取付け座相当部に対する主ビーム相当部の捩じれ角度は90°である。ただし、捩じれ角度は厳密な90°のみならず、90°からの多少のずれ(例:90°±45°、好ましくは90°±10°、より好ましくは90°±5°)を含む。
以下に、図面を参照しながら、本実施形態のフロントアクスルビーム及びその製造方法の具体例を説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態では、本実施形態のフロントアクスルビームの一例を説明する。図1~図8は、第1実施形態のフロントアクスルビーム1の模式図である。これらの図のうち、図1は機械加工前のフロントアクスル1の斜視図を示す。図2は機械加工後のフロントアクスル1の斜視図を示す。図3は、フロントアクスル1を前方から見たときの正面図を示す。図4は、フロントアクスル1を上方から見たときの平面図を示す。図3及び図4には、機械加工前のフロントアクスル1の形状が示される。図5は、図3の線V-Vにおける断面図を示す。この図5には、アーム部5の横断面が示される。図6は、図3の線VI-VIにおける断面図を示す。この図6には、ビーム部4を構成する主ビーム部41の横断面が示される。図7は、図3の線VII-VIIにおける断面図を示す。この図7には、ビーム部4を構成する軸部42の横断面が示される。図8は、図3の線VIII-VIIIにおける断面図を示す。この図8には、バネ取付け座部3の横断面が示される。これらの図及び以下で説明する図には、車幅方向WD、車長方向LD、及び車高方向HDを示す場合がある。なお、フロントアクスル1の構造の理解を容易にするために、図3には、車両の左右の前輪70を示している。
図1~図4を参照して、フロントアクスル1は、車幅方向WDの中央を中心に概ね対称の形状を有し、且つ、全体としては概ね弓形の形状を有する。フロントアクスル1は、2つのキングピン取付け部2と、2つのバネ取付け座部3と、ビーム部4と、2つのアーム部5と、を含む。
キングピン取付け部2は、フロントアクスル1の両端部にそれぞれ配置される。つまり、キングピン取付け部2は、相互に車幅方向WDに間隔をあけて配置される。キングピン取付け部2には、機械加工によって、キングピンが取り付けられる貫通孔2cが形成される(図2参照)。キングピン取付け部2には、キングピンを介して前輪70が接続される(図3参照)。
バネ取付け座部3は、キングピン取付け部2同士の間に配置される。バネ取付け座部3は、相互に車幅方向WDに間隔をあけて配置される。バネ取付け座部3は、フロントアクスル1の車幅方向WDの中央を中心に対称な位置に配置される。バネ取付け座部3は、キングピン取付け部2よりも低い位置(車高方向下方の位置)に配置される。バネ取付け座部3には、機械加工によって、バネ取付け面3cが形成される(図2参照)。バネ取付け面3cにバネ(図示省略)が取り付けられ、バネの上に車体が取り付けられる。ここで、バネは、複数のボルトによりバネ取付け面3cに固定される。このため、バネ取付け面3cには、機械加工によって、複数のボルト穴3dが形成される(図2参照)。
ビーム部4は、バネ取付け座部3同士をつなぐ。アーム部5は、相互に車幅方向WDに間隔をあけて配置される。アーム部5は、キングピン取付け部2とバネ取付け座部3とをつなぐ。アーム部5は、バネ取付け座部3に向けて斜め下方に延びるドロップ部を含む。
図5を参照して、アーム部5はI字形の横断面を有する。つまり、アーム部5の横断面はI字形である。具体的には、アーム部5は、車高方向HDに沿うウェブ部5aと、車長方向LDに沿う2つのフランジ部5bと、から構成される。フランジ部5bの厚みは、ウェブ部5aから遠ざかるにつれて小さくなっている。型鍛造によって成形されたためである。アーム部5のI字形の横断面は、ウェブ部5a及び2つのフランジ部5bの全体の横断面によって形作られる。
図8を参照して、バネ取付け座部3はI字形の横断面を有する。つまり、バネ取付け座部3の横断面は、アーム部5の横断面と同様に、I字形である。具体的には、バネ取付け座部3は、車高方向HDに沿うウェブ部3aと、車長方向LDに沿う2つのフランジ部3bと、から構成される。バネ取付け座部3のウェブ部3aは、アーム部5のウェブ部5aと連続する。バネ取付け座部3のフランジ部3bは、アーム部5のフランジ部5bと連続する。フランジ部3bの厚みは、ウェブ部3aから遠ざかるにつれて小さくなっている。型鍛造によって成形されたためである。バネ取付け座部3のI字形の横断面は、ウェブ部3a及び2つのフランジ部3bの全体の横断面によって形作られる。
図1~図4を参照して、ビーム部4は、主ビーム部41と、2つの軸部42と、を含む。主ビーム部41は、フロントアクスル1の車幅方向WDの中央を含み、ビーム部4を主体的に構成する。軸部42は主ビーム部41の両端にそれぞれ設けられる。つまり、軸部42は、主ビーム部41の両端にそれぞれつながる。本実施形態では、軸部42はバネ取付け座部3につながる。
図6を参照して、主ビーム部41は、H字形の横断面を有する。つまり、主ビーム部41の横断面はH字形である。具体的には、主ビーム部41は、車長方向LDに沿うウェブ部41aと、車高方向HDに沿う2つのフランジ部41bと、から構成される。フランジ部41bの厚みは、ウェブ部41aから遠ざかるにつれて小さくなっている。型鍛造によって成形されたためである。主ビーム部41のH字形の横断面は、ウェブ部41a及び2つのフランジ部41bの全体の横断面によって形作られる。
図7を参照して、軸部42それぞれはO字形の横断面を有する。つまり、軸部42の横断面はO字形である。別の観点では、軸部42の横断面は円形である。ここで言う円形とは、真円形のみならず、多少変形した円形(例:楕円形)も含む。軸部42の横断面形状は、主ビーム部41及びバネ取付け座部3のうちの大きい方の横断面の輪郭と外接するO字形(例:外接円)である。軸部42は軸回りに捩じられている。
図3を参照して、軸部42の車幅方向WDの長さLbは、バネ取付け座部3同士の間隔の半分の長さLの40%以下である。ここで言うバネ取付け座部3同士の間隔とは、一方のバネ取付け座部3の車幅方向WD内側の端から他方のバネ取付け座部3の車幅方向WD内側の端までの距離を意味する。別の観点では、バネ取付け座部3同士の間隔とは、ビーム部4の全長を意味する。したがって、バネ取付け座部3同士の間隔の半分の長さLは、ビーム部4の全長の半分の長さとも言える。
このように本実施形態のフロントアクスル1の場合、アーム部5及びバネ取付け座部3の各横断面はI字形であり、ビーム部4を主体的に構成する主ビーム部41の横断面はH字形である。このため、アーム部5では、車高方向HDの曲げ剛性(横断面における縦方向の剛性)が高い。さらに、ビーム部4を主体的に構成する主ビーム部41では、横方向の剛性、すなわち車長方向LDの曲げ剛性(横断面における横方向の剛性)が高い。要するに、本実施形態のフロントアクスル1では、車高方向HDの曲げ剛性の確保に寄与するI字形の横断面の部分(アーム部5)と、車長方向LDの曲げ剛性の確保に寄与するH字形の横断面の部分(主ビーム部41)とが共存する。したがって、本実施形態のフロントアクスル1によれば、車高方向HDの曲げ剛性を確保しつつ、車長方向LDの曲げ剛性を高めることができる。
また、軸部42の車幅方向WDの長さLbは、バネ取付け座部3同士の間隔の半分の長さLの40%以下である。このため、軸部42による重量増加を抑えつつ、車長方向LDの曲げ剛性を向上することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、本実施形態のフロントアクスルビームの他の一例を説明する。図9~図11は、第2実施形態のフロントアクスルビーム1の模式図である。これらの図のうち、図9はフロントアクスル1を前方から見たときの正面図を示す。図10は、フロントアクスル1を上方から見たときの平面図を示す。図9及び図10には、機械加工前のフロントアクスル1の形状が示される。図11は、図9の線XI-XIにおける断面図を示す。この図11には、ビーム部4を構成する副ビーム部43の横断面が示される。なお、フロントアクスル1の構造の理解を容易にするために、図9には、車両の左右の前輪70を示している。第2実施形態のフロントアクスル1は、第1実施形態のフロントアクスル1を変形したものである。以下、第1実施形態のフロントアクスル1と重複する構成についての説明は適宜省略する。後述する実施形態でも同様とする。
図9及び図10を参照して、ビーム部4は、主ビーム部41と、2つの軸部42と、2つの副ビーム部43と、を含む。副ビーム部43は、軸部42とバネ取付け座部3との間に設けられる。つまり、副ビーム部43は、軸部42とバネ取付け座部3とをつなぐ。
図11を参照して、副ビーム部43はI字形の横断面を有する。つまり、副ビーム部43の横断面は、アーム部5及びバネ取付け座部3の各横断面と同様に、I字形である。具体的には、副ビーム部43は、車高方向HDに沿うウェブ部43aと、車長方向LDに沿う2つのフランジ部43bと、から構成される。副ビーム部43のウェブ部43aは、バネ取付け座部3のウェブ部3aと連続する。副ビーム部43のフランジ部43bは、バネ取付け座部3のフランジ部3bと連続する。フランジ部43bの厚みは、ウェブ部43aから遠ざかるにつれて小さくなっている。型鍛造によって成形されたためである。副ビーム部43のI字形の横断面は、ウェブ部43a及び2つのフランジ部43bの全体の横断面によって形作られる。
本実施形態の場合、軸部42の横断面形状は、主ビーム部41及び副ビーム部43のうちの大きい方の横断面の輪郭と外接するO字形(例:外接円)である。
[第3実施形態]
第3実施形態では、本実施形態のフロントアクスルビームの製造方法の一例を説明する。図12は、第3実施形態のフロントアクスルビームの製造方法を示すフロー図である。図12を参照して、本実施形態の製造方法は、型鍛造工程(#5)と、バリ抜き工程(#10)と、捩じり工程(#15)と、を含む。これらの工程は一連に行われる。いずれの工程も熱間加工である。
図13は、型鍛造工程によって得られるバリ102付きの鍛造材101の模式図である。図14は、バリ抜き工程後の鍛造材111の模式図である。図15は、捩じり工程前の状況を示す模式図である。図16は、捩じり工程後の状況を示す模式図である。これらの図は、フロントアクスル1を前方から見たときの正面図を示す。これらの図には、第1実施形態のフロントアクスル1を製造する場合の例が示される。
図13を参照して、型鍛造工程(#5)では、バリ102を有する鍛造材101を得る。型鍛造工程は、一対の鍛造型(図示省略)によって行われる。鍛造方向は、図13の紙面に垂直な方向である。つまり、一対の鍛造型のうちの一方の鍛造型が図13の紙面の奥に配置され、他方の鍛造型が図13の紙面の手前に配置される。
バリ102付きの鍛造材101は、2つのキングピン取付け相当部112、2つのバネ取付け座相当部113、ビーム相当部114、及び2つのアーム相当部115を含む。ビーム相当部114は、バネ取付け座相当部113同士をつなぐ。アーム相当部115は、キングピン取付け相当部112とバネ取付け座相当部113とをつなぐ。
キングピン取付け相当部112は、フロントアクスル1のキングピン取付け部2となる部分である。キングピン取付け相当部112は、キングピン取付け部2と同一の形状を有する。
アーム相当部115は、フロントアクスル1のアーム部5となる部分である。アーム相当部115の横断面はI字形である。アーム相当部115は、アーム部5と同一の形状を有する。
バネ取付け座相当部113は、フロントアクスル1のバネ取付け座部3となる部分である。バネ取付け座相当部113の横断面は、アーム相当部115と同様に、I字形である。バネ取付け座相当部113は、バネ取付け座部3と同一の形状を有する。
バリ102付きの鍛造材101は、ビーム相当部114として、主ビーム相当部141、及び軸相当部142を含む。主ビーム相当部141は、フロントアクスル1の主ビーム部41となる部分である。主ビーム相当部141の横断面は、アーム相当部115及びバネ取付け座相当部113と同様に、I字形である。つまり、主ビーム相当部141の横断面形状は、主ビーム部41の横断面形状(H字形)とは異なる。ただし、主ビーム相当部141の横断面形状は、90°回転すれば、主ビーム部41の横断面形状と同じである。
軸相当部142は、フロントアクスル1の軸部42となる部分である。軸相当部142の横断面はO字形である。軸相当部142は、軸部42と同一の形状を有する。軸相当部142は、主ビーム相当部141の両端にそれぞれつながる。本実施形態では、軸相当部142は、バネ取付け座相当部113につながる。
なお、型鍛造工程の被加工材となる鋼材は、通常、型鍛造に適した形状を有する。そのような鋼材は、出発材料であるビレットを予備成形工程で予備成形することによって形成できる。すなわち、鋼材は、予備成形品であってもよい。予備成形工程に限定はなく、公知の予備成形工程を適用してもよい。例えば、予備成形工程は、ビレットを絞る工程や、曲げ打ち工程を含んでもよいし、機械加工工程を含んでもよい。予備成形工程には熱間加工を用いることもできる。
次に、バリ抜き工程(#10)では、バリ102付きの鍛造材101からバリ102を除去する。バリ抜き工程では、鍛造材101を一対の金型(図示省略)によって保持して、刃物型(図示省略)によって、バリ102を除去する。これにより、図14に示すように、バリ無しの鍛造材111が得られる。
次に、捩じり工程(#15)では、キングピン取付け相当部112、アーム相当部115、及びバネ取付け座相当部113に対して、主ビーム相当部141を軸相当部142の範囲で軸回りに90°捩じる。具体的には、図15を参照して、捩じり工程は、一対の第1捩じり型61、一対の第2捩じり型62、及び一対の第3捩じり型63によって行われる。バリ無しの鍛造材111の長手方向(車幅方向)に沿って、一対の第2捩じり型62、一対の第1捩じり型61、及び一対の第3捩じり型63がこの順に配置される。一対の第1捩じり型61のうちの一方の第1捩じり型61が図15の紙面の奥に配置され、他方の第1捩じり型が図15の紙面の手前に配置される。一対の第2捩じり型62、及び一対の第3捩じり型63も、一対の第1捩じり型61と同様に配置される。
第1捩じり型61は、バリ無しの鍛造材111の主ビーム相当部141を保持する。第2捩じり型62は、バリ無しの鍛造材111の一方のキングピン取付け相当部112、一方のアーム相当部115、及び一方のバネ取付け座相当部113を保持する。第3捩じり型63は、バリ無しの鍛造材111の他方のキングピン取付け相当部112、他方のアーム相当部115、及び他方のバネ取付け座相当部113を保持する。バリ無しの鍛造材111の軸相当部142は、第1捩じり型61によって緩く保持される。バリ無しの鍛造材111の軸相当部142は、第2捩じり型62又は第3捩じり型63によって、緩く保持されてもよい。
一対の捩じり型61、62、及び63それぞれによる保持後、第1捩じり型61が軸相当部142の軸を中心に45°回転する。第1捩じり型61の回転とともに、第2捩じり型62及び第3捩じり型63が軸相当部142の軸を中心に第1捩じり型61の回転方向とは逆向きに45°回転する。これにより、軸相当部142が軸回りに90°捩じられる。つまり、キングピン取付け相当部112、アーム相当部115、及びバネ取付け座相当部113に対して、主ビーム相当部141が軸相当部142の範囲で軸回りに90°捩じられる。このようにして、図16に示すように、本実施形態のフロントアクスル1が得られる。したがって、本実施形態の製造方法によれば、本実施形態のフロントアクスル1を鍛造品として製造できる。
本実施形態のフロントアクスル1は、車両に搭載される。その際、機械加工によって、キングピン取付け部2に貫通孔2cが形成される。さらに、機械加工によって、バネ取付け座部3にバネ取付け面3c及びボルト穴3dが形成される。また、ビーム部4を構成する軸部42に機械加工を施してもよい。この場合、例えば、軸部42の上部をバネ取付け面3cと同じ高さ又はその高さ以下まで切削する。
第2実施形態のフロントアクスル1を製造する場合は、ビーム相当部114として、さらに2つの副ビーム相当部を設ければよい。副ビーム相当部は、フロントアクスル1の副ビーム部43となる部分である。副ビーム相当部の横断面は、アーム相当部115、バネ取付け座相当部113及び主ビーム相当部141と同様に、I字形である。副ビーム相当部は、副ビーム部43と同一の形状を有する。この場合、捩じり工程において、一方の副ビーム相当部が第2捩じり型62によって保持され、他方の副ビーム相当部が第3捩じり型63によって保持される。
FEM解析により、フロントアクスルの車長方向の曲げ剛性及びその車高方向の曲げ剛性を調査した。車高方向の曲げ剛性を評価するために、バネ取付け座部を固定した状態で、キングピン取付け部に車高方向上向きの荷重を加えた。その際、バネ取付け座部とキングピン取付け部との間の車高方向(上下方向)の変位を計測した。車長方向の曲げ剛性を評価するために、バネ取付け座部を固定した状態で、キングピン取付け部に車長方向前向きの荷重を加えた。その際、バネ取付け座部とキングピン取付け部との間の車長方向(前後方向)の変位を計測した。各剛性は、(荷重)/(変位量)[単位:N/mm]で表さる。つまり、変位量が小さいほど剛性が高い。このため、変位量を剛性として評価した。また、重量も評価した。
調査にあたり、ビーム部の横断面形状を種々変更した解析モデルを作成した。図17は、調査で作成したフロントアクスル1の解析モデルの車幅方向の半分を示す正面図である。
[調査1]
図17を参照して、調査1では、ビーム部4において、O字形の横断面を有する軸部42の長さLbを一定とし、H字形の横断面を有する主ビーム部41の長さLc、及びI字形の横断面を有する副ビーム部43の長さLaを種々変更した。また、比較例として、従来のフロントアクスルを想定して、ビーム部4の全域をI字形の横断面とした。
図18は、調査1で作成したフロントアクスルの解析モデルの状況を示す図である。図18には、バネ取付け座部3同士の間隔の半分の長さL、すなわちビーム部4の全長の半分の長さを100%としたときの、各横断面形状(I字形、O字形及びH字形)の長さの割合が示される。例えば、試験番号A-1では、O字形及びH字形の各横断面が存在するが、I字形の横断面が存在しなかった。つまり、試験番号A-1では、ビーム部4が主ビーム部41及び軸部42から構成された。試験番号A-1は上記の第1実施形態のフロントアクスルに対応する。また、試験番号A-2~A-5では、O字形及びH字形の各横断面のみならず、I字形の横断面も存在した。つまり、試験番号A-2~A-5では、ビーム部4が主ビーム部41、軸部42及び副ビーム部43から構成された。試験番号A-2~A-5は上記の第2実施形態のフロントアクスルに対応する。
図19は、調査1の結果をまとめた図である。図19には、比較例の結果を100%としたときの、各結果(車高方向の曲げ剛性(上下曲げ剛性)、車長方向の曲げ剛性(前後曲げ剛性)及び重量)の割合が示される。図19より下記のことが示される。
H字形の横断面を有する主ビーム部41の長さが大きいほど、車長方向の曲げ剛性(前後曲げ剛性)が高まる。つまり、車長方向の曲げ剛性を高めるには、ビーム部4の全長に対して主ビーム部41の長さの割合を大きくすればよい。また、I字形の横断面を有する副ビーム部43の長さが小さいほど、車長方向の曲げ剛性が高まる。つまり、車長方向の曲げ剛性を高めるには、ビーム部4の全長に対して副ビーム部43の長さの割合を小さくすればよい。特に、試験番号A-1のように副ビーム部43が存在せず、主ビーム部41が広範囲に存在すれば、車長方向の曲げ剛性が顕著に高まる。
ビーム部4が、H字形の横断面を有する主ビーム部41、及びO字形の横断面を有する軸部42を含む場合、車高方向の曲げ剛性(上下曲げ剛性)は、ビーム部4の全域がI字形の横断面を有するものと変わらない。また、重量は、ビーム部4の全域がI字形の横断面を有するものと比較して、やや増加する程度である。
[調査2]
上記の図17を参照して、調査2では、ビーム部4において、O字形の横断面を有する軸部42の長さLb、H字形の横断面を有する主ビーム部41の長さLc、及びI字形の横断面を有する副ビーム部43の長さLaを種々変更した。なお、調査2では、軸部42の長さLbを変更したとき、主ビーム部41の長さLcと副ビーム部43の長さLaとを同じにした。
図20は、調査2で作成したフロントアクスルの解析モデルの状況を示す図である。図20には、上記の図18と同様の指標が示される。例えば、試験番号B-1では、H字形及びI字形の各横断面の存在領域が最も大きかった。換言すれば、O字形の横断面の存在領域が最も小さかった。この場合、軸部42の長さLbは、バネ取付け座部3同士の間隔の半分の長さLの5%であった。試験番号B-7では、H字形及びI字形の各横断面の存在領域が最も小さかった。換言すれば、O字形の横断面の存在領域が最も大きかった。この場合、軸部42の長さLbは、バネ取付け座部3同士の間隔の半分の長さLの80%であった。また、試験番号B-4では、軸部42の長さLbは、バネ取付け座部3同士の間隔の半分の長さLの40%であった。
図21は、調査2の結果をまとめた図である。図21には、調査1の比較例の結果を100%としたときの、各結果(車高方向の曲げ剛性(上下曲げ剛性)、車長方向の曲げ剛性(前後曲げ剛性)及び重量)の割合が示される。図21より下記のことが示される。
O字形の横断面を有する軸部42の長さが大きいほど、車長方向の曲げ剛性(前後曲げ剛性)が高まる。一方、車高方向の曲げ剛性(上下曲げ剛性)はほとんど変化しない。また、O字形の横断面を有する軸部42の長さが大きいほど、重量が大きくなる。
図22は、調査2の結果を別の指標でまとめた図である。図22において、横軸は重量倍率を示し、縦軸は剛性倍率を示す。重量倍率とは、調査1の比較例の重量を1.0としたときの、各重量の割合を意味する。剛性倍率とは、調査1の比較例の剛性を1.0としたときの、各剛性(車高方向の曲げ剛性(上下曲げ剛性)及び車長方向の曲げ剛性(前後曲げ剛性))の割合を意味する。図22より下記のことが示される。
図22において、左側にプロットされ、かつ上側にプロットされるものが、重量の増加が抑えられつつ、剛性がより高いものであることを意味する。このため、図22において、破線よりも左側にプロットされるものがより望ましいものと言える。これに該当するものは、試験番号B-1~B-4である。したがって、軸部42の長さLbは、バネ取付け座部3同士の間隔の半分の長さLの40%以下であることが望ましい。
その他、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、フロントアクスルビームに有効に利用できる。
1:フロントアクスルビーム
2:キングピン取付け部
3:バネ取付け座部
4:ビーム部
5:アーム部
41:主ビーム部
42:軸部
43:副ビーム部
101:バリ付きの鍛造材
111:バリ無しの鍛造材
112:キングピン取付け相当部
113:バネ取付け座相当部
114:ビーム相当部
115:アーム相当部
141:主ビーム相当部
142:軸相当部
61:第1捩じり型
62:第2捩じり型
63:第3捩じり型
WD:車幅方向
LD:車長方向
HD:車高方向

Claims (5)

  1. 車両に搭載されるフロントアクスルビームであって、
    当該フロントアクスルビームは、
    相互に車幅方向に間隔をあけて配置される2つのキングピン取付け部と、
    相互に前記キングピン取付け部同士の間で車幅方向に間隔をあけて配置される2つのバネ取付け座部と、
    前記バネ取付け座部同士をつなぐビーム部と、
    相互に車幅方向に間隔をあけて配置され、各々が対応する前記キングピン取付け部と各々が対応する前記バネ取付け座部とをつなぐ2つのアーム部と、を備え、
    前記アーム部それぞれはI字形の横断面を有し、
    前記バネ取付け座部それぞれはI字形の横断面を有し、
    前記ビーム部は、
    H字形の横断面を有する主ビーム部と、
    各々が前記主ビームの対応する両端につながり、各々が軸回りに捩じられたO字形の横断面を有する2つの軸部と、を含む、フロントアクスルビーム。
  2. 請求項1に記載のフロントアクスルビームであって、
    前記軸部それぞれは、各々が対応する前記バネ取付け座部につながる、フロントアクスルビーム。
  3. 請求項1に記載のフロントアクスルビームであって、
    前記ビーム部は、各々が対応する前記軸部と各々が対応する前記バネ取付け座部とをつなぐ2つの副ビーム部を含み、
    前記副ビーム部それぞれはI字形の横断面を有する、フロントアクスルビーム。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のフロントアクスルビームであって、
    前記軸部それぞれの車幅方向の長さは、前記バネ取付け座部同士の間隔の半分の長さの40%以下である、フロントアクスルビーム。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のフロントアクスルビームの製造方法であって、
    当該製造方法は、
    2つのキングピン取付け相当部、各々がI字形の横断面を有する2つのバネ取付け座相当部、ビーム相当部、及び各々がI字形の横断面を有する2つのアーム相当部を備え、前記ビーム相当部として、I字形の横断面を有する主ビーム相当部、及び各々が前記主ビーム相当部の対応する両端につながり、各々がO字形の横断面を有する2つの軸相当部を含む、バリ付きの鍛造材を得る型鍛造工程と、
    前記鍛造材から前記バリを除去するバリ抜き工程と、
    前記キングピン取付け相当部、前記アーム相当部、及び前記バネ取付け座相当部に対して、前記主ビーム相当部を前記軸相当部の範囲で軸回りに捩じる捩じり工程と、を含む、フロントアクスルビームの製造方法。
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