JP6803192B2 - 工作機械 - Google Patents
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Description
さらに、特許文献2に記載の発明では、繰り返し加工を行う場合に、前回の正常な加工を行った際の駆動力と、今回の加工において実測した駆動力とを比較することにより、異常な加工を検出するようになっている。
加えて、近年では、回転軸の駆動力の他、工作機械の各部に振動センサやAEセンサを取り付けたり、変位センサを採用したりすることによって、工作機械上で発生する現象を一層明確に測定しようとする試みがなされている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記抽出位相における前記現象の値の算出に前記情報を利用するにあたり、当該情報に関連づけられている前記回転位相と前記抽出位相との差が所定のしきい値以下であることをもって利用することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記抽出位相における前記現象の値の算出に情報Aを利用するにあたり、前記情報Aに関連づけられている回転位相Aと、前記現象の1周期分の変化を作成する際に、回転位相Aと位相が最も近くなる情報Bに関連づけられている回転位相Bとの位相差が所定のしきい値以下であることをもって、前記情報Aを利用することを特徴とする。
したがって、たとえば主軸の駆動負荷の変化といった高速で変化する現象について、従来よりも長いサンプリング周期で測定するにも拘わらず、有用な測定結果を得ることができ、コスト低減を図ることができる。また、従来では変化の周期が速すぎて技術的に困難であった現象についても測定することができる。さらに、抽出サンプリング周期といった一定周期で測定したかの如き変化を作成することができるため、測定の周期が不等なデータと比較して周波数分解が行いやすい等、使い勝手の良いデータを得ることができる。
また、請求項2及び3に記載の発明によれば、現象の値の算出に利用する情報に関して、種々のしきい値を設定しているため、一層精度の高いデータを得ることができる。
工作機械20は、所謂マシニングセンタであって、主軸装置11と制御装置12とを有する。主軸装置11の主軸頭3には、回転軸となる主軸2や、主軸2を回転させるための駆動装置(図示せず)等が備えられており、主軸2の先端には、工具を備えた工具ホルダ1が装着可能となっている。また、主軸頭3を始めとする主軸装置11の主要構成部品には、主軸2の駆動力を測定するためのセンサ(たとえば、駆動装置の所要電力を測定するセンサ)や、主軸装置11に生じる振動を測定するためのセンサ等が取り付けられている。一方、制御装置12は、主軸2の動作を制御するとともに、主軸装置11の状態や主軸装置11での加工を診断するためのものであって、上記各種センサに接続され、主軸装置11における種々の情報を測定し記録する測定記録部4、測定記録部4に記録される測定データについてのしきい値を設定する設定部5、及び種々の演算処理を行う演算部6を備えている。
制御装置12は、主軸2の駆動負荷の変化を測定するにあたり、まず抽出サンプリング周期STgtを設定する(S1)。抽出サンプリング周期とは、サンプリング周期STで測定された測定値をもとにして波形を作成するにあたり、その測定値の抽出に係る周期である。つまり、主軸2の回転数Rspd=600min−1であると、主軸2の駆動負荷は10Hzの振動(1secで10周期)として現れるため、1周期毎に10点でサンプリングしたような波形の作成を考えると、抽出サンプリング周期STgt=10msecと設定することになる。
加えて、想定される入力成分における最大周波数成分fmaxを基準にしてしきい値を算出したり、その最大周波数成分fmaxを、アンチエリアシングフィルタのカットオフ周波数と測定器の時間精度との何れか、若しくは、それらの組み合わせとしたり、測定対象の駆動周期Rspdと検出したい分割数pとの積を用いて算出したりすることで、補間に利用する測定値の抽出を一層有効に行うことができ、極めて精度の高いデータを得ることができる。
また、上記実施形態では、周期的に変化する現象として主軸の駆動負荷を挙げているが、これに限定されることはなく、たとえば送り軸といった他の駆動軸の駆動負荷であってもよいし、回転軸装置に発生する振動、変位、温度等であってもよい。具体的に例示すると、送り軸(回転軸)に振動センサ(センサ)を取り付け、送り軸を一定速度で回転させて移動体を移動させる際の振動を測定してもよい。このような測定結果を得ることで、送り軸移動に係るベアリングやボールねじの状態を診断することができる。
加えて、抽出位相SPn(n=1、2・・|ST/STgt」)の算出結果に対して、サンプリング周期STで測定・記録した測定値の回転位相に関し、当該回転位相が内挿条件を条件を満たすか否かの検証を行うことで測定時間を決定することができる。そこで、周期的な現象の測定に必要な測定時間を決定した上で、抽出位相SPn(n=1、2・・|ST/STgt」)で算出される1周期分の波形を作成するために必要な全ての抽出位相を満たせるようにサンプリング周期STgtを設定することで、最短時間で測定を行うことができ、時間変化による影響を少なくすることも可能である。
Claims (3)
- 回転軸を備えた回転軸装置と、前記回転軸装置に取り付けられ、前記回転軸の回転に同期して前記回転軸装置に周期的に発生する現象に係る情報を取得するセンサと、前記回転軸装置の動作を制御するとともに、前記センサを介して前記情報を取得する制御装置とを備えており、
前記制御装置が、所定のサンプリング周期で前記センサを介して前記情報を取得するとともに、取得した前記情報と前記回転軸の回転位相とを関連づけ、前記回転軸の複数回の回転にわたって取得した前記情報をもとに前記現象の1周期分の変化を作成する工作機械であって、
前記制御装置に、前記1周期分の変化の作成に係るサンプリング周期である抽出サンプリング周期が設定されており、
前記制御装置は、前記抽出サンプリング周期で前記現象の変化をサンプリングすると仮定した際に、その各サンプリング時の位相である抽出位相を算出し、前記情報を利用して前記抽出位相における前記現象の値を算出しており、
前記回転軸の複数回の回転にわたって取得した前記情報を重ね合わせて前記現象の1周期分の変化の近似波形を作成した上で、算出した前記現象の値を内挿することにより、前記現象の1周期分の変化を作成することを特徴とする工作機械。 - 前記抽出位相における前記現象の値の算出に前記情報を利用するにあたり、当該情報に関連づけられている前記回転位相と前記抽出位相との位相差が所定のしきい値以下であることをもって利用することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
- 前記抽出位相における前記現象の値の算出に情報Aを利用するにあたり、前記情報Aに関連づけられている回転位相Aと、前記現象の1周期分の変化を作成する際に、回転位相Aと位相が最も近くなる情報Bに関連づけられている回転位相Bとの位相差が所定のしきい値以下であることをもって、前記情報Aを利用することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
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JP2016203685A JP6803192B2 (ja) | 2016-10-17 | 2016-10-17 | 工作機械 |
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Family Applications (1)
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