JP6801641B2 - インダクタ部品 - Google Patents

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Description

本開示は、インダクタ部品に関する。
従来、電子部品は、種々の電子機器に搭載されている。その電子部品の1つとして、例えば積層型のインダクタ部品が知られている(例えば、特許文献1参照)。積層型のインダクタ部品は、複数の絶縁体層を積層された素体と、絶縁体層の主面上で巻回されたコイル導体層とを備える。
特許第5821535号公報
ところで、上述のインダクタ部品は、その製造工程において、絶縁層とコイル導体層との間でデラミネーションやクラック等の内部欠陥が生じる虞があり、歩留まりが低下する虞がある。
本開示の目的は、内部欠陥の発生を抑制することにある。
本開示の一態様であるインダクタ部品は、複数の絶縁層が積層された素体と、前記絶縁層の主面上で巻回されたコイル導体層と、を備え、前記コイル導体層は、硫黄を含む。
この構成によれば、内部欠陥の発生を抑制できる。
上記のインダクタ部品において、前記コイル導体層における前記硫黄の含有量は、1atm%以下であることが好ましい。
この構成によれば、インダクタ部品の特性や強度、信頼性への影響を低減できる。
上記のインダクタ部品において、前記コイル導体層と接続され、前記素体から露出する外部電極をさらに備え、前記複数の絶縁層の積層方向の両端にある面の少なくとも1面には前記外部電極が露出していないことが好ましい。
この構成によれば、インダクタ部品のQ値が向上する構成を可能とできる。
上記のインダクタ部品において、前記コイル導体層は複数存在し、前記複数のコイル導体層が電気的に直列に接続されることにより、前記複数の絶縁体層の積層方向に沿って進行する螺旋状のコイルを構成することが好ましい。
この構成によれば、小型化を実現できる積層型のインダクタ部品を構成できる。
上記のインダクタ部品において、前記コイル導体層の前記絶縁層の主面上における巻回数は、1周未満であることが好ましい。
この構成によれば、コイル導体層の内径を大きくとることができ、コイル導体層の線路長に対するインダクタンスの取得効率が向上する。
上記のインダクタ部品において、前記外部電極は、前記素体に埋め込まれた外部導体層を有し、前記外部導体層は、前記素体の表面のうち、前記積層方向と直交する方向にある面にのみ露出していることが好ましい。
この構成によれば、コイル導体層の内径側を通過する磁束が、外部導体層に遮られにくい。また、インダクタ部品を回路基板に実装した場合に、上記磁束は回路基板の主面と平行となり、回路基板上の回路配線に遮られにくい。したがって、インダクタ部品のQ値を向上できる。
上記のインダクタ部品において、前記素体は直方体状であり、前記外部導体層は、前記素体の表面のうち、前記積層方向と直交する方向にある2面にのみ露出していることが好ましい。
この構成によれば、コイル導体層の外周側を通過する磁束が、外部導体層に遮られる割合を低減することができ、インダクタ部品のQ値を向上できる。
本開示の一態様によれば、内部欠陥の発生を抑制できる。
インダクタ部品の外観を示す概略斜視図。 インダクタ部品の構成を示す概略平面図。 インダクタ部品の構成を示す概略正面図。 焼成温度と体積変化率を示す特性図。 外部導体層を示す概略断面図。 (a)(b)は、内部導体の断面を示す写真。
以下、本開示の一態様である実施形態を説明する。
なお、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、または別の図面中のものと異なる場合がある。また、断面図では、理解を容易にするためにハッチングを付しているが、一部の構成要素についてはハッチングを省略している場合がある。
図1に示すように、インダクタ部品1は、素体10を備えている。素体10は、概略で直方体状である。なお、本明細書において、「直方体状」には、角部や稜線部が面取りされた直方体や、角部や稜線部が丸められた直方体が含まれるものとする。また、「直方体状」は、主面及び側面の一部又は全部に凹凸などが形成された形状であってもよく、対向する面が必ずしも完全に平行となっておらず、多少の傾きがある形状であってもよい。
素体10は、実装面11を有している。この実装面11は、インダクタ部品1を回路基板に実装する際に、回路基板と対向する面を意味する。素体10は、実装面11と平行な上面12を有している。また、素体10は、実装面11に対して直交する二対の面を有している。この二対の面のうちの一方の一対の面を第1の側面13及び第2の側面14とし、二対の面のうちの他方の一対の面を第1の端面15及び第2の端面16とする。
本明細書において、上面12及び実装面11と垂直な方向を「高さ方向」、第1の側面13と第2の側面14と垂直な方向を「幅方向」、第1の端面15と第2の端面16と垂直な方向を「長さ方向」とする。具体的な例示として、「長さ方向L」、「高さ方向T」、「幅方向W」を図1に図示する。そして、「幅方向」の大きさを「幅寸法」、「高さ方向」の大きさを「高さ寸法」、「長さ方向」の大きさを「長さ寸法」とする。
素体10において、長さ方向Lの大きさ(長さ寸法L1)は、0mmよりも大きく、1.0mm以下が好ましい。例えば、長さ寸法L1は、0.6mmである。また、素体10において、幅方向Wの大きさ(幅寸法W1)は、0mmよりも大きく、0.6mm以下であることが好ましい。幅寸法W1は、0.36mm以下であることがさらに好ましく、0.33mm以下であることがより好ましい。例えば、素体10の幅寸法W1は、0.3mmである。また、素体10において、高さ方向Tの大きさ(高さ寸法T1)は、0mmよりも大きく、0.8mm以下であることが好ましい。例えば、素体10の高さ寸法T1は、0.4mmである。本実施形態において、素体10は、幅寸法W1に対して高さ寸法T1が大きい(T1>W1)。
図2及び図3に示すように、インダクタ部品1は、第1外部電極20及び第2外部電極30と、コイル40とを備えている。図2及び図3では、コイル40と、後述する第1外部電極20及び第2外部電極30の外部導体層21,31とを実線にて示すとともに素体10等の部材を二点鎖線にて示しことにより、コイル40と外部導体層21,31とを判り易くしている。
第1外部電極20は、素体10の実装面11において露出している。また、第1外部電極20は、素体10の第1の端面15においても露出している。
同様に、第2外部電極30は、素体10の実装面11において露出している。また、第2外部電極30は、素体10の第2の端面16においても露出している。
つまり、素体10の実装面11には、第1外部電極20と第2外部電極30とが露出している。言い換えると、素体10において、第1外部電極20と第2外部電極30とが露出する面を実装面11としている。
本実施形態において、第1外部電極20は、外部導体層21と被覆層22とを含む。外部導体層21は、素体10に埋め込まれている。外部導体層21は、幅方向Wから視てL字状に形成されている。この外部導体層21は、素体10の第1の端面15に露出する端面電極23aと、素体10の実装面11に露出する下面電極23bとを含み、端面電極23aと、下面電極23bとが第1の端面15と実装面11との間の稜線で一体化した構造を有する。被覆層22は、素体10の第1の端面15と実装面11とに露出する外部導体層21を覆うように形成されている。従って、第1外部電極20は、素体10の表面のうち、幅方向Wと直交する方向にある面にのみ露出しており、具体的には実装面11と第1の端面15の2面にのみ露出する。
本実施形態において、第2外部電極30は、外部導体層31と被覆層32とを含む。外部導体層31は、素体10に埋め込まれている。外部導体層31は、幅方向Wから視てL字状に形成されている。この外部導体層31は、素体10の第2の端面16に露出する端面電極33aと、素体10の実装面11に露出する下面電極33bとを含み、端面電極33aと、下面電極33bとが第2の端面16と実装面11との間の稜線で一体化した構造を有する。被覆層32は、素体10の第2の端面16と実装面11とに露出する外部導体層31を覆うように形成されている。従って、第2外部電極30は、素体10の表面のうち、幅方向Wと直交する方向にある面にのみ露出しており、具体的には実装面11と第2の端面16の2面にのみ露出する。
上記の構成では、外部導体層21,31は、素体10の表面のうち、幅方向Wと直交する方向にある面にのみ露出しているため、コイル導体層41の内径側を通過する磁束が、外部導体層21,31に遮られにくい。また、インダクタ部品1を回路基板に実装した場合に、上記磁束は回路基板の主面と平行となり、回路基板上の回路配線に遮られにくい。したがって、インダクタ部品1のQ値を向上できる。
特に、外部導体層21,31は、素体10の表面のうち、幅方向Wと直交する方向にある2面(第1の端面15及び実装面11、並びに、第2の端面16及び実装面11)にのみ露出しており、コイル導体層41の外周側を通過する磁束が、外部導体層21,31に遮られる割合を低減することができ、インダクタ部品1のQ値を向上できる。
被覆層22、被覆層32の材料としては、耐はんだ性やはんだ濡れ性の高い材料を用いることができる。例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、錫(Sn)、金(Au)等の金属、又はこれらの金属を含む合金などを用いることができる。また、被覆層は、複数の層により形成することもできる。例えば、Niめっきと、Niめっきの表面を覆うSnめっきとを用いることもできる。なお、被覆層22と被覆層32は、省略されてもよい。その場合、外部導体層21を第1外部電極20、外部導体層31を第2外部電極30とすることができる。
第1外部電極20は、第1の端面15において、素体10の実装面11から、素体10の高さ寸法T1の略1/2の長さに形成されている。第1外部電極20は、幅方向Wにおいて、素体10の略中央に形成されている。本実施形態において、幅方向Wにおける第1外部電極20の大きさ(幅寸法)は、素体10の幅寸法W1より小さい。すなわち、素体10の表面のうち、幅方向Wの両端にある第1の側面13及び第2の側面14には第1外部電極20は露出していない。なお、第1外部電極20の幅寸法は、適宜変更されてもよく、例えば素体10の幅方向Wの全体に亘って形成されていてもよいし、実装面11には露出するが第1の端面15には露出しない構成であってもよく、その逆であってもよい。
第2外部電極30は、第2の端面16において、素体10の実装面11から、素体10の高さ寸法T1の略1/2の長さに形成されている。第2外部電極30は、幅方向Wにおいて、素体10の略中央に形成されている。本実施形態において、幅方向Wにおける第2外部電極30の大きさ(幅寸法)は、素体10の幅寸法W1より小さい。すなわち、素体10の表面のうち、幅方向Wの両端にある第1の側面13及び第2の側面14には第2外部電極30は露出していない。なお、第2外部電極30の幅寸法は、適宜変更されてもよく、例えば素体10の幅方向Wの全体に亘って形成されていてもよいし、実装面11には露出するが第2の端面16には露出しない構成であってもよく、その逆であってもよい。
図2に示すように、素体10は、複数の絶縁層51を積層して形成されている。なお、各絶縁層51の間の境界は、明確ではない場合がある。
複数の絶縁層51は、それぞれ長方形の板状に形成されている。素体10は、積層されたこれらの絶縁層51により、直方体状をなしている。絶縁層51は、焼結体であり、その材料としては、フェライト等の磁性体材料、ガラスやアルミナ等の非磁性体材料、等を用いることができる。なお、絶縁層51は焼結体に限られず、絶縁層51の材料として、低温で溶けない絶縁材料を用いることもできる。なお、複数の絶縁層51のうち、上述の第1の側面13と第2の側面14を形成する絶縁層51a,51bは、それら絶縁層51a,51bに挟まれた他の絶縁層51と異なる着色が施されている。
図2及び図3に示すように、コイル40は、素体10内に設けられている。コイル40の第1端は第1外部電極20に接続され、コイル40の第2端は第2外部電極30に接続されている。
コイル40は、絶縁層51の主面上で巻回された複数のコイル導体層41と、コイル導体層41同士を接続するビア導体層42を含む。
複数のコイル導体層41は、絶縁層51の主面上における巻回数が、1周未満であり、幅方向W(図1に示す第1の側面13及び第2の側面14に直交する方向であり絶縁層51の積層方向)から視て、一部が互いに重なりあって略円形状の軌道を形成している。さらに、幅方向Wに隣接するコイル導体層41の端部同士がビア導体層42によって接続されることで、複数のコイル導体層41は電気的に直列に接続され、これにより、幅方向Wに沿って進行する螺旋状のコイル40を構成している。従って、コイル40は、幅方向Wから視て、略円形状に形成されている。なお、「互いに重なる」とは、製造ばらつき等により、僅かに重ならない場合も含む。なお、コイル40の形状はこの形状に限定されず、例えば、幅方向Wから視て、楕円形、矩形、又はその他の多角形、これら複数の図形の組み合わせ、等の形状の軌道を形成してもよい。
なお、幅方向Wにおいて、最も外側にあるコイル導体層41は、略円形状の軌道から引き出され、外部電極20,30(外部導体層21,31)に接続される引き出し部分を有している。これによって、外部電極20,30は、複数のコイル導体層41のそれぞれと電気的に接続される。なお、後述するように、幅方向Wにおいて、最も外側にあるコイル導体層41と、当該コイル導体層41と接続された外部導体層21,31とは一体的に形成され、一体化されている。
コイル40(コイル導体層41及びビア導体層42)には、例えば、銀(Ag)を主成分とし、硫黄(S)を含む導電性材料を用いることができる。例えば、コイル40の材料として、Ag,S,シリコン(Si),ジルコニウム(Zr)を含むものを用いることができる。硫黄の含有量としては、例えば、1atm%以内とすることが好ましい。例えば、Ag,S,Si,Zrの含有量はそれぞれ、97.5,0.5,1.3,0.7(atm%)である。また、コイル40には、銅,金等の電気抵抗の小さい金属や、これらの金属の合金等を主成分とする導電性材料を用いてもよく、絶縁層51の材料に比べネッキングが始まる温度が早い金属材料であればよい。
(製造方法)
次に、上述のインダクタ部品1の製造方法の概略を説明する。
先ず、マザー絶縁体層を形成する。マザー絶縁体層とは、複数の素体10となる部分が行列状に繋がった状態の絶縁体層である。具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルム上に、硼珪酸ガラスを主成分とする絶縁ペーストをスクリーン印刷により塗布してシート化した絶縁体シート(グリーンシート)を複数枚用意する。
次に、上記絶縁体シートの外部導体層21,31及びビア導体層42を形成すべき部分にレーザー等で貫通孔を形成し、当該貫通孔内及び絶縁体シートの主面上において、外部導体層21,31、コイル導体層41及びビア導体層42を形成すべき部分に上述したコイル40に用いる導電性材料を含む導電ペーストをスクリーン印刷により塗布する。これらの導電ペーストを塗布した絶縁体シート及び導電ペーストを塗布しない絶縁体シートを所定枚数積層した後、圧着することにより、マザー絶縁体層が形成される。
次に、マザー絶縁体層をダイシングやギロチン等で切断し、素体10となる絶縁体層に個片化する。さらに、個片化した絶縁体層を焼成炉などで焼成することで、外部導体層21,31、コイル導体層41及びビア導体層42が埋め込まれた素体10が形成される。なお、焼成の際に絶縁体層が収縮することを考慮し、個片化する絶縁体層のサイズは素体10よりも大きく切断される。
次に、上記素体10にバレル加工を施し素体10の角をR面取りする。この際、バレルめっきにより、外部導体層21,31の表面にニッケル、銅、錫の順に被覆層22,32を形成し、外部電極20,30を形成すれば、インダクタ部品1が完成する。
(作用)
インダクタ部品1は、複数の絶縁層51が積層された素体10と、絶縁層51の主面上で巻回されたコイル導体層41と、を備え、コイル導体層41は、硫黄を含む。以下、この構成による作用を説明する。
図6(a)は、硫黄を含むコイル導体層41の断面を示す。この導体層を成分分析(WDX分析)して硫黄をマッピングした結果を図6(b)に示す。
インダクタ部品1の焼成の進行において、絶縁層51となる絶縁ペーストとコイル導体層41となる導電ペーストとの体積変化率は互いに異なる。このため、焼成時に素体10となる絶縁体層では大きな内部応力が生じ、その内部応力によって焼成後の素体10にデラミネーションやクラック等の内部欠陥が生じる場合がある。ここで、本願発明者らは、硫黄を含むコイル導体層41を用いることを想到した。
図5は、絶縁ペーストと、硫黄を含む導電ペーストと、硫黄を含まない導電ペーストについて、焼成の進行に対する体積変化率を示す。図5において、破線PL1は、絶縁ペーストの体積変化率を示す。実線PL2は、硫黄を含む導電ペーストの体積変化を示し、実線PL3は、硫黄を含まない導電ペーストの体積変化率を示す。
図5に示すように、焼成が進行した温度Tm1付近において、硫黄を含まない導電ペーストの体積変化率PL3が、絶縁ペーストの体積変化率PL1に対して大きく乖離することが分かる。一方、硫黄を含む導電ペーストの体積変化率PL2は、絶縁ペーストの体積変化率PL1に対して乖離が小さいことが分かる。特に、さらに焼成が進行した温度Tm2においては、硫黄を含まない導電ペーストの体積変化率PL3が絶縁ペーストの体積変化率PL1に対して乖離したままであるのに対し、硫黄を含む導電ペーストの体積変化率PL2は、絶縁ペーストの体積変化率とほぼ同じ値を示すことが分かる。
次に、焼成の進行における、絶縁ペーストの体積変化率PL1に対する導電ペーストの体積変化率PL2,PL3の乖離の有無と、デラミネーションやクラックなどの内部欠陥の発生との関係について、以下のように確認した。
まず、硫黄を含むコイル導体層41を備えるインダクタ部品1と、硫黄を含まないコイル導体層を備えるインダクタ部品について、それぞれ30個のサンプルを作製し、それらに含まれる内部欠陥の数を確認した。確認においては、サンプルの断面を研磨し、その断面をSEMにて観察し、空隙(内部欠陥)の有無、生じた空隙のサイズを計測した。なお、この方法では研磨によって生じる傷(研磨傷)が確認すべき内部欠陥の計測結果におけるノイズとなるため、研磨によらない内部欠陥と区別するため、10μm以上の空隙を内部欠陥とした。
硫黄を含まないコイル導体層を備えるサンプルでは、内部欠陥の発生率は100%、すなわち、全てのサンプルにおいて内部欠陥が発生していた。このとき観察された空隙(内部欠陥)の最大値は、29.0μmであった。一方、硫黄を含むコイル導体層41を備えるサンプルでは、内部欠陥の発生率は0%、すなわち全てのサンプルについて、内部欠陥は発生していなかった。このとき観察された空隙はいずれも5μm以下であった。以上より、硫黄を含むコイル導体層41を備えるインダクタ部品1では、内部欠陥の発生を抑制できることが分かる。
このように、本願発明者らは、硫黄を含むコイル導体層41を用いることで、焼成の進行における導電ペーストの体積変化率が、絶縁ペーストの体積変化率に対して乖離を低減し、インダクタ部品における内部欠陥の発生を抑制できることを発見するに至った。
なお、コイル導体層41における硫黄の含有量は、1atm%以下であることが好ましい。図4は、硫黄の含有量が1atm%を超えるコイル導体層41の断面写真の模式図である。図4に示すように、硫黄(S)の含有量が高すぎると、コイル導体層41は、多数の空隙34が発生し、緻密とならない。このような場合であっても、絶縁層51とコイル導体層41との間の内部欠陥の発生自体は抑制できるが、このような多数の空隙34が発生すると、インダクタ部品1の特性や強度、信頼性に影響を与えてしまう。
なお、上述したように、硫黄を含むコイル導体層41では、素体10内の内部応力が小さくなるため、コイル導体層41をより大きくすることが可能となる。例えば、本実施形態において、コイル導体層41の幅方向W(絶縁層51の積層方向)の厚さをより大きくできる。この場合、一定のコイル導体層41の内径に対して、コイル導体層41の断面積を大きくできるため、インダクタ部品1のQ値を大きくできる。
また、本実施形態では、素体10の表面のうち、幅方向Wの両端にある第1の側面13及び第2の側面14には、外部電極20,30が形成されていない。この場合、回路基板におけるインダクタ部品1のランドサイズは、インダクタ部品1の幅寸法W1を超えない。すなわち、回路基板においてインダクタ部品1のために許容できるスペースのぎりぎりまで、幅寸法W1を大きくでき、ひいては、コイル導体層41の幅方向Wの厚みを大きくできる。よって、一定のコイル導体層41の内径に対して、コイル導体層41の断面積を大きくできるため、インダクタ部品1のQ値を向上できる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)インダクタ部品1は、複数の絶縁層51が積層された素体10と、絶縁層51の主面上で巻回されたコイル導体層41と、を備え、コイル導体層41は、硫黄を含む。この構成により、内部欠陥の発生を抑制できる。
(2)コイル導体層41が硫黄を含む場合、インダクタ部品1のQ値が向上する構成を可能とできる。
(3)インダクタ部品1は、コイル導体層41と電気的に接続され、素体10から露出する外部電極20,30をさらに備え、素体10の表面のうち、複数の絶縁層51の積層方向(幅方向W)の両端にある面の少なくとも1面(第1の側面13、第2の側面14)には外部電極20,30が露出していない。この構成により、インダクタ部品1のQ値が向上する構成を可能とできる。
(4)コイル導体層41における硫黄の含有量は、1atm%以下である。この構成により、焼結性の低下を抑制し、インダクタ部品1の特性や強度、信頼性への影響を低減できる。
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態のインダクタ部品1において、添付図面は一例を示すものであり、形状、層数、等を適宜変更してもよい。
・インダクタ部品1においては、外部電極20,30が素体10に埋め込まれた外部導体層21,31を有していたが、外部電極20,30は必ずしもこの構成である必要は無い。例えば、コイル導体層41の引き出し部分を第1の端面15、第2の端面16に露出するように形成し、当該露出部分を含めた第1の端面15、第2の端面16全体に、導電ペーストをディップ工法で塗布した後に素体10を焼成して焼付電極を形成してもよい。この焼付電極は、第1の端面15、第2の端面16だけでなく、実装面11、上面12、第1の側面13及び第2の側面14それぞれの当該端面側にも形成し、いわゆる5面電極構造としてもよい。
・インダクタ部品1では、製造方法の一例としてシート積層工法を示したが、インダクタ部品1の製造方法はこれに限られない。例えば、印刷積層工法やその他の公知の製造方法であってもよい。本質的には、本開示の内容は、焼結したコイル導体層を有するインダクタ部品であれば適用でき、製造方法には依存しない。
10…素体、20,30…外部電極、21,31…外部導体層、22,32…被覆層、41…コイル導体層、42…ビア導体層、51,51a,51b…絶縁層。

Claims (6)

  1. 複数の絶縁層が積層された素体と、
    前記絶縁層の主面上で巻回されたコイル導体層と、
    を備え、
    前記コイル導体層は、銅又は銀を主成分としているとともに硫黄を含み、
    前記硫黄は、前記コイル導体層の内部にまで分散しており、
    前記コイル導体層における前記硫黄の含有量は、0.5atm%以上1atm%以下であるインダクタ部品。
  2. 前記コイル導体層と電気的に接続され、前記素体から露出する外部電極をさらに備え、
    前記素体の表面のうち、前記複数の絶縁層の積層方向の両端にある面の少なくとも1面には前記外部電極が露出していない、
    請求項1に記載のインダクタ部品。
  3. 前記コイル導体層は複数存在し、
    前記複数のコイル導体層が電気的に直列に接続されることにより、前記複数の絶縁層の積層方向に沿って進行する螺旋状のコイルを構成する、
    請求項1又は2に記載のインダクタ部品。
  4. 前記コイル導体層の前記絶縁層の主面上における巻回数は、1周未満である、
    請求項1〜3の何れか1項に記載のインダクタ部品。
  5. 前記外部電極は、前記素体に埋め込まれた外部導体層を有し、
    前記外部導体層は、前記素体の表縁のうち、前記積層方向と直交する方向にある面にのみ露出している、
    請求項2に記載のインダクタ部品。
  6. 前記素体は直方体状であり、
    前記外部導体層は、前記素体の表面のうち、前記積層方向と直交する方向にある2面にのみ露出している、
    請求項5に記載のインダクタ部品。
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