JP6799365B2 - 化粧用組成物、美容組成物、関節保護組成物、組成物 - Google Patents

化粧用組成物、美容組成物、関節保護組成物、組成物 Download PDF

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Description

本発明は、アミノ糖と、フラボノイド類含有植物とを含有する化粧用組成物、美容組成物、関節保護組成物、組成物に関する。
皮膚は紫外線の影響に加え、油分やコラーゲンの喪失など、様々な要因により、しわ、たるみなどのいわゆる皮膚の老化につながることが知られている。皮膚の構造は、最上層から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層に分かれている。表皮の最上層にある「角質層」は、皮膚の最も外側にあって、外気や紫外線など様々な外的な刺激にさらされている。加齢による免疫力の低下・気温等の外部環境の変化・紫外線・外界の刺激・異物の過剰摂取等様々な要因によりシワ・シミ・クスミ・タルミ・肌荒れなどの肌トラブルや老化現象が表れる。
近年研究が進み、シワ形成の原因としては、コラーゲン、エラスチン等の真皮マトリックスの線維減少、変性によるものであることが明らかになってきた。これを誘導する因子として、特にマトリックスメタロプロテアーゼ(和名:マトリックス金属タンパク分解酵素、以下「MMPs」と記す。)の関与が指摘されている。
MMPsは、活性部位に亜鉛(II)イオンを保有する細胞外マトリックス分解酵素の総称である。また、MMPsはその構造と基質特異性の違いから、コラゲナーゼ(MMP−1及び13)、ゼラチナーゼ(MMP−2及び9)、ストロメライシン(MMP−3及び10)などのサブファミリーが知られている。このうちMMP−13の主要な基質は、線維状コラーゲン類(I型、II型、III型)およびゼラチン類、プロテオグリカン類、サイトカイン類および細胞外マトリックスの他の構成要素である。
紫外線などの外部刺激によってMMP−13等のMMPsの発現が亢進し、これにより皮膚の細胞外マトリックスの構成成分を分解してしまうことが知られている(特許文献1、非特許文献1)。このためMMP−13の産生を抑制することは、皮膚のシワの防止や弾力性の向上に有効である。
またMMPsによる軟骨の分解は、変形性関節症(退行性骨関節症、肥大性骨関節症などとよばれることもある)に深く関係していることが知られており、特にMMP−13はII型コラーゲン に対して高い分解活性を有し、変形性関節症の軟骨変性に重要な基質分解酵素と考えられている(非特許文献2)。関節等における軟骨細胞では、インターロイキン1ベータ(以下「IL1b」とも記載する)等の各種の炎症性サイトカイニンにより、MMP−13の発現が亢進することが知られている(非特許文献3)。またMMP−13は、関節リウマチ、骨関節炎においても過剰発現されることが知られている。従ってMMP−13の発現を抑制することは、関節の軟骨におけるコラーゲンの減少の防止等の関節保護に有用であり、変形性関節症をはじめとした軟骨コラーゲン分解に関連する疾患の予防及び改善等に有効である。
MMP−13の発現を抑制する物質としては、経口摂取又は経皮摂取する際の安全性を考慮して、天然由来の素材を用いることが近年提案されている。そのような素材としては、例えば非特許文献1に、オリーブ葉エキスが記載されている。また、特許文献3には、寒天、アガロース及び/又はアガロオリゴ糖が記載されている。
特開2008−156349号公報 特表2011−528013号公報 特開2011−213707号公報
木村 善之、"天然薬物のUVB照射による発癌抑制作用とその作用機構"、[online]、[2014年11月21日検索]、インターネット<URL:http://kaken.nii.ac.jp/pdf/2010/seika/jsps/16301/20590700seika.pdf> 岡崎賢ら、"関節リウマチ・変形性関節症の軟骨変性における遺伝子発現の制御" 福岡医誌103(9):175―181,2012 松下 雄彦、"軟骨細胞におけるSIRT1の役割"、[online]、[2014年11月21日検索]、インターネット<URL: http://kaken.nii.ac.jp/pdf/2010/seika/mext/14501/21791393seika.pdf>
以上の通り、様々な素材のMMP−13の発現抑制作用が知られている。
しかしながら、これらの素材による作用は十分に高いものではなく、より一層高いMMP−13の発現抑制作用を奏する技術が求められている。
したがって、本発明の課題は、安全性が高く、効果的にMMP−13の発現を抑制することにより、皮膚の老化防止、関節保護等に有効な組成物を提供することにある。
本発明はアミノ糖と、フラボノイド類含有植物とを含有する化粧用組成物を提供するものである。
本発明はアミノ糖と、フラボノイド類含有植物とを含有する美容組成物を提供するものである。
本発明はアミノ糖と、フラボノイド類含有植物とを含有する関節保護組成物を提供するものである。
本発明はアミノ糖と、フラボノイド類含有植物とを含有する組成物を提供するものである。
本発明によれば、安全性が高く、効果的にMMP−13の発現を抑制することにより、皮膚の老化防止作用や関節保護作用から選ばれる少なくとも1の作用に有効な組成物が得られる。また本発明の組成物は、関節痛や関節の可動域の制限を防止することにより、身体のバランス能力、体力や移動能力の低下といったロコモティブシンドローム(運動器機能症候群)の予防及び防止に寄与し得る。
図1は、実施例1及び比較例1及び2のサンプルによるMMP−13遺伝子発現抑制作用を評価した結果を示すグラフである。 図2は、実施例2及び比較例3及び4のサンプルによるMMP−13遺伝子発現抑制作用を評価した結果を示すグラフである。 図3は、実施例3及び比較例5及び6のサンプルによるMMP−13遺伝子発現抑制作用を評価した結果を示すグラフである。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の「化粧用組成物」、「美容組成物」、「関節保護組成物」、及び「組成物」はいずれもアミノ糖と、フラボノイド類含有植物とを含有するものである。以下の説明は特に断らない限り、「化粧用組成物」、「美容組成物」、「関節保護組成物」、「組成物」のいずれにも当てはまる。
以下では、これらの組成物を、総称して「本発明の組成物」という。
(アミノ糖)
本発明でいうアミノ糖とは、糖のヒドロキシル基がアミノ基で置換された構造を有する化合物及びその誘導体ならびにこれらの塩を意味する。本発明で用いるアミノ糖は、フラボノイド類含有植物(後述)と組み合わせてなる組成物としての状態で、ヒトを含む哺乳類に適用したときに本発明の課題を解決する効果を発揮する限り、化学構造、純度、性状や調製方法は特定のものに限定されない。本発明を実施する上で比較的望ましいアミノ糖は、天然に遊離の状態で又は多糖、糖蛋白質、糖脂質などの構成単位として存在するものであって、具体的には、例えば、グルコサミン、マンノサミン、ノイラミン酸、ガラクトサミンならびにこれらのアミノ糖の誘導体が挙げられる。天然での存在が確認されている斯かる誘導体の例としては、N−アセチル化誘導体などのアシル化誘導体、N−硫酸化誘導体やO−硫酸化誘導体などの硫酸化誘導体、N−グリコリル化誘導体などのグリコリル化誘導体などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらのアミノ糖のうち、グルコサミン類は、本発明の効果が高いため、特に有用である。ここでいうグルコサミン類とは、グルコサミン(Glucosamine、C6H13NO5)又はその誘導体ならびにこれらの塩が挙げられる。特に本発明の効果を高めるために、グルコサミン類の中でも、グルコサミンのアシル化誘導体が好ましく、N−アセチルグルコサミン(C8H15NO6)がとりわけ好ましい。本発明で用いるアミノ糖は、以上のようなアミノ糖を構成単位として含む多糖や糖蛋白質などを、例えば、哺乳類、魚類、軟体動物、節足動物、菌類などから常法により採取し、酸性条件下で又は適宜の酵素の作用によって加水分解した後に、クロマトグラフィーなどの糖類の分離精製のための慣用の方法に供して調製することができる。例えば、N−アセチルグルコサミンは、例えば、カニやエビなどの甲殻類の殻から調製された多糖類キチンを原料として、これを、酸で部分加水分解し、さらにこれにキチナーゼのような酵素を作用させて分解することで調製することができる。また、市販されている調製品(例えば、市販のグルコサミン)を利用することもできる。
(フラボノイド類含有植物)
フラボノイド類含有植物におけるフラボノイド類としては、クマル酸コエンザイムAとマロニルコエンザイムAとが重合してできるカルコンから派生する植物二次代謝物が挙げられる。フラボノイド類の例としては、フラボン類やフラボノール類、フラバノール類、プロアントシアニジン類等が挙げられる。
フラボン類としては、2,3−ジデヒドロフラバン−4−オン(2−フェニルクロモンともいう)及びその誘導体が挙げられ、2,3−ジデヒドロフラバン−4−オン骨格の3’、4’、5、7位の何れか1又は2以上にヒドロキシ基又はメトキシ基が結合したもの等が好ましく挙げられる。
フラボノール類としては3-ヒドロキシフラボン(3-ヒドロキシ-2-フェニルクロメン-4-オンともいう)及びその誘導体が挙げられ、3-ヒドロキシフラボン骨格の3’、4’、5、7位の何れか1又は2以上にヒドロキシ基又はメトキシ基が結合したものが好ましく挙げられる。これらは当該骨格の3位のヒドロキシ基に糖が結合した配糖体であってもよい。
フラバノール類としては、フラバン―3−オール及びフラバン‐3,4‐ジオール並びにこれらの誘導体が挙げられる。これらの誘導体としては、フラバン―3−オール又はフラバン‐3,4‐ジオール骨格の3’、4’、5、7位の何れか1又は2以上にヒドロキシ基又はメトキシ基が結合したものが好ましく挙げられる。
プロアントシアニジン類としては、フラバン―3−オール若しくはフラバン‐3,4‐ジオール又はこれらの誘導体が4−8結合により縮合した重合度が2以上の縮重合体からなる化合物が挙げられる。構成するフラバン―3−オール又はフラバン‐3,4‐ジオール単位の3’、4’、5、7位の何れか1又は2以上にヒドロキシ基又はメトキシ基が結合したものが好ましく挙げられる。
本発明で用いるフラボノイド類のうち、特に好ましいものとしては、フラバン類として、5-hydroxy-7-methoxyflavone、5,7-dimethoxyflavone、5-hydroxy-3,7-dimethoxyflavone、4',5,7-trimethoxyflavone、5-hydroxy-3,7,4'-trimethoxyflavone、3',4',5,7-tetramethoxyflavone、5-hydroxy-3,7,3',4' -tetramethoxyflavone、3,5,7,3',4' -pentamethoxyflavone、3,5,7-trimethoxyflavone、3,5,7,4’-tetramethoxyflavone等が挙げられ、フラボノール類としては、ケルセチン、ケルセチン-3-ルチノシド等が挙げられ、フラバノール類として、カテキン、エピカテキン等が挙げられ、プロアントシアニジン類として、カテキン又はエピカテキン等が重合したものが挙げられ、アントシアニジン類として、ペラルゴニジン、 、シアニジン、デルフィニジン、オーランチニジン、ルテオリニジン、ペオニジン、マルビジン、ペチュニジン、ヨーロピニジン、ロシニジン、が挙げられる。また、これらに挙げた化合物の配糖体、エステル、重合体などの誘導体も用いることができる。
本発明で用いるフラボノイド類含有植物としては、例えば、フラバン類を含有するものとして黒生姜、ウンシュウミカンなどの柑橘類等が挙げられ、フラボノール類を含有するものとして、オオイタドリ、イチョウ等が挙げられ、フラバノール類を含有するものとして、茶等が挙げられ、プロアントシアニジン類を含有するものとして、松、ブドウ、リンゴ、クランベリー等が挙げられる。本発明の組成物は、これらのフラボノイド類含有植物のうち1種のみを含有していてもよく、2種以上を混合して含有していてもよい。本発明では、フラボノイド類含有植物として、とりわけ、松、黒生姜及びオオイタドリから選ばれる1種以上を用いることが好ましい。以下これら好ましい素材について説明する。
(松)
松としては、マツ科マツ属の植物が挙げられ、具体的には、フランス海岸松(Pinus Martima)、ニュージーランドマツ、フィンランドマツ、エキナタマツ、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、ストローブマツ、サトウマツ、リュウキュウマツ、スラッシュマツ、カリビアマツ、リギダマツ、テ−ダマツ、ダイオウショウ、タイワンアカマツ、バンクスマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダ等が挙げられる。中でも、フランス海岸松、ニュージーランドマツ、フィンランドマツが好ましく、特に、フランス海岸松が好ましい。フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一部に生育している海洋性松をいう。
松の使用部位としては、樹皮、葉、松毬などが挙げられ、特に樹皮が好ましい。松としては、とりわけフランス海岸松の樹皮が好ましい。フランス海岸松の樹皮は、フラボノイド類であるプロアントシアニジン(proanthocyanidin)を主要成分として含有する他に、有機酸ならびにその他の生理活性成分等を含有している。この主要成分であるプロアントシアニジンには、活性酸素を除去する強い抗酸化作用があることが知られている。
松としては、松の植物体に粉砕、抽出、乾燥から選ばれる1又は2以上の加工を施した加工物が好ましい。好ましい加工物としては、植物体を粉砕して得られる植物体の粉砕物、或いは、植物体をそのまま又は加工後に、水及び/又は有機溶媒で抽出して得られる抽出物を挙げることができる。ここでいう加工とは、加熱、乾燥、粉砕、圧搾から選ばれる少なくとも1つの処理が挙げられる。これらの加工物は単独、混合のいずれでも使用できる。中でも、上述するプロアントシアニジンやその他生理活性成分による使用時の効果の顕著性や品質の安定性の観点から抽出物、特に松の樹皮の抽出物(以下「松樹皮抽出物」という)を用いることが好ましい。松の植物体の抽出物を得る場合の溶媒としては、水又は有機溶媒が選ばれる。水を用いる場合には温水、または熱水が用いられる。抽出に用いる有機溶媒としては、通常使用される有機溶媒であればよく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタン、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2−トリクロロエテン等が好ましく用いられる。これらの水及び有機溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせて用いてもよい。特に、熱水、含水エタノール又は含水プロピレングリコール等が好ましく用いられる。
上記抽出工程に用いる松樹皮は、松樹皮1質量部に対して、50〜80容量%のエタノール水溶液10容量部を加えて80〜85℃にて1時間抽出したときに、乾燥質量換算で7質量%以上、好ましくは13質量%以上、より好ましくは13質量%〜30質量%の固形物(以下、含水エタノール可溶成分という)が得られるものである。含水エタノール可溶成分を7質量%以上含有する松樹皮を用いることによって、本発明の効果の高い松樹皮抽出物を効率的に得ることが可能となる。
上記松樹皮中の含水エタノール可溶成分の含有量は、例えば、以下のようにして測定することができる。まず、乾燥質量100gの松樹皮を、例えば、カッター、スライサー、ミルなど、あるいはミキサー、ジューサー、ブレンダー、マスコロイダーなどの破砕機を用いて粉末化し、この粉末100gに、50〜80容量%の含水エタノール1Lを加えて、80〜85℃にて1時間加熱還流抽出する。抽出後、遠心分離、ろ過などの分離操作を行い、不溶成分を除去して、抽出液を得る。抽出残渣に対して、さらに上記抽出操作および分離操作を1回以上繰り返す再抽出工程を行うことが、松樹皮中の含水エタノール可溶成分を正確に測定する観点から好ましい。得られた抽出液を凍結乾燥又は減圧濃縮乾固して、乾燥物とし、乾燥物の質量を測定する。そして、抽出前の松樹皮の乾燥質量に対する上記乾燥物の質量の割合を算出して、含水エタノール可溶成分の含有量が求められる。
上記抽出は、必要に応じて所定温度で保持することによって行われる。抽出効率の点から、松樹皮の体積当たりの表面積を大きくすることが好ましく、特に破砕物が好適に用いられる。松樹皮の破砕処理は、特に制限されず、例えば、上述の松樹皮中の含水エタノール可溶成分の含有量を測定する際に採用した破砕機を用いることができる。破砕効率を上げるために、松樹皮に、水、あるいはエタノール、メタノール、酢酸エチルなどの有機溶媒を加えて破砕してもよい。破砕物の大きさは、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.1〜5mmの細片である。
抽出においては、上述のように、水および有機溶媒のうちの少なくとも1種、すなわち水、有機溶媒、または水と有機溶媒との混合溶媒(以下、これらをまとめて抽出溶媒という)が用いられる。抽出効率を高める点から、抽出温度は高い方が好ましい。例えば、水を用いる場合、50〜120℃、好ましくは70〜100℃で熱水抽出することが好ましい。松樹皮に熱水を加えてもよく、松樹皮に水を加えた後、加熱してもよい。抽出時間は、抽出温度により適宜決定され得る。一般的には10分〜24時間である。
抽出溶媒の量は、抽出効率を考慮して設定し得る。例えば、水、エタノール、または含水エタノールを抽出溶媒として使用する場合、松樹皮の乾燥質量1質量部に対して、抽出溶媒が好ましくは3〜100質量部、より好ましくは10〜50質量部、あるいは好ましくは3〜100容量部、より好ましくは10〜100容量部となるように設定される。なお、水および/または有機溶媒を添加して破砕した場合は、破砕に使用した溶媒量を考慮し、添加する抽出溶媒の量を調整すればよい。
松の植物体の抽出物を得るための抽出方法は特に制限はないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法等が用いられる。例えば、松樹皮の破砕物に対して、抽出溶媒として、水とエタノールとの比が、質量比で1:1〜1:9である水−エタノール混合溶媒(含水エタノール)を、松樹皮の1倍〜20倍量使用して、70〜85℃で還流させながら、0.5時間〜6時間攪拌する方法が挙げられる。還流しない場合は、例えば、一度上記混合溶媒を用いて、加温抽出し、濾過などにより上清を回収し、残渣について、再度上記混合溶媒を加えて加温することによっても、抽出効率を上げることが可能である。
超臨界流体抽出法とは、物質の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流体としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素(笑気ガス)等が用いられるが、二酸化炭素が好ましく用いられる。
超臨界流体抽出法では、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程と、目的成分と超臨界流体を分離する分離工程とを行う。分離工程では、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分離、吸着剤・吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。
また、エントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。この方法は、抽出流体に、例えば、エタノール、プロパノール、n−ヘキサン、アセトン、トルエン、その他の脂肪族低級アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類を2〜20W/V%程度添加し、この流体を用いて超臨界流体抽出を行うことによって、目的とする抽出物の抽出溶媒に対する溶解度を飛躍的に上昇させる、あるいは分離の選択性を増強させる方法であり、効率的な松樹皮抽出物を得る方法である。
超臨界流体抽出法は、比較的低い温度で操作できるため、高温で変質・分解する物質にも適用できるという利点、抽出流体が残留しないという利点、溶媒の循環利用が可能であるため、脱溶媒工程等が省略でき、工程がシンプルになるという利点がある。
また、松の植物体の抽出物を得るための植物体からの抽出方法は、上述の抽出法以外に、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流法、超臨界二酸化炭素還流法等の方法によって行ってもよい。
松の植物体の抽出物を得るための抽出方法は、複数の抽出方法を組み合わせてもよい。複数の抽出方法を組み合わせることにより、種々の組成の抽出物を得ることが可能となる。
抽出には、例えば、回分式、半連続式、または連続式などのいずれの抽出装置を用いてもよい。
松の植物体、特に樹皮からの抽出物は、限外濾過、あるいは吸着性担体(ダイヤイオンHP−20、Sephadex−LH20、キチン等)を用いたカラム法またはバッチ法などにより、精製を行うことが安全性の面から好ましい。また、必要に応じて、減圧濃縮、凍結乾燥などの方法により濃縮または乾燥して、液状、ペースト状、または粉末状(抽出物粉末)、細粒状、顆粒状としてもよい。松樹皮の抽出物等の松の加工物は、粉末状、細粒状、顆粒状であることが好ましい。また、上記松樹皮抽出物に対しては、殺菌処理を行ってもよいし、殺菌後、さらに濃縮、乾燥、および粉末化を行ってもよい。殺菌、濃縮、乾燥及び粉末化は、当該技術分野において通常使用される方法によって行われるが、中でも、乾燥としては、凍結乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥、ドラム式乾燥、棚式乾燥、およびマイクロウェーブによる乾燥が好ましい。濾過については、濾過の処理を短時間で行うために、ろ過助剤、例えば珪藻土を抽出物に添加してから濾過することが好ましく、この場合、添加するろ過助剤の量は、特に制限はなく、例えば、抽出物中の珪藻土の量として、0.001g/mL〜0.1g/mL程度となるようにして添加される。
本発明では松を用いる場合、松は、フラボノイド類としてプロアントシアニジンを主な成分の一つとして含有することが好ましい。上述した通り、プロアントシアニジンは、フラバン−3−オール、フラバン−3,4−ジオール及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種を構成単位とする重合度が2以上の縮重合体からなる化合物群をいう。プロアントシアニジンは、植物が作り出す強力な抗酸化物質であり、植物の葉、樹皮、果実の皮および種に集中的に含まれている。なお、このプロアントシアニジンは、ヒトの体内では生成することができない物質である。松の加工物はプロアントシアニジンを10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上含有することがより好ましい。
松の加工物に含有するプロアントシアニジンとしては、特に、重合度が低い縮重合体が多く含まれるプロアントシアニジンが好ましい。重合度の低い縮重合体としては、重合度が2〜30の縮重合体(2〜30量体)が好ましく、重合度が2〜10の縮重合体(2〜10量体)がより好ましく、重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体)がさらに好ましい。重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体)のプロアントシアニジンは、特に体内に吸収されやすい。本明細書では、重合度が2〜4の重合体を、オリゴメリック・プロアントシアニジン(oligomeric proanthocyanidin、以下「OPC」と称する)という。
本発明に用いられる松の加工物は、OPCを10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上の割合で含有することが望ましい。
松の植物体、特に松の樹皮には、プロアントシアニジンの中でもOPCに富むため、プロアントシアニジンの原料として好ましく用いられる。しかし、松の植物体、特に松の樹皮には、プロアントシアニジンだけでなく、プロアントシアニジン以外の成分も含まれている。例えば、松の加工物が抽出物である場合、プロアントシアニジンを植物体より抽出する工程により、様々な有機酸やフラボノイドも抽出される。そのような有機酸やフラボノイドは、プロアントシアニジン以外の成分である。そのような有機酸やフラボノイドとしては、例えば、カフェー酸、フマル酸、キナ酸、没食子酸、バニリン酸、フェルラ酸、並びにカテキン類などが挙げられる。
(黒生姜)
本発明で用いられる黒生姜(Kaempferia Parviflora)とは東南アジアに自生するショウガ科、バンウコン属の植物であり、精力増進、滋養強壮、血糖値の低下、体力回復、消化器系の改善、膣帯下、痔核、痔疾、むかつき、口内炎、関節痛、胃痛の改善等の報告がある。このように、黒生姜は、長期にわたり人間に摂取されてきた実績のある天然植物であって安全性が高い。
本発明で用いられる黒生姜の使用部位としては、根、葉、茎、花又は枝等が挙げられる。なかでも、好ましいのは、根茎である。本発明で用いられる黒生姜としては、黒生姜に、加熱、乾燥、粉砕、圧搾、抽出から選ばれる少なくとも1種の処理を施した加工物が挙げられる。この黒生姜の加工物の具体例としては、黒生姜に乾燥処理を施してなる乾燥物、黒生姜に乾燥処理及び粉砕処理を施してなる乾燥粉末、黒生姜を裁断処理して成る裁断物又はそれを乾燥処理してなる粉末、搾汁並びに抽出物を挙げることができる。ここで、抽出物とは、上記黒生姜又はその加工物を溶媒で抽出して得られる抽出液、その希釈液又は濃縮液、あるいはそれらの乾燥物及びその粉末を意味する。本発明において、加工物品とは、これらのすべてを包含する。
黒生姜に乾燥処理及び粉砕処理を施してなる乾燥粉末は、例えば、黒生姜を洗浄後、スライスした黒生姜を天日、あるいは乾燥機を用いて乾燥後、そのままあるいは適当な形状大きさに裁断して得た加工物を、粉砕装置を用いて粉砕することで得ることができる。粉砕装置としては通常使用されるものが広く使用できるが、例えば、原料ホッパー、粉砕機、分級機及び製品ホルダー等から構成される粉砕機を用いることができる。
黒生姜の抽出物は、黒生姜又はその加工物を溶媒で抽出することによって得られる。抽出物は、黒生姜に乾燥処理を施した加工物に抽出処理を施して得られたものことが好ましく、スライス後に乾燥処理を施した加工物に抽出処理を施して得られたものであることが好ましい。抽出に使用される溶媒としては、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコール、酢酸エチル、酢酸メチル等の低級エステル、アセトン、及びこれらと水との混合溶媒が挙げられる。水のみで行うことも有効である。中でも、水単独又はエタノール単独、若しくは水とエタノールとの混合溶媒(いわゆる含水エタノール)を使用するのが好ましい。含水エタノールを用いる場合、含水エタノール中のエタノール濃度は20質量%以上80質量%以下の濃度であることが好ましく、40質量%以上60質量%以下の濃度であることがより好ましい。
溶媒として混合溶媒を使用する場合は、例えば、アセトン/水(2/8〜8/2、体積比)混合物、エタノール/水(2/8〜8/2、体積比)混合物等を用いることもできる。エタノール/水の場合、黒生姜の根茎に対して、その質量の2〜20倍質量の溶媒を加え、室温又は加熱下で10分〜48時間程度抽出するのが好ましい。
用いる抽出方法に特に制限はないが、安全性及び利便性の観点から、できるだけ緩やかな条件で行うことが好ましい。例えば、原料植物部位又はその乾燥物を粉砕、破砕又は細断し、これに2〜20倍質量の溶媒を加え、0℃〜溶媒の還流温度の範囲で10分〜48時間、静置、振盪、攪拌あるいは還流等の任意の条件下にて抽出を行う。抽出作業後、濾過、遠心分離等の分離操作を行い、不溶物を除去する。これに、必要に応じて希釈、濃縮操作を行うことにより、抽出液を得る。さらに、不溶物についても同じ操作を繰り返して抽出し、その抽出液を先の抽出液と合わせて用いてもよい。これらの抽出物は、当業者が通常用いる精製方法により、さらに精製して使用してもよい。
得られた抽出液は、そのままあるいは濃縮して、液状物、濃縮物、ペースト状で、あるいは、さらにこれらを乾燥した乾燥物の形状で用いることができる。乾燥は、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥等の当業者が通常用いる方法により行われる。さらに、以上の方法で得られた乾燥物品を、周知の方法を用いて粉末化して使用することも可能である。黒生姜の抽出物等の加工物は、粉末状、細粒状、顆粒状であることが好ましい。
本発明で用いる黒生姜は、フラボノイドとして、5-hydroxy-7-methoxyflavone、5,7-dimethoxyflavone、5-hydroxy-3,7-dimethoxyflavone、4',5,7-trimethoxyflavone、5-hydroxy-3,7,4'-trimethoxyflavone、3',4',5,7-tetramethoxyflavone、5-hydroxy-3,7,3',4' -tetramethoxyflavone、3,5,7,3',4' -pentamethoxyflavone、3,5,7-trimethoxyflavone、3,5,7,4’-tetramethoxyflavone等から選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。特に、本発明で用いる黒生姜は、5,7-dimethoxyflavoneを、0.01〜50質量%含むことが好ましく、0.1〜30質量%含むあることがより好ましく、0.5〜20質量%含むことが更に好ましい。
(オオイタドリ)
オオイタドリは、タデ科オンダテ属の多年草であり、学名をPolygonum sachalinenseという。
オオイタドリの使用部位としては、葉、茎、芽、根、根茎などが挙げられ、特に芽が好ましい。芽は、若芽、新芽とも呼ばれる。
オオイタドリとしては、オオイタドリの植物体に粉砕、抽出、乾燥から選ばれる1又は2以上の加工を施した加工物が好ましい。好ましい加工物としては、植物体を粉砕して得られる植物体の粉砕物、或いは、植物体をそのまま又は加工後に、水及び/又は有機溶媒で抽出して得られる抽出物を挙げることができる。ここでいう加工とは、加熱、乾燥、粉砕、圧搾から選ばれる少なくとも1つの処理が挙げられる。これらの加工物は単独、混合のいずれでも使用できる。中でも、使用時の効果の顕著性や品質の安定性の観点から抽出物、特にオオイタドリの芽の抽出物を用いることが好ましい。オオイタドリの植物体の抽出物を得る場合の溶媒としては、水又は有機溶媒が選ばれる。水を用いる場合には温水、または熱水が用いられる。抽出に用いる有機溶媒としては、通常使用される有機溶媒であればよく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタン、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2−トリクロロエテン等が好ましく用いられる。これらの水及び有機溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせて用いてもよい。特に、水、含水エタノール又は含水プロピレングリコール等が好ましく用いられる。
抽出においては、上述のように、水および有機溶媒のうちの少なくとも1種、すなわち水、有機溶媒、または水と有機溶媒との混合溶媒(以下、これらをまとめて抽出溶媒という)が用いられる。抽出効率を高める点から、抽出温度は高い方が好ましい。例えば、水を用いる場合、50〜120℃、好ましくは70〜100℃で熱水抽出することが好ましい。、オオイタドリに熱水を加えてもよく、オオイタドリに水を加えた後、加熱してもよい。抽出時間は、抽出温度により適宜決定され得る。一般的には10分〜24時間である。
オオイタドリの植物体からの抽出物は、限外濾過、あるいは吸着性担体(ダイヤイオンHP−20、Sephadex−LH20、キチン等)を用いたカラム法またはバッチ法などにより、精製を行うことが安全性の面から好ましい。また、必要に応じて、減圧濃縮、凍結乾燥などの方法により濃縮または乾燥して、液状、ペースト状、または粉末状(抽出物粉末)、細粒状、顆粒状としてもよい。オオイタドリの抽出物等のオオイタドリの加工物は、粉末状、細粒状、顆粒状であることが好ましい。また、上記オオイタドリの抽出物に対しては、殺菌処理を行ってもよいし、殺菌後、さらに濃縮、乾燥、および粉末化を行ってもよい。殺菌、濃縮、乾燥及び粉末化は、当該技術分野において通常使用される方法によって行われるが、中でも、乾燥としては、凍結乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥、ドラム式乾燥、棚式乾燥、およびマイクロウェーブによる乾燥が好ましい。
本発明でオオイタドリを用いる場合、その加工物は、フラボノイド類としてケルセチン-3-ルチノシドを含有することが好ましい。特に、本発明で用いるオオイタドリは、ケルセチン-3-ルチノシドを好ましくは、0.1質量%以上含有することが好ましく、1質量%以上含有することがより好ましく、10質量%以上含有することがより好ましいい。
本発明の組成物は好ましくは動物を対象とするものであり、特に哺乳類を対象とすることが好ましく、とりわけヒトを対象にすることが好ましい。
本発明の組成物は、実質的にアミノ糖及びフラボノイド類含有植物のみからなるものであってもよい。実質的にアミノ糖及びフラボノイド類含有植物のみからなるとは、アミノ糖、フラボノイド類含有植物の加工工程で不可避に混入する成分以外の成分を含有しない場合が挙げられ、具体的には、本発明の組成物におけるアミノ糖、フラボノイド類含有植物の合計質量が95質量%以上の場合を意味する。しかしながら本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、アミノ糖、フラボノイド類含有植物以外に、後述する各種の他の成分を含有することが可能である。
(含有量)
本発明の効果を更に高める観点から、本発明の組成物を経口摂取する場合において、本発明の組成物における、アミノ糖の含有量は、10〜2000mgが好ましく、100〜1000mgがより好ましく、200〜800mgが更に好ましい。また本発明の組成物を経口摂取する場合、本発明の組成物における、アミノ糖の含有量は、1〜80質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、10〜30質量%が更に好ましい。
本発明の効果を更に高める観点から、本発明の組成物を経口摂取する場合において、本発明の組成物における、フラボノイド類含有植物の含有量は、乾燥質量で1〜500mgが好ましく、5〜200mgがより好ましく、10〜100mgが更に好ましく、20〜80mgが特に好ましい。また本発明の組成物を経口摂取する場合、本発明の組成物における、フラボノイド類含有植物の含有量は、乾燥質量で0.001〜50質量%が好ましく、0.01〜40質量%がより好ましく、0.1〜30質量%が更に好ましい。
本発明の効果を更に高める観点から、本発明の組成物を非経口摂取する場合において、本発明の組成物における、アミノ糖の含有量は、0.000001〜100mgが好ましく、0.00001〜10mgがより好ましく、0.00001〜1mgが更に好ましく、0.0001〜0.1mgが特に好ましい。また本発明の組成物を非経口摂取する場合、本発明の組成物における、アミノ糖の含有量は、0.000001〜20質量%が好ましく、0.00001〜1質量%がより好ましく、0.0001〜0.1質量%が更に好ましい。
本発明の効果を更に高める観点から、本発明の組成物を非経口摂取する場合において、本発明の組成物における、フラボノイド類含有植物の含有量は、乾燥質量で0.000001〜100mgが好ましく、0.00001〜10mgがより好ましく、0.00001〜1mgが更に好ましく、0.0001〜0.1mgが特に好ましい。本発明の組成物を非経口摂取する場合、本発明の組成物における、フラボノイド類含有植物の含有量は、乾燥質量で0.000001〜20質量%が好ましく、0.00001〜1質量%がより好ましく、0.0001〜0.1質量%が更に好ましい。
本発明の効果を更に高める観点から、本発明の組成物を経口摂取する場合であっても非経口摂取する場合であっても、アミノ糖の質量:フラボノイド類含有植物の乾燥質量の質量比率(前者:後者)は1:0.0001〜1000であることが好ましく、1:0.001〜100であることがより好ましく、1:0.01〜10であることが更に好ましく、1:0.01〜1であることが特に好ましい。
本発明の組成物は化粧用に用いることができ、この場合、化粧料組成物となる。本発明の化粧用組成物は経皮投与等の非経口投与されるものである。
本発明の化粧用組成物には、上記アミノ糖、フラボノイド類含有植物以外に、医薬部外品又は化粧料などに通常使用される他の成分を、該化粧料の効果を損なわない範囲で含有してもよい。このような成分としては、例えば水、他の薬効成分、他の油剤、基剤、保湿剤、粉体、ゲル化剤、増粘剤、界面活性剤、乳化剤、抗炎症剤、抗酸化剤、pH調整剤、キレート剤、増粘剤、色素、香料、保存剤や、コラーゲン等の皮膚老化防止・改善剤、発毛抑制剤、防腐剤、防黴剤、紫外線吸収剤、吸収促進剤、紫外線分散剤等が挙げられる。ここで他の薬効成分としては、活性酸素除去剤、抗酸化剤、消炎鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、止痒剤、殺菌剤、ビタミン剤、ホルモン剤、ビタミンAなどのカロテノイド類、ビタミンB類、アスコルビン酸、ビタミンE、及びこれらの誘導体又はこれらの塩などが挙げられる。
本発明の化粧用組成物は、通常用いられる方法により、アミノ糖、フラボノイド類含有植物以外の他の成分とを混合して調製することができ、医薬品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品として使用できる。化粧料の具体的な形態は、特に限定されないが、クリーム、化粧クリーム、乳液、化粧水、美容液、ローション、洗顔料、クレンジング、ボディソープ、ボディシャンプー、パック、石鹸、ファンデーション、口紅、リップグロス、頬紅、水性軟膏、油性軟膏、シップ、ゲル(ジェル)、浴用剤等の皮膚用化粧料、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、スタイリング剤、ヘアトニック、ヘアクリーム、整髪料、育毛剤、石鹸、パーマ・カラーの前後処理剤等の髪用化粧料、化粧品と類似した剤型で薬事法の対象外の製品(いわゆる、雑品)であってよい。また、シップやゲルのような担体や架橋剤に保持・吸収させ、局部へ貼付するなどの方法により、局所的な長時間投与を行うこともできる。また、点眼剤、点鼻剤としての投与も可能である。
本発明の組成物は、美容用途又は関節保護用途に用いることができ、その場合、美容組成物、関節保護組成物となる。これらの組成物の投与形態は、非経口投与であってもよく、経口投与であってもよい。本発明の美容組成物、関節保護組成物を非経口投与する場合、これらの組成物のアミノ糖、フラボノイド類含有植物以外の配合成分の例、剤形は、上記の本発明の化粧用組成物と同様とすることができる。また、経口投与の場合の本発明の美容組成物、関節保護組成物のアミノ糖、フラボノイド類含有植物以外の配合成分の例、剤形については、後述する経口用組成物と同様とすることができる。これらの組成物における非経口投与の方法としては、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与等が用いられる。皮下投与のひとつである、腹腔内投与としてもよい。また、経腸投与として、注射等を用い内臓へ直接投与してもよい。
本発明の組成物を、経口で摂取する組成物とする場合、該経口用組成物においては、上記アミノ糖、フラボノイド類含有植物以外に、通常使用される他の成分を、該経口用組成物の効果を損なわない範囲で含有してもよい。このような成分としては、種々の賦形剤、結合剤、光沢剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、pH調整剤、着色料、香料、添加剤などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、本発明の組成物の形態等に応じて適宜選択することができる。
本発明の組成物は、必要に応じて、薬学的に許容される基材や担体を添加して、公知の製剤方法によって、各種の剤形に製剤可能であり、剤形としては、例えば、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、ペースト状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、チュアブル状、シロップ状、スティック状等の各形態が挙げられる。
本発明の組成物は、天然物由来で安全に非経口摂取及び/又は経口摂取できるのみならず、後述する実施例の記載から明らかな通り、アミノ糖とフラボノイド類含有植物とを含有することにより、MMP−13遺伝子発現の抑制作用を得ることができる。特に本発明の組成物は、これを非経口摂取及び/又は経口摂取することにより、種々の組織や細胞におけるMMP−13の産生を抑制することができる。例えば、皮膚中におけるMMP−13の産生を抑制することで、皮膚中のコラーゲン量の低下を防止して、皮膚のシワの防止や弾力性の向上といった皮膚の老化予防又は改善を図ることができる。また本発明の組成物は、関節等の軟骨細胞におけるMMP−13の産生を抑制することで、関節の軟骨におけるコラーゲンの減少等の関節保護に有用であり、変形性関節症、関節リウマチ、骨関節炎等の軟骨コラーゲン分解に関連する疾患の予防及び改善に有効である。本発明の組成物は、これらの作用のいずれか1種又は2種以上を奏することができる化粧用組成物、経口用組成物として有用であり、またこれらの作用のいずれか1種又は2種以上を奏することができることにより、美容組成物、関節保護組成物等として有用である。
特に、本発明の組成物はMMP−13の発現の抑制を通じて、軟骨コラーゲンの分解を抑制することにより、関節等における軟骨を保護して健全な状態を保つのに役立つ。軟骨の保護は、関節痛を予防及び改善し、関節可動域の制限を防止して関節をスムーズに動きやすくすることに繋がる。関節の痛みや可動域の制限は、バランス能力、体力、移動能力の低下をきたすとされ、いわゆるロコモティブシンドローム(運動器機能症候群)の原因となる。したがって、本願発明の組成物は、関節痛及び関節可動域の制限に伴うロコモティブシンドローム(運動器機能症候群)を予防及び防止し、バランス能力、体力、移動能力の低下を防止して、姿勢維持(背中が丸まってしまうことの防止)や、筋肉を柔軟で若々しく保つことに寄与し得る。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。しかし本発明の範囲はかかる実施例に限定されない。以下、特に断らない場合「%」は質量%、「部」は質量部を表す。以下の実施例1〜3のうち、実施例1は、アミノ糖と松とを組み合わせた実施例であり、実施例2は、アミノ糖と黒生姜とを組み合わせた実施例である。実施例3は、アミノ糖とオオイタドリとを組み合わせた実施例である。
〔実施例1、比較例1及び2、並びに参考例1及び2〕
下記の<試験液の調製I>の通りに各種(1)〜(4)の液を調製し、得られた試験液を、下記の<MMP−13発現試験I>に供した。
<試験液の調製I>
(1)の液として、10%FBS−DMEM培地を用いた。
(2)アミノ糖含有液
アミノ糖として、N−アセチルグルコサミン(ナカライテスク社製、以下「NAG」とも略記する。)を用いた。これを10mg/mL濃度となるよう10%FBS−DMEM培地に溶解し、1.5時間転倒撹拌した後、フィルタリングしたものを、更に同培地により段階希釈して、NAGを目的とする最終濃度(下記表1参照)の3倍及び6倍の濃度で含有する10%FBS−DMEM培地をそれぞれ作成した。
(3)松含有液
松として、松樹皮抽出物(商品名「フラバンジェノール」(登録商標、株式会社東洋新薬製)、粉末状、OPCを30質量%以上含有)を用いた。これを10mg/mL濃度となるよう10%FBS−DMEM培地に溶解し、1.5時間転倒撹拌した後、フィルタリングしたものを、更に同培地により段階希釈して、松樹皮抽出物を目的とする最終濃度(下記表1参照)の3倍及び6倍の濃度で含有する10%FBS−DMEM培地をそれぞれ作成した。
(4)発現誘導剤含有液
MMP−13の遺伝子発現誘導剤としてインターロイキン1ベータ(以下「IL1b」とも記載する)の水溶液(Pepro Tech社製、IL1bの濃度10μg/mL、以下「IL1b原液」ともいう)を用いた。このIL1b原液3μLを、15mLの10%FBS−DMEM培地へ添加して発現誘導剤含有液を調製した。
(松樹皮の含水エタノール可溶性分)
なお、フラバンジェノールの調製に用いた松樹皮の含水エタノール可溶性分は、下記の方法に従って測定したところ、13.2質量%であった。まず、2kgの乾燥した松樹皮をミルで1〜5mmの大きさに粉砕して粉砕物とし、この粉砕物から10gを分取してサンプルとした。このサンプルに、100mLの80容量(v/v)%のエタノールを含有する水溶液を加えて、80℃にて1時間還流抽出を行った。次いで、濾過し、濾液1を回収した。濾過残渣については、さらに上記と同様にエタノール水溶液を用いて抽出および濾過を行って濾液を得る操作を2回繰り返した(それぞれ濾液2および3という)。得られた濾液1〜3を合わせて抽出液とし、減圧濃縮乾固して乾燥物を得た(以下、含水エタノール可溶成分という)。この乾燥物の質量を測定したところ、1.32gであった。
(フラバンジェノールの製法)
また、フラバンジェノールは、下記の方法に従って調製されたものである。
まず、松樹皮100gに、水0.5Lを加えて、95℃以上にて1時間還流抽出を行った。次いで、濾過して0.5Lの濾液を回収し(濾液4とする)、さらに、濾過後の不溶物に対して、上記と同様に、水0.5Lを加えて還流抽出を行い、濾過して0.5Lの濾液を得た(濾液5とする)。濾液4と濾液5とを合わせて、1Lの松樹皮抽出液を得た。濾液を濃縮・乾燥し、得られた固体をフラバンジェノールとして使用した。
<MMP−13発現試験I>
正常ヒト関節軟骨細胞(normal human articular chondrocyte; NHAC, Lonza社)を5.4×104cells/wellとなるよう24well plateへ播種し、一晩前培養を行った。この細胞に、下記の表1の量で上記(1)、(2)、(3)及び(4)の各液をこの記載順で添加した。添加後の細胞を、5%CO2濃度CO2インキュベータで37℃にて18時間培養した。培養後の細胞からセパゾールRNA(ナカライテスク社製)を用いて添付プロトコルに従ってtotal RNAを抽出した。得られたtotal RNAを鋳型とし、cDNA作成用キット(QIAGEN社、製品名:Quantitect Reverse Transcription Kit)を用いてcDNAを合成した。得られたcDNA含有反応液をNuclease free water(QIAGEN社製)を用いて20倍希釈したもの2μLを、RT-PCR用キット(QIAGEN社、製品名:Rotor-Gene Green PCR Kit)に付属の反応液8μLと混合して、下記の条件でPCRを行った。上記反応液8μlは、2x Rotor-Gene SYBR Green PCR Master Mix 5μL 、Primer 1μL、Nuclease free water 2μLの混合液である。PCRはQIAGEN社製Rotor-Gene Qを用いて行い、PCR産物量をリアルタイムでモニタリングすることにより測定した。上記のRT-PCRでは、GAPDH (ハウスキーピング遺伝子)を内部標準とした。具体的には、MMP−13のPCR産物量/GAPDHのPCR産物量をMMP−13の遺伝子発現値とした。実験は3連で行って遺伝子発現値の平均値を求めた。実施例1、比較例1及び2、参考例1の遺伝子発現値について、参考例2のMMP−13の遺伝子発現値の平均値を1としたときの割合を、遺伝子発現の相対値として求めた。得られた相対値の平均値を、図1に示す。
(RT-PCRの条件)
Hold: 95℃・5min
Cycle:95℃・5sec → 60℃・10 sec →72℃・10sec × 45cycle
Melt:72- 99℃
(Primer)
・GAPDH:Hs_GAPDH_2_SG QuantiTect Primer Assay (QT01192646)
・MMP−13:Hs_MMP13_1_SG QuantiTect Primer Assay (QT00001764)
図1に示す結果から明らかな通り、アミノ糖と松とを組み合わせた実施例1は、IL1bの添加により誘導されたMMP−13の遺伝子発現を有意に抑制した。これに対して、アミノ糖と松とをそれぞれ単独で配合した比較例1及び2では、有意な抑制作用は見られなかった。この結果から、アミノ糖と松とを組み合わせることにより、本発明の組成物が、優れたMMP−13発現抑制作用を奏することは明らかである。そして、本発明の組成物が、このMMP−13発現抑制を通じて、軟骨や皮膚等各種の結合組織におけるコラーゲンの蓄積量の減少を有効に防止でき、美容や関節保護等に有効であることも明らかである。
〔実施例2、比較例3及び4、並びに参考例5及び6〕
下記の<試験液の調製II>の通りに各種(i)〜(iv)の液を調製し、得られた試験液を、下記の<MMP−13発現試験II>に供した。
<試験液の調製II>
(i)の液として、10%FBS−DMEM培地を用いた。
(ii)アミノ糖含有液
<試験液の調製I>における(2)において、調製したアミノ糖含有液の濃度を、目的とする最終濃度(下記表2参照)の4倍の濃度とした以外は、<試験液の調製I>の(2)と同様にした。
(iii)黒生姜含有液
黒生姜として下記の<黒生姜エキスの製造方法>により製造した粉末状のエキス(以下、「BG」ともいう、)を用いた。得られた粉末状のエキスを10mg/mL濃度となるよう10%FBS−DMEM培地に溶解し、1.5時間転倒撹拌した後、フィルタリングしたものを、更に同培地により段階希釈して、黒生姜エキスを、目的とする最終濃度(下記表2参照)の4倍の濃度で含有する10%FBS−DMEM培地を作成した。
(iv)発現誘導剤含有液
<試験液の調製I>における(4)において、10%FBS−DMEM10mLに対してIL1b原液(10μg/mL)を2.67μL添加して調製した以外は、該(4)と同様とした。
(黒生姜エキスの製造方法)
黒生姜の根茎を細片化した後乾燥してチップ状の根茎を得た。この根茎チップ300gを秤量し、60%含水エタノール3Lとともに3角フラスコに入れる。途中で何回か攪拌しながら室温で24時間静置する。減圧濾過後、残ったチップに60%含水エタノール3Lに再度浸漬して、室温で24時間静置して抽出を行う。これを減圧濾過して、2回目の抽出液を得た。前記1回目、2回目の抽出液を併せ、これを約1/6の体積に減圧濃縮して原液とした。得られた原液を乾燥させて粉末状のエキスを得た。得られたエキス中の5,7-dimethoxyflavoneの含有量は6質量%であった。
<MMP−13発現試験II>
上記の(1)〜(4)の液を添加する代わりに、正常ヒト関節軟骨細胞に下記の表2の量で上記(i)、(ii)、(iii)及び(iv)の各液をこの記載順で添加したほかは、<MMP−13発現試験I>と同様にして、遺伝子発現値を得た。実施例2、比較例3及び4、参考例3の遺伝子発現値について、参考例4の発現値の平均値を1としたときの割合を、遺伝子発現の相対値として求めた。得られた相対値の平均値を、図2に示す。
図2に示す結果から明らかな通り、アミノ糖と黒生姜とを組み合わせた実施例2は、IL1bの添加により誘導されたMMP−13の遺伝子発現を有意に抑制した。これに対して、アミノ糖と黒生姜とをそれぞれ単独で配合した比較例3及び4では、有意な抑制作用は見られなかった。この結果から、アミノ糖と黒生姜とを組み合わせることにより、本発明の組成物が、優れたMMP−13発現抑制作用を奏することは明らかである。そして、本発明の組成物が、このMMP−13発現抑制を通じて、軟骨や皮膚等各種の結合組織におけるコラーゲンの蓄積量の減少を有効に防止でき、美容や関節保護等に有効であることも明らかである。
〔実施例3、比較例5及び6、並びに参考例7及び8〕
下記の<試験液の調製III>の通りに各種(a)〜(d)の液を調製し、得られた試験液を、下記の<MMP−13発現試験III>に供した。
<試験液の調製III>
(a)の液として、10%FBS−DMEM培地を用いた。
(b)アミノ糖含有液
<試験液の調製I>における(2)において、調製したアミノ糖含有液の濃度を、目的とする最終濃度(下記表3参照)の倍の濃度とした以外は、<試験液の調製I>の(2)と同様にした。
(c)
オオイタドリとして下記の(オオイタドリエキスの製造方法)により製造した粉末状のエキスを用いた。これをオオイタドリエキスの濃度が10mg/mLとなるよう10%FBS−DMEM培地に溶解し、1.5時間転倒撹拌した後、フィルタリングしたものを、更に同培地により段階希釈して、オオイタドリエキスを、目的とする最終濃度(下記表3参照)の4倍の濃度で含有する10%FBS−DMEM培地を作成した。
(d)発現誘導剤含有液
10%FBS−DMEM5mLに対してIL1b原液(10μg/mL)を1.335μL添加して調製した。
(オオイタドリエキスの製造方法)
オオイタドリの若芽を熱水で抽出、精製してエキスを得た。このエキスを冷凍乾燥して、粉末状とした。得られたエキス中にはケルセチン-3-ルチノシドが含有されていた。
<MMP−13発現試験III>
上記の(1)〜(4)の液を添加する代わりに、正常ヒト関節軟骨細胞に下記の表3の量で上記(a)、(b)、(c)及び(d)の各液をこの記載順で添加したほかは、<MMP−13発現試験I>と同様にして、遺伝子発現値を得た。実施例3、比較例5及び6、参考例5の遺伝子発現値について、参考例6の遺伝子発現値の平均値を1としたときの割合を、遺伝子発現の相対値とした。得られた相対値の平均値を、図3に示す。
図3に示す結果から明らかな通り、アミノ糖とオオイタドリとを組み合わせた実施例3は、IL1bの添加により誘導されたMMP−13の遺伝子発現を大きく抑制した。これに対して、アミノ糖とオオイタドリとをそれぞれ単独で配合した比較例5及び6では、MMP−13の遺伝子発現抑制作用は大きく劣るものであった。この結果から、アミノ糖とオオイタドリとを組み合わせることにより、本発明の組成物が、相乗的なMMP−13発現抑制作用を奏することは明らかである。そして、本発明の組成物が、このMMP−13発現抑制を通じて、軟骨や皮膚等各種の結合組織におけるコラーゲンの蓄積量の減少を有効に防止でき、美容や関節保護等に有効であることも明らかである。
(配合例1:化粧水)
全体を100質量部として、松樹皮抽出物 0.005質量部、N−アセチルグルコサミン 0.005質量部、グリセリン 10質量部、ジグリセリン 3質量部、1,3−ブチレングリコール 12質量部、ペンチレングリコール 3質量部、ヒアルロン酸ナトリウム 0.1質量部、クエン酸 0.01質量部、クエン酸ナトリウム 0.02質量部、キサンタンガム 0.1質量部、メチルパラベン 0.15質量部、カルボマー 0.2質量部、水酸化ナトリウム 0.03質量部及び水 残部を混合して、化粧水の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例2:シャンプー)
全体を100質量部として、松樹皮抽出物 0.001質量部、N−アセチルグルコサミン 0.001質量部、ラウレス硫酸ナトリウム 7.5質量部、コカミドプロピルベタイン 4.2質量部、コカミドDEA 3質量部、1,3−ブチレングリコール 0.1質量部、ポリクオタニウム−10 0.225質量部、クエン酸 0.15質量部、クエン酸ナトリウム 0.05質量部、フェノキシエタノール 0.9質量部及び水 残部を混合して、シャンプーの態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例3:石鹸)
全体を100質量部として、黒生姜粉末 1質量部、N−アセチルグルコサミン 1質量部、グリセリン 2質量部、オリーブ油 1質量部、EDTA−4ナトリウム 0.1質量部、エチドロン酸4ナトリウム 0.2質量部及び石ケン素地 残部を混合及び固化することにより、石鹸の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例4:乳液)
全体を100質量部として、オオイタドリ抽出物 0.05質量部、N−アセチルグルコサミン 0.001質量部、ショ糖脂肪酸エステル 3質量部、グリセリン 12質量部、スクアラン 6質量部、ジメチルシリコーンオイル 24質量部、ポリプロピレングリコール 1質量部、増粘剤 0.06質量部、フェノキシエタノール 0.2質量部、エタノール 5質量部、水酸化ナトリウム 0.01質量部及び精製水 残部を混合して、乳液の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例5:化粧用クリーム)
全体を100質量部として、黒生姜抽出物 0.03質量部、N−アセチルグルコサミン 0.1質量部、スクワラン 15.0質量部、ミリスチン酸オクチルドデシル 4.0質量部、水素添加大豆リン脂質 0.2質量部、ブチルアルコール 2.4質量部、硬化油 1.5質量部、ステアリン酸 1.5質量部、親油型モノステアリン酸グリセリン 1.5質量部、モノステアリン酸ポリグリセリル 0.5質量部、ベヘニルアルコール 0.8質量部、モノミリスチン酸ポリグリセリル 0.7質量部、サラシミツロウ 0.3質量部、d−δ−トコフェロール 0.1質量部、メチルパラベン 0.3質量部、C10〜30アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.2質量部、カルボキシビニルポリマー 0.1質量部、1,3−ブタンジオール 18.0質量部、水酸化ナトリウム 0.1質量部及び精製水 残部を混合して、化粧用クリームの態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例6:パック剤)
全体を100質量部として、オオイタドリエキス 0.1質量部、N−アセチルグルコサミン 0.01質量部、ポリビニルアルコール 20.0質量部、グリセリン 5.0質量部、エタノール 20.0質量部、カオリン 6.0質量部、防腐剤 0.2質量部、香料 0.1質量部及び精製水 残部を混合して、パック剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例7:錠剤)
全体を100質量部として、黒生姜粉末 5質量部、N−アセチルグルコサミン 10質量部、ビタミンB1 5質量部、ビタミンB6 12質量部、ステアリン酸カルシウム 4質量部、麦芽糖 30質量部及びヒドロキシプロピルセルロース 残部を混合及び打錠することにより、錠剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例8:顆粒剤)
全体を100質量部として、松樹皮抽出物 5質量部、オオイタドリエキス末 8質量部、N−アセチルグルコサミン 5質量部、黒生姜抽出物5質量部、乳糖 10質量部、ステアリン酸カルシウム 1質量部及び結晶セルロース 残部を混合及び顆粒化することにより、顆粒剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例9:カプセル剤)
全体を100質量部として、オオイタドリエキス 10質量部、N−アセチルグルコサミン 10質量部、黒生姜抽出物 10質量部、レシチン 8質量部及びオリーブ油 残部を混合して調製したものを内容液として、これをカプセル殻に内包することにより、カプセル剤の態様で本発明の組成物を調製した。
(配合例10:液剤)
全体を100質量部として、松樹皮抽出物 1質量部、N−アセチルグルコサミン 1質量部、ビタミンB1 1質量部、果糖ブドウ糖液糖 10質量部、クエン酸 1質量部、安息香酸ナトリウム 0.02質量部、香料製剤 2質量部、スクラロース 0.05質量部、アセスルファムカリウム 0.03質量部、及び精製水 残部を混合して、液剤の態様で本発明の組成物を調製した。

Claims (1)

  1. N−アセチルグルコサミン(ただし、牛乳由来のものを除く)及び黒生姜を美容成分として含有し、経口摂取することを特徴とする美容組成物(ただし、N−アセチルグルコサミン、黒ショウガ末、ポリデキストロース、澱粉、デキストリン、ショウガ末、オート麦、リンゴ、大豆蛋白、塩、加水分解コラーゲン、穀物エキス、ジンジャーエキス、ハーブエキス、ゴボウ粉末、かぼちゃパウダー、にんじんパウダー、有胞子性乳酸菌、チリペッパーエキス、島唐辛子エキス、豚プラセンタ蛋白、マンゴスチンエキス、エラスチン、コエンザイム Q10、コンニャク粉、マンゴジンジャーエキス末、多糖、ビタミンC、ステビア、スクラロース、酸味料、カラメル色素、フレーバー、ナイアシン、アミノ酸、パントテン酸Ca、ビタミンB6、リボフラビン、ビタミンB1、ヒアルロン酸、葉酸、及びビタミンB12からなる粉末飲料を除く)。
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