JP6797110B2 - 1,3−ブタジエンの1,3−ブタンジオールからの製造方法 - Google Patents

1,3−ブタジエンの1,3−ブタンジオールからの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、1,3-ブタジエンの1,3-ブタンジオールからの製造方法に関する。
より具体的には、本発明は、以下の工程を含む1,3-ブタジエンの製造方法に関する:1,3-ブタンジオールおよび水を含む混合物を蒸発器に供給する工程であって、前記水が、前記混合物の全重量に対して5重量%以上の量で存在する工程;前記蒸発器の頂部から排出される1,3-ブタンジオールを含む気体流を、少なくとも1つの脱水触媒を含む第1反応器へ供給する工程;任意に前記第1反応器から排出されるアルケノール、水、および、任意に、不純物および/または未反応1,3-ブタンジオールを含む流体を精製部に供給する工程;任意に精製された、アルケノール、水、および、任意に、不純物および/または未反応1,3-ブタンジオールを含む流体を、少なくとも1つの脱水触媒を含む第2反応器へ供給し、1,3-ブタジエン、水、および、任意に、不純物および/または未反応アルケノールを含む流体を得る工程;前記流体から1,3-ブタジエンを回収する工程。好ましくは、1,3-ブタンジオールおよび水を含む前記混合物は、バイオマスから得られた糖の発酵に由来する。
前記1,3-ブタジエンは、モノマーまたは中間体として、エラストマーおよび(コ)ポリマーの製造において有利に使用され得る。
上記方法、すなわち、1,3-ブタンジオールの第1反応器中での脱水から得られるアルケノール、すなわち、2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)、3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)、3-ブテン-1-オール(アリルカルビノール)、より特には2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)および3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)を、1,3-ブタジエンの製造のため以外に、ファインケミストリー、農業化学、医薬化学、または石油化学で使用可能な中間体の製造のために、有利に使用することができることにも留意されたい。
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的のために、用語-2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)は、シスおよびトランス異性体の混合物、またはシス異性体そのものもしくはトランス異性体そのもののいずれかを意味するものと解釈される。
2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)は、例えば、ハロゲン化物、クロチルエステル、またはクロチルエーテルの前駆体として使用されてもよく、それらはその後、例えば、モノマーの製造における中間体として、ファインケミストリーにおいて(例えば、ソルビン酸、トリメチルヒドロキノン、クロトン酸、3-メトキシブタノールの製造のため)、農業化学において、医薬化学において使用され得る。
3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)は、溶媒として、ファインケミストリーにおいて、例えばポリオレフィンなどのポリマーの変形の構成要素として使用され得る(例えば、特許文献1に記載されているように)。
3-ブテン-1-オール(アリルカルビノール)は、例えば原料として、医薬化学、農業化学、香料、樹脂において使用され得る。例えば、医薬化学において、例えば葉酸アンタゴニストとして使用され得るアリール置換アルデヒドは、パラジウムにより触媒される3-ブテン-1-オール(アリルカルビノール)のハロゲン化アリールとのカップリング反応から得られ得る。
現在、1,3-ブタンジオール、1,3-ブタジエンおよびアルケノールの工業的生産は、従来の石油化学プロセスに基づいていることが知られている。
この理由は、ジオール一般、および1,3-ブタンジオール(一般的に1,3-BDOとしても表される)は特に、4個の炭素原子を有するので、例えば非特許文献1に記載されているように、それらは一般に複雑な石油化学プロセスにより得られるためである。特に、1,3-ブタンジオールは、アセトアルデヒド、ヒドロキシブチルアルデヒドおよびその後の還元を経て製造され、一般に樹脂の成分または溶媒として使用される。
特許文献2は、アリルアルコール、ホモアリルアルコール、またはそれらの混合物の調製方法を記載しており、エポキシ基とエチレン性不飽和が、硫黄変性または硫化ニッケル触媒の存在下で、水素化の典型的な温度および圧力の条件下で結合するエポキシアルケンの水素化を含む。好ましくは、前記方法は、2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)および3-ブテン-1-オール(アリルカルビノール)の混合物の製造に有用である。特許文献3は、式(I)を有する2-ブテン-1-オール化合物の製造方法を記載する:
H2R1-R2C=CR3-CR4R5-OR6(I)
式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6基は、互いに独立して水素であるか、または、任意にOH、もしくはRが脂肪族基、ハロゲンもしくはカルボキシル基であるOR基で置換された脂肪族基であり、さらにR2は-CHO基を表すか、またはR2およびR5は、それらの間に位置する炭素原子と一緒になって脂環式環を形成し、R6はさらに、脂環式、芳香脂肪族、芳香族基、またはR7が脂肪族、脂環式、芳香脂肪族または芳香族である-C(=O)-R7基を表し、前記方法は、式(II)を有する3-ブテン-1-オール化合物の異性化を含む:
HR1C=CR2-CHR3-CR4R5-OR6(II)
式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6基は上記と同じ意味を有し、水素および触媒の存在下で、この方法は固定床触媒上で連続的に実施され、触媒はパラジウムおよびセレンもしくはテルルまたは二酸化ケイ素支持体上のセレンとテルルとの混合物を含み、80m2/g〜380m2/gのBET表面積および0.6cm3/g〜0.95cm3/gの細孔容積を、3nm〜300μmの細孔直径で有し、細孔容積の80%〜95%が10nm〜100nmの細孔直径である。
あるいは、2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)は、例えば非特許文献2に記載のように、クロトンアルデヒドの還元により調製され得る。
特許文献4は、アルケノールを1,3-ブタンジオールから液相で合成する方法を記載しており、以下の工程を含む:硫酸アルミニウム、硫酸クロム、硫酸鉄、およびそれらの混合物から選択される三価金属の硫酸塩を、触媒として、1,3-ブタンジオールと有効量で混合し、1,3-ブタンジオールに懸濁した前記触媒の混合物を得る;前記混合物を、1,3-ブタンジオールの沸点より約70℃低い〜約100℃低い温度に加熱し、1,3-ブタンジオールの部分脱水により反応混合物から蒸発する3-ブテン-1-オールを得る;前記蒸気を凝縮させ、3-ブテン-1-オールを単離する。
3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)およびブタジエンは、例えば非特許文献3に記載されているように、酸化トリウムの存在下での2,3-ブタンジオールの脱水により得られ得る。
あるいは、3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)は、単独でまたは他のブテノールとの混合物として、例えば以下により得られ得る;例えば特許文献5に記載のように、ポリオールまたはその誘導体(例えば1,3-ブチレングリコールジアセテート)の熱分解により;または、例えば特許文献6、もしくは特許文献7に記載のように、アセチレンもしくは不飽和カルボニル化合物の還元により。
効率的で、より生産性が高く、生産費用が低く、環境影響が低減されたアルケノールおよび1,3-ブタジエンの代替生産方法を開発する可能性は、いまだに多くの注目を引く。特に、生合成過程に由来する材料、例えばバイオマスなどの再生可能資源に由来する1,3-ブタンジオール(すなわち、バイオ-1,3-ブタンジオール)を使用することができ、触媒脱水により、後にバイオ-1,3-ブタジエンの製造に使用され得るバイオアルケノールを得る新規方法は、確実に注目を引く。
触媒、特に酸化セリウムをベースとする触媒の存在下での、ジオールおよびブタンジオールのアルケノールへの脱水の方法は、当技術分野において知られている。
例えば、非特許文献4は、市販の酸化セリウムにより触媒される、またはクエン酸塩の脱水によるジオールのアリルアルコール[すなわち、2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)および3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)]への選択的脱水を記載する。特に、彼らは、酸化セリウム(CeO2)により触媒される、1,3-ブタンジオールのアリルアルコール(すなわち、アルケノール)への300℃〜375℃の温度での選択的脱水を記載する。特に、2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)および3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)が、酸化セリウム(CeO2)により触媒され、325℃で作動する1,3-ブタンジオールの脱水において、高い選択率で生成される。
非特許文献5は、セリウム酸化物により触媒され、200℃〜450℃の温度で作動する1,4-ブタンジオールの3-ブテン-1-オール(アリルカルビノール)への選択的脱水を記載する。
非特許文献6は、対応する塩化物の分解に由来する市販の希土類酸化物により、>2000℃の温度で、約2時間、気相中で触媒される、1,3-ブタンジオールの気相反応を記載する。1,3-ブタンジオールの前記反応中に、不飽和アルコールへの脱水または副生成物の生成が、325℃で同時に起こる。
非特許文献7は、対応する塩化物の分解に由来する市販の希土類酸化物により高温で触媒され、異なる温度(500℃〜1000℃の温度)でか焼され、したがって異なる結晶構造を有する、1,3-ブタンジオールの気相脱水を記載する。
非特許文献8は、1,3-ブタンジオールの、SiO2-Al2O3、Al2O3、ZrO2およびTiO2などの固体酸性触媒の存在下での不飽和アルコールへの脱水、ならびに前記不飽和アルコールの1,3-ブタジエンへの脱水を記載する。例えば、SiO2-Al2O3の存在下で、不飽和アルコール、特に3-ブテン-1-オール(アリルカルビノール)および2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)の良好な選択(表2を参照)が得られ、一方250℃の温度で作動しながら、SiO2-Al2O3の存在下で、アルケノール、特に2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)および3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)を脱水し、1,3-ブタジエンにする(表5を参照)。
上記の先行技術は、ジオール脱水反応、特に1,3-ブタンジオールのアルケノールへの、およびアルケノールから1,3-ブタジエンへの化学的メカニズムを記載するに過ぎないが、生合成プロセスに由来するジオールから出発するアルケノールおよび1,3-ブタジエンの製造方法について述べていない。
ジオールの1,3-ブタジエンへの直接脱水については、特定の状況ではあるが、工業的に応用される唯一のアプローチは、リン酸系触媒を使用するレッペ型技術をベースにしたものである。
例えば、特許文献8は、脂肪族グリコール(例えば、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール)をリン酸系触媒の存在下で脱水することにより85%〜95%の収率で1,3-ブタジエンを得る、ジオレフィン(例えば、1,3-ブタジエン)の製造方法を記載する。しかしながら、前記方法は、非常に低い供給速度が使用され、結果として触媒の生産性が低下するため、適用が困難であることが判明している。さらに、触媒寿命を延ばすために、例えばベンゼンなどの有機物質の再循環流が「有機洗浄剤」として使用される。
特に、リン酸系触媒の寿命が短いため、特許文献9は、揮発性リン酸エステルを用いてリン酸系脱水触媒を再生する方法を記載する。
近年では、ジオール、特に1,4-ブタンジオールおよび1,3-ブタンジオールを、再生可能資源から出発して合成する新しい方法が開発されている。前記方法は、1,4-ブタンジオールまたは1,3-ブタンジオールを生成する目的での少なくとも1種類の遺伝子改変微生物の存在下の発酵もろみ液中で行われる、再生可能資源に由来する糖の発酵に基づく。一般に、前記微生物は、1,4-ブタンジオールまたは1,3-ブタンジオールを生成する酵素経路に属する化合物をコードする1つ以上の外来遺伝子を導入することにより遺伝子改変される。前記微生物はまた、1,4-ブタンジオールまたは1,3-ブタンジオールの生成の所望の経路を介した炭素の流動を最適化するための遺伝子破壊を任意に含んでいてもよい。前記再生可能資源は、一般に、植物起源のバイオマスである:サトウキビおよびサトウダイコンが糖(スクロース)源としてこの目的のために使用され得るか、またはトウモロコシおよびジャガイモがデンプンの供給源として、したがってデキストロースの供給源として使用され得る。将来的に大きく注目されるのは、例えばトウモロコシの茎、穀物の藁、アルンド、アザミ茎、グアユールバガスなどの「非食用」バイオマスであり、セルロースおよびヘミセルロースの分解により糖を得ることができる。一般に、植物起源のバイオマスは、基質を得るために化学的および/または酵素的加水分解を受け、それは続いて目的の化学物質を得るために生体触媒的に処理され得る。前記基質は、芳香族化合物などの炭水化物の混合物、ならびにバイオマス中に存在するセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンに由来するその他の生成物などを含む。前記バイオマスの加水分解により得られる炭水化物は、例えば、スクロース、グルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノースおよびフルクトースが挙げられる5および6個の炭素原子を有する糖に富む混合物であり、発酵中に使用される。1,4-ブタンジオールを再生可能資源から出発して合成するための上記新規方法に関するさらなる詳細は、例えば特許文献10、特許文献11において見出すことができ;一方で1,3-ブタンジオールの合成については、例えば特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15において見出すことができ、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
発酵の完了時に、得られた発酵もろみ液は、目的の生成物、すなわち1,4-ブタンジオールまたは1,3-ブタンジオールに加えて、大量の水(例えば、発酵もろみ液の全重量に対して90重量%〜95重量%の水)ならびにその他の不純物、例えば:無機塩類(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム;リン酸ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム;クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムまたはクエン酸アンモニウム;酢酸ナトリウム、酢酸カリウムまたは酢酸アンモニウム;ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムまたはホウ酸アンモニウム);不溶性固体物質、例えば細胞破片、沈殿タンパク質なども含むことも知られている。したがって、低含水量(すなわち、精製後に得られる混合物の全重量に対して1重量%〜5重量%の水である含水量)の純粋な1,4-ブタンジオールまたは1,3-ブタンジオールを得るために、前記発酵もろみ液は精製されなければならない。
これに関連して、例えば、上記の特許文献11は1,4-ブタンジオールを単離する方法を記載し、その中に記載されている方法は、1,3-ブタンジオールを単離する目的で容易に改変され得ることが強調されている。好ましい態様では、1,4-ブタンジオールを発酵もろみ液から単離する方法が記載されており、この方法は、ディスクスタック遠心分離により固体の一部を除去して液体画分を得る工程;限外ろ過により固体のさらなる部分を前記液体画分から除去する工程;イオン交換樹脂により塩の一部を前記液体画分から除去する工程;水の一部を蒸発させ、1,4-ブタンジオールを蒸留により回収する工程を含む。
しかしながら、発酵もろみ液から1,4-ブタンジオールまたは1,3-ブタンジオールを単離する上記方法は、いくつかの問題を有し得る。特に、蒸発により水を除去する工程は、実質的に全ての水を除去する工程(上述したように、精製後に得られる混合物の全重量に対して1重量%〜5重量%の含水量を最終的に有するために)、存在するその他の不純物を分離する工程、特に1,4-ブタンジオールまたは1,3-ブタンジオールの沸点とほぼ同じ沸点を有する不純物を分離する工程に必要とされる熱のために、高いエネルギー消費を伴う。
さらに、精製後でさえも、1,4-ブタンジオールおよび1,3-ブタンジオールは、微量の無機塩ならびに/または硫黄および/もしくは窒素を含有する有機化合物を含むことがあり、これは、知られているように、それを使用するその後の方法、例えば1,3-ブタジエン製造方法で通常使用される触媒にとって有害である。
独国特許1,908,620号明細書 米国特許第5,406,007号明細書 米国特許第6,278,031号明細書 米国特許第4,400,562号明細書 独国特許第1,150,671号明細書 露国特許396312号明細書 特開昭63/222135号公報 米国特許第2,310,809号明細書 米国特許第2,426,678号明細書 米国特許出願公開第2009/0047719号明細書 米国特許出願公開第2011/0003355号明細書 米国特許出願公開第2010/330635号明細書 米国特許出願公開第2012/329113号明細書 米国特許出願公開第2013/066035号明細書 米国特許出願公開第2013/109064号明細書 伊国特許出願公開第MI2013A002069号明細書
Grafje H. et al. in "Butanediols, Butenediol, and Butynediol", "Ulmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry" (2000) "Merck Index" (1976), 9th Edition Winfield M. E. in "The catalytic dehydration of 2,3-butanediol to butadiene. II. Adsorption Equilibria", "Australian Journal of Scientific Research" (1950), Vol. 3(2), pp. 290-305 Sato S. et al., in "Catalysis Communications" (2003), Vol. 4, pp. 77-81 Sato S. et al., in "Catalysis Communications" (2004), Vol. 5, pp. 397-400 Sato S. et al., in "Applied Catalysis A: General" (2007),Vol. 328, pp. 109-116 Gotoh H. et al., in "Applied Catalysis A: General" (2010), Vol. 377, pp. 92-98 Hichikawa N. et al., in "Journal of Molecular Catalysis A: Chemical" (2006), Vol. 256, pp. 106-112 "Process Heat Transfer", Donald Q. Kern, McGraw-Hill (1950), Chapter 14, Evaporator, pp. 375-510 Perry’s Chemical Engineers’ Handbook, McGraw-Hill (7th Ed. - 1997), Section 11, pp. 108-118
したがって、出願人は、1,3-ブタンジオールおよび水を含む混合物から出発し、前記水が前記混合物の全重量に対して5重量%以上の量で存在する1,3-ブタジエンの製造方法、好ましくはバイオマスから得られる糖の発酵に由来する1,3-ブタンジオールおよび水を含む混合物からの1,3-ブタジエンの製造方法であって、上述の欠点を克服することができる方法を見出す問題を自らに課した。
本出願人は、1,3-ブタンジオールおよび水を含む混合物を蒸発器に供給することにより、前記混合物を1,3-ブタジエンの製造方法において使用することができ、上述の欠点を克服できることを見出した。特に、出願人は、以下の工程を含む1,3-ブタジエンの製造方法を見出した:1,3-ブタンジオールおよび水を含む混合物を蒸発器に供給する工程であって、前記水が、前記混合物の全重量に対して5重量%以上の量で存在する工程;前記蒸発器の頂部から排出される1,3-ブタンジオールを含む気体流を、少なくとも1つの脱水触媒を含む第1反応器へ供給する工程;任意に前記第1反応器から排出されるアルケノール、水、および、任意に、不純物および/または未反応1,3-ブタンジオールを含む流体を精製部に供給する工程;任意に精製された、アルケノール、水、および、任意に、不純物および/または未反応1,3-ブタンジオールを含む流体を、少なくとも1つの脱水触媒を含む第2反応器へ供給し、1,3-ブタジエン、水、および、任意に、不純物および/または未反応アルケノールを含む流体を得る工程;前記流体から1,3-ブタジエンを回収する工程。好ましくは、1,3-ブタンジオールおよび水を含む前記混合物は、バイオマスから得られた糖の発酵に由来する。
上記の方法により多くの利点が得られる。例えば、前記方法は、驚くべきことに、実質的に純粋な1,3-ブタンジオール(すなわち、98%以上の純度)の供給を採用する同様の方法に対して、エネルギー消費を少なくとも10%削減することを可能にする:この見積もりは、当業者に知られている手法を用いて得られたものである(例えば、HysysおよびExcelソフトウェアを組み合わせたコンピュータシミュレーションにより)。
さらに、前記混合物中に存在する水が熱フライホイールとして作用するので、前記方法は断熱的に実施されてもよく、それにより従来の固定床反応器をチューブバンドル反応器の代わりに使用し、その中に触媒を入れることが可能になる。これにより、よりシンプルで安価な反応器の機械的構造が可能になる。
また、前記混合物中の水の存在をうまく利用する前記方法は、前記流体が1,3-ブタジエンの製造のために第2の反応器に供給される前に、第1反応器から排出されるアルケノール、水、および、任意に、不純物および/または未反応1,3-ブタンジオールを含む流体からの反応生成物として形成された水の実質的に全てを除去せざるをえない状況を回避することを可能にする:これが有利であるのは、アルケノールおよび水は共沸混合物を形成し、それが水を前記流体から除去することを困難かつ高価にするためである(水は通常、抽出蒸留により溶媒の存在下で共沸混合物から分離されるため)。
さらに、バイオマスから得られる糖の発酵に由来する1,3-ブタンジオールおよび水を含む混合物が使用される場合、精製部がその使用前に必要とされないので、前記方法は約8%の資本コストの節約を可能にする。また、第1反応器から排出されるアルケノール、水、および、任意に、不純物および/または未反応1,3-ブタンジオールを含む流体の任意の精製は、バイオマスから得られる糖の発酵に由来する1,3-ブタンジオールおよび水を含む混合物の精製よりも非常に単純であり、これは、通常存在する不純物は、上記のように、1,3-ブタンジオールとほぼ同じ沸点を有するが、他方ではアルケノールの沸点とは異なる沸点を有するためである。
図1は、本実施形態の1,3-ブタジエンの製造方法の一例を示す図である。
本発明は、したがって、以下の工程を含む、1,3-ブタジエンの製造方法を提供する:
- 1,3-ブタンジオールおよび水を含む混合物(a)を蒸発器に供給する工程であって、前記水が、前記混合物(a)の全重量に対して5重量%以上、好ましくは10重量%〜85重量%、より好ましくは15重量%〜30重量%の量で存在し、以下を得る工程:
(b)前記蒸発器の頂部から排出される1,3-ブタンジオールを含む気体流;および、任意に、
(c)前記蒸発器の底部から排出されるブローダウン流;
- 前記気体流(b)を、少なくとも1つの脱水触媒を含む第1反応器へ供給し、(d)前記第1反応器から排出されるアルケノール、水、および、任意に、不純物および/または未反応1,3-ブタンジオールを含む流体を得る工程;
- 任意に、前記流体(d)を第1精製部に供給し、以下を得る工程:
(e)アルケノール、水、および、任意に、不純物を含む流体;
(f)水、および、任意に、不純物および/または未反応1,3-ブタンジオールを含む流体;および、任意に、
(f')不純物を含む流体;
- 前記流体(d)もしくは前記流体(e)を、少なくとも1つの脱水触媒を含む第2反応器へ供給し、(g)前記第2反応器から排出される1,3-ブタジエン、水、および、任意に、不純物および/または未反応アルケノールを含む流体を得る工程;
- 前記流体(g)を第2精製部に供給し、以下を得る工程:
(h)純粋な1,3-ブタジエンを含む流体;
(i)水、および、任意に、未反応アルケノールを含む流体;ならびに、任意に、
(l)不純物を含む流体。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、前記混合物(a)は、バイオマスから得られる糖の発酵に由来する。
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的のために、特に明記しない限り、数値範囲の定義は常に極地を含む。
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的のために、用語「含む」は、用語「から本質的になる」または「からなる」も包含する。
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的のために、用語「バイオマス」は、以下を含む植物由来の任意の有機材料を意味する:例えば、グアユール、アザミ、トウモロコシ、大豆、綿、亜麻仁、菜種、サトウキビ、パーム油などの農業に由来する産物であって、前記産物に由来する、またはそれらの処理に由来する廃棄物、残留物および廃棄物を含む;例えば、ススキ、パニックグラス、ジャイアントケーンなどの、特にエネルギー使用のために栽培された作物に由来する産物であって、前記産物に由来する、またはそれらの処理に由来する廃棄物、残留物および廃棄物を含む;林業または造林物に由来する産物であって、前記産物に由来する、またはそれらの処理に由来する廃棄物、残留物および廃棄物を含む;ヒトの食糧や動物の飼料を対象とした農産物からの廃棄物;製紙産業からの残留物;例えば、植物由来の都市廃棄物、紙などの固体都市廃棄物の分別収集に起因する廃棄物。
本発明の特に好ましい一実施形態によれば、前記混合物(a)は、グアユールまたはアザミから得られる糖、前記グアユールおよび/もしくはアザミに由来する、またはそれらの処理に由来する廃棄物、残留物から得られる糖などの発酵に由来する。
本発明のさらにより好ましい一実施形態によれば、前記混合物(a)は、グアユールから得られる糖、前記グアユールに由来する、またはその処理に由来する廃棄物、残留物から得られる糖などの発酵に由来する。
バイオマスからの糖の生成は、当技術分野で知られている方法により実施され得る。
例えば、植物由来のバイオマス(例えば、リグノセルロース系バイオマス)を使用して糖を生成する場合、前記バイオマスは、物理的処理(例えば、押出し、蒸気爆発など)、ならびに/または化学的および/もしくは酵素加水分解され、炭水化物、芳香族化合物およびバイオマス中に存在するセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンに由来するその他の生成物の混合物が得られる。特に、得られる炭水化物は、例えば、スクロース、グルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノースおよびフルクトースが挙げられる5および6個の炭素原子を有する糖の混合物であり、発酵に使用されることになる。バイオマスから糖を製造する方法に関するさらなる詳細は、例えば、本出願人の名義の特許文献16において見出すことができる。前記発酵は、一般に、目的のアルコールを生成することができる微生物により、特に遺伝子改変微生物により行われる。再生可能資源から出発して1,3-ブタンジオールを合成する方法に関するさらなる詳細は、例えば、上記の特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15において見出すことができる。
混合物(a)がバイオマスから得られる糖の発酵に由来する場合、前記混合物(a)は、不純物、例えば:無機塩類(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム;リン酸ナトリウム、リン酸カリウムまたはリン酸アンモニウム;クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムまたはクエン酸アンモニウム;酢酸ナトリウム、酢酸カリウムまたは酢酸アンモニウム;ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムまたはホウ酸アンモニウム);不溶性固体物質、例えば細胞破片、沈殿タンパク質など;未発酵の糖を含み得る。
当技術分野で知られている任意のタイプの蒸発器が、本発明の目的のために有利に使用され得る。有利に使用され得る蒸発器の特定の例は:沸騰によってのみ誘発される運動により蒸発が引き起こされる「自然循環」蒸発器、「ケトル」型蒸発器、循環ポンプを用いて速度および乱流を増加させる強制循環により蒸発が引き起こされる蒸発器(「強制循環蒸発器」)、ME-EV(「多重効用蒸発器」)型の蒸発器、単一または多段蒸発器、単一効用蒸発器、STV型蒸発器(「短管垂直型蒸発器」)、LTV型蒸発器(「垂直長管型蒸発器」)、「バスケット型」蒸発器、水平管蒸発器、流下膜式蒸発器、薄膜蒸発器(「ワイプドフィルム蒸発器」)などが挙げられる。「ケトル」型の蒸発器が好ましく使用される。
使用される蒸発器のタイプに関するさらなる詳細は、例えば、非特許文献9;非特許文献10において見出すことができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記蒸発器は、95℃〜300℃、好ましくは130℃〜280℃の温度で作動し得る。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記蒸発器は、0.5バール(絶対バール)〜5バール(絶対バール)、好ましくは0.9バール(絶対バール)〜3バール(絶対バール)の圧力で作動し得る。
本発明の目的のために、前記混合物(a)は、蒸発器に供給される前に、熱交換器(すなわち、以下に説明する第2熱交換器)において、全体的にまたはこの目的のために部分的に使用され得る流体(d)により予熱され、それにより熱回収を可能にし得ることに留意すべきである。前記熱交換器から排出される際に、流体(d)は、前記第1精製部または前記第2反応器に供給されてもよい。
さらに、本発明の目的のために、気体流(b)の小部分は、一旦凝縮されれば、液相で前記蒸発器の頂部に還流されてもよいことに留意すべきである。このように作動すると、上昇する蒸気と下降する液体は、接触装置を備えた蒸発器のドーム内で接触し、触媒を害する物質を含有し得る高沸点不純物を混入させないようになる。残りの部分は、他方で、前記第1反応器に供給される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記蒸発器に供給される混合物(a)を、1時間以内に蒸発器に供給される前記混合物(a)の全重量に対して0.5重量%〜5重量%、好ましくは1重量%〜4重量%の量で除去するような流量で、前記ブローダウン流(c)は前記蒸発器から排出され得る。
前記ブローダウン流は、混合物(a)がバイオマスから得られる糖の発酵に由来する場合に特に有用であることに留意すべきである:この場合、前述したように、前記混合物(a)は、このようにして除去され得る不純物を含んでもよい(完全にまたは少なくとも部分的に)。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記第1反応器に含まれる触媒は、例えば、酸化セリウム(CeO2)、酸化アルミニウム(γ-Al2O3)、ケイ酸アルミニウム(SiO2-Al2O3)、スルホン化樹脂、イオン交換樹脂、酸性土(例えば酸化ランタンまたは酸化ジルコニウム)などの酸性触媒から選択され得る。前記触媒は任意に、例えば、軽石、グラファイト、シリカなどの不活性担体上に担持され得る。酸化セリウム(CeO2)が好ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記第1反応器は、190℃〜450℃、好ましくは320℃〜420℃の温度で作動し得る。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記第1反応器は、0.3バール(絶対バール)〜2バール(絶対バール)、好ましくは0.8バール(絶対バール)〜1.8バール(絶対バール)の圧力で作動し得る。
本発明の好ましい実施形態によれば、気体流(b)は、「重量毎時空間速度」(WHSV)、すなわち、1時間のうちに供給される気体流(b)の重量と触媒の重量との比率で動作する前記第1反応器に供給されてもよく、前記比率は時間-1で測定され、0.5時間-1〜30時間-1、好ましくは1時間-1〜20時間-1、より好ましくは2時間-1〜15時間-1である。
好ましくは、蒸発器の頂部から排出される気体流(b)は、第1熱交換器において、全体的にまたはこの目的のために部分的に使用され得る流体(d)により予熱され、それにより最初の熱回収を可能にし得る。前記第1熱交換器から排出される際、上述のように、混合物(a)を蒸発器に供給する前に予熱する目的のために、流体(d)を全体的にまたは部分的に第2熱交換器に供給し、それにより2度目の熱回収を可能にし得る。前記第2熱交換器から排出される際、流体(d)を、前記第1精製部、または前記第2反応器に供給してもよい。前記第1反応器に入力した温度に達するよう、前記予熱気体流(b)を第3熱交換器に供給してもよく、前記温度は190℃〜450℃、好ましくは320℃〜420℃である。
触媒の流動化現象を回避する目的で、前記第1反応器は、好ましくは、ダウンフロー構造で供給されることに留意すべきである。
気体流(d)は前記第1反応器から排出され、前記流体は、アルケノール、すなわち2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)、3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)、3-ブテン-1-オール(アリルカルビノール)、より特には2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)および3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)、水、ならびに、任意に、不純物および/または未反応1,3-ブタンジオールを含む。一般に、1,3-ブタンジオール転化率が90%以上、好ましくは100%と仮定すると、前記流体(d)は、50重量%以上の量のアルケノール、20重量%以上の量の水、15重量%以下の量の未反応1,3-ブタンジオールおよび任意の不純物を含み、前記量は、前記流体(d)の全重量に対する重量%で表されている。
好ましくは、前記第1精製部は、2つの蒸留塔を含み得る。好ましくは、前記第1反応器から排出される流体(d)を、上述の第1および/または第2熱交換器における任意の熱回収後、第1蒸留塔に供給し、前記第1蒸留塔の頂部から排出される軽不純物(例えば、アセトアルデヒド、ブテン)を含む流体(f')と、前記第1蒸留塔の底部から排出され、第2蒸留塔に供給される流体とを得る。気体流(e)は、前記第2蒸留塔の頂部から排出され、前記流体はアルケノール、水、および任意に、不純物を含み、一方で流体(f)は前記蒸留塔の底部から排出され、前記流体は水、および、任意に、重不純物(例えば、8個の炭素原子を有するアルケノールオリゴマー、酸素化ブテン二量体、不飽和酸)および/または未反応1,3-ブタンジオールを含み、前記未反応1,3-ブタンジオールは、一般に、好ましくは前記蒸発器に供給される前記流体(f)の全重量に対して98重量%以下の量で存在する。一般に、前記流体(e)は、前記流体(e)の全重量に対して、45重量%以上の量のアルケノール、30重量%以上の量の水、および15重量%以下、好ましくは10重量%以下の量の任意の不純物(例えば、2-ブタノン、ヘプタノン、アセトアルデヒド、2個、3個、または4個の炭素原子を有する炭化水素)を含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記第2反応器中に存在する触媒は、例えば、酸化アルミニウム(γ-Al2O3)、ケイ酸アルミニウム(SiO2-Al2O3)、アルミナ、ゼオライト、スルホン化樹脂、イオン交換樹脂、金属リン酸塩(例えば、リン酸ホウ素、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸セリウム)、リン酸アンモニウム、酸性土(例えば、酸化ランタン、酸化ジルコニウム)などの酸性触媒から選択され得る。前記触媒は任意に、例えば、軽石、グラファイト、シリカなどの不活性担体上に担持され得る。ケイ酸アルミニウム(SiO2-Al2O3)、金属リン酸塩(好ましくは、リン酸カルシウム)が好ましい。
本発明および以下の特許請求の範囲の目的のために、用語「ゼオライト」は、その最も広い意味を有すると解釈され、すなわち、例えば、「ゼオライト様」、「ゼオタイプ」などとして従来知られている物質も含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記第2反応器は、250℃〜450℃、好ましくは280℃〜400℃の温度で作動し得る。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記第2反応器は、0.3バール(絶対バール)〜2バール(絶対バール)、好ましくは0.8バール(絶対バール)〜1.8バール(絶対バール)の圧力で作動し得る。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記流体(d)または前記流体(e)は、「重量毎時空間速度」(WHSV)、すなわち、1時間のうちに供給される前記流体(d)または前記流体(e)の重量と触媒の重量との比率で動作する前記第2反応器に供給されてもよく、前記比率は時間-1で測定され、0.5時間-1〜20時間-1、好ましくは1時間-1〜10時間-1である。
好ましくは、3度目の熱回収を提供するよう、前記流体(d)または前記流体(e)を第3熱交換器で予熱してもよい。前記第3熱交換器から排出される際、250℃〜450℃、好ましくは280℃〜400℃の前記第2反応器への入力温度に達するよう、前記流体(d)または前記予熱流体(e)を第4熱交換器に供給してもよい。
触媒の流動化現象を回避する目的で、前記第2反応器は、好ましくは、ダウンフロー構造で供給されることに留意すべきである。
純粋な1,3-ブタジエン(純度≧90%、好ましくは≧99%)を含む流体(h)、水、および、任意に、未反応のアルケノールを含む流体(i)であって、前記未反応アルケノールは、一般に、前記流体(i)の全重量に対して30重量%以下の量で存在する流体(i)、ならびに、任意に、不純物(例えば、アルデヒド、4個の炭素原子を有するケトン、またはそれらの縮合に由来する化合物)を含む流体(l)を得るために、流体(g)が第2精製部に供給される。前記第2精製部は、1つ以上の蒸留塔を含み得る。
本発明の目的のために、1,3-ブタジエンの製造方法は、好ましくは連続的に実施される。前記第1反応器および前記第2反応器は、固定床または流動床であってもよく、好ましくは固定床である。前記第1反応器および前記第2反応器は、断熱的、等温的またはその2つの組合せであってもよく、好ましくは断熱的である。
上述したように、前記1,3-ブタジエンは、モノマーとしてまたは中間体として、エラストマーおよび(コ)ポリマーの製造において有利に使用され得る。
また、上述したように、上記方法、すなわち、1,3-ブタンジオールの第1反応器中での脱水から得られるアルケノール、すなわち、2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)、3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)、3-ブテン-1-オール(アリルカルビノール)、より特には2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)および3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)を、1,3-ブタジエンの製造のため以外に、ファインケミストリー、農業化学、医薬化学、または石油化学で使用可能な中間体の製造のために、有利に使用することができる。
少なくとも1つの上記アルケノールを含む混合物が存在し、前記混合物がバイオマスから得られる糖の発酵から誘導される場合、前記混合物を前記蒸発器に、続いて第2反応器に直接供給してもよいことに留意すべきである。
本発明は、したがって、少なくとも1つの上記アルケノールを含む混合物であって、バイオマスから得られる糖の発酵に由来する前記混合物を、前記蒸発器に、続いて前記第2反応器に供給する工程を含む1,3-ブタジエンの製造方法をさらに提供する。前記蒸発器および前記第2反応器の作動条件は、上述したものと同じである。
本発明を、実施例により、以下に示す図1を参照してさらに詳細に説明する。
本発明により提供される方法は、例えば図1に示されるように実施され得る。
これに関連して、1,3-ブタンジオールおよび水を含む混合物(a)であって、好ましくはバイオマスから得られる糖の発酵に由来する前記混合物(a)を蒸発器(A)に供給し、前記蒸発器(A)の頂部から排出される1,3-ブタンジオールを含む気体流(b)および前記蒸発器(A)の底部から排出されるブローダウン流(c)を得る。前記気体流(b)を、少なくとも1つの脱水触媒を含む第1反応器(B)へ供給し、前記第1反応器(B)から排出されるアルケノール、水、および、任意に、不純物および/または未反応1,3-ブタンジオールを含む流体(d)を得る。前記流体(d)を第1精製部(C)に供給し、アルケノール、水、および、任意に、不純物を含む流体(e)、水、および、任意に、不純物および/または前記蒸発器(A)に供給される未反応1,3-ブタンジオールを含む流体(f)、ならびに、不純物を含む流体(f')を得る。前記流体(e)を、少なくとも1つの脱水触媒を含む第2反応器(D)へ供給し、前記第2反応器(D)から排出される1,3-ブタジエン、水、および、任意に、不純物および/または未反応アルケノールを含む流体(g)を得る。前記流体(g)を第2精製部(E)に供給し、純粋な1,3-ブタジエンを含む流体(h)、水、および、任意に、前記第1精製部(C)に供給される未反応アルケノールを含む流体(i)、ならびに不純物を含む流体(l)を得る。
本発明の例示的、非限定的ないくつかの実施例を、本発明およびその実装の理解を助けるために以下に提供する。
(実施例1)
本実施例の説明は、以下に示す図1を参照する。
表2は、1,3-ブタンジオール(1,3-BDO)の転化率(C1,3-BDO)を計算することにより表される、転化率(C%)、選択率(S%)および収率(Y%)、アルケノールに対する選択率(Si)、アルケノールの収率(YALK.)、アルケノール(ALK.)転化率(CALK.)、1,3ブタジエン(1,3-BDE)に対する選択率(S1,3-BDE)、ならびに1,3-ブタジエン(1,3-BDE)の収率(Y1.3-BDE)に関して、以下に示す式に従って得られた結果を示している。
C1,3-BDO={(モル1,3-BDOin-(モル1,3-BDOout/(モル1,3-BDOin} x 100;
Si={モルALK./(モル1,3-BDOin-(モル1,3-BDOout} x 100;
CALK.={(モルALK.in-(モルALK.out/(モルALK.in} x 100;
S1,3-BDE={モル1,3-BDE/(モルALK.in-(モルALK.out} x 100;
YALK.=C1,3BDO x Si/100;
Y1.3-BDE=CALK. x S1,3-BDE/100;
式中:
- (モル1,3-BDOin=1,3-ブタンジオールの流入モル;
- (モル1,3-BDOout=1,3-ブタンジオールの流出モル;
- モルALK.=アルケノールの総モル[3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)および2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)に基づく];
- (モルALK.in=アルケノールの流入モル;
- (モルALK.out=アルケノールの流出モル;
- モル1,3-BDE = 1,3-ブタジエンの総モル。
表3は、得られた流体の特性評価を示し、化合物(複数)の重量百分率は得られた流体の全重量に対して表され、特性評価は以下に記載されるように実施された。
((i)アルケノールの1,3-ブタンジオールの混合物からの調製)
以下の組成を有する1,3-ブタンジオールおよび水を含む混合物(a)を、この目的のために使用した:1,3-ブタンジオールを含む前記混合物の全重量に対して17重量%の水。
内径10mmの第1管状反応器に、10gの酸化セリウム(約1mmのCeO2ペレット)を入れた。前記第1管状反応器を電気オーブンで加熱し、反応器内の温度を、試験中400℃に維持した。蒸発器の温度を、試験中250℃に維持した。前記第1管状反応器内および蒸発器内の圧力を、大気圧(1バール)に維持した。前記第1反応器からの排出口を、室温で液体である生成物を回収するために15℃で作動する第1凝縮器に接続した。凝縮液を収集するためのフラスコの通気口を、両端部のそれぞれにインターセプト弁を備えた300mlの容積のスチールシリンダーで構成されたサンプリングシステムに接続した。気体はスチールシリンダーを通って流れ、後者からの排出口を、発生したガスの量を測定する体積計に接続した。
1,3-ブタンジオールおよび水を含む上記混合物(a)を、上記条件下で100g/hの流量で作動する前記蒸発器に供給し、蒸発させ、前記第1反応器に10時間-1のWHSVで供給し、前記第1反応器は上述した条件下で作動する。前記第1反応器から排出される際、その組成が表3に示されている得られた流体(d)を、凝縮、秤量し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。発生した気体を測定し、同様にガスクロマトグラフィーにより分析した。表2は得られた結果を示す。
((ii)[流体(d)]の精製)
上記のように得られた流体(d)を、未反応1,3-ブタンジオールを除去する目的で、蒸留により最初の精製を行った。前記流体(d)中に存在するアルケノールは、水と共に共沸混合物を形成し、その理由のため、純粋な形態でそれらを得るように、単なる蒸留によりそれらを水から分離することはできないことに留意すべきである。
蒸留を大気圧で実施し、3,5-ジ-tert-4-ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を、ボイラー中に存在する前記流体(d)に、前記流体(d)中のその濃度が約200ppmになるように添加した。前記蒸留は、40トレイのオールダーショウカラム(2×20トレイ区画)を用いて、前記流体(d)を一度にボイラーに投入し、記録された温度に基づいて様々なトップ留分をとることにより実施し、徐々に重い成分をボイラーに濃縮させた。蒸留条件(還流比、ボイラーの加熱電力、得られた蒸留物の量)は、分離される種の沸騰温度および記録した最高温度に応じて変化させた。
表1は、蒸留条件を示す。

(1):還流比;
(2):画分の全重量に対する水の重量%。
特に:
-画分1(最大約84℃)は、除去される軽質留分に相当する;
-画分2および画分3は、最低沸点のアルケノール、すなわち3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)および水の間であるT = 86.5℃〜87℃の共沸混合物に相当する(前記共沸混合物は、73重量%の3-ブテン-2-オール:25重量%の水の組成を有する);
-2-ブテン-1-オール(シスおよびトランス形態のクロチルアルコール)および小さな割合の3-ブテン-1-オール(アリルカルビノール)は、35重量%の水と共に、画分4への留去を開始する;
-水は画分5に排出され、したがって温度は約120℃に上昇する;
-画分6および画分7は、95%〜97%の2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)に相当する。
上記蒸留では流体(e)を得ており、その組成は表3に示され、以下に述べるように作動する第2反応器に供給される。
((iii)1,3-ブタジエンの流体(e)からの製造)
第2反応器を、この目的のために使用した。前記第2反応器は、上述した段階(i)での第1反応器と同じ特性を有していたが、3グラムのケイ酸アルミニウム(SiO2-Al2O3)を投入した。
流体(e)を、蒸気の形態で、3.3時間-1のWHSVで、大気圧(1バール)および300℃の温度で作動する前記第2反応器に供給した。前記第2反応器から排出される際、その組成が表3に示されている得られた流体(g)を、凝縮、秤量し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。発生した気体を測定し、同様にガスクロマトグラフィーにより分析した。表2は得られた結果を示す。
(1):3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)および2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)に基づく。
(2):低沸点アルケノール、すなわち-3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)(T沸点=97℃)より軽い化合物、1,3-ブタジエンを除く;
(3):高沸点アルケノール、すなわち2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)(T沸点=121.5℃)より軽い化合物;低沸点アルケノール、すなわち3-ブテン-2-オール(メチルビニルカルビノール)(T沸騰=97℃)より重い化合物、1,3-ブタジエンを除く[中沸点アルケノールの3-ブテン-1-オール(アリルカルビノール)(T沸点=113.5)を含む];
(4):高沸点アルケノール、すなわち2-ブテン-1-オール(クロチルアルコール)(T沸点=121.5℃)より重い化合物。

Claims (9)

  1. 以下の工程を含む、1,3-ブタジエンの製造方法:
    - 1,3-ブタンジオールおよび水を含む混合物(a)を蒸発器に供給する工程であって、前記水が、前記混合物(a)の全重量に対して5重量%以上の量で存在し、以下を得る工程:
    (b)前記蒸発器の頂部から排出される1,3-ブタンジオールを含む気体流
    - 前記気体流(b)を、少なくとも1つの脱水触媒を含む第1反応器へ供給し、(d)前記第1反応器から排出されるアルケノール、及び水を含む流体を得る工程;
    - 前記流体(d)もしくは前記流体(d)を第1精製部に供給して得たアルケノール、および水を含む流体(e)を、少なくとも1つの脱水触媒を含む第2反応器へ供給し、(g)前記第2反応器から排出される1,3-ブタジエン、及び水を含む流体を得る工程;
    - 前記流体(g)を第2精製部に供給し、以下を得る工程:
    (h)純粋な1,3-ブタジエンを含む流体;
    (i)水を含む流体、
    ここで前記第1反応器に含まれる触媒が酸化セリウム(CeO 2 )であり、前記第2反応器に含まれる触媒がケイ酸アルミニウム(SiO 2 -Al 2 O 3 )である
  2. 前記混合物(a)が、バイオマスから得られる糖の発酵に由来する、請求項1に記載の1,3-ブタジエンの製造方法。
  3. 前記混合物(a)が、グアユールまたはアザミから得られる糖、前記グアユールおよび/もしくはアザミに由来する、またはそれらの処理に由来する廃棄物、残留物から得られる糖などの発酵に由来する、請求項1または2に記載の1,3-ブタジエンの製造方法。
  4. 前記蒸発器が、
    - 95℃〜300℃の温度;および/または
    - 0.5バール(絶対バール)〜5バール(絶対バール)の圧力
    で作動する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の1,3-ブタジエンの製造方法。
  5. 混合物(a)を蒸発器に供給する前記工程で、さらに前記蒸発器の底部からブローダウン流(c)が排出され、
    前記蒸発器に供給される混合物(a)を、1時間以内に該蒸発器に供給される前記混合物(a)の全重量に対して0.5重量%〜5重量%の量で除去するような流量で前記ブローダウン流(c)が前記蒸発器から排出される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の1,3-ブタジエンの製造方法。
  6. 前記第1反応器が、
    - 190℃〜450℃の温度;および/または
    - 0.3バール(絶対バール)〜2バール(絶対バール)の圧力
    で作動する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の1,3-ブタジエンの製造方法。
  7. 該気体流(b)が、「重量毎時空間速度」(WHSV)、すなわち、1時間のうちに供給される該気体流(b)の重量と触媒の重量との比率で動作する前記第1反応器に供給され、前記比率は時間-1で測定され、0.5時間-1〜30時間-1である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の1,3-ブタジエンの製造方法。
  8. 前記第2反応器が、
    - 250℃〜450℃の温度;および/または
    - 0.3バール(絶対バール)〜2バール(絶対バール)の圧力
    で作動する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の1,3-ブタジエンの製造方法。
  9. 前記流体(d)または前記流体(d)を第1精製部に供給して得たアルケノール、および水を含む流体(e)が、「重量毎時空間速度」(WHSV)、すなわち、1時間のうちに供給される前記流体(d)または前記流体(e)の重量と触媒の重量との比率で動作する前記第2反応器に供給され、前記比率は時間-1で測定され、0.5時間-1〜20時間-1である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の1,3-ブタジエンの製造方法。
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