JP6796247B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物に関するものである。
特許文献1の発明では、ポットライフに特徴を有する本剤と硬化剤の二液を混合するエポキシ樹脂組成物が記載されている。組成物を混合後の粘度が2倍の粘度に到達する時間を検証している。特許文献1の発明は、二液を別々に供給することを前提としており、混合後は粘度が上昇し続けるため、塗布においては経時で塗出量が変化することが想定される。二液を計量して使用するために取扱性が低く、事前に本剤と硬化剤を混合した状態で供給するプレミックスでは、ポットライフが短期間になる。
特開平3−275714号公報
従来は、二液型エポキシ樹脂の硬化性や物理特性を維持しつつ、供給形態が一液型であり可使時間やポットライフの作業性において安定したエポキシ樹脂組成物を実現することが困難であった。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、エポキシ樹脂組成物に関する手法を発見し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨を次に説明する。本発明の第一の実施態様は、(A)〜(D)成分を含み、(A)成分100質量部に対して(B)成分が10質量部以下含む一液型エポキシ樹脂組成物である。
(A)成分:全ハロゲン量が600ppm以下のエポキシ樹脂
(B)成分:25℃で液状または半固形のイミダゾールの活性部位を化学修飾したイミダゾール誘導体
(C)成分:イミダゾールの活性部位を化学修飾していないイミダゾール化合物または25℃で液状のアミン化合物((B)成分を除く)
(D)成分:反応抑制剤
本発明の第二の実施態様は、(A)成分にビスフェノール型エポキシ樹脂およびゴム変性型エポキシ樹脂を含む第一の実施態様に記載の一液型エポキシ樹脂組成物である。
本発明の第三の実施態様は、前記(C)成分にイミダゾール化合物および鎖状脂肪族ポリアミン化合物を含む第一または第二の実施態様のいずれかに記載の一液型エポキシ樹脂組成物である。
本発明の第四の実施態様は、前記(D)成分がホウ素化合物および/またはリン化合物である第一から第三の実施態様のいずれかに記載の一液型エポキシ樹脂組成物である。
本発明の第五の実施態様は、第一から第四の実施態様のいずれかに記載の一液型エポキシ樹脂組成物を調製した後、当該一液型エポキシ樹脂組成物を容器に充填して、−50℃〜−10℃で保管する一液型エポキシ樹脂組成物の製造方法である。
本発明の第六の実施態様は、第一から第四の実施態様のいずれかの一液型エポキシ樹脂組成物を−50℃〜−10℃で輸送する一液型エポキシ樹脂組成物の輸送方法である。
本発明は、組成物としてハロゲン等のイオン濃度が低いことから、電極等で腐食を発生させないため電気・電子部品等に適しており、硬化性および低温(−50℃〜−10℃)における冷凍時ポットライフを両立することから作業性が良く、硬化後の接着強さが高いプレミックス型のエポキシ樹脂組成物を可能にする。
本発明の詳細を次に説明する。本発明に使用することができる(A)成分は、全ハロゲン量が1100ppm以下のエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂は1分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。1種類だけ使用しても2種類以上を混合して使用しても良い。エポキシ樹脂の具体例としては、エピクロルヒドリンとビスフェノール類などの多価フェノール類や多価アルコールとの縮合によって得られるもので、例えばビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、ノボラック型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型、テトラフェニロールエタン型などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を例示することができる。その他エピクロルヒドリンとフタル酸誘導体や脂肪酸などのカルボン酸との縮合によって得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとアミン類、シアヌル酸類、ヒダントイン類との反応によって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、さらには様々な方法で変性したエポキシ樹脂を挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明では、剥離接着強さ向上の観点から、(A)成分として、ビスフェノール型エポキシ樹脂およびゴム変性型エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
全ハロゲン量としては全塩素量と全臭素量の合計量を示し、その測定方法としては燃焼法によるハロゲン分析(イオンクロマトグラフ法)が挙げられる。電気・電子部品の配線等の腐食を抑制するのに適しているのは、(A)成分の全ハロゲン量が1100ppm以下であり、さらに好ましくは600ppm以下である。
市販されているビスフェノール型エポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製のjERシリーズとして827、828EL、YL983U等、DIC株式会社製のEPICLONシリーズとして830、EXA−835LV等が挙げられる。新日鉄住金株式会社製のエポトートシリーズとして、YD−128、YDF−170等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。価格面を考慮すると、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格を有するエポキシ樹脂が好ましい。
市販されているゴム変性型エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製のNBR変性エポキシ樹脂 アデカレジンEPR−4030などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用することができる(B)成分としては、25℃で液状または半固形のイミダゾールの活性部位を化学修飾したイミダゾール誘導体である。ここで、25℃で液状とは、25℃で流動性を有する状態である。固形とは、25℃において流動性を有さず粉砕できる状態であり、半固形とは25℃で流動性を有さないが粘性を有して粉砕できない状態である。また、イミダゾール誘導体とは、イミダゾールを出発原料として活性部位を化学修飾する場合であり、具体例としてはエポキシ樹脂を付加(アダクト)させて変性したものなどを指す。
25℃で液状のイミダゾール誘導体の具体例としては、株式会社ADEKA株式会社製のアデカハードナーEH−2020、EH−2021などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。25℃で半固形のイミダゾール誘導体の具体例としては、三和化学工業株式会社製のサンマイドA−100などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A)成分100質量部に対して、(B)成分が1〜10質量部であることが好ましい。より好ましくは1〜9質量部である。(B)成分が1質量部以上含まれると硬化性が向上する。一方、(B)成分が10質量部以下含まれると、冷凍時ポットライフが長くなる。
本発明で使用することができる(C)成分としては、イミダゾールの活性部位を化学修飾していないイミダゾール化合物または25℃で液状のアミン化合物であり、(B)成分を除いたアミン化合物である。25℃で流動性を有するアミン化合物であれば良く、(B)成分は除かれる。アミン化合物としては、脂肪族ポリアミン化合物(主鎖が鎖状と環状を含む)や芳香族アミン化合物を指し、ダイマー酸などとポリアミン化合物を縮合して分子中に反応性の一級アミンと二級アミンを有するポリアミドアミンなども含まれる。また、イミダゾールの活性部位を化学修飾していないイミダゾール化合物も含まれる。具体例としては、12−ジメチルイミダゾールなどが挙げられる。硬化性と冷凍時ポットライフを向上させる観点で、(C)成分はイミダゾール化合物および鎖状脂肪族ポリアミン化合物を含むことが好ましい。
(C)成分の具体例として、四国化成工業株式会社製のキュアゾールシリーズとして1,2DMZ、2E4MZ、1B2MZ、1B2PZなどが、株式会社T&K TOKA製のトーマイドシリーズとしてTXE−524、245−LP、2500、241、2400などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A)成分100質量部に対して、(C)成分が1〜20質量部含まれることが好ましく、さらに好ましくは3〜15質量部である。(C)成分が1質量部以上の場合は硬化性が向上する。一方、(C)成分が20質量部以下の場合は冷凍時ポットライフが長期化できる。
本発明で使用することができる(D)成分としては、反応抑制剤である。(D)成分により、(A)成分と、(B)成分または(C)成分との反応を抑制することができる。(D)成分としては、ホウ素化合物および/またはリン化合物であるホウ酸エステル、燐酸、アルキルリン酸エステル、p−トルエンスルホン酸などを使用することができる。
ホウ酸エステルの具体例としては、トリブチルボレ−ト、トリメトキシボロキシン、ホウ酸エチル、エポキシ−フェノール−ホウ酸エステル配合物(四国化成工業株式会社製 キュアダクト L−07N)などが、アルキルリン酸エステルとしてはリン酸トリメチル、リン酸トリブチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。(D)成分は単独でも複数を混合して使用しても良い。冷凍時ポットライフを考慮すると、トリブチルボレ−ト、2,4,6−トリメトキシボロキシン、燐酸、p−トルエンスルホン酸で有ることが好ましい。可使時間および冷凍時ポットライフを安定化させる観点から、(D)成分はホウ素化合物および/またはリン化合物であることが好ましい。
(A)成分100質量部に対して、(D)成分は0.1〜5.0質量部添加されることが好ましい。さらに好ましくは、0.5〜2.0質量部である。(D)成分が0.1質量部以上であると、冷凍時ポットライフを長期間確保することができる。一方、(D)成分が5.0質量部以下の場合、硬化性を維持することができる。
本発明では、密着付与剤を添加しても良く、エポキシ基、ビニル基、アミノ基、アクリル基またはメタクリル基と加水分解性シリル基を併せ持つシラン系カップリング剤や、チタンを含むチタン系カップリング剤、フェニル基および加水分解性シリル基を有するポリオルガノシロキサンおよび/またはエポキシ基および加水分解性シリル基を有するポリオルガノシロキサンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。シラン系カップリング剤の具体例としては、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるがこれらに限定されない。密着付与剤は(B)成分および(C)成分に含まない。
(A)成分100質量部に対して密着付与剤は0.1〜5.0質量部添加されることが好ましい。さらに好ましくは、1.0〜4.0質量部である。密着付与剤を添加することで、接着強さの安定化が図れる。
本発明では、本発明の特性を損なわない範囲において無機充填剤や有機充填剤などの充填剤を適宜添加することができる。充填剤を添加することで、粘性・チクソ性だけでなく硬化性、強靱性を調整することができる。無機充填剤としては、金属分、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、アモルファスシリカ、タルク、水酸化アルミニウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一方、有機充填剤としては、スチレンフィラー、ゴムフィラー、コアシェルアクリルフィラーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明には、効果を損なわない範囲において、顔料、染料などの着色剤、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤等の添加剤を適量配合しても良い。これらの添加により、樹脂強度・接着強さ・作業性・保存性等に優れた組成物およびその硬化物が得られる。
本発明では、(A)成分が本剤に相当し、(B)成分および(C)成分が硬化剤に相当する。本発明のエポキシ樹脂組成物では、本剤と硬化剤を事前に混合した上でシリンジ等に充填して一液化することができる。事前に混合することを、一般にプレミックスとも呼ぶ。プレミックスは事前に混合しているため、低温で保管および輸送することが必要である。低温とは−50℃〜−10℃を指し、当該温度であればプレミックスであっても一液化することが可能となる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1〜4、比較例1〜7]
エポキシ樹脂組成物を調製するために下記成分を準備した。以下、エポキシ樹脂組成物を単に組成物とも呼ぶ。
(A)成分:全ハロゲン量が1100ppm以下のエポキシ樹脂
・高純度ビスフェノールA型エポキシ樹脂と高純度ビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合物(質量比率=1:1)(全ハロゲン量:500ppm)(EXA−835LV DIC株式会社製)
・高純度ビスフェノールF型エポキシ樹脂(全ハロゲン量:300ppm)(YL983U 三菱化学株式会社製)
・NBR変性エポキシ樹脂(全ハロゲン量:1000ppm)(アデカレジンEPR−4030 株式会社ADEKA製)
(A’)成分:(A)成分以外のエポキシ樹脂
・ビスフェノールF型エポキシ樹脂(全ハロゲン量:3000ppm)(jER807 三菱化学株式会社製)
・NBR変性エポキシ樹脂(全ハロゲン量:3000ppm)(アデカレジンEPR−2000 株式会社ADEKA製)
(B)成分:25℃で液状または半固形のイミダゾールの活性部位を化学修飾したイミダゾール誘導体
・アダクト型イミダゾール(25℃液状)(アデカハードナー EH−2021 株式会社ADEKA製)
・イミダゾール変性アミン(25℃半固形)(サンマイドA−100 三和化学工業株式会社製)
(C)成分:イミダゾールの活性部位を化学修飾していないイミダゾール化合物または25℃で液状のアミン化合物((B)成分を除く)
・12−ジメチルイミダゾール(25℃固体)(1,2DMZ 四国化成工業株式会社製)
・ポリアミドアミン(25℃液状)(トーマイドTXE−524 株式会社T&K TOKA製)
(C’)成分:(C)成分以外のアミン化合物
・4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(凝固点:40℃)(アミキュアPACM エアープロダクツ社製)
(D)成分:反応抑制剤
・トリブチルボレ−ト(試薬)
密着付与剤
・3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903 信越化学工業株式会社製)
主剤として、(A)成分(または(A’)成分)の全ての成分を撹拌釜に秤量して、撹拌機にて30分間撹拌する。ここで、(A)成分が単一成分の場合、撹拌は行わない。硬化剤として、前述の撹拌釜とは別の撹拌釜に(B)成分、(C)成分((C’)成分)、(D)成分およびカップリング剤を秤量して撹拌機にて30分間撹拌する。最後に主剤と硬化剤を秤量し、30分間攪拌後、直ちに容器に充填して−10℃の冷凍保管庫に保管する。詳細な調製量は表1に従い、数値は全て質量部で表記する。
実施例1〜4、比較例1〜7に対して、可使時間測定、冷凍時ポットライフ確認、硬化性確認、イオン濃度測定、十字剥離接着強さ測定を実施した。その結果を表2にまとめた。
[可使時間測定]
組成物の調整終了直後に、循環恒温槽を用いて25℃に調整したコーンプレート型回転粘度計(E型粘度計)を用いて、下記の測定条件に従い、組成物を0.4cc採取して、サンプルカップの中心部に吐出して粘度を測定して「初期粘度(Pa・s)」とする。組成物を容器に保管して25℃雰囲気下で保管する。30分毎に粘度測定を行い、初期粘度の1.5倍の粘度になるまでの時間を下記の評価基準で判断して「可使時間」とする。作業性を考慮すると、可使時間は「○」であることが好ましい。
測定条件
コーンローター:3°×R14
回転速度:10rpm
測定時間:3分
評価基準
○:150分以上
△:30分以上150分未満
×:30分未満
[冷凍時ポットライフ確認]
前述の可使時間測定における粘度測定と同様の方法で「初期粘度(Pa・s)」を測定し、組成物の容器を−20℃雰囲気下で保管し、1ヶ月毎に粘度測定を行う。測定の際に、組成物を25℃になるまで放置した後、粘度を測定する。初期粘度から1.5倍の粘度になるまでの時間を計測して、下記の評価基準に従い「冷凍時ポットライフ」を評価する。解凍時の作業性を考慮して、「冷凍時ポットライフ」は「○」であることが好ましい。
評価基準
○:4ヶ月以上
△:2ヶ月以上4ヶ月未満
×:2ヶ月未満
[硬化性確認]
SUS430製の幅10mm×長さ50mm×厚さ10μmの板を2枚用いて、組成物を幅10mm×長さ10mmで貼り合わせて固定治具で固定し、120℃のホットプレート上で3分30秒加熱してテストピースを作成する。25℃雰囲気下で1時間放置した後、テストピースを剥離して、剥離後の貼り合わせ面の硬化状態をポリテトラフルオロエチレン棒で接触させて下記の評価基準に従い確認し、「硬化性」とする。短時間硬化を実現するためには、「硬化性」は「○」であることが好ましい。
評価基準
○:ベトつき無し
△:若干のベトつき有り
×:ベトつき有り
[イオン濃度測定]
組成物をポリテトラフルオロエチレン板上に5g秤量し、120℃雰囲気下で2時間放置した後、150℃雰囲気下で30分間加熱して硬化物を作成する。その後、50gの精製水中に硬化物を入れ、100℃で20時間加熱する。当該精製水をイオンクロマトグラフィーにかけて、下記の評価基準で「イオン濃度」を評価した。電気・電子部品の配線等の腐食を抑制するためには、「イオン濃度」が「○」であることが好ましい。
評価基準
○:10ppm以下
△:10ppmより多く50ppm以下
×:50ppmより多い
[十字剥離接着強さ測定]
SUS430製の幅10mm×長さ50mm×厚さ2mmの板を2枚用いて、一方のSUS板の中央部に、組成物を幅10mm×長さ10mmの範囲に塗布し、当該板を十字の形状に貼り合わせて固定治具で固定する。120℃のホットプレート上で10分加熱してテストピースを作成する。引張試験器により、10mm/分のスピードでテストピースを剥離して強度(N)を測定し、下記の評価基準に従い「剥離接着強さ」とする。電気・電子部品の接着力を考慮すると「剥離接着強さ」は「○」または「△」であることが好ましい。
評価基準
○:1.2MPa以上
△:0.6MPa以上1.2MPa未満
×:0.6MPa未満
実施例1〜4と各比較例を比較する。比較例1と2はイオン濃度に関して実施例より劣るが、これはイオン濃度が低い(A)成分を使用していないことに起因する。(C)成分の代わりに(C’)成分を添加した比較例3では、可使時間および冷凍時ポットライフの低下が見られ、当該傾向は(D)成分を含まない比較例4でも同様である。比較例5と6では、明確な原因は分かっていないが、(A)成分100質量部に対して(B)成分が10質量部より多い場合に硬化性が低下している。比較例7では(B)成分を含んでおらず、そのかわりに(C)成分を増量しているが、この場合には可使時間および冷凍時ポットライフの低下が見られる。実施例3ではゴム変性型エポキシ樹脂を含まず、実施例4では(C)成分にポリアミドアミンを含んでおらず、剥離接着強さが実施例1と2に比較して若干低いものの被着体を固定するには使用できる範囲である。
本発明のプレミックス型のエポキシ樹脂は、二液型エポキシ樹脂と異なり計量を必要としないため、冷凍保管された本発明を解凍することで即時に使用することができ、可使時間も長いため作業性にも優れている。また、硬化性もあることから高温雰囲気下で短時間の硬化が可能であると共に接着強さも優れる。一液型エポキシ樹脂の取扱性と二液型エポキシ樹脂の高い硬化性と接着強さを併せ持つと共に、イオン濃度も低いことから電気・電子部品等に適したエポキシ樹脂組成物である。

Claims (6)

  1. (A)〜(D)成分を含み、(A)成分100質量部に対して(B)成分が10質量部以下、(C)成分である1,2−ジメチルイミダゾールが3.3〜5.0質量部、及び25℃で液状のアミン化合物((B)成分を除く)が5.0質量部以下含む一液型エポキシ樹脂組成物。
    (A)成分:全ハロゲン量が600ppm以下のエポキシ樹脂
    (B)成分:25℃で液状または半固形のイミダゾールの活性部位を化学修飾したイミダゾール誘導体
    (C)成分:1,2−ジメチルイミダゾールまたは、1,2−ジメチルイミダゾールおよび25℃で液状のアミン化合物((B)成分を除く)
    (D)成分:反応抑制剤
  2. 前記(A)成分にビスフェノール型エポキシ樹脂およびゴム変性型エポキシ樹脂を含む請求項1に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(C)成分に1,2−ジメチルイミダゾールおよび25℃で液状の鎖状脂肪族ポリアミン化合物を含む請求項1または2のいずれかに記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(D)成分がホウ素化合物および/またはリン化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の一液型エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の一液型エポキシ樹脂組成物を調製した後、当該一液型エポキシ樹脂組成物を容器に充填して、−50℃〜−10℃で保管する一液型エポキシ樹脂組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかの一液型エポキシ樹脂組成物を−50℃〜−10℃で輸送する一液型エポキシ樹脂組成物の輸送方法。
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