JP6796010B2 - クサビ緊結具 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、鋼管同士を直角状に結合するための結合装置とし、一方の鋼管側の外周にフランジを設けておき、他方の鋼管先端に設けたホルダー部材の切欠きに前記フランジを収容してから、前記フランジに設けた結合孔に差しこみ可能な結合部材によって、両者を結合する結合装置が開示されている。
そして、前記結合部材は、楔部と杆状部とで二叉状を呈しており、前記杆状部に、前記ホルダー部材の下部に設けた仮置き部に対する係止段部を設けることで、非結合状態の際に、結合部材をホルダー部材に仮置可能とすることで、結合時や解体時の作業性の向上を図っている。
そこで、実際の使用では、鋼管を手持ちする作業員が、一度ホルダー部材の仮置き部に結合部材を仮置きし、当該仮置き状態が維持されるよう、結合装置の姿勢に配慮しながら結合作業を行わなければならなかった。
前記本体材と前記摺動部との間に介設し、弾性力でもって前方へ付勢される板バネ状の姿勢制御材と、を少なくとも具備し、前記本体材は、当該本体材の内部に設けた内壁によって区画される、収容空間と、前記収容空間と前記本体材の後端とを連通する、連通孔と、を有し、前記姿勢制御材は、平板状の薄板を折曲してなる前方片部と後方片部とを有し、前記姿勢制御材は、前記後方片部の途上で折曲してなる受け部を、前記内壁と前記連通孔の周壁との交差部分に突き当てるように前記収容空間に収容されており、前記結合材の上下移動のみによって、前記本体材による前記フランジの収容動作を前記クサビ部が妨げない位置において前記摺動部と前記前方片部とが少なくとも一箇所において係合することで、前記本体材に対して前記結合材を位置決めしている、自立姿勢と、前記前方片部が前記摺動部に押されて前記位置決めが解かれた状態で、前記クサビ部を前記結合孔に差し込んでいる、緊結状態と、を切替自在とし、前記結合材は、前記自立姿勢および前記緊結状態において、前後方向の相対位置が変動しないことを特徴とする。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記摺動部と前記姿勢制御材との係合機構が、前記摺動部の背面に設けた窪み部と、前記姿勢制御材の前面に設けた突出部と、からなり、前記窪み部に前記突出部が収まることで、前記本体材に対して前記結合材を位置決め可能であることを特徴とする。
また、本願の第3発明は、前記第1発明において、前記摺動部と前記姿勢制御材との係合機構が、前記摺動部の背面に設けた凸部と、前記姿勢制御材の前面に設けた突出部と、からなり、前記突出部の上に前記凸部が載ることで、前記本体材に対して前記結合材を位置決め可能であることを特徴とする。
また、本願の第4発明は、前記第1発明において、前記摺動部と前記姿勢制御材との係合機構が、前記摺動部の背面に設けた凸部と、前記姿勢制御材の前面に設けた凹部と、からなり、前記凹部に前記凸部が収まることで、前記本体材に対して前記結合材を位置決め可能であることを特徴とする。
また、本願の第5発明は、前記第1発明乃至第4発明のうち何れか1つの発明において、前記摺動部の下端に、前記本体材からの前記結合材の抜け出しを防止する、抜け止め部を設けてあることを特徴とする。
また、本願の第6発明は、前記第1発明乃至第5発明のうち何れか1つの発明において、前記本体材の後端に、足場を構成する水平材または斜材との接続部を有することを特徴とする。
また、本願の第7発明は、前記第1発明乃至第5発明のうち何れか1つの発明において、前記本体材が、足場を構成する水平材または斜材を兼用してあることを特徴とする。
(1)安定した自立姿勢を保持できる。
姿勢制御材の弾性力を利用して結合材の自立姿勢を保持するため、クサビ緊結具そのものを揺らしたり傾けたりする動作を行っても、自立姿勢が解かれることが無い。
よって、作業員の手持ち時に、クサビ緊結具の姿勢に配慮する必要が無くなる。
(2)容易に自立姿勢を探り当てることができる。
結合材を構成する摺動部を作業員の手指で上下に移動させれば、自然に摺動部と姿勢制御材との間の係合機構が作動して自立姿勢に切り替わるため、作業員が手元を見ること無く、容易に結合材の自立姿勢を探り当てることができる。
本実施例にかかるクサビ緊結具は、クサビ緊結式の足場において、支柱Xの側周に設けたフランジYに結合孔Zを介して結合するべく、足場を構成する水平材の端部に設ける部材である。
本実施例にかかるクサビ緊結具は、図1に示すように主として、本体材10と、結合材20と、姿勢制御材30と、を少なくとも具備してなる。
そして、前記結合材20と姿勢制御材30との間には、両者を係合するための係合機構Aを設けている。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
本体材10は、支柱Xの外周壁に放射状に設けるフランジYを上下で挟み込むための部材である。
図1に示すように、本体材10は側面視して略コ字形状を呈している。
また、図2に示すように、本体材10は、平面視して前方側に先細形状を呈しており、その先端が支柱Xの外壁に接触するよう構成してある。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
本体材10の前端側には、フランジYを上下で挟み込み可能な切欠き11と、結合材20を挿通する挿通孔12と、を少なくとも有している。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
切欠き11は、支柱XのフランジYを収容するための要素である。
本実施例に係る切欠き11は、本体材10の前端側を開口するとともに、側面方向に貫通して形成しており、この切欠き11によって、本体材10は側面視して前端に開口を有する略コ字形状を呈している。
切欠き11を構成する内壁部分には、フランジのYの位置決めのための突起を別途設けておいてもよい。
挿通孔12は、結合材20を上下に移動可能な態様で収容する要素である。
本実施例に係る挿通孔12が、後述する結合部材の二叉形状に併せて下方が二箇所に分離しており、後述するクサビ部21を収容する前側孔121と、摺動部22を収容する後側孔122を備えた形状を呈している。
本体材10の後端側には、支柱Xと連結する水平材や斜材などとの接続部13と、前記姿勢制御材30を収容可能な収容空間14と、を少なくとも有している。以下、各構成要素の詳細について説明する。
接続部13は、支柱Xと連結する水平材と連結するための要素である。
本実施例では、接続部13を、鋼管からなる水平材の内壁141に対応し、該鋼管の周方向にわたって四箇所形成した爪131から構成している。
水平材の端部にこの爪131を差しこみ、両者の当接部分を溶接することで、水平材の端部にクサビ緊結具を設けることができる。
収容空間14は、姿勢制御材30を収容するための要素である。
本実施例では、収容空間14は、本体材10の内部に形成されている。
収容空間14の前方側は、挿通孔12と連通している。
収容空間14の上下左右は、本体材10の中実部分の内壁141で囲まれている。
収容空間14の後方側の一部は、本体材10の中実部分の内壁141で囲まれており、その他の一部は、本体材10の後端と連通する連通孔142が形成されている。
結合材20は、支柱XのフランジYにクサビ緊結するための部材である。
本実施例に係る結合材20は、上下方向に対して前後に分離する二叉形状を呈してある。
この二叉形状は、前方側のクサビ部21と、後方側の摺動部22とに分かれる。以下、各構成要素の詳細について説明する。
クサビ部21は、支柱XのフランジYに設けてある結合孔Zへと差し込んでクサビ緊結するための要素である。
クサビ部21は、下方に向かって先細となるテーパ211を設けている。
クサビ部21の頭部には、緊結作業の際に、クサビ部21を下方にハンマーなどで打ち込むための打突部212を設けている。
摺動部22は、本体材10から結合材20の抜け出しを防止するための要素である。
摺動部22の下端には貫通孔221を設け、摺動部22の背面には窪み部222を設けている。以下、各構成要素の詳細について説明する。
貫通孔221は、摺動部22の下端に設けて、図示しないリベットやボルトナットなどを取り付けるための要素である。
クサビ緊結具の組立時には、まず結合材20を本体材10の挿通孔12に差し込み、本体材10の下端から貫通孔221を露出させてから、該貫通孔221にリベットやボルトナットを取り付けて抜け止め部を形成する。
この抜け止め部が前記挿通孔12に干渉することで、本体材10の上方から結合材20が抜け出ることを防止する。
窪み部222は、姿勢制御材30との接触でもって、結合材20を所定の位置に位置決めするための要素である。
窪み部222は、摺動部22の背面側に略平面上に形成してある接触面223に対し、前記摺動部22の前面側へと凹みを設けて形成する。
窪み部222の形成位置は、該窪み部222でもって結合材20を所定の位置で位置決めした状態において、切欠き11をクサビ部21が遮らずに、フランジYを本体材10に収容自在な態様となる位置とする。
姿勢制御材30は、該姿勢制御材30の弾性力でもって、結合材20を本体材10に対して所定の位置で位置決めするための部材である。
姿勢制御材30は、本体材10と結合材20との間に介設するものであり、本体材10に対して、結合材20を前方側に押し出すように付勢するよう、弾性力を持たせた板バネ状の部材である。
以下、姿勢制御材30の各部の詳細について説明する。
姿勢制御材30は、平板状の薄板を中間部分で折曲する折り返し部31を上方に位置するように、本体材10の収容空間14内に配置する。
姿勢制御材30は、前記折り返し部31を挟んで、結合材20と接触する前方片部32と後方片部33とに分かれており、前方片部32と後方片部33を所定の位置関係に復元する弾性力を備えている。
前方片部32には、下側に向かって平面状に延びる途上で前方側に突出するように折曲した突出部321を設ける。
突出部321の外形は、前記窪み部222の凹み形状と対応する形状とする。
さらに、前方片部32の下端は、摺動部22と干渉しないよう後方側に折り曲げておく。
後方片部33には、下側に向かって平面状に延びる途上で後方側に折曲した受け部331を設ける。
この受け部331を、本体材10の中実部分の内壁141と連通孔142の周壁との交差部分に突き当てるように配置することで、姿勢制御材30を収容空間14の決まった位置に収めることができる。
さらに、後方片部33の下端は、本体材10と干渉しないよう前方側に折り曲げておく。
係合機構Aは、前記結合材20と前記姿勢制御材30の間に少なくとも一箇所設けて、前記本体材10に対して前記結合材20を位置決めするための機構である。
本実施例では、前記結合材20に設けた窪み部222と、前記前記姿勢制御材30に設けた突出部321との係合関係でもって、係合機構Aを構成している。
次に、図1,図3を参照しながら、本実施例に係るクサビ緊結具の使用態様について説明する。
まず、本体材10の挿通孔12から姿勢制御材30を差しこんで収容空間14内に配置する。
その後、結合材20の前後方向の位置を、やや前方にずらした状態で挿通孔12に差し入れる。
そして、窪み部222よりも下方の接触面223aで姿勢制御材30の前方片部32を後方に押し込んで結合材20の前後方向の位置を正しい位置においた状態で、結合材20を下方へと挿入する。
このとき、姿勢制御材30の前方片部32は、初期形状に復元しようと前方側に付勢された状態を呈している。
結合材20の挿入が進んでいくと、摺動部22の窪み部222による隙間を埋めるように姿勢制御材30の突出部321が前方へと押し出される。
このとき、結合材20は、窪み部222と突出部321との間の係止状態によって自立した姿勢を保持するように位置決めされる。
また、クサビ部21の下端は、未だ切欠き11に露出しておらず、本体材10を支柱XのフランジYに収容自在な状態である。
さらに、この結合材20の自立状態は、前記した姿勢制御材30の付勢によって維持されているため、クサビ緊結具そのものを揺らしたり、傾けたりする動作を行っても、自立状態が解除されることはない。
よって、フランジYへの取付作業時に、作業員が結合材20の姿勢制御を意識する必要は無い。
結合材20の打突部212をハンマーで打撃することで、結合材20を下方へと押し下げる。
このとき、窪み部222より上方の接触面223bが、再度姿勢制御材30の前方片部32を後方に押し込むため、突出部321が結合材20の下移動に干渉することはない。
このように、クサビ部21による結合孔Zとのクサビ緊結が十分に行われた段階で、連結作業を完了する。
足場の解体時など、支柱Xと水平材との連結を解除する場合には、摺動部22の下端をハンマーで打撃して結合材20を上移動させ、クサビ緊結を解除する。
このとき、リベット23などによる抜け止め部を設けておけば、結合材20が本体材10から抜け出ることはない。
また、緊結状態が解かれている状態では、摺動部22を作業員の手指で上下に移動させることで、容易に結合材20の自立姿勢を探り当てることができる。
本実施例では、結合材20を構成する摺動部22の背面に凸部224を設け、姿勢制御材30の前方片部32に設けた突出部321の肩部分に前記凸部224が載った状態で、結合材20の自立姿勢を呈するよう構成している。
本実施例によっても、実施例1と同等の効果を得ることができる。
本実施例では、結合材20を構成する摺動部22の背面に凸部224を設け、姿勢制御材30の前面の前方片部32を背面側に凹ませた凹部323に前記凸部224が収まる状態で、結合材20の自立姿勢を呈するよう構成している。
本実施例によっても、実施例1,2と同等の効果を得ることができる。
X 支柱
Y フランジ
Z 結合孔
10 本体材
11 切欠き
12 挿通孔
121 前側孔
122 後側孔
13 接続部
131 爪
14 収容空間
141 内壁
142 連通孔
20 結合材
21 クサビ部
211 テーパ
212 打突部
22 摺動部
221 貫通孔
222 窪み部
223 接触面
224 凸部
23 リベット
30 姿勢制御材
31 折り返し部
32 前方片部
321 突出部
322 凹部
33 後方片部
331 受け部
Claims (7)
- クサビ緊結式足場において支柱の側周に設けたフランジへと結合するクサビ緊結具であって、
前記フランジを上下で挟むように収容可能な切欠きを有する、本体材と、
前記切欠きを遮るように上下方向に移動してフランジに設けた結合孔へと差込み可能なクサビ部と、前記フランジの外側に位置する摺動部と、で二叉形状を呈している、結合材と、
前記本体材と前記摺動部との間に介設し、弾性力でもって前方へ付勢される板バネ状の姿勢制御材と、を少なくとも具備し、
前記本体材は、
当該本体材の内部に設けた内壁によって区画される、収容空間と、
前記収容空間と前記本体材の後端とを連通する、連通孔と、を有し、
前記姿勢制御材は、平板状の薄板を折曲してなる前方片部と後方片部とを有し、
前記姿勢制御材は、前記後方片部の途上で折曲してなる受け部を、前記内壁と前記連通孔の周壁との交差部分に突き当てるように前記収容空間に収容されており、
前記結合材の上下移動のみによって、
前記本体材による前記フランジの収容動作を前記クサビ部が妨げない位置において前記摺動部と前記姿勢制御材とが少なくとも一箇所において係合することで、前記本体材に対して前記結合材を位置決めしている、自立姿勢と、
前記姿勢制御材が前記摺動部に押されて前記位置決めが解かれた状態で、前記クサビ部を前記結合孔に差し込んでいる、緊結状態と、
を切替自在とし、
前記結合材は、前記自立姿勢および前記緊結状態において、前後方向の相対位置が変動しないことを特徴とする、
クサビ緊結具。 - 前記摺動部と前記姿勢制御材との係合機構が、
前記摺動部の背面に設けた窪み部と、
前記姿勢制御材の前面に設けた突出部と、からなり、
前記窪み部に前記突出部が収まることで、前記本体材に対して前記結合材を位置決め可能であることを特徴とする、
請求項1に記載のクサビ緊結具。 - 前記摺動部と前記姿勢制御材との係合機構が、
前記摺動部の背面に設けた凸部と、
前記姿勢制御材の前面に設けた突出部と、からなり、
前記突出部の上に前記凸部が載ることで、前記本体材に対して前記結合材を位置決め可能であることを特徴とする、
請求項1に記載のクサビ緊結具。 - 前記摺動部と前記姿勢制御材との係合機構が、
前記摺動部の背面に設けた凸部と、
前記姿勢制御材の前面に設けた凹部と、からなり、
前記凹部に前記凸部が収まることで、前記本体材に対して前記結合材を位置決め可能であることを特徴とする、
請求項1に記載のクサビ緊結具。 - 前記摺動部の下端に、前記本体材からの前記結合材の抜け出しを防止する、抜け止め部を設けてあることを特徴とする、
請求項1乃至4のうち何れか1項に記載のクサビ緊結具。 - 前記本体材の後端に、足場を構成する水平材または斜材との接続部を有することを特徴とする、
請求項1乃至5のうち何れか1項に記載のクサビ緊結具。 - 前記本体材が、足場を構成する水平材または斜材を兼用してあることを特徴とする、
請求項1乃至5のうち何れか1項に記載のクサビ緊結具。
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