JP7473396B2 - 足場における楔緊結装置 - Google Patents

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Description

本発明は、仮設足場等の足場において使用される楔緊結装置に関する。
従来、構築と解体を行う仮設足場において、楔緊結装置が提供されている。例えば、図1に示すように、支柱1と横架材等の連結部材2を着脱自在に連結するための装置として、支柱1の長手方向に間隔をあけて固設したフランジ3に設けた緊結孔4に対して、連結部材2の端部に固設した連結金具5を楔部材6により緊結するように構成した楔緊結装置が公知である。
連結金具5は、上下顎部5a、5bの間に受入部9形成すると共に、上下顎部5a、5bにそれぞれ上側の挿通孔7と下側の挿通孔8を設けており、受入部9にフランジ3を進入させたとき、フランジの緊結孔4と上下顎部の挿通孔7、8を上下方向に連通させるように形成されている。
楔部材6は、前記の各孔に挿通自在な厚さの盤状体より形成され、腹部6aと背部6bの間の幅寸法を下方に向けて次第に幅狭とするように形成されている。
そこで、楔部材6を上から下に向けて上顎部5aの挿通孔7とフランジ3の緊結孔4と下顎部5bの挿通孔8に挿通させた状態で、ハンマー等により殴打して下動させると、楔部材6が緊結孔4の接支縁部4aと挿通孔7、8の受縁部7a、8aの間に圧入され、接支縁部4aと受縁部7a、8aの間隔を押し広げながら、連結金具5を押動させることにより、上下顎部5a、5bの先端部を支柱の表面に圧接状態で当接する。これにより、フランジ3と楔部材6と連結金具5と支柱1の相互間における緊結状態が得られる。
そして、この緊結状態において、下顎部5bの挿通孔8から挿出された楔部材6の下端部をハンマー等により殴打して上動させると、緊結状態が解除される。
特開2018-71196号公報
上述の緊結作業を行うためには、先ず、連結金具5をフランジ3の側方に臨ませた状態からフランジ3に向けて横方向に移動させ、受入部9にフランジ3を進入させると共に、上顎部5aの載置面10をフランジ3に載置する必要がある。しかしながら、このとき楔部材6が受入部9の内部に位置している場合は、フランジ3を受入部9に進入させることができない。このため、図1(A)に示すように、作業者の指先等で楔部材6を退避位置PXに持ち上げることにより受入部9を開放状態とし、楔部材6を保持した状態で連結金具5をフランジ3に向けて移動させなければならない。
受入部9にフランジ3を進入させ、楔部材6をフランジの緊結孔4に臨ませた状態で、指先等による保持から解放すれば、楔部材6は、自重で下降して停止位置PYで停止するので、引き続きハンマー等による殴打により、緊結位置PZまで下動させれば良い。
足場の構築は、多数の個所において、緊結作業を行うことが必要である。連結金具5は連結部材2と一体化された重量物を構成しているので、これをフランジ3に臨むように位置決めして横方向に移動させることは重労働であり、しかも、その作業中、楔部材6を退避位置PXに持ち上げた状態で保持し続けることは、作業者に酷である。
足場の解体の場合も同様であり、緊結状態が解除された楔部材6を退避位置PXに持ち上げ、連結金具5の受入部9からフランジ3が抜き出されるまで、持ち上げ状態を保持する必要がある。
ところで、上記問題を解決するためには、例えば、連結金具に楔部材を保持するスプリングを設け、作業者が指先によりスプリングの弾発力に抗して楔部材を上下動させ、上述のような退避位置PXに位置させた状態で、指先から放しても、楔部材が該退避位置で停止保持されるように構成すれば良い。
しかしながら、この場合、上記問題は解決できるが、楔部材が退避位置に保持されている状態では、連結金具の上顎部をフランジに載置したとき、楔部材を打ち込む前に、上顎部の載置面がフランジの上面を滑動してフランジから脱落するおそれがある。特に、長尺とされた重い連結部材の場合、一対の支柱のフランジに対して、連結部材の両端部を同時に載置することは困難であるから、先ずは一方の端部の連結金具を一方のフランジに載置し、次いで他方の端部の連結金具を他方のフランジに載置する手順となるが、その際、連結部材の姿勢が変わるため、先にフランジに載置したはずの連結金具が容易に脱落してしまい、作業効率を低下するという新たな問題を発生する。
このため、本発明の目的は、連結金具の受入部にフランジを進入させる際、楔部材を待機位置P1で静止させ、その際、楔部材の下端部が上顎部の載置面から下向きに所定距離(t)だけ突出された位置を待機位置P1として、連結金具における上顎部の載置面をフランジに載置したとき、前記楔部材の下端部をフランジの緊結孔に挿入係止させ、これにより、上顎部の載置面がフランジの上面を滑動することを阻止し、フランジから脱落することのないように構成した楔緊結装置を提供する点にある。
また、本発明の目的は、楔部材の下端部が下顎部の上面から所定高さ(h)に位置する待機位置P1に関して、作業者が指先で持ち上げた楔部材を放し、自重で下降させるだけで、楔部材を待機位置(P1)となる正確な位置で受け止め、その位置で静止させ保持するが、楔部材をハンマー等の殴打により緊結位置P2に向けて打ち込むときは、前記の受け止めを好適に解除するように構成した保持手段を提供する点にある。
そこで、上記目的を達するために本発明が手段として構成したところは、支柱に固設されたフランジと連結部材に固設された連結金具を楔部材により連結する緊結装置であり、前記連結金具は、上顎部と下顎部の間にフランジを進入させる受入部を形成し、前記楔部材は、それぞれ前記上下顎部に挿通される楔本体部と枝部を並設一体化しており、前記楔本体部の下端部を下顎部の上面から所定高さ(h)に位置させた待機位置(P1)から、楔本体部をフランジの緊結孔に打ち込んで緊結位置(P2)まで下動させることにより緊結する構成において、前記楔部材の枝部の遊動面にストッパ部を突設し、前記連結金具に内装した保持手段に保持部を設けており、前記ストッパ部を保持部に載置したとき、楔部材の自重を支持することにより楔部材を待機位置(P1)に静止させるが、該静止状態から楔部材に下向きの外力を与えたとき、ストッパ部が前記保持部を押動し変位させることにより通過し、楔部材を緊結位置(P2)に向けて下動させるように構成されており、前記保持手段は、枢軸の廻りで回動自在な自由端部を有する揺動板と、該揺動板の回動を制御する制御手段により構成され、前記揺動板は、バネ手段により前記自由端部を前記枝部の遊動面に向けて前進させるように弾発付勢され、該自由端部から前記遊動面に向けて突設した突部により前記保持部を構成しており、前記制御手段は、弾発付勢された揺動板を対向方向から受け止めることにより、保持部を遊動面に圧接させない所定位置で停止し保持するように構成され、楔部材の上下動によりストッパ部が保持部を押動したとき、該ストッパ部と保持部の相互間に形成された傾斜案内部を介して、前記自由端部を前記バネ手段に抗して回動させることにより該保持部を遊動面から離反方向に変位させるように構成して成る点にある。
本発明の好ましい実施形態は、前記楔部材の枝部を両側から挟む位置に第1揺動板と第2揺動板を配置すると共に、両揺動板を枢軸により枢結し、該枢軸に設けたバネ手段により両揺動板の自由端部を合掌方向に回動付勢し、両揺動板のうち少なくとも第1揺動板の自由端部と枝部の側面にそれぞれ前記保持部と遊動面を構成しており、両揺動板のうち少なくとも一方の揺動板の自由端部から延設された舌片部の先端を他方の揺動板の自由端部に当接させることにより、前記制御手段を構成している。
前記保持手段は、前記第1揺動板及び第2揺動板と、前記舌片部により、楔部材の枝部の上下移動を案内する案内通路を形成することが好ましい。
好ましくは、前記待機位置P1において、楔本体部の下端部は、上顎部の下面に形成された載置面から受入部の内部に向けて距離(t)だけ突出させられると共に、該下端部にガイド部を形成しており、楔部材は、待機位置P1とした状態でフランジを受入部に向けて進入させたとき、前記ガイド部がフランジの縁部に当接して乗り上げることにより、下端部を前記載置面と面一にする退避位置P0に向けて上動され、下端部がフランジの緊結孔に臨まされたとき、自重により待機位置P1に向けて下動され、下端部を緊結孔に挿入係止するように構成されている。そして、前記保持手段の保持部に対して、楔部材の枝部は、ストッパ部の下側に下部遊動領域を形成しており、前記保持部と下部遊動領域は、相互に、前記待機位置P1と退避位置P0の間において楔部材が上下動することを許すように構成されている。
この際、前記距離(t)は、フランジの厚さ(T)に対してt<Tとするように構成することが好ましい。
更に好ましくは、楔部材を待機位置P1としたとき、楔本体部の下端部と下顎部の間の空間の高さ(h)をフランジの厚さ(T)に対してT≦hとするように構成されており、前記載置面から下向きに突出する下端部の突出距離(t)を構成する下側距離(g)と上側距離(e)をe<gとするように構成され、下端部のうち、下側距離(g)に含まれる領域に前記ガイド部を形成し、上側距離(e)に含まれる領域に係止部を形成し、楔部材を待機位置P1として上顎部の載置面をフランジに載置したとき、前記係止部がフランジの緊結孔に係止することにより、上顎部の横向き移動を阻止するように構成している。
前記ガイド部は、楔本体部の下端部において、下端中心に向かうほぼ円錐状となる円錐面又はほぼ球状となる球面により形成することが好ましい。
本発明によれば、保持手段37により楔部材16を待機位置P1に位置した状態で静止させることができるので、長尺とされた連結部材12の両端部に設けられた楔付きの連結金具15、15を所定間隔で立設された支柱11のフランジ13に接続する作業が簡単容易となる。
ところで、保持手段37は、枢軸42の廻りで回動自在な自由端部38aを有する揺動板38と、該揺動板38の回動を制御する制御手段46により構成され、揺動板38をバネ手段43により前記自由端部38aを楔部材16の枝部16Bの遊動面34に向けて前進させるように弾発付勢すると共に、該自由端部38aから前記遊動面34に向けて保持部46を突設し、前記制御手段46により揺動板38を対向方向から受け止めることにより、保持部48を遊動面34に圧接させない所定位置で停止し保持するように構成しているので、所望形状の揺動板38を容易に成形することができ、保持部48の形状選択の自由度が高く、加工が容易である。そして、揺動板38、39の弾発付勢力は、別体のバネ手段43を組付けることにより、微妙な付勢力の相違を選択することにより設計が容易であり、金属板製とされた揺動板38の保持部48をストッパ部36に乗り越えさせる際のクリック感にも優れたものとなる。
そして、本発明の好ましい構成によれば、連結金具15をフランジ13に向けて移動し、受入部20にフランジ13を進入させるだけで、楔部材16が待機位置(P1)から退避位置(P0)に向けて自動的に退避することによりフランジ13の進入を好適に行わせ、連結金具15をフランジ13の所定位置に移動するだけで、楔部材16が退避位置(P0)から再び待機位置(P1)に自動的に戻り、下端部25eをフランジ13の緊結孔14に挿入させることができ、作業が更に簡単容易となる。
本発明の更に好ましい構成によれば、フランジ13を受入部20に進入させた後、上顎部18の載置面30をフランジ13に載置すれば、前記下端部25eがフランジ13の緊結孔14に挿入係止されるので、これにより、連結金具15がフランジ13から脱落することを阻止することができる。
従来技術を示しており、(A)は連結金具の受入部にフランジを進入させた状態を示す断面図、(B)は楔部材を打ち込んだ後の緊結状態を示す断面図である。 本発明の1実施形態に関して、連結金具と保持手段と楔部材を分離させた状態で示す斜視図である。 実施形態に関して、保持手段を装備した連結金具の断面を示すと共に楔部材を分離させた状態で示す側面図である。 実施形態に関する楔部材の構成を示しており、(A)は楔部材と保持手段を示す斜視図、(B)は楔部材を下方から見た斜視図である。 実施形態に関する保持手段の構成を示しており、(A)は分解状態を示す斜視図、(B)は組立状態を示す斜視図である。 保持手段を示しており、(A)は正面図、(B)はA-A線断面図、(C)は保持部が遊動面に臨まされた状態を示す縦断面図、(D)は保持部がストッパ部により押動され変位させられた状態を示す縦断面図である。 楔部材が待機位置(P1)で静止した状態の連結金具と、支柱のフランジを示す断面図である。 待機位置(P1)で静止した楔部材の枝部と保持手段の保持部の関係を示す縦断面図である。 楔部材を待機位置(P1)に静止させた状態の連結金具と、支柱のフランジの関係を示し、(A)は受入部に向けて突出した楔本体部の下端部とフランジを示す断面図、(B)は楔本体部の下端部に形成されたガイド部と係止部を示す断面図である。 楔部材を待機位置(P1)に静止させた状態で連結金具を支柱のフランジに向けて移動させ、フランジを楔本体部の下端部に当接させた状態を示す断面図である。 楔部材を待機位置(P1)に静止させた状態で連結金具を支柱のフランジに向けて移動させ、フランジを楔本体部の下端部に当接させた状態を示す平面図である。 楔部材が退避位置(P0)に退避させられた状態の連結金具と、支柱のフランジを示す断面図である。 退避位置(P0)に退避させられた楔部材の枝部と保持手段の保持部の関係を示す縦断面図である。 楔部材が退避位置(P0)から待機位置(P1)に下降して静止することにより下端部を緊結孔に係止した状態の連結金具と、支柱のフランジを示す断面図である。 退避位置(P0)から待機位置(P1)に下降して静止した楔部材の枝部と保持手段の保持部の関係を示す縦断面図である。 楔部材が緊結位置(P2)に下動させられた状態の連結金具と、支柱のフランジを示す断面図である。 緊結位置(P2)に下動させられた楔部材の枝部と保持手段の保持部の関係を示す縦断面図である。 楔部材が解体位置(P3)に上動させられた状態の連結金具と、支柱のフランジを示す断面図である。 解体位置(P3)に上動させられた楔部材の枝部と保持手段の保持部の関係を示す縦断面図である。 保持手段の別の実施形態を示しており、(A)は横断面図、(B)は縦断面図である。
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
(基本的構成)
図示のように、楔緊結装置は、例えば仮設足場における支柱11と横架材等の連結部材12を着脱自在に連結するための装置であり、支柱11の長手方向に間隔をあけて固設したフランジ13に設けた緊結孔14に対して、連結部材12の端部に固設した連結金具15を楔部材16により緊結するように構成されている。
連結金具15は、連結部材12に固設される基部17から上顎部18と下顎部19を延設することにより、上下顎部の間に受入部20を形成しており、上下顎部にそれぞれ上側の挿通孔21と下側の挿通孔22を設けており、受入部20にフランジ13を進入させたとき、フランジの緊結孔14と上下顎部の挿通孔21、22を上下方向に連通させるように形成されている。尚、上顎部18と下顎部19の先端には、支柱11の周面に沿う円弧面により形成された当接部18a、19aが設けられている。
楔部材16は、前記の各孔21、14、22に挿通自在な厚さの盤状体より形成され、上下方向の中間部により楔部23を構成し、該楔部23の上下に頭部24と脚部25を設けており、前記楔部23は、腹部23aと背部23bの間の幅寸法を下方に向けて次第に幅狭とするように形成されている。この際、腹部23aは、支柱11の軸線にほぼ平行となるように形成され、これに対して背部23bが傾斜するように形成されている。前記頭部24は、脚部25よりも分厚いブロック状に形成されている。
後述するように、連結金具15の受入部20にフランジ13を進入させ、フランジの緊結孔14の上下に上下顎部18、19の挿通孔21、22を臨ませ、これらの孔に楔部材16を上から下に向けて挿通させた状態で、ハンマー等により殴打して下動させると、楔部材16が緊結孔14の接支縁部14aと挿通孔21、22の受縁部21a、22aの間に圧入され、接支縁部4aと受縁部21a、22aの間隔を押し広げながら、連結金具15を支柱11に向けて前進移動させることにより、上下顎部18、19の当接部18a、19aを支柱11の表面に圧接状態で当接させる。これにより、フランジ13と楔部材16と連結金具15と支柱11の相互間における緊結状態が得られる。
そして、この緊結状態から、ハンマーによる殴打等により楔部材16を上動させると、緊結状態が解除される。
以上の基本的構成は、上述した従来技術の構成と概ね同様であるので、以下に、本発明の特徴を具体化した実施形態について説明する。
図2及び図3に示すように、連結金具15は、基部17の内部に前記受入部20に隣接する空所部26を形成し、該空所部26から尾端部に向けて開口する開口部27を備え、前記空所部26の上下に位置して上側案内孔28と下側案内孔29を設けている。
前記受入部20は、上顎部18の下面に形成された載置面30と、下顎部19の上面により、上下から区成されており、受入部20の奥部には、載置面30から下向きの受止め部31が形成されている。
(楔部材の構成)
図2ないし図4に示すように、楔部材16は、頭部24及び脚部25を備えた楔本体部16Aと、枝部16Bを並設一体化しており、楔本体部16Aと枝部16Bは、脚部25と枝部16Bの上端部を相互に連結する横向きの連結部16Cを介して一体化され、楔部材16の全体が鍛造等により成形されている。
楔部材16は、連結金具15の上下顎部18、19に対して、楔本体部16Aの脚部25を上下の挿通孔21、22に挿通自在とされると共に、枝部16Bを上下の案内孔28、29に挿通され、該枝部16Bの下端部に挿着されたリベットの頭部等により抜止め手段32が形成される(図7及び図8参照)。
楔本体部16Aの下端部25eは、下端中心に向かうほぼ円錐状となる円錐面により形成されたガイド部33を設けている。これにより、ガイド部33は、下端部25eの全周に設けられている。尚、ガイド部33は、円錐面に代えて、ほぼ球状となる球面により形成しても良い。
楔部材16の枝部16Bは、幅方向の肉厚を(w1)で示すように所定厚さに形成することにより、枝部16Bの側面に上下方向に延びる遊動面34を形成し、該遊動面34の両側に沿って案内リブ35、35を形成している。遊動面34の所定位置には案内リブ35、35を連結する横向きのリブにより形成されたストッパ部36が設けられている。従って、ストッパ部36を含む幅方向の肉厚(w2)は、遊動面34の部分の幅方向の肉厚(w1)に対して、w2>w1とされ、ストッパ部36により凸部が形成されている。これにより、遊動面34は、ストッパ部36の上下に延びる上側遊動面34aと下側遊動面34bに分割された構成とされている。
図示実施形態の場合、枝部16Bは、両側面のそれぞれに遊動面34と、案内リブ35、35と、ストッパ部36を設けているが、これらの構成は、両側面のうちの一方の側面にだけ設け、他方の側面は平坦面となるように形成しても良い。
(保持手段の構成)
前記連結金具15の空所部26には保持手段37が設けられている。図2ないし図6に示すように、保持手段37は、楔部材16の枝部16Bの両側面を挟む位置に配置された金属板製の第1揺動板38及び第2揺動板39により構成され、両揺動板38、39の上下部からそれぞれ折曲形成されたブラケット40、41を相互に重ね合わせた状態で、縦軸を構成する枢軸42により回動自在に枢結している。
前記枢軸42には弦巻バネから成るバネ手段43が設けられ、これにより、第1揺動板38及び第2揺動板39は、それぞれの自由端部38a、39aを合掌させる方向に向けて回動付勢されている。
この際、前記自由端部38a、39aから相互に対向する舌片部44、45が折曲形成されており、該舌片部44、45により、弾発付勢された揺動板38、39を対向方向から受け止めることにより、所定位置において所定姿勢で停止させる制御手段46が構成されている。
図示実施形態の場合、対向する一対の舌片部44、45を上下に互い違いに配置することにより、第1揺動板38の舌片部44の先端を第2揺動板39の自由端部39aに当接させ、第2揺動板39の舌片部45の先端を第1揺動板38の自由端部38aに当接させることにより、制御手段46を構成しているが、これに限定されるものではない。
例えば、対向して配置された一対の舌片部44、45の先端を相互に当接させるように構成しても良く、あるいは、一対の舌片部44、45を設ける必要はなく、何れか1つの舌片部だけで制御手段46を構成しても良い。
これにより、第1揺動板38及び第2揺動板39は、常時は制御手段46により停止させられて、相互に平行姿勢となるように保持されており、楔部材16の枝部16Bを挿通させると共に上下移動を案内する案内通路47を形成する。
案内通路47は、枝部16Bを挿通させたとき、一対の揺動板38、39の全面が遊動面34に平行状態で案内リブ35、35に近接させられることにより、枝部16Bの上下移動を案内する。この際、図6(C)に示すように、一対の揺動板38、39の内法間隔寸法(w4)は、枝部16Bの案内リブ35、35を含む部分の肉厚(w2)を受入れるように、w4>w2に形成されているが、枝部16Bをガタツキのない状態で案内可能とするため、揺動板38、39と案内リブ35の間の隙間(s)を可及的小さくするように形成している。尚、案内通路47に挿通された枝部16Bは、腹部16bが舌片部44、45に近接して臨まされた状態で上下移動を案内される。
そこで、第1揺動板38は、自由端部38aに、枝部16Bの遊動面34に向けて突出する保持部48を設けている。
図示実施形態の場合、保持部48は、自由端部38aを構成する金属板をプレス成形することにより、揺動板38、39が制御手段46により所定位置において所定姿勢で停止させられた状態において遊動面34に近接させられるように高さw3だけ突出する円板状の突出部48aと、該突出部48aから自由端部38aに連なるテーパ周壁により形成された上下の傾斜案内部48b、48cを備えている。
これにより、保持手段37の案内通路47に楔部材16の枝部16Bを挿通させたとき、図6(C)に示すように、枝部16Bの遊動面34が保持部48に臨ませられ、この状態で、枝部16Bは自由に上下動することが許されている。つまり、第1揺動板38と案内リブ35の間の隙間(s)により、枝部16Bには僅かなガタツキが生じるため、保持部48は、遊動面34に接触する可能性はあるが、遊動面34を弾性保持しない位置に停止させられている。
そこで、後述するように、枝部16Bのストッパ部36が保持部48に載置されたとき、保持部48は、楔部材16の自重を支持し、枝部16Bを静止させるように構成されている。つまり、楔部材16の重量により枝部16Bのストッパ部36に作用する下向き荷重よりも、保持部48を前記所定位置に保持するように作用するバネ手段43の弾力が勝るように構成されている。
しかしながら、ストッパ部36が保持部48に載置されて枝部16Bが静止した状態から、楔部材16に下向きの外力を与えたときは、図6(D)に示すように、ストッパ部37が保持部48の上側の傾斜案内部48aを押動して変位させることにより通過し、下動するように構成されている。つまり、下向きの外力を受けたストッパ部36は、上側の傾斜案内部48bをガイドとして保持部48を押し退け、保持部48は、バネ手段43に抗して第1揺動板38を回動させることにより後退する。
図示実施形態の場合、ストッパ部36の上下にも傾斜案内部36a、36bが形成されており、枝部16Bを下動させたとき、保持部48の上側の傾斜案内部48aと、ストッパ部36の下側の傾斜案内部36bの協働作用により、好適に保持部48を後退方向に変位させることができる。尚、反対に枝部16Bを上動させ、ストッパ部36により保持部48を上向きに押動したときは、ストッパ部36の上側の傾斜案内部36aと保持部48の下側の傾斜案内部48bの協働作用により、保持部48を後退方向に変位させることができる。
しかしながら、ストッパ部36の上下移動による押動を受けたとき、保持部48を後退方向に変位させるための傾斜案内部は、ストッパ部36と保持部48の何れか一方にだけ設けても良く、要するに、ストッパ部36と保持部48の相互間に形成すれば良い。
このように、保持手段37は、バネ板やバネ線等のバネ部材それ自体により形成されるものではなく、バネ手段43により弾発付勢される金属板製の揺動板38、39により構成されているので、所望形状の揺動板38、39を容易に成形することができ、保持部48の形状選択の自由度が高く、加工が容易である。
そして、揺動板38、39の弾発付勢力は、別体のバネ手段43を組付けることにより、微妙な付勢力の相違を選択することにより設計容易であり、金属板製とされた揺動板38の保持部48をストッパ部36に乗り越えさせる際のクリック感が優れたものとなる。
(楔部材の枝部と保持手段の関係)
図7ないし図9に示すように、楔部材16は、連結金具15の上下顎部18、19に対して、楔本体部16Aの脚部25を上下の挿通孔21、22に挿通自在とされると共に、枝部16Bを上下の案内孔28、29と保持手段37の案内通路47に挿通され、該枝部16Bの下端部に挿着されたリベットの頭部等により抜止め手段32を設けている。
上下方向の移動位置に関して、楔部材16は、脚部25の下端部25eが上顎部18の載置面30と面一とされる位置を退避位置(P0)(図12参照)とし、該下端部25eが載置面30から下向きに距離(t)だけ突出させられる位置を待機位置(P1)(図7及び図9参照)とし、待機位置から下動してフランジ13の緊結孔14に打ち込み緊結された位置を緊結位置(P2)(図16参照)とし、前記抜止め手段43が下側の案内孔29の縁部に当接した状態とされ下端部25eが載置面30よりも上方に移動した位置を解体位置(P3)(図18参照)としている。
楔部材16が退避位置(P0)とされたとき、枝部16Bの下側遊動面34bが保持手段37の保持部48に臨まされており、ストッパ部36は保持部48の上方に位置している。
楔部材16が待機位置(P1)とされたとき、枝部16Bのストッパ部36が保持手段37の保持部48に載置され、楔部材16を静止させている。図7ないし図9に示すように、待機位置(P1)とされたとき、フランジ13の厚さ(T)と受入部20の上下幅(H)は、H>tとなるように構成され、これに対して、下端部25eが下向きに突出する距離(t)は、T>tとなるように構成されている。このとき、下端部25eは、下顎部19の上面から所定高さ(h)の位置で静止されており、図示実施形態の場合、高さ(h)は、フランジ13の厚さ(T)とほぼ等しく、T≦hとするように構成されているが、h<T<h+tとするように構成しても良い。
円錐面又は球面により形成された下端部25eのガイド部33は、突出距離(t)に含まれる下端部25eの全領域にわたり設けても良いが、図示実施形態の場合、図9(B)に示すように、下端部(25e) の突出距離(t)を構成する下側距離(g)と上側距離(e)をe<gとするように構成することにより、下端部25eのうち、下側距離(g)に含まれる領域に前記ガイド部33を形成し、上側距離(e)に含まれる領域に係止部49を形成している。
後述するように、連結金具15とフランジ13の横向きの相対移動に関して、ガイド部33は、フランジ13の縁部に当接して乗り上げ方向に案内するガイドを構成している。これに対して、係止部49は、フランジ13の縁部に当接したとき、該縁部を受止め、乗り上げられることなく係止するように構成されている。
楔部材16が緊結位置(P2)とされたとき、枝部16Bのストッパ部36は、保持手段37の保持部48を通過して下方位置まで下動されており、枝部16Bの上側遊動面34aが保持部48に臨まされている。
楔部材16が解体位置(P3)とされたとき、枝部16Bのストッパ部36は、保持手段37の保持部48を通過して上方位置まで上されており、枝部16Bの下側遊動面34bが保持部48に臨まされている。
(作用)
以下、上記のように構成された緊結装置の作用を説明する。
(事前工程)
連結金具15をフランジ13に接続するに先立ち、楔部材16は、図7及び図8に示すように、待機位置(P1)に位置させられている。この状態で、楔部材16は、自重によりストッパ部36が保持部48に載置された状態で当接することにより静止しており、楔本体部16Aにおける脚部25の下端部25eを載置面30から下向きに距離(t)だけ突出させている。
(載置工程)
緊結作業を行うため、連結金具15をフランジ13の側方に臨ませた状態からフランジ13に向けて横方向に移動させ、受入部20にフランジ13を進入させると共に、上顎部18の載置面30をフランジ13に載置する工程を図9ないし図15に示している。
上下顎部18、19の間における受入部20の開口をフランジ13に向けて前進させるときの状態を図9に示している。
フランジ13に対して下顎部19が所定位置よりもやや上方位置に保持され、フランジ13の縁部に当接するように前進させられたときは、図9(A)に示すように、下顎部19の先端傾斜部19bがフランジ13の縁部に当接して摺動することにより、ラインL1で示すように下顎部19の上面がフランジ13の下面に一致する方向に下顎部19の姿勢を制御する。そこで、鎖線で示すように、フランジ13の下面よりも下顎部19の上面がやや下方に位置するように姿勢を制御した状態で前進させると、下端部25eのガイド部33がフランジ13の縁部に当接させられる。
反対に、フランジ13に対して下顎部19が所定位置よりもやや下方位置に保持されて前進させられたときは、図9(B)に示すように、楔部材16の下端部25eがフランジ13の縁部に当接する。図示のように、係止部49がフランジ13の縁部に当接したときは、受入部20に対するフランジ13の進入が阻止されるので、これを作業者が触感で感知して連結金具15を少しだけ持ち上げてやると、下端部25eのガイド部33がフランジ13の縁部に当接させられる。
そこで、図10及び図11に示すように、楔部材16は、受入部20に進入しようとするフランジ13の縁部に対して、その進入を妨げる位置に下端部25eのガイド部33を位置させているが、ガイド部33は、フランジ13の縁部に当接した状態で前進することにより、縁部を乗り上げる方向に案内される。
このため、図12及び図13に示すように、フランジ13の縁部の当接を受けることにより、ガイド部33を縁部に乗り上げさせながら、楔部材16は、待機位置(P1)から退避位置(P0)に向けて移動し、載置面30をフランジ13の上面に載置した状態で所定位置まで滑動させることができる。ガイド部33の乗り上げによる楔部材16の上動は、上述のように、遊動面34を構成する下側遊動面34bが保持部48の抵抗を受けることなく円滑に上動することにより行われる。
そこで、退避位置(P0)に位置する楔部材16は、下端部25eがフランジ13の緊結孔14に臨まされると、自重により下降し、図14及び図15に示すように、ストッパ部36が保持部48に当接した位置、つまり、再び待機位置(P1)で停止し、静止させられる。
このように、連結金具15をフランジ13に向けて移動させ、受入部20にフランジ13を進入させるだけで、楔部材16が待機位置(P1)から退避位置(P0)に向けて自動的に退避することによりフランジ13の進入を好適に行わせることができる。しかも、上顎部18の載置面30がフランジ13の上面を滑動することにより、連結金具15を所定位置に移動するだけで、楔部材16が退避位置(P0)から再び待機位置(P1)に自動的に戻り、下端部25eがフランジ13の緊結孔14に挿入される。
この際、上述のように、下端部25eに係止部49を設けておけば、該係止部49が緊結孔14の上縁に係止され、載置面30がフランジ13の上面から退避方向に滑動することを阻止するので、高所作業中に連結金具15がフランジ13から脱落することを防止することができる。
(緊結工程)
待機位置(P1)で静止している楔部材16は、頭部24をハンマーの殴打等により強く押下すると、図16及び図17に示すように、緊結位置(P2)まで下動され、緊結状態を形成する。
この際、枝部16Bは、ストッパ部36が保持部48を押動し、バネ手段43に抗する揺動板38の回動を介して変位させることにより、通過して下動し、保持部48は、遊動面34の上側遊動面34aに臨まされることにより元の位置に復帰する。
(解体工程)
構築された仮設足場の解体に際して、連結金具15をフランジ13から離脱させる場合には、図18及び図19に示すように、下側の案内孔29から下方に突出した枝部16Bの下端部をハンマーの殴打等により強く押上すると、下端部の抜止め手段32が下側の案内孔29の縁部に当接するまで上動し、楔部材16を解体位置(P3)に移動する。これにより、楔本体部16Aの下端部25eがフランジ13の緊結孔14から抜き出され、連結金具15をフランジ13から引き離すことが可能となる。
ところで、図示実施形態の場合、楔部材16が緊結位置(P2)から解体位置(P3)に上動したとき、ストッパ部36が揺動板38の回動を介して保持部48を変位させることにより通過して上動した後、保持部48は、遊動面34の下側遊動面34bに臨まされることにより元の位置に復帰する。従って、楔部材16は、解体位置(P3)から自重により、ストッパ部36が保持部48に載置される位置、つまり、待機位置(P1)まで下動して停止させられ、楔部材16の下端部25eが再びフランジ13の緊結孔14に挿入される。
このため、解体作業時においても、連結金具15は、下端部25eの係止部49を緊結孔14の上縁に係止するので、載置面30がフランジ13の上面に沿って滑動することは阻止されている。
そこで、連結金具15をフランジ13から引き離すときは、下顎部18がフランジ13の下面に当接するまで連結金具15を持ち上げれば、前記下端部25eが緊結孔14から上方に脱するので、その状態から連結金具15を横向きに移動させれば良い。
この際、下端部25eの全体を緊結孔14の上方に脱出させなくても、少なくとも係止部49を脱出させれば良い。ガイド部33は、緊結孔14に挿入されたままでも、上述のように、連結金具15とフランジ13の間における相対的な横向き移動により、緊結孔14の縁部に当接して乗り上げ移動するので、これにより、受入部20がフランジ13から引き離されることを可能にする。
このように、足場構築時における連結金具15をフランジ13に接続するときだけでなく、足場解体時における連結金具15をフランジ13から引き離すときにも、長尺とされた連結部材12の両端部に設けられた楔付きの連結金具15、15の取り扱い作業が簡単容易となり、作業中に連結金具15がフランジ13から脱落する危険を回避することができる。
(別の実施形態)
上記の図示実施形態は、保持部48を第1揺動板38の自由端部38aに設けた構成のものを説明したが、図20に示す別の実施形態のように、第2揺動板39の自由端部39aにも保持部48を設け、枝部16Bの両側面に形成したストッパ部36、36を一対の保持部48、48の上に載置させ、枝部16Bに外力を与えることにより上下動させたとき、第1揺動板38及び第2揺動板39をバネ手段43に抗して回動させることにより、それぞれの保持部48、48を変位させるように構成しても良い。
11 支柱
12 連結部材
13 フランジ
14 緊結孔
14a 接支縁部
15 連結金具
16 楔部材
16A 楔本体部
16B 枝部
16C 連結部
16b 枝部の腹部
17 基部
18 上顎部
19 下顎部
18a、19a 当接部
19b 下顎部の先端傾斜部
20 受入部
21 上側の挿通孔
21a 受縁部
22 下側の挿通孔
22a 受縁部
23 楔部
23a 腹部
23b 背部
24 頭部
25 脚部
25e 下端部
26 空所部
27 開口部
27a、27b 平坦面
28 上側の案内孔
29 下側の案内孔
30 載置面
31 受止め部
32 抜止め手段
33 ガイド部
34 遊動面
34a 上側遊動面
34b 下側遊動面
35 案内リブ
36 ストッパ部
36a、36b 傾斜案内部
37 保持手段
38 第1揺動板
38a 自由端部
39 第2揺動板
39a 自由端部
40、41 ブラケット
42 枢軸
43 バネ手段
44、45 舌片部
46 制御手段
47 案内通路
48 保持部
48a 突出部
48a、48b 傾斜案内部
49 係止部

Claims (8)

  1. 支柱に固設されたフランジに連結部材を連結する楔緊結装置であって、前記連結部材に固設された連結金具(15)と楔部材(16)により構成されており
    前記連結金具(15)は、上顎部(18)と下顎部(19)の間にフランジを進入させる受入部(20)を形成し、
    前記楔部材(16)は、それぞれ前記上下顎部(18)(19)に挿通される楔本体部(16A)と枝部(16B)を並設一体化しており、
    前記楔本体部(16A)の下端部(25e)を下顎部(19)の上面から所定高さ(h)に位置させた待機位置(P1)から、楔本体部(16A)をフランジの緊結孔(14)に打ち込んで緊結位置(P2)まで下動させることにより緊結する構成において、
    前記楔部材(16)の枝部(16B)の遊動面(34)にストッパ部(36)を突設し、前記連結金具(15)に内装した保持手段(37)に保持部(48)を設けており、
    前記ストッパ部を保持部に載置したとき、楔部材(16)の自重を支持することにより楔部材を待機位置(P1)に静止させるが、該静止状態から楔部材(16)に下向きの外力を与えたとき、ストッパ部(36)が前記保持部(48)を押動し変位させることにより通過し、楔部材(16)を緊結位置(P2)に向けて下動させるように構成されており、
    前記保持手段(37)は、枢軸(42)の廻りで回動自在な自由端部(38a)を有する揺動板(38)と、該揺動板の回動を制御する制御手段(46)により構成され、
    前記揺動板(38)は、バネ手段(43)により前記自由端部(38a)を前記枝部(16B)の遊動面(34)に向けて前進させるように弾発付勢され、該自由端部から前記遊動面(34)に向けて突設した突部により前記保持部(48)を構成しており、
    前記制御手段(46)は、弾発付勢された揺動板(38)を対向方向から受け止めることにより、保持部(48)を遊動面(34)に圧接させない所定位置で停止し保持するように構成され、
    楔部材(16)の上下動によりストッパ部(36)が保持部(48)を押動したとき、該ストッパ部と保持部の相互間に形成された傾斜案内部を介して、前記自由端部(38a)を前記バネ手段(43)に抗して回動させることにより該保持部(48)を遊動面(34)から離反方向に変位させるように構成して成ることを特徴とする足場における楔緊結装置。
  2. 前記楔部材の枝部(16B)を両側から挟む位置に第1揺動板(38)と第2揺動板(39)を配置すると共に、両揺動板を枢軸(42)により枢結し、該枢軸に設けたバネ手段(43)により両揺動板の自由端部(38a)(39a)を合掌方向に回動付勢し、両揺動板のうち少なくとも第1揺動板(38)の自由端部(38a)と枝部(16B)の側面にそれぞれ前記保持部(48)と遊動面(34)を構成しており、
    両揺動板(38)(39)のうち少なくとも一方の揺動板の自由端部から延設された舌片部(44,45)の先端を他方の揺動板の自由端部に当接させることにより、前記制御手段(46)を構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の足場における楔緊結装置。
  3. 前記保持手段(37)は、前記第1揺動板(38)及び第2揺動板(39)と、前記舌片部(44,45)により、楔部材(16)の枝部(16B)の上下移動を案内する案内通路(47)を形成して成ることを特徴とする請求項2に記載の足場における楔緊結装置。
  4. 前記待機位置(P1)において、楔本体部(16A)の下端部(25e)は、上顎部(18)の下面に形成された載置面(30)から受入部(20)の内部に向けて距離(t)だけ突出させられると共に、該下端部(25e)にガイド部(33)を形成しており、
    楔部材(16)は、待機位置(P1)とした状態でフランジ(13)を受入部(20)に向けて進入させたとき、前記ガイド部(33)がフランジ(13)の縁部に当接して乗り上げることにより、下端部(25e)を前記載置面(30)と面一にする退避位置(P0)に向けて上動され、下端部(25e)がフランジの緊結孔(14)に臨まされたとき、自重により待機位置(P1)に向けて下動され、下端部(25e)を緊結孔(14)に挿入係止するように構成されており、
    前記保持手段(37)の保持部(48)に対して、楔部材(16)の枝部(16B)は、ストッパ部(36)の下側に下側遊動面(34b)を形成しており、
    前記保持部(48)と下側遊動面(34b)は、相互に、前記待機位置(P1)と退避位置(P0)の間において楔部材(16)が上下動することを許すように構成されて成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の足場における楔緊結装置。
  5. 前記距離(t)をフランジの厚さ(T)に対してt<Tとするように構成されて成ることを特徴とする請求項4に記載の足場における楔緊結装置。
  6. 楔部材(16)を待機位置(P1)としたとき、楔本体部(16A)の下端部(25e)と下顎部(19)の間の空間の高さ(h)をフランジの厚さ(T)に対してT≦hとするように構成されており、
    前記載置面(30)から下向きに突出する下端部(25e) の突出距離(t)を構成する下側距離(g)と上側距離(e)をe<gとするように構成され、
    下端部(25e) のうち、下側距離(g)に含まれる領域に前記ガイド部(33)を形成し、上側距離(e)に含まれる領域に係止部(49)を形成し、
    楔部材(16)を待機位置(P1)として上顎部(18)の載置面(30)をフランジ(13)に載置したとき、前記係止部(49)がフランジの緊結孔(14)に係止することにより、上顎部(18)の横向き移動を阻止するように構成して成ることを特徴とする請求項4又は5に記載の足場における楔緊結装置。
  7. 前記ガイド部(33)は、楔本体部(16A)の下端部(25e)において、下端中心に向かうほぼ円錐状となる円錐面により形成されて成ることを特徴とする請求項4、5又は6に記載の足場における楔緊結装置。
  8. 前記ガイド部(33)は、楔本体部(16A)の下端部(25e)において、ほぼ球状となる球面により形成されて成ることを特徴とする請求項4、5又は6に記載の足場における楔緊結装置。
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