JP2015061449A - シートクリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 絶縁シートを電柱に締め付ける締め付け力を容易に調整可能なシートクリップを提供する。【解決手段】 それぞれが基端部を支点にして回動可能に設けられる一対の挟持部材であって、それぞれが基端部を支点にして回動することで、先端部同士が接近又は離間する一対の挟持部材と、一対の挟持部材のそれぞれの回動支点に対して、一対の挟持部材の基端から先端に伸びる方向とは逆側に位置する回動体と、該回動体の偏心位置に連結されるリンク体と、該リンク体及び一対の挟持部材に連結されるバネ部材とを備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、柱状立設体に絶縁シートを固定するシートクリップに関する。
従来、活線に対する作業時には、感電及び漏電防止のために、作業領域の必要な箇所に絶縁シートを取り付けて安全を確保している。間接活線工法で作業する際においても、同様に、作業範囲の必要な箇所に絶縁シートを取り付けて、安全を確保している。柱状立設体(例えば、電柱)自体を覆う絶縁シートを電柱に確実に固定するには、シートクリップが用いられる(例えば、特許文献1)。
この種のシートクリップには、一対の挟持部材と、一対の挟持部材の間に螺子棒が設けられたものがある。この種のシートクリップは、一対の挟持部材の間に電柱を挟みこんだ後、一対の挟持部材の間の螺子棒を回転させることで、一対の挟持部材による締め付け力を調整可能とするとともに、柱上に配置された器具による干渉を受けないようになっている。
特開2013−99003号公報
この種のシートクリップにおける、電柱の太さに合わせて挟持部材による締め付けを調整できる点は有用である。絶縁シートを電柱に締め付ける締め付け力を容易に調整できる構成であれば、さらに有用である。
本発明は、斯かる事情に鑑み、絶縁シートを電柱に締め付ける締め付け力を容易に調整可能なシートクリップを提供することを課題とする。
本発明に係るシートクリップは、それぞれが基端部を支点にして回動可能に設けられる一対の挟持部材であって、それぞれが基端部を支点にして回動することで、先端部同士が接近又は離間する一対の挟持部材と、一対の挟持部材のそれぞれの回動支点に対して、一対の挟持部材の基端から先端に伸びる方向とは逆側に位置する回動体と、該回動体の偏心位置に連結されるリンク体と、該リンク体及び一対の挟持部材に連結されるバネ部材とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、シートクリップは、柱状立設体(例えば電柱)を被覆した状態の絶縁シートを電柱とともに挟み込むことで、絶縁シートを電柱に固定するために用いられる。一対の挟持部材は、互いに先端部同士を離間した状態で、電柱の表面の絶縁位置を被覆した絶縁シートを電柱とともに挟み込む。一対の挟持部材が電柱及び絶縁シートを挟み込んだ状態で、回動体が回動されることで、リンク体を連結する偏心位置も回動する。これにより、リンク体は、回動体の回動に伴って移動することで、バネ部材を付勢する。一対の挟持部材は、付勢されたバネ部材により電柱及び絶縁シートをより強く挟み込む。回動体の回動のみで、一対の挟持部材により絶縁シートを電柱に固定するのに必要な締め付け力を発生させることができるので、より簡易に絶縁シートを電柱に固定できる。
また、シートクリップの一態様として、一対の挟持部材のそれぞれは、先端部に設けられ、回動方向に対して交差する方向に軸心方向を向けて設けられるローラ体を有してもよい。
かかる構成によれば、一対の挟持部材の先端部が電柱に向けられて、シートクリップは、電柱に取り付けられるべく電柱に近づけられることにより、ローラ体は、電柱を被覆する絶縁シートに最初に当接する。そして、一対の挟持部材が電柱及び絶縁シートを挟みこんでさらに移動すると、ローラ体は、自身の軸心を支点として回動しつつ、絶縁シートの表面に沿って移動する。これにより、一対の挟持部材は、より容易に電柱及び絶縁シートを挟み込むことができ、シートクリップを容易に電柱及び絶縁シートに取り付けることができる。
また、シートクリップの他態様として、回動体は、回動中心方向に交差する方向に向けて突出するハンドル体を有してもよい。
かかる構成によれば、ハンドル体が操作されることで、回動体は、回動中心を中心として回動する。回動体の回動に伴って、リンク体が移動することで、一対の挟持部材の他端部同士を接近させる方向にバネ部材を付勢する。したがって、回動体を直接操作するのに不向きな場所での作業であっても、ハンドル体を用いて回動体を回動させることができるので、より利便性が高くなる。
また、シートクリップの他態様として、一対の挟持部材の基端部のそれぞれが枢着される支持体であって、一対の挟持部材の間に介入した絶縁シートを電柱に押圧可能な突出部を有する支持体を備えてもよい。
かかる構成によれば、突出部が一対の挟持部材の間に介入した絶縁シートを電柱に押圧するので、突出部は、一対の挟持部材とともに、電柱及び絶縁シートを挟み込み、電柱に取り付けられたシートクリップを取り付けた状態で安定させることができる。したがって、シートクリップを用いた作業の安全性や効率性を上げることができる。
また、シートクリップの他態様として、支持体は、回動体の外周を案内する円弧状の案内面を有してもよい。
かかる構成によれば、回動体が回動することで、偏心位置が移動すると、リンク体は偏心位置の移動に伴って移動して、バネ部材を付勢する。リンク体がバネ部材を付勢することで、回動体には、バネ部材から元の方向に回動しようとする力(付勢を解除しようとする力)が加わる。しかしながら、回動体の回動により偏心位置が移動していることで、回動体は、リンク体を介して伝えられるバネ部材の付勢により、その外周で支持体の外周に押圧される。支持体の外周には、円弧状に形成される案内面が形成されているので、回動体は、案内面に案内された状態で、バネ部材の付勢により支持体を押圧する。これにより、回動体は、バネ部材から加えられた元の方向に回動しようとする力に対して回動しにくくなる。したがって、回動体は、バネ部材を付勢した状態に維持することができるので、一対の挟持部材が絶縁シートを挟み込むのに必要な力を発生させることができる。
このシートクリップの一態様として、支持体は、一対のプレートを有し、ハンドル体は、一対のプレートの間に進入可能であってもよい。
かかる構成によれば、ハンドル体は、回動体を回動することで、回動体の回動中心を中心にして回動する。そして、ハンドル体は、一対のプレートの間に進入する。これにより、バネ部材が一対の挟持部材を付勢した状態で、ハンドル体は、一対のプレートの間に進入した状態にされる。これにより、シートクリップを電柱に取り付けた後の作業において、ハンドル体は、後の作業を阻害することがない。したがって、シートクリップを電柱に取り付けた後の作業の効率性を上げることができる。
以上の如く、本発明に係るシートクリップによれば、絶縁シートを電柱に締め付ける締め付け力を容易に調整できるというすぐれた効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るシートクリップを用いる電柱の概略図を示し、図1(a)は、シートクリップを用いる前の電柱の概略正面図を示し、図1(b)は、シートクリップを用いた際の電柱の概略正面図を示す。 同実施形態に係るシートクリップの概略図を示し、図2(a)は、シートクリップの概略正面図を示し、図2(b)は、図2(a)におけるシートクリップのA矢示図を示し、図2(c)が、図2(a)におけるシートクリップのB矢示図を示す。 同実施形態に係る電柱に取り付けられる際のシートクリップの概略正面図を示す。 同実施形態に係るバネ部材を付勢した状態のシートクリップの概略正面図を示す。 同実施形態に係るリンク体、回動体、及びハンドル体の概略側面図を示す。 同実施形態に係る電柱に取り付けられる際の電柱、絶縁シート、及びシートクリップの位置関係の概略正面図を示す。 同実施形態に係る電柱に取り付けられたシートクリップの概略正面図を示す。 同実施形態に係る径の異なる電柱に取り付けられたシートクリップの概略正面図を示す。
以下、本発明に係るシートクリップにおける一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
まず、本実施形態に係るシートクリップ1の各構成を説明するのに先立って、柱状立設体に対する絶縁シートSの取り付け態様について説明する。本実施形態において、柱状立設体は、電柱Dを一例として説明される。
図1(a)に示すように、電柱Dの長手方向中途よりも高い位置には、低圧ラック用金物901及び低圧ラック902が取り付けられている。そして、電柱Dの先端部には、碍子905,905,905を取り付けるための腕金906と、腕金906を支えるためのアームタイバンド903及びアームタイ904が取り付けられている。また、電柱Dの先端には、取付金物907が取り付けられている。
図1(b)に示すように、絶縁シートSは、電柱Dの先端部の金属部品を被覆すべく用いられる。具体的に、絶縁シートSは、電柱Dの先端に取り付けられ、腕金906、アームタイ904、アームタイバンド903、及び取付金物907を被覆すべく用いられる。
絶縁シートSは、電柱Dの先端部の金属部品を被覆した状態で、本実施形態に係るシートクリップ1とは別のシートクリップ908,908,908,908によって、腕金906や、アームタイ904等に固定される。本実施形態に係るシートクリップ1は、電柱Dに絶縁シートSを固定する際に用いられる。図1(b)の例において、本実施形態に係るシートクリップ1は、絶縁シートSの電柱Dへの固定に際して2つ用いられている。一方のシートクリップ1は、アームタイバンド903の下方(電柱Dの長手方向において中途部側)に取り付けられ、他方のシートクリップ1は、取付金物907の位置(電柱Dの長手方向において先端側)に取り付けられる。
本実施形態に係るシートクリップ1は、図2(a)、図2(b)、図2(c)、図3、及び図4に示すように、それぞれが基端部を支点にして回動可能に設けられ、それぞれが基端部を支点にして回動することで、先端部同士が接近又は離間する一対の挟持部材10,10と、一対の挟持部材10,10のそれぞれの回動支点に対して、一対の挟持部材10,10の基端から先端に伸びる方向とは逆側に位置する回動体30と、該回動体30の偏心位置に連結されるリンク体40と、該リンク体40及び一対の挟持部材10,10に連結されるバネ部材50とを備える。
また、本実施形態に係るシートクリップ1は、一対の挟持部材10,10の基端部のそれぞれが枢着される支持体20であって、一対の挟持部材10,10の間に介入した絶縁シートSを電柱Dに押圧可能な突出部203を有する支持体20を備える。
一対の挟持部材10,10のそれぞれは、先端部に設けられ、回動方向に対して交差する方向に軸方向を向けて設けられるローラ体102と、円弧状に形成される中間体101と、基端部に設けられ、一対の支持体20の間に介在する軸部103とを有する。一対の挟持部材10,10のそれぞれは、全体として、円弧形状に形成される。そして、一対の挟持部材10,10のそれぞれは、相手側の挟持部材10の径内方向の面に、径内方向の面を対向するように配置され、軸部103を支点として回動可能に構成される。また、一対の挟持部材10,10のそれぞれは、相手側の挟持部材10に対して離間することで電柱Dに取り付け可能な状態になり、相手側の挟持部材10に対して接近することで、電柱Dに固定される状態になる。
ローラ体102は、挟持部材10の他端である中間体101の他端に枢結されて、回転自在に構成される。具体的に、ローラ体102は、中間体101の他端において、厚さ方向の両面の間に介入した状態で中間体101に枢結されて、回転自在に構成される。また、ローラ体102は、中間体101の幅よりも大きな径を有し、相手側の挟持部材10に対向する面よりも周縁を突出して配置される。また、ローラ体102は、中間体101の他端先端よりも突出して配置される。これにより、ローラ体102は、シートクリップ1の電柱Dへの取り付けにあたり、絶縁シートSに最初に当接する、そして、ローラ体102は、一対の挟持部材10の先端側から、一対の挟持部材10の径内方向に介入する絶縁シートSの表面に当接すると、ローラ体102は電柱D及び絶縁シートSの介入に併せて回転しつつ移動する。
中間体101は、電柱Dの周方向に応じて湾曲して形成される。具体的に、中間体101は、電柱Dに取り付けられた際に、電柱Dの周方向に沿って電柱Dを相手側の中間体101との間に介入可能な長さ及び曲率で形成される。また、中間体101は、両端部を、厚さ方向で中空に形成される。具体的に、中間体101は、先端部(他端部)において、厚さ方向の両面の間にローラ体102を介在可能に構成され、基端部(一端部)において、厚さ方向の両面の間に軸部103を露出するように構成される。本実施形態において、中間体101は、先端側においてより曲率半径が小さくなっており、基端側においてより曲率半径が大きくなっている。
軸部103は、中間体101の基端部において、厚さ方向に貫通するとともに、厚さ方向両面のそれぞれから突出して形成される。また、軸部103は、一対の支持体20,20に枢着すべく、中空状に形成される。
図5に示すように、回動体30は、支持体20に当接する円状部301と、回動中心方向に交差する方向に向けて突出するハンドル体302と、ハンドル体302の操作を補助する補助体303とを有する。
円状部301は、一対に設けられる。そして、一対の円状部301,301のそれぞれは、正面視円形状に形成され、中心を回動中心として回動可能に構成される。また、円状部301,301のそれぞれは、相手側の円状部301に対向する面で、軸心から偏心した位置に、リンク体40に連結可能な連結孔304を有する。そして、円状部301,301のそれぞれは、連結孔304でリンク体40に連結されることで、支持体20の外周に、自身の外周で当接する。
ハンドル体302は、一対の円状部301,301のそれぞれから把持可能な長さで突出して形成される。そして、ハンドル体302は、一対の円状部301,301のそれぞれから突出した突出方向先端で連結して構成される。換言すると、ハンドル体302は、コ字状に形成される。ハンドル体302は、間接活線工具(ヤットコY)によるハンドル体302の操作において、間接活線工具(ヤットコY)の先端を一対の円状部301,301から突出した部分の間に介入可能な長さで突出する。
補助体303は、ハンドル体302の突出方向先端で連結した部分を挿通して構成される。また、補助体303は、挿通方向において、間接活線工具(ヤットコY)で把持可能な長さで形成される。補助体303は、間接活線工具により把持されて操作されることで、ハンドル体302を介して円状部301を回動させる。また、この際、補助体303は、ハンドル体302の突出方向先端で連結した部分に対して回動可能になっている。
図3、図4、及び図5に示すように、リンク体40は、板状に形成されるリンク本体401と、バネ部材50を挿通可能な孔部403と、ハンドル体302の円状部301の連結孔304に嵌合する突起部402とを有する。
リンク本体401は、バネ部材50が付勢していない状態で、回動体30の円状部301のそれぞれを支持体20に当接可能な長さで形成される。また、リンク本体401は、板面を支持体20の対向する面に向けて設けられる。
孔部403は、リンク本体401の一端側で、リンク本体401の厚さ方向を貫通して設けられる。孔部403は、バネ部材50を挿通することで、バネ部材50にリンク本体401を連結する。
突起部402は、リンク本体401の他端部において、リンク本体401の両面のそれぞれから突出して一対に形成される。突起部402,402のそれぞれは、円状部301の連結孔304に嵌合することで、回動体30をリンク本体401に連結する。また、突起部402,402のそれぞれは、連結孔304の位置をバネ部材50に最も近づけている状態(バネ部材50が付勢されていない状態)で、回動体30の外周を支持体20の外周に当接する間隔で孔部403と離間して配置される。
図3及び図4に示すように、バネ部材50は、一対の挟持部材10,10の軸部103のそれぞれの位置に合わせて形成される一対のねじり部501,501と、該ねじり部501,501のそれぞれから延出されて一対の挟持部材10,10の中間体101に当接する一対の延出部502,502と、一対のねじり部501,501のそれぞれの間に設けられ、リンク体40に連結される連結部503とを有する。
ねじり部501,501のそれぞれは、軸部103を挿通可能な径でねじられて形成される。ねじり部501,501のそれぞれは、軸部103を挿通する。
延出部502,502のそれぞれは、リンク体40による連結部503の移動に応じて、一方の中間体101を他方の中間体101に接近又は離間する方向に付勢する。延出部502,502のそれぞれは、中間体101を付勢する方向に当接することで、軸部103を中心として中間体101を付勢する。なお、延出部502,502のそれぞれは、付勢されていない状態において、一対の挟持部材10,10のそれぞれのローラ体102を離間した状態に位置させるのが好ましい。これにより、一対の挟持部材10,10のそれぞれは、相手側の挟持部材10との間に、絶縁シートSにより被覆された電柱Dを介入させやすくなる。
連結部503は、一対のねじり部501,501を繋ぐように設けられ、中間体101でリンク体40に連結される。連結部503は、リンク体40の移動に伴って一対のねじり部501,501に回転力を伝達するように構成される。本実施形態において、連結部503は、リンク体40に連結される位置でS字状に折り曲げられて形成される。すなわち、本実施形態において、連結部503は、リンク体40に連結される位置で、一対のねじり部501,501の一方から他方に向かう方向からハンドル体302の軸方向に沿う方向に折り曲げられ、さらに、一対のねじり部501,501の一方から他方に向かう方向に折り曲げられて構成される。連結部503は、折り曲げられた部分の間(一方のねじり部501から他方のねじり部501に向かう方向から折り曲げられた部分)を孔部403に挿通される。
図2(a)、図2(b)、及び図2(c)に示すように、支持体20は、板状に形成される一対のプレート201,201と、それぞれが挟持部材10の軸部103に嵌合可能な一対の嵌合部202,202と、一対の挟持部材10,10が挟み込んだ絶縁シートSの表面に当接可能な突出部203と、回動体30の外周を案内する円弧状の案内面204とを有する。
プレート201,201のそれぞれは、板面を互いに対向するように配置される。そして、プレート201,201のそれぞれは、一対の挟持部材10,10の基端部と、バネ部材50のねじり部501及び連結部503と、リンク体40とを相手側のプレート201との間に介在可能に構成される。また、プレート201は、相手側のプレート201との間で、ハンドル体302の進入可能な幅で離間して配置される。これにより、一対のプレート201,201のそれぞれは、操作されたハンドル体302を相手側のプレート201との間に収容することができる。
嵌合部202,202のそれぞれは、相手側のプレート201に対向する面から突出して形成される。嵌合部202,202のそれぞれは、中空状の軸部103に嵌合することで、一対の挟持部材10,10を枢結する。
突出部203は、プレート201の外周において、一対の挟持部材10,10の基端部よりも、電柱Dの介在方向に対して突出して形成される。本実施形態において、突出部203は、プレート201の板面方向に沿う方向で、一対の挟持部材10,10のそれぞれの枢結位置に合わせて一対に設けられる。すなわち、本実施形態において、突出部203は、一対のプレート201,201のそれぞれに一対に設けられることで4つ設けられる。
案内面204は、一対の嵌合部202,202に対して、突出部203が形成されたプレート201の外周とは逆側の外周に形成される。案内面204は、円状部301の外周に合わせて、円弧状に形成される。例えば、案内面204は、円状部301の外周に合わせて、プレート201を板面方向で円弧状に切り欠いて形成される。これにより、案内面204は、プレート201及び円状部301の当接位置を確定することができる。
本実施形態に係るシートクリップ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るシートクリップ1の作用について説明する。
図3及び図6に示すように、シートクリップ1は、電柱Dに取り付けられる前において、一対の挟持部材10,10を離間した状態におかれる。具体的に、回動体30の連結孔304は、支持体20に最も接近した状態にされる。また、バネ部材50は、付勢されていない状態におかれる。すなわち、バネ部材50は、一対の挟持部材10,10を接近又は離間させない状態におかれる。
このようなシートクリップ1は、図6に示すように、間接活線工具(例えば、ヤットコY)により回動体30(円状部301)を把持されて、絶縁シートSにより被覆された電柱Dに対する取付位置に位置合わせされる。具体的に、シートクリップ1は、一対の挟持部材10,10の間に電柱D及び絶縁シートSを介入するように、電柱Dの軸に一対の挟持部材10,10の間の位置(中間線の位置)を位置合わせされる。
シートクリップ1が取付位置に位置合わせされた後、回動体30は、ヤットコYにより電柱Dに近づく方向に押される。すると、一対のローラ体102のそれぞれは、絶縁シートSに当接して回動しつつ、電柱Dの周に沿って移動する。また、一対の挟持部材10,10(中間体101,101)のそれぞれは、相手側の挟持部材10との間への電柱Dの介入により、相手側の挟持部材10から離間する方向に移動する。
図7に示すように、突出部203が絶縁シートSに当接するまで、シートクリップ1は、電柱Dの軸方向に向けて押し込まれる。その後、補助体303が関節活線工具を用いて把持された上で操作されることで、円状部301は、ハンドル体302の回転により、回動中心を中心に回動される。本実施形態において、補助体303がヤットコYにより把持された上で操作されることで、ハンドル体302は、円状部301の回動中心から一方の挟持部材10側に向けて突出する位置から、円状部301の回動中心から他方の挟持部材10側に向けて突出する位置に移動される。連結孔304は、回動体30の回動に伴って、リンク体40を電柱Dから離れる方向に移動する。具体的に、連結孔304は、一対の挟持部材10,10の間の中間線を越えて、一方の挟持部材10側から他方の挟持部材10側に位置するように回動される。ハンドル体302は、補助体303の操作により移動して、一対の支持体20のそれぞれの間に介入する。
バネ部材50は、リンク体40の移動に伴って、一対の挟持部材10,10のそれぞれを、相手側の挟持部材10,10に接近する方向に付勢する。すなわち、バネ部材50は、リンク体40の移動に伴って、一対の挟持部材10,10のそれぞれを、電柱Dの軸方向に近づく方向に付勢する。具体的に、連結部503の折り曲げ位置の間の部分が、リンク体40により円状部301に近づく方向に移動されることで、軸部103,103のそれぞれに対してねじり部501が回動する。そして、延出部502,502のそれぞれは、一方の中間体101を相手側の中間体101に近づく方向に付勢する。
そして、回動体30の回動に伴って連結孔304が回動されることで、連結孔304は、バネ部材50から離間する方向に回動(移動)する。そのため、回動体30は、リンク体40を介して、バネ部材50の付勢により回動方向とは逆の方向(バネ部材50の付勢を解除する方向)に回動させる力を受ける。一方で、回動体30は、バネ部材50の付勢により、外周で支持体20の外周(プレート201の外周)を押圧する力を受ける。
ここで、回動体30は、プレート201に形成される案内面204に案内されている。これにより、回動体30は、円状部301の外周で案内面204に当接しているとともに、バネ部材50の付勢に伴って案内面204を押圧する。したがって、回動体30は、バネ部材50の付勢を解除する方向に回動しにくくなる。回動体30がバネ部材50の付勢に対して回動しにくくなるので、回動体30は、バネ部材50に、一対の挟持部材10,10で絶縁シートSを電柱Dに固定するのに必要な締め付け力を発生させることができる。
シートクリップ1は、電柱Dに取り付けられることで、図7に示すように、接点T1、T2、T3、T4で絶縁シートSに当接して、電柱Dに対して安定して取り付けられる。すなわち、シートクリップ1は、電柱Dに取り付けられることで、一対の挟持部材10の内面のそれぞれと、一対の突出部203,203を有する一対のプレート201,201とで絶縁シートSを六点支持して、電柱Dに対して安定して取り付けられる。
図8に示すように、シートクリップ1が径のより大きな電柱Dに取り付けられる際には、シートクリップ1は、一対のローラ体102と、一対の突出部203,203とで絶縁シートSに当接して、電柱Dに対して安定して取り付けられる。これにより、シートクリップ1は、絶縁シートSを電柱Dに固定した状態で、電柱Dに安定して取り付けられる。これにより、シートクリップ1は、径の異なる電柱Dに対しても安定して取り付けられる。
以上のように、本実施形態に係るシートクリップ1は、電柱Dを挟み込んだ状態で単に回動体30を回動させるだけで絶縁シートSを電柱Dに固定するのに必要な締め付け力を発生させることができる。
本実施形態に係るシートクリップ1は、それぞれが基端部を支点にして回動可能に設けられる一対の挟持部材10,10であって、それぞれが基端部を支点にして回動することで、先端部同士が接近又は離間する一対の挟持部材10,10と、一対の挟持部材10,10のそれぞれの回動支点に対して、一対の挟持部材10,10の基端から先端に伸びる方向とは逆側に位置する回動体30と、該回動体30の偏心位置に連結されるリンク体40と、該リンク体40及び一対の挟持部材10,10に連結されるバネ部材50とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、シートクリップ1は、柱状立設体(例えば電柱D)を被覆した状態の絶縁シートSを電柱Dとともに挟み込むことで、絶縁シートSを電柱Dに固定するために用いられる。一対の挟持部材10,10は、互いに先端部同士を離間した状態で、電柱Dの表面の絶縁位置を被覆した絶縁シートSを電柱Dとともに挟み込む。一対の挟持部材10,10が電柱D及び絶縁シートSを挟み込んだ状態で、回動体30が回動されることで、リンク体40を連結する偏心位置も回動する。これにより、リンク体40は、回動体30の回動に伴って移動することで、バネ部材50を付勢する。一対の挟持部材10,10は、付勢されたバネ部材50により電柱D及び絶縁シートSを強く挟み込む。回動体30の回動のみで、一対の挟持部材10,10により絶縁シートSを電柱Dに固定するのに必要な締め付け力を発生させることができるので、より簡易に絶縁シートSを電柱Dに固定できる。
また、シートクリップの一態様として、一対の挟持部材10,10のそれぞれは、先端部に設けられ、回動方向に対して交差する方向に軸心方向を向けて設けられるローラ体102を有してもよい。
かかる構成によれば、一対の挟持部材10,10の先端部が電柱Dに向けられて、シートクリップ1は、電柱D取り付けられるべく電柱Dに近づけられることにより、ローラ体102は、電柱Dを被覆する絶縁シートSに最初に当接する。そして、一対の挟持部材10,10が電柱D及び絶縁シートSを挟みこんでさらに移動すると、ローラ体102は、自身の軸心を支点として回動しつつ、絶縁シートSの表面に沿って移動する。これにより、一対の挟持部材10,10は、より容易に電柱D及び絶縁シートSを挟み込むことができ、シートクリップ1を容易に電柱D及び絶縁シートSに取り付けることができる。
また、シートクリップ1の他態様として、回動体30は、回動中心方向に交差する方向に向けて突出するハンドル体302を有してもよい。
かかる構成によれば、ハンドル体302が操作されることで、回動体30は、回動中心を中心として回動する。回動体30の回動に伴って、リンク体40が移動することで、一対の挟持部材10,10の他端部同士を接近させる方向にバネ部材50を付勢する。したがって、回動体30を直接操作するのに不向きな場所での作業であっても、ハンドル体302を用いて回動体30を回動させることができるので、より利便性が高くなる。
また、シートクリップ1の他態様として、それぞれが一対の挟持部材10,10の基端部のそれぞれが枢着される支持体20であって、一対の挟持部材10,10の間に介入した絶縁シートSを電柱Dに押圧可能な突出部203を有する支持体20を備えてもよい。
かかる構成によれば、突出部203が一対の挟持部材10,10の間に介入した絶縁シートSを電柱Dに押圧するので、突出部203は、一対の挟持部材10,10とともに、電柱D及び絶縁シートSを挟み込み、電柱Dに取り付けられたシートクリップ1を取り付けた状態で安定させることができる。したがって、シートクリップ1を用いた作業の安全性や効率性を上げることができる。
また、シートクリップ1の他態様として、支持体20は、回動体30の外周を案内する円弧状の案内面204を有してもよい。
かかる構成によれば、回動体30が回動することで、偏心位置が移動すると、リンク体40は偏心位置の移動に伴って移動して、バネ部材50を付勢する。リンク体40がバネ部材50を付勢することで、回動体30には、バネ部材50から元の方向に回動しようとする力(付勢を解除しようとする力)が加わる。しかしながら、回動体30の回動により偏心位置が移動していることで、回動体30は、リンク体40を介して伝えられるバネ部材50の付勢により、その外周で支持体20の外周に押圧される。支持体20の外周には、円弧状に形成される案内面204が形成されているので、回動体30は、案内面204に案内された状態で、バネ部材50の付勢により支持体20を押圧する。これにより、回動体30は、バネ部材50から加えられた元の方向に回動しようとする力に対して回動しにくくなる。したがって、回動体30は、バネ部材50を付勢した状態に維持することができるので、一対の挟持部材10,10が絶縁シートSを挟み込むのに必要な力を発生させることができる。
このシートクリップ1の一態様として、支持体20は、一対のプレート201,201を有し、ハンドル体302は、一対のプレート201,201の間に進入可能であってもよい。
かかる構成によれば、ハンドル体302は、回動体30を回動することで、回動体30の軸心を中心にして回動する。そして、ハンドル体302は、一対のプレート201,201の間に進入する。これにより、バネ部材50が一対の挟持部材10,10を付勢した状態で、ハンドル体302は、一対のプレート201,201の間に進入した状態にされる。これにより、シートクリップ1を電柱Dに取り付けた後の作業において、ハンドル体302は、後の作業を阻害することがない。したがって、シートクリップ1を電柱Dに取り付けた後の作業の効率性を上げることができる。
なお、本発明に係るシートクリップは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
例えば、本実施形態に係るシートクリップ1においては、ハンドル体302を設けずに、回動体30を直接回動することでバネ部材50を付勢する構成としてもよい。また、ハンドル体302は、回動体30の円状部301の任意の表面から軸方向に突出するような構成であってもよい。さらには、ハンドル体302は、上記実施形態及び本変形例の構成を組み合わせて、複数設けられる構成であってもよい。これにより、作業位置に応じて操作するハンドル体302を選択できるので、バネ部材を付勢する際の利便性を向上することができる。
また、上記実施形態に係るシートクリップ1において、一対の挟持部材10は円弧形状に形成されるとしたが、これに限定されず、直線形状やその他形状等の種々の形状であってよい。
また、上記実施形態に係るシートクリップ1において、突出部203を2つ設ける構成で説明したが、これに限定されず、1つ又はさらに複数の突出部203を設けてもよい。例えば、1つの突出部203が用いられる際には、一対の挟持部材10,10の間の中間線に沿って突出する突出部203を設ければ、電柱Dに対して絶縁シートSを四点支持できるので、絶縁シートSを電柱Dに安定して固定することができる。
また、上記実施形態に係るシートクリップ1において、一対のプレート201,201を設ける構成で説明したが、プレート201は、一方のみ設けられる構成であってもよい。このような構成において、ハンドル体302は、プレート201に重なる位置まで移動されてもよい。
また、上記実施形態に係るシートクリップ1において、回動部30は、回動中心方向を軸部103の軸心と同方向に向く構成で説明したが、これに限定されない。例えば、回動部30は、回動中心方向を軸部103の軸心方向に交差するように向けてもよい。具体的に、回動部30は、回動中心方向を一対の軸部103,103のそれぞれを繋ぐ方向と平行に配置されてもよい。また、回動部30は、一対の挟持部材10,10の中間線と同方向に回動中心方向を向けた上で、回動に伴ってリンク体40の位置を変更する構成(例えば、リンク体40及び回動体30が、雌ねじ及び雄ねじである構成)であってもよい。また、回動体30の構成に合わせて、リンク本体401の面が向く方向や、連結部503のS字形状の構造を変更してもよい。
また、上記実施形態に係るシートクリップ1において、バネ部材50を一つのねじりバネを用いて構成する内容で説明したが、バネ部材50を一対に設け、一方のバネ部材50の一端をリンク体40の孔部403に連結し、他端を一方の挟持部材10に連結するようにしてもよい。また、他方のバネ部材50の一端をリンク体40の孔部403に連結し、一端を他方の挟持部材10に連結するようにしてもよい。また、バネ部材50は、引っ張りバネや、圧縮バネであってよい。
また、上記実施形態に係るシートクリップ1において、回動体30は、バネ部材50の付勢により、一対の支持体20,20に押圧される構成を説明した。これに対して、回動体30を回動した状態で回動を規制する図示しない規制体が設けられてもよい。例えば、円状部301は、一方の規制体として外周に図示しない溝を有し、一対の支持体20,20のそれぞれも他方の規制体として案内面204の位置に図示しない溝を有し、一対の支持体20,20の図示しない溝に円状部301の図示しない溝が嵌合することで回動部30の回動を規制する構成としてもよい。例えば、円状部301の外周に複数の溝を設けるとともに、案内面204に複数の溝を設ける構成としてもよい。
1 シートクリップ
20 支持体
10 挟持部材
30 回動体
40 リンク体
50 バネ部材
101 中間体
102 ローラ体
103 軸部
201 プレート
202 嵌合部
203 突出部
301 円状部
302 ハンドル体
303 補助体
401 リンク本体
402 突起部
403 孔部
501 ねじり部
502 延出部
503 連結部
901 低圧ラック用金物
902 低圧ラック
903 アームタイバンド
904 アームタイ
905 碍子
906 腕金
907 取付金物
908 シートクリップ
D 電柱
S 絶縁シート
Y ヤットコ

Claims (6)

  1. それぞれが基端部を支点にして回動可能に設けられ、それぞれが基端部を支点にして回動することで、先端部同士が接近又は離間する一対の挟持部材と、一対の挟持部材のそれぞれの回動支点に対して、一対の挟持部材の基端から先端に伸びる方向とは逆側に位置する回動体と、該回動体の偏心位置に連結されるリンク体と、該リンク体及び一対の挟持部材に連結されるバネ部材とを備えることを特徴とするシートクリップ。
  2. 一対の挟持部材のそれぞれは、先端部に設けられ、回動方向に対して交差する方向に軸心方向を向けて設けられるローラ体を有することを特徴とする請求項1に記載のシートクリップ。
  3. 回動体は、回動中心方向に交差する方向に向けて突出するハンドル体を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシートクリップ。
  4. 一対の挟持部材の基端部のそれぞれが枢着される支持体であって、一対の挟持部材の間に介入した絶縁シートを電柱に押圧可能な突出部を有する支持体を備えることを特徴とする請求項3に記載のシートクリップ。
  5. 支持体は、回動体の外周を案内する円弧状の案内面を有することを特徴とする請求項4に記載のシートクリップ。
  6. 支持体は、一対のプレートを有し、ハンドル体は、一対のプレートの間に進入可能であることを特徴とする請求項4又は5に記載のシートクリップ。
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