JP6795106B2 - ポリプロピレンフィルム、および離型フィルム - Google Patents
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Description
そこで本発明の課題は、上記した問題点を解決することにある。すなわち、表面柔軟性を改善し、表面平滑性、透明性、離型性に優れたポリプロピレンフィルムを提供することにある。
(1) 少なくとも一方の表面のナノインデンテーション法で測定した弾性率が2.5GPa以下であり、示差走査熱量計DSCで25℃から250℃まで20℃/minで昇温し、ついで250℃から25℃まで20℃/minで降温したときの、結晶化ピーク温度(Tc)が110℃以上である、ポリプロピレンフィルム。
(2) 少なくとも3層以上の積層フィルムであって、内層(B層)は、分岐鎖状ポリプロピレン樹脂を含有し、表層(A層)は、融点が50℃以上135℃以下の低融点ポリプロピレン樹脂を含有する、ポリプロピレンフィルム。
(3) 示差走査熱量計DSCで25℃から250℃まで20℃/minで昇温し、ついで250℃から25℃まで20℃/minで降温したときの、結晶化ピーク温度(Tc)が110℃以上であり、表面突起最大高さStが小さい表面Xの表面突起最大高さStxが150nm以下であり、表面突起最大高さStが大きい表面Yの表面突起最大高さStyが、前記表面Xの表面突起最大高さStxの1.3倍以上であり、少なくとも一方の表面の光沢度が144%以上である、ポリプロピレンフィルム。
空孔率(%)=〔(d−ρ)/d〕×100
ここで表層(A層)と内層(B層)は、例えば、フィルム断面を作成し走査型電子顕微鏡SEMなどを用いた断面観察を行うことで、低融点ポリプロピレン樹脂を含有するA層と分岐鎖状ポリプロピレン樹脂の含有するB層との樹脂界面を判定することも可能である。
まず、表層(A)、及び内層(B層)の各原料を各単軸押出機に供給し、200〜260℃にて溶融押出を行う。そして、ポリマー管の途中に設置したフィルターにて異物や変性ポリマーなどを除去した後、マルチマニホールド型のA層/B層/A層の複合Tダイにて例えば1/15/1の積層厚み比になるように積層し、キャストドラム上に吐出し、A層/B層/A層の層構成を有する積層未延伸シートを得る。この際、キャストドラムは表面温度が15〜50℃であることがフィルム表面の平滑性、透明性を得る観点から好ましい。キャスティングドラムへの密着方法としては静電印加法、水の表面張力を利用した密着方法、エアナイフ法、プレスロール法、水中キャスト法などのうちいずれの手法を用いてもよいが、平面性の観点からエアナイフ法が好ましい。エアナイフのエアー温度は、20〜50℃で、吹き出しエアー速度は130〜150m/sが好ましく、幅方向均一性を向上させるために2重管構造となっていることが好ましい。また、フィルムの振動を生じさせないために製膜下流側にエアーが流れるようにエアナイフの位置を適宜調整することが好ましい。ここで溶融積層ポリマーはキャスティングドラム面に接触している側の表面が平滑表面になるため表面X、その反対面を表面Yとする。
次いで縦一軸延伸フィルムをテンターに導いてフィルムの端部をクリップで把持し、横延伸を100〜160℃未満で幅方向に7〜13倍に延伸する。延伸温度が縦延伸温度より高いと、表層(A層)に含有する低融点ポリプロピレン樹脂が一部溶融しフィルムが破膜したり、破膜しなくても二軸延伸後のフィルム表面が大きく粗面化する場合がある。ただし、延伸温度が高すぎると、フィルムの剛性が低下する場合がある。
続く熱処理および弛緩処理工程ではクリップで幅方向を緊張把持したまま幅方向に2〜20%の弛緩率で弛緩を与えつつ、100℃以上160℃度未満の温度で熱固定し、続いて80〜100℃での冷却工程を経てテンターの外側へ導き、フィルム端部のクリップ解放し、ワインダ工程にてフィルムエッジ部をスリットし、フィルム製品ロールを巻き取る。熱処理および弛緩工程の条件制御は、熱収縮率を調整する上で非常に重要である。弛緩率は、より好ましくは5〜18%、さらに好ましくは8〜15%である。また、熱固定温度は、表層(A層)に低融点ポリプロピレン樹脂を含有している場合は、100℃以上横延伸温度以下がより好ましく、120℃以上横延伸温度以下がさらに好ましい。
(1)フィルム厚み
ポリプロピレンフィルムの任意の10箇所の厚みを、23℃65%RHの雰囲気下で接触式のアンリツ(株)製電子マイクロメータ(K−312A型)を用いて測定した。その10箇所の厚みの平均値をポリプロピレンフィルムのフィルム厚みとした。
測定には(株)エリオニクス製のナノインデンター「ENT−2100」を用いた。ポリプロピレンフィルムに、東亞合成(株)製「“アロンアルファ”(登録商標)プロ用耐衝撃」を1滴塗布し、瞬間接着剤を介してポリプロピレンフィルムを専用のサンプル固定台に固定して、表面層側を測定面として測定を行った。測定には稜間角115°の三角錐ダイヤモンド圧子(Berkovich圧子)を用いた。測定データは「ENT−2100」の専用解析ソフト(version 6.18)により処理され、押込み弾性率EIT(GPa)を測定した。測定は、フィルムの両面について、それぞれn=10で行い、その平均値を求め、表には両面の測定値の平均値の内、小さい方の値を記載した。
測定モード:負荷−除荷試験
最大荷重:0.5mN
最大荷重に達した時の保持時間:1秒
荷重速度、除荷速度:0.05mN/sec
示差走査熱量計(セイコーインスツル(株)製EXSTAR DSC6220)を用いて、窒素雰囲気中で3mgのポリプロピレンフィルムを25℃から250℃まで20℃/minで昇温し、5分間保持した。ついで250℃から25℃まで20℃/minで降温する。この降温時に得られる発熱カーブのピーク温度を、ポリプロピレンフィルムの結晶化温度(Tc)とした。なお複数のピーク温度が観測できる場合には80℃から130℃の領域で最も高温の温度をポリプロピレンフィルムの結晶化温度(Tc)とした。
測定は(株)菱化システムのVertScan2.0 R5300GL−Lite−ACを使用して行い、付属の解析ソフトにより撮影画面を多項式4次近似面補正にてうねり成分を除去し、次いで補間処理(高さデータの取得ができなかった画素に対し周囲の画素より算出した高さデータで補う処理)を行った。
Stは両面で測定を行い、小さい値の表面を表面Xとして求めた。またSaは両面で測定を行い、小さな値が得られた表面の値を表に記した。
測定条件は下記のとおり。
製造元:(株)菱化システム
装置名:VertScan2.0 R5300GL−Lite−AC
測定条件:CCDカメラ SONY HR−57 1/2インチ(1.27センチ)
対物レンズ 10x
中間レンズ 0.5x
波長フィルタ 520nm white
測定モード:Phase
測定ソフトウェア:VS-Measure Version5.5.1
解析ソフトフェア:VS−Viewer Version5.5.1
測定面積:1.252×0.939mm2
一辺が5cmの正方形状のフィルムサンプルを3点(3個)準備する。次にサンプルを常態(23℃、相対湿度50%)において、40時間放置する。それぞれのサンプルを日本電色工業(株)製濁度計「NDH5000」を用いて、JIS「透明材料のヘイズの求め方」(K7136 2000年版)に準ずる方式で実施する。フィルムサンプル3点(3個)それぞれのヘイズを平均して、フィルムのヘイズとした。なお測定はフィルムの両面について行い、小さな値が得られた表面の値を表に記した。
東洋テスター工業製摩擦測定器を用い、ASTM D1894−95(JIS K 7312−1996)に準じて、フィルム平面上の任意の直線を基準に45°刻みでスリット状のフィルム片をサンプリング(幅80mm、長さ200mmの長方形)し、その同一角度のフィルムの一方の面と他方の面とが接触するように重ねて摩擦させた時の初期の立ち上がり抵抗最大値を静摩擦係数μsとした。測定は5回行い、その平均値を求めた。ポリプロピレンフィルムの静摩擦係数μsは45°刻みで測定した中で最も小さい静摩擦係数μsを用いた。
JIS K−7105(1981)に準じ、スガ試験機(株)製 デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて入射角60°受光角60°の条件でフィルム表面について測定した5点のデータの平均値を光沢度(%)とした。測定は、フィルムの両面について行い、高い光沢度が得られた表面の値を表に記した。
フィルムを試験方向長さ150mm×幅方向長さ10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機((株)オリエンテック製テンシロンAMF/RTA−100)を用いて、JIS K7161(1994)に規定された方法に準じて、25℃、65%RH雰囲気で5回測定を行い、平均値を求めた。ただし、初期チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分として、試験を開始してから荷重が1Nを通過した点を伸びの原点とした。また破断伸度はフィルムが破断した時点の伸長(%)の5回測定時の平均値を求めた。
なお、ヤング率の算出のために用いるフィルム厚みは上記(1)で測定した値を用いた。
ポリプロピレンフィルムの、「(7)光沢度」の項で得られた高い光沢度を有する側の表面に、日東電工(株)製ポリエステル粘着テープNO.31Bをローラーで貼付し、それを19mm幅にカットしてサンプルを作製した。そのサンプルを、引張試験機を用いて500mm/minの速度で剥離し、以下の基準で評価した。AとBが合格、Cが不合格とした。
A:フィルム表面と粘着テープとが一定速度で剥離が可能
B:フィルム表面と粘着テープとの剥離時に速度が上下する
C:フィルム表面と粘着テープとの剥離時に速度が上下し、表面Xに剥離痕が残る
ポリプロピレンフィルムおよび厚み40μmの日本ゼオン(株)製“ゼオノアフィルム”(登録商標)を、幅100mm、長さ100mmの正方形にサンプリングし、ポリプロピレンフィルムの、「(7)光沢度」の項で得られた表面の光沢度が低い側の面に“ゼオノアフィルム”が接触するように重ねて、それを2枚のアクリル板(幅100mm、長さ100mm)に挟んで、2.5kgの荷重をかけ、23℃の雰囲気下で36時間静置した。36時間後に、“ゼオノアフィルム”の表面(ポリプロピレンフィルムが接していた面)を目視で観察し、以下の基準で評価した。AとBが合格、Cが不合格とした。
A:きれいであり、荷重をかける前と同等
B:弱い凹凸が確認される
C:強い凹凸が確認される
示差走査熱量計(セイコーインスツル(株)製EXSTAR DSC6220)を用いて、窒素雰囲気中で3mgのポリプロピレン樹脂チップを25℃から250℃まで20℃/minで昇温し、5分間保持した。ついで250℃から25℃まで20℃/minで25℃まで降温、再度、25℃から250℃まで20℃/minで昇温し、5分間保持した。この再昇温時に得られる吸熱カーブのピーク温度をポリプロピレン樹脂の融点(Tm)とした。
TMA(SII・ナノテクノロジー(株)社製/型式TMA/SS6100)を用いて、以下の条件でフィルム長手方向の熱収縮力曲線を測定した。
(a)サンプル:幅4mm×長さ20mm
(b)温度プログラム:30℃から加熱レート10℃/minにて昇温
<熱収縮開始温度>
上記熱収縮力曲線において、昇温過程で熱収縮力が20mNとなる温度を読み取った。測定は3回行い、平均を求めた。
表層(A層)用のポリプロピレン樹脂全体を100質量%として(株)プライムポリマー製のポリプロピレン樹脂(MFR3g/10分、融点164℃)を70質量%と、低融点ポリプロピレン樹脂として出光興産(株)製、“エルモーデュ”(登録商標)S901、(融点80℃)30質量%とをブレンドしたものをA層用の単軸の溶融押出機に供給し、内層(B層)用のポリプロピレン樹脂全体を100質量%として、(株)プライムポリマー製のポリプロピレン樹脂(MFR3g/10分、融点164℃)を98質量%と、Basell社製分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(Profax PF−814)を2質量%とをブレンドしたものをB層用の単軸の溶融押出機に供給し、260℃で溶融押出を行い、60μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、フィードブロック型のA層/B層/A層から成る3層構成の複合Tダイにて、1/13/1の厚み比(全体厚みに対して両面A層の比率=13%)で積層し、22℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出しエアナイフによりキャスティングドラムに密着させた。その後、キャスティングドラム上のシートの非冷却ドラム面に、温度25℃、圧力0.3MPaの圧空エアーを噴射させて冷却し、未延伸シートを得た。続いて、該シートをセラミックロールを用いて148℃に予熱し、周速差を設けた148℃のロール間でフィルムの長手方向に4.5倍延伸を行った。次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、168℃で3秒間予熱後、140℃で幅方向に8.0倍に延伸し、幅方向に12%の弛緩を与えながら120℃で熱処理をおこない、その後100℃の冷却工程を経てテンターの外側へ導き、フィルム端部のクリップを解放し、フィルムをコアに巻き取り、厚み12μmのポリプロピレンフィルムを得た。得られたポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
内層(B層)に含まれる分岐鎖状ポリプロピレン樹脂を表1に示した含有量に変更した以外は実施例1と同様にして、厚み11μmのポリプロピレンフィルムを得た。得られたポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
表層(A層)に含まれる低融点ポリプロピレン樹脂を表1に示した含有量に変更した以外は実施例1と同様にして、厚み12μmのポリプロピレンフィルムを得た。得られたポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
表層(A層)に含まれる低融点ポリプロピレン樹脂および内層(B層)に含まれる分岐鎖状ポリプロピレン樹脂をそれぞれ表1に示した含有量に変更した以外は実施例1と同様にして、厚み15μmのポリプロピレンフィルムを得た。得られたポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、A層/B層/A層を1/10/1の厚み比(全体厚みに対して両面A層の比率=17%)で積層した未延伸シートを得た後、該シートをセラミックロールを用いて148℃に予熱し、周速差を設けた148℃のロール間でフィルムの長手方向に4.5倍延伸を行った。次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、168℃で3秒間予熱後、縦延伸と同じ温度である148℃で幅方向に8.0倍に延伸し、幅方向に12%の弛緩を与えながら140℃で熱処理をおこない、その後100℃の冷却工程を経てテンターの外側へ導き、フィルム端部のクリップを解放し、フィルムをコアに巻き取り、厚み12μmのポリプロピレンフィルムを得た。得られたポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
表層(A層)に含まれる低融点ポリプロピレン樹脂として日本ポリプロ(株)製“WINTEC”(登録商標)WFX4M(融点125℃)を30質量%用いる変更をした以外は実施例1と同様にして、厚み12μmのポリプロピレンフィルムを得た。得られたポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
内層(B層)に含まれる分岐鎖状ポリプロピレン樹脂として日本ポリプロ(株)製“WAYMAX”(登録商標)MFX6を2質量%用いる変更をした以外は実施例1と同様にして、厚み12μmのポリプロピレンフィルムを得た。得られたポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂として(株)プライムポリマー製のポリプロピレン樹脂(MFR3g/10分、融点164℃)を100質量%、単軸の溶融押出機に供給し、260℃で溶融押出を行い、60μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、Tダイにて、25℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出しエアナイフによりキャスティングドラムに密着させた。その後、キャスティングドラム上のシートの非冷却ドラム面に、温度25℃、圧力0.3MPaの圧空エアーを噴射させて冷却し、未延伸シートを得た。続いて、該シートをセラミックロールを用いて148℃に予熱し、周速差を設けた148℃のロール間でフィルムの長手方向に4.6倍延伸を行った。次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、168℃で3秒間予熱後、155℃で幅方向に7.8倍に延伸し、幅方向に12%の弛緩を与えながら150℃で熱処理をおこない、その後100℃の冷却工程を経てテンターの外側へ導き、フィルム端部のクリップを解放し、フィルムをコアに巻き取り、厚み12μmのポリプロピレンフィルムを得た。得られたポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂全体を100質量%として(株)プライムポリマー社製のポリプロピレン樹脂(MFR3g/10分、融点164℃)を98質量%と、Basell社製分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(Profax PF−814)を2質量%とをブレンドしたものを単軸の溶融押出機に供給し、260℃で溶融押出を行い、60μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、Tダイにて、25℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出しエアナイフによりキャスティングドラムに密着させた。その後、キャスティングドラム上のシートの非冷却ドラム面に、温度25℃、圧力0.3MPaの圧空エアーを噴射させて冷却し、未延伸シートを得た。続いて、該シートをセラミックロールを用いて148℃に予熱し、周速差を設けた148℃のロール間でフィルムの長手方向に4.5倍延伸を行った。次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、168℃で3秒間予熱後、155℃で幅方向に8.2倍に延伸し、幅方向に11%の弛緩を与えながら140℃で熱処理をおこない、その後100℃の冷却工程を経てテンターの外側へ導き、フィルム端部のクリップを解放し、フィルムをコアに巻き取り、厚み12μmのポリプロピレンフィルムを得た。得られたポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂全体を100質量%として(株)プライムポリマー製のポリプロピレン樹脂(MFR3g/10分、融点164℃)を70質量%と、低融点ポリプロピレン樹脂として出光興産(株)製、“エルモーデュ”(登録商標)S901、(融点80℃)30質量%とをブレンドしたものを単軸の溶融押出機に供給し、260℃で溶融押出を行い、60μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、Tダイにて、24℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出しエアナイフによりキャスティングドラムに密着させた。その後、キャスティングドラム上のシートの非冷却ドラム面に、温度25℃、圧力0.3MPaの圧空エアーを噴射させて冷却し、未延伸シートを得た。続いて、該シートをセラミックロールを用いて140℃に予熱し、周速差を設けた140℃のロール間でフィルムの長手方向に4.5倍延伸を行った。次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、160℃で3秒間予熱後、135℃で幅方向に8.2倍に延伸し、幅方向に11%の弛緩を与えながら120℃で熱処理をおこない、その後100℃の冷却工程を経てテンターの外側へ導き、フィルム端部のクリップを解放し、フィルムをコアに巻き取り、厚み12μmのポリプロピレンフィルムを得た。得られたポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にして複合Tダイにて、A層/B層/A層を1/15/1の厚み比(全体厚みに対して両面A層の比率=11.8%)で溶融押出し、85℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出しエアナイフによりキャスティングドラムに密着させた。その後、キャスティングドラム上のシートの非冷却ドラム面に、温度25℃、圧力0.3MPaの圧空エアーを噴射させて冷却し、未延伸シートを得た。続いて、該シートをセラミックロールを用いて146℃に予熱し、周速差を設けた146℃のロール間でフィルムの長手方向に4.6倍延伸を行った。次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、168℃で3秒間予熱後、155℃で幅方向に8.0倍に延伸し、幅方向に12%の弛緩を与えながら145℃で熱処理をおこない、その後100℃の冷却工程を経てテンターの外側へ導き、フィルム端部のクリップを解放し、フィルムをコアに巻き取り、厚み18μmのポリプロピレンフィルムを得た。得られたポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
A層用のポリプロピレン樹脂全体を100質量%として(株)プライムポリマー製のポリプロピレン樹脂(MFR3g/10分、融点164℃)を70質量%と、低融点ポリプロピレン樹脂として出光興産(株)製、“エルモーデュ”(登録商標)S901、(融点80℃)30質量%とをブレンドしたものをA層用の単軸の溶融押出機に供給し、B層用のポリプロピレン樹脂として(株)プライムポリマー製のポリプロピレン樹脂(MFR3g/10分、融点164℃)100質量%をB層用の単軸の溶融押出機に供給し、260℃で溶融押出を行い、60μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、フィードブロック型のA層/B層/A層から成る3層構成の複合Tダイにて、1/15/1の厚み比(全体厚みに対して両面A層の比率=11.8%)で積層し、25℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出しエアナイフによりキャスティングドラムに密着させた。その後、キャスティングドラム上のシートの非冷却ドラム面に、温度25℃、圧力0.3MPaの圧空エアーを噴射させて冷却し、厚み50μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを得た。該未延伸ポリプロピレンフィルムの物性および評価結果を表1に示す。
Claims (8)
- 少なくとも3層以上の積層フィルムであって、内層(B層)は、分岐鎖状ポリプロピレン樹脂を含有し、表層(A層)は、融点が50℃以上135℃以下の低融点ポリプロピレン樹脂を含有し、
少なくとも一方の表面のナノインデンテーション法で測定した弾性率が2.5GPa以下であり、示差走査熱量計DSCで25℃から250℃まで20℃/minで昇温し、ついで250℃から25℃まで20℃/minで降温したときの、結晶化ピーク温度(Tc)が110℃以上であり、静摩擦係数μsが0.8以下である、ポリプロピレンフィルム。 - 表面突起最大高さStが小さい表面Xの表面突起最大高さStxが100nm以下であり、表面突起最大高さStが大きい表面Yの表面突起最大高さStyが、前記表面Xの表面突起最大高さStxの1.5倍以上である、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム。
- 少なくとも一方の表面の算術平均高さSaが20nm以下である、請求項1または2に記載のポリプロピレンフィルム。
- 少なくとも一方の表面のヘイズが2%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレンフィルム。
- 少なくとも一方の表面の光沢度が145%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレンフィルム。
- フィルム長手方向の熱収縮力が20mN以上となる温度が116℃以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレンフィルム。
- 少なくとも3層以上の積層フィルムであって、内層(B層)は、分岐鎖状ポリプロピレン樹脂を含有し、表層(A層)は、融点が50℃以上135℃以下の低融点ポリプロピレン樹脂を含有し、
示差走査熱量計DSCで25℃から250℃まで20℃/minで昇温し、ついで250℃から25℃まで20℃/minで降温したときの、結晶化ピーク温度(Tc)が110℃以上であり、表面突起最大高さStが小さい表面Xの表面突起最大高さStxが150nm以下であり、表面突起最大高さStの大きい表面Yの表面突起最大高さStyが、前記表面Xの表面突起最大高さStxの1.3倍以上であり、少なくとも一方の表面の光沢度が144%以上である、ポリプロピレンフィルム。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムを用いた離型フィルム。
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