JP6794896B2 - 酸化ガリウム半導体装置の製造方法 - Google Patents

酸化ガリウム半導体装置の製造方法 Download PDF

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本発明は酸化ガリウム半導体装置の製造方法に関し、特に、酸化ガリウム基板を個片化する方法に関する。
パワーデバイス用の半導体装置は、一般的な半導体装置と比べて十分な逆方向耐圧を確保する必要があることから、シリコン(Si)の代わりに、よりバンドギャップの大きい炭化シリコン(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga)などが用いられることがある。中でも、酸化ガリウムは、バンドギャップが4.8〜4.9eVと非常に大きく、絶縁破壊電界も7〜8MV/cmと大きいことから、酸化ガリウムを用いた半導体装置は、パワーデバイス用の半導体装置として非常に有望である。
通常、半導体装置はウェハ上に多数の素子を作製し、ウェハの切断分離による個片化を行った後、個片化された半導体装置をパッケージに搭載する。個片化は、シリコン(Si)などからなる基板の場合、ダイヤモンドブレードを用いたブレードダイシングにより切断分離を行うが、酸化ガリウムからなる半導体基板は劈開性が高いため、ブレードダイシングを行うと、切断面のダメージによって劈開が生じることがあった。
半導体装置を個片化する別の方法として、半導体基板を表面側からハーフカットした後、裏面側から研削研磨を行う、いわゆる先ダイシング法が提案されている。例えば、特許文献1及び2には、ウェハのダイシングラインに沿って、最終チップ厚みより深いスリットを半導体基板に形成した後、裏面側からウェハを研削研磨することにより個片化する方法が提案されている。
特開平5−335411号公報 特開平11−40520号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載された方法は、いずれもダイシング装置を用いたブレードダイシングによってスリットを形成していることから、上述の通り、切断面にダメージが加わり、劈開が生じるという問題があった。
したがって、本発明は、切断面に与えられるダメージを低減することによって、酸化ガリウム基板の劈開を防止することが可能な酸化ガリウム半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明による半導体装置の製造方法は、ドライエッチングにより酸化ガリウム基板の第1の電極形成面に複数のスリットを形成する工程と、前記第1の電極形成面のうち前記複数のスリットに囲まれた領域に第1の電極を形成する工程と、前記酸化ガリウム基板の前記第1の電極形成面の反対側に位置する下面を前記スリットに達するまで研磨することにより、前記酸化ガリウム基板を個片化する工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ドライエッチングによってスリットを形成した後、裏面側から研磨することによって酸化ガリウム基板を個片化していることから、基板の側面が機械的ダメージを受けない。このため、ダイシングブレードなどを用いて個片化する場合とは異なり、酸化ガリウム基板の側面に生じる割れ、欠け、劈開などを防止することができる。
本発明による半導体装置の製造方法は、前記酸化ガリウム基板を個片化する前に、前記スリットの内壁に絶縁膜を形成する工程をさらに備えることが好ましい。これによれば、個片化された半導体装置の側面が絶縁膜で覆われることから、側面に沿ったリーク電流が低減される。また、絶縁膜によって側面が保護されることから、側面の割れ、欠け、劈開などが生じにくくなる。
この場合、前記スリットを形成する工程においては、深さ方向に幅が狭くなる順テーパー状のスリットを形成することが好ましい。これによれば、スリットの内壁に絶縁膜を形成し易くなる。
前記絶縁膜を形成する工程は、前記第1の電極を形成する前に行い、前記絶縁膜を形成する工程においては、前記第1の電極形成面及び前記スリットの内壁に前記絶縁膜を同時に形成し、前記第1の電極を形成する工程においては、前記第1の電極の一部を前記第1の電極形成面に形成された前記絶縁膜上に形成することが好ましい。これによれば、製造工程を増やすことなく、いわゆるフィールドプレート構造を得ることができる。
この場合、前記酸化ガリウム基板を個片化した後、前記酸化ガリウム基板の前記第1の電極形成面の反対側に位置する第2の電極形成面に第2の電極を形成する工程をさらに備えることが好ましい。これによれば、基板の厚み方向に電流が流れる縦型デバイス構造を得ることが可能となる。
さらにこの場合、酸化ガリウムウェーハ上にエピタキシャル層を形成することによって前記酸化ガリウム基板を形成する工程をさらに備えることが好ましい。これによれば、酸化ガリウム基板を用いたショットキーバリアダイオードを構成することが可能となる。
本発明による半導体装置の製造方法は、前記第2の電極を形成する前に、前記スリットに保護部材を埋め込む工程をさらに備えることが好ましい。これによれば、第2の電極を形成する際に、第2の電極を構成する電極材料がスリットを介して第1の電極に回り込むことが無くなる。
この場合、前記酸化ガリウム基板を個片化する前に、前記酸化ガリウム基板の前記第1の電極形成面側に可撓性を有する支持部材を貼り付ける工程をさらに備え、前記保護部材は、前記支持部材の一部からなることが好ましい。これによれば、工程数を増やすことなく、簡単な方法で電極材料の回り込みを防止することが可能となる。
本発明において、前記第2の電極を形成する工程は、前記スリットをマスクで覆った状態で薄膜工法により行うことが好ましい。これによれば、第2の電極を構成する電極材料がスリット内に侵入しにくくなる。
本発明において、前記酸化ガリウム基板はβ−Gaからなり、前記第1の電極形成面が(001)面であっても構わない。この場合、側面から水平方向に劈開が生じやすくなるが、本発明においては側面へのダメージが大幅に低減されることから、このような水平方向の劈開を防止することが可能となる。
このように、本発明によれば、切断面に与えられるダメージが大幅に低減されることから、酸化ガリウム基板に生じる劈開を防止することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態による半導体装置10の構成を示す断面図である。 図2は、半導体装置10の上面図である。 図3は、半導体装置10の製造プロセスを示すフローチャートである。 図4は、半導体装置10の製造途中における断面図である。 図5は、半導体装置10の製造途中における断面図である。 図6(a)は半導体装置10の製造途中における平面図であり、図6(b)はB−B線に沿った断面図である。 図7は、半導体装置10の製造途中における断面図である。 図8は、半導体装置10の製造途中における断面図である。 図9は、半導体装置10の製造途中における断面図である。 図10は、半導体装置10の製造途中における断面図である。 図11は、半導体装置10の製造途中における断面図である。 図12は、半導体装置10の製造途中における断面図である。 図13は、半導体装置10の製造途中における断面図である。 図14は、半導体装置10の変形例による製造方法を説明するための断面図である。 図15は、半導体装置10の変形例による製造方法を説明するための断面図である。 図16は、断面がテーパー状である半導体装置10を示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による半導体装置10の構成を示す断面図である。また、図2は、半導体装置10の上面図である。尚、図1に示す断面は、図2のA−A線に沿った断面に相当する。
本実施形態による半導体装置10はショットキーバリアダイオードであり、図1に示すように、いずれも酸化ガリウム(β−Ga)からなる酸化ガリウム基板21及びエピタキシャル層22を含む半導体層20を備える。本発明においては、半導体層20を「酸化ガリウム基板」と総称することがある。酸化ガリウム基板21及びエピタキシャル層22には、n型ドーパントとしてシリコン(Si)又はスズ(Sn)が導入されている。ドーパントの濃度は、エピタキシャル層22よりも酸化ガリウム基板21の方が高く、これにより酸化ガリウム基板21はn層、エピタキシャル層22はn層として機能する。
半導体層20は、XY面を構成する第1の電極形成面20aと、第1の電極形成面20aの反対側に位置しXY面を構成する第2の電極形成面20bと、XZ面又はYZ面を構成する4つの側面20cを有する。第1及び第2の電極形成面20a,20bは、β−Gaの(001)面である。第1の電極形成面20aはエピタキシャル層22の上面によって構成され、第2の電極形成面20bは酸化ガリウム基板21の下面によって構成される。第1の電極形成面20aと側面20cの境界は第1のエッジE1を構成し、第2の電極形成面20bと側面20cの境界は第2のエッジE2を構成する。
図1及び図2に示すように、第1の電極形成面20a及び側面20cには、SiO、Si、Al、HfOなどからなる絶縁膜30が形成されている。絶縁膜30は、第1の電極形成面20aを覆う第1の部分31と、側面20cを覆う第2の部分32を含み、第1のエッジE1を覆うよう、第1の電極形成面20aから側面20cに亘って連続的に形成されている。絶縁膜30は例えば酸化シリコン(SiO)からなり、その膜厚は300nm程度である。
絶縁膜30の第1の部分31は、第1の電極形成面20aを露出させる開口部30aを有している。そして、第1の電極形成面20a上には、開口部30aを介して第1の電極であるアノード電極40が形成されている。これにより、アノード電極40は、エピタキシャル層22とショットキー接触する。アノード電極40は、例えば白金(Pt)、チタン(Ti)及びアルミニウム(Al)の積層膜からなり、その膜厚は、例えば、白金層が50nm程度、チタン層が5nm程度、アルミニウム層が1μm程度である。
アノード電極40の大部分はエピタキシャル層22とショットキー接触するが、他の一部は絶縁膜30の第1の部分31を覆っている。これにより、いわゆるフィールドプレート構造が得られる。一般的に、ショットーバリアダイオードではアノード電極の端部に電界が集中するため、この部分が絶縁破壊電界強度を超えると素子が破壊されてしまう。しかしながら、本実施形態のようにアノード電極40の端部を絶縁膜30上に形成すれば、端部における電流集中が緩和されるため、逆方向耐圧を高めることができる。
一方、半導体層20の第2の電極形成面20bには、第2の電極であるカソード電極50が設けられる。カソード電極50はチタン(Ti)、ニッケル(Ni)及び金(Au)の積層膜などからなり、酸化ガリウム基板21とオーミック接触している。例えば、チタン層の厚さは50nm程度、ニッケル層の厚さは0.2μm程度、金層の厚さは0.2μm程度である。
以上の構成により、本実施形態による半導体装置10は、ショットキーバリアダイオードを構成する。ショットキーバリアダイオードはスイッチング素子に用いられ、アノード電極40とカソード電極50との間に順方向バイアスを印加することにより、アノード電極40とエピタキシャル層22の界面におけるショットキー障壁が低下し、アノード電極40からカソード電極50へ電流が流れる。一方、アノード電極40とカソード電極50間に逆方向バイアスを印加すると、アノード電極40とエピタキシャル層22の界面におけるショットキー障壁が高くなり、電流はほとんど流れない。
そして、本実施形態による半導体装置10は、半導体層20の側面20cが絶縁膜で覆われていることから、側面20cに沿ったリーク電流が低減されるとともに、側面20cの割れ、欠け、劈開などが生じにくくなる。しかも、第1のエッジE1を覆うよう第1の電極形成面20aから側面20cに亘って絶縁膜30が連続的に形成されていることから、第1の電極形成面20aを覆う絶縁膜と側面20cを覆う絶縁膜をそれぞれ別個に形成する場合と比べて、上記の効果がより高められる。また、第1のエッジE1における酸化ガリウム基板の割れや欠けなども防止される。
次に、本実施形態による半導体装置10の製造方法について説明する。
図3は、本実施形態による半導体装置10の製造プロセスを示すフローチャートである。
まず、図4に示すように、融液成長法などを用いて育成されたバルク結晶をスライスしてなる酸化ガリウムウェーハWを用意し、その表面にエピタキシャル層22を形成する。エピタキシャル層22は、酸化ガリウムウェーハWの表面に反応性スパッタリング、PLD法、MBE法、MOCVD法、HVPE法などを用いて酸化ガリウムをエピタキシャル成長させることにより形成することができる。エピタキシャル層22のキャリア濃度と膜厚は、設計に応じた耐圧を確保するよう調整される。一例として、600V程度の逆方向耐圧を得るためには、厚みを7〜8μm、キャリア濃度を1×1016cm−3程度とすればよい。キャリア濃度の制御は、Si、Snなどn型のキャリアとして機能するドーパントを所望の量だけ成膜時に導入することにより行う。これにより、酸化ガリウムウェーハWの表面にエピタキシャル層22が形成された酸化ガリウム基板が完成する(ステップS1)。
次に、図5に示すように、エピタキシャル層22の表面である第1の電極形成面20aのうち、素子が形成される素子形成領域をエッチング用マスクM1で覆った状態でドライエッチングを行うことにより、酸化ガリウム基板に複数のスリット60を形成する(ステップS2)。スリット60は、エピタキシャル層22を貫通し、酸化ガリウムウェーハWに達する深さに設定する。具体的には、最終的な半導体層20の厚みよりも、スリット60の深さをやや深く設定する。例えば、最終的な半導体層20の厚みが50μmであれば、スリット60の深さを55μm程度に設定すればよい。
スリット60の形成は、BCl等の塩素系ガスを用いたRIE法によって行うことができる。特に、エッチング時間を短縮するためには、高速エッチングが可能なICP−RIE法を用いることが好ましい。エッチング用マスクM1としては、例えばGaに対して選択性をもたせるため、塩素系ガスでエッチングされないニッケル(Ni)などの金属膜を使用することが好ましい。この場合、エッチング用マスクM1である金属膜は、EB蒸着法、スパッタ法などを用いて100nm程度形成すれば良く、エピタキシャル層22の全面にエッチング用マスクM1を形成した後、フォトリソグラフィー法によってパターニングすればよい。そして、パターニングされたエッチング用マスクM1をマスクとしてドライエッチングを行うことにより、酸化ガリウム基板に複数のスリット60が形成される。
スリット60は、平面図である図6(a)に示すようにX方向及びY方向に複数形成され、平面視でスリット60に囲まれた矩形領域が最終的に素子となる部分である。図6(b)は、図6(a)に示すB−B線に沿った略断面図である。一例として、素子サイズを1mm×1mmとする場合、幅が20μmであるスリット60を1.02mmピッチでX方向及びY方向に形成すればよい。スリット60を形成した後は、一般的な酸系エッチング液を用いてエッチング用マスクM1を除去し、基板洗浄を行う。
このようにして形成されたスリット60は、ダイシングブレードなどを用いた機械加工によるものとは異なり、内壁61にほとんどダメージが生じない。また、内壁61の平坦性も非常に高く、具体的には凹凸が1μm以下であり、その表面性もほぼ均一となる。
次に、図7に示すように、エピタキシャル層22の表面及びスリット60の内壁61に、SiO、Si、Al、HfOなどからなる絶縁膜30を形成する(ステップS3)。絶縁膜30の形成方法は、ALD法やCVD法などのカバレッジに優れた成膜方法を用いることが好ましく、これによりエピタキシャル層22の表面だけでなく、スリット60の内壁61のほぼ全面が絶縁膜30で覆われる。また、スリット60の開口部である第1のエッジE1部分も絶縁膜30で覆われる。絶縁膜30は複数の成膜方法を組み合わせて積層してもよい。
次に、図8に示すように、絶縁膜30に開口部30aを形成した後、図9に示すように、アノード電極40を形成する(ステップS4)。開口部30aの形成は、通常のフォトリソグラフィー法によってレジストをパターニングした後、レジストをマスクとして絶縁膜30をドライエッチング又はウェットエッチングすればよい。但し、この時点で酸化ガリウム基板には複数のスリット60が形成されていることから、レジストとしては塗布型の液体レジストよりも、フィルムタイプの固体レジストを用いることが好ましい。
アノード電極40は蒸着法によって形成することができ、リフトオフ工程を用いてパターニングすることができる。つまり、まず絶縁膜30の開口部30aよりも平面サイズが5μm程度大きいレジストパターンを形成した後、蒸着法により白金(Pt)を50nm、チタン(Ti)を5nm、アルミニウム(Al)を1μm程度形成する。そして、レジストパターンを除去すれば、レジストパターン上の金属層をレジストパターンごと除去することができる。ここで、スリット60内への金属膜の付着を抑えるためには、フィルムタイプの固体レジストを用いることが好ましい。或いは、全面に形成したアノード電極40をパターニングするのではなく、格子状の金属マスクなどを介して蒸着を行うことにより、アノード電極40を選択的に成膜しても構わない。但し、本実施形態においては、スリット60の内壁61が絶縁膜30で覆われていることから、僅かな金属材料がスリット60内に侵入しても、これが酸化ガリウム基板と接することはない。
次に、図10に示すように、酸化ガリウム基板の表面に可撓性を有する支持部材70を貼り付ける(ステップS5)。可撓性を有する支持部材70としては、厚手の樹脂フィルムのような柔軟性の高い部材を用いることが好ましい。このような柔軟性の高い支持部材70を酸化ガリウム基板の表面に貼り付けた後、ある程度の圧力を加えれば、支持部材70が変形し、その一部がスリット60に埋め込まれた保護部材80となる。この保護部材80により、アノード電極40がスリット60から空間的に遮蔽される。
次に、図11に示すように、酸化ガリウム基板を支持部材70によって支持した状態で、裏面側、つまり酸化ガリウムウェーハWの下面の研削及び研磨を行う(ステップS6)。研削及び研磨は、通常のシリコン基板の研削及び研磨と同様の方法で行うことができる。酸化ガリウムウェーハWの研削及び研磨はスリット60に達するまで行い、これにより、酸化ガリウム基板21及びエピタキシャル層22からなる酸化ガリウム基板が複数個に個片化される。研削及び研磨を行った後は、洗浄を行うことにより研磨面を清浄化する。尚、研削を行うことなく、研磨のみによって個片化しても構わない。
次に、図12に示すように、酸化ガリウム基板21の下面にカソード電極50を形成する(ステップS7)。カソード電極50は、蒸着法やスパッタ法など、カバレッジ性の低い薄膜工法を用いて形成することが好ましい。これによれば、酸化ガリウム基板21の下面にはカソード電極50が正しく成膜される一方、スリット60の内壁61には電極材料がほとんど回り込まないため、内壁61にはほとんど電極が形成されない。カソード電極50の電極材料は、一部がスリット60内に侵入するが、図12に示すように、スリット60の上部は支持部材70の一部からなる保護部材80で埋め込まれていることから、カソード電極50の電極材料がアノード電極40に達することはない。スリット60内への電極材料の侵入を防止するためには、格子状の金属マスクなどによってスリット60を覆った状態で蒸着などを行うことにより、カソード電極50を酸化ガリウム基板21の下面に選択的に成膜することが好ましい。
そして、図13に示すように、支持部材70を剥離すれば複数の半導体装置10の作製が完了する(ステップS8)。個片化された半導体装置10は、必要に応じてパッケージに搭載される。パッケージは銅(Cu)などからなるベースプレートを有しており、半田を介してベースプレートと半導体装置10のカソード電極50が接続される。半導体装置10のアノード電極40は、ボンディングワイヤを介してパッケージのリードフレームに接続される。
このように、本実施形態による半導体装置10の製造方法によれば、ドライエッチングによって酸化ガリウム基板の上面側に複数のスリット60を形成した後、酸化ガリウム基板の下面側を研削及び研磨することによって個片化していることから、半導体層20の側面20cが機械的ダメージを受けない。このため、ダイシングブレードなどを用いて個片化する場合とは異なり、側面20cに割れ、欠け、劈開などが生じない。特に、β−Gaは、(100)面と(001)面が劈開性を有しているため、電極形成面20a,20bがβ−Gaの(001)面である場合、ダイシングブレードなどを用いて個片化すると、側面20cには水平方向に多数の劈開が生じることがある。このような劈開が生じると、デバイス特性が変化するおそれがあるだけでなく、劈開によって生じた酸化ガリウム粉が飛散するおそれがある。しかしながら、本実施形態による半導体装置10の製造方法によれば、側面20cがドライエッチングによって形成された面であることから、このような劈開はほとんど生じない。仮に僅かな劈開などが生じても、側面20cが絶縁膜30で覆われていることから、酸化ガリウム粉が飛散することもない。また、酸化ガリウムは熱伝導率が低いため、順方向電流による発熱が素子の外部に効率的に放熱されず、素子が劣化しやすいという問題がある。しかしながら、本実施形態においては、酸化ガリウムウェーハWの裏面を研磨することによって半導体層20を薄型化していることから、放熱性を高めることも可能となる。
しかも、フィールドプレート構造を得るための絶縁膜30を形成する際、スリット60の内壁61にも絶縁膜30が同時に形成されることから、工程数を増やすことなく、第1の電極形成面20aとスリット60の内壁61の両方に絶縁膜30を形成することができる。このように、第1の電極形成面20aに形成される絶縁膜30(第1の部分31)と側面20cに形成される絶縁膜30(第2の部分32)は同時に形成されることから、両者間に継ぎ目などが無い。このため、側面20cに沿ったリーク電流を効果的に抑制することが可能となる。
尚、上述した製造方法では、可撓性を有する支持部材70を用いることによって、支持部材70の一部からなる保護部材80をスリット60の上部に埋め込んでいるが、リジッドな支持部材70や可撓性の低い支持部材70を用いる場合には、図14に示すように、スリット60を形成した後、酸化ガリウム基板を個片化する前に、支持部材70とは別の保護部材80をスリット60に埋め込んでも構わない。また、保護部材80の埋め込みは、酸化ガリウム基板を個片化した後、カソード電極50を形成する前に行っても構わない。いずれにしても、カソード電極50を形成する際に保護部材80がスリット60に埋め込まれていれば、カソード電極50の電極材料がスリット60に侵入しても、この電極材料がアノード電極40に達することはない。
また、スリット60を形成する工程(ステップS2)においては、ドライエッチングの条件を調整することによって、図15に示すように順テーパー状のスリット60を形成しても構わない。順テーパーとは、スリット幅が深さ方向に徐々に狭くなる形状を指す。これによれば、絶縁膜30を形成する工程(ステップS3)において、絶縁膜30がスリット60の内壁61に形成され易くなるという利点が得られる。このような順テーパー状のスリット60を形成した場合、最終的に得られる半導体装置10の形状は、図16に示すように、半導体層20のXY断面が第1の電極形成面20aから第2の電極形成面20bに向かって拡大するテーパー形状となる。このような形状は、パッケージ上における搭載安定性に寄与する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、本発明をショットキーバリアダイオードに適用した場合を例に説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、酸化ガリウム基板を用いた半導体装置であれば、他の種類の半導体装置に応用することも可能である。
また、上記実施形態では、スリット60を形成した後、スリット60の内壁61に絶縁膜30を形成しているが、本発明においてこの点は必須でない。
10 半導体装置
20 半導体層
20a 第1の電極形成面
20b 第2の電極形成面
20c 側面
21 酸化ガリウム基板
22 エピタキシャル層
30 絶縁膜
30a 開口部
31 第1の部分
32 第2の部分
40 アノード電極
50 カソード電極
60 スリット
61 内壁
70 支持部材
80 保護部材
E1 第1のエッジ
E2 第2のエッジ
M1 エッチング用マスク
W 酸化ガリウムウェーハ

Claims (10)

  1. ドライエッチングにより酸化ガリウム基板の第1の電極形成面に複数のスリットを形成する工程と、
    前記第1の電極形成面のうち前記複数のスリットに囲まれた領域に第1の電極を形成する工程と、
    前記酸化ガリウム基板の前記第1の電極形成面の反対側に位置する下面を前記スリットに達するまで研磨することにより、前記酸化ガリウム基板を個片化する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記酸化ガリウム基板を個片化する前に、前記スリットの内壁に絶縁膜を形成する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記スリットを形成する工程においては、深さ方向に幅が狭くなる順テーパー状のスリットを形成することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記絶縁膜を形成する工程は、前記第1の電極を形成する前に行い、
    前記絶縁膜を形成する工程においては、前記第1の電極形成面及び前記スリットの内壁に前記絶縁膜を同時に形成し、
    前記第1の電極を形成する工程においては、前記第1の電極の一部を前記第1の電極形成面に形成された前記絶縁膜上に形成することを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記酸化ガリウム基板を個片化した後、前記酸化ガリウム基板の前記第1の電極形成面の反対側に位置する第2の電極形成面に第2の電極を形成する工程をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 酸化ガリウムウェーハ上にエピタキシャル層を形成することによって前記酸化ガリウム基板を形成する工程をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第2の電極を形成する前に、前記スリットに保護部材を埋め込む工程をさらに備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記酸化ガリウム基板を個片化する前に、前記酸化ガリウム基板の前記第1の電極形成面側に可撓性を有する支持部材を貼り付ける工程をさらに備え、
    前記保護部材は、前記支持部材の一部からなることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第2の電極を形成する工程は、前記スリットをマスクで覆った状態で薄膜工法により行うことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記酸化ガリウム基板はβ−Gaからなり、前記第1の電極形成面が(001)面であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
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