JP6794724B2 - 定着ロール、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着ロール、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、定着ロール、定着装置及び画像形成装置に関する。
下記特許文献1には、フローコートでの塗布方法として、ディスペンサー先端を芯体の外周面に接触させ、かつ芯体の回転軸方向へのディスペンサー供給部の移動速度V(mm/秒)と、芯体の回転数R(回転/秒)との比が、V/R<1.5(mm/回転)で表される範囲内とする方法が開示されている。
下記特許文献2には、フローコート塗布方法にて、膜厚の均一化を目的として、芯体を回転させながら、溶液を回転型体積移動式ポンプにて塗布ノズルに供給して塗布する方法が開示されている。
特開平09−85756号公報 特開2004−160310号公報
画像形成装置内で定着ロールに対向部材を圧接させた状態では、定着ロールが熱劣化ストレス、及びせん断(シェア)ストレスを繰り返し受けることにより、定着ロールの各層間の剥がれが発生する場合がある。
本発明は、弾性層が平滑な表面を備えた構成と比較して、定着ロールの使用時における表面層と弾性層との剥がれが抑制される定着ロール、定着装置及び画像形成装置に関する。
第1態様に記載定着ロールは、円筒状の基材と、前記基材の周囲に形成され、軸方向断面において表面に周期的な凹凸を備えた弾性層と、前記弾性層の表面に接着層を介して設けられた表面層と、を有する。
第2態様に記載の定着ロールは、第1態様に記載の定着ロールにおいて、前記弾性層の表面の周期的な凹凸であるうねりWc−tが、5μm以上30μm以下である。
第3態様に記載の定着ロールは、第1態様又は第2態様に記載の定着ロールにおいて、前記弾性層の表面の周期的な凹凸の幅は、1mm以上30mm以下である。
第4態様に記載定着装置は、第1態様から第3態様までのいずれか1つの態様に記載の定着ロールと、前記定着ロールに圧接される対向部材と、を有する。
第5態様に記載画像形成装置は、媒体にトナー画像を形成する像形成部と、前記媒体に形成されたトナー画像を定着する第4態様に記載の定着装置と、を有する。
第1態様に記載の定着ロールによれば、弾性層が平滑な表面を備えた構成と比較して、定着ロールの使用時における表面層と弾性層との剥がれが抑制される。
第2態様に記載の定着ロールによれば、弾性層の表面の凹凸であるうねりWc−tが、5μmより小さい場合と比較して、定着ロールの使用時における表面層と弾性層との剥がれが抑制され、弾性層の表面の凹凸であるうねりWc−tが、30μmより大きい場合と比較して、縦筋の発生が抑制される。
第3態様に記載の定着ロールによれば、弾性層の表面の凹凸の幅が、1mmより小さい場合と比較して、定着ロールの使用時における表面層と弾性層との剥がれが抑制され、弾性層の表面の凹凸の幅(周期)が、30mmより大きい場合と比較して、縦筋の発生が抑制される。
第4態様に記載の定着装置によれば、弾性層が平滑な表面を備えた定着ロールが設けられている構成と比較して、対向部材を定着ロールに圧接させたときに定着ロールの長寿命化が実現される。
第5態様に記載の画像形成装置によれば、弾性層が平滑な表面を備えた定着ロールが設けられている構成と比較して、対向部材を定着ロールに圧接させたときに定着ロールの長寿命化が実現される。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図1に示す画像形成装置に用いられる一実施形態の定着ロールを示す断面図である。 図2に示す定着ロールの表面側を拡大した状態で示す拡大断面図である。 図2に示す定着ロールを備えた定着装置の一部を示す断面図である。 実施例1〜5の定着ロールと、比較例1の定着ロールにおける画質を評価した結果を示す図である。
以下に、本発明の画像形成装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲がある場合は、数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
<画像形成装置の全体構成>
図1は、一実施形態に係る定着ロールを備えた画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。図1に示されるように、画像形成装置40は、画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。ここで、画像形成ユニット10は、像形成部の一例である。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットに跨るように配置される中間転写ベルト20が設けられている。中間転写ベルト20は、図における左右方向(上下方向と交差する方向)に互いに離間して配置された駆動ロール22及び支持ロール24により、中間転写ベルト20の内面から支持されており、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行するようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に支持された中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の外側には、駆動ロール22と対向する位置に、中間転写ベルト20の表面をクリーニングするクリーニング装置30が設けられている。クリーニング装置30は、中間転写ベルト20に接触するクリーニングブレード42及びクリーニングロール44を備えている。ここで、中間転写ベルト20は、像形成部の一例である。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト20の走行方向上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール2Y、帯電された表面を画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像をトナーにより現像する現像装置4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去するクリーニング装置6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。
次に、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が帯電される。感光体1Yの表面に、露光装置3によりレーザ光線3Yが照射されることで、感光体1Yの表面に静電潜像が形成される。さらに、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像化される。感光体1Y上に現像されたトナー画像は、予め定められた一次転写位置へ搬送され、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加されることで、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kにおいても、第1ユニット10Yと同様の動作により、感光体1M、1C、1Kに各色に対応するトナー画像が形成される。第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kに順次搬送され、一次転写ロール5M、5C、5Kにより感光体1M、1C、1Kの各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、該中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20の内面に接する支持ロール24と、中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール26とから構成される二次転写部23に移動する。ここで、支持ロール24及び二次転写ロール26は、像形成部の一例である。一方、収容部32には、媒体の一例としての記録紙Pが収容されており、給紙ロール34及び複数の搬送ロール36により、二次転写ロール26と中間転写ベルト20との接触部に予め定められたタイミングで給紙される。そして、支持ロール24に二次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。この後、記録紙Pは定着装置28における定着ロール52と対向部材54とが圧接されるニップ部へと送り込まれ、トナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<定着装置の構成>
次に、一実施形態に係る定着ロール52を備えた定着装置28について説明する。
図2には、一実施形態に係る定着ロール52が断面図にて示されている。また、図3には、定着ロール52の表面側が展開された状態で断面図にて示されている。図2及び図3に示されるように、定着ロール52は、円筒状の基材60と、基材60の周囲に形成された弾性層62と、弾性層62の表面に接着層64を介して設けられた表面層66と、を備えている。すなわち、表面層66は、定着ロール52の最表面を構成しており、弾性層62の表面に接着層64によって接着されている。
基材60としては、例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属製の基材(芯金)などが用いられる。図示を省略するが、基材60の内部には、記録紙P上のトナー画像を加熱により定着させるための熱源を備えている。熱源としては、例えば、ハロゲンランプ等が用いられている。
図3に示されるように、弾性層62は、軸方向断面(矢印Dに沿った定着ロール52の軸方向の断面)において表面に周期的な凹凸部63を備えている。凹凸部63は、凹部63Aと凸部63Bが交互に配置された構成とされている。ここで、凹凸部63は、凹凸の一例である。図3では、定着ロール52の弾性層62の構成を分かりやすくするため、模式的に図示している。本実施形態では、弾性層62の表面の周期的な凹凸部63であるうねり(Wc−t)が、5μm以上30μm以下とされている。ここで、うねり(Wc−t)は、東京精密社製サーフコムにより測定された値である。具体的には、うねり(Wc−t)は、東京精密社製サーフコムを用い、ろ波中心線うねり測定、測定長32mm、測定速度3.00mm/s、カットオフ種別:ガウシアン、算出規格:JIS’94規格、傾斜補正:最小二乗曲線補正、カットオフ波長:0.08mmから2.5mmにて測定する。
また、本実施形態では、弾性層62の表面の周期的な凹凸部63の幅(周期)は、1mm以上30mm以下とされている。具体的には、凹凸部63の幅(周期)は、弾性層62の表面を軸方向(D方向)及び周方向に沿って切断し、断面の状態に基づいて凹部63Aから凸部63Bまでの幅(周期)を複数の箇所で測定し、平均値をとることによって測定する。
弾性層62は、一例として、耐熱性弾性材料を含んでいる。耐熱性弾性材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴム、液状シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)等が挙げられる。また、フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン/プロピレン系ゴム、四フッ化エチレン/パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フルオロポリエーテル等が挙げられる。
弾性層62の厚みは、例えば、30μm以上600μm以下であることがよく、100μm以上500μm以下であることがさらに好ましい。
弾性層62は、例えば、以下のように形成される。円筒状の基材60の軸を水平にして回転させた状態で、弾性層の材料(例えば、シリコーンゴム組成物)をノズルにより上部から流下又は滴下し、かつ下部にてブレードを押し当てることにより、予め定めた膜厚(例えば、600μm)になるように形成する。その後、弾性層の材料が配置された基材60を定められた温度及び時間(例えば、200℃/1時間)で焼成することにより、弾性層62が得られる。本実施形態では、ノズルの径を調整することにより、弾性層62の表面に、例えば、螺旋状の周期的な凹凸部63が形成されるようになっている。
接着層64は、弾性層62と表面層66とを接着して剥がれの発生を抑制する機能を果たすため、一般に、弾性層62と表面層66との接着性に加えて、接着層64が一定以上の強度を有することが要求される。接着層64を形成するための材料としては、例えば、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン等が挙げられる。
接着層64は、弾性層62の凹凸部63を埋めるように形成することが好ましい。弾性層62の凸部63Bの平均高さからの接着層64の厚みは、例えば、5μm以上50μm以下であることがよく、10μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。
表面層66は、例えば、耐熱性離型材料を含んで構成される。耐熱性離型材料としては、フッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性離型材料としては、フッ素樹脂がよい。フッ素樹脂として具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
表面層66の厚みは、例えば、5μm以上50μm以下であることがよく、10μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。本実施形態では、弾性層62の表面に凹部63Aと凸部63Bとを備えた周期的な凹凸部63が形成されていることで、表面層66の表面66Aに凹凸部63に対応する凹凸が出る場合がある。その場合、表面層66の表面66Aの凹凸のうねりは、弾性層62の凹凸部63のうねり(Wc−t)よりも小さい。
表面層66の形成は特に限定されない。例えば、表面層として耐熱性離型材料を用いて製造した管状体(チューブ)を減圧して、円筒状の金型内壁に沿うように設置した後、上記の接着剤組成物を塗布した弾性層62を備えた基材60を金型内に挿入する。そして、弾性層62を備えた基材60を金型内に挿入し終わった後に、減圧を解除することにより、弾性層62に表面層66としての管状体(チューブ)を被覆させることで、定着ロール52が得られる。
図4に示されるように、定着装置28は、定着ロール52と、定着ロール52に圧接される対向部材54と、を備えている。定着ロール52は、図示しないモータにより矢印R1方向に回転駆動される構成とされている。図示を省略するが、対向部材54は、一例として、無端状の加圧ベルトと、該加圧ベルト内に配置されて加圧ベルトを定着ロール52に接触させる加圧部と、を備えている。対向部材54が定着ロール52に圧接されることで、対向部材54と定着ロール52とが接触するニップ部N1が形成されている。対向部材54を構成する加圧ベルトは、定着ロール52の回転に従動して矢印R2方向に移動するようになっている。
図4では、定着ロール52と対向部材54とが圧接されたニップ部N1が模式的に示されている。本実施形態では、定着ロール52と対向部材54とが圧接されたニップ部N1では、定着ロール52の周方向に沿って、弾性層62の表面の凸部63Bが少なくとも1つ配置される構成とされている。
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図4に示されるように、記録紙Pは、対向部材54が定着ロール52に圧接されるニップ部N1に搬送される。これにより、記録紙P上のトナー画像Tは、ニップ部N1で加熱及び加圧され、記録紙P上にトナー画像Tが定着される。
定着ロール52の弾性層62は、軸方向断面において表面に凹部63Aと凸部63Bとからなる周期的な凹凸部63を備えている。本実施形態では、定着ロール52と対向部材54とが圧接されたニップ部N1では、定着ロール52の周方向に沿って、弾性層62の表面の凹部63A及び凸部63Bが少なくとも1つ配置される構成とされている。これにより、定着ロール52と対向部材54とが圧接されたニップ部N1を記録紙Pが通過するときのせん断力が凸部63Bで支持され、せん断(シェア)ストレスが効果的に分散される。
このため、定着ロール52では、弾性層が平滑な表面を備えた構成と比較して、定着ロール52の使用時における表面層66と弾性層62との剥がれが抑制される。
また、上記の定着ロール52では、弾性層62の表面の周期的な凹凸部63であるうねり(Wc−t)が、5μm以上30μm以下とされている。このため、上記の定着ロール52では、弾性層の表面の凹凸であるうねり(Wc−t)が、5μmより小さい場合と比較して、定着ロール52の使用時における表面層66と弾性層62との剥がれが抑制され、弾性層の表面の凹凸であるうねり(Wc−t)が、30μmより大きい場合と比較して、縦筋の発生が抑制される。
また、上記の定着ロール52では、弾性層62の表面の凹凸部63の幅(周期)が、1mm以上30mm以下とされている。このため、上記の定着ロール52では、弾性層の表面の凹凸の幅(周期)が、1mmより小さい場合と比較して、定着ロール52の使用時における表面層66と弾性層62との剥がれが抑制され、弾性層の表面の凹凸の幅(周期)が、30mmより大きい場合と比較して、縦筋の発生が抑制される。
さらに、定着装置28及び画像形成装置40では、弾性層が平滑な表面を備えた定着ロールが設けられている構成と比較して、対向部材54を定着ロール52に圧接させたときに定着ロール52の長寿命化が実現され、定着ロール52の交換頻度が少なくなる。
なお、定着ロール52において、弾性層62の厚み、接着層64の厚み、表面層66の厚みなどは変更可能である。
また、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
次に、弾性層のうねりが異なる複数の種類の定着ロールを用い、画像形成装置にて画像を形成したときの画質の状態を評価した実験について説明する。
<実施例1>
〔シリコーンゴム組成物の調製〕
予め、ジメチルポリオルガノシロキサン(ビニル基含有量0.08mmol/g、粘度(25℃)30,000Pa・s)100質量部のうち40質量部を混練装置に配合し、そこにアルミナ微粉末(Naイオン含有量10ppm、体積平均粒子径3μm)100質量部を配合した。これらを150℃で2時間加熱混練した後、残りのジメチルポリオルガノシロキサン60質量部で希釈し、さらに分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジエンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量3mmol/g、粘度(25℃)5mPa・s)4.0質量部、触媒として塩化白金酸−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金含有量として10ppm、硬化遅延剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1質量部、さらに酸化第二鉄(Fe)2質量部をできるだけ均一になるように混合し、シリコーンゴム組成物を調整した。
〔弾性層体の形成〕
前述したシリコーンゴム組成物を用いて弾性層体の成形を行った。成形方法は、予めプライマ(東レ・ダウコーニング株式会社製、DY39−051A/B)を塗布した円筒状の基材としての芯金(例えば、材質はアルミニウム)に対して、この芯金を横にして回転させた状態で、シリコーンゴム組成物をノズルにより上部から滴下し、かつ下部にてブレードで押し当てることにより、予め定めた膜厚(600μm)になるように形成した。その後、シリコーンゴム組成物が形成された芯金を200℃/1時間で焼成し、弾性層体を得た。
実施例1では、シリコーンゴム組成物をノズルにより上部から滴下するときに、ノズル径のサイズを選択することによって、弾性層体の表面に周期的な凹凸(凹凸部)が形成される。実施例1では、前述の測定方法により、弾性層の表面のうねりを測定したところ、図5に示されるように、弾性層の表面のうねりは、5μmであった。
〔接着剤組成物の調製〕
ジメチルポリオルガノシロキサン(ビニル基含有量0.08mmol/g、粘度(25℃)30,000Pa・s)100質量部のうち40質量部を混練装置に配合し、そこにアルミナ微粉末(Naイオン含有量10ppm、体積平均粒子径3μm)100質量部を配合した。これらを150℃で2時間加熱混練した後、残りのジメチルポリオルガノシロキサン60質量部で希釈し、さらに分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジエンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量3mmol/g、粘度(25℃)5mPa・s)2.0質量部、触媒として塩化白金酸−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金含有量として10ppm、硬化遅延剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1質量部、さらに酸化第二鉄(Fe)2質量部をできるだけ均一になるように混合した混合物を100質量部とし、この混合物に対してグリシドキシプロピルトリメトキシシラン5質量部を加えた。グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えた混合物をn-ヘプタンで40質量%に希釈して、接着剤組成物を得た。
〔定着ロールの作製〕
前述した弾性層体に上記の接着剤組成物を20μmの厚さで塗布した後、円筒状の金型内壁にPFAチューブが減圧して沿うように設置した後、上記の接着剤組成物を塗布した弾性層体を金型内に挿入した。そして、弾性層体を金型内に挿入し終わった後に、減圧を解除することにより、弾性層体にPFAチューブを被覆させることで、定着ロールを得た。
〔測定・評価〕
上記の方法で得られた定着ロールを画像形成装置(富士ゼロックス社製、カラー複写機Docu Centre−3 C3300)に装着し、15万枚の通紙試験を行った後、マゼンタハーフトーン50%の画質サンプルを採取し、以下の観点で目視にて画質評価を行った。結果を図5に示した。画質評価基準は、以下の通りである。
「◎」は、剥がれによる画質色点が未発生したことを表している。
「○」は、画質色点が部分的に発生したことを表している(実使用上問題なし)。
「△」は、画質色点が軽微に発生したことを表している(実使用上問題になることがある)。
「×」は、画質色点が発生したことを表している(実使用上問題あり)。
<実施例2〜5>
作製された定着ロールのうねりを図5のようにした以外は、実施例1と同様にして定着ロールを作製し、評価についても実施例1と同様にして実施した。実施例2〜5では、シリコーンゴム組成物をノズルにより上部から滴下するときに、ノズル径のサイズを変更することによって、弾性層のうねりが異なる定着ロールを作製した。その際、例えば、ノズル径のサイズが小さくなると、弾性層のうねりは小さくなる。
<比較例1>
作製された定着ロールの表面うねりを図5のようにした以外は、実施例1と同様にして定着ロールを作製し、評価についても実施例1と同様にして実施した。比較例1では、シリコーンゴム組成物をノズルにより上部から滴下するときに、ノズル径のサイズを変更することによって、弾性層の表面のうねりが異なる定着ロールを作製した。
図5に示されるように、実施例5では、定着ロールの剥がれによる画質色点の発生は確認されなかったが、初期にて弾性層のうねりに起因する縦筋の発生が確認された。このため、弾性層の表面のうねり(Wc−t)が、5μm以上30μm以下である場合に、定着ロールの剥がれによる画質色点や、縦筋が発生しにくいことが分かる。
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット(像形成部の一例)
20 中間転写ベルト(像形成部の一例)
24 支持ロール(像形成部の一例)
26 二次転写ロール(像形成部の一例)
28 定着装置
40 画像形成装置
52 定着ロール
54 対向部材
60 基材
62 弾性層
63 凹凸部(凹凸の一例)
63A 凹部
63B 凸部
64 接着層
66 表面層
P 記録紙(媒体の一例)

Claims (4)

  1. 円筒状の基材と、
    前記基材の周囲に形成され、軸方向断面において表面に周期的な凹凸を備えた弾性層と、
    前記弾性層の表面に接着層を介して設けられた表面層と、
    を有し、
    軸方向断面において前記弾性層の表面の周期的な凹凸であるうねりWc−tが、10μm以上30μm以下である定着ロール。
  2. 前記弾性層の表面の周期的な凹凸の幅は、1mm以上30mm以下である請求項1に記載の定着ロール。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の定着ロールと、
    前記定着ロールに圧接される対向部材と、
    を有する定着装置。
  4. 媒体にトナー画像を形成する像形成部と、
    前記媒体に形成されたトナー画像を定着する請求項3に記載の定着装置と、
    を有する画像形成装置。
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