JP2017116804A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動に伴う摩耗及び消費エネルギーを低減するとともに、摺動面を構成する層の剥がれを抑制することが可能な定着装置を提供する。【解決手段】定着ユニットにおいて、ニップ形成部材410は、摺動面Wを形成するダイヤモンドライクカーボン層413、ダイヤモンドライクカーボン層413上に設けられ且つ弾性体を含む変形部材412、及び、変形部材412における回転部材408の回転方向下流Qb側に位置する側面Xの少なくとも一部を覆い、回転部材408の回転方向への変形部材412の移動を妨げるように配置された支持部材を有する。ダイヤモンドライクカーボン層413は、回転部材408の回転方向上流Qa側の端部に、定着ニップ部を形成しない領域Vを有する。変形部材412の、ダイヤモンドライクカーボン層413と接する側の表面の算術平均粗さRaが1μm以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、像担持体上に静電転写された未定着画像を加熱及び加圧することにより像担持体に定着させる定着装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、帯電した像担持体上にトナーを静電転写させた後、トナーを定着装置によって像担持体に熱定着させることで印刷を行っている。この熱定着を行うため定着装置では、回転部材を加熱又は固定部材が自己発熱し、当該回転部材と加圧部材とを互いに圧接するように配置し、それらの間(定着ニップ部)に像担持体を通過させるようにしている。近年、消費エネルギー低減のために、回転部材の熱容量の低減化が進められており、定着装置の回転部材を薄肉管状体構成(定着ベルト)とし、定着ベルト外側から押し付けられる加圧回転する加圧部材(加圧ローラ)に対抗してニップを形成するために、ベルト内側に固定配置される定着ニップ部を構成する部材としてニップ形成部材を設けた定着装置が画像形成装置に使用されている。この構成では、加圧部材の回転とともに定着ベルトが周方向に回転しており、回転する定着ベルトの内周面とニップ形成部材表面とが圧接摺動している。このとき、定着ニップ部では加熱・加圧された状態で固定部材と加圧部材とが摺動し、ベルト内周面とニップ形成部材表面とが摺動するため、摺動面の摩耗が定着装置の寿命に大きな影響を与えている。
特許文献1では、円筒状のスリーブと、上記スリーブの内面に接触するヒータと、上記ヒータとともに定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を備える加熱定着装置が開示されている。上記加熱定着装置において、ヒータはスリーブの内面と摺動する摺動部を有しており、摺動に伴う摩耗の観点から摺動部にはフッ素樹脂やポリイミド樹脂等が用いられている。
一方、定着装置には更なる消費エネルギーの低減が求められる。更なる消費エネルギー低減のためには、例えば、定着ニップ部の領域を広くすることが知られている。定着ニップ部の領域を広くすることにより、単位時間当たりに未定着画像に与えられる熱量を増加し、同等の定着性能を得るための回転部材の温度を下げることができる。このため、特許文献1〜3では、定着装置のニップ形成部材に弾性体層が設けられている。
さらに、特許文献2及び3では、定着装置の定着ニップ部を構成する部材が弾性体層を備え、当該部材間の接触面にダイヤモンドライクカーボン層が用いられることが開示され、ダイヤモンドライクカーボン層を用いることにより摺動による耐摩耗性が高められることが記載されている。
特開2012−88741号公報 特開2005−208095号公報 特開2009−93172号公報
しかし、定着装置において、弾性体層として一般に用いられるシリコーンゴムはダイヤモンドライクカーボンとの十分な密着性を有しておらず、弾性体層上にダイヤモンドライクカーボン層を設けても、ダイヤモンドライクカーボン層を摺動面とした場合、摺動による応力によって、弾性体層とダイヤモンドライクカーボン層との剥がれが発生することがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ニップ形成部材の摺動に伴う摩耗及び消費エネルギーを低減するとともに、摺動面を構成する層の剥がれを抑制することが可能な定着装置を提供することを目的とする。
本発明は、像担持体上に静電転写された未定着画像を加熱及び加圧することにより像担持体に定着させる定着装置を提供する。この定着装置は、周方向に回転する回転部材、及び、その内周面に接して当該内周面と摺動する摺動面を有する1つ以上のニップ形成部材を含む固定部材と、上記回転部材の外周面の一部に接する加圧部材と、を備えている。また、上記ニップ形成部材及び上記加圧部材により、上記回転部材を介して、定着ニップ部が形成されている。上記ニップ形成部材は、上記摺動面を形成するダイヤモンドライクカーボン層、上記ダイヤモンドライクカーボン層上に設けられ且つ弾性体を含む変形部材、及び、上記変形部材における上記回転部材の回転方向下流側に位置する側面の少なくとも一部を覆い、上記回転部材の回転方向への上記変形部材の移動を妨げるように配置された支持部材を有する。上記ダイヤモンドライクカーボン層は、上記回転部材の回転方向上流側の端部に、上記定着ニップ部を形成しない領域を有する。上記変形部材の、上記ダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面の算術平均粗さRaが1μm以下である。
上記定着装置では、ダイヤモンドライクカーボン層が摺動面を形成していることから、摺動に伴う摩耗を低減することができる。また、変形部材が弾性体を含むことから、定着ニップ部が拡大し、定着装置運転における消費エネルギーを低減することができる。一方、摺動面を構成するダイヤモンドライクカーボン層と接する側の変形部材表面の算術平均粗さRaが1μm以下であり、変形部材の側面の一部を覆う支持部材が配置されている。この結果、摺動面を構成するダイヤモンドライクカーボン層の変形部材からの剥がれを抑制することができる。上記定着装置は、回転部材の内周面に潤滑剤を使用しなくても運転可能である。
上記変形部材がさらに中間層を含み、上記変形部材は、上記ダイヤモンドライクカーボン層上に、上記中間層と上記ダイヤモンドライクカーボン層とが接するように、設けられていてもよく、この場合、上記中間層は、分子構造の主骨格に、−(CF)−で表される2価の基又はベンゼン環を有する高分子化合物を含有することが好ましい。中間層が上記高分子化合物を含有し、上記変形部材が、上記中間層と上記ダイヤモンドライクカーボン層とが接するように、設けられることにより、変形部材とダイヤモンドライクカーボン層との密着性が向上する傾向がある。
上記弾性体はシリコーンゴムを含有し、上記中間層はフッ素ゴムを含有していてもよい。
上記中間層の上記弾性体側の表面が、濡れ張力が50dyne/cm以上である粗化面であってもよい。中間層が上記粗化面を有すると、中間層と弾性体との密着性が向上する傾向がある。また、上記中間層及び上記ダイヤモンドライクカーボン層の合計の厚さが70μm以上であってもよい。
上記中間層の平均線膨張係数がダイヤモンドライクカーボン層より大きく且つ弾性体より小さいことが好ましい。中間層が上記平均線膨張係数を有することにより、弾性体とダイヤモンドライクカーボン層との剥がれを抑制し、弾性体による定着ニップ部の拡大の効果と、ダイヤモンドライクカーボン層による離型性及び摩耗抑制の効果との両方を得やすくなる傾向がある。
上記変形部材は、上記ダイヤモンドライクカーボン層上に、上記弾性体と上記ダイヤモンドライクカーボン層とが接するように、設けられていてもよく、この場合、上記弾性体は、分子構造の主骨格に、−(CF)−で表される2価の基又はベンゼン環を有する高分子化合物を含有することが好ましい。弾性体が上記高分子化合物を含有し、上記変形部材が、上記弾性体と上記ダイヤモンドライクカーボン層とが接するように、設けられることにより、変形部材とダイヤモンドライクカーボン層との密着性が向上する傾向がある。
上記変形部材の、上記ダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面のスキューネスRskが0.5未満であることが好ましく、クルトシスRkuが6未満であることが好ましい。変形部材が上記表面を有することにより、ダイヤモンドライクカーボン層の変形部材からの剥がれを一層抑制し、さらに、摺動に伴う変形部材の毟れの発生を抑制することができる傾向がある。
また、上記変形部材の、上記ダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面の算術平均粗さRaが0.7μm以下であることが好ましく、スキューネスRskが0.3未満であることが好ましく、クルトシスRkuが4未満であることが好ましい。変形部材が上記表面を有することにより、カラー画像形成装置のように定着ニップ部の面圧が大きくてもなお、ダイヤモンドライクカーボン層の変形部材からの剥がれを抑制し、摺動に伴う変形部材の毟れの発生を抑制することができる傾向がある。
上記回転部材は内周面に設けられた金属層を含み、上記金属層の表面の算術平均粗さRaが0.8μm以下であることが好ましい。回転部材が上記金属層を含むことにより、回転部材の熱伝導性を高め、且つ、変形部材の毟れを低減できる傾向がある。また、上記金属層の厚さは4μm以下であることが好ましく、黒色金属層であることが好ましい。上記金属層が黒色であることにより、より効率よく定着ニップ部を加熱することができる傾向がある。
上記加圧部材は円筒状の芯金と当該芯金の外周に積層された弾性層とを含み、上記固定部材のニップ形成部材を構成する上記弾性体の荷重9.8NでのAsker−C硬度が50度以下であり、上記加圧部材を構成する上記弾性層の荷重9.8NでのAsker−C硬度が50度以上であることが好ましい。変形部材に含まれる弾性体と加圧部材に含まれる弾性層とが上記Asker−C硬度を有することにより、定着ニップ部を安定した形状で拡大できる傾向がある。
上記定着装置は、単色画像形成装置用であってもよく、カラー画像形成装置用であってもよい。
本発明によれば、摺動に伴う摩耗及び消費エネルギーを低減するとともに、摺動面を構成する層の剥がれを抑制することが可能な定着装置を提供することができる。
実施形態に係る定着装置(定着ユニット)を含んで構成される画像形成装置の概略構成を示す図である。 実施形態に係る定着ユニットの概略構成を示す模式断面図である。 図2に示す定着ユニットの拡大図であり、ニップ形成部材及び加圧部材の構成及び配置の一例を示す模式断面図である。 図2に示す定着ユニットの拡大図であり、ニップ形成部材及び加圧部材の構成及び配置の別の例を示す模式断面図である。 変形部材の表面の算術平均粗さRaと変形部材上に形成されたダイヤモンドライクカーボン層が剥がれるまでの時間(耐久時間)との関係を示すグラフである。 変形部材の表面のスキューネスRskと変形部材上に形成されたダイヤモンドライクカーボン層が剥がれるまでの時間(耐久時間)との関係を示すグラフである。 変形部材の表面のクルトシスRkuと変形部材上に形成されたダイヤモンドライクカーボン層が剥がれるまでの時間(耐久時間)との関係を示すグラフである。 シート材の基材側の表面の濡れ張力と弾性体(ゴム)破壊率との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
(画像形成装置)
図1に示すように、画像形成装置1は、記録媒体搬送ユニット10、転写ユニット20、感光体ドラム30、4つの現像ユニット100、及び、定着ユニット40を含んで構成される。
記録媒体搬送ユニット10は、最終的に画像が形成される記録媒体としての用紙P(像担持体)を収容するとともに、用紙Pを記録媒体搬送路上に搬送する。用紙Pは、カセットに積層して収容される。記録媒体搬送ユニット10は、用紙Pに転写されるトナー像が二次転写領域Rに到達するタイミングで、用紙Pを二次転写領域Rに到達させる。
転写ユニット20は、4つの現像ユニット100により形成されたトナー像を、用紙Pに二次転写する二次転写領域Rに搬送する。転写ユニット20は、転写ベルト21と、転写ベルト21を懸架する懸架ローラ21a、21b、21c及び21dと、感光体ドラム30とともに転写ベルト21を挟持する一次転写ローラ22と、懸架ローラ21dとともに転写ベルト21を挟持する二次転写ローラ24とを含んで構成される。
転写ベルト21は、懸架ローラ21a、21b、21c及び21dにより循環移動される無端状のベルトである。一次転写ローラ22は、転写ベルト21の内周側から感光体ドラム30を押圧するように設けられる。一方、二次転写ローラ24は、転写ベルト21の外周側から懸架ローラ21dを押圧するように設けられる。また、転写ユニット20は、転写ベルト21に付着したトナーを除去するベルトクリーニング装置等をさらに備えていてもよい。
感光体ドラム30は、周面に画像が形成される静電潜像担持体であり、例えばOPC(Organic Photo Conductor)からなる。本実施形態に係る画像形成装置1は、カラー画像を形成可能な装置であり、例えばマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの各色に対応して、4つの感光体ドラム30が転写ベルト21の移動方向に沿って設けられている。各感光体ドラム30の周上には、図1に示すように、帯電ローラ32、露光ユニット34、現像ユニット100、及び、クリーニングユニット38がそれぞれ設けられている。
帯電ローラ32は、感光体ドラム30の表面を所定の電位に均一に帯電させる。露光ユニット34は、帯電ローラ32により帯電した感光体ドラム30の表面を、用紙Pに形成する画像に応じて露光する。これにより、感光体ドラム30の表面のうち露光ユニット34により露光された部分の電位が変化し、静電潜像が形成される。4つの現像ユニット100は、各現像ユニット100に対応して設けられたトナータンク36から供給されたトナーによって感光体ドラム30に形成された静電潜像を現像し、トナー像を生成する。4つのトナータンク36内には、それぞれ、マゼンダ、イエロー、シアン、及び、ブラックのトナーが充填されている。
クリーニングユニット38は、感光体ドラム30上に形成されたトナー像が転写ベルト21に一次転写された後に感光体ドラム30上に残存するトナーを回収する。クリーニングユニット38は、例えばクリーニングブレードを設け、感光体ドラム30の周面にクリーニングブレードを当接させることにより感光体ドラム30上の残トナーをそぎ落とす構成を用いることができる。なお、感光体ドラム30の周上には、感光体ドラム30の回転方向においてクリーニングユニット38と帯電ローラ32との間に、感光体ドラム30の電位をリセットする除電ランプを配置することもできる。
定着ユニット40は、転写ベルト21から用紙Pへと二次転写されたトナー像を用紙Pに定着させる。定着ユニット40は、例えば、固定部材42と、加圧部材44とを含んで構成される(図2参照)。固定部材42は、回転軸周りに回転可能な略円筒状の部材である回転部材408により、その外観が構成されるものであり、その内部には例えばハロゲンランプ406などの熱源(発熱体)が設けられている。加圧部材44は、回転軸周りに回転可能な円筒状の部材であり、固定部材42を押圧するように設けられる。固定部材42と加圧部材44との接触領域である定着ニップ部Nに用紙Pを通過させることにより、トナー像を用紙Pに溶融定着させる。
また、画像形成装置1には、定着ユニット40によりトナー像が定着された用紙Pを装置外部へ排出するための排出ローラ52及び54が設けられている。
次に、画像形成装置1の動作について説明する。画像形成装置1に被記録画像の画像信号が入力されると、画像形成装置1の制御部は、受信した画像信号に基づいて、帯電ローラ32により感光体ドラム30の表面を所定の電位に均一に帯電させた後、露光ユニット34により感光体ドラム30の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する。
一方、現像ユニット100では、トナーとキャリアとを混合攪拌して十分に帯電させた後、トナーとキャリアとを混合することで生成される現像剤を現像ローラ110に担持させる。そして、現像ローラ110の回転により現像剤が感光体ドラム30と対向する領域まで搬送されると、現像ローラ110に担持された現像剤のうちのトナーが感光体ドラム30の周面上に形成された静電潜像に移動し、静電潜像が現像される。こうして形成されたトナー像は、感光体ドラム30と転写ベルト21とが対向する領域において、感光体ドラム30から転写ベルト21へ一次転写される。転写ベルト21には、4つの感光体ドラム30上に形成されたトナー像が順次積層されて、1つの積層トナー像が形成される。そして、積層トナー像は、懸架ローラ21dと二次転写ローラ24とが対向する二次転写領域Rにおいて、記録媒体搬送ユニット10から搬送された用紙Pに二次転写される。
積層トナー像が二次転写された用紙Pは、定着ユニット40へ搬送される。用紙Pを固定部材42と加圧部材44との間で熱及び圧力を加えながら通過させることにより、積層トナー像を用紙Pに溶融定着させる。その後、用紙Pは、排出ローラ52及び54により画像形成装置1の外部へ排出される。一方、転写ベルト21は、ベルトクリーニング装置を備える場合、積層トナー像が用紙Pへ二次転写された後、転写ベルト21に残存するトナーをベルトクリーニング装置により除去してもよい。
(定着ユニットの構成)
ここで、図2〜図4を参照して、定着ユニット40について、より詳細に説明する。図2に示すように、定着ユニット40は、固定部材42及び加圧部材44を備える。
固定部材42は、加圧部材44に対向して配置され、加圧部材44と協働して用紙Pに転写されたトナー像Tを用紙Pに熱定着させる部材である。固定部材42は、ガイド部材404を含むサポート部402、加熱体406、回転部材408、並びに、プレート部材411、ホルダーインナー415及びブラケットインナー416を含むニップ形成部材410を有している。加熱体406は、例えばハロゲンランプ等のヒータから構成される。
サポート部402は、ガイド部材404以外に加熱体406等も両端で固定保持する保持部材であり、固定部材42の両端に配置されている。サポート部402は、例えば、合成樹脂から形成される。
ガイド部材404は、回転部材(無端状の定着ベルト)408を矢印Q方向(回転部材408の周方向)に回転させるためのガイドを行う部材である。ガイド部材404は、固定部材42の軸線方向から視た際の形状が、例えば、一部を切り欠いた略楕円形状又は略卵型形状となっている。このような形状のガイド部材404は、その周面にガイド面を有しており、このガイド面が回転部材408の内周面を支えることで、回転部材408の回転動作をガイドするようになっている。ガイド部材404は、サポート部402と一体に設けられてもよく、例えば合成樹脂等から形成される。
図3及び図4は図2に示す定着ユニット40の拡大図であり、定着ニップ部Nの周辺部材(ニップ形成部材410及び加圧部材44)の構成及び配置を示すものである。図3において、ホルダーインナー415はプレート部材411を支持する支持部材であり、本実施形態ではプレート部材411とホルダーインナー(支持部材)415とブラケットインナー416とを併せてニップ形成部材410と称している。ニップ形成部材410は、回転部材408の内周面に接して当該内周面と摺動する摺動面Wを有する。プレート部材411はダイヤモンドライクカーボン層413、及び、ダイヤモンドライクカーボン層413上に設けられ且つ弾性体を含む変形部材412を有し、主としてダイヤモンドライクカーボン層413が回転部材408との摺動面Wを形成している。ダイヤモンドライクカーボン層413が回転部材408との摺動面Wを形成することにより、離型性が向上し、摺動に伴う摩耗を抑制することができる。回転部材408の内周面に通常は潤滑剤等を使用する。また、本実施形態に係る定着装置40によれば、潤滑剤等を使用しなくても定着ユニット40を良好に運転することが可能であり、この場合は作業性が向上する傾向がある。なお、固定部材42は、図2のように上記ニップ形成部材を1つ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。
本実施形態において、変形部材412のダイヤモンドライクカーボン層413と接する側の表面における算術平均粗さRaは1μm以下である。変形部材412のダイヤモンドライクカーボン層413と接する側の表面を平滑にすることにより、摺動に伴う応力によるダイヤモンドライクカーボン層413の変形部材412からの剥がれを抑制することができる。本発明において、表面の算術平均粗さRaは、例えばレーザマイクロスコープ(商品名:VK−X100、株式会社キーエンス製)を用いて、倍率20倍で表面を解析することにより、測定することができる。後述するスキューネスRsk、及びクルトシスRkuもRaと同様に測定することができる。
ダイヤモンドライクカーボン層413は、例えば化学蒸着、スパッタリング等により形成される。ダイヤモンドライクカーボン層413の厚さは、例えば0.1〜2.0μm程度である。このため、変形部材412のダイヤモンドライクカーボン層413と接する側の表面が粗い場合、ダイヤモンドライクカーボン層413は変形部材412の表面粗さに追従して形成され、形成されたダイヤモンドライクカーボン層413の表面にも変形部材412表面の粗さに伴う突起が残りやすくなる。そうすると、摺動に伴う応力が当該突起の根元にかかり、その根元を起点としてダイヤモンドライクカーボン層413が変形部材412から剥がれやすくなり、また、ダイヤモンドライクカーボン層413とともに変形部材412そのものの表層が突起の根元から毟れやすくなる。しかし、本実施形態において、変形部材412の算術平均粗さRaは1μm以下であることから、上記のような突起の高さが低くなり、摺動に伴って突起の根元にかかる応力を小さくすることができ、上記のような剥がれ及び毟れを抑制することができる。
なお、画像形成装置が単色画像のみを形成するもの(単色画像形成装置)である場合、未定着のトナー像のかさ密度が小さく(トナーの厚さが薄い)、ブリスタ(熱を加えたときにトナー間や用紙内から発生する気泡や水蒸気が画像表面に出る現象)が抑えられるため、定着ニップ部Nの面圧を、例えば0.2〜0.5kgf/cmに低くできる。一方、図1のように、画像形成装置が複数色のトナー像を重ねてカラー画像を形成するもの(カラー画像形成装置)である場合、未定着のトナー像のかさ密度が大きい(トナーの厚さが厚い)ため、ブリスタを抑制するためには、定着ニップ部Nの面圧を、例えば0.5〜2.5kgf/cmと単色画像形成装置の場合よりも大きくする必要がある。定着ニップ部Nの面圧が大きいと、摺動に伴う突起の根元にかかる応力が大きくなるため、変形部材412からのダイヤモンドライクカーボン層413の剥がれや、変形部材412そのものの表層の毟れが生じやすくなる。しかしながら、本実施形態においては、変形部材412のダイヤモンドライクカーボン層413と接する側の表面における算術平均粗さRaは1.0μm以下であることから、単色画像形成装置であってもカラー画像形成装置であっても上記のような剥がれ及び毟れを抑制することができる。なお、画像形成装置がカラー画像形成装置である場合、変形部材412の算術平均粗さRaは0.7μm以下であることが好ましい。変形部材412の算術平均粗さRaが0.7μm以下であることにより、特にカラー画像形成装置のように定着ニップ部Nの面圧が大きくてもなお、摺動に伴う突起の根元にかかる応力を小さく維持することができ、上記のような剥がれ及び毟れの発生をより十分に抑制することができる傾向がある。図5は、変形部材412の表面の算術平均粗さRaと変形部材412上に形成されたダイヤモンドライクカーボン層413が剥がれるまでの時間(耐久時間)との関係を示すグラフである。図5中のRaの単位はμmである。図5に示すように、変形部材412の表面の算術平均粗さRaが1.0μm以下であるとき、単色画像形成装置(図中の「Mono」)における耐久時間が大幅に向上し、算術平均粗さRaが0.7μm以下であるとき、カラー画像形成装置(図中の「Color」)における耐久時間が大幅に向上する。
変形部材412は、ダイヤモンドライクカーボン層413と接する側の表面の粗さ曲線において、さらに以下のような特徴を有することが好ましい。例えば、変形部材412の表面のスキューネスRskが0.5未満であることが好ましく、0.3未満であることがより好ましい。スキューネスRskは、粗さ曲線における平均線を中心としたときの山部と谷部の対称性を表し、スキューネスRskが0未満であることは山部と谷部が平均線に対して上側に偏る(ダイヤモンドライクカーボン層413側に山の面積が多くなる)ことを意味し、スキューネスRskが0を超えることは山部と谷部が平均線に対して下側に偏る(ダイヤモンドライクカーボン層413側に谷の面積が多くなる)ことを意味する。変形部材412の表面のスキューネスRskが0.5未満であることにより、摺動に伴って突起の根元にかかる応力をより小さくすることができ、ダイヤモンドライクカーボン層413の剥がれを抑制し、さらに変形部材412の毟れを抑制することができる傾向がある。また、スキューネスRskが0.3未満であることにより、カラー画像形成装置においても、摺動に伴う突起の根元にかかる応力を小さく維持することができ、上記剥がれ及び毟れの発生を抑制しやすくなる傾向がある。図6は、変形部材412の表面のスキューネスRskと変形部材412上に形成されたダイヤモンドライクカーボン層413が剥がれるまでの時間(耐久時間)との関係を示すグラフである。図6に示すように、変形部材412の表面のスキューネスRskが0.5未満であるとき、単色画像形成装置(図中の「Mono」)における耐久時間が大幅に向上し、スキューネスRskが0.3未満であるとき、カラー画像形成装置(図中の「Color」)における耐久時間が大幅に向上する。摺動に伴う突起の根元にかかる応力をより小さく維持するには、変形部材412の表面のスキューネスRskは0以下であることがさらに好ましい。
また、変形部材412の表面のクルトシスRkuが6未満であることが好ましく、4未満であることがより好ましい。クルトシスRkuは、表面の突起の尖度を表し、クルトシスRkuが3未満であることは突起が正規分布と比べて尖っていないことを意味し、クルトシスRkuが3を超えることは突起が正規分布と比べて尖っていることを意味する。変形部材412の表面のクルトシスRkuが6未満であることにより、摺動に伴って突起の根元にかかる応力をより小さくすることができ、ダイヤモンドライクカーボン層413の剥がれを抑制し、さらに変形部材412の毟れを抑制することができる傾向がある。また、クルトシスRkuが4未満であることにより、カラー画像形成装置においても、摺動に伴う突起の根元にかかる応力を小さく維持することができ、上記剥がれ及び毟れの発生を抑制しやすくなる傾向がある。図7は、変形部材412の表面のクルトシスRkuと変形部材412上に形成されたダイヤモンドライクカーボン層413が剥がれるまでの時間(耐久時間)との関係を示すグラフである。図7に示すように、変形部材412の表面のクルトシスRkuが6未満であるとき、単色画像形成装置(図中の「Mono」)における耐久時間が大幅に向上し、クルトシスRkuが4未満であるとき、カラー画像形成装置(図中の「Color」)における耐久時間が大幅に向上する。摺動に伴う突起の根元にかかる応力をより小さく維持するには、変形部材412の表面のクルトシスRkuが3未満であることがさらに好ましい。
図3において、ニップ形成部材410及び加圧部材44は、回転部材408を介して、定着ニップ部Nを形成している。より具体的には、加圧部材44と回転部材408(又は用紙)との接点から上下に延びる線Yのうち、回転方向上流Qa側の線をYa、回転方向下流Qb側の線をYbとしたとき、線Yaと線Ybとの間で、定着ニップ部Nが形成されている。さらに、ダイヤモンドライクカーボン層413は、回転部材408の回転方向上流Qa側の端部に定着ニップ部Nを形成しない領域V(回転部材408を介して加圧部材44と接していない領域)を有する。したがって、ダイヤモンドライクカーボン層413は、回転部材408の回転方向上流Qa側の端部に加圧部材44からの加圧力(押圧力)を受けない領域を有すると言える。言い換えると、ダイヤモンドライクカーボン層413は線Yaと線Ybとの間だけでなく、線Yaより回転方向上流Qa側にも存在する。ダイヤモンドライクカーボン層413と加圧部材44とが上記関係にあることにより、回転部材408の定着ニップ部Nへの進入時にダイヤモンドライクカーボン層413を変形部材412から引き剥がす力がかかりにくくなる。ダイヤモンドライクカーボン層413と加圧部材44との間の上記関係を得る方法としては、例えばダイヤモンドライクカーボン層413の回転部材408の回転方向の寸法を大きくする、加圧部材44からの加圧力を下げる、等の方法が挙げられる。
なお、図3において、ダイヤモンドライクカーボン層413は、さらに回転部材408の回転方向下流Qb側の端部に定着ニップ部Nを形成しない領域Vを有するが、当該領域を有していなくてもよい。したがって、ダイヤモンドライクカーボン層413は、回転部材408の回転方向下流Qb側の端部に加圧部材44からの加圧力(押圧力)を受けない領域を有していてもよく、有していなくてもよいと言える。言い換えると、ダイヤモンドライクカーボン層413は線Ybより回転方向下流Qb側に存在していてもよく、存在していなくてもよい。
変形部材412に含まれる弾性体を構成する材料としては、定着装置での熱に対する耐熱性の観点から、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、フェノール樹脂等が挙げられる。弾性体の荷重9.8NでのAsker−C硬度は、50度以下であることが好ましく、50度未満であることがより好ましく、45度以下であることがさらに好ましい。弾性体が軟らかいことにより、定着ニップ部Nが拡大しやすくなる傾向がある。ダイヤモンドライクカーボン層413が上記弾性体上に形成されている(上記弾性体がダイヤモンドライクカーボン層413と接している)場合には、上記弾性体は、分子構造の主骨格(主鎖)に、−(CF)−で表される2価の基又はベンゼン環を有する高分子化合物を含有することが好ましく、主骨格に−(CF)−で表される2価の基又はベンゼン環を有する繰り返し単位を含む高分子化合物を含有することがより好ましい。弾性体が上記高分子化合物を含有することにより、変形部材412とダイヤモンドライクカーボン層413との密着性が向上する傾向がある。上記分子構造を有する高分子化合物としては、例えばフッ素ゴム、芳香族ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、フェノール樹脂等が挙げられる。なお、本明細書において、Asker−C硬度は、温度23℃、相対湿度65%で測定された値を意味する。
図3において、ホルダーインナー415は、固定部材42の軸線方向から視た際の形状が両端に凹部を有する略H型形状となっている。また、ホルダーインナー415の一端の凹部にはプレート部材411が埋設され、他端の凹部にはブラケットインナー416が配置されている。ホルダーインナー415は、加圧部材44の圧力に抗してプレート部材411を固定又は支持するように配置されている。
図3において、ニップ形成部材410に含まれる支持部材はホルダーインナー415であり、ホルダーインナー415は、変形部材412の側面(変形部材412とダイヤモンドライクカーボン層413との界面に対して垂直な方向における、変形部材412の側面)、及び、変形部材412のダイヤモンドライクカーボン層413と反対側の面を覆っている。支持部材は、必ずしもホルダーインナー415のような形状及び配置を有していなくてもよく、変形部材412における回転部材408の回転方向下流Qb側に位置する側面Xを少なくとも覆い、回転部材408の回転方向Qへの変形部材412の移動を妨げるように配置されていればよい。図3において、支持部材はホルダーインナー415のみから構成されるが、ホルダーインナー415に加えて別の部材を含んで構成されていてもよい。プレート部材411の表面には、摺動に伴って回転部材408の回転方向Qへのせん断応力が生じ得る。当該せん断応力はダイヤモンドライクカーボン層413又はプレート部材411を回転部材408の回転方向Qへ移動させるように作用する。その結果、プレート部材が変形しやすくなり、ダイヤモンドライクカーボン層413が変形部材412から剥がれやすくなる。しかし、本実施形態では、上記支持部材(ホルダーインナー415)の配置により、ダイヤモンドライクカーボン層413又はプレート部材411が移動すること、プレート部材411が回転部材408の回転に巻き込まれて変形することを抑制し、さらに、ダイヤモンドライクカーボン層413が変形部材412から剥がれることを抑制することができる。支持部材は、ホルダーインナー415のように、変形部材412の側面Xの少なくとも一部を覆っていればよいが、側面Xの面積の50%以上を覆っていることが望ましく、80%以上を覆っていることがより望ましい。
ホルダーインナー415及びブラケットインナー416を構成する材料としては、プレート部材411の移動を抑制し、プレート部材411を加圧部材44の圧力に十分抗して支持する観点から、例えば鉄、ステンレス、アルミニウム、液晶ポリマー、熱可塑性ポリエステル、ポリアミドイミド等が挙げられる。
回転部材408は、基材として、例えばステンレスやニッケル等の金属やポリイミド等の合成樹脂から形成される。回転部材408の外周面にはPFA等の離型層が積層されていてもよい。また、回転部材408の内周面(最内面)には、熱伝導性の観点から、金属層が積層されていてもよい。回転部材408の内周面に形成された金属層の表面における算術平均粗さRaは、安定して生産できる最小のRaが0.3〜0.8程度であることから、0.8μm以下であることが好ましい。回転部材408の内周面はニップ形成部材410と摺動することから、金属層の表面粗さを低くすることにより、変形部材412の突起の根元にかかる力を一層低減でき、剥がれや毟れの発生を低減できる傾向がある。上記金属層は黒色金属層であることが好ましい。ここで、「黒色」とは波長1μmにおける光の吸収率が70%以上であることを示す。上記吸収率は好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上である。金属層が黒色であると、無色に対して5%程度の熱の吸収効率がアップすることにより、加熱体406であるランプの光をより高く吸収することができ、より効率よく定着ニップ部Nを加熱することができる傾向がある。黒色金属層を構成する材料としては、四三酸化鉄等が挙げられる。回転部材408の基材の厚さは例えば40μmであり、金属層の厚さは一般的には10μm以上である。しかし、金属層の厚さが10μm以上であれば、熱容量が25%程度アップして、同比率で、温度上昇の立ち上りが遅くなる傾向がある。したがって、温度上昇の立ち上り公差を10%以内にするため、金属層の厚さは4μm以下であることが好ましい。金属層の厚さの下限値は特に制限されないが、例えば0.5μmである。
変形部材412は、図4に示すように、弾性体412aに加えてさらに中間層412bを含んでいてもよい。図4において、弾性体412a上に中間層412bが形成され、中間層412b上にダイヤモンドライクカーボン層413が設けられている。この場合、変形部材412のダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面に中間層412bを含むことから、中間層412bは、ダイヤモンドライクカーボン層413と接する側の表面において、上述と同様の算術平均粗さRaを有している。中間層412bは、ダイヤモンドライクカーボン層413と接する側の表面において、上述と同様のスキューネスRsk又はクルトシスRkuをさらに有することが好ましい。ダイヤモンドライクカーボン層413が被覆される中間層412bは、非金属材料からなることが好ましく、分子構造の主骨格(主鎖)に、−(CF)−で表される2価の基又はベンゼン環を有する高分子化合物を含有することがより好ましく、主骨格に−(CF)−で表される2価の基又はベンゼン環を有する繰り返し単位を含む高分子化合物を含有することがさらに好ましい。中間層412bが上記高分子化合物を含有する場合、変形部材412とダイヤモンドライクカーボン層413との密着性を向上できる傾向がある。したがって、弾性体による定着ニップ部Nの拡大の効果を得ながら、ダイヤモンドライクカーボン層による十分な摩耗抑制の効果を得ることができる。
−(CF)−で表される2価の基を有する高分子化合物としては、例えばフッ素ゴム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(PFA)等が挙げられる。また、フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系(FKM)、テトラフルオロエチレン−プロピレン系(FEPM)、テトラフルオロエチレン−パープルオロビニルエーテル系(FFKM)等のフッ素ゴムが挙げられる。ベンゼン環を有する高分子化合物としては、例えばエポキシ樹脂(EP)、フェノール樹脂(PF)、ポリイミド(PI)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)等が挙げられる。弾性体412aには、図3における弾性体として上述した材料をいずれも用いることができる。弾性体412aがシリコーンゴムを含有する場合、中間層412bはフッ素ゴムを含有することが好ましく、[−CHCH−][−CF−CF(CF)−]で表される構造を有するフッ素ゴムを含有することがより好ましい。弾性体が上記フッ素ゴムを含有する場合、弾性体412aにシリコーンゴムを用いたとしても、変形部材412とダイヤモンドライクカーボン層413との良好な密着性を得ることができる傾向がある。なお、中間層412bはシリコーンゴム等を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
ここで、ダイヤモンドライクカーボンと下記表1に記載の材料との密着性を確認した結果を示す。下記表1に記載の材料を用いたシートを作製し、算術平均粗さRaが2.0μmとなるように研磨した。当該シートの研磨した面上に厚さ1.0μmのダイヤモンドライクカーボン層を形成し、積層体を作製した。積層体のダイヤモンドライクカーボン層側の面を用紙(ハンコック紙製、75gA4用紙、miilk)に対して、荷重9.8Nで押し付け、荷重下で積層体を用紙上で5往復させた。その後、ダイヤモンドライクカーボン層の剥がれを目視にて確認し、下記基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
A:剥がれなし。
B:剥がれあり。
Figure 2017116804
中間層412bの平均線膨張係数は、温度0〜180℃において、ダイヤモンドライクカーボン層413の平均線膨張係数より大きく、弾性体412aの平均線膨張係数より小さいことが好ましい。弾性体412a、中間層412b及びダイヤモンドライクカーボン層413は、加熱により膨張する。弾性体412aの線膨張係数は大きく、ダイヤモンドライクカーボンの線膨張係数は小さいため、加熱と冷却とを繰り返すと、線膨張係数差による歪が生じ、ダイヤモンドライクカーボン層413が変形部材412から剥がれやすくなる傾向がある。また、弾性体412aがシリコーンゴムを含有する場合、シリコーンゴムにクラックが発生することがある。中間層412bが、ダイヤモンドライクカーボンと弾性体412aの間の平均線膨張係数を有することにより、中間層412bが弾性体412aとダイヤモンドライクカーボン層413との緩衝材の役割を担い、弾性体412aによる定着ニップ部Nの拡大の効果と、ダイヤモンドライクカーボン層413による離型性及び摩耗抑制の効果との両方を得やすくなる傾向がある。
なお、弾性体412aの温度0〜180℃における平均線膨張係数は、例えば2.5〜4.0×10−4/℃である。ダイヤモンドライクカーボン層413の温度0〜180℃における平均線膨張係数は、例えば2.0〜4.1×10−6/℃である。したがって、中間層412bの温度0〜180℃における平均線膨張係数は、例えば1.3〜3.5×10−5/℃であることが好ましい。
次に、プレート部材411の製造方法について説明する。図4におけるプレート部材411は、例えば成形された弾性体(単に弾性体ということがある)を得て、上記弾性体の一面上に中間層を形成し、上記中間層上にダイヤモンドライクカーボン層を形成することにより製造することができる。成形された弾性体は、成形型等を用いた一般的な方法により得ることができ、市販のゴムシートを購入して得てもよい。中間層は、例えば中間層を構成する材料の溶液又は分散液等を塗布、乾燥することにより、上記成形体の一面上に形成することができる。中間層がフッ素ゴムからなる層である場合、中間層は、例えば弾性体の一面上にフッ素ラテックスを塗布、乾燥することにより形成されることが好ましい。ここで、形成された中間層のダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面の表面粗さが大きい場合には、表面を直接研磨する等の方法により表面粗さを調整することができる。また、研磨した成形型にて中間層を成形する等の方法により、中間層の表面粗さを調整することもできる。上記のように得られた中間層の厚さは、金属の場合、例えば10〜30μmであり、樹脂の場合、例えば30〜200μmである。ダイヤモンドライクカーボン層は、表面粗さが調整された中間層412b上に、化学蒸着、スパッタリング等により形成することができる。なお、プレート部材411が中間層を備えない場合には、例えば弾性体の成形体の一面の表面粗さを、直接研磨する、又は、研磨した成形型にて弾性体を成形する等の方法により調整し、表面粗さを調整した弾性体の成形体の一面上にダイヤモンドライクカーボン層を直接形成すればよい。
プレート部材411が中間層412bを備える場合、プレート部材411(弾性体412a、中間層412b及びダイヤモンドライクカーボン層413)は、基材と当該基材上に形成されたダイヤモンドライクカーボン層とを備えるシート材を準備し、上記シート材を成形型中にダイヤモンドライクカーボン層が成形型の内壁面と対向するように配置し、成形型に弾性体となる液状又はペースト状材料を流し込み、必要に応じて加熱することによっても製造することができる。この場合、基材は中間層412bとなり、成形型内で液状又はペースト状の材料が硬化して弾性体412aとなる。
シート材は、例えば薄膜の樹脂からなる基材に蒸着やスパッタリング等によりダイヤモンドライクカーボン層を形成して得ることができる。このとき、基材(中間層412b)のダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面の算術平均粗さRa、スキューネスRsk、又はクルトシスRkuを調整するために、研磨やエッチング等を行ってもよい。
また、シート材の基材側(ダイヤモンドライクカーボン層と反対側)の表面(すなわち、中間層412bの弾性体412a側の表面)は、研磨、エッチング等により、粗化されている(粗化面である)ことが好ましい。シート材の基材側の表面が粗化されていることにより、シート材と弾性体との間の密着性がアンカー効果によって向上する傾向がある。さらに、シート材の基材側の表面(粗化面)の濡れ張力が、50dyne/cm以上であることが好ましい。基材表面の濡れ張力が50dyne/cm以上であることにより、アンカー効果が得られ、弾性体から基材を剥がしたときに、剥離が弾性体と基材との界面破壊ではなく、弾性体の凝集破壊を伴って起こりやすくなり、基材と弾性体との密着性をさらに向上できる傾向がある。図8は、シート材の基材側の表面の濡れ張力と弾性体(ゴム)破壊率との関係を示すグラフである。ここで、ゴム破壊率とは、弾性体と基材との全接着面積に対する、弾性体からの基材の剥離に弾性体の凝集破壊を伴った面積の割合を示す数値である。図8に示すように、シート材の基材側の表面の濡れ張力が、50dyne/cm以上であるとき、高いゴム破壊率が得られる。
上記シート材の厚さ(すなわち、中間層412b及びダイヤモンドライクカーボン層413の合計の厚さ)は樹脂基材では70μm以上であってもよい。シート材の厚さが70μm未満であると、成形時の弾性体の応力に負けて、シート材にシワが発生することがある。シート材の厚さが70μm以上であることにより、弾性体の成形時にシート材が変形することを抑制しやすくなる傾向がある。シート材の変形を抑制する観点からは、基材側の表面にプライマー層を形成したシート材を用いてもよい。
弾性体がシリコーンゴムである場合、成形型に流し込む液状又はペースト状材料としては、室温で硬化可能(加硫可能)なRTV(Room Temperature Vulcanizable)型シリコーンゴム、室温加硫と高温加硫の間の温度で硬化可能なLTV(Low Temperature Vulcanizable)型シリコーンゴム等が挙げられる。
図2において、加圧部材44は、固定部材42(回転部材408)の外周面に接するように配置されたローラ部材であり、固定部材42と協働して、用紙Pに転写されたトナー像Tに対して圧力を付与することでトナー像Taを用紙Pに定着させる。加圧部材44は、ステンレス等の金属材料が円筒状に形成された芯金44aと、芯金44aの外周に積層された弾性層44bとを含んでいる。加圧部材44は、弾性層44bの外周にさらに離型層(不図示)を積層してもよい。加圧部材44の構成は上記に限定されない。
弾性層44bは、例えばシリコーンゴム又はフッ素ゴム等の弾性を有する材料から構成されている。離型層は、例えばPFAやPTFE等のフッ素樹脂フィルム又はコーティングといった離型性を有する材料から構成されている。このような構成を備えた加圧部材44は、回転軸にギアを介して接続された駆動部により、例えば矢印Sで示されるように時計回りに回転する。なお、ニップ形成部材410と加圧部材44との間には、回転部材408を介して、定着ニップ部Nが形成される。弾性層44bの荷重9.8NでのAsker−C硬度は、汎用性があるシリコーンゴムの上限近辺である70度以下であることが好ましい。また、弾性層44bの荷重9.8NでのAsker−C硬度は、汎用性があるシリコーンゴムの下限近辺である50度以上であることが好ましい。弾性層44bのAsker−C硬度が上記範囲内にあることにより、弾性層44bが加圧により変形し、定着ニップ部Nが拡大しやすく、且つ、回転部材408から用紙Pを分離し易い形状を維持しやすくなる。
ただし、加圧部材44を構成する弾性層44bと、変形部材412を構成する弾性体の両方が軟らかいと、定着ニップ部Nの形状が不安定となり、用紙Pが定着ユニット40に搬送される際に不規則に変形し、シワ等の発生の原因となる場合がある。したがって、変形部材412に含まれる弾性体の厚さは、例えば0.5〜10mmであることが好ましく、0.5〜3mmであることがより好ましい。変形部材412に含まれる弾性体の厚さを10mm以下とすることにより、弾性層44bの変形によって広い定着ニップ部Nを得ながら、弾性体の過度の変形を抑制し、定着ニップ部Nの形状を安定化することができる傾向がある。
1…画像形成装置、40…定着ユニット、42…固定部材、44…加圧部材、408…回転部材、410…ニップ形成部材、412…変形部材、413…ダイヤモンドライクカーボン層、415…ホルダーインナー(支持部材)、N…定着ニップ部、W…摺動面、V…定着ニップ部を形成しない領域。

Claims (19)

  1. 像担持体上に静電転写された未定着画像を加熱及び加圧することにより前記像担持体に定着させる定着装置であって、
    周方向に回転する回転部材、及び、その内周面に接して当該内周面と摺動する摺動面を有する1つ以上のニップ形成部材を含む固定部材と、
    前記回転部材の外周面の一部に接する加圧部材と、
    を備え、
    前記ニップ形成部材及び前記加圧部材により、前記回転部材を介して、定着ニップ部が形成されており、
    前記ニップ形成部材は、前記摺動面を形成するダイヤモンドライクカーボン層、前記ダイヤモンドライクカーボン層上に設けられ且つ弾性体を含む変形部材、及び、前記変形部材における前記回転部材の回転方向下流側に位置する側面の少なくとも一部を覆い、前記回転部材の回転方向への前記変形部材の移動を妨げるように配置された支持部材を有し、
    前記ダイヤモンドライクカーボン層は、前記回転部材の回転方向上流側の端部に、前記定着ニップ部を形成しない領域を有し、
    前記変形部材の、前記ダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面の算術平均粗さRaが1μm以下である、定着装置。
  2. 前記変形部材がさらに中間層を含み、
    前記変形部材は、前記ダイヤモンドライクカーボン層上に、前記中間層と前記ダイヤモンドライクカーボン層とが接するように設けられており、
    前記中間層は、分子構造の主骨格に、−(CF)−で表される2価の基又はベンゼン環を有する高分子化合物を含有する、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記弾性体はシリコーンゴムを含有し、前記中間層はフッ素ゴムを含有する、請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記中間層の前記弾性体側の表面が、濡れ張力が50dyne/cm以上である粗化面である、請求項2又は3に記載の定着装置。
  5. 前記中間層及び前記ダイヤモンドライクカーボン層の合計の厚さが70μm以上である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 前記中間層の平均線膨張係数が、前記ダイヤモンドライクカーボン層より大きく且つ前記弾性体より小さい、請求項2〜5のいずれか一項に記載の定着装置。
  7. 前記変形部材は、前記ダイヤモンドライクカーボン層上に、前記弾性体と前記ダイヤモンドライクカーボン層とが接するように設けられており、
    前記弾性体は、分子構造の主骨格に、−(CF)−で表される2価の基又はベンゼン環を有する高分子化合物を含有する、請求項1に記載の定着装置。
  8. 前記変形部材の、前記ダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面の算術平均粗さRaが0.7μm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の定着装置。
  9. 前記回転部材は内周面に設けられた金属層を含み、前記金属層の表面の算術平均粗さRaが0.8μm以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の定着装置。
  10. 前記金属層の厚さは4μm以下である、請求項9に記載の定着装置。
  11. 前記金属層は黒色金属層である、請求項9又は10に記載の定着装置。
  12. 前記変形部材の、前記ダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面のスキューネスRskが0.5未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の定着装置。
  13. 前記変形部材の、前記ダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面のスキューネスRskが0.3未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の定着装置。
  14. 前記変形部材の、前記ダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面のクルトシスRkuが6未満である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の定着装置。
  15. 前記変形部材の、前記ダイヤモンドライクカーボン層と接する側の表面のクルトシスRkuが4未満である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の定着装置。
  16. 前記加圧部材は円筒状の芯金と当該芯金の外周に積層された弾性層とを含み、
    前記固定部材を構成する前記弾性体の荷重9.8NでのAsker−C硬度が50度以下であり、
    前記加圧部材を構成する前記弾性層の荷重9.8NでのAsker−C硬度が50度以上である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の定着装置。
  17. 単色画像形成装置用である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の定着装置。
  18. カラー画像形成装置用である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の定着装置。
  19. 前記回転部材の内周面に潤滑剤を使用しない、請求項1〜18のいずれか一項に記載の定着装置。
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