JP6794130B2 - 2液式発泡エアゾール組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、油性発泡エアゾール組成物および2液式発泡エアゾール組成物に関する。より詳細には、本発明は、吐出されることにより、長時間にわたって適度な温感が得られる油性発泡エアゾール組成物および2液式発泡エアゾール組成物に関する。
従来、吐出後に発熱するエアゾール組成物が開発されている。特許文献1には、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオール、液体の油性成分を含有し、実質的に水を含まず、温感が得られる泡沫化粧料が開示されている。特許文献2には、1)遷移金属またはアルカリ土類金属の金属酸化物を含む組成物と、2)酸性物質を含む組成物を構成要素とする化粧料であって、1)、2)またはそれ以外の組成物中に発泡剤を含有する発泡化粧料が開示されている。特許文献3には、金属ハロゲン化物と油性オイルからなるペースト状の発熱製剤が開示されている。この発熱製剤は、塩化マグネシウムなどの金属ハロゲン化物が水と接触して溶解することによって発熱する。
特開2006−8574号公報 特開2002−47136号公報 特開2004−250440号公報
特許文献1に記載の泡沫化粧料は、皮膚に塗布した場合に、皮膚上の水分と水和して水和熱を発し、これにより温熱効果を奏する。しかしながら、この泡沫化粧料は、皮膚の濡れ具合等によって温感に大きな差が生じ、適度な温感が得られない場合がある。また、特許文献2に記載の発泡化粧料は、金属酸化物(酸化マグネシウム)と酸性物質とを反応させることにより温熱効果を奏する。しかしながら、この発泡化粧料は、吐出時はジェルまたはクリーム状であり、その後フォームを形成する。その結果、この発泡化粧料は、金属酸化物と酸性物質とが接触しやすく、短時間で発熱し、その後、効果が持続しにくい。さらに、特許文献3に記載の発熱製剤は、発熱量が大きい。また、この発熱製剤は、ペースト状であるため水と接触しやすく、短時間で発熱する。その結果、この発熱製剤は、火傷する虞があり、かつ、温感が持続しない。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、吐出されることにより、長時間にわたって適度な温感が得られる油性発泡エアゾール組成物および2液式発泡エアゾール組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の油性発泡エアゾール組成物および2液式発泡エアゾール組成物には、以下の構成が主に含まれる。
(1)第1のエアゾール容器から吐出して使用される油性発泡エアゾール組成物であり、油性原液と、液化ガスとを含み、前記油性原液は、油性溶媒と第1の界面活性剤とを含む油性基材と、前記油性基材に分散され、水と接触することにより発熱する発熱成分と、を含む油性発泡エアゾール組成物。
このような構成によれば、油性発泡エアゾール組成物は、吐出されることにより、発泡し、油性フォームを形成する。発熱成分は、油性フォーム中に分散するとともに、吐出前と比較して密度が低下する。また、油性フォームの液膜は、外部の水分との接触を抑制する。その結果、本発明の油性発泡エアゾール組成物によれば、急激な発熱が起こらず、やけど等を起こさない。また、吐出された油性フォームは経時的に消泡するため、油性フォーム中の発熱成分の密度が経時的に高くなり、徐々に外部の水分と接触しやすくなり、温熱効果が長く感じられる。さらに、温熱効果を発現した油性フォームは、気泡によって熱が発散しにくい。その結果、適度な温感効果が長時間発現する。また、使用者は、たとえば、油性フォームに剪断を加えることによって、油性フォームを消泡させることが可能である。油性フォームが消泡することにより、発熱成分と外部の水分との接触が促される。その結果、本発明の油性発泡エアゾール組成物は、所望の温度に発熱するよう調整されやすい。
(2)前記発熱成分の含有量は、前記油性原液中5〜30質量%であり、前記第1のエアゾール容器から吐出されることにより油性フォームを形成し、前記油性フォームの泡密度は、0.05〜0.30g/mlである、(1)記載の油性発泡エアゾール組成物。
このような構成によれば、油性発泡エアゾール組成物は、吐出後に熱くなりすぎず、適度な温感がより持続しやすい。
(3)(1)または(2)記載の油性発泡エアゾール組成物と、第2のエアゾール容器から吐出して使用される水性発泡エアゾール組成物とからなり、前記水性発泡エアゾール組成物は、水性原液と、発泡剤とを含み、前記水性原液は、水と、第2の界面活性剤とを含む、2液式発泡エアゾール組成物。
このような構成によれば、油性発泡エアゾール組成物は、吐出されることにより、発泡し、油性フォームを形成する。また、水性発泡エアゾール組成物は、吐出されることにより、発泡し、水性フォームを形成する。発熱成分は、油性フォーム中に分散するとともに、吐出前と比較して密度が低下する。また、油性フォームと水性フォームとは、相溶しにくい。そのため、油性フォーム中の発熱成分は、水性フォーム中の水分と接触させる際に、どの程度接触させるか調整されやすい。その結果、2液式発泡エアゾール組成物は、急激に発熱しにくく、やけど等を起こさない。また、吐出された油性フォームと水性フォームとは、いずれも経時的に消泡する。そのため、油性フォーム中の発熱成分の密度が経時的に高くなるとともに、発熱成分は、徐々に水性フォーム中の水分と接触しやすくなり、温熱効果が長く感じられる。さらに、温感効果を発現した油性フォームは、気泡によって熱が発散しにくい。その結果、適度な温感効果が長時間発現する。また、使用者は、たとえば、油性フォームおよび水性フォームを混ぜ合わせるように剪断を加えることによって、油性フォームを消泡させるとともに、発熱成分を水性フォーム中の水と接触させることが可能である。その結果、本発明の2液式発泡エアゾール組成物は、所望の温度に発熱するよう調整されやすい。
(4)前記発泡剤は、液化ガスであり、前記水性発泡エアゾール組成物は、前記第2のエアゾール容器から吐出されることにより水性フォームを形成し、前記水性フォームの泡密度は、0.01〜0.20g/mlである、(3)記載の2液式発泡エアゾール組成物。
このような構成によれば、水性フォームは、油性フォームとの接触状態を調整しやすい。その結果、発熱成分による適度な発熱が持続されやすい。
(5)前記発泡剤は、圧縮ガスであり、前記水性発泡エアゾール組成物は、前記第2のエアゾール容器から吐出されることにより水性フォームを形成し、前記水性フォームの泡密度は、0.10〜0.50g/mlである、(3)記載の2液式発泡エアゾール組成物。
このような構成によれば、水性フォームは、油性フォームとの接触状態を調整しやすい。その結果、発熱成分による高い温熱効果が得られやすい。
本発明によれば、吐出されることにより、長時間にわたって適度な温感が得られる油性発泡エアゾール組成物および2液式発泡エアゾール組成物を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態(第1の実施形態)の2液式発泡エアゾール製品の模式的な断面図である。 図2は、吐出部材の平面図である。 図3は、本発明の一実施形態(第2の実施形態)の2液式発泡エアゾール製品の模式的な断面図である。 図4は、実施例1〜5および比較例1〜2に関する温度の経時変化の評価結果を示すグラフである。 図5は、実施例2および比較例1〜2に関する温度の経時変化の評価結果を示すグラフである。
[油性発泡エアゾール組成物]
本発明の一実施形態の油性発泡エアゾール組成物について詳細に説明する。本実施形態の油性発泡エアゾール組成物は、エアゾール容器(後述する第1のエアゾール容器)に加圧充填され、エアゾール容器から吐出して使用される。油性発泡エアゾール組成物は、油性原液と、液化ガスとを含む。以下、それぞれについて説明する。
(油性原液)
油性原液は、油性基材と、発熱成分とを含む。油性基材は、油性溶媒と第1の界面活性剤とを主に含む。
・油性溶媒
油性溶媒は、油性原液の主成分であり、吐出されると液化ガスにより発泡され、油性フォームの液膜を構成する。油性溶媒としては、25℃で液状であるものが例示される。より具体的には、油性溶媒は、エステル油、油脂等である。
エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソオクタン酸セチル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2−エチルへキサン酸トリメチロールプロパン、ネオペンタン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、クエン酸トリエチル、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエトキシエチル等が例示される。
油脂としては、オリーブ油、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、麦芽油、ヤシ油、パーム油等が例示される。
油性溶媒の含有量は、油性原液中、60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましい。また、油性溶媒の含有量は、油性原液中、93質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。油性溶媒の含有量が60質量%未満である場合、得られる油性フォームの発泡性が悪くなり、油性フォームが持続しにくく、発熱成分が水と接触しやすくなる傾向がある。一方、油性溶媒の含有量が93質量%を超える場合、第1の界面活性剤や発熱成分を必要量含有させにくくなる傾向がある。
・第1の界面活性剤
第1の界面活性剤は、油性フォームを形成し、発熱成分の水との接触を調整する目的で配合される。第1の界面活性剤としては、モノラウリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノカプリン酸ジグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸ペンタグリセリル、モノミリスチン酸ペンタグリセリル、モノステアリン酸ペンタグリセリル、モノオレイン酸ペンタグリセリル、ヘキサステアリン酸ペンタグリセリル、トリミリスチン酸ペンタグリセリル、トリオレイン酸ペンタグリセリル、モノラウリン酸デカグルセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸POEグリセリル、モノオレイン酸POEグリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEイソセチルエーテル、POEイソステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコールなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリン酸POEセチルエーテル、イソステアリン酸POEラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、モノヤシ油脂肪酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノオレイン酸POEソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノラウリン酸POEソルビット、テトラステアリン酸POEソルビット、テトラオレイン酸POEソルビットなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤等が例示される。これらの中でも、油性基剤を発泡させやすい点から、第1の界面活性剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルであることが好ましい。
第1の界面活性剤の含有量は、油性原液中、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。また、第1の界面活性剤の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。第1の界面活性剤の含有量が1質量%未満である場合、吐出物は、発泡性が低く、フォームを形成しにくい。一方、第1の界面活性剤の含有量が20質量%を超える場合、第1の界面活性剤は、吐出面に残りやすく、使用感が低下しやすい。
・発熱成分
発熱成分は、油性フォーム中に分散される粉体であり、外部の水や後述する水性フォーム中の水と接触することにより発熱し、温感を付与するために配合される。発熱成分としては、無水塩化マグネシウム、塩化カルシウム等が例示される。これらの中でも、発熱成分は、発熱効果が高い点から、無水塩化マグネシウムであることが好ましい。
発熱成分の含有量は、油性原液中、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、発熱成分の含有量は、油性原液中、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。発熱成分の含有量が5質量%未満である場合、油性フォームは、充分な温感が得られにくくなる傾向がある。一方、発熱成分の含有量が30質量%を超える場合、油性フォーム中の発熱成分の密度が高くなり、水と接触しやすく、発熱温度が高くなりすぎ、温熱効果が持続しにくくなる傾向がある。
・任意成分
油性基材は、上記した油性溶媒および第1の界面活性剤のほかに、製品の性能や目的などに応じて、有効成分、上記エステル油以外の油性成分、発熱成分以外の粉体等が配合されてもよい。
有効成分としては、パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルトリアゾン、オクトクレリン、オキシベンゾン、ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、パラアミノ安息香酸などの紫外線吸収剤、レチノールなどの油溶解ビタミン、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤などの洗浄成分、香料等が例示される。
上記したエステル油以外の油性成分としては、ケロシン、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、イソパラフィンなどの炭化水素油、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シクロペンタシロキサンなどのシリコーンオイル、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、ラノリンアルコール、ヘキシルドデカノール、セトステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸などの高級脂肪酸、ミツロウ、ラノリン、カンデリラロウ、カルナウバロウなどのロウ類等が例示される。
後述する発熱成分以外の粉体としては、タルク、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、シリカ、ゼオライト、セラミックパウダー、炭粉末、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、シリコーンパウダー、ポリエチレンパウダー等が例示される。
油性原液の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、油性原液は、油性溶媒に第1の界面活性剤や、適宜の任意成分を添加して油性基剤を調製し、これに発熱成分を添加して分散させることにより調製することができる。
油性原液の含有量は、油性発泡エアゾール組成物中、70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。また、油性原液の含有量は、油性発泡エアゾール組成物中、97質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。油性原液の含有量が70質量%未満である場合、得られる油性フォームが粗くなって壊れやすく、発熱成分が水と急激に接触しやすくなる傾向がある。一方、油性原液の含有量が97質量%を超える場合、油性フォームの発泡が小さく油性フォーム中の発熱成分の密度が大きくなり、水と接触しやすく、温感が持続しにくくなる傾向がある。
(液化ガス)
液化ガスは、外部に吐出されると気化して油性原液を発泡させて油性フォームを形成し、吐出物中の発熱成分の密度を小さくして水との接触を調整する等の目的で配合される。液化ガスとしては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンおよびこれらの混合物である液化石油ガス、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン、トランス−2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンなどのハイドロフルオロオレフィン、ジメチルエーテル、およびこれらの混合物等が例示される。
液化ガスの含有量は、油性発泡エアゾール組成物中、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、液化ガスの含有量は、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。液化ガスの含有量が3質量%未満である場合、油性フォームの発泡性が不充分となり、油性フォーム中の発熱成分の密度が大きくなり、水と接触しやすく、温感が持続しにくい傾向がある。一方、液化ガスの含有量が30質量%を超える場合、油性フォームが粗くなって壊れやすく、発熱成分が水と急激に接触しやすくなる傾向がある。
本実施形態の油性発泡エアゾール組成物を調製する方法は特に限定されない。一例を挙げると、油性発泡エアゾール組成物は、周知のエアゾール容器内に油性原液を充填し、エアゾール容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、バルブから液化ガスを充填し、油性原液と液化ガスとを混合することにより調製することができる。また、エアゾールバルブのステムに吐出部材を取り付け、容器にキャップを取り付けることにより、エアゾール製品が製造され得る。
得られたエアゾール製品は、使用者によって吐出部材が操作されることにより、油性発泡エアゾール組成物が外部に吐出される。吐出された油性発泡エアゾール組成物は、液化ガスの気化により油性原液が発泡して油性フォームを形成する。油性フォームは、発熱成分と、外部の水分とが接触することにより発熱し、温熱効果を発現する。また、吐出された油性フォームは経時的に消泡するため、油性フォーム中の発熱成分の密度が経時的に高くなり、徐々に外部の水分と接触しやすくなる。そのため、油性フォームは、適度な温感効果を長時間持続させやすい。
得られる油性フォームは、25℃における泡密度が0.05g/ml以上であることが好ましく、0.07g/ml以上であることがより好ましい。また、25℃における泡密度は、0.30g/ml以下であることが好ましく、0.20g/ml以下であることがより好ましい。泡密度が上記範囲内にあり、かつ、発熱成分が油性原液中に5〜30質量%含有されている場合、エアゾール製品は、油性フォーム中に発熱成分を適切な濃度で分散させやすく、発熱成分と水との接触状態をより調整しやすく、適度な温熱効果を長時間持続させやすい。
なお、外部の水分は特に限定されない。一例を挙げると、油性フォームと混合される外部の水分は、水、水性ゲル、クリーム、水性フォーム等、市販のシェービングジェル、シェービングクリーム、シェービングフォーム、保湿ゲル、保湿クリーム、パックなど、水を含有するものを用いることができる。これらの中でも、特に発熱成分と水との接触状態を調整しやすい点から、水性フォームが好ましい。なお、好適な水性フォームについては後述する。
また、油性フォーム中の発熱成分と、外部の水分との接触は、たとえば使用者が油性フォームに剪断を加えることによって促されてもよい。すなわち、使用者は、たとえば、油性フォームに剪断を加えることによって油性フォームを消泡させるとともに、発熱成分と外部の水分との接触を促すことができる。その結果、油性発泡エアゾール組成物は、所望の温度に発熱するよう調整されやすい。
以上、本実施形態の油性発泡エアゾール組成物によれば、吐出されることにより、発泡し、油性フォームが形成される。油性フォーム中に分散された発熱成分は、外部の水分との接触が抑制されるため、急激な発熱が起こらず、やけど等を起こさない。また、吐出された油性フォームは経時的に消泡するため、油性フォーム中の発熱成分の密度が経時的に高くなり、徐々に外部の水分と接触しやすくなる。さらに、温熱効果を発現した油性フォームは、気泡によって熱が発散しにくい。その結果、適度な温感効果が長時間発現する。
[2液式発泡エアゾール組成物]
本発明の一実施形態の2液式発泡エアゾール組成物について詳細に説明する。本実施形態の2液式発泡エアゾール組成物は、上記した油性発泡エアゾール組成物と、水性発泡エアゾール組成物とからなる。
<水性発泡エアゾール組成物>
水性発泡エアゾール組成物は、エアゾール容器(後述する第2のエアゾール容器)に加圧充填され、エアゾール容器から吐出して使用される。水性発泡エアゾール組成物は、水性原液と、発泡剤とを含む。以下、それぞれについて説明する。
(水性原液)
水性原液は、水と、第2の界面活性剤とを主に含む。
・水
水は、水性原液の主成分であり、吐出されると第2の界面活性剤と発泡剤とにより発泡して水性フォームの液膜を構成する。水性フォームの液膜は、油性フォーム中の発熱成分を溶解し、発熱させる。また、水は、油分に溶解しない有効成分を溶解するための溶媒や、吐出される水性フォームの発泡性を向上させる等の目的で配合される。
水の含有量は、水性原液中、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。また、水の含有量は、水性原液中、99質量%以下であることが好ましく、98質量%以下であることがより好ましい。水の含有量が50質量%未満である場合、吐出物は、発泡性が悪くなり、水性フォームが持続しにくく、発熱成分と接触しやすくなる傾向がある。一方、水が99質量%を超える場合、第2の界面活性剤や他の成分を必要量含有させにくくなる傾向がある。
・第2の界面活性剤
第2の界面活性剤は、水性フォームを形成し、発熱成分と水との接触を調整する目的で配合される。第2の界面活性剤は、上記した第1の界面活性剤と同じであってもよく、異なっていてもよい。具体的には、第2の界面活性剤は、油性発泡エアゾール組成物で第1の界面活性剤として例示した非イオン性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、ラウリン酸カリウムなどの脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ラウリルリン酸などのアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸などのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン性界面活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなどのアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミンなどのポリオキシエチレンアルキルアミンなどの陽イオン型界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウリルベタイン)、ステアリルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタインなどのアルキルベタイン、ヤシ酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(コカミドプロピルベタイン)、コカミドプロピルヒドロキシスルタインなどの脂肪酸アミドプロピルベタインなどのベタイン型、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(ココアンホ酢酸)などのアルキルイミダゾール型、ラウリルジメチルアミンN−オキシド、オレイルジメチルアミンN−オキシドなどのアミンオキシド型などの両性界面活性剤;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などのシリコーン系界面活性剤;N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムおよびN−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩;N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸などのN−アシルグルタミン酸、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN−アシルグリシン塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニントリエタノールアミンなどのN−アシルアラニン塩などのアミノ酸系界面活性剤等が例示される。
第2の界面活性剤の含有量は、水性原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、第2の界面活性剤の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。第2の界面活性剤の含有量が0.1質量%未満である場合、吐出物は、発泡性が低く、水性フォームを形成しにくくなる傾向がある。一方、第2の界面活性剤の含有量が20質量%を超える場合、吐出面に残りやすく、使用感が低下しやすい傾向がある。
・任意成分
水性原液は、上記した水性溶媒および第2の界面活性剤のほかに、製品の性能や目的などに応じて、有効成分、アルコール、粘度調整剤、油性成分、粉体、着色料等が配合されてもよい。
有効成分は、油性フォーム中に含まれる有効成分の効果を補助したり、他の効果を得る等の目的で適宜配合される。有効成分としては、l−メントール、カンフル、ミントオイルなどの清涼剤;緑茶エキス、柿タンニン、銀、ポリフェノールなどの消臭成分;ヒアルロン酸、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、レシチン、尿素、ホホバエステル等の保湿剤;アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、dl−α−トコフェロール、酢酸トコフェロール等のビタミン類;アラントインヒドロキシアルミニウム、クエン酸、乳酸、ミョウバン等の収斂剤;塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカイン、リドカイン等の局所麻酔剤;ジフェンヒドラミン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム等の抗炎症剤;クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛等の制汗成分;パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、感光素、パラクロルメタクレゾールなどの殺菌消毒剤;香料等が例示される。
アルコールは、水性フォームの発泡性および消泡性を調整し、油性フォーム中の発熱成分と水性フォーム中の水との接触を調整して温感を調整する等の目的で適宜配合される。
アルコールとしては、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数2〜3個の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グリセリンなどの炭素数が3〜5個の多価アルコール等が例示される。
アルコールが含有される場合の含有量は、水性原液中、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、アルコールの含有量は、水性原液中、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。アルコールの含有量が1質量%未満である場合、アルコールを配合することによる効果が充分に得られない傾向がある。一方、アルコールの含有量が40質量%を超える場合、水性フォームは、発泡しにくくなったり消泡が速くなりやすい傾向がある。
粘度調整剤は、水性原液の粘度を調整して水性フォームの発泡性および消泡性を調整し、油性フォーム中の発熱成分と水性フォーム中の水との接触を調整して温感を調整する等の目的で適宜配合される。粘度調整剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系高分子、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガム、ローカストビーンガムなどのガム質、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、デンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、デキストラン、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デキストリン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、変性ポテトスターチ、カルボキシビニルポリマー等が例示される。
粘度調整剤を含有される場合の含有量は、水性原液中、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、粘度調整剤の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。粘度調整剤の含有量が0.05質量%未満である場合、粘度調整剤を配合することにより所望される効果が充分に得られない傾向がある。一方、粘度調整剤の含有量が5質量%を超える場合、水性原液の粘度が高くなりすぎて、発泡しにくくなり、べたつきやすくなる傾向がある。
油性成分は、水性フォームの発泡性および消泡性を調整し、油性フォーム中の発熱成分と水性フォーム中の水との接触を調整して温感を調整する等の目的で適宜配合される。油性成分としては、油性発泡エアゾール組成物で例示したエステル油、油脂、炭化水素油、シリコーンオイル、高級アルコール、高級脂肪酸、ロウ類等が例示される。
粉体は、油性フォームによるべたつきを低減する等、使用感を向上させる目的で適宜配合される。粉体としては、油性発泡エアゾール組成物で例示したものが同様に使用され得る。
着色料は、水性フォームを着色して油性フォームと区別しやすくする等の目的で適宜配合される。着色料としては、アマランス(赤色2号)、レゾルシンブラウン(かっ色201号)、オレンジI(だいだい色402号)、サンセットイエロー(黄色5号)、ファストグリーン(緑色3号)、ブリリアントブルーFCF(青色1号)、インジゴカルミン(青色2号)、アリズロールパープル(紫色401号)、ナフトールブルーブラック(黒色401号)等が例示される。
水性原液の調製方法は特に限定されない。一例を挙げると、水性原液は、水に第2の界面活性剤や、適宜の任意成分を添加することにより調製することができる。
水性原液の含有量は、後述する発泡剤として液化ガスが使用される場合には、水性発泡エアゾール組成物中、70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。また、水性原液の含有量は、水性発泡エアゾール組成物中、97質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。水性原液の含有量が70質量%未満である場合、得られる水性フォームが粗くなって壊れやすく、発熱成分が水と急激に接触しやすくなる傾向がある。一方、水性原液の含有量が97質量%を超える場合、水性フォームの発泡が小さくなり、油性フォーム中の発熱成分と接触しやすく、温感が持続しにくくなる傾向がある。
(発泡剤)
発泡剤は、水性原液を発泡させて水性フォームを形成する等の目的で配合される。発泡剤としては、液化ガス、圧縮ガスが例示される。
・液化ガス
液化ガスは、外部に吐出されると気化して水性原液を発泡させて水性フォームを形成し、油性フォーム中の発熱成分との接触を調整する等の目的で配合される。液化ガスとしては、油性発泡エアゾール組成物の実施形態で例示したものと同様のものが使用され得る。
液化ガスの含有量は、水性発泡エアゾール組成物中、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、液化ガスの含有量は、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。液化ガスの含有量が3質量%未満である場合、水性フォームの発泡性が不充分となり、油性フォーム中の発熱成分と接触しやすく、温感が持続しにくい傾向がある。一方、液化ガスの含有量が30質量%を超える場合、水性フォームが粗くなって壊れやすく、発熱成分が水と急激に接触しやすくなる傾向がある。
・圧縮ガス
圧縮ガスは、外部に吐出されると水性原液中に溶解していた圧縮ガスの気化により水性原液を発泡させて水性フォームを形成し、油性フォーム中の発熱成分との接触を調整する等の目的で配合される。圧縮ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化チッ素ガス、圧縮空気等が例示される。圧縮ガスの充填量は、充填後のエアゾール容器内部の圧力が0.5〜1.0MPa(25℃)となる量であることが好ましい。
本実施形態の水性発泡エアゾール組成物を調製する方法は特に限定されない。一例を挙げると、水性発泡エアゾール組成物は、発泡剤として液化ガスが使用される場合、周知のエアゾール容器内に水性原液を充填し、エアゾール容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、バルブから液化ガスを充填し、水性原液と液化ガスとを混合することにより調製することができる。また、エアゾールバルブのステムに吐出部材を取り付け、容器にキャップを取り付けることにより、エアゾール製品が製造され得る。
得られたエアゾール製品は、使用者によって吐出部材が操作されることにより、水性発泡エアゾール組成物が外部に吐出される。吐出された水性発泡エアゾール組成物は、液化ガスの気化により水性原液が発泡して水性フォームを形成する。得られる水性フォームは、25℃における泡密度が0.01g/ml以上であることが好ましく、0.02g/ml以上であることがより好ましい。また、25℃における泡密度は、0.20g/ml以下であることが好ましく、0.15g/ml以下であることがより好ましい。泡密度が上記範囲内にある場合、水性発泡エアゾール組成物は、油性フォームとの接触状態を制限しやすく、適度な温熱効果を長時間持続させやすい。
一方、発泡剤として圧縮ガスが使用される場合、水性発泡エアゾール組成物は、周知のエアゾール容器内に水性原液を充填し、エアゾール容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、バルブから圧縮ガスを充填し、圧縮ガスを水性原液に溶解させ、容器内の圧力を0.5〜1.0MPa(25℃)に調整することにより調製することができる。また、エアゾールバルブのステムに吐出部材を取り付け、容器にキャップを取り付けることにより、エアゾール製品が製造され得る。
得られたエアゾール製品は、使用者によって吐出部材が操作されることにより、水性発泡エアゾール組成物が外部に吐出される。吐出された水性発泡エアゾール組成物は、水性原液中に溶解していた圧縮ガスにより水性原液が発泡して水性フォームを形成する。得られる水性フォームは、25℃における泡密度が0.10g/ml以上であることが好ましく、0.15g/ml以上であることがより好ましい。また、25℃における泡密度は、0.50g/ml以下であることが好ましく、0.40g/ml以下であることがより好ましい。泡密度が上記範囲内にある場合、水性発泡エアゾール組成物は、油性フォームとの接触を促進しやすく、すぐれた温感が得られやすい。
以上、本実施形態の水性発泡エアゾール組成物は、上記した油性発泡エアゾール組成物中の発熱成分に対して、好適に水分を与え、発熱させ得る。
<2液式発泡エアゾール組成物の使用方法>
本発明の一実施形態の2液式発泡エアゾール組成物の使用方法について詳細に説明する。本実施形態の使用方法は、油性発泡エアゾール組成物中の発熱成分と、水性発泡エアゾール組成物中の水とを適切に反応させ得る使用方法であればよい。すなわち、油性発泡エアゾール組成物と水性発泡エアゾール組成物とは、互いに区画された空間を備える単一の容器に充填されて使用されてもよく、それぞれ別々のエアゾール製品として調製され、それらが同時に使用されてもよい。
(2液式発泡エアゾール製品の第1の実施形態)
図1は、本実施形態の2液式発泡エアゾール製品1の模式的な断面図である。本実施形態の2液式発泡エアゾール製品1は、2つのエアゾール容器(第1のエアゾール容器21および第2のエアゾール容器22)と、それぞれのエアゾール容器の開口部に固着されるエアゾールバルブ(第1のエアゾールバルブ31および第2のエアゾールバルブ32)と、それぞれのエアゾールバルブに装着される吐出部材4とを備える。以下、それぞれの構成について説明する。なお、2液式発泡エアゾール製品1の構成は、本実施形態に限定されない。そのため、以下に示される2液式発泡エアゾール製品1の構成は例示であり、適宜設計変更を行うことができる。また、以下の説明において、同様の構成には同じ参照符号を付し、説明を適宜省略する。
・第1のエアゾール容器21
第1のエアゾール容器21は、油性発泡エアゾール組成物A1を加圧充填するための耐圧容器である。第1のエアゾール容器21は、有底筒状であり、開口部に第1のエアゾールバルブ31を固着するための開口部が形成されている。第1のエアゾール容器21の材質は特に限定されない。一例を挙げると、第1のエアゾール容器21は、アルミニウムやブリキなどの金属、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂、耐圧ガラス等からなる。
・第2のエアゾール容器22
第2のエアゾール容器22は、水性発泡エアゾール組成物A2を加圧充填するための耐圧容器である。第2のエアゾール容器22は、上記した第1のエアゾール容器21と同様の形状、材質であってもよい。
・第1のエアゾールバルブ31
第1のエアゾールバルブ31は、第1のエアゾール容器21の開口部に保持されるマウンティングカップ51と、マウンティングカップ51の中央に保持されるハウジング52と、ハウジング52内に上下動自在に収容されるステム53と、ステム53に形成されたステム孔54を開閉するためのステムラバー55と、ステム孔54がステムラバー55によってシールされるようにステム53を常時上向きに付勢するスプリングと、その上面でマウンティングカップ51を覆い、その円筒状の外周部をエアゾール容器にクリンプして固着するカバーキャップを備える。ハウジング52の底面には、油性発泡エアゾール組成物A1をハウジング52内に取り込むための取込孔56が形成されている。また、ハウジング52の底面には、油性発泡エアゾール組成物A1をハウジング52内に取り込むためのディップチューブ57が取り付けられている。
なお、本実施形態の2液式発泡エアゾール製品1は、正立状態で使用することが想定されている。そのため、それぞれのエアゾール容器に充填(貯留)されたエアゾール組成物を取り出すためにディップチューブ57が設けられている。一方、倒立状態で使用される場合には、ディップチューブ57は、省略されてもよい。
・第2のエアゾールバルブ32
第2のエアゾールバルブ32は、第2のエアゾール容器22に取り付けられ、水性発泡エアゾール組成物A2を取り込むこと以外は、第1のエアゾールバルブ31と同様の構成である。
・吐出部材4
吐出部材4は、油性発泡エアゾール組成物A1および水性発泡エアゾール組成物A2を吐出するための部材である。吐出部材4は、第1のエアゾールバルブ31のステム53および第2のエアゾールバルブ32のステム53に装着される。図2は、吐出部材4の平面図である。吐出部材4は、第1のエアゾールバルブ31および第2のエアゾールバルブ32に取り付けられる本体部41と、本体部41の側周面に形成されたノズル部42と、それぞれのエアゾールバルブに装着され、2つのエアゾール容器を並列に連結し、かつ、本体部41の周囲を覆うカバー部材43とから主に構成される。ノズル部42の先端開口は、油性発泡エアゾール組成物A1および水性発泡エアゾール組成物A2が吐出される吐出孔44である。
図2に示されるように、吐出部材4の内部には、それぞれのエアゾールバルブから吐出孔44までを連通する通路(第1通路P1および第2通路P2)が形成されている。また、ノズル部42の内部は、隔壁45によって区画されている。これにより、第1通路P1を通過する油性発泡エアゾール組成物A1と、第2通路P2を通過する水性発泡エアゾール組成物A2とは、吐出孔44から略平行に吐出され得る。油性発泡エアゾール組成物A1と水性発泡エアゾール組成物A2とは、吐出されるまでは混合されることなく、吐出孔44から吐出された後に発泡し、接触し得る。これにより、油性発泡エアゾール組成物A1中の発熱成分は、水性発泡エアゾール組成物A2中の水と反応し、温熱効果を発現し得る。
なお、本実施形態の2液式発泡エアゾール製品1は、油性発泡エアゾール組成物A1および水性発泡エアゾール組成物A2の粘度や吐出量比等を調整することにより、吐出物の発現する温熱効果を調整し得る。なお、本実施形態の2液式発泡エアゾール製品1は、油性発泡エアゾール組成物A1と水性発泡エアゾール組成物A2とを別々に吐出する構成のほか、吐出部材4内において混合されるように通路の構成が変更されてもよい。
また、油性発泡エアゾール組成物A1および水性発泡エアゾール組成物A2を吐出孔44から吐出する際の方向は特に限定されない。一例を挙げると、油性発泡エアゾール組成物A1および水性発泡エアゾール組成物A2は、本実施形態で例示したように略平行に吐出されてもよく、所定の角度で互いに衝突する方向に吐出されてもよい。
さらに、隔壁45によって吐出孔44を区画する態様は特に限定されない。一例を挙げると、隔壁45は、本実施形態で例示したように吐出孔44を左右に区画するよう形成されている場合の他、油性発泡エアゾール組成物A1または水性発泡エアゾール組成物A2のいずれかが他方を覆うように上下に区画するよう形成されてもよく、油性発泡エアゾール組成物A1または水性発泡エアゾール組成物A2のいずれかが他方の内部に包含されるように二重円筒状に区画するよう形成されてもよい。
(2液式発泡エアゾール製品の第2の実施形態)
図3は、本実施形態の2液式発泡エアゾール製品1aの模式的な断面図である。本実施形態の2液式発泡エアゾール製品1aは、エアゾール容器の構造が第1の実施形態の2液式発泡エアゾール製品1(図1参照)と異なる以外は、第1の実施形態の2液式発泡エアゾール製品1と同様の構成である。そのため、重複する構成については同一の参照符号を付し、説明を適宜省略する。本実施形態の2液式発泡エアゾール製品1aのエアゾール容器6は、上下の2室に区画された上側容器61および下側容器62からなり、それぞれに油性発泡エアゾール組成物A1および水性発泡エアゾール組成物A2を非接触状態で収納し、かつ、同時に吐出することができる。
本実施形態の2液式発泡エアゾール製品1aは、エアゾール容器6(上側容器61および下側容器62)と、上側容器61および下側容器62を遮断する中栓7と、上側容器61の開口部に固着されるエアゾールバルブ33と、エアゾールバルブ33のハウジング52と中栓7とを連通するチューブ34と、エアゾールバルブ33のステム53aに装着される吐出部材4aとを主に備える。
エアゾール容器6は、中央にくびれ部63を有する。エアゾール容器6は、くびれ部63によって、上側容器61と下側容器62とに区画されている。
中栓7は、略円筒状の部材であり、上部に形成されたチューブ装着部71と、チューブ装着部71と下側容器62とを連通する下側連通路72とを有する。中栓7の側面には、くびれ部63と係合する係合突起73が形成されている。中栓7は、くびれ部63に挿入されると係合突起73がくびれ部63の上端および下端と係合することにより位置決めされ、上側容器61と下側容器62との連通を遮断する。また、中栓7は、係合突起73がくびれ部63と係合しているため、エアゾール容器が転倒または落下したり、充填持の圧力により衝撃が加わってもくびれ部63から外れにくい。
ハウジング52の下部は、チューブ34を介して下側容器62と連通している。ハウジング52の側面は、上側容器61と連通可能な上側連通路58が形成されている。
2液式発泡エアゾール製品1aの製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、まず、油性原液は、下側容器62に充填される。次いで、チューブ34を挿入している中栓7がくびれ部63に装着され、下側容器62が遮断される。さらに、水性原液は、上側容器61に充填される。エアゾールバルブ33をエアゾール容器6の開口部に被せてハウジング52とチューブ34を連結させる。次いで、ステムから液化ガスを充填する。なお、油性エアゾール組成物と水性エアゾール組成物が同じ液化ガスを等量使用する場合は、同時に上側容器と下側容器に充填することができる。油性エアゾール組成物と水性エアゾール組成物が異なる液化ガスを使用する場合や、水性エアゾール組成物が圧縮ガスを使用する場合は、ステム上端の開口部の一方を閉鎖して別々に充填する。なお、下側容器62および上側容器61に充填される内容物(油性発泡エアゾール組成物A1および水性発泡エアゾール組成物A2)は、逆であってもよい。
このような2液式発泡エアゾール製品1aは、たとえば使用者がエアゾール容器6を倒立状態にして吐出部材4aを押し下げると、下側容器62から油性発泡エアゾール組成物A1がチューブ34を通ってハウジング52内部に導入され、上側容器61から水性発泡エアゾール組成物A2がハウジング52側面の上側連通路58を通ってハウジング52内に導入される。本実施形態のステム53aは、二重円筒状であり、油性発泡エアゾール組成物A1および水性発泡エアゾール組成物A2がそれぞれ通過するステム内通路が形成されている。ハウジング52内に導入された油性発泡エアゾール組成物A1および水性発泡エアゾール組成物A2は、分離された状態でステム内通路を通過して吐出部材4aに送られ、吐出部材4a内で混合され、吐出孔44から同時に吐出される。本実施形態の2液式発泡エアゾール製品1aは、油性発泡エアゾール組成物A1および水性発泡エアゾール組成物A2の粘度や吐出量比等を調整することにより、吐出物の発現する温熱効果を調整し得る。なお、本実施形態の2液式発泡エアゾール製品1aは、油性発泡エアゾール組成物A1と水性発泡エアゾール組成物A2とを混合してから吐出する構成のほか、吐出部材4a内の内部通路を分岐させることにより、別々に吐出されるよう変更されてもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
(油性発泡エアゾール組成物1)
以下の処方にしたがって油性原液1を調製し、アルミニウム製耐圧容器に充填した。容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、エアゾールバルブから液化ガスを充填し、油性原液1と液化ガスとを混合して油性発泡エアゾール組成物1を調製した。
<油性原液1>
モノラウリン酸ジグリセリル 3.0
モノオレイン酸ジグリセリル 3.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 25.0
オリーブ油 54.0
無水塩化マグネシウム 15.0
合計 100.0(質量%)
<油性発泡エアゾール組成物1>
油性原液1 92.0
液化石油ガス(25℃での圧力:0.5MPa) 8.0
合計 100.0(質量%)
(油性発泡エアゾール組成物2)
油性原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填した。容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、エアゾールバルブから液化ガスを充填し、油性発泡エアゾール組成物2を調製した。25℃における容器内の圧力は0.6MPaであった。
<油性発泡エアゾール組成物2>
油性原液1 85.0
液化石油ガス(25℃での圧力:0.5MPa) 15.0
合計 100.0(質量%)
(油性エアゾール組成物3)
油性原液1をアルミニウム製耐圧容器に充填した。容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、エアゾールバルブから窒素ガスを充填し、油性エアゾール組成物3を調製した。25℃における容器内の圧力は0.6MPaであった。
(油性エアゾール組成物4)
以下の処方にしたがって油性原液2を調製し、アルミニウム製耐圧容器に充填した。容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、エアゾールバルブから窒素ガスを充填し、油性エアゾール組成物4を調製した。25℃における容器内の圧力は0.6MPaであった。
<油性原液2>
ミネラルオイル 50.0
水添(スチレン/イソプレン)コポリマーと
水添ポリデセンとの混合物 25.0
無水塩化マグネシウム 25.0
合計 100.0(質量%)
(水性発泡エアゾール組成物1)
以下の処方にしたがって水性原液1を調製し、アルミニウム製耐圧容器に充填した。容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、エアゾールバルブから液化ガスを充填し、水性原液1と液化ガスとを混合して水性発泡エアゾール組成物1を調製した。
<水性原液1>
PEG−20ソルビタンココエート 1.0
精製水 99.0
合計 100.0(質量%)
<水性発泡エアゾール組成物1>
水性原液1 92.0
液化石油ガス(25℃での圧力:0.5MPa) 8.0
合計 100.0(質量%)
(水性発泡エアゾール組成物2)
以下の処方にしたがって水性原液2を調製し、アルミニウム製耐圧容器に充填した。容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、エアゾールバルブから液化ガスを充填し、水性原液2と液化ガスとを混合して水性発泡エアゾール組成物2を調製した。
<水性原液2>
ラウリルリン酸カリウム液 25.0
トリイソステアリン酸PEGソルビタン 0.5
コカミドプロピルベタイン 3.0
ソルビトール 10.0
ジプロピレングリコール 10.0
精製水 51.5
合計 100.0(質量%)
<水性発泡エアゾール組成物2>
水性原液2 95.0
液化石油ガス(25℃での圧力:0.45MPa) 5.0
合計 100.0(質量%)
(水性発泡エアゾール組成物3)
以下の処方にしたがって水性原液3を調製し、アルミニウム製耐圧容器に充填した。容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、エアゾールバルブから液化ガスを充填し、水性原液3と液化ガスとを混合して水性発泡エアゾール組成物3を調製した。
<水性原液3>
POE硬化ヒマシ油 1.0
エタノール 20.0
精製水 79.0
合計 100.0(質量%)
<水性発泡エアゾール組成物3>
水性原液3 90.0
液化石油ガス(25℃での圧力:0.45MPa) 10.0
合計 100.0(質量%)
(水性発泡エアゾール組成物4)
以下の処方にしたがって水性原液4を調製し、アルミニウム製耐圧容器に充填した。容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、エアゾールバルブから炭酸ガスを充填し、水性原液4に炭酸ガスの一部を溶解させて水性発泡エアゾール組成物4を調製した。25℃における容器内の圧力は0.6MPaであった。
<水性原液4>
ステアリルアルコール 2.0
ベヘニルアルコール 1.0
パルミチン酸イソプロピル 2.5
ステアリン酸ソルビタン 2.0
ステアリン酸PEG−40 2.0
ホホバ油 2.0
プロピレングリコール 1.0
エタノール 3.0
精製水 84.5
合計 100.0(質量%)
(水性エアゾール組成物5)
以下の処方にしたがって水性原液5を調製し、アルミニウム製耐圧容器に充填した。容器の開口部にエアゾールバルブを取り付け、エアゾールバルブから窒素ガスを充填し、水性エアゾール組成物5を調製した。25℃における容器内の圧力は0.6MPaであった。
<水性原液5>
精製ステアリン酸 6.5
セタノール 2.0
ステアリン酸グリセリル 1.0
N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム 1.0
ソルビトール 2.5
グリセリン 2.5
水酸化ナトリウム1%水溶液 7.5
オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム 10.0
精製水 67.0
合計 100.0(質量%)
(実施例1)
油性発泡エアゾール組成物1を充填した容器と、水性発泡エアゾール組成物1を充填した容器とを連結して2連式の2液式発泡エアゾール製品を製造した。
(実施例2)
油性発泡エアゾール組成物1を充填した容器と、水性発泡エアゾール組成物2を充填した容器とを連結して2連式の2液式発泡エアゾール製品を製造した。
(実施例3)
油性発泡エアゾール組成物1を充填した容器と、水性発泡エアゾール組成物3を充填した容器とを連結して2連式の2液式発泡エアゾール製品を製造した。
(実施例4)
油性発泡エアゾール組成物1を充填した容器と、水性発泡エアゾール組成物4を充填した容器とを連結して2連式の2液式発泡エアゾール製品を製造した。
(実施例5)
油性発泡エアゾール組成物2を充填した容器と、水性発泡エアゾール組成物1を充填した容器とを連結して2連式の2液式発泡エアゾール製品を製造した。
(比較例1)
油性エアゾール組成物3を充填した容器と、水性発泡エアゾール組成物1を充填した容器とを連結して2連式の2液式エアゾール製品を製造した。
(比較例2)
油性エアゾール組成物4を充填した容器と、水性エアゾール組成物5を充填した容器とを連結して2連式の2液式エアゾール製品を製造した。
実施例1〜5および比較例1〜2に製造したそれぞれのエアゾール製品を用いて、以下の試験方法に従って温度の経時変化を測定した。結果を表1および表2に示す。
<温度の経時変化>
2液式発泡エアゾール製品(または2液式エアゾール製品)を、25℃の恒温水槽中に1時間浸漬し、これにスパウトを取り付けて、油性発泡エアゾール組成物(または油性エアゾール組成物)と水性発泡エアゾール組成物とを、互いに接触するよう同時に吐出した。油性発泡エアゾール組成物と水性発泡エアゾール組成物との吐出量はいずれも1.0gとした。吐出後に形成された油性フォームと水性フォームを混ぜずに、経時的に油性フォームの温度を測定した。結果を表1に示す。また、実施例2、比較例1〜2の2液式エアゾール製品に関しては、吐出120秒後に指先で円を描くように10回混合した場合についても経時変化を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006794130
Figure 0006794130
図4は、油性フォームおよび水性フォームを吐出した後に、混合しなかった場合の温度の経時変化を表すグラフである。表1および図1に示されるように、実施例1〜5の2液式発泡エアゾール製品から吐出された油性フォームおよび水性フォームは、吐出してから90秒が経過した後であっても、初期温度(手の温度)よりも10℃以上高い温度が維持され、長時間の温熱効果が得られることが分かった。一方、比較例1の2液式発泡エアゾール製品から吐出された水性フォームは泡比重が大きく(ほとんど発泡しない液体状)、泡比重の小さい油性フォームと混ざりにくいため、ほとんど温感が得られずに吐出10秒後最高温度に達し、その後、低下し続け、60秒後以降は、ほぼ手と同程度の温度にまで低下した。また、比較例2の2液式発泡エアゾール製品から吐出された油性フォームおよび水性フォームは、クリーム状であり、発泡しなかったため、油性原液中の発熱成分が水性原液中の水と混ざらずに温熱効果が得られなかった。なお、比較例2の10秒後の温度は、試験前にエアゾール製品を25℃につけていたため、吐出物も25℃になっており、初期(手)の温度よりも低くなった。
図5は、油性フォームおよび水性フォームを吐出し、120秒経過後に混合した場合の温度の経時変化を表すグラフである。表2および図2に示されるように、実施例2の2液式発泡エアゾール製品から吐出された油性フォームおよび水性フォームは、吐出してから90秒が経過した後であっても、初期温度(手の温度)よりも10℃程度高い温度が維持され、長時間の温熱効果が得られることが分かった。また、120秒経過後に混合を行うことにより、さらに温熱効果が発揮され、その後、60秒が経過しても、初期温度から7.8℃高くなり、温熱効果が維持された。一方、比較例1の2液式発泡エアゾール製品から吐出された油性フォームおよび水性フォームは、吐出10秒後最高温度に達し、その後、低下し続け、60秒後以降は、ほぼ手と同程度の温度にまで低下した。また、この吐出物を混合すると、いくらか温度が上昇したが、その後、すぐに低下し、温熱効果は維持されなかった。また、比較例2の2液式発泡エアゾール製品から吐出された油性フォームおよび水性フォームは、クリーム状であり、発泡せず、かつ、温熱効果が得られなかった。
またこの吐出物を混合すると、大きな発熱効果が得られたが、発熱効果は持続しなかった。このように比較例2は混ぜることで発熱成分と水が急激に反応するため、一瞬で大きく発熱し、火傷の危険性があった。
1、1a 2液式発泡エアゾール製品
21 第1のエアゾール容器
22 第2のエアゾール容器
31 第1のエアゾールバルブ
32 第2のエアゾールバルブ
33 エアゾールバルブ
34 チューブ
4、4a 吐出部材
41 本体部
42 ノズル部
43 カバー部材
44 吐出孔
45 隔壁
51 マウンティングカップ
52 ハウジング
53、53a ステム
54 ステム孔
55 ステムラバー
56 取込孔
57 ディップチューブ
58 上側連通路
6 エアゾール容器
61 上側容器
62 下側容器
63 くびれ部
7 中栓
71 チューブ装着部
72 下側連通路
73 係合突起
A1 油性発泡エアゾール組成物
A2 水性発泡エアゾール組成物
P1 第1通路
P2 第2通路

Claims (3)

  1. 第1のエアゾール容器から吐出して使用される油性発泡エアゾール組成物と、第2のエアゾール容器から吐出して使用される水性発泡エアゾール組成物とからなり、
    前記油性発泡エアゾール組成物は、
    油性原液と、液化ガスとを含み、
    前記油性原液が、油性溶媒と第1の界面活性剤とを含む油性基材と、前記油性基材に分散され、水と接触することにより発熱する発熱成分と、を含み、
    泡密度が0.05〜0.30g/mlである油性フォームを形成し、
    前記水性発泡エアゾール組成物は、
    水性原液と、発泡剤とを含み、
    前記水性原液は、水と、第2の界面活性剤とを含み、
    前記発泡剤が液化ガスであり、
    泡密度が、0.01〜0.20g/mlである水性フォームを形成する、2液式発泡エアゾール組成物。
  2. 第1のエアゾール容器から吐出して使用される油性発泡エアゾール組成物と、第2のエアゾール容器から吐出して使用される水性発泡エアゾール組成物とからなり、
    前記油性発泡エアゾール組成物は、
    油性原液と、液化ガスとを含み、
    前記油性原液が、油性溶媒と第1の界面活性剤とを含む油性基材と、前記油性基材に分散され、水と接触することにより発熱する発熱成分と、を含み、
    泡密度が0.05〜0.30g/mlである油性フォームを形成し、
    前記水性発泡エアゾール組成物は、
    水性原液と、発泡剤とを含み、
    前記水性原液は、水と、第2の界面活性剤とを含み、
    前記発泡剤が圧縮ガスであり、
    泡密度が、0.10〜0.50g/mlである水性フォームを形成する、2液式発泡エアゾール組成物。
  3. 前記発熱成分の含有量は、前記油性原液中5〜30質量%であり、
    前記第1のエアゾール容器から吐出されることにより前記油性フォームを形成する、請求項1または2記載の2液式発泡エアゾール組成物
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