JP6792787B2 - 車両のカウル構造 - Google Patents
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Description
以下、図1から図6に基づいて本発明の実施形態1に係る車両のカウル構造について説明する。本実施形態に係る車両のカウル構造は、カウルルーバとカウルフロントパネル等とから構成される空間内に設置される遮熱板、及び雨樋の構造に関するものである。ここで、図中に示す前後左右及び上下は、カウル構造を備える車両の前後左右及び上下に対応している。
車両10のカウル構造について説明する前に、車両10の前部構造の概要について説明する。車両10のボディの左右両側には、図1に示すように、フロントドア12の前側にフロントピラー14が立設されており、左右のフロントピラー14によってルーフパネル(図示省略)の前部が支持されている。フロントピラー14は、フロントドア12のベルトラインBRよりも下側のピラー支柱部14dがフェンダパネル15によって覆われている。そして、前記フェンダパネル15よりも上側に位置するフロントピラー14の意匠部14eがフェンダパネル15の意匠面15eと連続するように構成されている。左右のフロントピラー14の意匠部14e等とルーフパネル(図示省略)とによって囲まれた位置には、フロントガラス20が設けられている。
カウルパネル50は、図2に示すように、車幅方向に延びるパネルであり、車幅方向における両端部(左右端部)がエンジンルームERの上部側壁を構成するアッパメンバ19に固定されている。ここで、アッパメンバ19上には、エンジンフード17を上下回動可能に支持するフードヒンジ17hが設置されている。そして、アッパメンバ19、フードヒンジ17h等が、図5等に示すように、フェンダパネル15によって覆われている。
カウルパネル50の縦壁部50wの下部前側には、同じくエンジンルームERの天井部を構成するカウルフロントパネル53が固定されている。カウルフロントパネル53は、カウルパネル50と共に車幅方向に延びるパネルであり、図3に示すように、後側段差壁部53dと天井壁部53tと前側傾斜壁部53wとにより断面略U字形に形成されている。そして、カウルフロントパネル53の前側傾斜壁部53wの上端位置にカウルルーバ30を支えるフランジ状のルーバ支持部53fが車幅方向に延びるように設けられている。
カウルルーバ30は、図3、図4に示すように、車両前後方向における途中部分に山部31を備えており、その山部31が車幅方向に延びるように形成されている。そして、カウルルーバ30の山部31の前側に同じく車幅方向に延びる溝部33が形成されている。カウルルーバ30の山部31と溝部33との間には、溝部33の後側壁部を構成する縦壁部32が設けられている。カウルルーバ30の山部31の後側は、フロントガラス20側が低くなるように緩やかに傾斜しており、そのカウルルーバ30の後端縁30bが、上記したように、フロントガラス20の下端縁20dに面一な状態で接続されている。
カウルルーバ30とカウルフロントパネル53等とにより形成された横長空間Sには、図5に示すように、左端部と右端部とに遮熱板60が設けられている。遮熱板60は、左右のアッパメンバ19等を伝ってカウルルーバ30の位置まで上昇したエンジンルームER内の空気と、カウルルーバ30の外気導入用開口38(図4参照)から流入した外気とが混ざらないようにするための仕切り板である。遮熱板60は、横長空間Sの断面形状に合わせて成形されており、前記横長空間Sの左端部と右端部とを塞げるように構成されている。このように、遮熱板60が本発明の遮蔽板に相当する。
車両10のフェンダパネル15とエンジンフード17間からカウルルーバ30の右端部に入り込んだ雨水は、雨樋70及び遮熱板60によって遮られる。これにより、カウルルーバ30とカウルフロントパネル53等とにより形成された横長空間S(外気導入空間Sf)内に設置されたワイパー24の駆動機構25に対する水掛かりが防止される。また、遮熱板60が前記横長空間Sの左端部と右端部とを塞げるように構成されている。このため、左側の遮熱板60から右側の遮熱板60までの広い空間が外気導入空間Sfとなる。このため、車室R内から外気導入空間Sf内の空気が吸引される際、カウルルーバ30の外気導入用開口38から流入する外気の流速を小さくできる。この結果、カウルルーバ30の外気導入用開口38から外気導入空間Sf内に異物が吸引され難くなる。
本実施形態に係る車両10のカウル構造によると、遮熱板60が雨樋70の一部を構成しているため、遮熱板60と雨樋70とを個別に設ける場合と比較して遮熱板60と雨樋70との設置スペースをコンパクトにできる。また、遮熱板60は横長空間Sの車幅方向における両端部に設けられているため、それらの遮熱板60間の空間がカウルルーバ30の外気導入用開口38と連通している。このため、カウルルーバ30の外気導入用開口38と連通する空間(外気導入空間Sf)を横長空間Sのほぼ全体の容積に等しくでき、前記外気導入空間Sfを従来よりも十分に大きくできる。このため、車室R側から外気導入空間Sf内の空気が吸引される際、カウルルーバ30の外気導入用開口38から流入する外気の流速を小さくできる。この結果、カウルルーバ30の外気導入用開口38から外気導入空間Sf内に異物が吸引され難くなる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、カウルルーバ30の右側のみに遮熱板60と雨樋70とを設ける例を示したが、カウルルーバ30の左側にも遮熱板60と雨樋70とを設けることは可能である。また、本実施形態では、遮熱板60と雨樋70とが別部品である例を示したが、遮熱板60と雨樋70とを一体に成形することも可能である。また、本実施形態では、遮熱板60の脆弱部をスリット状の切り込み部62sにより構成する例を示した。しかし、遮熱板60の脆弱部を折り曲げ線、あるいは薄肉部等により構成したり、強度の低い材質を使用して形成することも可能である。また、本実施形態では、遮蔽板の一例として遮熱板60を例示し、流入防止壁の一例として雨樋70を例示したが、遮蔽板として遮熱板60以外のものを使用し、流入防止壁として雨樋70以外のものを使用することも可能である。
20・・・・フロントガラス
30・・・・カウルルーバ
38・・・・外気導入用開口
39・・・・天井支持部(内壁)
50・・・・カウルパネル
53・・・・カウルフロントパネル(カウルパネル)
60・・・・遮熱板(遮蔽板)
62s・・・切り込み部(脆弱部)
64・・・・シール材
65・・・・支持部材
70・・・・雨樋(流入防止壁)
71f・・・フランジ部
71・・・・庇状部
ER・・・・エンジンルーム
S・・・・・横長空間
Se・・・・エンジンルーム連通空間(横長空間の他部)
Sf・・・・外気導入空間(外気導入用開口と連通する横長空間の一部)
Claims (5)
- フロントガラスの下側に配置されており、外気導入用開口を有するカウルルーバと、エンジンルームの天井部を構成しており、前記カウルルーバを下方から支えてそのカウルルーバと共に車幅方向に延びる横長空間を形成するカウルパネルと、前記カウルルーバの外気導入用開口と連通する前記横長空間の一部と、前記エンジンルームと連通する前記横長空間の他部とを仕切る遮蔽板と、前記カウルルーバの車幅方向端部から前記横長空間内への雨水及び異物の流入を防ぐ流入防止壁とを備える車両のカウル構造であって、
前記遮蔽板は、前記横長空間の車幅方向における両端部に設けられて、それらの遮蔽板間の空間が前記カウルルーバの外気導入用開口と連通しており、
少なくとも一方の前記遮蔽板が前記流入防止壁の一部である防水壁を構成しており、
前記遮蔽板の上端を上側から覆うように前記流入防止壁が設けられている車両のカウル構造。 - 請求項1に記載された車両のカウル構造であって、
前記流入防止壁は、前記遮蔽板の上端を上側から覆う庇状部と、その庇状部の端縁位置で下方に張り出し、前記遮蔽板に平行に設けられたフランジ部とを備えている車両のカウル構造。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両のカウル構造であって、
前記流入防止壁が前記カウルルーバの内壁に連結されており、
前記遮蔽板の下端が前記カウルパネルに当接している車両のカウル構造。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載された車両のカウル構造であって、
前記遮蔽板には、その遮蔽板に対して前記カウルルーバ、及び流入防止壁を介して衝突荷重が加わったときに、前記遮蔽板が折れ曲がるための脆弱部が設けられている車両のカウル構造。 - 請求項4に記載された車両のカウル構造であって、
前記遮蔽板は、前記カウルパネルに取付けられた支持部材により高さ方向における途中位置が支持されており、
前記遮蔽板の脆弱部は、前記支持部材により支持された前記遮蔽板の途中位置よりも高い位置に設けられている車両のカウル構造。
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