JP6791109B2 - 車椅子固定装置 - Google Patents
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Description
以下、図1〜図12に基づいて本発明の実施形態1に係る車椅子固定装置について説明する。本実施形態に係る車椅子固定装置20は、ワンボックス車両等の車室内に設置されて車椅子10を車室の床面Fに固定する装置である。ここで、図中に示す前後左右、及び上下は、本実施形態に係る車椅子固定装置20を備える車両の前後左右、及び上下に対応している。
車椅子固定装置20について説明する前に車椅子10の構成について簡単に説明する。車椅子10は、図1に示すように、折り畳み式のフレーム12を備えている。フレーム12は、前輪13と後輪14とをそれぞれ備える左側フレーム部15と右側フレーム部16と、左右のフレーム部15,16を連結する変形可能なX字形の連結フレーム17とを備えている。そして、連結フレームが17左側フレーム部15と右側フレーム部16とを接近させる方向に変形することで車椅子10が折り畳まれ、連結フレーム17が左側フレーム部15と右側フレーム部16とを離隔させる方向に変形することで車椅子10が展開される。
車椅子固定装置20は、図1、図2に示すように、車室の床面Fに固定されたベース22と、前記ベース22上に配置された姿勢変化部材30と、前記ベース22に対して上下回動可能な状態で連結され、車椅子10の鎖18に掛けられる係止部材40とを備えている。ベース22は、車椅子10の左右の前輪13が進入できるように構成された左右の進入スペースSを備えている。姿勢変化部材30は、ベース22の左右の進入スペースS内に配置された左右の車輪通過部33を備えている。そして、姿勢変化部材30は、車椅子10の左右の前輪13が左右の車輪通過部33を通過するときの車輪通過部33の動作によりロック姿勢とロック解除姿勢間で姿勢が変化する。また、係止部材40は、ベース22の中央位置に配置されており、姿勢変化部材30の姿勢変化に連動してロック位置とロック解除位置間で上下回動可能に構成されている。即ち、車椅子10の左右の前輪が本発明の車椅子の車輪に相当する。
ベース22は、図2、図3に示すように、左右に長い長方形状の底板部23と、底板部23の上面で塀状に立設された壁板部220とを備えている。壁板部220は、台形状に形成された左右の側壁221と、前記側壁221の前端位置で幅方向内側に直角に折り曲げられた左右の前壁223と、前壁223の先端位置で後方に直角に折り曲げられた左右の内部側壁224とを備えている。左右の内部側壁224の前後方向中央位置には、図2に示すように、姿勢変化部材30の連結梁部38(後記する)が収納される溝状の切欠224mが形成されている。さらに、壁板部220は、左右の内部側壁224の後端位置で幅方向内側に直角に折り曲げられた左右の後壁225と、後壁225の先端位置で前方に直角に折り曲げられた左右の中央側壁226と、左右の中央側壁226の前端位置をつなぐ連結壁227とを備えている。そして、壁板部220の左右の側壁221と前壁223と内部側壁224とに囲まれた範囲が前記ベース22の左右の進入スペースSとなる。
姿勢変化部材30は、車椅子10の左右の前輪が左右の車輪通過部33を通過することでロック姿勢とロック解除姿勢間で姿勢を変化させ、係止部材40をロック位置とロック解除位置間で上下回動させる部材である。姿勢変化部材30は、図4に示すように、左右の車輪通過部33と、左右の操作レバー36と、左右の車輪通過部33の前端部をつなぐ連結梁部38とを備えている。そして、左右の車輪通過部33の前後方向中央部に左右方向に突出する回転中心軸31が設けられている。上記したように、前記回転中心軸31は、図2に示すように、ベース22の壁板部220を構成する左右の側壁221と内部側壁224との軸受221j,224jに支持されている。
係止部材40は、図3に示すように、角形の板状部材であり、左右の回転中心軸41がベース22の左右の中央側壁226の軸受226jによって回動自在に支持されている。そして、係止部材40は、姿勢変化部材30の姿勢変化に連動して回転中心軸41の軸心回りにロック位置とロック解除位置間で上下回動できるように構成されている。係止部材40には、回転中心軸41に対して所定寸法だけ後側に断面台形状のフック部45が形成されている。係止部材40のフック部45は、ベース22の左右の中央側壁226における断面略V字形の受け部226vに対応する位置に位置決めされている。また、係止部材40の前端縁には、上記したように姿勢変化部材30の係合溝38mに収納される連結軸43が係止部材40の前端縁に沿って固定されている。
車椅子固定装置20が車椅子10を固定する前段階では、図1に示すように、車椅子10が前向きの状態で車椅子固定装置20の後方に配置される。このとき、車椅子固定装置20の姿勢変化部材30は、図5、図6に示すように、車輪通過部33の後端傾斜板部33bが接地するロック姿勢に保持されており、係止部材40のフック部45はベース22の受け部226vと噛み合うロック位置に保持されている。この状態で、車椅子10を前進させる。そして、車椅子10の前輪13が車輪通過部33の後端傾斜板部33bと中央部36dを通過して前端傾斜板部33fまで到達すると、図7、図8に示すように、車椅子10の重量で姿勢変化部材30が重心Gの重力に抗して回転中心軸31の軸心回りに左回動する。これにより、車輪通過部33の後端傾斜板部33bが床面Fから離れ、前端傾斜板部33fが床面Fに面接触する。即ち、姿勢変化部材30の姿勢がロック姿勢からロック解除姿勢に変化する。
本実施形態に係る車椅子固定装置20によると、ベース22の進入スペースS内に配置された姿勢変化部材30の車輪通過部33を車椅子10の前輪13(車輪)が進入方向に通過することで、姿勢変化部材30がロック姿勢からロック解除姿勢に変化する。そして、姿勢変化部材30の姿勢変化に連動してベース22に連結された係止部材40がロック位置からロック解除位置まで回動する。この状態から姿勢変化部材30をロック解除姿勢からロック姿勢に戻すことで、係止部材40がロック解除位置からロック位置に戻り、車椅子10の鎖18(一部)が係止部材40と係合して、車椅子10がベース22に固定される。即ち、姿勢変化部材30の車輪通過部33を通して車椅子10をベース22の進入スペースS内に進入させた後、姿勢変化部材30をロック解除姿勢からロック姿勢に戻すことで、係止部材40により車椅子10をベース22に固定できる。なお、ベース22は床面Fに固定されているため、車椅子10を床面Fに固定できる。このように、車椅子10の固定を容易に行える。また、車椅子10を固定するためのワイヤーや巻取り装置等が不要であるため、車椅子固定装置の構造が簡単になる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、姿勢変化部材30の重心Gの移動により、姿勢変化部材30をロック姿勢、あるいはロック解除姿勢に保持する例を示した。しかし、例えば、バネ力により、姿勢変化部材30をロック姿勢、あるいはロック解除姿勢に保持する構造でも可能である。また、本実施形態では、姿勢変化部材30の姿勢変化に連動して係止部材40を上下回動させ、車椅子10の水平に張られた鎖18と係合させる例を示した。しかし、姿勢変化部材30の姿勢変化に連動して係止部材40を水平回動させ、車椅子10のフレームと係合させる構成でも可能である。また、車椅子10を前向きに前進させることで、姿勢変化部材30の車輪通過部33に対して前輪13を通過させる例を示した。しかし、車椅子10を後向きに前進させることで、姿勢変化部材30の車輪通過部33に対して後輪14を通過させることも可能である。また、本実施形態では、車両の車室内に設置される車椅子固定装置20を例示したが、電車、船、旅客機等の室内に設置される車椅子固定装置に本発明を適用することも可能である。
13・・・・前輪(車輪)
18・・・・鎖(フレーム構成部材)
20・・・・車椅子固定装置
22・・・・ベース
30・・・・姿勢変化部材
33・・・・車輪通過部
33b・・・後端傾斜板部(手前側傾斜板部)
33f・・・前端傾斜板部(奥端側傾斜板部)
33m・・・中央板部
36・・・・操作レバー
36d・・・中央部
38m・・・係合溝
38・・・・連結梁部
40・・・・係止部材
43・・・・連結軸
45・・・・フック部
223・・・車輪ストッパ(前壁)
F・・・・・床面
G・・・・・重心
Claims (7)
- 乗物の室内で車椅子を固定する車椅子固定装置であって、
前記室内の床面に固定され、前記車椅子の左右の車輪が進入できる進入スペースを有するベースと、
前記ベースの進入スペース内に配置されて、前記車椅子の車輪が通過できるように構成された車輪通過部を備えており、前記車輪通過部を前記車輪が通過することでロック姿勢とロック解除姿勢間で姿勢が変化する姿勢変化部材と、
前記ベースに移動可能な状態で連結されており、前記姿勢変化部材がロック姿勢とロック解除姿勢間で姿勢変化するのに連動して、ロック位置とロック解除位置間を移動する係止部材と、
を有しており、
前記車椅子の車輪が前記車輪通過部を通過して前記姿勢変化部材がロック解除姿勢にある状態で、前記姿勢変化部材をロック姿勢に戻すことで、前記係止部材が前記ロック解除位置からロック位置に戻り、前記車椅子の一部が前記係止部材と係合して、前記車椅子が前記ベースに固定される車椅子固定装置。 - 請求項1に記載された車椅子固定装置であって、
前記姿勢変化部材の車輪通過部は、前記車輪の進入方向に順番に形成された手前側傾斜板部と、中央板部と、奥端側傾斜板部とを備え、
前記姿勢変化部材がロック姿勢では前記手前側傾斜板部が床面に接触して、前記奥端側傾斜板部が前記床面から離れており、
前記姿勢変化部材がロック解除姿勢では前記手前側傾斜板部が床面から離れて、前記奥端側傾斜板部が前記床面に接触する構成である車椅子固定装置。 - 請求項2に記載された車椅子固定装置であって、
前記姿勢変化部材は、前記車輪通過部の幅方向端部に連結されて上方に延びる操作レバーを備えており、
前記姿勢変化部材は姿勢変化に伴う重心の移動により、前記ロック姿勢、あるいはロック解除姿勢に保持される車椅子固定装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載された車椅子固定装置であって、
前記ベースの進入スペース内には、前記姿勢変化部材の車輪通過部を通過して前記進入スペース内に進入した前記車椅子の車輪が当接する車輪ストッパが設けられている車椅子固定装置。 - 請求項4に記載された車椅子固定装置であって、
前記車椅子の車輪が車輪ストッパに当接している状態で、前記姿勢変化部材が前記ロック解除姿勢からロック姿勢に戻されることで、前記車輪通過部の端部が車輪を車輪ストッパの反対側から押さえる構成である車椅子固定装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載された車椅子固定装置であって、
前記係止部材は、前記ベースに対して回動可能な状態で連結されており、
前記係止部材がロック解除位置からロック位置まで回動することで、前記係止部材が前記車椅子のフレーム構成部材と係合し、前記車椅子が前記ベースに固定される車椅子固定装置。 - 請求項6に記載された車椅子固定装置であって、
前記ベースには、前記車椅子のフレーム構成部材を前記係止部材の反対側から押さえる受け部が設けられている車椅子固定装置。
Priority Applications (1)
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JP2017236764A JP6791109B2 (ja) | 2017-12-11 | 2017-12-11 | 車椅子固定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019103563A JP2019103563A (ja) | 2019-06-27 |
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ID=67061121
Family Applications (1)
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JP2017236764A Active JP6791109B2 (ja) | 2017-12-11 | 2017-12-11 | 車椅子固定装置 |
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2017
- 2017-12-11 JP JP2017236764A patent/JP6791109B2/ja active Active
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