JP6787104B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、絶縁性の基板本体と、基板本体にそれぞれ金属箔でパターン形成されたグランド面と、第1エレメント、第2エレメントおよび第3エレメントとを備えたアンテナ装置が記載されている。
また、第3エレメントには、受動素子が接続されており、この受動素子によってインピーダンスが調整可能となっている。
すなわち、特許文献1に記載の従来技術では、例えば2.4GHz帯と5GHz帯とのデュアルバンドの複共振化を行った場合、第3エレメントの受動素子でインピーダンス調整を行うと、2.4GHz帯と5GHz帯との両方ともインピーダンスが変化してしまい、周波数帯毎にインピーダンスを個別調整することが困難であった。このため、従来では、両方の共振周波数をベストに調整することが難しく、どちらかの共振周波数を優先させるか、2つの共振のベターな点に調整している。特に、小型の電子機器などにおいては、アンテナ装置に他の電子部品などが近接することが多く、その影響によってずれた入力特性を、受動素子を用いて調整するが、一方の共振周波数だけが大きく特性変化してしまった場合などは、デュアルバンドの調整が困難であった。
すなわち、このアンテナ装置では、第3エレメントに第4受動素子が接続されているので、第4受動素子により、第1エレメントを主として生じる共振周波数と第2エレメントを主として生じる共振周波数との両方についてインピーダンスを調整することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第2エレメントに第5受動素子が接続されているので、第5受動素子によっても、第2エレメントを主として生じる共振周波数を調整することできる。
すなわち、このアンテナ装置では、第3延在部に第6受動素子が接続されているので、第6受動素子によっても、第1エレメントを主として生じる共振周波数を調整することできる。
すなわち、このアンテナ装置では、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子のアンテナ素子によってエレメント長の短縮化及び高インピーダンス化と、浮遊容量の増大とが可能になり、複共振化の調整が容易になると共に小型化とアンテナ特性の向上とを図ることができる。
すなわち、本発明のアンテナ装置によれば、第4延在部に第1受動素子が接続され、第4エレメントに第2受動素子が接続されていると共に、第2延在部に第3受動素子が接続されているので、第2エレメントを主として生じる共振周波数の高周波電流が第4エレメントを介してグランド面に流れることを、第3受動素子で抑制することができる。これによって、第1受動素子で第2エレメントを主として生じる共振周波数のインピーダンスを個別に調整可能になると共に、第2受動素子で第1エレメントを主として生じる共振周波数のインピーダンスを個別に調整可能となる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、特に小型の電子機器に搭載される場合であって、電子部品などが近接している場合でも、各共振周波数の個別調整が容易になり、省スペース化と配線および設置の自由度の向上とを図ることができる。
上記第3エレメント5は、第1延在部E1の基端部から延びて先端が給電点FPから離間した位置でグランド面GNDに接続されている。
なお、グランド面GNDには、RF回路部品等の実装領域が設けられる。
すなわち、第4エレメント6は、給電点FP及び第1延在部E1に対して第3エレメント5と反対側に配されている。
また、第3エレメント5には、第4受動素子P4が接続され、第2エレメント4には、第5受動素子P5が接続されている。
さらに、第3延在部E3には、第6受動素子P6が接続されている。
上記第5延在部E5は、第2延在部E2から離間する方向に延びているが、本実施形態では、第1延在部E1に対して斜めかつグランド面GNDから離間する方向に延びている。
上記給電点FPは、同軸ケーブル等の給電手段を介して高周波回路(図示略)の給電点に接続される。この給電手段としては、同軸ケーブル、レセプタクル等のコネクタ、接点が板バネ形状を有する接続構造、接点がピンプローブ形状またはピン形状を有する接続構造、ハンダ付け用のランドを用いた接続構造等の種々の構造が採用可能である。
例えば、給電手段として同軸ケーブルを採用する場合、グランド面GNDの基端側に同軸ケーブルのグランド線が接続されると共に、同軸ケーブルの芯線が給電点FPに接続される。
このアンテナ素子ATは、共振周波数等の設定に応じて、その長さ、幅、導体パターン等が異なる素子を選択しても構わない。また、所望の周波数によっては、アンテナ素子ATに使用している誘電体121を、磁性体、若しくは誘電体と磁性体とを混合した複合材料としても構わない。
すなわち、使用周波数、使用する誘電体材料から、アンテナ素子サイズが選定される。また、アンテナ要求性能(アンテナ利得、帯域幅など)により、導体パターン122の巻き数、パターン幅等の最適化を行う。例えば、図3に示すアンテナ素子ATでは、導体パターン122の巻き数によるインピーダンス値、導体パターン122の線間幅による容量値等の設定を行うことで、使用周波数に対するインピーダンスの最適化を行う。
特に、第3受動素子P3としては、第1エレメント3を主として生じる共振周波数よりも第2エレメント4を主として生じる共振周波数に対して高いインピーダンスを有する受動素子を採用する。例えば、第3受動素子P3をチョークコイルとして機能させるため、上記インピーダンスを有するインダクタを第3受動素子P3として採用する。また、第3受動素子P3は、複数の受動素子を接続して構成した回路を採用しても構わない。
例えば、図2に示すように、第6延在部E6と第3延在部E3との間の浮遊容量C1と、第4延在部E4及びアンテナ素子ATとグランド面GNDとの間の浮遊容量C2とが発生可能である。
上記第1の共振周波数f1は、2つの共振周波数のうち低い周波数帯(例えば、2.4GHz帯)のものであり、主に、アンテナ素子ATを含む第1エレメント3と、第6受動素子P6と、浮遊容量C2とで決定される。
上記第2の共振周波数f2は、2つの共振周波数のうち高い周波数帯(例えば、5GHz帯)のものであり、主に、第2エレメント4と、第5受動素子P5と、浮遊容量C1とで決定される。
また、各共振周波数に対して、第4受動素子P4を用いて、第3エレメント5を介してグランド面GND側に流れる高周波電流の流れをコントロールすることで、インピーダンス調整を行う。
なお、第3受動素子P3は、上述したように第2の共振周波数f2の高周波電流に対してチョークコイルとして働く。
また、第2の共振周波数f2は、主に図2中の一点鎖線A2で囲まれた部分で調整される。
また、第2エレメント4に第5受動素子P5が接続されているので、第5受動素子P5によっても、第2の共振周波数f2を調整することできる。
さらに、第3延在部E3に第6受動素子P6が接続されているので、第6受動素子P6によっても、第1の共振周波数f1を調整することできる。
なお、比較のため、特許文献1に記載の従来例についても同様に測定した結果を、図5及び図6に示す。
図5及び図6に示すように、本発明の実施例は、従来例よりも良好な結果が得られている。また、本発明の実施例について放射パターンも測定したが、従来例と同様であり、差がほとんど見られなかった。
図7の(a)に示すように、2.4GHz帯動作時では、主に第1エレメント3に高周波電流が集中して流れている。また、図7の(b)に示すように、5GHz帯動作時では、主に第2エレメント4に高周波電流が集中して流れているが、第4エレメント6を介してグランド面GND側には流れが生じておらず、第3受動素子P3が電流を阻止していることがわかる。また、結合容量C1を介して第2エレメント4から第4延在部E4側のアンテナ素子ATにも5GHz帯の高周波電流が流れていることがわかる。
また、基板サイズに余裕がある場合には、上記エレメントの一部を線状若しくは板状の金属を折り返した形状のパターンに置き換えても構わない。また、同一の基板本体の表裏面に対してスルーホールを用いて、螺旋状などの形状に旋回させたパターンにしても構わない。
また、上記実施形態は、第2延在部が第1延在部の先端からグランド面(対向するグランド面の端辺)に沿った方向に延びているが、他の方向に延在しても構わない。例えば、第2延在部が、第1延在部と同じ方向に延在してもよい。
Claims (5)
- 絶縁性の基板本体と、
前記基板本体にそれぞれ金属箔でパターン形成されたグランド面と、第1エレメント、第2エレメント、第3エレメント及び第4エレメントとを備え、
前記第1エレメントが、前記グランド面側に配した基端に給電点が設けられていると共に前記グランド面から離間する方向に延びる第1延在部と、前記第1延在部の先端から延びる第2延在部と、前記第2延在部の先端から前記グランド面から離間する方向に延びる第3延在部と、前記第3延在部の先端から前記グランド面に沿った方向に延びる第4延在部とを有し、
前記第2エレメントが、前記第2延在部から離間する方向に前記第1延在部の先端部から延びる第5延在部と、前記第5延在部の先端から前記第3延在部に沿って前記グランド面から離間する方向に延びる第6延在部とを有し、
前記第3エレメントが、前記第1延在部の基端部から延びて先端が前記給電点から離間した位置で前記グランド面に接続され、
前記第4エレメントが、前記第2延在部の先端から延びて先端が前記給電点から離間した位置で前記グランド面に接続され、
前記第4延在部に第1受動素子が接続され、
さらに前記第4エレメントに第2受動素子が接続されていると共に、前記第2延在部に第3受動素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記第3エレメントに第4受動素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記第2エレメントに第5受動素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第3延在部に第6受動素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第4延在部に、誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
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