JP6048271B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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例えば、誘電体ブロックによる従来技術としては、特許文献1では、放射電極を樹脂成型体に形成し、さらに誘電体ブロックを接着剤で一体化することで高効率を得る複合アンテナが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載のような誘電体ブロックによる技術では、放射電極を励振する誘電体ブロックを使用しており、機器毎に誘電体ブロック、放射電極パターン等の設計が必要になり、その設計条件によってアンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。また、放射電極が樹脂成型体の表面に形成されているため、樹脂成型体上に放射電極パターンを設計する必要があり、実装する通信機器やその用途に応じて、アンテナ設計、金型設計が必要になり、大幅なコストの増大を招いてしまう。さらに、誘電体ブロックと樹脂成型体とを接着剤で一体化するので、接着剤のQ値以外にも接着条件(接着剤の厚み、接着面積等)により、アンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。
また、特許文献2に記載のようなスイッチ,制御電圧源を用いたアンテナ装置の場合、スイッチで共振周波数を切り替えを行うために、制御電圧源の構成やリアクタンス回路等が必要であり、アンテナ構成が機器毎に複雑化し、設計の自由度が無く、容易なアンテナ調整が困難であるという問題があった。
特に、第1エレメントが、第4延在部と第5延在部と第6延在部とを有してコ字状にエレメントが延在しているので、エレメントが長くなると共に第2延在部の先端と第4〜第6延在部とで囲まれた領域(以下、容量調整開口部と称す)に浮遊容量が生じ、この浮遊容量よって並列共振を発生させることができ、第1エレメントの高インピーダンス化を図ることができる。また、上記容量調整開口部が形成されることで、上下に配された回路等の金属間で生じる浮遊容量をキャンセルして影響を抑制することが可能になる。
すなわち、このアンテナ装置では、第2延在部の先端及び第7延在部の基端の少なくとも一方に、対向する第7延在部の基端又は第2延在部の先端に向けて突出した突出部を有しているので、突出部の容量調整開口部への突出量に応じて容量調整開口部内の容量を調整可能であり、インピーダンスをフレキシブルに調整することができ、設計自由度が向上する。また、第2延在部の先端から突出する突出部に受動素子を接続することで、第1エレメントを主として得られる共振周波数及び第2エレメントを主として得られる共振周波数とは別の第3の共振周波数を得ることも可能である。
すなわち、このアンテナ装置では、第2延在部が第5延在部よりも幅広に形成されているので、第5延在部及び第7延在部に比べてインピーダンスが低い部分である第2延在部が幅広になることで、第1エレメントを主として得られる共振周波数において広帯域化を図ることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第9延在部が第10延在部よりも幅広に形成されているので、第10延在部に比べてインピーダンスが低い部分である第9延在部が幅広になることで、第2エレメントを主として得られる共振周波数において広帯域化を図ることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、基板本体の表面に金属箔で第11延在部から第13延在部によりパターン形成された第3エレメントを備えているので、第1エレメントを主として得られる共振周波数及び第2エレメントを主として得られる共振周波数とは別に、第3エレメントを主として第3の共振周波数を得ることが可能となる。
すなわち、このアンテナ装置では、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子のアンテナ素子によってエレメント長の短縮化及び高インピーダンス化と、浮遊容量の増大とが可能になり、複共振化の調整が容易になると共に小型化とアンテナ特性の向上とを図ることができる。
また、基板本体の平面内で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子の選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、各受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。このように、アンテナ構成上、各共振周波数をフレキシブルに調整できるため、共振周波数の入れ替えが可能になり、用途や機器に応じて受動素子等による調整箇所を変更可能になっている。
本発明のアンテナ装置によれば、基板本体の表面にそれぞれ金属箔でパターン形成された上記の第1エレメント及び第2エレメントを備えているので、各エレメント間やグランドとの間の各浮遊容量とを効果的に利用することで、少なくとも2つ以上の共振周波数による複共振化させることができる。
特に、第1エレメントが、第4延在部と第5延在部と第6延在部とを有してコ字状にエレメントが延在しているので、これらで囲まれた容量調整開口部に浮遊容量が生じ、第1エレメントの高インピーダンス化を図ることができる。
また、エレメントに接続するアンテナ素子や受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能になると共に、小型化および高性能化が可能になる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、多様な用途や機器に対応した複共振化が容易に可能になると共に、省スペース化を図ることができる。
上記第2エレメント4は、第2延在部E2の基端から第2延在部E2と反対方向に延在する第8延在部E8と、第8延在部E8の先端から前記一辺2aに向けて延在する第9延在部E9と、第9延在部E9の先端から第2延在部E2に沿って第4延在部E4に向けて延在する第10延在部E10とを有している。
また、第7延在部E7には、途中に第1受動素子P1が接続され、第10延在部E10に第2受動素子P2が接続されている。なお、第2受動素子P2は、第9延在部E9に接続しても構わない。
また、第3延在部E3は、上記回路基板2Bに接続配線11bで接続され、回路基板2Bの受動素子P11を介してグランドGNDに接続されている。すなわち、第3延在部E3は、グランドGNDと接続されたグランドパターンである。
上記給電点FPは、回路基板2BのグランドGNDに設けられた高周波回路(図示略)の給電点に接続される。なお、図2、図3及び以降の配線図では、インピーダンス調整回路12及び回路基板2Bを省略して給電点FP及びグランドGNDだけを図示している。
上記各受動素子は、例えばインダクタ、コンデンサ、抵抗又はジャンパー線が採用される。
このアンテナ素子ATは、共振周波数等の設定に応じて、その長さ、幅、導体パターン等が異なる素子を選択しても構わない。また、所望の周波数によっては、アンテナ素子ATに使用している誘電体121を、磁性体、若しくは誘電体と磁性体とを混合した複合材料としても構わない。
すなわち、図3に示すように、第2延在部E2とグランドGNDとの間の浮遊容量Caと、第5延在部E5とグランドGNDとの間の浮遊容量Cbと、第2延在部E2及び第4延在部E4と第5延在部E5との間の浮遊容量Ccと、アンテナ素子ATとグランドGNDとの間の浮遊容量Cdと、第7延在部E7とグランドGNDとの間の浮遊容量Ceと、第8延在部E8とグランドGNDとの間の浮遊容量Cf、第9延在部E9と第8延在部E8との間の浮遊容量Cg、第10延在部E10と第2延在部E2との間の浮遊容量Ch、第10延在部E10と第4延在部E4との間の浮遊容量Ciと、第10延在部E10とグランドGNDとの間の浮遊容量Cjと、第1延在部E1と第3延在部E3との間の浮遊容量Ckとが発生可能である。
上記第1の共振周波数f1は、第1エレメント3とアンテナ素子ATと第1受動素子P1と浮遊容量とで決定される。また、上記第2の共振周波数f2は、第2エレメント4と第2受動素子P2と第2延在部E2と浮遊容量とで決定される。
「第1の共振周波数f1について」
上記第1の共振周波数f1の周波数は、第1エレメント3とアンテナ素子ATと第1受動素子P1と浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ce,Ckにより設定および調整することができる。
また、第1の共振周波数f1のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ce,Ckの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第1受動素子P1の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
このように第1の共振周波数f1は、主に図2中の破線A1の部分で調整される。
上記第2の共振周波数f2の周波数は、第2エレメント4と第2受動素子P2と第2延在部E2と浮遊容量Ca,Cf,Cg,Ch,Ci,Cj,Ckにより設定および調整することができる。
また、第2の共振周波数f2のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cf,Cg,Ch,Ci,Cj,Ckの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第2受動素子P2の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
このように第2の共振周波数f2は、主に図2中の一点鎖線A2の部分で調整される。
なお、第2の共振周波数f2における最終的なインピーダンス調整は、受動素子P11と受動素子P12bとの選択によりグランドGND側に流れる高周波電流の流れをコントロールすることで、フレキシブルに行うことが可能である。
特に、第1エレメント3が、第4延在部E4と第5延在部E5と第6延在部E6とを有してコ字状にエレメントが延在しているので、エレメントが長くなると共に第2延在部E2の先端と第4〜第6延在部E4〜E6とで囲まれた容量調整開口部CAに浮遊容量が生じ、この浮遊容量よって並列共振を発生させることができ、第1エレメント3の高インピーダンス化を図ることができる。また、上記容量調整開口部CAが形成されることで、上下に配された回路等の金属間で生じる浮遊容量をキャンセルして影響を抑制することが可能になる。
さらに、第9延在部E9が第10延在部E10よりも幅広に形成されているので、第10延在部E10に比べてインピーダンスが低い部分である第9延在部E9が幅広になることで、第2エレメント4を主として得られる第2の共振周波数f2において広帯域化を図ることができる。
また、基板本体2の平面内で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子ATの選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
このように第3実施形態のアンテナ装置31では、第2延在部E2の先端から突出する突出部E2aに第3受動素子P3を接続することで、第3受動素子P3の設定によって、第1エレメント33を主として得られる第1の共振周波数f1及び第2エレメント4を主として得られる第2の共振周波数f1とは別の第3の共振周波数を得ることも可能である。
したがって、第4実施形態のアンテナ装置41では、さらに第3エレメント45を備えているので、第1エレメント3を主として得られる共振周波数及び第2エレメント4を主として得られる共振周波数とは別に、第3エレメント45を主として第3の共振周波数を得ることが可能となる。
第1受動素子P1:L=3.9nHのインダクタ
第2受動素子P2:L=2.2nHのインダクタ
受動素子P11:L=2.2nHのインダクタ
受動素子P12a:L=1.0nHのインダクタ
受動素子P12b:L=10nHのインダクタ
受動素子P12c:C=0.5pFのコンデンサ
なお、表1において、第1の共振周波数f1の周波数帯は800MHz、第2の共振周波数f2の周波数帯は2000MHzである。
なお、第7延在部E7の基端から先端に向かう延在方向(アンテナ素子ATの延在方向)を−Y方向とし、第1延在部E1の基端から先端に向かう延在方向を−X方向とし、基板本体2表面に対する垂直方向をZ方向とした。この際のZX面に対する垂直偏波、水平偏波及び電力利得を測定した。
また、第1エレメントの第7延在部にアンテナ素子を設けているが、第2エレメントの第10延在部や第3エレメントの第12延在部又は第13延在部にアンテナ素子を設けてエレメントの短縮化を行い、装置全体の小型化を図っても構わない。
さらに、基板サイズに余裕がある場合には、上記エレメントの一部を、線状若しくは板状の金属を折り返した形状のパターンに置き換えても構わない。また、同一の基板本体の表裏面に対してスルーホールを用いて、螺旋状などの形状に旋回させたパターンにしても構わない。
Claims (7)
- 絶縁性の基板本体と、前記基板本体の表面にそれぞれ金属箔でパターン形成された第1エレメント及び第2エレメントとを備え、
前記第1エレメントが、基端側に給電点が接続されていると共に前記基板本体のいずれかの一辺に向けて延在する第1延在部と、前記第1延在部の先端に基端が接続され前記第1延在部に直交する方向に延在する第2延在部と、基端がグランドに接続されると共に前記第1延在部に沿って延在し前記第2延在部に先端が接続された第3延在部と、前記第2延在部の先端から前記一辺に向けて延在する第4延在部と、前記第4延在部の先端から前記一辺に沿った方向かつ前記第2延在部から離間する方向に延在する第5延在部と、前記第5延在部の先端から前記第4延在部に沿って前記一辺から離れる方向に延在する第6延在部と、前記第6延在部の先端から前記一辺の延在方向に沿って前記第2延在部から離間する方向に延在する第7延在部とを備え、
前記第2エレメントが、前記第2延在部の基端から前記第2延在部と反対方向に延在する第8延在部と、前記第8延在部の先端から前記一辺に向けて延在する第9延在部と、前記第9延在部の先端から前記第2延在部に沿って前記第4延在部に向けて延在する第10延在部とを有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記第2延在部の先端及び前記第7延在部の基端の少なくとも一方に、対向する前記第7延在部の基端又は前記第2延在部の先端に向けて突出した突出部を有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記第2延在部が、前記第5延在部よりも幅広に形成されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第9延在部が、前記第10延在部よりも幅広に形成されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記基板本体の表面に金属箔でパターン形成された第3エレメントを備え、
前記第3エレメントが、前記第9延在部に基端が接続され前記第2延在部と反対方向に延在する第11延在部と、前記第11延在部の先端から前記第9延在部の基端側に向けて延在し先端が前記第9延在部の基端を越える第12延在部と、前記12延在部の先端から前記第8延在部に沿って前記第8延在部の基端に向けて延在する第13延在部とを有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第7延在部の途中に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第7延在部に第1受動素子が接続され、
前記第9延在部又は前記第10延在部に第2受動素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
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