JP6410147B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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例えば、誘電体ブロックによる従来技術としては、特許文献1では、放射電極を樹脂成型体に形成し、さらに誘電体ブロックを接着剤で一体化することで高効率を得る複合アンテナが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載のような誘電体ブロックによる技術では、放射電極を励振する誘電体ブロックを使用しており、機器毎に誘電体ブロック、放射電極パターン等の設計が必要になり、その設計条件によってアンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。また、放射電極が樹脂成型体の表面に形成されているため、樹脂成型体上に放射電極パターンを設計する必要があり、実装する通信機器やその用途に応じて、アンテナ設計、金型設計が必要になり、大幅なコストの増大を招いてしまう。さらに、誘電体ブロックと樹脂成型体とを接着剤で一体化するので、接着剤のQ値以外にも接着条件(接着剤の厚み、接着面積等)により、アンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。
また、特許文献2に記載のようなスイッチ,制御電圧源を用いたアンテナ装置の場合、スイッチで共振周波数を切り替えを行うために、制御電圧源の構成やリアクタンス回路等が必要であり、アンテナ構成が機器毎に複雑化し、設計の自由度が無く、容易なアンテナ調整が困難であるという問題があった。
特に、第1エレメントが、第2延在部の先端から第2延在部の延在方向に突出した第5延在部を有しているので、主に第1エレメントの第2延在部で得られる共振周波数における帯域幅や利得等について、第5延在部の長さや幅に応じて得られる浮遊容量により容易に調整することができる。なお、第5延在部は、第2エレメントの第4延在部の方向と逆方向に突出しているため、第2エレメントで得られる共振周波数に対する影響が抑制される。
すなわち、このアンテナ装置では、第5延在部が、先端側が基端側よりも第3延在部の先端側に幅広に形成されているので、第5延在部の幅広部分と第3延在部との間にも浮遊容量が発生し、より広帯域化や高利得化が可能になる。
すなわち、このアンテナ装置では、第2エレメントが、第3延在部の先端から第4延在部と反対方向に延在した第6延在部を有しているので、第6延在部と第5延在部との間に浮遊容量が発生し、第4延在部を短くすることができ、全体として幅をコンパクトにすることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子のアンテナ素子によってエレメント長の短縮化及び高インピーダンス化と、浮遊容量の増大とが可能になり、複共振化の調整が容易になると共に小型化とアンテナ特性の向上とを図ることができる。
また、基板本体の平面内で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子の選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
特に、第4延在部に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されているので、グランド面との間に大きな浮遊容量を発生させることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第4延在部の先端側が、アンテナ素子の幅よりも細く形成されているので、第4延在部の先端側とグランド面との間の浮遊容量を小さくすることで、該浮遊容量の影響によってアンテナ素子でのインピーダンスが低下することを抑制可能である。
すなわち、このアンテナ装置では、アンテナ素子が、第1延在部よりも第4延在部の先端部側に配されているので、アンテナ素子と第1延在部及び第2延在部との間に浮遊容量が発生し難く、高インピーダンスである第4延在部の先端部に対する影響を低くすることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。このように、アンテナ構成上、各共振周波数をフレキシブルに調整できるため、共振周波数の入れ替えが可能になり、用途や機器に応じて受動素子等による調整箇所を変更可能になっている。
本発明のアンテナ装置によれば、基板本体の表面及び裏面の少なくとも一方に、それぞれ金属箔でパターン形成された上記のグランド面、第1エレメント及び第2エレメントを備えているので、各エレメント間及びグランド面との間などで浮遊容量が発生し、特定周波数に対して高インピーダンスな受動素子を選択することによって、2つの共振周波数による複共振化が可能になる。
特に、第1エレメントが、第2延在部の先端から第2延在部の延在方向に突出した第5延在部を有しているので、第1エレメントの第2延在部で得られる共振周波数における帯域幅や利得等を容易に調整することができる。
また、エレメントに接続するアンテナ素子および受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能になると共に、小型化および高性能化が可能になる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、多様な用途や機器に対応した複共振化が容易に可能になると共に、省スペース化を図ることができる。
上記第1エレメント3は、グランド面GNDに近接した基端側に給電点FPが設けられてグランド面GNDから離間する方向に延在する第1延在部E1と、第1延在部E1の先端に基端が接続され第1延在部E1に直交する方向に延在する第2延在部E2とを有している。
さらに、上記第1エレメント3は、第2延在部E2の先端から第2延在部の延在方向に延在した第5延在部E5を有している。
この第5延在部E5は、先端側が基端側よりも第3延在部E3の先端側に幅広に形成されている。すなわち、第5延在部E5は、グランド面GNDから遠ざかる方向に幅広に形成されている部分を有している。
上記第4延在部E4の途中には、第2受動素子P2が接続されていると共に、第5延在部E5の途中には、第3受動素子P3が接続されている。なお、第2受動素子P2は、第1受動素子P1による高インピーダンス化を微調整するものである。
また、上記第1延在部E1の途中には、第4受動素子P4が接続されている。
上記第1グランドパターンG1には、第5受動素子P5が接続されていると共に、上記第2グランドパターンG2には、第6受動素子P6が接続されている。このように、第4受動素子P4と第5受動素子P5と第6受動素子P6とにより、π型のインピーダンス調整回路を構成している。
なお、上記給電点FPは、それぞれ高周波回路(図示略)の給電点に接続される。この給電点FPには、例えば高周波回路に接続された同軸ケーブル(図示略)の芯線が接続され、該同軸ケーブルのグランド線は、近傍のグランド面GNDに接続される。また、グランド面GNDの領域には、高周波回路が実装される。
上記各受動素子は、例えばインダクタ、コンデンサ、抵抗又はジャンパー線が採用される。
このアンテナ素子ATは、共振周波数等の設定に応じて、その長さ、幅、導体パターン等が異なる素子を選択しても構わない。また、所望の周波数によっては、アンテナ素子ATに使用している誘電体121を、磁性体、若しくは誘電体と磁性体とを混合した複合材料としても構わない。
すなわち、図3に示すように、第4延在部E4の先端側とグランド面GNDとの間の浮遊容量Caと、アンテナ素子ATとグランド面GNDとの間の浮遊容量Cbと、第4延在部E4の基端側と第2延在部E2との間の浮遊容量Ccと、第2延在部E2とグランド面GNDとの間の浮遊容量Cdと、第5延在部E5とグランド面GNDとの間のCeと、第5延在部E5と第3延在部E3との間の浮遊容量Cfが発生可能である。
「第1の共振周波数f1について」
上記第1の共振周波数f1の周波数は、第1延在部E1と第2延在部E2とアンテナ素子ATを含む第2エレメント4と浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cdとにより設定および調整することができる。
また、第1の共振周波数f1のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cdの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第1受動素子P1及び第2受動素子P2の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
なお、第1受動素子P1の選択も含めて設計可能であるが、第1受動素子P1は第2の共振周波数に対して高インピーダンスな定数選定をする必要がある。そのため、第1受動素子P1の選択を行い、所望の共振周波数において複共振化された後、第2受動素子P2により、第1の共振周波数f1の最終的な調整を行うことが望ましい。
また、最終的なインピーダンス調整は、第5受動素子P5の選択により第1グランドパターンG1及び接続パターンG3を介してグランド面GND側に流れる高周波電流の流れをコントロールすることで、フレキシブルに行うことが可能である。
このように第1の共振周波数f1は、主に図2中の一点鎖線A1の部分で調整される。
上記第2の共振周波数f2の周波数は、第1延在部E1と第2延在部E2と第5延在部E5と浮遊容量Cd,Ceとにより設定および調整することができる。
また、第2の共振周波数f2のインピーダンス調整は、浮遊容量Cd,Ceの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第3受動素子P3及び第4受動素子P4の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
なお、最終的なインピーダンス調整は、第6受動素子P6の選択により第2グランドパターンG2及び接続パターンG3を介してグランド面GND側に流れる高周波電流の流れをコントロールすることで、フレキシブルに行うことが可能である。
このように第2の共振周波数f2は、主に図2中の二点鎖線A2の部分で調整される。
また、第5延在部E5が、先端側が基端側よりも第3延在部E3の先端側に幅広に形成されているので、第5延在部E5の幅広部分と第3延在部E3との間にも浮遊容量Cfが発生し、より広帯域化や高利得化が可能になる。
また、基板本体2の平面内で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子ATの選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
さらに、アンテナ素子ATが、第1延在部E1よりも第4延在部E4の先端部側に配されているので、アンテナ素子ATと第1延在部E1及び第2延在部E2との間に浮遊容量が発生し難く、高インピーダンスである第4延在部E4の先端部に対する影響を低くすることができる。
第1受動素子P1:12nHのインダクタ
第2受動素子P2:1.8nHのインダクタ
第3受動素子P3:1.2nHのインダクタ
第4受動素子P4:ジャンパー線(0Ω抵抗)
第5受動素子P5:6.8nHのインダクタ
第6受動素子P6:1.0pFのコンデンサ
この測定結果からわかるように、全放射効率が、第1の共振周波数f1で−1.3dBであり、第2の共振周波数f2で−0.9dBであった。
また、上述したようにアンテナ素子を接続してエレメントの一部とすることが好ましいが、アンテナ素子を接続せずに、銅箔等の金属箔のみで延在した第4延在部でも構わない。この際、高インピーダンス化するために、第4延在部の少なくとも一部を他の部分よりも幅狭の細いパターンにしたり、ジグザグに折り返しながら全体として一定方向に延在するミアンダパターンとしたりすることが好ましい。
さらに、基板サイズに余裕がある場合には、上記エレメントの一部を線状若しくは板状の金属を折り返した形状のパターンに置き換えても構わない。また、同一の基板本体の表裏面に対してスルーホールを用いて、螺旋状などの形状に旋回させたパターンにしても構わない。
Claims (7)
- 絶縁性の基板本体と、
前記基板本体の表面及び裏面の少なくとも一方に、それぞれ金属箔でパターン形成されたグランド面、第1エレメント及び第2エレメントとを備え、
前記第1エレメントが、前記グランド面に近接した基端側に給電点が設けられて前記グランド面から離間する方向に延在する第1延在部と、前記第1延在部の先端に基端が接続され前記第1延在部に直交する方向に延在する第2延在部とを有し、
前記第2エレメントが、前記第2延在部の先端から前記第2延在部に直交する方向であって前記第1延在部の基端側と反対方向に延在する第3延在部と、前記第3延在部の先端から前記第2延在部に沿って前記第2延在部の基端側に向けて延在する第4延在部とを有し、
前記第3延在部と前記第2延在部との接続部に、受動素子が接続され、
前記第1エレメントが、前記第2延在部の先端から前記第2延在部の延在方向に延在した第5延在部を有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記第5延在部が、先端側が基端側よりも前記第3延在部の先端側に幅広に形成されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記第2エレメントが、前記第3延在部の先端から前記第4延在部と反対方向に延在した第6延在部を有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第4延在部に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項4に記載のアンテナ装置において、
前記第4延在部の先端側が、前記アンテナ素子の幅よりも細く形成されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項4又は5に記載のアンテナ装置において、
前記アンテナ素子が、前記第1延在部よりも前記第4延在部の先端部側に配されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第4延在部及び前記5延在部の途中に受動素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
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