JP6413891B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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例えば、誘電体ブロックによる従来技術としては、特許文献1では、放射電極を樹脂成型体に形成し、さらに誘電体ブロックを接着剤で一体化することで高効率を得る複合アンテナが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載のような誘電体ブロックによる技術では、放射電極を励振する誘電体ブロックを使用しており、機器毎に誘電体ブロック、放射電極パターン等の設計が必要になり、その設計条件によってアンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。また、放射電極が樹脂成型体の表面に形成されているため、樹脂成型体上に放射電極パターンを設計する必要があり、実装する通信機器やその用途に応じて、アンテナ設計、金型設計が必要になり、大幅なコストの増大を招いてしまう。さらに、誘電体ブロックと樹脂成型体とを接着剤で一体化するので、接着剤のQ値以外にも接着条件(接着剤の厚み、接着面積等)により、アンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。
また、特許文献2に記載のようなスイッチ,制御電圧源を用いたアンテナ装置の場合、スイッチで共振周波数を切り替えを行うために、制御電圧源の構成やリアクタンス回路等が必要であり、アンテナ構成が機器毎に複雑化し、設計の自由度が無く、容易なアンテナ調整が困難であるという問題があった。
特に、第8延在部の先端側が、第5延在部と第3延在部との間に配されており、第4延在部が、第8延在部の先端に対向した部分に凹状又は凸状に形成された容量調整部を有しているので、高インピーダンスである第8延在部の先端と容量調整部との間の浮遊容量を容量調整部の凹凸度合いで調整することができ、主に第1エレメントで得られる共振周波数と主に第2エレメントで得られる共振周波数との周波数調整、各エレメント間の結合、及び帯域幅を調整することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第4延在部が、容量調整部の反対側に突出した突出部を有しているので、突出部とグランド面との間に浮遊容量が発生し、主に第1エレメントで得られる共振周波数と主に第2エレメントで得られる共振周波数とで広帯域化を図ることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第3延在部が、先端側に基端側よりも幅広な幅広部を有しているので、幅広部により第3延在部とグランド面との間に基端側と先端側とで異なる複数の浮遊容量を発生させることができ、広帯域化を図ることができると共に調整もし易くなる。
すなわち、このアンテナ装置では、第3エレメントが、第7延在部の先端から第8延在部と反対方向に延在しているので、主に第1エレメントで得られる共振周波数と主に第2エレメントで得られる共振周波数とは別の共振周波数を得ることができ、さらなる複共振化が可能になる。
すなわち、このアンテナ装置では、第3エレメントが、第2エレメントの先端側よりも第6延在部から離間する方向に幅広に形成されて延在しているので、第2エレメントに対して第6延在部から離間する方向に少しずれて第2エレメントと逆方向へ一直線上に延在するだけでなくなることで、第2エレメントとは別の共振周波数が得易くなる。また、幅広になることで、主に第3エレメントで得られる共振周波数の広帯域化を図ることができると共に、第1エレメントの開放端との間に浮遊容量を発生させることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子のアンテナ素子によってエレメント長の短縮化及び高インピーダンス化と、浮遊容量の増大とが可能になり、複共振化の調整が容易になると共に小型化とアンテナ特性の向上とを図ることができる。
特に、第5延在部の先端部に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されているので、第1エレメントの開放端をより高インピーダンス化することができると共に、第2エレメントとアンテナ素子との間に大きな浮遊容量を発生させることができる。
また、基板本体の平面内で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子の選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、アンテナ素子が、基板本体と別の実装用基板に実装され、基板本体上の第5延在部の基端側に導電性部材を介して電気的に接続されているので、第1エレメントの開放端でインピーダンスが高いアンテナ素子だけを基板本体から分離して表面側の周囲部品等から離すことで、周囲部品等からの影響を低減することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。このように、アンテナ構成上、各共振周波数をフレキシブルに調整できるため、共振周波数の入れ替えが可能になり、用途や機器に応じて受動素子等による調整箇所を変更可能になっている。
本発明のアンテナ装置によれば、基板本体の表面及び裏面の少なくとも一方に、それぞれ金属箔でパターン形成された上記のグランド面、第1エレメント及び第2エレメントを備えているので、各エレメント間及びグランド面との間などで浮遊容量が発生し、少なくとも2つ以上の共振周波数による複共振化が可能になる。
特に、第8延在部の先端側が、第5延在部と第3延在部との間に配されており、第4延在部が、第8延在部の先端に対向した部分に凹状又は凸状に形成された容量調整部を有しているので、第8延在部の先端と容量調整部との間の浮遊容量を調整することで、主に第1エレメントで得られる共振周波数と主に第2エレメントで得られる共振周波数との周波数調整、各エレメント間の結合、及び帯域幅を調整することができる。
また、エレメントに接続するアンテナ素子および受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能になると共に、小型化および高性能化が可能になる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、多様な用途や機器に対応した複共振化が容易に可能になると共に、省スペース化を図ることができる。
上記第1エレメント3は、グランド面GNDに近接した基端側に給電点FPが設けられてグランド面GNDに沿って延在する第1延在部E1と、第1延在部E1の先端からグランド面GNDから離間する方向に延在する第2延在部E2と、第2延在部E2の先端から第2延在部E2に直交する方向に延在する第3延在部E3と、第3延在部E3の先端からグランド面GNDから離間する方向に延在する第4延在部E4と、第4延在部E4の先端から第3延在部E3に沿って第3延在部E3の基端側に向けて延在する第5延在部E5とを有している。
なお、第2延在部E2に直交する方向は、第2延在部E2の基端部が対向するグランド面GNDの端辺に沿った方向であり、この端辺に対向する基板本体2の一辺に沿った方向でもある。また、グランド面GNDから離間する方向は、基板本体2の前記一辺に向かう方向である。
また、第4延在部E4は、容量調整部E4aの反対側に突出した突出部E4bを有している。
上記第3エレメント5は、第7延在部E7の先端から第8延在部E8と反対方向に延在している。
この第3エレメント5は、第2エレメント4の先端側よりも第6延在部E6から離間する方向に幅広に形成されて延在している。
なお、第2エレメント4は、その基端側に第3エレメント5の基端側と同じ幅に広げられた幅広基端部4aを有しており、第2エレメント4の先端側が切り欠かれた形状とされている。また、第3エレメント5は、その先端側の第1延在部E1に対向する部分に切り欠き部5aが形成されている。
上記第1延在部E1には、途中に第1受動素子P1が接続されている。
上記第1エレメント3は、第1延在部E1の第1受動素子P1よりも先端側に基端が接続され、他端がグランド面GNDに接続された第1グランドパターンG1と、第1延在部E1の第1受動素子P1よりも基端側に基端が接続され、他端がグランド面GNDに接続された第2グランドパターンG2とを有している。
上記第1グランドパターンG1には、第2受動素子P2が接続されていると共に、上記第2グランドパターンG2には、第3受動素子P3が接続されている。このように、第1受動素子P1と第2受動素子P2と第3受動素子P2とにより、π型のインピーダンス調整回路を構成している。
なお、上記給電点FPは、それぞれ高周波回路(図示略)の給電点に接続される。この給電点FPには、例えば高周波回路に接続された同軸ケーブル(図示略)の芯線が接続され、該同軸ケーブルのグランド線は、近傍のグランド面GNDに接続される。また、グランド面GNDの領域には、高周波回路が実装される。
上記各受動素子は、例えばインダクタ、コンデンサ、抵抗又はジャンパ線が採用される。
このアンテナ素子ATは、共振周波数等の設定に応じて、その長さ、幅、導体パターン等が異なる素子を選択しても構わない。また、所望の周波数によっては、アンテナ素子ATに使用している誘電体121を、磁性体、若しくは誘電体と磁性体とを混合した複合材料としても構わない。
すなわち、図3に示すように、アンテナ素子ATと第3エレメント5との間の浮遊容量Caと、アンテナ素子ATと第3延在部E3との間の浮遊容量Cbと、第3エレメント5と容量調整部E4aとの間の浮遊容量Ccと、第3エレメント5と第3延在部E3の先端側(幅広部E3a)との間の浮遊容量Cdと、第3延在部E3の先端側(幅広部E3a)とグランド面GNDとの間の浮遊容量Ceと、第2エレメント4と第3延在部E3の基端側との間の浮遊容量Cfと、第3延在部E3の基端側とグランド面GNDとの間の浮遊容量Cgと、第6延在部E6と第1延在部E1との間の浮遊容量Ch、第3エレメント5とグランド面GNDとの間の浮遊容量Ciと、アンテナ素子ATと幅広基端部4aとの間に浮遊容量Cjと、突出部E4bとグランド面GNDとの間の浮遊容量Ckとが発生可能である。
以下、これら共振周波数について、より詳しく説明する。
上記第1の共振周波数f1の周波数は、第1エレメント3とアンテナ素子ATと浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ce,Cf,Ckとにより設定および調整することができる。
また、第1の共振周波数f1のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ce,Cf,Ckの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第1受動素子P1の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
なお、最終的なインピーダンス調整は、第2受動素子P2の選択により第1グランドパターンG1及びグランド面GND側に流れる高周波電流の流れをコントロールすることで、フレキシブルに行うことが可能である。
このように第1の共振周波数f1は、主に図2中の破線A1の部分で調整される。
上記第2の共振周波数f2の周波数は、第2エレメント4と第1延在部E1と第2延在部E2と浮遊容量Ca,Cc,Cd,Chとにより設定および調整することができる。
また、第2の共振周波数f2のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cc,Cd,Chの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第1受動素子P1の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
なお、最終的なインピーダンス調整は、第3受動素子P3の選択により第2グランドパターンG2及びグランド面GND側に流れる高周波電流の流れをコントロールすることで、フレキシブルに行うことが可能である。
このように第2の共振周波数f2は、主に図2中の一点鎖線A2の部分で調整される。
上記第3の共振周波数f3の周波数は、第3エレメント5と第2エレメント4の基端側(基端幅広部E3a)と第1延在部E1と第2延在部E2と第7延在部E7と浮遊容量Cf,Ch,Ci,Cjとにより設定および調整することができる。
また、第3の共振周波数f3のインピーダンス調整は、浮遊容量Cf,Ch,Ci,Cjの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第1受動素子P1の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
なお、最終的なインピーダンス調整は、第3受動素子P3の選択により第2グランドパターンG2及びグランド面GND側に流れる高周波電流の流れをコントロールすることで、フレキシブルに行うことが可能である。
このように第3の共振周波数f3は、主に図2中の二点鎖線A3の部分で調整される。
また、第3延在部E3が、先端側に基端側よりも幅広な幅広部E3aを有しているので、幅広部E3aにより第3延在部E3とグランド面GNDとの間に基端側と先端側とで異なる複数の浮遊容量Cg,Ceを発生させることができ、広帯域化を図ることができると共に調整もし易くなる。
さらに、第3エレメント5が、第2エレメント4の先端側よりも第6延在部E6から離間する方向に幅広に形成されて延在しているので、第2エレメント4に対して第6延在部E6から離間する方向に少しずれて第2エレメント4の完全な逆位相ではなくなることで、第2エレメント4とは別の共振周波数が得易くなる。また、幅広になることで、主に第3エレメント5で得られる共振周波数f3の広帯域化を図ることができると共に、第1エレメント3の開放端との間に浮遊容量f1を発生させることができる。
特に、第5延在部E5の先端部に誘電体アンテナのアンテナ素子ATが接続されているので、第1エレメント3の開放端をより高インピーダンス化することができると共に、第2エレメント4とアンテナ素子ATとの間に大きな浮遊容量Caを発生させることができる。
また、各受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。このように、アンテナ構成上、各共振周波数をフレキシブルに調整できるため、共振周波数の入れ替えが可能になり、用途や機器に応じて受動素子等による調整箇所を変更可能になっている。
すなわち、第2実施形態では、実装用基板22の表面に、銅箔等の金属箔で一対の実装用ランド部23aがパターン形成され、これら実装用ランド部23aにアンテナ素子ATの両端が半田材等で接着されてアンテナ素子ATが実装されている。
このように第2実施形態のアンテナ装置21では、アンテナ素子ATが、基板本体2と別の実装用基板22に実装され、基板本体2上の第5延在部E5の基端側に導電性部材24を介して電気的に接続されているので、第1エレメント3の開放端でインピーダンスが高いアンテナ素子ATだけを基板本体2から分離して表面側の周囲部品等から離すことで、周囲部品等からの影響を低減することができる。
第1受動素子P1:ジャンパ線(0Ωの抵抗)
第2受動素子P2:4.7nHのインダクタ
第3受動素子P3:0.5pFのコンデンサ
なお、第1の共振周波数f1の周波数は972.4MHzである。また、第2の共振周波数f2は、1776.2MHzである。さらに、第3の共振周波数f3の周波数は2050.0MHzである。
また、上記各実施形態では、一つの基板本体にグランド面、グランドパターン及びインピーダンス調整回路が第1エレメント〜第3エレメントと共に形成されているが、基板本体を、第1延在部を除く第1エレメント〜第3エレメントが形成された基板部分と、第1延在部、グランド面、グランドパターン及びインピーダンス調整回路が形成された基板部分とに分けて2つの基板部分に分割し、これらを互いに接続配線等で電気的に接続して設置しても構わない。
さらに、基板サイズに余裕がある場合には、上記エレメントの一部を線状若しくは板状の金属を折り返した形状のパターンに置き換えても構わない。また、同一の基板本体の表裏面に対してスルーホールを用いて、螺旋状などの形状に旋回させたパターンにしても構わない。
Claims (8)
- 絶縁性の基板本体と、
前記基板本体の表面及び裏面の少なくとも一方に、それぞれ金属箔でパターン形成されたグランド面、第1エレメント及び第2エレメントとを備え、
前記第1エレメントが、前記グランド面に近接した基端側に給電点が設けられて前記グランド面に沿って延在する第1延在部と、前記第1延在部の先端から前記グランド面から離間する方向に延在する第2延在部と、前記第2延在部の先端から前記第2延在部に直交する方向に延在する第3延在部と、前記第3延在部の先端から前記グランド面から離間する方向に延在する第4延在部と、前記第4延在部の先端から前記第3延在部に沿って前記第3延在部の基端側に向けて延在する第5延在部とを有し、
前記第2エレメントが、前記第2延在部に基端が接続され前記第2延在部に直交する方向であって前記第3延在部と反対側に向けて延在する第6延在部と、前記第6延在部の先端から前記グランド面から離間する方向に延在する第7延在部と、前記第7延在部の先端から前記第6延在部及び前記第3延在部に沿って前記第4延在部に向けて延在する第8延在部とを有し、
前記第8延在部の先端側が、前記第5延在部と前記第3延在部との間に配されており、前記第4延在部が、前記第8延在部の先端に対向した部分に凹状又は凸状に形成された容量調整部を有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記第4延在部が、前記容量調整部の反対側に突出した突出部を有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記第3延在部が、先端側に基端側よりも幅広な幅広部を有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記基板本体の表面及び裏面の少なくとも一方に、金属箔でパターン形成された第3エレメントを備え、
前記第3エレメントが、前記第7延在部の先端から前記第8延在部と反対方向に延在していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項4に記載のアンテナ装置において、
前記第3エレメントが、前記第2エレメントの先端側よりも前記第6延在部から離間する方向に幅広に形成されて延在していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第5延在部の先端部に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項6に記載のアンテナ装置において、
前記アンテナ素子が、前記基板本体と別の実装用基板に実装され、前記基板本体上の前記第5延在部の基端側に導電性部材を介して電気的に接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第1延在部に受動素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
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