JP6380565B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
例えば、誘電体ブロックによる従来技術としては、特許文献1では、放射電極を樹脂成型体に形成し、さらに誘電体ブロックを接着剤で一体化することで高効率を得る複合アンテナが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載のような誘電体ブロックによる技術では、放射電極を励振する誘電体ブロックを使用しており、機器毎に誘電体ブロック、放射電極パターン等の設計が必要になり、その設計条件によってアンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。また、放射電極が樹脂成型体の表面に形成されているため、樹脂成型体上に放射電極パターンを設計する必要があり、実装する通信機器やその用途に応じて、アンテナ設計、金型設計が必要になり、大幅なコストの増大を招いてしまう。さらに、誘電体ブロックと樹脂成型体とを接着剤で一体化するので、接着剤のQ値以外にも接着条件(接着剤の厚み、接着面積等)により、アンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。
また、特許文献2に記載のようなスイッチ,制御電圧源を用いたアンテナ装置の場合、スイッチで共振周波数を切り替えを行うために、制御電圧源の構成やリアクタンス回路等が必要であり、アンテナ構成が機器毎に複雑化し、設計の自由度が無く、容易なアンテナ調整が困難であるという問題があった。
特に、第2エレメントが、第1延在部の途中に基端が接続され第2延在部に沿って延在し、第2延在部が、先端側に第2エレメントの先端を超えて延在した装荷容量調整部を有し、第1エレメントと第2エレメントとの開放端が、同一方向に向けて配されているので、第2エレメントよりも突き出た装荷容量調整部とグランドパターンとの間にも浮遊容量を発生させることができ、装荷容量調整部による容量調整が可能になって主に第1エレメントで得られる共振周波数の設定が容易になる。
さらに、第2エレメントが第1エレメントの第2延在部とグランドパターンとの間に介在するため、第2延在部の装荷容量調整部よりも基端側とグランドパターンとの間に直接的な浮遊容量が発生せず、装荷容量調整部よりも基端側とグランドパターンとの間の距離による依存性は少なくなる。また、第1エレメント3からの放射による高周波電流を、第2エレメント4及び第1延在部E1を介してグランドパターンGNDへ効率的に流すことが可能になる。逆に、第2エレメントからの放射による高周波電流は、一部が第2延在部へ流れて第1延在部を介してグランドパターンへ流れる。このように放射に寄与する高周波電流を効率的に得ることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、装荷容量調整部が、第2エレメント側に広がって幅広に形成された幅広部を有しているので、幅広部の幅や長さによって第2エレメントやグランドパターンとの間の浮遊容量を効果的に設けて利用することが可能になる。
すなわち、このアンテナ装置では、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子のアンテナ素子によってエレメント長の短縮化及び高インピーダンス化と、浮遊容量の増大とが可能になり、複共振化の調整が容易になると共に小型化とアンテナ特性の向上とを図ることができる。
また、アンテナ素子と第2エレメントとの間の浮遊容量により、アンテナ素子自体が直接グランドパターンとの間の浮遊容量を発生することが無く、高インピーダンスとなるアンテナ素子と第2エレメントとの間の浮遊容量により、第2エレメントを介してグランドパターンへの高周波電流をより効率的に流すことが可能になる。
また、基板本体の平面内で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子の選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、各受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。このように、アンテナ構成上、各共振周波数をフレキシブルに調整できるため、共振周波数の入れ替えが可能になり、用途や機器に応じて受動素子等による調整箇所を変更可能になっている。
すなわち、このアンテナ装置では、第4受動素子に高インピーダンスとなるものを選択することで、主に第2延在部の基端から第4受動素子との間で、別の共振周波数を得ることが可能である。
本発明のアンテナ装置によれば、基板本体の表面にそれぞれ金属箔でパターン形成された上記のグランドパターン、第1エレメント及び第2エレメントを備えているので、各エレメント間及びグランドパターンとの間などで浮遊容量が発生し、少なくとも2つ以上の共振周波数による複共振化が可能になる。
特に、第2エレメントが、第1延在部の途中に基端が接続され第2延在部に沿って延在し、第2延在部が、先端側に第2エレメントの先端を超えて延在した装荷容量調整部を有し、第1エレメントと第2エレメントとの開放端が、同一方向に向けて配されているので、第2エレメントよりも突き出た装荷容量調整部とグランドパターンとの間にも浮遊容量を発生させることができ、第1エレメントによる容量調整が可能になって主に第1エレメントで得られる共振周波数の設定が容易になる。
また、エレメントに接続するアンテナ素子や受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能になると共に、小型化および高性能化が可能になる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、多様な用途や機器に対応した複共振化が容易に可能になると共に、省スペース化を図ることができる。
上記第2エレメント4が、第1延在部E1の途中に基端が接続され第2延在部E2に沿って延在している。すなわち、第1エレメント3と第2エレメント4との開放端は、同一方向に向いている。
上記第1延在部E1の途中には、第1受動素子P1が接続され、第2エレメント4の基端に第2受動素子P2が接続されていると共に、第1延在部E1の基端が第3受動素子P3を介してグランドパターンGNDに接続されている。
上記第1受動素子P1は、第2エレメント4の接続部よりも先端側に接続されている。
また、アンテナ素子ATよりも先端側の第2延在部E2の途中には、第4受動素子P4が接続されている。なお、第4受動素子P4は、アンテナ素子ATよりも先端側に接続されているが、装荷容量調整部E2a側よりもアンテナ素子ATに近い部分に接続されることが好ましい。
なお、上記給電点FPは、それぞれ高周波回路(図示略)の給電点に接続される。また、グランドパターンGNDの領域には、高周波回路が実装される。
上記各受動素子は、例えばインダクタ、コンデンサ、抵抗又はジャンパー線が採用される。
このアンテナ素子ATは、共振周波数等の設定に応じて、その長さ、幅、導体パターン等が異なる素子を選択しても構わない。また、所望の周波数によっては、アンテナ素子ATに使用している誘電体121を、磁性体、若しくは誘電体と磁性体とを混合した複合材料としても構わない。
すなわち、図3に示すように、装荷容量調整部E2aとグランドパターンGNDとの間の浮遊容量Caと、アンテナ素子AT先端から装荷容量調整部E2aの基端までと第2エレメント4との間の浮遊容量Cbと、第2エレメント4とグランドパターンGNDとの間の浮遊容量Ccと、アンテナ素子ATと第2エレメント4との間の浮遊容量Cdと、アンテナ素子AT基端から第2延在部E2の基端までと第2エレメント4の基端部及び基端側部E1aとの間の浮遊容量Ceとが発生可能である。
上記第1の共振周波数f1は、第1エレメント3とアンテナ素子ATと第1受動素子P1及び第4受動素子P4と浮遊容量とで決定される。また、上記第2の共振周波数f2は、アンテナ素子ATと第1受動素子P1と第4受動素子P4から基端側の第2延在部E2と浮遊容量とで決定される。さらに、上記第3の共振周波数f3は、第2エレメント4、第1エレメント3、第2受動素子P2と浮遊容量とで決定される。
「第1の共振周波数f1について」
上記第1の共振周波数f1の周波数は、第1エレメント3、アンテナ素子AT、第1受動素子P1、第4受動素子P4及び浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ceにより設定および調整することができる。
また、第1の共振周波数f1のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ceの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第1受動素子P1及び第4受動素子P4の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
このように第1の共振周波数f1は、主に図2中の二点鎖線A1の部分で調整される。
上記第2の共振周波数f2の周波数は、アンテナ素子AT、第1受動素子P1、第4受動素子P4から基端側の第2延在部E2、第1延在部E1及び浮遊容量Cd,Ce,Ccにより設定および調整することができる。なお、第4受動素子P4は、この周波数で高インピーダンスとなるように設定される。
また、第2の共振周波数f2のインピーダンス調整は、浮遊容量Cd,Ce,Ccの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第1受動素子P1の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
このように第2の共振周波数f2は、主に図2中の破線A2の部分で調整される。
上記第3の共振周波数f3の周波数は、第2エレメント4、第1エレメント3及び浮遊容量Cc,Cd,Ceにより設定および調整することができる。
また、第3の共振周波数f3のインピーダンス調整は、浮遊容量Cc,Cd,Ceの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第2受動素子P2の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
このように第3の共振周波数f3は、主に図2中の一点鎖線A3の部分で調整される。
特に、第2エレメント4が、第1延在部E1の途中に基端が接続され第2延在部E2に沿って延在し、第2延在部E2が、先端側に第2エレメント4の先端を超えて延在した装荷容量調整部E2aを有し、第1エレメント3と第2エレメント4との開放端が、同一方向に向けて配されているので、第2エレメント4よりも突き出た装荷容量調整部E2aとグランドパターンGNDとの間にも浮遊容量Caを発生させることができ、装荷容量調整部E2aによる容量調整が可能になって主に第1エレメント3で得られる共振周波数の設定が容易になる。
特に、アンテナ素子ATと第2エレメント4との間の浮遊容量により、アンテナ素子AT自体が直接グランドパターンGNDとの間の浮遊容量を発生することが無く、高インピーダンスとなるアンテナ素子ATと第2エレメント4との間の浮遊容量により、第2エレメント4を介してグランドパターンGNDへの高周波電流をより効率的に流すことが可能になる。
また、基板本体2の平面内で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子ATの選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
このように高インピーダンスに選択する受動素子としては、一番低い共振周波数(本実施形態では第1の共振周波数f1)に使用する受動素子(本実施形態の第4受動素子P4)であることが望ましい。また、この受動素子は、所望の共振周波数(前述の別の共振周波数:第2の共振周波数f2)に対して高インピーダンスにすることが望ましい。この理由としては、所望の共振周波数に対して高インピーダンスになる場合においても、一番低い共振周波数に対して良好なインピーダンスを確保できるからである。そのため、本実施形態では、第4受動素子P4に対して高インピーダンスに選択する設定としている。
したがって、第2実施形態のアンテナ装置21では、第2延在部E22の装荷容量調整部E22aが、第2エレメント4側に広がって幅広に形成された幅広部E22bを有しているので、幅広部E22bの幅や長さによって第2エレメント4やグランドパターンGNDとの間の浮遊容量を効果的に設けて利用することが可能になる。
このように第3実施形態のアンテナ装置31では、第2実施形態よりも面積が小さい幅広部E32bにより、浮遊容量Ca1,Ca2,Ca3を得ることができる。
第2及び第3実施形態に示すように、幅広部の面積や形状を変更することで、浮遊容量Ca(Ca1,Ca2,Ca3),Cfを調整することが可能である。
第1受動素子P1:L=1.0nHのインダクタ
第2受動素子P2:L=1.0nHのインダクタ
第3受動素子P3:L=1.0nHのインダクタ
第4受動素子P4:L=15nHのインダクタ
なお、表1において、第1の共振周波数f1の周波数帯は1575MHz、第2の共振周波数f2の周波数帯は2440MHz、第3の共振周波数f3の周波数帯は5200MHzである。
なお、第2延在部E2の基端から先端に向かう延在方向(アンテナ素子ATの延在方向)を−Y方向とし、第1延在部E1の基端から先端に向かう延在方向を−X方向とし、基板本体2表面に対する垂直方向をZ方向とした。この際のZX面に対する垂直偏波、水平偏波及び電力利得を測定した。
例えば、上記各実施形態では、第2延在部にアンテナ素子を設けているが、第2エレメントにアンテナ素子を設けてエレメントの短縮化を行い、装置全体の小型化を図っても構わない。
さらに、基板サイズに余裕がある場合には、上記エレメントの一部を線状若しくは板状の金属を折り返した形状のパターンに置き換えても構わない。また、同一の基板本体の表裏面に対してスルーホールを用いて、螺旋状などの形状に旋回させたパターンにしても構わない。
Claims (4)
- 絶縁性の基板本体と、前記基板本体に金属箔でパターン形成されたグランドパターンと、前記グランドパターンが形成されていない領域として前記基板本体上の前記グランドパターンと前記基板本体の少なくとも一辺との間に設けられたアンテナ占有領域と、前記アンテナ占有領域内に金属箔でパターン形成された第1エレメント及び第2エレメントとを備え、
前記第1エレメントが、前記グランドパターンに近接した基端側に給電点が設けられていると共に前記アンテナ占有領域が接する前記基板本体のいずれかの一辺に向けて延在する第1延在部と、前記第1延在部の先端から前記アンテナ占有領域が接する前記一辺に沿って延在する第2延在部とを有し、
前記第2エレメントが、前記第1延在部の途中に基端が接続され前記第2延在部に沿っていると共に前記グランドパターンに対向して延在し、
前記第2延在部が、先端側に前記第2エレメントの先端を超えて前記第2エレメントの先端が向く方向に向けて線状に延在し前記グランドパターンに対向した装荷容量調整部を有し、
前記第1エレメントと前記第2エレメントとの開放端が、同一方向に向けて配されており、
前記第2エレメントが、高周波回路に接続された前記給電点からの高周波電流が流れると前記第1エレメントとは異なる周波数で共振して電磁波を放射するエレメントであり、
前記第2延在部の途中であって前記装荷容量調整部よりも基端側に、受動素子が接続され、
前記受動素子が、前記第1エレメントのうち前記受動素子から基端側の前記第2延在部と前記第1延在部とで発生する共振周波数に対して高インピーダンスに設定されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記装荷容量調整部が、前記第2エレメント側に広がって幅広に形成された幅広部を有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記第2延在部の途中に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第1延在部に第1受動素子が接続され、
前記第2エレメントに第2受動素子が接続されていると共に、前記第1延在部の基端が第3受動素子を介して前記グランドパターンに接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
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