JP5561615B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体アンテナを用いたアンテナ装置に関する。
従来、通信機器において、無線回路基板に実装されるアンテナ素子の一つに、誘電体を用いた表面実装型アンテナ、いわゆる誘電体アンテナが挙げられる。この誘電体アンテナは、誘電体の基材にアンテナ動作を行う放射電極が設けられている。また、従来、この誘電体アンテナを用いたモノポール型または逆F型のアンテナといった開放型のアンテナ形式が主流である。
通常、モノポール型や逆F型等の開放型のアンテナの場合、開放端のインピーダンスが高いため、実装したアンテナ素子とグランドとの間の距離をできる限り長く確保する必要がある。そのため、アンテナ性能を十分確保するためには、グランド面が形成された基板において、実装されたアンテナ素子の周辺のグランドを抜いてグランド面からアンテナ素子を離す必要がある。しかしながら、実際、誘電体アンテナをアンテナ素子として基板上に実装する場合、機器の小型化を考慮すると、アンテナとして利用できるスペース(アンテナ占有領域)は限られる場合が多く、アンテナ素子周辺のグランドの影響によってアンテナ性能が十分に発揮できない不都合があった。そのため、少しでもグランドの影響を少なくするために、アンテナ素子を実装する位置を基板の端部等に実装する場合が多い。
このため、従来、例えば特許文献1には、アンテナ動作を行う容量給電タイプの放射電極が基体に設けられ、その基体は回路基板の非グランド領域に搭載されており、回路基板の接地電極と基体の放射電極とを電気的に接続するための接地用ラインが設けられているアンテナ構造が提案されている。このアンテナ構造の接地用ラインは、折り返し部を有する形状とされている。また、特許文献2には、アンテナ動作を行う放射電極が基体に形成されている表面実装型アンテナと、グランド電極が形成されているグランド領域とグランド電極が形成されていない非グランド領域とを有する基板とを有し、放射電極の一端側がグランド電極に接地されるグランド接続部とされているアンテナ構造が記載されている。
国際公開第WO2006/120762号 国際公開第WO2008/035526号
しかしながら、上記従来の技術においても、以下の課題が残されている。
上記特許文献1に記載の技術では、アンテナ性能が接地用ラインの折り返し部に多く依存するため、折り返し部の状態によってアンテナ性能の劣化や不安定要素の増加が生じてしまう問題があった。すなわち、折り返し部の長さを確保してアンテナ占有領域を大きくする必要があるため、アンテナ占有領域が限られている場合には十分なアンテナ性能が得られない。
また、上記特許文献2に記載の技術では、基板上の給電電極から容量結合されアンテナ素子自体に給電点がなく、放射電極が直接グランドと接続されているため、アンテナ性能がグランド面の状態に左右され、アンテナ性能を改善することが困難であるという不都合があった。なお、共振周波数を調整するために、インダクタ、コンデンサを経由してグランドに接続する形態も記載されているが、グランドへ広がる高周波電流の流れを抑制することは困難となり、やはりアンテナ占有領域を大きくする必要がある。また、グランドとの浮遊容量を抑制しているため、アンテナ素子の放射分に依存し、アンテナ素子周辺の状態に影響を受け、アンテナ性能を改善することが困難である。
このように、従来、アンテナ性能を改善するためには、アンテナ素子および周辺素子を含めたアンテナ占有領域を大きくするという対策が必要であり、設計の自由度が小さく、アンテナ性能の改善も困難であった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、限られたアンテナ占有領域を最大限に利用して十分なアンテナ性能を確保することができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明のアンテナ装置は、絶縁性の基板本体と、該基板本体に金属箔でパターン形成されたグランド面と、該グランド面が形成されていない領域として前記基板本体上に該基板本体の一辺に接して設けられたアンテナ占有領域と、該アンテナ占有領域から前記基板本体の一辺の反対方向に向けて延在して前記グランド面に空けられたスリット部と、該スリット部内に延在して金属箔でパターン形成され基端側に給電点が設けられると共に途中に第1受動素子が接続され先端側が前記基板本体の一辺に向けて前記アンテナ占有領域内に延在した給電パターンと、誘電体基体と該誘電体基体の表面に対向して形成された一対の導体パターンと対応する前記導体パターンに接続され前記誘電体基体の両端側に形成された一対の電極部とで構成されていると共に前記給電パターンの先端部に一端側の前記電極部が接続され前記基板本体の一辺に沿って設置された誘電体アンテナのアンテナ素子と、前記アンテナ占有領域に金属箔でパターン形成され一対の前記電極部が接着され接続される一対のランド部と、一対の前記ランド部と前記ランド部に隣接する前記グランド面とを接続して前記アンテナ占有領域に金属箔でパターン形成されインダクタンス成分を有する一対のグランド接続パターンと、他端側の前記電極部と前記給電パターンの途中とを少なくとも第2受動素子を介して接続して前記アンテナ占有領域に金属箔でパターン形成されたループ用パターンとを備えていることを特徴とする。
このアンテナ装置では、アンテナ占有領域内を延在する給電パターンの先端部に一端側の電極部が接続され基板本体の一辺に沿って設置された誘電体アンテナのアンテナ素子と、一対のランド部とランド部に隣接するグランド面とを接続してパターン形成されインダクタンス成分を有する一対のグランド接続パターンと、他端側の電極部と給電パターンの途中とを少なくとも第2受動素子を介して接続したループ用パターンとを備えているので、アンテナ占有領域内に電流分布が集中すると共にグランド面への高周波電流の流れを抑制することができる。つまり、実装時の周辺部品等の影響も低減することが可能になる。
すなわち、本アンテナ装置では、一対のグランド接続パターンによるインダクタンス成分とアンテナ素子の両端側の電極部が接続されるランド部とグランド面との間のギャップによる浮遊容量で得られる一対の並列共振と、アンテナ素子からループ用パターンの内縁部、第2受動素子および給電パターンの縁部を介してアンテナ素子に至るループ形状による共振とが生じる。
したがって、アンテナ素子と受動素子とによる開口面の短縮されたループ形状の共振と、一対の電極部が接続されるランド部とグランド面との間の浮遊容量とによる一対の並列共振と、第1受動素子による最終的なインピーダンス調整とにより、グランド面へ広がる高周波電流の流れを抑制し、限られたアンテナ占有領域を最大限に利用して高いアンテナ性能を得ることができる。
さらに、アンテナ素子は、両端側の一対の電極部が共に放射電極として動作し、方向性が無く、かつ効果的な放射電力を実現することができる。
また、第2の発明のアンテナ装置は、第1の発明において、前記アンテナ素子が、前記基板本体の一辺の近傍に設置され、前記グランド接続パターンが、前記基板本体の一辺に接して形成されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、アンテナ素子が、基板本体の一辺の近傍に設置され、グランド接続パターンが、基板本体の一辺に接して形成されているので、アンテナ素子およびグランド接続パターンが基板端に配されることで、アンテナ素子の性能を最大限に引き出して利用することができる。特に、接地ラインである一対のグランド接続パターンが基板本体の一辺に接して直線的になり、接地ラインの影響、不安定要素を低減し、低損失を実現することができる。
また、第3の発明のアンテナ装置は、第1または第2の発明において、一対の前記導電パターンが、接続された一方の前記電極部から対向する他方の前記電極部へ向けて突出し、互いに平行にパターン形成されていることを特徴とする。
すなわち、このアンテナ装置では、一対の導電パターンが、接続された一方の電極部から対向する他方の電極部へ向けて突出し、互いに平行にパターン形成されているので、一対の導電パターンによる複合的な容量結合と導電パターンの突出部分によるインダクタンス成分とが得られ、周波数およびインピーダンス調整が可能になる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明のアンテナ装置によれば、アンテナ占有領域内を延在する給電パターンの先端部に一端側の電極部が接続され基板本体の一辺に沿って設置された誘電体アンテナのアンテナ素子と、一対のランド部とランド部に隣接するグランド面とを接続してインダクタンス成分を有する一対のグランド接続パターンと、他端側の電極部と給電パターンの途中とを少なくとも第2受動素子を介して接続したループ用パターンとを備えているので、グランド面への高周波電流を抑制することができると共に、小さいアンテナ占有領域であっても高いアンテナ性能を得ることができる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、省スペースでも最大限のアンテナ性能を実現し、高い設置自由度も得ることができる。
本発明に係るアンテナ装置の一実施形態を示す平面図である。 本実施形態において、アンテナ装置を示す底面図である。 本実施形態において、アンテナ装置を示す模式的な等価回路図である。 本実施形態において、アンテナ素子を示す斜視図である。 本実施形態において、アンテナ素子を示す平面図(a)、正面図(b)および底面図(c)である。 本実施形態において、アンテナ装置の表面における電流分布を示すシミュレーション結果の高周波電流の流れを簡易的に示す説明図である。 本発明に係るアンテナ装置の実施例において、リターンロス(反射損失)特性を示すグラフである。 本実施例において、アンテナ装置の放射パターンを示すグラフである。 本発明に係るアンテナ装置の従来例1(a)および従来例2(b)を示す要部の斜視図である。 本発明の従来例1(a)、従来例2(b)および実施例のアンテナ利得を比較したグラフである。 本実施例において、基板サイズを変更した際のアンテナ利得を示すグラフである。
以下、本発明に係るアンテナ装置の一実施形態を、図1から図6を参照しながら説明する。
本実施形態におけるアンテナ装置1は、図1に示すように、絶縁性の基板本体2と、該基板本体2に金属箔でパターン形成されたグランド面GNDと、該グランド面GNDが形成されていない領域として基板本体2上に該基板本体2の一辺に接して設けられたアンテナ占有領域AOAと、該アンテナ占有領域AOAから基板本体2の一辺の反対方向に向けて延在してグランド面GNDに空けられたスリット部Sと、該スリット部S内に延在して金属箔でパターン形成され基端側に給電点FPが設けられると共に途中に第1受動素子P1が接続され先端側が基板本体2の一辺に向けてアンテナ占有領域AOA内に延在した給電パターン3と、誘電体基体7と該誘電体基体7の表面に対向して形成された一対の導体パターン4と対応する導体パターン4に接続され誘電体基体7の両端側に形成された一対の電極部4a,4bとで構成されていると共に給電パターン3の先端部に一端側の電極部4aが接続され基板本体2の一辺に沿って設置された誘電体アンテナのアンテナ素子ATと、アンテナ占有領域AOAに金属箔でパターン形成され一対の電極部4a,4bが接着され接続される一対のランド部(一端側ランド部9、他端側ランド部8a)と、一対のランド部とランド部に隣接するグランド面GNDとを接続してアンテナ占有領域AOAに金属箔でパターン形成されインダクタンス成分を有する一対のグランド接続パターン5と、他端側の電極部4bと給電パターン3の途中とを第2受動素子P2および第3受動素子P3を介して接続してアンテナ占有領域AOAに金属箔でパターン形成されたループ用パターン8とを備えている。
上記給電パターン3は、基板本体2の一辺2aの近傍まで延在し、グランド接続パターン5は、基板本体2の一辺2aに接して形成されている。また、ループ用パターン8の一端側には、他端側の電極部4bが接着され接続される他端側ランド部8aが設けられている。すなわち、ループ用パターン8の一端側は、他端側ランド部8aを介して他端側の電極部4bに接続されている。また、他端側ランド部8aは、他端側のグランド接続パターン5に接続されている。なお、他端側ランド部8aも、基板本体2の一辺2a側に配されている。
上記給電パターン3は、アンテナ占有領域AOA内に配されアンテナ素子ATの一端の電極部4aに先端が接続されて第1受動素子P1が接続されている部分よりも線幅が狭く設定された細線部3aを有している。また、細線部3aは、一端側ランド部9よりも内側に配されている。なお、一端側ランド部9は、一端側のグランド接続パターン5に接続されていると共に一端側の電極部4aが接着され接続されるランド部である。
なお、上記給電点FPは、高周波回路(図示略)の給電点に接続される。また、グランド面GNDには、高周波回路が実装される。
上記第1受動素子P1、第2受動素子P2および第3受動素子P3は、例えばインダクタ、コンデンサまたは抵抗が採用される。これらの第1〜第3受動素子P1〜P3により、所望の周波数およびインピーダンス調整を行う。例えば、本実施形態では、第1受動素子P1としてインダクタを採用し、第2受動素子P2および第3受動素子P3としてはコンデンサを採用している。なお、所望のアンテナ性能が得られれば、第3受動素子P3を省略して第2受動素子P2のみとしても構わない。
また、上記各パターン、ランド部およびグランド面GNDは、銅箔等の金属箔でパターン形成されている。
上記基板本体2は、一般的なプリント基板であって、本実施形態では、長方形状のガラスエポキシ樹脂等からなるプリント基板の本体を採用している。この基板本体2の表面には、略矩形状にグランド面GNDが抜かれて上記アンテナ占有領域AOAが設けられている。また、基板本体2の裏面は、図2に示すように、グランド面GNDがパターン形成されており、上記アンテナ占有領域AOAの直下に相当する部分のグランド面GNDが抜かれている。
上記アンテナ素子ATは、アンテナ動作の所望の共振周波数に自己共振しないアンテナ素子であって、例えば図4および図5に示すように、セラミックス等の誘電体基体7の表面にAg等の一対の導体パターン4が形成されたチップアンテナである。一対の導電パターン4は、接続された一方の電極部4a,4bから対向する他方の電極部4a,4bへ向けて突出し、互いに平行にパターン形成されている。このアンテナ素子ATは、共振周波数等の設定に応じて、誘電体材料、長さや幅等のサイズ、導体パターン4の切り込みパターン形状(突出部分の形状や間隔など)等が設定される。
また、アンテナ素子ATは、図5の(a)(c)に示すように、複合的な容量C4のみではなく、インダクタンス成分も存在しており、各電極部4a,4bからの導電パターン4における突出長さと切り込み幅とでインピーダンスが決定される。なお、アンテナ素子ATのインピーダンスは、使用周波数に対して高インピーダンスに設定されることが望ましい。また、上記アンテナ素子ATでは、上面と裏面との両面に一対の導電パターン4が形成されているが、上面または裏面のみに一対の導電パターン4を形成しても構わない。
このように、使用周波数、使用する誘電体材料から、アンテナ素子サイズが選定される。
また、アンテナ要求性能(アンテナ利得、帯域幅など)により、導体パターン4の切り込み幅等の最適化を行う。例えば、図4および図5に示すアンテナ素子ATでは、一対の導体パターン4間による容量値およびインピーダンス値の設定を行うことで、使用周波数に対するインピーダンスの最適化を行う。
上記アンテナ素子ATは、各電極部4a,4bの端子が誘電体基体7の両端だけでなく、側面側にも形成されており、給電パターン3に接続する給電端子を端部と側面側とのいずれかを選択可能になっている。なお、本実施形態では、給電パターン3の先端を一端側の電極部4aに接続されている側面側の電極端子4cに接着させ接続させることで、アンテナ素子ATを基板本体2に3箇所で接着して実装し、剥離強度の向上を図っている。なお、アンテナ素子ATを、本実施形態と同サイズで両端の電極部だけの2端子タイプのアンテナ素子に置き換えることも可能である。この場合、給電パターン3と一端側ランド部9とを接続して一体にしたパターン形状とする。
上述したように、アンテナ素子ATは、給電端子(電極端子4c)を有する一端の電極部4aが給電パターン3とグランド面GNDとに接続されている。また、終端端子となる他端の電極部4bがグランド面GNDに接続されていると共に第2受動素子P2および第3受動素子P3を経由して給電パターン3の途中に接続されている。
また、アンテナ占有領域AOAは、給電パターン3により電極部4a側と電極部4b側とに2つに分割されていると共に、当該分割された他端側の領域内にさらにループ用パターン8により囲まれた小さな領域が形成されている。
本実施形態のアンテナ装置1では、図3に示すように、一端側のグランド接続パターン5によるインダクタンス成分L1と、一端側ランド部9とグランド面GNDとの間の浮遊容量C1と、他端側のグランド接続パターン5によるインダクタンス成分L2と、他端側ランド部8aとグランド面GNDとの間の浮遊容量C2とが発生する。
すなわち、一端側のグランド接続パターン5によるインダクタンス成分L1と、一端側の電極部4aとグランド面GNDとの間のギャップによる浮遊容量C1とで得られる並列共振(図中の符号R1部分)と、他端側のグランド接続パターン5によるインダクタンス成分L2と、他端側の電極部4bとグランド面GNDとの間のギャップによる浮遊容量C2とで得られる並列共振(図中の符号R2部分)と、給電パターン3、アンテナ素子AT、第3受動素子P3および第2受動素子P2が接続されたループ用パターン8を介して給電パターン3に至るループ形状による共振(図中の符号R3部分)とが生じる。
したがって、給電パターン3の左右にそれぞれ得られる一対の並列共振と、上記ループ形状による共振と、第1受動素子P1による最終的なインピーダンス調整とにより、グランド面GNDへ広がる高周波電流の流れを抑制し、限られたアンテナ占有領域AOAを最大限に利用して高いアンテナ性能を得ることができる。
次に、本実施形態のアンテナ装置1の表面における任意の位相での電流分布をシミュレーションにより解析した結果について、高周波電流の流れを簡易的に矢印で示したものを図6に示す。この図から判るように、アンテナ占有領域AOA内に電流分布が集中し、グランド面GNDへ広がる高周波電流の流れが抑制されている。
すなわち、一端側ランド部9と隣接するグランド面GNDとの間の浮遊容量C1と一端側のグランド接続パターン5のインダクタンス成分L1とによる並列共振により、高周波電流がグランド面GNDの内縁部に沿って矢印Y1方向に流れ易くなり、グランド面GNDへ広がる高周波電流の流れが抑制される。また、他端側ランド部8aと隣接するグランド面GNDとの間の浮遊容量C2と他端側のグランド接続パターン5のインダクタンス成分L2とによる並列共振により、高周波電流がグランド面GNDの内縁部に沿って矢印Y2方向に流れ易くなり、グランド面GNDへ広がる高周波電流の流れが抑制される。
また、一対のグランド接続パターン5および他端側ランド部8aは、アンテナ素子ATを介して、放射に寄与する同方向(矢印Y3方向)へ高周波電流が流れて、互いに強め合っている。さらに、アンテナ素子ATと第2受動素子P2および第3受動素子P3を接続したループ用パターン8とによる上記ループ形状の部分には、矢印Y4方向にループ状に高周波電流が流れる。
このように本実施形態のアンテナ装置1では、アンテナ占有領域AOA内を延在する給電パターン3の先端部に一端側の電極部4aが接続され基板本体2の一辺に沿って設置された誘電体アンテナのアンテナ素子ATと、一対のランド部とランド部に隣接するグランド面GNDとを接続してインダクタンス成分L1,L2を有する一対のグランド接続パターン5と、他端側の電極部4bと給電パターン3の途中とを第2受動素子P2および第3受動素子P3を介して接続したループ用パターン8とを備えているので、アンテナ占有領域AOA内に電流分布が集中すると共にグランド面GNDへの高周波電流の流れを抑制することができる。つまり、実装時の周辺部品等の影響も低減することが可能になる。
さらに、アンテナ素子ATは、両端側の一対の電極部4a,4bが共に放射電極として動作し、方向性が無く、かつ効果的な放射電力を実現することができる。
また、アンテナ素子ATが、基板本体2の一辺2aの近傍に設置され、グランド接続パターン5が、基板本体2の一辺2aに接して形成されているので、アンテナ素子ATおよびグランド接続パターン5が基板端に配されることで、アンテナ素子ATの性能を最大限に引き出して利用することができる。特に、接地ラインである一対のグランド接続パターン5が基板本体2の一辺2aに接して直線的になり、接地ラインの影響、不安定要素を低減し、低損失を実現することができる。
さらに、一対の導電パターン4が、接続された一方の電極部4a,4bから対向する他方の電極部4a,4bへ向けて突出し、互いに平行にパターン形成されているので、一対の導電パターン4による複合的な容量結合と導電パターン4の突出部分によるインダクタンス成分とが得られ、周波数およびインピーダンス調整が可能になる。
なお、一対の導電パターン4を点対称の関係で形成することにより左右の方向性を考慮せずに実装可能になると共に、さらに上下面で同じ導電パターン4とすることで、表裏の方向性も無くなり、実装時の不具合を低減することも可能になる。
なお、アンテナ素子ATは、アンテナ素子ATからの放射空間を広く確保するため、できるだけ基板本体2の端、すなわち一辺2aに近づけて設置することが望ましい。
また、グランド接続パターン5は、最短でかつ直線で一端側ランド部9および他端側ランド部8aから隣接するグランド面GNDへ繋げることが望ましい。
また、給電パターン3、一端側ランド部9、グランド接続パターン5およびグランド面GNDの内縁部で囲まれる開口部は、広い方が望ましい。
さらに、アンテナ占有領域AOAは、できるだけ大きい方が望ましい。また、ループ用パターン8を用いた上記ループ形状による開口面積は広い方が望ましい。
なお、基板本体2のサイズは、影響が少ないが、波長の4分の1以上の長さであることが好ましい。
次に、本実施形態のアンテナ装置を実際に作製した実施例において評価した結果を、図7から図11を参照して説明する。
まず、基板本体2のサイズを、上記一辺2aを100mmとすると共に上記一辺2aに直交する辺を50mmとした実施例を作成した。また、この際の第1受動素子P1は8nHのインダクタを採用し、第2受動素子P2および第3受動素子P3はそれぞれ0.3pFのコンデンサを採用した。さらに、給電点FPは、基板本体2の略中央に設定した。
この本実施例におけるリターンロス結果を、図8に示す。また、本実施例における放射パターンを図9に示す。なお、この際、基板本体2の一辺2aの延在方向をY方向とし、給電パターン3の延在方向をX方向とし、基板本体2の表面に直交する方向をZ方向とした場合のZX面に対する垂直偏波を測定した。
これらから、本実施例では、リターンロスが少ないと共に無指向性の放射パターンおよび全方位平均電力:−1.44dBiが得られ、高いアンテナ性能を実現できていることが判る。
次に、アンテナ占有領域AOAのサイズを5mm×5mmに設定した実施例を作製し、開放型の従来のアンテナとして、図9の(a)(b)に示す逆Fアンテナ形式の従来例1および2とアンテナ利得について比較した。
上記従来例1は、図9の(a)に示すように、アンテナ占有領域AOAのサイズを本実施例と同様に5mm×5mmに設定したものであり、上記従来例2は、図9の(b)に示すように、アンテナ占有領域AOAのサイズを本実施例よりも幅広に10mm×5mmに設定したものである。これらの従来例1および2では、アンテナ素子AT0が接続された逆F形状のアンテナエレメント23を有している。なお、基板本体2のサイズは、上記実施例と同様にいずれも100mm×50mmである。また、アンテナ素子AT0は、誘電体基体のアンテナエレメント23に接続された端面から上面まで銅パターン24が形成されている。
本実施例と従来例1および2とのアンテナ利得を比較したグラフを、図10に示す。従来例1では、全方位アンテナ利得が−5.07dBiと低く、これを改善するためにアンテナ占有領域AOAを広げた従来例2でも、全方位アンテナ利得が−2.23dBiまでしか改善されていない。これらに対し、本実施例では、従来例1と同様の小さなアンテナ占有領域AOAであるが、全方位アンテナ利得が−1.44dBiと高いアンテナ利得が得られ、従来例1および2とそれぞれ3.6dB、0.8dBの差が得られている。このように、本実施例では、アンテナ占有領域AOAが小さい場合でも高いアンテナ性能が実現可能である。
次に、基板本体2のサイズ(基板本体2の一辺2a×該一辺2aに直交する辺)を、100mm×50mm、50mm×50mmおよび25mm×25mmの3種類用意して3つの実施例を作製し、それぞれのアンテナ利得について調べた。サイズを変更した各基板本体2の実施例によるアンテナ利得を比較したグラフを、図11に示す。
この結果から判るように、基板本体2のサイズ100mm×50mm、50mm×50mmおよび25mm×25mmの各実施例は、全方位アンテナ利得がそれぞれ−1.44dBi、−0.81dBiおよび−1.88dBiであり、基板本体2のサイズが小さくなっても本実施例ではアンテナ性能の劣化が少ない。
なお、本発明は上記実施形態および上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、基板本体2裏面のグランド面GNDにおいて表面のスリット部Sに対向する部分を、表面のスリット部Sと同様に直線状にグランド面GNDを抜いてグランド面GNDが無い部分としても構わない。
また、上記実施形態では、第1受動素子P1が、給電パターン3のスリット部S内に配された部分に設置されているが、給電パターン3のアンテナ占有領域AOA内に延在した部分の途中に設置しても構わない。
また、上記実施形態では、給電パターン3に線幅の狭い細線部3aが形成されているが、この細線部3aに該当する部分を、線幅を給電パターン3の基端側と同等若しくは太く設定しても構わない。
1…アンテナ装置、2…基板本体、2a…基板本体の一辺、3…給電パターン、4…導電パターン、4a…アンテナ素子の一端の電極部、4b…アンテナ素子の他端の電極部、5…グランド接続パターン、7…誘電体基体、8…ループ用パターン、8a…他端側ランド部、9…一端側ランド部、AOA…アンテナ占有領域、AT…アンテナ素子、FP…給電点、GND…グランド面、P1…第1受動素子、P2…第2受動素子、P3…第3受動素子、S…スリット部

Claims (3)

  1. 絶縁性の基板本体と、
    該基板本体に金属箔でパターン形成されたグランド面と、
    該グランド面が形成されていない領域として前記基板本体上に該基板本体の一辺に接して設けられたアンテナ占有領域と、
    該アンテナ占有領域から前記基板本体の一辺の反対方向に向けて延在して前記グランド面に空けられたスリット部と、
    該スリット部内に延在して金属箔でパターン形成され基端側に給電点が設けられると共に途中に第1受動素子が接続され先端側が前記基板本体の一辺に向けて前記アンテナ占有領域内に延在した給電パターンと、
    誘電体基体と該誘電体基体の表面に対向して形成された一対の導体パターンと対応する前記導体パターンに接続され前記誘電体基体の両端側に形成された一対の電極部とで構成されていると共に前記給電パターンの先端部に一端側の前記電極部が接続され前記基板本体の一辺に沿って設置された誘電体アンテナのアンテナ素子と、
    前記アンテナ占有領域に金属箔でパターン形成され一対の前記電極部が接着され接続される一対のランド部と、
    一対の前記ランド部と前記ランド部に隣接する前記グランド面とを接続して前記アンテナ占有領域に金属箔でパターン形成されインダクタンス成分を有する一対のグランド接続パターンと、
    他端側の前記電極部と前記給電パターンの途中とを少なくとも第2受動素子を介して接続して前記アンテナ占有領域に金属箔でパターン形成されたループ用パターンとを備えていることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 請求項1に記載のアンテナ装置において、
    前記アンテナ素子が、前記基板本体の一辺の近傍に設置され、
    前記グランド接続パターンが、前記基板本体の一辺に接して形成されていることを特徴とするアンテナ装置。
  3. 請求項1または2に記載のアンテナ装置において、
    一対の前記導電パターンが、接続された一方の前記電極部から対向する他方の前記電極部へ向けて突出し、互いに平行にパターン形成されていることを特徴とするアンテナ装置。
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