JP7320196B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
従来、特許文献2のような基板上のグランド面を矩形状に切り欠いた長方形状のアンテナ占有領域において、高周波だけでなく低周波のアンテナパターンを設けて複共振化する場合、通常、低周波側のアンテナパターンを当該グランド面から離れた領域に設計し、高周波側のアンテナパターンをアンテナ占有領域の短辺に近接したグランド面に近く設計する。このとき、低周波側では、基板におけるグランド面の垂直方向の長さ(アンテナ占有領域の短辺長さ)を利用して、当該垂直方向にアンテナパターンの一部を延在させることで効果的にアンテナ特性を得ることができる。しかしながら、小型基板において短辺がグランド面に隣接した長方形状のアンテナ占有領域であると、アンテナ占有領域が狭く、特に短辺長さが短いために、低周波・高周波共に十分なアンテナ特性を得ることが困難であった。すなわち、給電点から水平方向(アンテナ占有領域の長辺方向)の前記短辺側のグランド面までの距離が短く、十分な長さの高周波側のアンテナパターンが設けられないと共に、アンテナパターンの折り返しを長くすると高周波側のアンテナと低周波側のアンテナとが、干渉し易くなってしまう不都合があった。
すなわち、このアンテナ装置では、第4延在部と第5延在部と第6延在部とを有しているので、折り返して長く延在した第2エレメントによって良好な高周波側のアンテナ特性を得ることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第1エレメントが、第2延在部の途中から前記一辺に向けて第6延在部の先端及び第3延在部の先端に対向する位置まで突出した突出部を有しているので、突出部と第3延在部との間と、突出部と第6延在部との間とで浮遊容量がそれぞれ発生し、各帯域を広くすることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第1延在部が、第2延在部の接続部から第6延在部の途中に向けて突出した容量調整部を有しているので、容量調整部と第6延在部との間に高い浮遊容量が生じて第6延在部を短く設定しても十分なアンテナ特性を得ることが可能になる。なお、容量調整部を第6延在部の途中ではなく先端に向けて突出させた場合、第2エレメントの先端と結合し易くなり、互いに干渉してアンテナ特性が劣化してしまうおそれがある。
すなわち、このアンテナ装置では、第2延在部の途中に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されているので、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子のアンテナ素子によってエレメント長の短縮化及び高インピーダンス化と、浮遊容量の増大とが可能になり、複共振化の調整が容易になると共に小型化とアンテナ特性の向上とを図ることができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第2延在部及び第4延在部の少なくとも一方の基端又は途中に、受動素子が接続されているので、各受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。このように、アンテナ構成上、各共振周波数をフレキシブルに調整できるため、共振周波数の入れ替えが可能になり、用途や機器に応じて受動素子等による調整箇所を変更可能になっている。
本発明のアンテナ装置によれば、給電点が、第1グランド領域から離間してアンテナ占有領域の他方の短辺側で第2グランド領域に近接して配され、容量装荷部が、第2延在部の基端部よりも幅広に形成された容量装荷部とされているので、長く第2グランド領域に沿って延在する第1エレメントが更に容量装荷部を介して折り返すことで、良好な低周波側のアンテナ特性が得られると共に、高周波側のアンテナ特性と干渉し難いため、高周波側も良好なアンテナ特性を得ることができる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、小型基板において長方形状の狭いアンテナ占有領域であっても高性能に複共振化することが可能になる。
上記給電点FPは、第1グランド領域G1から離間してアンテナ占有領域AOAの他方の短辺側で第2グランド領域G2に近接して配されている。
第1エレメント3が、給電点FPから前記一辺2aに向かって延在する第1延在部E1と、第1延在部E1から第1グランド領域G1に向かって延在した第2延在部E2と、第2延在部E2の先端部から前記一辺2a側に向かって延在する容量装荷部E2aと、容量装荷部E2aの先端から第2延在部E2に沿って第1グランド領域G1から離間する方向に延在する第3延在部E3とを備えている。
上記容量装荷部E2aは、第2延在部E2の基端部よりも幅広に形成されている。
すなわち、第1エレメント3は、前記一辺2a側にコ字状に折り返されて延在し、第2延在部E2の先端部に、容量装荷部E2aが設けられている。
すなわち、第2エレメント4は、前記一辺2a側にコ字状に折り返されて延在している。
なお、第2延在部E2の基端部は、前記一辺2aから離間してアンテナ占有領域AOAの短辺方向(アンテナ占有領域AOAの長手方向に直交する方向)の略中間に配置されている。
また、第6延在部E6の先端部は、第2延在部E2の基端部に沿って対向する位置まで延在している。
上記第1延在部E1は、第2延在部E2の接続部から第6延在部E6の途中に向けて突出した容量調整部E1aを有している。この容量調整部E1aは、第2延在部E2の基端部よりも幅広に形成されることが好ましい。
また、第2延在部E2及び第4延在部E4の少なくとも一方の基端又は途中には、受動素子が接続されている。本実施形態では、第2延在部E2の基端部に第1受動素子P1が接続され、第4延在部E4の基端部に第2受動素子P2が接続されている。
さらに、第1延在部E1の基端には、給電点FPと離間して第2グランド領域G2と接続された第3受動素子P3が接続されている。
上記各受動素子は、例えばインダクタ、コンデンサ、抵抗又はジャンパー線が採用される。
なお、グランドパターンGNDの領域には、回路部品等を実装しても構わない。
上記給電点FPは、同軸ケーブル等の給電手段を介して別のメイン基板等に設けられた高周波回路(図示略)の給電点に接続される。この給電手段としては、同軸ケーブル、レセプタクル等のコネクタ、接点が板バネ形状を有する接続構造、接点がピンプローブ形状またはピン形状を有する接続構造、ハンダ付け用のランドを用いた接続構造等の種々の構造が採用可能である。
例えば、給電手段として同軸ケーブルを採用する場合、第2グランド領域G2に同軸ケーブルのグランド線が接続されると共に、同軸ケーブルの芯線が給電点FPに接続される。
このアンテナ素子ATは、共振周波数等の設定に応じて、その長さ、幅、導体パターン等が異なる素子を選択しても構わない。また、所望の周波数によっては、アンテナ素子ATに使用している誘電体121を、磁性体、若しくは誘電体と磁性体とを混合した複合材料としても構わない。
すなわち、図3に示すように、容量装荷部E2aと第1グランド領域G1との間の浮遊容量Caと、容量装荷部E2a及び第2延在部E2の先端部と第2グランド領域G2との間の浮遊容量Cbと、アンテナ素子ATと第2グランド領域G2との間の浮遊容量Ccと、アンテナ素子ATと第3延在部E3との間の浮遊容量Cdと、第3延在部E3と突出部E2bとの間の浮遊容量Ceと、突出部E2bと第6延在部E6との間の浮遊容量Cfと、突出部E2bと第2グランド領域G2との間の浮遊容量Cgと、第6延在部E6と第2延在部E2との間の浮遊容量Chと、容量調整部E1aと第6延在部E6との間の浮遊容量Ciと、第4延在部E4と第6延在部E6との間の浮遊容量Cjと、第4延在部E4及び第5延在部E5と第2グランド領域G2との間の浮遊容量Ckとが発生可能である。
本実施形態のアンテナ装置1では、図6に示すように、周波数の低い方から、第1の共振周波数f1及び第2の共振周波数f2の順に2つの周波数帯に複共振化される。
なお、この測定においては、各受動素子は以下のものを用いた。
第1受動素子P1:L=10nHのインダクタ
第2受動素子P2:L=3.3nHのインダクタ
第3受動素子P3:L=5.6nHのインダクタ
上記第1の共振周波数f1の周波数は、アンテナ素子ATを含む第1エレメント3により設定および調整することができる。
また、第1の共振周波数f1のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca~Cgの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第1受動素子P1の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
このように第1の共振周波数f1は、主に図2中の一点鎖線A1の部分で調整される。
上記第2の共振周波数f2の周波数は、第2エレメント5及び容量調整部E1aにより設定および調整することができる。
また、第2の共振周波数f2のインピーダンス調整は、浮遊容量Cf~Ckの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第2受動素子P2の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
このように第2の共振周波数f2は、主に図2中の二点鎖線A2の部分で調整される。
なお、比較例1及びアンテナ装置101では、図7に示すように、給電点FPを第1グランド領域G1に近い側に配し、給電点FPから第1グランド領域G1側に高周波側アンテナエレメント103をコ字状に形成し、高周波側アンテナエレメント103とは反対側に向けて給電点FPから低周波側アンテナエレメント104をL字状に延在させた。また、低周波側アンテナエレメント104は、先端部にアンテナ素子ATが接続されている。
また、第1エレメント3が、第2延在部E2の途中から前記一辺2aに向けて第6延在部E6の先端及び第3延在部E3の先端に対向する位置まで突出した突出部E2bを有しているので、突出部E2bと第3延在部E3との間と、突出部E2bと第6延在部E6との間とで浮遊容量Ce,Cfがそれぞれ発生し、各帯域を広くすることができる。
また、第2延在部E2及び第4延在部E4の少なくとも一方の基端又は途中に、受動素子P1,P2が接続されているので、各受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。このように、アンテナ構成上、各共振周波数をフレキシブルに調整できるため、共振周波数の入れ替えが可能になり、用途や機器に応じて受動素子等による調整箇所を変更可能になっている。
例えば、上記実施形態では、第2延在部にアンテナ素子を設けているが、他の延在部にアンテナ素子を設けてエレメントの短縮化を行い、装置全体の小型化を図っても構わない。
また、第3延在部や第6延在部をスルーホールを介して基板本体の裏面側に形成しても構わない。
Claims (6)
- 絶縁性の基板本体と、
前記基板本体に金属箔でパターン形成されグランドに接続されるグランドパターンと、
前記グランドパターンが形成されていない領域として前記基板本体上に前記基板本体の一辺に接して設けられ前記一辺に沿って長方形状に延在したアンテナ占有領域と、
前記アンテナ占有領域に金属箔でパターン形成され給電点と接続された第1エレメント及び第2エレメントとを備え、
前記グランドパターンが、前記一辺と前記アンテナ占有領域の一方の短辺とに近接した第1グランド領域と、
前記一辺から離間し前記アンテナ占有領域の一方の長辺に近接した第2グランド領域とを有し、
前記給電点が、前記第1グランド領域から離間して前記アンテナ占有領域の他方の短辺側で前記第2グランド領域に近接して配され、
前記第1エレメントが、前記第2エレメントよりも前記第2グランド領域側に配されていると共に、前記給電点から前記一辺に向かって延在する第1延在部と、
前記第1延在部から前記第1グランド領域に向かって延在した第2延在部と、
前記第2延在部の先端部から前記一辺側に向かって延在する容量装荷部と、
前記容量装荷部の先端から前記第2延在部に沿って前記第1グランド領域から離間する方向に延在する第3延在部とを備え、
前記容量装荷部が、前記第2延在部の基端部よりも幅広に形成されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記第2エレメントが、前記第1延在部から前記第2延在部とは反対方向に延在する第4延在部と、
前記第4延在部の先端から前記一辺に向けて延在した第5延在部と、
前記第5延在部の先端から前記第4延在部に沿って前記第3延在部側に向けて延在する第6延在部とを有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項2に記載のアンテナ装置において、
前記第1エレメントが、前記第2延在部の途中から前記一辺に向けて前記第6延在部の先端及び第3延在部の先端に対向する位置まで突出した突出部を有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項2又は3に記載のアンテナ装置において、
前記第1延在部が、前記第2延在部の基端部よりも幅広に形成され前記第2延在部の接続部から前記第6延在部の途中に向けて突出した容量調整部を有していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第2延在部の途中に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項2から4のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第2延在部及び前記第4延在部の少なくとも一方の基端又は途中に、受動素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
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