JP6787001B2 - フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、フィルムに関する。
ポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるアクリル樹脂は、透明性や耐候性に優れ、屋外環境に晒される物品、あるいはそのような物品の保護材として利用されている。しかし、硬く、脆い性質も併せ持つため、応用できる範囲が限定されていた。
一方で、アクリル樹脂は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)に代表されるフッ化ビニリデン樹脂と相溶しやすいことが知られている。フッ化ビニリデン樹脂とのポリマーブレンドによるアクリル樹脂の改質は、これまでに広く取り組まれてきた。
特許文献1にはアクリル樹脂と結晶性フッ素化ポリマーとをブレンドした光学フィルムが開示されている。結晶性フッ素化ポリマーの量を調整することで、結晶性フッ素化ポリマーの結晶化を防ぎ、アクリル樹脂の透明性を損なわずに加工特性を改質している。
また、特許文献2には、アクリル樹脂の低温での耐衝撃性を改質した樹脂組成物が開示されている。熱可塑性エラストマーを必須成分の一つとしており、その例としてPVDFをブレンドしたものも例示されている。
しかし、特許文献1に記載のフィルムや特許文献2に記載の樹脂組成物では、フィルムのような薄い成形体としたときに依然として硬脆かった。特に、引裂き耐性に劣るため、二次加工で張力をかけたり曲面に追従させたりする用途では取り扱うのが困難であった。
特開2010−265396号公報 特開2013−213087号公報
本発明の目的は、透明性と引裂き耐性に優れ、かつ貯蔵温度下で物性が変質しにくい樹脂組成物を提供すること、及び、透明性と引裂き耐性に優れ、かつ貯蔵温度下で物性が変質しにくいフィルムを提供することにある。
前記目的は、以下の本発明の[1]〜[8]によって達成される。
[1] アクリル樹脂(A)61〜90質量%及びフッ化ビニリデン樹脂(B)10〜39質量%を含む樹脂組成物であって、
示差走査熱量計により、30℃から200℃まで10℃/分で昇温する過程で観測される結晶融解エンタルピーが0〜5J/gであり、
前記アクリル樹脂(A)が、アクリルゴムをコアとし、さらにグラフト部を設けたコアシェル構造を有する樹脂を含有する、樹脂組成物。
[2] 前記アクリル樹脂(A)のゲル含有率が、アクリル樹脂(A)を100質量%としたときに40質量%〜80質量%である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 示差走査熱量計により200℃から30℃まで10℃/分で降温する過程で観測される結晶化エンタルピーが0〜5J/gである、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] [1]〜[3]のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなるフィルム。
[5] JIS K7128−3に準拠して、23℃で200mm/分の速度で測定した引裂き伸度が12%以上である、[4]に記載のフィルム。
[6] JIS K7128−3に準拠して、23℃で200mm/分の速度で測定した引裂き強度が70〜200N/mm以上である、[4]又は[5]に記載のフィルム。
[7] JIS K7128−3に準拠して、23℃で200mm/分の速度で測定した引裂き強度が85N/mm以上である、[4]〜[6]のいずれか1項に記載のフィルム。
[8] [4]〜[7]のいずれか1項に記載のフィルムを基材とする保護フィルム。
本発明の樹脂組成物は、透明性と引裂き耐性に優れ、かつ貯蔵温度下で物性が変質しにくいため、有用である。
本発明のフィルムは、透明性と引裂き耐性に優れ、かつ貯蔵温度下で物性が変質しにくいため、有用である。
以下、本発明の樹脂組成物および本発明のフィルムについて説明する。なお、本発明においてフィルムとは、厚みが10〜350μm程度の平板材料のことを指す。
本発明の樹脂組成物は、アクリル樹脂(A)61〜90質量%及びフッ化ビニリデン樹脂(B)10〜39質量%を含む。
<アクリル樹脂(A)>
本発明で用いるアクリル樹脂(A)は、アクリルゴムをコアとし、さらにグラフト部を設けたコアシェル構造を有する樹脂である。
ここで、アクリルゴムとは、後述する単量体を重合して得られる三次元網目構造を有する重合体を指す。
また、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
アクリル樹脂(A)に含まれるアクリルゴムの質量平均粒子径は、本発明の樹脂組成物をフィルムに成形したときの機械的特性の観点から、0.03μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.07μm以上が更に好ましい。この平均粒子径は、透明性の観点から0.3μm以下が好ましく、0.15μm以下がより好ましく、0.13μm以下が特に好ましい。なお、質量平均粒子径は、大塚電子(株)製の光散乱光度計DLS−700(商品名)を用いた動的光散乱法により測定することができる。
アクリルゴムのTgは本発明の樹脂組成物をフィルムに成形したときの機械的特性の観点から、25℃未満であることが好ましい。10℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることが更に好ましい。耐熱性の観点から、アクリルゴムのTgは−40℃以上が好ましく、−30℃以上がより好ましい。
アクリルゴムは、本発明の樹脂組成物の耐候性を損なわずに機械的特性を得る観点から、アルキルアクリレート50〜99.9質量%、アルキルメタクリレート0〜49.9質量%、及び、重合性の二重結合を二個以上有する多官能性(メタ)アクリレート0.1〜10質量%からなる重合体であることが好ましい。ただし、アクリルゴムの重合に用いる単量体の総量は100質量%である。
アルキルアクリレートのアルキル基は、直鎖でも良く、分岐鎖でも良い。アクリルゴムの耐熱性の観点から、アルキルアクリレートのアルキル基の炭素数は1〜8が好ましく、4以下がより好ましい。このようなアルキルアクリレートの具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレートが挙げられる。これらは単独または二種類以上を混合して使用できる。
任意成分として使用されるアルキルメタクレートのアルキル基は、直鎖でも良く、分岐鎖でも良い。アクリルゴムの耐熱性の観点から、アルキルメタクリレートのアルキル基の炭素数は4以下が好ましい。このようなアルキルメタクリレートの具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレートが挙げられる。これらは単独または二種類以上を混合して使用できる。
多官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の、重合反応性が等しい二重結合を二個以上有するアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート、メタリル(メタ)アクリレート、クロチル(メタ)アクリレート等の、重合反応性が異なる二重結合を二個以上有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で又は二種以上を混合して使用することができる。
なお、重合反応性が異なる二重結合を二個以上有する多官能性アクリレートは、いわゆるグラフト交叉剤として作用する。共重合性のα,β−不飽和カルボン酸のアリルエステル、メタリルエステル又はクロチルエステル等をグラフト交叉剤として用いた場合、通常、そのエステルの共役不飽和結合が、アリル基、メタリル基或いはクロチル基よりはるかに速く反応し化学結合を形成する。
また、アクリルゴムは上記単量体の混合比を変えて多段重合し、多層構造のゴムとしても良い。多層構造とすることで、グラフト部との屈折率差を緩やかにして透明性を向上させたり、樹脂組成物の機械的特性を調整したりすることができる。
アクリル樹脂(A)のグラフト部は、透明性、耐候性およびフッ化ビニリデン樹脂(B)への相溶性を確保する観点から、アルキル(メタ)アクリレート単量体からなる重合体であることが好ましい。このような単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で又は二種以上を混合して使用することができる。中でも、アクリル樹脂(A)の耐熱性の観点から、メチルメタクリレートまたはエチルメタクリレートの使用がより好ましい。
なお、フッ化ビニリデン樹脂への相溶性を損なわない範囲で、他の単量体を共重合させても良いが、耐候性を損なわないためにアクリレートの使用が好ましい。共重合させられるアクリレートの具体例としては、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの単量体を共重合させる場合は、フッ化ビニリデン樹脂(B)への相溶性を損なわないために、グラフト部の重合に用いる単量体を100質量%としたときに、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましく、0〜10質量%が更に好ましい。
グラフト部には、上記の各単量体の他に連鎖移動剤を含有させることもできる。なお、連鎖移動剤は、通常のラジカル重合に用いられるものの中から適宜選択することができる。具体例としては、炭素数2〜20のアルキルメルカプタン、メルカプト酸類、チオフェノール、四塩化炭素が挙げられる。連鎖移動剤の使用量は、特に限定されないが、グラフト部を重合する際に用いる単量体合計100質量部に対して、0〜5質量部であることが好ましい。
また、グラフト部は上記単量体の混合比を変えて多段重合し、多層構造としても良い。多層構造とすることで、アクリルゴムとの屈折率差を緩やかにして透明性を向上させたりすることができる。
なお、アクリルゴムにグラフトする際には、アクリルゴムに前記グラフト交叉剤を使用して、ゴムとグラフト部に化学結合を形成させることが好ましい。ゴムとグラフト部を化学結合させることで、成形加工時にゴムの凝集や偏りを防ぐことができる。
アクリル樹脂(A)の重合に用いる単量体の合計を100質量%としたときに、グラフト部の重合に用いる単量体の量は20〜60質量%が好ましい。グラフト部が20質量%以上であれば、樹脂組成物の耐熱性が良好となりやすい。また、グラフト部が60質量%以下であれば、樹脂組成物の機械的特性が発揮されやすい。耐熱性と機械的特性の観点から、グラフト部の重合に用いる単量体の量は25〜55質量%がより好ましく、30〜50質量%が更に好ましい。
本発明で用いるアクリル樹脂(A)の製造方法としては、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等、公知の方法を用いることができる。多段重合を行う際の工程の簡便さから、乳化重合が好ましい。
コアとシェルが化学結合により結びついたコアシェル構造のポリマーがアクリル樹脂(A)に占める割合は、アクリル樹脂(A)の「ゲル含有率」を求めることで計算できる。
なお、本発明において、「ゲル含有率」とは、所定質量w1(g)の試料(例えば、アクリル樹脂(A))をアセトン中還流下で6時間抽出処理し、この処理液を遠心分離(14000rpm、30分間)により分別し、溶液をデカンテーションで取り除き、アセトン不溶分を回収して乾燥後(50℃、24時間)、そのアセトン不溶分の質量w2(g)を測定し、下記式にて算出される値である。
ゲル含有率(質量%)=w2/w1×100
ゲル含有率は、40〜80質量%が好ましい。ゲル含有率が40質量%以上であればアクリル樹脂(A)が製膜できる程度の柔軟性を発揮し、ゲル含有率80質量%以下であれば、アクリル樹脂(A)がブロッキングしにくく、取扱い性に優れる。柔軟性と取扱い性の観点から、ゲル含有率は45〜75質量%がより好ましく、50〜70質量%が更に好ましい。
アセトン可溶分はアクリルゴムと化学結合をもたないポリマーであり、製造過程でアクリル樹脂(A)に含まれる。また、このようなポリマーを配合させてもよい。
<フッ化ビニリデン樹脂(B)>
本発明で用いるフッ化ビニリデン樹脂(B)は、アクリル樹脂(A)と相溶性が高いものが挙げられる。本発明で用いるフッ化ビニリデン樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデンのホモポリマー、又はフッ化ビニリデン系樹脂中フッ化ビニリデン単位を70質量%以上含有するコポリマーが挙げられる。フッ化ビニリデン樹脂は、フッ化ビニリデン単位の含有率が高いほど結晶性が良好であり、好ましい。
フッ化ビニリデン樹脂(B)がコポリマーである場合、フッ化ビニリデン樹脂(B)を製造するためにフッ化ビニリデンと共重合させるモノマーとしては、例えば、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンが挙げられる。
フッ化ビニリデン樹脂(B)としては、工業的な入手が容易な点で、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。フッ化ビニリデン樹脂(B)として工業的に入手可能な具体例としては、例えば、アルケマ(株)製のKynar720、Kynar710、Kynar740、(株)クレハ製のKF850、ソルベイスペシャリティポリマーズ(株)製のSolef6008、6010などが挙げられる。
フッ化ビニリデン樹脂(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フッ化ビニリデン樹脂(B)として用いるフッ化ビニリデン系樹脂の重合方法としては、懸濁重合、乳化重合等、公知の重合法を用いることができる。
フッ化ビニリデン樹脂(B)の質量平均分子量は、成形加工に適した溶融粘度を得るため5万〜100万が好ましく、10万〜75万がより好ましい。
本発明において、質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した値をいい、例えば、テトラヒドロフランや水、ジメチルヒドロフラン等の溶媒を溶離液として、ポリスチレン換算分子量として求めた値を用いる。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物に含まれる重合体の100質量%に対して、61〜90質量%のアクリル樹脂(A)、及び10〜39質量%のフッ化ビニリデン樹脂(B)を含有する。
フッ化ビニリデン樹脂(B)の含有率が10〜39質量%であれば、フッ化ビニリデン樹脂(B)が結晶化しないため透明性が高く、かつ引裂き耐性が向上する。ここで、透明性に優れるとは、例えば、樹脂組成物を成形し、厚さ50μmのフィルムとしたときに、ヘーズ値が0〜5%を示すものを指す。
また、透明性と引裂き耐性を両立する観点で、樹脂組成物に含まれる重合体の総量100質量%に対して、アクリル樹脂(A)の含有率は61〜80質量%がより好ましく、61〜75質量%が更に好ましい。
アクリル樹脂(A)の含有率が61質量%以上であれば結晶化が進行しにくい。すなわち、貯蔵温度下での経時や加温による結晶化が進行しにくく、寸法が安定しやすい。また、90質量%以下であれば、引裂き耐性が向上する。
透明性と引裂き耐性を両立する観点で、樹脂組成物に含まれる重合体の総量100質量%に対して、フッ化ビニリデン樹脂(B)の含有率は20〜39質量%がより好ましく、25〜39質量%が更に好ましい。
フッ化ビニリデン樹脂(B)の含有率が10質量%以上であれば、引裂き耐性が向上する。また、39質量%以下であれば、貯蔵温度下での経時や加温による結晶化が進行しにくく、寸法が安定しやすい。
なお、本発明の樹脂組成物中、アクリル樹脂(A)とフッ化ビニリデン樹脂(B)の含有量の合計は100質量%である。ただし、後述するように、用途に応じて添加剤を配合しても良い。
本発明の樹脂組成物は非晶性であることが好ましい。結晶性か非晶性かは示差走査熱量分析にて判断できる。
示差走査熱量計により測定した樹脂組成物の結晶融解エンタルピーが小さいほど、結晶化度が小さいことを示す。なお、本発明における結晶融解エンタルピーの値は、樹脂組成物調製における熱履歴の影響を除外するために、JIS K7121、3.(2)に従って熱処理を行った後に測定したものを指す。
本発明の樹脂組成物から得られる成形体の示差走査熱量計により測定した結晶融解エンタルピーは0〜5J/gの範囲であることが好ましい。結晶融解エンタルピーが0〜5J/gの範囲であれば、結晶化度は十分に小さく、機械的特性などの品質の不安定を招くほどの影響は出ない。結晶融解エンタルピーは0〜3J/gがより好ましく、0J/g、すなわち観測されないことが更に好ましい。
通常、結晶化度は成形時の熱履歴に応じて変化する。結晶化の遅速については、樹脂組成物を完全に溶融した状態から一定速度で冷却したとき(以下、単に降温過程とも言う。)に、観測される結晶化のピークによって比較できる。
結晶化に伴う発熱ピークが観測されない物に関しては、熱履歴の影響は乏しく、概ね非晶性の成形体が得られる。また、結晶化に基づく発熱ピークが観測された場合でも、そのピークトップの値(凝固点)により結晶化の遅速を比較することができ、凝固点が低いほど結晶化が遅い樹脂組成物であると判断できる。
本発明の樹脂組成物をJIS K7121、3.(1)に従って状態調節した後に、示差走査熱量分析にて、200℃まで温めて10分保持し、その後10℃/分の速度で30℃まで冷却した際に観測される、結晶化に伴う発熱ピーク、すなわち結晶化エンタルピーは、0〜5J/gの範囲であることが好ましい。結晶化エンタルピーが0〜5J/gの範囲であれば、結晶化度は十分に小さく、機械的特性などの品質の不安定を招くほどの影響は出ない。結晶化エンタルピーは0〜3J/gがより好ましく、0J/g、すなわち観測されないことが更に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物を用いた成形体の光学性能や機械特性を損なわない範囲で、必要に応じて添加剤を含有させても良い。添加剤の量は少ないほど好ましく、添加剤の含有量は樹脂組成物100質量部に対して0〜20質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましく、0〜5質量部が更に好ましい。
添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、強化剤、耐衝撃改質剤、合成シリカやシリコン樹脂粉末等のブロッキング防止剤、可塑剤、抗菌剤、防カビ剤、ブルーイング剤、帯電防止剤が挙げられる。
上記の必須成分及び所望により任意成分を所定量配合し、ロール、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機等の通常の混練機で混練して樹脂組成物を調製することができる。
<フィルム>
本発明のフィルムは、本発明の樹脂組成物を成形したものである。
本発明のフィルムは、透明性と引裂き耐性に優れ、かつ貯蔵温度下で物性が変質しにくい。
本発明のフィルムの全光線透過率は、JIS K7361−1に準拠して測定した場合に80〜100%であることが好ましく、85〜100%であることがより好ましく、90〜100%であることが更に好ましい。全光線透過率が80%以上あれば、フィルムを透かしたときに十分な透明感を有する。
本発明のフィルムのヘーズ値としては、JIS K7136に準拠して測定した場合に、0〜5%であることが好ましく、0〜3%であることがより好ましく、0〜1%であることが更に好ましい。ヘーズ値が5%以下であれば、フィルムを透かした時に曇りの少ない透明感が得られる。
フィルムは通常、厚みが薄いほど透明性が高いものが得られやすい。一方で、薄いフィルムは製造が困難である。そのため、本発明のフィルムの厚みとしては10〜350μmが好ましく、25〜250μmがより好ましく、30〜125μmが更に好ましい。
本発明において、フィルムの厚みは、製膜時の流れ方向に垂直な方向(TD方向)で任意に三か所測定した測定値の平均値をいう。
また、本発明のフィルムの引裂き強度はJIS K7128−3に準拠して、23℃で200mm/分の速度で測定した場合に、70N/mm以上であることが好ましい。引裂き強度が70N/mm以上であれば耐久性に優れる。引裂き強度は高いほど好ましいが、引裂き強度が高いものほど手触りが硬くなる傾向にあり、曲面への追従性などを考慮すると、200N/mm以下が好ましい。
耐久性と加工性から引裂き強度は75N/mm以上であることがより好ましく、80N/mm以上であることが更に好ましく、80〜200N/mmであることが特に好ましく、85〜180N/mmが最も好ましい。
また、本発明の引裂き伸度は、JIS K7128−3に準拠して、23℃で200mm/分の速度で測定した場合に、12%以上であることが好ましい。引裂き伸度が12%以上であれば、耐久性に優れる。引裂き伸度は高いほど好ましいが、引裂き伸度が高いフィルムほど引裂き強度が低くなる傾向にあるため、強度と伸度のバランスの観点から、50%以下が好ましい。引裂き伸度は15%以上であることが好ましく、17%以上であることが更に好ましい。
結晶性樹脂を含むフィルムでは、結晶化度が低いと加熱や経時変化により結晶化が進行し、フィルムの寸法の変化や機械的特性の変化を伴うことがある。品質安定の観点から、加熱や経時変化で結晶化が進行しないものが好ましい。そのため、本発明のフィルムは、JIS K7121、3.(1)に従って状態調節した後に、示差走査熱量計にて30℃から10℃/分で昇温したときに、昇温過程における結晶化エンタルピーが0〜5J/gの範囲であることが好ましい。0〜5J/gの範囲であれば、加温による結晶化の速度は十分小さく、結晶化に伴う寸法変化や機械的特性の変化が目立たない。品位安定の観点から、昇温過程における結晶化エンタルピーの値は0〜3J/gがより好ましく、0J/g、すなわち観測されないことが更に好ましい。
<フィルムの製造方法>
本発明のフィルムは、樹脂組成物に含まれる重合体100質量%に対して、61質量%〜90質量%のアクリル樹脂(A)、及び10質量%〜39質量%のフッ化ビニリデン樹脂(B)を含有する樹脂組成物を溶融押出しし、次いで、得られた溶融押出物を、表面温度が30〜75℃、好ましくは30〜60℃、より好ましくは30〜50℃の少なくとも1本の冷却ロールに接触させて製膜する方法で製造することができる。
溶融押出方法としては、Tダイ法、インフレーション法等が挙げられ、これらのうち経済性の点でTダイ法が好ましい。溶融押出温度は、200〜240℃程度が好ましい。また、押出機としては、例えば、単軸押出機及び二軸押出機が挙げられる。
本明細書において、冷却ロールとは冷媒を使用して表面の温度を調整することができるロールを意味する。Tダイから吐出された溶融押出物は冷却ロールに接触し、冷却ロールの表面温度にまで冷却される。冷却ロールとしては、例えば、金属製の鏡面タッチロールや金属製のエンドレスベルトであってもよい。冷却ロールは1本用いても複数本使用してもよい。2本の冷却ロールで溶融押出物を挟持して製膜してもよい。
Tダイ法によってフィルムを製造する場合のTダイの設定温度は、樹脂組成物の分解を抑制する点で260℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、240℃以下が更に好ましい。
また、成形可能な流動性を確保する点から、Tダイの設定温度は200℃以上が好ましく、210℃以上がより好ましく、220℃以上が更に好ましい。
つまり、Tダイの設定温度は200〜260℃が好ましく、210〜250℃がより好ましく、220〜240℃が更に好ましい。
冷却ロールの回転速度(フィルム引き取り速度ともいう)は1〜15メートル/分が好ましい。
冷却ロールの表面温度を30℃以上とすることにより、耐熱性の高いフィルムを得ることができる。また、冷却ロールの表面温度を75℃以下とすることにより、フィルムのブロッキングを抑制し、巻き取ることができる。
尚、複数の冷却ロールで溶融押出物を狭持することにより製膜する場合には、少なくとも1本の冷却ロールの表面にエンボス加工、マット加工等の形状加工を施すことによって、フィルムの片面又は両面に、これらの形状を転写させることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例中の「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を示す。
[評価方法]
実施例、比較例における各評価は、以下の方法により実施した。
(樹脂組成物の評価方法)
(1)結晶融解エンタルピーおよび融点
示差走査熱量測定装置((株)日立ハイテクサイエンス製、商品名:DSC6200)を用いて、JIS K7121に則り樹脂組成物の結晶融解エンタルピーおよび融点を測定した。
測定サンプルは樹脂組成物を細かく切り出して準備し、JIS K7121、3.(2)に従い熱処理を行った後、測定を行った。30℃から200℃まで10℃/分で昇温する過程で観測された結晶融解ピークの面積から結晶融解エンタルピーを、ピークトップの値から融点を求めた。なお、結晶融解ピークが観測されなかった場合には、結晶融解エンタルピーは0J/gとした。
(2)降温過程における結晶化エンタルピーおよび凝固点
示差走査熱量測定装置((株)日立ハイテクサイエンス製、商品名:DSC6200)を用いて、JIS K7121に則り樹脂組成物の冷却過程における結晶化エンタルピーおよび凝固点を測定した。
測定サンプルは樹脂組成物を細かく切り出して準備した。JIS K7121、3.(1)の状態調節後、測定サンプルを示差走査熱量測定装置の容器に入れ、30℃から200℃まで昇温し、200℃で10分間保持した後、測定を開始した。200℃から30℃まで10℃/分で降温する過程で観測された結晶化ピークの面積から降温過程における結晶化エンタルピーを、ピークトップの値から凝固点を求めた。なお、結晶化ピークが観測されなかった場合には、降温過程における結晶化エンタルピーは0J/gとした。
(フィルムの評価方法)
(3)引裂き試験
フィルムをMD方向に打ち抜いた直角型試験片を用いて、JIS K7128−3に準拠して、テンシロン万能試験機RTC−1250A(オリエンテック製)にて引張試験を行った。室温23℃及び引張速度200mm/分で試験を実施し引裂き強度、引裂き伸度を求めた。1サンプルあたり5本ずつ試験し、平均値を求めた。
(4)透過率、ヘーズ
ヘーズメーターNDH2000(日本電色工業(株)製)を用いて、JIS K7136およびJIS K7361−1に則りヘーズ及び全光線透過率を測定した。1サンプルにつき3点ずつ測定して平均値を求めた。
(5)昇温過程における結晶化エンタルピー
示差走査熱量測定装置((株)日立ハイテクサイエンス製、商品名:DSC6200)を用いて、JIS K7121に則りフィルムの昇温過程における結晶化エンタルピーを測定した。
測定サンプルはフィルムを細かく切り出して準備した。測定サンプルはJIS K7121、3.(1)に従い調温調湿したものを使用した。30℃から200℃まで10℃/分で昇温する過程で観測された結晶化による発熱ピークの面積から結晶化エンタルピーを求めた。なお、結晶化による発熱ピークが観測されなかった場合には、結晶化エンタルピーは0J/gとした。
<製造例1>
[アクリル樹脂(A)]
攪拌機を備えた容器内に脱イオン水10.8部を仕込んだ後、MMA(メチルメタクレート)0.3部、n−BA(n−ブチルアクリレート)4.5部、1,3−BD(1,3−ブチレングリコールジメタクリレート)0.2部、及びAMA(アリルメタクリレート)0.05部からなる単量体混合物と、CHP(クメンヒドロパーオキサイド)0.025部とを投入し、室温下にて攪拌混合した。ついで、攪拌しながら、乳化剤(東邦化学工業(株)製、商品名「フォスファノールRS610NA」)1.3部を上記容器内に投入し、攪拌を20分間継続して乳化液を調製した。
つぎに、冷却器付き重合容器内に脱イオン水139.2部を投入し、75℃に昇温した。さらに、脱イオン水5部にソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.20部、硫酸第一鉄0.0001部及びEDTA(エチレンジアミン四酢酸)0.0003部を加えて調製した混合物を、重合容器内に一度に投入した。ついで、窒素雰囲気下で攪拌しながら、前記乳化液を8分間にわたって重合容器内に滴下した後、15分間反応を継続させ、第1段目の重合を完結した。
続いて、MMA:1.5部、n−BA:22.5部、1,3−BD:1.0部及びAMA:0.25部からなる単量体混合物を、CHP:0.016部と共に、90分間にわたって重合容器内に滴下した後、60分間反応を継続させ、二段目の重合を完結させ、アクリルゴムを得た。
続いて、MMA:6部、MA(アクリル酸メチル):4部及びAMA:0.075部からなる単量体混合物を、CHP:0.013部と共に、45分間にわたって重合容器内に滴下した後、60分間反応を継続させ、三段目の重合を完結させた。
続いて、MMA:55.2部、BA:4.8部、n−OM(n−オクチルメルカプタン)0.186部及びt−BH(ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド):0.075部からなる単量体混合物を140分間にわたって重合容器内に滴下した後、60分間反応を継続させて四段目の重合を完結させ、グラフト部を合成し、アクリル樹脂(A)のラテックスを得た。
得られたアクリル樹脂(A)のラテックスを、濾材としてSUS製のメッシュ(平均目開き:62μm)を取り付けた振動型濾過装置を用いて濾過した。次いで、酢酸カルシウム3.5部を含む水溶液中で塩析させ、水洗して回収した。回収された含水物を乾燥して、粉体状のアクリル樹脂(A)を得た。アクリル樹脂(A)のゲル含有率は60%であった。
<実施例1>
[樹脂組成物の作製]
製造例1で作製したアクリル樹脂(A)90部とフッ化ビニリデン樹脂(B)としてPVDF(アルケマ(株)製、商品名:kynar740)10部を60℃で一晩予備乾燥させた後、ドライブレンドしたのちφ30mm二軸混練押出機(Werner&Pfleiderer社製)により最高温度240℃で押出し、ペレット状の成形材料(樹脂組成物)を得た。
用いたPVDF(アルケマ(株)製、商品名:kynar740)は、フッ化ビニリデン単位からなるホモポリマーであり、結晶融点は169℃であり、質量平均分子量は461000であった。
[フィルムの作製]
上記手法で得られたペレットを60℃で一晩予備乾燥させた後、150mm幅のTダイが搭載されたφ30mm単軸押出機(GMエンジニアリング社製)により押出温度180〜240℃、Tダイ温度240℃で一本の冷却ロール温度40℃で製膜して厚さ50μmのフィルムを得た。
樹脂組成物の示差走査熱量分析結果、および、フィルムの光学試験結果、引裂き試験結果、示差走査熱量分析結果を表1に示す。
<実施例2〜5、比較例1〜4>
アクリル樹脂(A)、フッ化ビニリデン樹脂(B)を表1に記載のとおり用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物及びフィルムを得た。
樹脂組成物の示差走査熱量分析結果、および、フィルムの光学試験結果、引裂き試験結果、示差走査熱量分析結果を表1に示す。
なお、実施例4と比較例3で用いたPVDF((株)クレハ製、商品名:KFポリマーT850)は、フッ化ビニリデン単位からなるホモポリマーであり、結晶融点は173℃であり、質量平均分子量は277000であった。
また、実施例5と比較例4で用いたPVDF(アルケマ(株)製、商品名:kynar720)は、フッ化ビニリデン単位からなるホモポリマーであり、結晶融点は169℃であり、質量平均分子量は257000であった。
実施例1〜3と比較例1より、アクリル樹脂(A)にフッ化ビニリデン樹脂(B)をブレンドすると、透明性を損なわず、引裂き強度・引裂き伸度が共に向上した。また、実施例1〜3の樹脂組成物は結晶化ピークが観測されず、結晶化は十分に遅いか、あるいは、結晶化しないことがわかる。これは、貯蔵温度下での経時変化や加温による結晶化が起こりにくく、フィルムの品位が長期間にわたり安定することを示す。
比較例2より、フッ化ビニリデン樹脂(B)の量を増やすと、透明性を損なわずに引裂き強度・引裂き伸度が大きく向上する。しかし、示差走査熱量分析の降温過程で結晶化ピークが明確に観測されることからわかるように、結晶化しやすい。示差走査熱量分析の昇温過程でも大きな結晶化ピークが観測されるなど、貯蔵温度下での経時変化や加温で容易に結晶化が進行しやすい。結晶化に伴い、寸法の変化やフィルムの品位の変化を招くため、工業製品として不適である。
実施例4あるいは実施例5より、フッ化ビニリデン樹脂(B)の品種を変更しても、透明性を損なわずに引裂き強度・引裂き伸度がアクリル樹脂(A)に比べて向上した。示差走査熱量分析の昇温過程で融解ピークは観測されるものの、結晶化ピークは観測されなかったため、貯蔵温度下での経時変化や加温では結晶化は進行しにくい。
比較例3あるいは比較例4より、フッ化ビニリデン樹脂(B)の量を増やすと、示差走査熱量分析の昇温過程で結晶化が進行しており、貯蔵温度下での経時変化や加温で容易に結晶化が進行しやすいことがわかる。結晶化に伴い、寸法の変化やフィルムの品位の変化を招くため、工業製品として不適である。
以上に例示したように、アクリル樹脂(A)とフッ化ビニリデン樹脂(B)を所定の割合で混合することで、透明性と引裂き耐性に優れ、かつ貯蔵温度下で物性が変質しにくいフィルムが得られる。
本発明のフィルムは意匠用フィルム、農業用フィルム、車載用フィルム、外装用フィルム、建築内装用フィルム、包装材料等に好適に使用できる。
特に、本発明のフィルムは透明性と引裂き耐性に優れるため、保護フィルムとしての利用に適する。保護フィルムとは、貼り合せた保護対象を紫外光や雨風、小石等のチッピングによる劣化・傷付きから保護する役割を果たすものを総称する。透明性に優れるため保護対象の外観を損ないにくく、引裂き耐性に優れるため後貼り時に張力をかけても破れにくい。保護フィルムは、オーバーレイフィルム、オーバーラミフィルム、ラミネートフィルム、といった名称でも呼称される。
本発明のフィルムの用途を以下、具体的に列挙する。オーバーレイフィルム、ラミネートフィルム、メディア印刷フィルム等の用途;ウェザーストリップ、バンパー、バンパーガード、サイドマッドガード、ボディーパネル、スポイラー、フロントグリル、ストラットマウント、ホイールキャップ、センターピラー、ドアミラー、センターオーナメント、サイドモール、ドアモール、ウインドモール、窓、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、風防部品等の自動車外装用途;インストルメントパネル、コンソールボックス、メーターカバー、ドアロックペゼル、ステアリングホイール、パワーウィンドウスイッチベース、センタークラスター、ダッシュボード等の自動車内装用途;AV機器や家具製品のフロントパネル、ボタン、エンブレム、表面化粧材等の用途;携帯電話等のハウジング、表示窓、ボタン等の用途;家具用外装材用;壁面、天井、床等の建築用内装材用途;サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の建築用外装材用途;窓枠、扉、手すり、敷居、鴨居等の家具類の表面化粧材用途;各種ディスプレイ;フレネルレンズ、偏光フィルム、偏光子保護フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、視野角拡大フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、プリズムシート、マイクロレンズアレイ、タッチパネル用導電フィルム、導光用途フィルム、電子ペーパー用途フィルム等の光学用途;窓ガラス、電車、航空機、船舶等の自動車以外の各種乗り物の内外装用途;瓶、化粧品容器、小物入れ等の各種包装容器及び包装材料;景品や小物等の雑貨等のその他各種用途向けのフィルム;太陽電池表面保護フィルム、太陽電池用封止フィルム、太陽電池用裏面保護フィルム、太陽電池用基盤フィルム、農業用ビニルハウス、高速道路遮音板用保護フィルム並びに交通標識用最表面保護フィルム等。

Claims (7)

  1. アクリル樹脂(A)70〜90質量%及びフッ化ビニリデン樹脂(B)10〜30質量%を含
    示差走査熱量計により、30℃から200℃まで10℃/分で昇温する過程で観測される結晶融解エンタルピーが0〜5J/gであり、
    前記アクリル樹脂(A)が、アクリルゴムをコアとし、さらにグラフト部を設けたコアシェル構造を有する樹脂を含有する樹脂組成物からなるフィルムであって、
    JIS K7136に準拠して測定したヘーズ値が0〜1%である、フィルム
  2. 前記アクリル樹脂(A)のゲル含有率が、アクリル樹脂(A)を100質量%としたときに40〜80質量%である、請求項1に記載のフィルム
  3. 示差走査熱量計により、200℃から30℃まで10℃/分で降温する過程で観測される結晶化エンタルピーが0〜5J/gである、請求項1又は2に記載のフィルム
  4. JIS K7128−3に準拠して、23℃で200mm/分の速度で測定した引裂き伸度が12%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム。
  5. JIS K7128−3に準拠して、23℃で200mm/分の速度で測定した引裂き強度が70〜200N/mm以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム。
  6. JIS K7128−3に準拠して、23℃で200mm/分の速度で測定した引裂き強度が85N/mm以上である、請求項のいずれか1項に記載のフィルム。
  7. 請求項のいずれか1項に記載のフィルムを基材とする保護フィルム。
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