JP7072039B2 - アクリル系多層重合体 - Google Patents
アクリル系多層重合体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7072039B2 JP7072039B2 JP2020204611A JP2020204611A JP7072039B2 JP 7072039 B2 JP7072039 B2 JP 7072039B2 JP 2020204611 A JP2020204611 A JP 2020204611A JP 2020204611 A JP2020204611 A JP 2020204611A JP 7072039 B2 JP7072039 B2 JP 7072039B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- polymer
- acrylic multilayer
- structural unit
- multilayer polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Description
例えば、特許文献1は、メタクリル酸エステル系共重合体の一部がアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子にグラフトしてなり且つメチルエチルケトン可溶分の還元粘度が0.2~0.8dl/gであるメタクリル系樹脂組成物を開示している。
架橋弾性体層は、架橋ゴム重合体(II)からなる中間層と、架橋重合体(I)からなり且つ中間層に接して覆われた内層とを有し、
架橋重合体(I)は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位40~98.95質量%、メタクリル酸メチル以外の単官能単量体に由来する構造単位1~59.95質量%、および多官能単量体に由来する構造単位0.05~0.4質量%からなり、
架橋ゴム重合体(II)は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位1~19質量%、炭素数1~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位および/または共役ジエンに由来する構造単位80~98質量%、および多官能単量体に由来する構造単位1.0~1.7質量%からなり、且つ架橋ゴム重合体(II)中の多官能単量体に由来する構造単位の質量に対する架橋重合体(I)中の多官能単量体に由来する構造単位の質量の比が0.05~0.25であり、
熱可塑性重合体(III)は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位80質量%~100質量%、および炭素数1~8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位0~20質量%からなり、
アクリル系多層重合体に対して、架橋重合体(I)の量が1~30質量%、架橋ゴム重合体(II)の量が20~49質量%、熱可塑性重合体(III)の量が50~79質量%であり、
アクリル系多層重合体に含まれるアセトン可溶分の量がアクリル系多層重合体の質量に対してx質量%であり、アクリル系多層重合体に含まれるアセトン不溶分のアセトン膨潤度がy質量%であり、キャピログラフを用いてアクリル系多層重合体を250℃で溶融させ、せん断速度1220sec-1で流出させたときに得られるストランドを長手方向に切削してなる切片において、電子顕微鏡観察されるルテニウム染色された部分の短径に対する長径の比の数平均値がzであり、且つ電子顕微鏡観察されるルテニウム染色された部分の直径の数平均値がdナノメータである際に、式:x・y・z/dで算出される値が400以上1000以下である、
アクリル系多層重合体。
〔3〕 yが500~650である、〔1〕または〔2〕に記載のアクリル系多層重合体。
〔4〕 zが1.3~3.0である、〔1〕~〔3〕のいずれかひとつに記載のメタクリル系多層重合体。
〔5〕 xが48~60であり、且つdが60~110である、〔1〕~〔4〕のいずれかひとつに記載のアクリル系多層重合体。
メタクリル酸メチル以外の単官能単量体としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸プロピルなどのアクリル酸エステル;スチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;N-プロピルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-o-クロロフェニルマレイミドなどのマレイミド化合物を挙げることができる。
多官能単量体としては、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
多官能単量体としては、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
延性、耐折性、引裂強度の向上の観点から、架橋ゴム重合体(II)中の多官能単量体に由来する構造単位の質量に対する架橋重合体(I)中の多官能単量体に由来する構造単位の質量の比は、0.05~0.25、好ましくは0.06~0.25、より好ましくは0.08~0.20である。
架橋ゴム重合体(II)のガラス転移温度は、架橋重合体(I)のガラス転移温度より低いことが好ましい。
アセトン可溶分は、製膜性の向上と耐温水白化性の向上との両立の観点から、数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)が、好ましくは2~3、より好ましくは2.1~2.8、更に好ましくは2.2~2.7である。
また、アセトン可溶分は、製膜性の向上とフィルム強度の向上との両立の観点から、重量平均分子量が、好ましくは50,000~150,000、より好ましくは60,000~120,000、更に好ましくは70,000~100,000である。
また、電子顕微鏡観察されるルテニウム染色された部分の直径の数平均値(平均径)は、好ましくは60~110nm、より好ましくは65~105nm、更に好ましくは70~100nmである。
架橋重合体(I)または架橋ゴム重合体(II)はルテニウムによって染色されやすい。一方、熱可塑性重合体(III)はルテニウムによって染色されにくい。ルテニウム染色された部分は架橋重合体(I)または架橋ゴム重合体(II)が切削によって露出した部分と考えられる。
乳化重合による場合は、例えば、架橋重合体(I)を構成するための単量体(i)を乳化重合して架橋重合体(I)を含有するラテックスを得、これに架橋ゴム重合体(II)を構成するための単量体(ii)を添加して、単量体(ii)をシード乳化重合して架橋重合体(I)と架橋ゴム重合体(II)を含有するラテックスを得、これに熱可塑性重合体(III)を構成するための単量体(iii)を加えて、単量体(iii)をシード乳化重合してアクリル系多層重合体を含有するラテックスを得ることができる。なお、乳化重合は重合体を含有するラテックスを得るために用いられる公知の方法である。シード乳化重合はシード粒子の表面で単量体の重合反応を行わせる方法である。シード乳化重合はコアシェル構造重合体粒子を得るために好ましく用いられる。
ラテックスに含まれるアクリル系多層重合体の平均粒子径Dは、次のようにして決定できる。アクリル系多層重合体を含むラテックスを0.05質量%の濃度になるようイオン交換水で希釈し、得られた希釈液を支持板に薄く流延し、乾燥させた。乾燥物に金-パラジウム合金を蒸着させ、それを走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM7600F透過電子検出器付き)で観察し、数平均粒子径を決定した。
本発明のアクリル系多層重合体と混ぜ合わせて用いることができる熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート系重合体、塩化ビニル系重合体、フッ化ビニリデン系重合体、メタクリル樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂などを挙げることができる。これら熱可塑性樹脂のうちアクリル系樹脂が好ましい。
高分子加工助剤として、市販のものを用いることもできる。市販の高分子加工助剤としては、三菱レイヨン(株)製メタブレンTM、(株)カネカ製カネエースTM、DOW CHEMICAL社製パラロイドTMなどを挙げることができる。
なお、積層体に使用し得る熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート系重合体、塩化ビニル系重合体、フッ化ビニリデン系重合体、メタクリル樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、前述のアクリル系樹脂などを挙げることができる。
具体的には、例えば、携帯電話、デジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイ等の各種液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子あるいはタッチパネルなどに用いることができる。また、耐候性に優れている点から、例えば、建築用内・外装用部材、カーテンウォール、屋根用部材、屋根材、窓用部材、雨どい、エクステリア類、壁材、床材、造作材、道路建設用部材、再帰反射フィルム・シート、農業用フィルム・シート、照明カバー、看板、透光性遮音壁など、公知の建材用途へも特に好適に適用可能である。
本発明のフィルムは、透明性、加工性が高く、紫外線吸収剤を多量に添加してもブリードアウトを発生させにくいので、建材用フィルム、IRカットフィルム、防犯フィルム、飛散防止フィルム、加飾フィルム、金属加飾フィルム、太陽電池のバックシート、フレキシブル太陽電池用フロントシート、シュリンクフィルム、インモールドラベル用フィルム、ガスバリアフィルム用基材フィルムに使用することができる。
MMA:メタクリル酸メチル
ALMA:メタクリル酸アリル
MA :アクリル酸メチル
BA :アクリル酸ブチル
n-OM:n-オクチルメルカプタン
アクリル系多層重合体を含むラテックスを0.05質量%の濃度になるようイオン交換水で希釈し、得られた希釈液を支持板に薄く流延し、乾燥させた。乾燥物に金-パラジウム合金を蒸着させ、それを走査型透過電子顕微鏡(日本電子製、JSM7600F)で観察し、数平均粒子径を決定した。
精秤されたアクリル系多層重合体のパウダー2g(w0)をアセトン100mlに添加し室温で24時間撹拌した。得られた液を遠沈管に入れ、5℃、20000rpmにて遠心分離を120分間施した。次いで、上澄み液をデカンテーションにより取り除き、不溶分を沈降管の底に残した。該沈降管にアセトンを加え撹拌した。5℃、20000rpmにて遠心分離を120分間施した。次いで上澄み液をデカンテーションにより取り除いた。アセトンを吸収した状態の不溶分を沈降管の底から取り出し、その質量w1を測定した。アセトンを吸収した状態の不溶分を80℃で乾燥させてアセトンを含まない状態の不溶分を得、その質量w2を測定した。アセトン不溶分のアセトン膨潤度を式:100×w1/w2にて算出した。アセトン可溶分の量を式:100×(w0-w2)/w0にて算出した。アセトン不溶分の量は、式:100×w2/w0にて算出した。
上澄み液からロータリーエバポレーターにて減圧下50℃でアセトンを除去し、固形残渣を80℃で乾燥させることによってアセトン可溶分を得た。
アセトン可溶分6mgをテトラヒドロフラン10mlに溶解させて溶液を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて下記の条件でクロマトグラムを測定し、標準ポリメタクリル酸メチルの分子量に換算することによって、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を決定した。
尚、ベースラインはGPCチャートの高分子量側のピークの傾きが保持時間の早い方から見てゼロからプラスに変化する点と、低分子量側のピークの傾きが保持時間の早い方から見てマイナスからゼロに変化する点を結んだ線とした。
GPC装置:東ソー株式会社製、HLC-8320
検出器:示差屈折率検出器
カラム:東ソー株式会社製のTSKgel SuperMultipore HZM-Mの2本とSuperHZ4000を直列に繋いだものを用いた。
溶離剤: テトラヒドロフラン
溶離剤流量: 0.35ml/分
カラム温度: 40℃
検量線:11種の標準ポリメタクリル酸メチルのデータを用いて作成した。
キャピログラフ(「キャピログラフ1D」東洋精機製作所製)を用いて、温度250℃、キャピラリー長39.99mm、キャピラリー直径1.00mm、試験スピード、100mm/minの条件にて、アクリル系多層重合体をストランドに成形した。ミクロトームを用いて、得られたストランドを-100℃にて流れ方向(MD)に平行な方向に切削して、厚さ40nmの薄片を得た。この薄片をルテニウムで染色処理した。染色処理された薄片を走査型透過電子顕微鏡(日本電子製JSM7600F)にて加速電圧25KVにて観察し写真を撮った(例えば、図1参照。写真下端白線のミクロンバーは100nmを表す。)。ルテニウム染色された部分(架橋弾性体の切片露出部、図1中の楕円状黒灰色の部分)の長径と短径とを20個以上計測した。短径に対する長径の比の数平均値(アスペクト比)を算出した。
油圧式プレス成形機を用いて、金型サイズ50mm×120mm、プレス温度250℃、予熱時間3分、プレス圧力50kg/cm2、プレス時間30秒、冷却温度20℃、冷却時の圧力50kg/cm2、冷却時間10分の条件にて、アクリル系多層重合体を3mmの平板に成形した。ミクロトームを用いて、得られた平板を-100℃にて長辺に平行な方向に切削して、厚さ40nmの薄片を得た。この薄片をルテニウムで染色処理した。染色処理された薄片を走査型透過電子顕微鏡(日本電子製JSM7600F)にて加速電圧25KVにて観察し写真を撮った。ルテニウム染色された部分(架橋弾性体の切片露出部)の直径を20個以上計測した。ルテニウム染色された部分の直径の数平均値(平均径)を算出した。
アクリル系多層重合体のパウダーを80℃で12時間乾燥させた。その後、ダイ幅400mmのハンガーコートダイを設置した65φベント付単軸押出機にて、押出温度250℃、ダイ温度250℃、ダイリップ開度0.6mmの条件下で、アクリル系多層重合体を押出し、ロール温度80℃の金属ロールに引き取り冷却させて厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフィルムについてMD方向に50mm間隔で20点の厚さを測定し、該測定値から標準偏差、平均値および変動係数(=標準偏差/平均値×100)を算出した。変動係数が2%以下であるときを「A」、変動係数が2%超過であるときを「B」と評定した。
フィルムから50mm×50mmの小片を切出し、この小片について村上色材研究所製ヘイズメーターMH-150を用いてヘイズ(H0)を測定した。
前記50mm×50mmの小片を沸騰水に4時間浸漬した。その後、100℃で8時間乾燥させた。この小片について村上色材研究所製ヘイズメーターMH-150を用いてヘイズ(H1)を測定した。H0とH1との差が2以下であるときを「A」、H0とH1との差が2超過であるときを「B」と評定した。
引張伸び率の計測試験で破断させた試験片の欠片を目視観察した。
欠片全面で白化している場合を「C」、破断部のみ白化している場合を「B」、白化している部分がない場合を「A」と評定した。
フィルムを打ち抜いてJIS K 7127(ISO572-3)のタイプ1Bの試験片を得た。該試験片を200mm/分で引張り、破断する直前の伸びを測定した。この測定を押出方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)について行った。引張伸び率を、式:引張伸び率(%)=(破断する直前の伸び/チャック間距離)×100で算出した。引張伸び率が大きい程、延性が高いことを示す。
フィルムについてJIS K 7128-1に従って引裂き強度を測定した。この測定を押出方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)について行った。
フィルムを裁断して長さ120mm×幅15mmの試験片を得た。試験片について、MIT試験機(東洋精機製作所株式会社)を用いて、JIS P 8115に従って、荷重2.45N、折り曲げ角度135°、折り曲げ速度175rpm、試験片つかみ具の先端半径0.38mmの条件で、折り曲げを繰り返し、破断するまでの折り曲げ往復回数をカウントした。これを押出方向(MD)とそれに垂直な方向(TD)についてそれぞれ5回行い、該折り曲げ往復回数の平均値(耐折強度)を算出した。
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、単量体導入管および還流冷却器を具備した反応器に、脱イオン水1050部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部および炭酸ナトリウム0.05部を仕込み、反応器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素がない状態にした。反応器内の温度を80℃にした。それに、過硫酸カリウム3%水溶液0.1部を投入し、5分間攪拌した。その後、MMA49.9%、BA49.9%、およびALMA0.2%からなる単量体混合物(i)26.2部を20分間かけて連続的に滴加した。滴加終了後、重合転化率が98%以上になるように、少なくとも30分間重合反応をさらに行った。
続いて、アクリル系多層重合体(A1)を含むラテックスを-30℃で4時間かけて凍結させた。凍結したラテックスをそれの2倍量の80℃温水に投入し、溶解させてスラリーを得た。スラリーを20分間80℃に保持した。その後、脱水し、70℃で乾燥させて、アクリル系多層重合体(A1)のパウダーを得た。
攪拌機、温度計、窒素ガス導入部、単量体導入管および還流冷却器を具備した反応器に、脱イオン水1050部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部および炭酸ナトリウム0.05部を仕込み、反応器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素がない状態にした。反応器内の温度を80℃にした。それに、過硫酸カリウム3%水溶液0.1部を投入し、5分間攪拌した。その後、MMA89.9%、BA9.9%、およびALMA0.2%からなる混合物(i-1)13.1部を10分間かけて連続的に滴加した。滴加終了後、20分間重合反応をさらに行った。次いでMMA49.9%、BA49.9%、およびALMA0.2%からなる混合物(i-2)13.1部を10分間かけて連続的に滴加した。滴加終了後、重合転化率が98%以上になるように、少なくとも0分間重合反応をさらに行った。
続いて、アクリル系多層重合体(A2)を含むラテックスを-30℃で4時間かけて凍結させた。凍結したラテックスをそれの2倍量の80℃温水に投入し、溶解させてスラリーを得た。スラリーを20分間80℃に保持した。その後、脱水し、70℃で乾燥させて、アクリル系多層重合体(A2)のパウダーを得た。
混合物(i)、混合物(ii)および混合物(iii)を表1に示す組成および滴加量に変えた以外は実施例1と同じ方法でアクリル系多層重合体(A3)~(A6)のパウダーおよびフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
混合物(i)、混合物(ii)および混合物(iii)を表1に示す組成比のものに換えた以外は実施例1と同じ方法でアクリル系多層重合体(A7)~(A11)および(A14)~(A15)のパウダーおよびフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
混合物(i)、混合物(ii)および混合物(iii)を表1に示す組成比のものに換え、さらにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの量を2部に変えた以外は実施例1と同じ方法でアクリル系多層重合体(A12)のパウダーおよびフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
混合物(i)、混合物(ii)および混合物(iii)を表1に示す組成比のものに換え、さらにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの量を0.5部に変えた以外は実施例1と同じ方法でアクリル系多層重合体(A13)のパウダーおよびフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
Claims (4)
- 熱可塑性重合体(III)からなる外層と、該外層に接して覆われた架橋弾性体層とからなるアクリル系多層重合体であって、
架橋弾性体層は、架橋ゴム重合体(II)からなる中間層と、架橋重合体(I)からなり且つ中間層に接して覆われた内層とを有し、
架橋重合体(I)は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位45~79.9質量%、アクリル酸ブチルに由来する構造単位20~54.9質量%、およびメタクリル酸アリルに由来する構造単位0.1~0.3質量%からなり、
架橋ゴム重合体(II)は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位1.9~10質量%、アクリル酸ブチルに由来する構造単位88.9~97質量%、およびメタクリル酸アリルに由来する構造単位1.1~1.6質量%からなり、且つ
架橋ゴム重合体(II)中のメタクリル酸アリルに由来する構造単位の質量%に対する架橋重合体(I)中のメタクリル酸アリルに由来する構造単位の質量%の比が0.13~0.20であり、
熱可塑性重合体(III)は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位85~97質量%、および炭素数1~4のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位3~15質量%からなり、
アクリル系多層重合体に対して、架橋重合体(I)の量が3~7質量%、架橋ゴム重合体(II)の量が25~39質量%、熱可塑性重合体(III)の量が58~72質量%であり、
アクリル系多層重合体に含まれるアセトン可溶分の量がアクリル系多層重合体の質量に対してx質量%であり、アクリル系多層重合体に含まれるアセトン不溶分のアセトン膨潤度がy質量%であり、キャピログラフを用いてアクリル系多層重合体を250℃で溶融させ、せん断速度1220sec-1で流出させたときに得られるストランドを長手方向に切削してなる切片において、電子顕微鏡観察されるルテニウム染色された部分の短径に対する長径の比の数平均値がzであり、且つ電子顕微鏡観察されるルテニウム染色された部分の直径の数平均値がdナノメータである際に、xが49~58で、yが520~600で、zが1.4~2.2で、dが60~110で、式:x・y・z/dで算出される値が450以上913.8以下である、
アクリル系多層重合体。 - アセトン可溶分は、数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)が2~3である、請求項1に記載のアクリル系多層重合体。
- アセトン可溶分は、重量平均分子量が50,000~150,000である、請求項1または2に記載のアクリル系多層重合体。
- 請求項1~3のいずれかひとつに記載のアクリル系多層重合体を含んでなるフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020204611A JP7072039B2 (ja) | 2020-12-09 | 2020-12-09 | アクリル系多層重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020204611A JP7072039B2 (ja) | 2020-12-09 | 2020-12-09 | アクリル系多層重合体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017116802A Division JP2019001883A (ja) | 2017-06-14 | 2017-06-14 | アクリル系多層重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021050351A JP2021050351A (ja) | 2021-04-01 |
JP7072039B2 true JP7072039B2 (ja) | 2022-05-19 |
Family
ID=75157142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020204611A Active JP7072039B2 (ja) | 2020-12-09 | 2020-12-09 | アクリル系多層重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7072039B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016002191A1 (ja) | 2014-06-30 | 2016-01-07 | 株式会社カネカ | 光学用樹脂組成物およびフィルム |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3934754B2 (ja) * | 1997-08-28 | 2007-06-20 | 株式会社クラレ | アクリル系多層構造粒状複合体 |
-
2020
- 2020-12-09 JP JP2020204611A patent/JP7072039B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016002191A1 (ja) | 2014-06-30 | 2016-01-07 | 株式会社カネカ | 光学用樹脂組成物およびフィルム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021050351A (ja) | 2021-04-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6813439B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物 | |
JP5681488B2 (ja) | フッ素樹脂フィルム及びそれを含む成形品 | |
JP7009377B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物 | |
JPH10291282A (ja) | 積層シート又はフィルム及びその成形体 | |
JP6909209B2 (ja) | メタクリル樹脂組成物および成形体 | |
WO2021193922A1 (ja) | アクリル系組成物及び成形体 | |
WO2018021449A1 (ja) | メタクリル樹脂組成物とその製造方法、成形体、フィルム、積層フィルム、積層成形体 | |
WO2012053190A1 (ja) | (メタ)アクリル系樹脂フィルム | |
JP7322002B2 (ja) | (メタ)アクリル樹脂組成物、フィルムおよびその製造方法 | |
WO2022185815A1 (ja) | 積層体およびその製造方法 | |
JP2017052920A (ja) | アクリル系樹脂組成物およびその成形体 | |
JP2017052921A (ja) | フィルム | |
JP2019001883A (ja) | アクリル系多層重合体 | |
US11760855B2 (en) | Acrylic resin film, laminated film, production method for laminated film, and molded article | |
JP7184793B2 (ja) | メタクリル樹脂、メタクリル樹脂組成物及び成形体 | |
JP7072039B2 (ja) | アクリル系多層重合体 | |
US10745505B2 (en) | Graft copolymer and acrylic resin composition containing same | |
JP2012056252A (ja) | アクリル系樹脂フィルム | |
JP7495941B2 (ja) | コアシェル架橋ゴム粒子およびメタクリル樹脂組成物 | |
JP2021055100A (ja) | メタクリル樹脂組成物 | |
KR102578963B1 (ko) | 메타크릴 수지 조성물, 성형체 및 필름 | |
JP6787001B2 (ja) | フィルム | |
JP7225258B2 (ja) | アクリル系樹脂フィルム | |
JP5484683B2 (ja) | アクリル流延フィルム | |
JP2022010980A (ja) | 熱可塑性樹脂フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201209 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210929 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211109 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220107 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220208 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220407 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220419 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220509 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7072039 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |