JP2017206671A - フィルム、積層フィルム及び積層成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐薬品性を備え、加熱後においても光沢の外観を有するフィルム、及びそのフィルムを用いた積層成形品を提供する。【解決手段】フッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)とアクリル変性テトラフルオロエチレン(C)系樹脂を含む樹脂組成物からなるフッ化ビニリデン系フィルム。該フィルムと熱可塑性樹脂層が積層された積層フィルム。該積層フィルムが基材に積層された積層成形品。樹脂組成物100質量%中における樹脂(C)の含有率が、テトラフルオロエチレン系樹脂の量に換算して、0.01〜0.50質量%であることが好ましい。樹脂組成物中における樹脂(F)/樹脂(A)の質量比が60〜80/40〜20であることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、フィルム、積層フィルム及びその積層フィルムを用いた積層成形品に関する。
低コストで成形品に意匠性を付与する方法として、インサート成形法又はインモールド成形法がある。インサート成形法は、印刷等の加飾を施したポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等のフィルム又はシートを、予め真空成形等によって三次元の形状に成形し、フィルム又はシートの不要な部分を除去した後、射出成形金型内に移し、基材となる樹脂を射出成形することによりフィルム又はシートと基材となる樹脂とを一体化させて成形品を得る方法である。
一方、インモールド成形法は、印刷等の加飾を施したポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等のフィルム又はシートを、射出成形金型内に設置し、真空成形を施した後、同じ金型内で基材となる樹脂を射出成形することによりフィルム又はシートと基材となる樹脂とを一体化させて成形品を得る方法である。
特許文献1には、インサート成形及びインモールド成形に用いることができる耐熱性に優れ、かつ、耐成形白化性に優れるアクリル樹脂フィルムとして、特定の組成からなるゴム含有重合体と、特定の組成からなる熱可塑性重合体とを特定の割合で混合してなるアクリル樹脂フィルムが開示されている。しかし、アクリル樹脂フィルムは一般的に耐薬品性が不充分である。
特許文献2には、アクリル樹脂フィルムの表層にフッ化ビニリデン系樹脂を配することで耐薬品性を高めた積層フィルムが開示されている。また、特許文献3には、耐溶剤性が高く、優れた光沢を有する被膜となる樹脂組成物として、フッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂との混合物に、核剤としてポリテトラフルオロエチレンを添加して調製された樹脂組成物が開示されている。
しかし、特許文献2の積層フィルムでは、ラミネート又は成形時に表層のフッ化ビニリデン系樹脂が加熱された後に冷却される際に再結晶を起こすことによって、フッ化ビニリデン系樹脂の結晶サイズが成長し、その結果、表層のフッ化ビニリデン系樹脂のヘーズ値が増加する傾向があり、光沢感を要求される用途に展開することは困難な場合があった。また、特許文献3の樹脂組成物では、核剤の分散性が問題となり、核剤どうしが凝集して大きな球晶サイズとなり、フィルムの透明性又は外観の低下を招く場合もあった。
本発明の目的は、優れた耐薬品性を備え、加熱後においても光沢の外観を有するフィルム、及びそのフィルムを用いた積層成形品を提供することにある。
前記目的は、以下の本発明〔1〕〜〔7〕のいずれかによって達成される。
〔1〕 フッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)とアクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)を含む樹脂組成物からなるフッ化ビニリデン系フィルム。
〔2〕 前記樹脂組成物100質量%中における前記アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)の含有率が、テトラフルオロエチレン系樹脂の量に換算して、0.01〜0.50質量%である、前記〔1〕のフッ化ビニリデン系フィルム。
〔3〕 前記樹脂組成物中におけるフッ化ビニリデン系樹脂(F)/アクリル系樹脂(A)の質量比が60〜80/40〜20である、前記〔1〕又は〔2〕のフッ化ビニリデン系フィルム。
〔4〕 180℃まで昇温した後、自然放冷により25℃まで降温した後のヘーズ値が11以下である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかのフッ化ビニリデン系フィルム。
〔5〕 30℃における貯蔵弾性率が1.0×109Pa以上、1.0×1010Pa以下である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかのフッ化ビニリデン系フィルム。
〔6〕 前記〔1〕〜〔5〕のいずれかのフッ化ビニリデン系フィルムと、熱可塑性樹脂層が積層された積層フィルム。
〔7〕 前記〔6〕の積層フィルムが基材に積層された積層成形品。
〔1〕 フッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)とアクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)を含む樹脂組成物からなるフッ化ビニリデン系フィルム。
〔2〕 前記樹脂組成物100質量%中における前記アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)の含有率が、テトラフルオロエチレン系樹脂の量に換算して、0.01〜0.50質量%である、前記〔1〕のフッ化ビニリデン系フィルム。
〔3〕 前記樹脂組成物中におけるフッ化ビニリデン系樹脂(F)/アクリル系樹脂(A)の質量比が60〜80/40〜20である、前記〔1〕又は〔2〕のフッ化ビニリデン系フィルム。
〔4〕 180℃まで昇温した後、自然放冷により25℃まで降温した後のヘーズ値が11以下である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかのフッ化ビニリデン系フィルム。
〔5〕 30℃における貯蔵弾性率が1.0×109Pa以上、1.0×1010Pa以下である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかのフッ化ビニリデン系フィルム。
〔6〕 前記〔1〕〜〔5〕のいずれかのフッ化ビニリデン系フィルムと、熱可塑性樹脂層が積層された積層フィルム。
〔7〕 前記〔6〕の積層フィルムが基材に積層された積層成形品。
本発明によれば、優れた耐薬品性を備え、加熱後においても光沢の外観を有するフィルム、及びそのフィルムを用いた積層成形品を提供することができる。
以下、本発明のフィルム、積層フィルム及び積層成形品について説明する。尚、本発明において、フィルムとは、例えば、厚さが0.01〜0.5mmの平板材料であって、上記範囲内の厚さを有するシート状物と称されるものも含まれる概念である。
本発明のフィルムは、フッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)とアクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)を含む樹脂組成物によって構成されている。以下、フッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン及びポリテトラフルオロエチレンを、それぞれ、VDF、PVDF、TFE及びPTFEと略す場合がある。また、フッ化ビニリデン系樹脂(F)、アクリル系樹脂(A)及びアクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)を、それぞれ、樹脂(F)、樹脂(A)及び樹脂(C)と略す場合がある。
<樹脂組成物>
以下、本発明の樹脂組成物を構成する材料について順次説明する。
以下、本発明の樹脂組成物を構成する材料について順次説明する。
〔フッ化ビニリデン系樹脂(F)〕
本発明においてフッ化ビニリデン系樹脂(F)は、フッ化ビニリデン単位を含む樹脂であればよく、例えば、フッ化ビニリデン単位のみからなる単独重合体や、フッ化ビニリデン単位を含む共重合体を用いることができる。樹脂(F)の質量平均分子量(Mw)は、フィルムの耐薬品性の観点から10万以上であることが好ましく、フィルムの成形性の観点から30万以下であることが好ましい。
本発明においてフッ化ビニリデン系樹脂(F)は、フッ化ビニリデン単位を含む樹脂であればよく、例えば、フッ化ビニリデン単位のみからなる単独重合体や、フッ化ビニリデン単位を含む共重合体を用いることができる。樹脂(F)の質量平均分子量(Mw)は、フィルムの耐薬品性の観点から10万以上であることが好ましく、フィルムの成形性の観点から30万以下であることが好ましい。
樹脂(F)が共重合体の場合、フッ化ビニリデンと共重合させる共重合性成分は、樹脂フィルムの分野で公知の材料から適宜選択することができるが、例えば、ヘキサフルオロプロピレン及びテトラフルオロエチレンを用いることができる。共重合性成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。共重合体中のフッ化ビニリデン単位の含有率は、フッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)との相溶性の観点から85質量%以上であることが好ましい。
しかしながら、樹脂(F)は、透明性及び耐熱性が優れたフィルムを得る観点から、ポリフッ化ビニリデンであることが好ましい。
また、樹脂(F)は、高い結晶融点を有することが好ましい。具体的には、樹脂(F)の結晶融点は、フィルムの耐熱性の観点から150℃以上が好ましく、160℃以上がより好ましい。また、該結晶融点の上限は、フィルムの耐熱性の観点から、ポリフッ化ビニリデンの結晶融点に等しい175℃以下であることが好ましい。尚、「結晶融点」とは、JIS K7121、3.(1)に記載の方法に準拠して測定される融解ピーク温度を意味する。
フッ化ビニリデン系樹脂(F)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。樹脂(F)としては、例えば、以下の市販品が挙げられる。アルケマ(株)製の商品名:Kynar720(フッ化ビニリデンの含有率100質量%、結晶融点:169℃)、Kynar710(フッ化ビニリデンの含有率100質量%、結晶融点:169℃)、(株)クレハ製の商品名:KFT#850(フッ化ビニリデンの含有率100質量%、結晶融点:173℃)、ソルベイソレクシス(株)製の商品名:Solef1006(フッ化ビニリデンの含有率100質量%、結晶融点:174℃)、Solef1008(フッ化ビニリデンの含有率100質量%、結晶融点:174℃)。
〔アクリル系樹脂(A)〕
本発明においてアクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(以下、「Tg」と称する場合がある。)は、フィルムの耐熱性の観点から95℃以上であることが好ましく、フィルムの成形性の観点から120℃以下であることが好ましい。「ガラス転移温度」は、JIS K7121、3.(2)に記載の方法に準拠して昇温スピード10℃/分の条件で昇温を行ない、「補外ガラス転移開始温度」として測定される温度である。本発明において樹脂のガラス転移温度は、DSC(示査走査熱量計)によって測定することができる。
本発明においてアクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(以下、「Tg」と称する場合がある。)は、フィルムの耐熱性の観点から95℃以上であることが好ましく、フィルムの成形性の観点から120℃以下であることが好ましい。「ガラス転移温度」は、JIS K7121、3.(2)に記載の方法に準拠して昇温スピード10℃/分の条件で昇温を行ない、「補外ガラス転移開始温度」として測定される温度である。本発明において樹脂のガラス転移温度は、DSC(示査走査熱量計)によって測定することができる。
樹脂(A)のMwは、フィルムの機械的特性の観点から3万以上であることが好ましく、フィルムの成形性の観点から20万以下であることが好ましい。
尚、樹脂(A)は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの一方、又は両方の単量体単位からなる重合体である。更に、これらのエステルと共重合可能な単量体単位(例えばアクリル酸単位、メタクリル酸単位及びスチレン単位)を含むこともできる。この中でも、耐熱性の高いフィルムを得る観点から、アクリル系樹脂(A)の原料となる単量体としては、その単独重合体のガラス転移温度が95℃以上である、メタクリル酸アルキルエステルを使用することが好ましい。この要件を満たすメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニルが挙げられる。尚、メタクリル酸アルキルエステル中のアルキル基は分岐鎖状でもよく、直鎖状でもよい。また、メタクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は、フィルムの耐熱性の観点から4以下であることが好ましい。
このように、アクリル系樹脂(A)はメタクリル酸アルキルエステルの単独重合体であってもよく、メタクリル酸アルキルエステルと、このエステルと共重合可能な単量体(例えば、メタクリル酸及びスチレン)との共重合体であってもよい。共重合体中のメタクリル酸アルキルエステル単位の含有率は、フィルムの耐熱性の観点から80質量%以上であることが好ましく、フィルムの耐熱分解性の観点から99質量%以下であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物中におけるフッ化ビニリデン系樹脂(F)/アクリル系樹脂(A)の質量比は60〜80/40〜20であることが好ましい。両樹脂の質量比がこの範囲内であれば、フィルムの耐薬品性と透明性は共に優れている。
フッ化ビニリデン系樹脂(F)及びアクリル系樹脂(A)を得る際の重合方法としては、乳化重合や懸濁重合等の公知の方法を採用することができる。
〔アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)〕
アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)は、テトラフルオロエチレン系樹脂にアクリル変性が施された化合物である。樹脂(C)としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンをアクリル樹脂で被覆した樹脂が挙げられる。樹脂(C)のTgは、40〜80℃の範囲が好ましい。樹脂(C)のTgが40℃以上であれば、樹脂(C)自体のブロッキングが生じにくくなり、粉体取扱性に優れる。また、樹脂(C)のTgが80℃以下であれば、合成により樹脂(C)を得る場合、固形分を回収する際に微粉の発生が抑制される等、粉体特性に優れる。
アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)は、テトラフルオロエチレン系樹脂にアクリル変性が施された化合物である。樹脂(C)としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンをアクリル樹脂で被覆した樹脂が挙げられる。樹脂(C)のTgは、40〜80℃の範囲が好ましい。樹脂(C)のTgが40℃以上であれば、樹脂(C)自体のブロッキングが生じにくくなり、粉体取扱性に優れる。また、樹脂(C)のTgが80℃以下であれば、合成により樹脂(C)を得る場合、固形分を回収する際に微粉の発生が抑制される等、粉体特性に優れる。
アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)を構成する被変性部分(TFE系樹脂)としては、例えば、テトラフルオロエチレンの単独重合体、又は、テトラフルオロエチレンと含フッ素モノマーとの共重合体が挙げられる。この含フッ素モノマーとしては、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィン、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。含フッ素モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
テトラフルオロエチレンと含フッ素モノマーとの共重合体において、含フッ素モノマー単位の割合は、テトラフルオロエチレン単位100質量部に対して、10質量部以下が好ましい。
樹脂(C)としては、結晶の一次核として作用する核剤の効果がより得られやすくなることから、樹脂(C)100質量%中、被変性部分(TFE系樹脂)を10質量%以上含有するものが好ましく、30質量%以上含有するものがより好ましく、50質量%以上含有するものが更に好ましい。また、樹脂組成物中における樹脂(C)の分散性を確保する観点から、樹脂(C)としては、樹脂(C)100質量%中、被変性部分(TFE系樹脂)を90質量%以下含有するものが好ましい。
アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)を構成する変性部分(アクリル樹脂成分)は、フッ化ビニリデン系樹脂(F)への分散性向上の効果を発揮するアクリル樹脂成分であれば如何なるものでもよい。このアクリル樹脂成分は、その組成、分子量、粒子径、合成方法等は特に制限されず、単量体を重合して得られる重合体であればよい。また、このアクリル樹脂成分は、フッ化ビニリデン系樹脂(F)への分散性向上の効果に加えて、任意の性能を向上させる効果を付与するものでもよい。
かかるアクリル樹脂成分は、積層成形品の透明性を確保する観点から、例えば、フッ化ビニリデン系樹脂(F)に相溶する単量体の重合体が好ましい。樹脂(F)に相溶する単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等が挙げられる。これらの単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。またかかるアクリル樹脂成分としては、乳化重合の容易性、フッ化ビニリデン系樹脂(F)との相溶性の観点から、メチル(メタ)アクリレート単独の重合体、又は、メチル(メタ)アクリレート単位を主成分(共重合体100質量%中に50質量%以上)とする共重合体が好ましい。
樹脂(C)を構成する変性部分(アクリル樹脂成分)のMwは、10万以上2000万以下が好ましく、100万以上1500万以下がより好ましい。このMwが10万以上であると、樹脂(C)が充分に高いガラス転移温度を有し、得られる粉体の粉体取扱性がより良好となる。また、変性部分のMwが2000万以下であると、樹脂(C)はフッ化ビニリデン系樹脂(F)への分散性に優れ、得られる積層成形品は表面外観に優れる傾向がある。
アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)は、合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。樹脂(C)を合成する方法としては、公知の方法であればいずれでもよく、例えば、PTFEの水性分散液と、アクリル樹脂の水性分散液と、を用いるラテックスブレンド法が挙げられる。
PTFEの水性分散液としては、フルオンAD−1、フルオンAD−936、フルオンAD−915L、フルオンAD−915E、フルオンAD−939L、フルオンAD−939E(以上、商品名;旭硝子(株)製)、ポリフロンD−1、ポリフロンD−2(以上、商品名;ダイキン工業(株)製)、テフロン(登録商標)30J(商品名、三井・デュポンポリフロン社製)等が挙げられる。これらのPTFEの水性分散液は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂(C)の粒子は、単層構造であってもよく多層構造であってもよい。また、樹脂(C)は、複数の粒子が複合化した構造を有するものであってもよい。樹脂(C)の市販品としては、例えば、メタブレンA−3000、メタブレンA−3700、メタブレンA−3750、メタブレンA−3800(以上、商品名;三菱レイヨン(株)製)が挙げられる。
本発明の樹脂組成物100質量%中、アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)の含有率は、被変性部分であるテトラフルオロエチレン系樹脂の量に換算して、0.01質量%以上、0.50質量%未満であることが好ましい。樹脂組成物100質量%中に樹脂(C)がTFE系樹脂の量に換算して0.01質量%含まれていれば、結晶の核剤としての効果が充分に発揮される。また、樹脂組成物100質量%中の樹脂(C)がTFE系樹脂の量に換算して0.50質量%未満の含有率であれば、成形加工に適した溶融粘度が容易に維持される。結晶の核剤としての効果と成形加工に適した溶融粘度との両立の観点から、樹脂組成物100質量%中の樹脂(C)の含有率は、TFE系樹脂の量に換算して、0.01〜0.30質量%がより好ましく、0.01〜0.20質量%が更に好ましい。
〔配合剤〕
本発明のフィルムは、本発明の趣旨を損なわない範囲で、必要に応じて、樹脂フィルムの分野で用いられる一般的な配合剤を含有することができる。この配合剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、防カビ剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、艶消し剤が挙げられる。
本発明のフィルムは、本発明の趣旨を損なわない範囲で、必要に応じて、樹脂フィルムの分野で用いられる一般的な配合剤を含有することができる。この配合剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、防カビ剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、艶消し剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、硫黄系、リン系の酸化防止剤が挙げられる。熱安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、硫黄系、ヒドラジン系の熱安定剤が挙げられる。可塑剤としては、フッ化ビニリデン系樹脂(F)を構成する樹脂の種類にもよるが、例えば、フタル酸エステル系、リン酸エステル系、脂肪酸エステル系、脂肪族二塩基酸エステル系、オキシ安息香酸エステル系、エポキシ系、ポリエステル系の可塑剤が挙げられる。
滑剤としては、例えば、脂肪酸エステル系、脂肪酸系、金属石鹸系、脂肪酸アミド系、高級アルコール系、パラフィン系の滑剤が挙げられる。帯電防止剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両イオン系の帯電防止剤が挙げられる。難燃剤としては、例えば、臭素系、リン系、塩素系、窒素系、アルミニウム系、アンチモン系、マグネシウム系、ホウ素系、ジルコニウム系の難燃剤が挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、滑石、蝋石、カオリンが挙げられる。
〔共重合体(P)〕
加工助剤としては、アンチブロッキング性付与の点から、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(以下、「共重合体(P)」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。共重合体(P)は、メタクリル酸メチル単位を10〜95質量%、好ましくは20〜90質量%、更に好ましくは30〜85質量%含有し、「他のビニル単量体単位」を5〜90質量%、好ましくは10〜80質量%、更に好ましくは15〜70質量%含有するものである。共重合体(P)のメタクリル酸メチル単位の含有率が10質量%以上であれば、本発明の樹脂組成物の溶融及び混練の効率を高めることができ、外観が良好な成形体を得ることができる。また、該含有率が95質量%以下であれば、共重合体(P)の粉体としての回収が容易となる。
加工助剤としては、アンチブロッキング性付与の点から、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(以下、「共重合体(P)」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。共重合体(P)は、メタクリル酸メチル単位を10〜95質量%、好ましくは20〜90質量%、更に好ましくは30〜85質量%含有し、「他のビニル単量体単位」を5〜90質量%、好ましくは10〜80質量%、更に好ましくは15〜70質量%含有するものである。共重合体(P)のメタクリル酸メチル単位の含有率が10質量%以上であれば、本発明の樹脂組成物の溶融及び混練の効率を高めることができ、外観が良好な成形体を得ることができる。また、該含有率が95質量%以下であれば、共重合体(P)の粉体としての回収が容易となる。
前記「他のビニル単量体単位」の由来源となる、「他のビニル単量体」としては、例えば、メタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体が挙げられる。これらの中でも、メタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アルキル基の炭素数が2〜6のメタクリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸アルキルエステルがより好ましい。アルキル基の炭素数が2〜6のメタクリル酸アルキルエステル及び、アルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸アルキルエステルを用いれば、乳化重合法によって共重合体(P)を製造する際の重合が容易となる。
共重合体(P)を製造する方法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合が挙げられるが、好ましくは乳化重合である。重合の際の単量体の添加方法としては、一括添加、滴下、単量体の分割添加等いずれの方法も用いてもよい。重合開始剤としては、公知のものを用いることができる。共重合体(P)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれでもよい。
共重合体(P)を粉体状で回収する方法としては、例えば、乳化重合法で製造したラテックスを、酸又は塩により凝固又は析出させる方法、噴霧乾燥する方法、凍結凝固する方法が挙げられる。本発明において「粉体回収性がよい」とは、共重合体(P)が一般的な粉体化条件において粗粉や極微粉とならず、粉体回収が容易であることを意味する。
共重合体(P)の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ−(GPC)により測定したMwが20万〜1000万が好ましく、20万〜700万がより好ましく、20万〜600万が更に好ましい。Mwを20万以上とすることで、フィルムは充分なアンチブロッキング性を有し、取扱い性が良好となる。また、Mwを1000万以下とすることで、フィルム製造時における共重合体(P)の溶融が早くなり、共重合体(P)の分散性が向上する。
共重合体(P)のMwの調整は、重合時の連鎖移動剤、開始剤の使用量の調節及び重合温度の調節等の常用の方法を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタンが挙げられる。連鎖移動剤の量としては、共重合体(P)の原料となる単量体の合計100質量部に対して、0〜2質量部が好ましく、0〜1質量部がより好ましく、0〜0.5質量部が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物100質量%中における共重合体(P)の含有率は、0〜20質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、0.5〜15質量%が更に好ましい。共重合体(P)の含有率を0.5質量%以上とすることで、フィルムは充分なアンチブロッキング性を有し、取扱い性が良好となる。また、該含有率を20質量%以下とすることで、成形機内での樹脂組成物の溶融粘度の著しい増加を防ぎ、得られる成形体は良好な外観を有する。
艶消し剤は、フィルムの透明性を損なわない程度に含むことができる。艶消し剤としては、有機及び無機の艶消し剤を使用可能である。これらの配合剤はそれぞれ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<フィルム>
前記樹脂組成物からなる本発明のフッ化ビニリデン系フィルムは、180℃まで昇温した後、自然放冷により25℃まで降温した後のヘーズ値が11以下であることが好ましい。ヘーズ値がこの範囲内であれば、フィルムを高温で加工した後も透明性を保つことができる。また本発明のフィルムは、30℃における貯蔵弾性率が1.0×109Pa以上、1.0×1010Pa以下であることが好ましい。貯蔵弾性率がこの範囲内であれば、フィルムは充分なアンチブロッキング性を有し、取扱い性が良好である。
前記樹脂組成物からなる本発明のフッ化ビニリデン系フィルムは、180℃まで昇温した後、自然放冷により25℃まで降温した後のヘーズ値が11以下であることが好ましい。ヘーズ値がこの範囲内であれば、フィルムを高温で加工した後も透明性を保つことができる。また本発明のフィルムは、30℃における貯蔵弾性率が1.0×109Pa以上、1.0×1010Pa以下であることが好ましい。貯蔵弾性率がこの範囲内であれば、フィルムは充分なアンチブロッキング性を有し、取扱い性が良好である。
<フィルムの製造方法>
本発明のフィルムは、本発明の樹脂組成物を溶融押出しし、得られた溶融押出物を金属ロール、非金属ロール及び金属ベルトから選ばれる少なくとも一つの冷却媒体に接触させて製膜する方法で製造することができる。溶融押出方法としては、Tダイ法、インフレーション法等が挙げられ、これらのうち経済性の観点からTダイ法が好ましい。溶融押出温度は、150〜300℃程度が好ましい。また、押出機としては、例えば、単軸押出機及び二軸押出機が挙げられる。
本発明のフィルムは、本発明の樹脂組成物を溶融押出しし、得られた溶融押出物を金属ロール、非金属ロール及び金属ベルトから選ばれる少なくとも一つの冷却媒体に接触させて製膜する方法で製造することができる。溶融押出方法としては、Tダイ法、インフレーション法等が挙げられ、これらのうち経済性の観点からTダイ法が好ましい。溶融押出温度は、150〜300℃程度が好ましい。また、押出機としては、例えば、単軸押出機及び二軸押出機が挙げられる。
金属ロールとしては、例えば、金属性の鏡面タッチロール、特許第2,808,251号公報又は国際公開第1997/28,950号パンフレットに記載の金属スリーブ(金属製薄膜パイプ)と成型用ロールからなるスリーブタッチ方式で用いられるロールが挙げられる。また、非金属ロールとしては、例えば、シリコンゴム製のタッチロールが挙げられる。更に、金属ベルトとしては、例えば、金属製のエンドレスベルトが挙げられる。
金属ロール、非金属ロール及び金属ベルトから選ばれる複数の冷却媒体で溶融物を狭持することにより製膜する方法を用いる場合は、溶融押出物をバンク(樹脂溜まり)が無い状態で狭持し、圧延されることなく面転写させて製膜することが好ましい。バンクを形成することなく製膜した場合には、冷却過程にある溶融押出物が圧延されることなく面転写されるため、この方法で製膜されたフィルムは加熱収縮率を小さくすることができる。
尚、金属ロール、非金属ロール及び金属ベルトから選ばれる複数の冷却媒体で溶融物を狭持することにより製膜する場合には、これらの冷却媒体の少なくとも一つの表面にエンボス加工、マット加工等の形状加工を施すことによって、フィルムの片面又は両面にこれらの形状を転写させることができる。冷却媒体の表面温度を35℃以上とすることにより、耐熱性の高いフィルムを得ることができる。また、冷却媒体の表面温度を120℃以下とすることにより、透明性が高いフィルムを得ることができる。
<積層フィルム>
本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂層を積層して積層フィルムとすることができる。熱可塑性樹脂層を構成する材料としては、公知の熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば以下のものが挙げられる。ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体);AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体);塩化ビニル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリオレフィン系共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂;6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリスチレン樹脂;セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂;また、これらから選ばれる2種以上の混合物。
本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂層を積層して積層フィルムとすることができる。熱可塑性樹脂層を構成する材料としては、公知の熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば以下のものが挙げられる。ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体);AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体);塩化ビニル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリオレフィン系共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂;6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリスチレン樹脂;セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂;また、これらから選ばれる2種以上の混合物。
熱可塑性樹脂層を構成する材料には、必要に応じて、例えば、一般の以下の配合剤を配合することができる。安定剤、酸化防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、防カビ剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤。
熱可塑性樹脂層の厚さは、必要に応じて適宜きめればよく、通常、1〜500μm程度であることが好ましい。尚、後述する積層成形品の場合において、熱可塑性樹脂層は、フィルムの外観が完全に円滑な上面を呈するように、基材の表面欠陥を吸収する程度の厚さを有することが好ましい。
<積層フィルムの製造方法>
積層フィルムを得る方法としては、フィルムの上に、前記熱可塑性樹脂を含む塗工液を塗布する方法、前記熱可塑性樹脂を熱ラミネーション、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、ホットメルトラミネーションする方法等の公知の方法が挙げられる。また、共押出法や、押出しラミネーションによりフィルムと熱可塑性樹脂層とを積層してもよい。また、ポリオレフィン系樹脂等の熱融着し難い樹脂に対しては、接着剤を介して貼り合わせることも可能である。すなわち、積層フィルムは、前記フィルムに熱可塑性樹脂層が、接着剤を介して積層されているものであってもよい。
積層フィルムを得る方法としては、フィルムの上に、前記熱可塑性樹脂を含む塗工液を塗布する方法、前記熱可塑性樹脂を熱ラミネーション、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、ホットメルトラミネーションする方法等の公知の方法が挙げられる。また、共押出法や、押出しラミネーションによりフィルムと熱可塑性樹脂層とを積層してもよい。また、ポリオレフィン系樹脂等の熱融着し難い樹脂に対しては、接着剤を介して貼り合わせることも可能である。すなわち、積層フィルムは、前記フィルムに熱可塑性樹脂層が、接着剤を介して積層されているものであってもよい。
<積層成形品>
本発明のフィルムは、各種樹脂成形品、木工製品及び金属成形品等の基材の表面に積層することによって、フッ化ビニリデン系樹脂(F)を含む層を表面に有する積層体(積層成形品)を製造することができる。尚、本発明の積層成形品は、基材上に積層フィルムが積層されていればよく、基材と、フィルムとの間に他の層(例えば、後述する印刷層)を有することができる。具体的には、以下の工程を含む製造方法によって、本発明の積層成形品を製造することができる。即ち、フィルムを第1の金型内で真空成形又は圧空成形して予備成形体を製造する工程と、第2の金型内で基材となる樹脂を射出成形してこの予備成形体とこの基材とを一体化する工程とを含む製造方法によって積層成形品を製造することができる。尚、フッ化ビニリデン系樹脂(F)を含む層を表面に有する積層成形品を製造する場合は、成形品の表面にフッ化ビニリデン系樹脂(F)層が配置されるように射出成形が行なわれる。
本発明のフィルムは、各種樹脂成形品、木工製品及び金属成形品等の基材の表面に積層することによって、フッ化ビニリデン系樹脂(F)を含む層を表面に有する積層体(積層成形品)を製造することができる。尚、本発明の積層成形品は、基材上に積層フィルムが積層されていればよく、基材と、フィルムとの間に他の層(例えば、後述する印刷層)を有することができる。具体的には、以下の工程を含む製造方法によって、本発明の積層成形品を製造することができる。即ち、フィルムを第1の金型内で真空成形又は圧空成形して予備成形体を製造する工程と、第2の金型内で基材となる樹脂を射出成形してこの予備成形体とこの基材とを一体化する工程とを含む製造方法によって積層成形品を製造することができる。尚、フッ化ビニリデン系樹脂(F)を含む層を表面に有する積層成形品を製造する場合は、成形品の表面にフッ化ビニリデン系樹脂(F)層が配置されるように射出成形が行なわれる。
基材は、目的とする積層成形品(上述した樹脂成形品、木工製品や金属成形品等)に応じて適宜選択することができ、例えば樹脂成形品を形成する場合、基材として樹脂層(例えば熱可塑性樹脂層)を用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
また、本発明のフィルムは、各種基材に意匠性を付与するために、必要に応じて適当な印刷法により印刷を施して使用することができる。本発明のフィルムと各種基材との間に印刷層を設けることが、印刷層の保護や高級感の付与の点から好ましい。また、基材の色調を生かす用途には、本発明のフィルムをそのまま使用することができる。特に、このように基材の色調を生かす用途には、本発明のフィルムは、ポリ塩化ビニルフィルムやポリエステルフイルムに比べ、透明性、深み感や高級感の点で優れている。
本発明のフィルムは、特に、車輌用部材用の積層成形品、及び建材用の積層成形品に適している。これらの積層成形品の具体例としては、以下のものが挙げられる。インストルメントパネル、コンソールボックス、メーターカバー、ドアロックペゼル、ステアリングホイール、パワーウィンドウスイッチベース、センタークラスター、ダッシュボード等の自動車内装用部材;ウェザーストリップ、バンパー、バンパーガード、サイドマッドガード、ボディーパネル、スポイラー、フロントグリル、ストラットマウント、ホイールキャップ、センターピラー、ドアミラー、センターオーナメント、サイドモール、ドアモール、ウインドモール、窓、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、風防部品等の自動車外装用部材;AV機器、OA機器、家具製品等のフロントパネル、ボタン、エンブレム、表面化粧材等;携帯電話等のハウジング、表示窓、ボタン等;家具用外装材;壁面、天井、床等の建築用内装材;マーキングフィルム、高輝度反射材被覆用フィルム;サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の建築用外装材;窓枠、扉、手すり、敷居、鴨居等の家具類の表面化粧材;各種ディスプレイ、レンズ、ミラー、ゴーグル、窓ガラス等の光学部材;電車、航空機、船舶等の自動車以外の各種乗り物の内外装用部材;瓶、化粧品容器、小物入れ等の各種包装容器、包装材料;景品、小物等の雑貨。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。尚、以下の記載において、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
[製造例1] 共重合体(P)の製造
攪拌機及び環流冷却器付き反応容器にイオン交換水150部を仕込み、メタクリル酸メチル40部、アクリル酸n−ブチル2部、n−オクチルメルカプタン0.004部を加えて、容器内を窒素で置換した。その後、アルケニルコハク酸ジカリウム1.05部を加え、攪拌下で反応容器を50℃まで昇温し、過硫酸カリウム0.12部を仕込み重合反応を開始させた。重合発熱によるピーク温度到達後、内温が70℃となった時点で、メタクリル酸メチル44部、アクリル酸n−ブチル14部からなる単量体混合物を90分かけて滴下し、滴下後に120分保持して重合を完結させた。
得られたラテックスを冷却後、イオン交換水600部、硫酸2部の希硫酸水溶液中に滴下し、凝析させ、スラリー温度を90℃、5分保持後に水洗工程及び乾燥工程を加え、共重合体(P)を粉体として回収した。共重合体(P)のMwは150万であった。
攪拌機及び環流冷却器付き反応容器にイオン交換水150部を仕込み、メタクリル酸メチル40部、アクリル酸n−ブチル2部、n−オクチルメルカプタン0.004部を加えて、容器内を窒素で置換した。その後、アルケニルコハク酸ジカリウム1.05部を加え、攪拌下で反応容器を50℃まで昇温し、過硫酸カリウム0.12部を仕込み重合反応を開始させた。重合発熱によるピーク温度到達後、内温が70℃となった時点で、メタクリル酸メチル44部、アクリル酸n−ブチル14部からなる単量体混合物を90分かけて滴下し、滴下後に120分保持して重合を完結させた。
得られたラテックスを冷却後、イオン交換水600部、硫酸2部の希硫酸水溶液中に滴下し、凝析させ、スラリー温度を90℃、5分保持後に水洗工程及び乾燥工程を加え、共重合体(P)を粉体として回収した。共重合体(P)のMwは150万であった。
[実施例1]
1.フィルム原料(ペレット)の製造
フッ化ビニリデン系樹脂(F)としてアルケマ(株)製、商品名「Kynar720」75部、アクリル系樹脂(A)として三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリペットVH−001」25部、アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)として三菱レイヨン(株)製、商品名「メタブレンA−3750」、酸化防止剤として(株)ADEKA製、商品名「アデカスタブAO−60」を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。樹脂(C)の配合量は、TFE系樹脂の量に換算して、樹脂組成物100%に対して0.05%とした。酸化防止剤の配合量は、樹脂組成物100%に対して0.1%とした。得られた混合物を180〜220℃に加熱したベント式2軸押出機(東芝機械(株)製、商品名:TEM−35B)に供給し、混練して、先端のノズルからストランドを押し出して、切断してペレットを得た。
1.フィルム原料(ペレット)の製造
フッ化ビニリデン系樹脂(F)としてアルケマ(株)製、商品名「Kynar720」75部、アクリル系樹脂(A)として三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリペットVH−001」25部、アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)として三菱レイヨン(株)製、商品名「メタブレンA−3750」、酸化防止剤として(株)ADEKA製、商品名「アデカスタブAO−60」を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。樹脂(C)の配合量は、TFE系樹脂の量に換算して、樹脂組成物100%に対して0.05%とした。酸化防止剤の配合量は、樹脂組成物100%に対して0.1%とした。得られた混合物を180〜220℃に加熱したベント式2軸押出機(東芝機械(株)製、商品名:TEM−35B)に供給し、混練して、先端のノズルからストランドを押し出して、切断してペレットを得た。
2.フィルムの製造
このペレットをシリンダー温度200〜230℃の30mmφの単軸押出機に供給し、溶融可塑化した。そして、250℃に加熱したTダイを用いて、80℃の冷却ロール1本の上に押出しを行ない、厚さが100μmのフィルムNo.1を得た。
このペレットをシリンダー温度200〜230℃の30mmφの単軸押出機に供給し、溶融可塑化した。そして、250℃に加熱したTダイを用いて、80℃の冷却ロール1本の上に押出しを行ない、厚さが100μmのフィルムNo.1を得た。
3.積層フィルムの製造
熱プレス法(使用機器:庄司鉄工(株)製、油圧成型機、温度:140℃、圧力:1MPa、時間:10分)により、上記フィルムNo.1と厚さ0.4mmのABS樹脂製シートを貼り合わせて、積層フィルムNo.1を得た。
熱プレス法(使用機器:庄司鉄工(株)製、油圧成型機、温度:140℃、圧力:1MPa、時間:10分)により、上記フィルムNo.1と厚さ0.4mmのABS樹脂製シートを貼り合わせて、積層フィルムNo.1を得た。
4.フィルムの評価
続いて、この上記フィルムNo.1の厚さ、耐薬品性、ヘーズ値及び結晶融解熱、並びに、積層フィルムNo.1の外観を、以下の方法により測定・評価し、それらの結果を表1に示した。
続いて、この上記フィルムNo.1の厚さ、耐薬品性、ヘーズ値及び結晶融解熱、並びに、積層フィルムNo.1の外観を、以下の方法により測定・評価し、それらの結果を表1に示した。
4−1.フィルムの厚さ
フィルムの厚さは、デジマチックインジケータID−F125((株)ミツトヨ製)によって測定した。
フィルムの厚さは、デジマチックインジケータID−F125((株)ミツトヨ製)によって測定した。
4−2.フィルムの耐薬品性
乳酸濃度10%の水溶液をフィルムの上に約0.2mL滴下し、80℃で24時間放置した後、このフィルムの外観の変化を目視で評価し、評価結果を以下の基準で表示した。
○:外観の変化がない。
×:外観の変化(膨潤又は白濁)がある。
乳酸濃度10%の水溶液をフィルムの上に約0.2mL滴下し、80℃で24時間放置した後、このフィルムの外観の変化を目視で評価し、評価結果を以下の基準で表示した。
○:外観の変化がない。
×:外観の変化(膨潤又は白濁)がある。
4−3.フィルムのヘーズ値
フィルムの透明性を、ヘーズ値によって評価した。具体的には、加熱処理を行なっていない初期のフィルムと、180℃に加熱した後、室温(25℃)まで自然放冷したフィルムについて、JIS K7136に規定の方法により、ヘーズ値を測定した。
フィルムの透明性を、ヘーズ値によって評価した。具体的には、加熱処理を行なっていない初期のフィルムと、180℃に加熱した後、室温(25℃)まで自然放冷したフィルムについて、JIS K7136に規定の方法により、ヘーズ値を測定した。
4−4.フィルムの結晶融解熱(DSC測定)
示差走査熱量計((株)パーキンエルマー製、商品名Diamond DSC)を用い、JIS K7121、3.(1)に記載の方法に準拠して昇温スピード10℃/分の条件でフィルムの昇温を行ない、融解ピークの面積より求めた吸熱量を結晶融解熱とした。加熱処理を行なっていない初期のフィルムと、180℃に加熱した後、室温(25℃)まで自然放冷したフィルムについて、この測定を行なった。
示差走査熱量計((株)パーキンエルマー製、商品名Diamond DSC)を用い、JIS K7121、3.(1)に記載の方法に準拠して昇温スピード10℃/分の条件でフィルムの昇温を行ない、融解ピークの面積より求めた吸熱量を結晶融解熱とした。加熱処理を行なっていない初期のフィルムと、180℃に加熱した後、室温(25℃)まで自然放冷したフィルムについて、この測定を行なった。
4−5.フィルムのブロッキング
フィルム製造時におけるフィルムどうしのブロッキングの有無を評価し、評価結果を以下の基準で表示した。
◎:フィルムが全くブロッキングしていない。
○:フィルムが弱くブロッキングしている。
×:フィルムが強くブロッキングしている。
フィルム製造時におけるフィルムどうしのブロッキングの有無を評価し、評価結果を以下の基準で表示した。
◎:フィルムが全くブロッキングしていない。
○:フィルムが弱くブロッキングしている。
×:フィルムが強くブロッキングしている。
4−6.積層フィルムの外観
積層フィルムを、研究開発用圧空真空成形機((株)浅野研究所製、型式FK−0431−1−10)にて180℃まで加熱した後、50℃及び80℃の金型で真空成形し、その外観を目視評価し、評価結果を以下の基準で表示した。
◎:80℃の金型で真空成形した後に白化した部分がない。
○:50℃の金型で真空成形した後に白化した部分がないが、80℃の金型で真空成形した後に白化した部分がある。
×:50℃の金型で真空成形した後に白化した部分がある。
積層フィルムを、研究開発用圧空真空成形機((株)浅野研究所製、型式FK−0431−1−10)にて180℃まで加熱した後、50℃及び80℃の金型で真空成形し、その外観を目視評価し、評価結果を以下の基準で表示した。
◎:80℃の金型で真空成形した後に白化した部分がない。
○:50℃の金型で真空成形した後に白化した部分がないが、80℃の金型で真空成形した後に白化した部分がある。
×:50℃の金型で真空成形した後に白化した部分がある。
[実施例2及び3]
ペレット製造時の「メタブレンA−3750」の配合量を表1に示す量に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムNo.2及びNo.3、並びに積層フィルムNo.2及びNo.3を得た。評価結果を表1に示した。
ペレット製造時の「メタブレンA−3750」の配合量を表1に示す量に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムNo.2及びNo.3、並びに積層フィルムNo.2及びNo.3を得た。評価結果を表1に示した。
[実施例4]
ペレット製造時のフッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)の種類と配合量を表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムNo.4及び積層フィルムNo.4を得た。評価結果を表1に示した。
ペレット製造時のフッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)の種類と配合量を表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムNo.4及び積層フィルムNo.4を得た。評価結果を表1に示した。
[実施例5]
ペレット製造時のフッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)の種類と配合量を表1に示す条件に変更し、製造例1で得られた共重合体(P)の配合量を2%としたこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムNo.5及び積層フィルムNo.5を得た。評価結果を表1に示した。
ペレット製造時のフッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)の種類と配合量を表1に示す条件に変更し、製造例1で得られた共重合体(P)の配合量を2%としたこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムNo.5及び積層フィルムNo.5を得た。評価結果を表1に示した。
[比較例1]
ペレット製造時の「メタブレンA−3750」の配合量を0%としたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムNo.6及び積層フィルムNo.6を得た。評価結果を表1に示した。
ペレット製造時の「メタブレンA−3750」の配合量を0%としたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムNo.6及び積層フィルムNo.6を得た。評価結果を表1に示した。
[比較例2]
ペレット製造時の「アクリペットVH−001」の配合量を0%としたこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムNo.7及び積層フィルムNo.7を得た。評価結果を表1に示した。
ペレット製造時の「アクリペットVH−001」の配合量を0%としたこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムNo.7及び積層フィルムNo.7を得た。評価結果を表1に示した。
[比較例3]
ペレット製造時の「アクリペットVH−001」の配合量を0%としたこと以外は、比較例1と同様にしてフィルムNo.8及び積層フィルムNo.8を得た。評価結果を表1に示した。
ペレット製造時の「アクリペットVH−001」の配合量を0%としたこと以外は、比較例1と同様にしてフィルムNo.8及び積層フィルムNo.8を得た。評価結果を表1に示した。
[比較例4]
ペレット製造時の「メタブレンA−3750」を、市販の未変性PTFE微粒子「ルブロンL−2」(商品名、ダイキン工業(株)製)に変更したこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムNo.9及び積層フィルムNo.9を得た。評価結果を表1に示した。
ペレット製造時の「メタブレンA−3750」を、市販の未変性PTFE微粒子「ルブロンL−2」(商品名、ダイキン工業(株)製)に変更したこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムNo.9及び積層フィルムNo.9を得た。評価結果を表1に示した。
[比較例5]
ペレット製造時のフッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)の種類と配合量を表1に示す内容に変更したこと以外は、比較例1と同様にしてフィルムNo.10及び積層フィルムNo.10を得た。評価結果を表1に示した。
ペレット製造時のフッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)の種類と配合量を表1に示す内容に変更したこと以外は、比較例1と同様にしてフィルムNo.10及び積層フィルムNo.10を得た。評価結果を表1に示した。
[比較例6]
ペレット製造時のフッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)の種類と配合量を表1に示す条件に変更し、製造例1で得られた共重合体(P)の配合量を2%としたこと以外は、比較例1と同様にしてフィルムNo.11及び積層フィルムNo.11を得た。評価結果を表1に示した。
ペレット製造時のフッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)の種類と配合量を表1に示す条件に変更し、製造例1で得られた共重合体(P)の配合量を2%としたこと以外は、比較例1と同様にしてフィルムNo.11及び積層フィルムNo.11を得た。評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、樹脂(C)を含まない比較例1に対して、樹脂(C)としてメタブレンA3750を含む実施例1〜3においては、180℃加熱後に徐冷したフィルムのヘーズが低減し、積層フィルムの外観も良好であった。樹脂(C)を含まない比較例5に対して、樹脂(C)としてメタブレンA3750を含む実施例4においては、フィルムのアンチブロッキング性が良好であった。
加工助剤として共重合体(P)を含むが、樹脂(C)を含まない比較例6に対して、樹脂(C)としてメタブレンA3750を含む実施例5においては、フィルムのアンチブロッキング性が良好であった。樹脂(C)としてメタブレンA3750を含むが樹脂(A)を含まない比較例2や、樹脂(C)と樹脂(A)を含まない比較例3に対して、樹脂(C)と樹脂(A)を含む実施例2においては、初期のフィルムと180℃加熱後に徐冷したフィルムのヘーズが低減し、積層フィルムの外観も良好であった。
樹脂(C)としてルブロンL−2を配合した比較例4に対して、樹脂(C)としてメタブレンA3750を含む実施例1〜3においては、初期のフィルムと180℃加熱後に徐冷したフィルムのヘーズが低減し、積層フィルムの外観も良好であった。
Claims (7)
- フッ化ビニリデン系樹脂(F)とアクリル系樹脂(A)とアクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)を含む樹脂組成物からなるフッ化ビニリデン系フィルム。
- 前記樹脂組成物100質量%中における前記アクリル変性テトラフルオロエチレン系樹脂(C)の含有率が、テトラフルオロエチレン系樹脂の量に換算して、0.01〜0.50質量%である、請求項1に記載のフッ化ビニリデン系フィルム。
- 前記樹脂組成物中におけるフッ化ビニリデン系樹脂(F)/アクリル系樹脂(A)の質量比が60〜80/40〜20である、請求項1又は2に記載のフッ化ビニリデン系フィルム。
- 180℃まで昇温した後、自然放冷により25℃まで降温した後のヘーズ値が11以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフッ化ビニリデン系フィルム。
- 30℃における貯蔵弾性率が1.0×109Pa以上、1.0×1010Pa以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフッ化ビニリデン系フィルム。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフッ化ビニリデン系フィルムと、熱可塑性樹脂層が積層された積層フィルム。
- 請求項6に記載の積層フィルムが基材に積層された積層成形品。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016097728 | 2016-05-16 | ||
JP2016097728 | 2016-05-16 |
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