JP6785096B2 - 吐出器用容器体 - Google Patents
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Description
さらに、シール部材は、吐出器の装着部材と係合することで外気導入孔を通して外容器の外部と剥離空間とを連通させる開位置に向けて移動可能に配設されているため、内容器への内容物の充填後に吐出器を吐出器用容器体に装着する際に、シール部材を開位置に向けて移動させることができる。これにより、吐出器用容器体に吐出器を装着した状態では、吐出器用容器体の内圧の変動を抑えて、液だれの発生などを抑制することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る吐出器用容器体を備えた吐出容器について、図1から図5を参照して説明する。
図1に示すように、吐出容器1は、内容物を収容する吐出器用容器体20と、吐出器用容器体20に装着される吐出器2と、を備える。
なお、吐出容器1の各構成部材は、特に記載がなければ合成樹脂を材料として射出成形や押出ブロー成形などにより形成されている。
図3に示すように、吐出器2は、内容物を吸い上げる縦供給筒部10と、内側が縦供給筒部10の内部に連通する射出筒部11と、吐出器用容器体20内の内容物を吐出する吐出孔4が形成されたノズル部材3と、吐出器用容器体20の後述する外容器22に装着される装着部材14と、を有する。
装着部材14は有頂筒状に形成されており、その周壁の内面には雌ネジ部14aが形成されている。図3、図4(a)に示すように、装着部材14の周壁の下端開口縁には、下方に向かうに従い漸次径方向外側に向かう面取り部14bが形成されている。
シリンダ53は、第1貫通孔66および第2貫通孔67を通じて縦供給筒部内10に連通する。トリガー部51とピストン52とは、連結軸86により互いに連結されている。ピストン52は、シリンダ53内に摺動自在に嵌合され、トリガー部51に連動して移動し、シリンダ53の貯留室53a内の内容物を縦供給筒部10内に供給する。
図2に示すように、吐出器用容器体20は、内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器21と、内容器21が内部に収容された外容器22と、を備える。
吐出器用容器体20は、内容器21が外容器22の内面に部分的に固着された二重容器である。吐出器用容器体20は、例えば、共押出し成形した二層構造のパリソンをブロー成形することにより成形され、外容器22は例えばポリエチレン樹脂製等とされるとともに、内容器21は例えばポリエチレン樹脂に対して相溶性のないポリアミド系の合成樹脂製等とされている。
保持リブ28は、径方向に沿って延びるように形成されている。保持リブ28は、陥没凹部から下方に向かって突出するように形成され、そのリブ高さは陥没凹部内に収まる程度とされている。これにより、接地部を介して吐出容器1を載置する際、保持リブ28が邪魔にならず、吐出容器1を安定して自立させることが可能である。
また、剥離空間20cは容器軸Oを径方向に挟んだ両側に一対配設されている。より詳しくは、一対の剥離空間20cは、横断面視で略長方形状に形成された胴部20dの短手方向Mで互いに対向する位置に配設されている。また、図1および図2に示すように、剥離空間20cは、上下方向に延びる帯状に形成されている。剥離空間20cにおける上部の周長より、下部の周長が長くなっている。剥離空間20cは、胴部20dの上下方向における全長にわたって形成されている。
吐出器用容器体20は、外容器22の外部と剥離空間20cとの外気導入孔22bを通した連通を遮断させるシール部材23をさらに備えている。シール部材23は、外気導入孔22bに取り付けられている。シール部材23は、後述するように吐出器2の装着部材14と係合することで、外気導入孔22bを通して外容器22の外部と剥離空間20cとを連通させる開位置に向けて移動可能に配設されている。
軸部23bは、外気導入孔22bに挿通されている。軸部23bの外径は、外気導入孔22bの内径よりも小さい。軸部23bの長さは、外容器22の口部22aにおける厚みよりも大きい。これにより、軸部23bの先端部は外容器22の口部22aから径方向外側に向けて突出している。
径方向において、軸部23bの中央部には、外側に向かうに従い漸次拡径する略円錐台状の突出部23cが形成されている。突出部23cの先端部における外径は、外気導入孔22bの内径よりも大きい(図4(b)参照)。この突出部23cは弾性変形可能に形成されており、図4(a)に示す状態では、突出部23cの外径が小さくなる方向に弾性変形している。突出部23cの弾性変形に伴う復元力が作用することにより、シール部材23の外気導入孔22b内における姿勢が安定し、シール部材23が外気導入孔22bに対して傾いたり、軸の位置がずれたりするのが抑止されている。
このスリットと、軸部23bと外気導入孔22bとの間の隙間と、シール本体部23aと外容器22との間の隙間と、により、図4(a)に示す空気の流通路S1が形成されている。この流通路S1により、外部の空間と剥離空間20cとが連通している。
次に、上述のように構成された吐出器用容器体20の作用について説明する。
そこで本実施形態の吐出器用容器体20は、以下のように内容器21の内圧の変動を抑制する。
なお、内容物を吐出した際、外気が、装着部材14の上方に位置するシリンダ53の外周側、および装着部材14の内側をこの順に通過して吐出器用容器体20内に流入する。
同様に、例えば著しい気圧変動が生じる環境下で吐出容器1が使用された場合にも、剥離空間20cの体積が増大若しくは減少することで、雰囲気の圧力の変動に伴う液だれや外容器22の変形を抑制することができる。
さらに、シール部材23は吐出器2の装着部材14と係合することで、外気導入孔22bを通して外容器22の外部と剥離空間20cとを連通させる開位置に向けて移動可能に配設されているため、内容器21への内容物の充填後に吐出器2を吐出器用容器体20に装着する際にシール部材23が開位置に移動し、液だれの発生などを抑制可能な状態に復元することができる。
また、一対の剥離空間20cが、横断面視において略長方形状に形成された吐出器用容器体20の短手方向Mで対向して配置されていることにより、短手方向Mに変形しやすい外容器22の変形をより確実に抑えることができる。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、シール部材の形状およびシール部材を動作させるための各部材の形状が異なる。
嵌合筒部25bは、内容器21の口部21a内に嵌合されている。内側周壁25cの下端部は、外気導入孔22bよりも上側に位置している。内側周壁25cの内周面には、径方向内側に向けて突出し、外容器22の被嵌合部22dにアンダーカット嵌合する嵌合部25gが形成されている。外側周壁25dの上端部は外気導入孔22bより上側に位置しており、外側周壁25dの下端部は外気導入孔22bより下側に位置している。外側周壁25dの外周面には、装着部材14の雌ネジ部14aと螺合する雄ネジ部25eが形成されている。外側周壁25dの内周面には、上下方向に延びる縦溝25fが形成されている。縦溝25fは上下方向において、外側周壁25dの中央部から下端にかけて形成されており、その上端部は外気導入孔22bの中心軸と同等の位置に位置している。
上側閉塞部26aは、上側に向かうに従い漸次径方向外側に向かって延びており、その上端部は口元部材25の縦溝25f内に位置しており、その下端部は縦溝25f外に位置している。下側閉塞部26bは、上側閉塞部26aの下端部から下側に向かうに従い漸次径方向内側に向けて延びている。下側閉塞部26bは、全体として径方向外側に向けて凸に湾曲する板状に形成されている。下側閉塞部26bの下端部は、外容器22の口部22aに気密に接触している。縦リブ26cの下端部は、外容器22の口部22aの下端部から径方向外側に向けて延在する環状の肩部22eに当接若しくは近接している。横リブ26dの径方向外側の端部は、装着部材14の周壁に当接若しくは近接しており、装着部材14の係止部14cより上側に位置している。これにより、装着部材14の係止部14cはシール部材26に係止されている。横リブ26dの径方向外側の端部には、上下方向に延びる通気溝26eが形成されている。
なお、本実施形態におけるシール部材26も第1実施形態におけるシール部材23と同様に、後述するように吐出器2の装着部材14と係合することで、外気導入孔22bを通して外容器22の外部と剥離空間20cとを連通させる開位置に向けて移動可能に配設されている。
さらに、再び装着部材14が装着される場合には、シール部材26が装着部材14と係合することで流通路S2を開放する開位置へと復元変位することにより、再び流通路S2が確保され、内容器21の変形に伴って剥離空間20c内の空気が給排可能な状態となる。
また、前記実施形態では、一対の剥離空間20cが容器軸Oを短手方向Mで挟むように配設されていたが、これに限られず、容器軸Oを長手方向で挟むように配設されていてもよい。あるいは、剥離空間20cは1つだけ配設されていてもよく、周方向に間隔をあけて3つ以上配設されていてもよい。
Claims (2)
- 内容物が収容されるとともに可撓性に富む内容器と、
前記内容器が内部に収容された外容器と、を備え、
前記外容器に装着される装着部材および前記内容器の内容物を吐出する吐出孔を有する吐出器が装着される吐出器用容器体であって、
前記内容器の外周面と前記外容器の内周面との間には、互いが固着された固着部と、互いが剥離した剥離空間と、が配設され、
前記外容器には、前記剥離空間に向けて開口する外気導入孔が形成され、
前記外容器の外部と前記剥離空間との前記外気導入孔を通した連通を遮断させるシール部材を備え、
前記シール部材は、前記外気導入孔を前記外容器の内側から覆うシール本体部と、前記シール本体部から径方向外側に向けて延び、前記外気導入孔に挿通された軸部と、を有し、
前記シール部材は、前記軸部が前記吐出器の前記装着部材と係合することで、前記外気導入孔を通して前記外容器の外部と前記剥離空間とを連通させる開位置に向けて移動可能に配設されていることを特徴とする、吐出器用容器体。 - 前記内容器の外周面と前記外容器の内周面との間には容器軸方向に延びる複数の前記固着部が配設され、
前記剥離空間が、複数の前記固着部に周方向に挟まれていることを特徴とする、請求項1に記載の吐出器用容器体。
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