JP4966723B2 - 吐出ポンプ - Google Patents
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Description
この種の吐出ポンプは、容器本体の口部に取り付けた状態でポンプヘッドを押し下げて液用シリンダ内の液体および空気用シリンダ内の空気を圧縮することにより、これらの液体および空気を、気液混合室に移送して合流させ発泡部材のメッシュ体を通過させて発泡させた後に、ポンプヘッドの内部に形成された導入路を通過させてノズル孔から吐出できるようになっている。
この発明では、ポンプヘッドを押し下げる前の待機状態で導入路における連通孔の開口部の内周面に嵌合し、かつポンプヘッドを内筒部材に対して押し下げたときに導入路における連通孔の開口部から外れてこの導入路内に進出する閉塞板が設けられているので、前述の待機状態では、メッシュ体を有する発泡部材を、内筒部材の内側に密封して外気にさらされるのを防ぐことが可能になる。したがって、ポンプヘッドを押し下げて液体を吐出したときに、発泡部材のメッシュ体に液体が付着していても、この液体が前述の待機状態の間に固化してメッシュ体の網目が閉塞されるのを抑制することが可能になり、容器本体内の液体を使用する過程で、液体を発泡させ難くなるのを防ぐことができる。
また、前記閉塞板が設けられているので、ポンプヘッドを押し下げて液体を吐出したときに、導入路内に液体が残存していても、この液体のうち少なくとも内筒部材と閉塞板との間に位置する液体は、前述の押し下げを解除したときに、内筒部材とともに連通孔内に戻されることになり、導入路内に残存する液体の量を低減することができる。
この場合、ポンプヘッドを内筒部材に対して押し下げたとき、およびこの押し下げを解除したときに、導入路内を上下方向に移動させられる蓋板が設けられているので、ポンプヘッドを押し下げて液体を吐出したときに、導入路内に液体が残存していても、前述の押し下げを解除したときに、この液体が蓋板と導入路の内面との間に挟まれてノズル孔から排出されることになり、導入路内に液体が残存するのを抑制することができる。
この場合、内筒部材の上端開口縁と閉塞板との間の上下方向における隙間が、導入路内の他端側から一端側に向かうに従い漸次大きくなっているので、ノズル孔から液体を吐出する際に、内筒部材の内側から導入路へ十分な量の液体をスムーズに流入させることが可能になり、閉塞板を設けたことによってノズル孔からの液体の吐出量が少なくなるのを防ぐことができる。
この場合、第2弾性部材が、第1弾性部材よりも上方付勢力が大きくなっているので、ポンプヘッドを押し下げたときに、まず、第1弾性部材を上下方向に圧縮変形させて内筒部材の内側と導入路内とを、閉塞板と内筒部材の上端開口縁との間の前記隙間を介して連通させ、その後に、第2弾性部材を上下方向に圧縮変形させて液用シリンダ内の液体を圧縮し、この液体を内筒部材の内側を通して導入路に移送することが可能になり、吐出ポンプを無理なくスムーズに動作させることができる。
ここで、ポンプヘッド15は、外筒15aと、この外筒15aの内側に配置された内筒15bと、上下方向に交差する方向に沿って延在し、外筒15aおよび内筒15bそれぞれの上端開口部を閉塞する吐出筒15cと、を備え、これら15a〜15cが一体に形成された概略構成となっている。そして、内筒15bの内側が前述の連通孔21となっている。
吐出筒15cは、その一端部が外筒15aよりも径方向外方に突出して設けられている。また、この吐出筒15cは、一端が外部に向けて開口し他端が閉塞した筒状体となっており、このうち一端の開口部が前記ノズル孔13とされるとともに、この吐出筒15cの内部が前記導入路14となっている。
発泡部材19は、筒状のケーシング19aと、ケーシング19a内に装着された2つの発泡エレメント19bとを備えている。ケーシング19aは上側が大径部19c、下側が小径部19dになっていて、大径部19cは内筒部材23の内側に挿入固定され、小径部19dはステム22の上端部22aの内側に挿入されている。小径部19dの外周面にはその下端から上方に延びて大径部19cの底部外表面に至りさらにその径方向外方に向けて延在して開口した複数の溝bが形成されている。
また、ステム22は、ポンプヘッド15および内筒部材23それぞれの下端開口面から下方に突出している。ここで、内筒部材23における小径部23aの内周面において、ステム22の上端部22aが嵌合された部分には、上下方向に延在し、かつ下方に開口した複数の縦溝aが形成されている。これらの縦溝aは、ステム22の上端開口縁を跨いで、発泡部材19のケーシング19aに形成された複数の溝bに連通している。
ここで、ステム22の内周面において、液用ピストン11と発泡部材19との間に位置する部分に、径方向内方に向けて円環状の弁座22bが突設されており、この弁座22bに着座および離反可能に球状の液吐出弁22dが設けられている。そして、ステム22の内部において、発泡部材19の小径部19dの下端と、弁座22bの上面との間の空間が前記気液混合室18となっている。
この縦溝c、内筒部材23の小径部23aに形成された前記縦溝a、発泡部材19のケーシング19aに形成された前記溝b、および前記隙間Xによって、空気用シリンダ17と気液混合室18とを連通する空気通路34が構成されている。
また、空気用ピストン16の外筒16aの下端部を構成する大径部16dが、空気用シリンダ17の内周面に気密状態で上下摺動可能に嵌合されている。
なお、液用シリンダ12の下端外表面には接続筒12aが垂設されている。
なお、ポンプヘッド15と内筒部材23との間には、ポンプヘッド15が内筒部材23から抜けるのを防止する抜け止め防止手段41と、ポンプヘッド15が内筒部材23に対して前記中心軸線O回りの回転するのを防止する回転防止手段42と、が備えられている。
図示の例では、抜け止め防止手段41は、内筒部材23の外周面に形成された第1突部と、ポンプヘッド15の連通孔21の内周面に上下方向に互いに間隔をあけて形成された2つの第2突部と、により構成され、ポンプヘッド15の押し下げおよびその解除に伴って、第1突部が連通孔21の内周面において前記2つの第2突部同士の間に位置する部分を上下方向に摺動させられるようになっている。
また、回転防止手段42は、ポンプヘッド15の内周面に、上下方向に沿って延在しかつその下端が下方に向けて開口する縦溝と、内筒部材23の下部外周面に形成された第3突部と、により構成され、ポンプヘッド15の押し下げおよびその解除に伴って、第3突部が縦溝内を上下方向に摺動させられるようになっている。
さらにこの際、液用ピストン11の下方への移動に伴い、下部弁体25も下方に移動させられ、この下部弁体25が液用シリンダ12の下端開口部に着座して閉塞する。
なお、ポンプヘッド15は、突状部22cの下面が、空気用シリンダ17内の底面において液用シリンダ12の開口周縁部に当接するまで押し下げられる。
また、閉塞板35aが設けられているので、ポンプヘッド15を押し下げて液体を吐出したときに、導入路14内に液体が残存していても、この液体のうち少なくとも内筒部材23と閉塞板35aとの間に位置する液体は、前述の押し下げを解除したときに、内筒部材23とともに連通孔21内に戻されることになり、導入路14内に残存する液体の量を低減することができる。
例えば、前記実施形態では、第1コイルスプリング24の上方付勢力を第2コイルスプリング32よりも小さくしたが、これに代えて例えば、第2コイルスプリング32の上方付勢力を第1コイルスプリング24よりも小さくしてもよいし、両コイルスプリング24、32の上方付勢力を同等にしてもよい。
さらに、ステム22および内筒部材23をそれぞれ別体とした構成を示したが、これらのステム22および内筒部材23を一体に形成してもよい。
この場合、蓋板35は、ポンプヘッド15を内筒部材23に対して押し下げたとき、およびこの押し下げを解除したときに、導入路14内を上下方向に移動させられるようになるので、ポンプヘッド15を押し下げて液体を吐出したときに、導入路14内に液体が残存していても、前述の押し下げを解除したときに、この液体が蓋板35と導入路14の内面との間に挟まれてノズル孔13から排出されることになり、導入路14内に液体が残存するのを抑制することができる。
11 液用ピストン
12 液用シリンダ
13 ノズル孔
14 導入路
15 ポンプヘッド
16 空気用ピストン
17 空気用シリンダ
18 気液混合室
19 発泡部材
19e メッシュ体
21 連通孔
23 内筒部材
23c 上端開口縁
24 第1コイルスプリング(第1弾性部材)
25 下部弁体(弁体)
32 第2コイルスプリング(第2弾性部材)
35 蓋板
35a 閉塞板
Claims (4)
- 内部を液用ピストンが上下方向に摺動する液用シリンダと、
内部を空気用ピストンが上下方向に摺動する空気用シリンダと、
前記液用ピストンおよび空気用ピストンに連係しこれらのピストンを駆動させるとともに、ノズル孔に連通した導入路を有するポンプヘッドと、
前記液用シリンダからの液体と空気用シリンダからの空気とが合流する気液混合室と、
前記導入路と気液混合室との間に設置された発泡部材と、が備えられ、
容器本体の口部に取り付けた状態で前記ポンプヘッドを押し下げて液用シリンダ内の液体および空気用シリンダ内の空気を圧縮することにより、これらの液体および空気を、気液混合室に移送して合流させ発泡部材のメッシュ体を通過させて発泡させた後に、前記導入路を通過させて前記ノズル孔から吐出する吐出ポンプであって、
前記導入路は、上下方向に交差する方向に沿って延在し、その一端に形成された開口部が前記ノズル孔とされ、
前記ポンプヘッド内には、上下方向に延在しかつ前記導入路に連通する連通孔が形成されるとともに、この連通孔内には、上下方向に摺動する内筒部材が設けられ、この内筒部材の内側に前記発泡部材が設置され、前記ポンプヘッドと内筒部材との間に、ポンプヘッドを内筒部材に対して上方に付勢する第1弾性部材が設けられ、
前記内筒部材の上端開口縁には、この上端開口縁において少なくとも前記導入路の延在する方向における一端側の端部との間に上下方向の隙間を設けた状態で、閉塞板が連結されるとともに、この閉塞板の外径は、前記導入路における連通孔の開口部の内径と同等とされ、
前記閉塞板は、前記ポンプヘッドを押し下げる前の待機状態で前記導入路における連通孔の開口部の内周面に嵌合し、かつ前記ポンプヘッドを内筒部材に対して押し下げたときに前記導入路における連通孔の開口部から外れてこの導入路内に進出する構成とされたことを特徴とする吐出ポンプ。 - 請求項1記載の吐出ポンプであって、
前記閉塞板の上面には、前記導入路の延在する方向に沿って延び、かつ前記閉塞板よりも前記導入路内の一端側に突出した蓋板が設けられ、
この蓋板は、前記ポンプヘッドを内筒部材に対して押し下げたとき、およびこの押し下げを解除したときに、前記導入路内を上下方向に移動させられる構成とされたことを特徴とする吐出ポンプ。 - 請求項1または2に記載の吐出ポンプであって、
前記閉塞板は、内筒部材の上端開口縁において前記導入路の延在する方向における他端側の端部に連結されて、前記内筒部材の上端開口縁との間の上下方向における隙間が、前記導入路内の他端側から一端側に向かうに従い漸次大きくなっていることを特徴とする吐出ポンプ。 - 請求項1から3のいずれかに記載の吐出ポンプであって、
前記液用シリンダ内に、このシリンダの下端開口部に着座および離反可能な弁体が設けられるとともに、この弁体と前記液用ピストンとの間に、液用ピストンを上方に付勢する第2弾性部材が設けられ、この第2弾性部材は、前記第1弾性部材よりも上方付勢力が大きいことを特徴とする吐出ポンプ。
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