JP6785040B2 - フライ様食品用塗布剤およびフライ様食品の製造方法 - Google Patents

フライ様食品用塗布剤およびフライ様食品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フライ様食品用塗布剤およびフライ様食品の製造方法に関する。
従来、ドーナツ類は、フライ油を用いて加熱調理されている。これらフライした食品は独得の食感や風味が好まれている。
しかしながら、フライした食品においては、近年の健康志向から、製品中に含まれるフライ油の吸油量、油っぽさ、ベタツキを嫌う消費者が増えている。例えば、フライ油が表面に残存していると油っぽく、製品が冷めるにつれて徐々にべたべたした食感に変化してしまう。また、これらの生地をフライする作業においては、煩雑さ、危険性、油の酸化などの問題点があることから、その改善を図る技術として、フライすることなく加熱処理するだけの簡易な操作でフライしたかのような食品を得る方法が提案されている(特許文献1〜3)。
特許文献1、2には、油脂、パン粉、穀粉、高タンパク物質の混合物を、パン生地やパン類またはケーキ類に付着させ焼成することで、フライ様食品を製造する技術が提案されている。しかし特許文献1、2は、油脂をパン粉、穀粉、高蛋白質の混合物に吸着させ、全卵、牛乳などのバッター液を塗布したパン生地にこれらパン粉を含む混合物を付着させているが、喫食した際にパン粉をふくむ混合物に吸着している油脂分が油っぽさとなる。また、焼成後の製品表面の油脂付着量が不均一となり、食感にばらつきが生じる。
特許文献3は、油っぽい風味を改善し、サクサクした揚げたての食感を長時間持続できるベーカリー製品を提供することを目的として、生地表面に上昇融点40℃以上の油脂、澱粉質含有油脂乳化物を付着させて焼成することが提案されている。
特開昭59−017935号公報 特開昭59−017936号公報 特開2005−006651号公報
しかしながら、体温以上の油脂を直接生地表面に付着させているため、焼成品は口溶けの悪いものとなる。澱粉質含有油脂乳化物に関しては、水中油型または油中水型で水分を含んでいるため、作業時の衛生管理に懸念がある。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、フライした食品のような外観が得られ、かつ食感としてジューシー感、口溶けが良好であるにもかかわらず油っぽさのないフライ様食品用塗布剤およびフライ様食品の製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明のフライ様食品用塗布剤は、食用油脂と、粉末油脂とを含有することを特徴としている。
本発明のフライ様食品の製造方法は、上記のフライ様食品用塗布剤を生地表面に付着させ、焼成することを特徴としている。
本発明によれば、フライした食品のような外観で、かつ食感としてジューシー感、口溶けが良好であるにもかかわらず油っぽさのないフライ様食品が得られる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のフライ様食品用塗布剤は、食用油脂と、粉末油脂とを含有している。本発明のフライ様食品用塗布剤は、食用油脂と、粉末油脂との混合物であり、粉末油脂は食用油脂には溶解せずに分散している形態をとる。
このようにすることで、フライ様食品用塗布剤は、生地表面に均一に付着する。そのため、パン粉などの被覆材料の結着性も向上し、フライした食品と同様の外観、食感、風味を持った焼成品となる。
さらに本発明のフライ様食品用塗布剤は、吸油量が少なく、油っぽさすなわちオイリー感がないにもかかわらず、食感としてジューシー感、口溶けが良好となる。
また、小麦粉や卵を水や牛乳で溶いた通常のバッター液に比べて、無水物であるため衛生的で取り扱いやすい。
本発明のフライ様食品用塗布剤における食用油脂と粉末油脂の配合量は、特に限定されるものではなく、粉末油脂の配合量は、フライ様食品用塗布剤に対して1質量%程度配合することで、生地への付着効果が良くなり、フライ様の外観になる。粉末油脂を多く配合すると作業性が悪く生地に付着しづらくなる場合があることから、食用油脂の配合量が40〜99質量%、粉末油脂の配合量が1〜60質量%であることが好ましい。粉末油脂の配合量は、より好ましくは3〜60質量%である。
本発明のフライ様食品用塗布剤は、25℃における粘度が100〜1100mPa・sであることが好ましく、100〜1000mPa・sであることがより好ましい。この範囲に保つことにより、フライした食品と同様の外観、風味、かつ食感としてジューシー感、口溶けが特に良好となる。この粘度が100mPa・s以上であると、生地への付着量が少なくなり過ぎることがなく、フライした食品と同様の外観、風味、かつ食感としてジューシー感、口溶けが良好となる。この粘度が1100mPa・s以下であると、流動性が良く、生地に付着しやすくなりジューシー感、口溶けが良好な食感が得られる。また、この粘度が上記範囲内であると、パン粉などの被覆材料がフライ様食品用塗布剤に付着しやすくなり、サクサクした食感が得られる。一例としては、これに限定されるものではないが、フライ様食品用塗布剤の付着量が成形品70gに対して1.5〜4.5gになる。
本発明のフライ様食品用塗布剤において、食用油脂は、25℃で液状であることが好ましい。常温(25℃)で食用油脂が液状であることにより、作業性が良く、かつ焼成品の製品表面を均一にコーティングするためフライした食品と同様のジューシーな食感となる。
ここで、常温で液状の食用油脂とは、25℃で流動状を呈するものであり、本発明のフライ様食品用塗布剤は、食用油脂を1種単独で使用してもよく、2種以上の食用油脂を組み合わせて使用してもよい。常温で液状の食用油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、米油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油を分別したパームオレイン、スーパーオレインなどが挙げられる。
本発明のフライ様食品用塗布剤は、常温で液状の食用油脂とともに、常温で固形状のものを配合してもよいが、融点40℃以上の油脂を配合すると口溶けが悪く、常温(25℃)で固化するため作業性が悪くなる。この点を考慮すると、食用油脂に配合する油脂の融点は40℃未満であることが好ましい。
粉末油脂に使用される油脂としては、食用であれば特に限定されるものではないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、大豆油、コーン油、米油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、シア脂、サル脂、カカオ脂、豚脂(ラード)、牛脂、乳脂、それらの分別油またはそれらの加工油(硬化およびエステル交換反応のうち1つ以上の処理がなされたもの)などが挙げられる。これらの油脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のフライ様食品用塗布剤に使用される粉末油脂は、特に限定されるものではなく、従来より粉末油脂として知られているものを使用することができる。具体的には、賦形剤によって油脂を粉末化したものであり、その中でも、乳タンパクを賦形剤に使用したものは好ましい。
以下に、本発明のフライ様食品用塗布剤に使用される粉末油脂の一例について説明する。
粉末油脂は、賦形剤を含む水相に、上記のような油脂を含む油相を添加し、ホモミキサーなどで攪拌後、ホモジナイザーなどで均質化することにより、水中油型乳化物とし、その後、乾燥粉末化して得ることができる。
水中油型乳化物を乾燥粉末化する方法としては、一般的に知られている噴霧乾燥法、真空凍結乾燥法、真空乾燥法などを用いることができる。
賦形剤としては、例えば、乳タンパク、大豆タンパク、小麦タンパク、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、コラーゲン、ゼラチンなどのタンパク、これらタンパクの分解物、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースなどの単糖類、ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロースなどの二糖類、デンプン、デキストリン、オリゴ糖などの多糖類、増粘多糖類、糖アルコールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。賦形剤の乳タンパクとしては、例えば、酸カゼイン、レンネットカゼイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、ホエイタンパク、それらの酵素分解物である乳ペプチド、ミルクプロテインコンセントレート、トータルミルクプロテインなどが挙げられる。
粉末油脂は、必要に応じて、乳化剤を用いることができる。乳化剤は、食品用であれば特に限定されるものではなく、例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウムなどが挙げられる。粉末油脂に乳化剤を配合する場合、通常は、油溶性乳化剤は油相に、水溶性乳化剤は水相に配合する。油相および水相には、酸化防止剤、着色料、フレーバーなどを適宜に配合してもよい。
以下に粉末油脂の製造方法の一例を説明する。
乳化工程では、前記の各原料を乳化機の撹拌槽に投入して撹拌混合した後、圧力式ホモジナイザーで均質化する。
原料の配合比は、特に限定されないが、例えば、油脂と賦形剤の合計量100質量部に対して水50〜200質量部の範囲内にすることができる。
配合手順は、特に限定されないが、例えば、賦形剤を水に室温で分散後、加熱下に攪拌して完全に溶解させた後、ホモミキサーで攪拌しながら、油脂を加熱溶解させたものを滴下して乳化することができる。
得られた乳化液は、圧力式ホモジナイザーに供給することによって油滴サイズが微細化される。例えば、市販の圧力式ホモジナイザーを用いて、10〜250kgf/cm2の程度の圧力をかけて均質化し、油滴サイズを微細化することができる。
次に、均質化した乳化液を高圧ポンプで噴霧乾燥機の入口に供給し、高温熱風を吹き込み、噴霧乾燥機の槽内に上方から噴霧する。噴霧乾燥された粉末は槽内底部に堆積される。噴霧乾燥機としては、例えば、アトマイザー方式やノズル方式で噴霧するスプレードライヤーを用いることができる。
次に、噴霧乾燥された粉末を噴霧乾燥機の槽内から取り出した後、振動流動槽などにより搬送しながら冷風で冷却することによって、粉末油脂を製造することができる。なお、適宜のときに加熱殺菌工程などを設けることもできる。
本発明のフライ様食品用塗布剤は、食用油脂と粉末油脂以外に、他の原材料を配合してもよい。例えば、フライ様食品の食感、風味、外観などを向上させるために、調味料、香辛料、着色料、着香料などを適宜に添加することができる。
調味料としては、例えば、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウムなどのアミノ酸、食塩、粉末醤油、砂糖などが挙げられる。
香辛料としては、例えば、ガーリック、ペッパー、ナツメグ、シナモン、ケシノミ、カルダモン、唐辛子、マスタード、パプリカ、クミン、オールスパイスなどが挙げられる。
着色料は、フライ様食品の外観の色付きを良好なものとするために用いられる。着色料としては、例えば、天然または合成の食用色素の1種または2種以上、重曹などのアルカリ物質、モルト粉末、モルトシロップ、アミノ酸類などが挙げられる。
本発明のフライ様食品用塗布剤は、食用油脂と粉末油脂と、必要に応じて他の原材料を均一に混合することによって得られる。混合は、例えば常温(25℃)付近で行うことができ、生地への塗布時にも、この混合物を例えば常温(25℃)付近で塗布することによって行うことができる。
以上に説明した本発明のフライ様食品用塗布剤を用いて、フライ様食品を製造する際には、本発明のフライ様食品用塗布剤を生地表面に付着させる。生地としては、特に限定されるものではないが、揚げ種をフライして調理する食品の生地が代表的なものとして挙げられる。具体的には、例えば、パン生地またはパイ生地を揚げ調理したドーナツ類、揚げ餃子、唐揚げ、フライドチキン、トンカツ、コロッケ、エビフライなどが挙げられる。
ドーナツ類としては、例えば、ベーキングパウダーなどの膨張剤を用いて生地を膨化させて製造されるケーキドーナツ、イーストで発酵させた生地を用いたイーストドーナツ、例えば、カレーパン、あんドーナツ、クリームドーナツ、ピロシキ、ソーセージパン、揚げパンなどが挙げられる。これらはリング状に成形してフライしたものの他、球状のもの、スティック状のもの、ツイスト状のものや、中に具材を入れたものであってもよい。
本発明のフライ様食品用塗布剤を生地表面に付着させる方法としては、生地表面全体に均一に付着できる方法であれば、特に限定されるものではないが、生地の種類や形状などに応じて、浸漬したり、刷毛などを使用した塗布によって行うことができる。
ドーナツ類の生地を作製する代表的な方法の中種法やストレート法では、発酵工程の後、生地分割、成型、ホイロの各工程を経て、焼成を行うが、ホイロの直前または直後に、本発明のフライ様食品用塗布剤を生地に塗布することが好ましい。
フライした食品のような外観とし、サクサクとした食感を得る点などから、本発明のフライ様食品用塗布剤を生地表面に付着させた後、被覆材として、パン粉、細かく粉砕したクラッカー、パイ生地、シリアル食品、ナッツ類を付着させてもよい。パン粉は、乾燥したパンなどを細かく粉砕した生パン粉、乾燥パン粉などを用いることができる。例えば、バットに広げておいたパン粉の上に移して生地を転がしたり、押し付けたり、パン粉を手でまぶしたりすることにより、生地表面にパン粉を付着させることができる。
本発明のフライ様食品用塗布剤を生地表面に付着させた後、焼成することによってフライ様食品が得られる。焼成は、電気オーブン、ガスオーブンなどのオーブン、グリル、フライパンなどの調理器具を用いて行うことができる。使用する生地の種類や大きさなどによっても異なるが、例えば、オーブンでは200〜250℃、グリルやフライパンでは弱火程度で加熱処理を行うことができる。これにより、衣が食欲を惹起する外観となり、かつ吸油量が少なくオイリー感がないにもかかわらず、食感としてジューシー感、口溶けが良好でフライしたかのような食感となる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表2および表3に示す配合量は質量部を表す。
(1)塗布剤の作製
<粉末油脂の作製>
表1に示す配合で粉末油脂を作製した。油脂を70℃に調温後、乳化剤を添加し、油相を調製した。油相と賦形剤の合計量100質量部に対して100質量部の水を60℃に調温し、賦形剤を添加し水相を調製した。油相を70℃で、水相を60℃で保持し、ホモミキサーで攪拌しながら水相に油相の全量を添加し、水中油型に乳化させた後、ホモジナイザーで150kgf/cmの圧力をかけて均質化し、水中油型乳化物を得た。得られた水中油型乳化物をノズル式スプレードライヤーを用いて、水分1.5質量%を目標に噴霧乾燥し、粉末油脂を得た。
Figure 0006785040
<塗布剤の作製>
実施例1〜7は、表2に示す配合で食用油脂と粉末油脂を常温(25℃)で均一に混合し、塗布剤を得た。比較例1は菜種油を単独で、比較例2は粉末油脂を単独で塗布剤として用いた。比較例3は、パーム硬化油(融点59℃)を加熱溶解したものを塗布剤として用いた。比較例4は、パーム硬化油(融点59℃)を粉末化した固形油脂粉末を塗布剤として用いた。
[塗布剤の粘度]
25℃に調温した塗布剤の粘度を、振動粘度計(AアンドD社製SV−10型)を用いて測定した。実施例および比較例の配合で作製した塗布剤の結果を表2および表3に示す。
[塗布剤の付着量]
塗布剤の付着量を次式より算出した。
(付着量)=(塗布剤を付着後の成形品の質量)−(塗布剤を付着前の成形品の質量)
実施例および比較例の配合で作製した塗布剤の結果を表2および表3に示す。
(2)評価
実施例および比較例の塗布剤について次の評価を行った。
<焼きカレーパンの作製>
実施例および比較例の塗布剤を用いて、下記の配合と工程によりカレーパンを作製した。
実施例1〜7および比較例1の塗布剤は、流動状の塗布剤をバットに広げ25℃の室温で成形品の上部に押し付けて生地表面に付着させた。比較例2、4の塗布剤は、これらの粉末油脂または固形油脂粉末をバットに広げ、成形品上部に押し付けて生地表面に付着させた。比較例3の塗布剤は、加熱溶解したパーム硬化油をバットに広げ、成形品の上部に押し付けて生地表面に付着させた。
なお、焼成後の油脂の染みだし、作業時の液ダレの評価に関しては、実施例1〜7および比較例1、3の塗布剤3gを成形品の上部に刷毛塗りして評価した。比較例2、4に関しては塗布剤3gをバットに広げ成形品の上部に押し付けて評価した。
〈焼きカレーパンの配合および作製工程〉
・中種配合
強力粉 70 質量部
上白糖 3 質量部
イースト 3 質量部
イーストフード 0.1質量部
全卵(正味) 5 質量部
水 34 質量部
・中種工程
ミキシング 低速3分 中低速2分
捏上温度 25℃
発 酵 27℃ 2時間30分
・本捏配合
強力粉 30 質量部
上白糖 14 質量部
食塩 1.7質量部
脱脂粉乳 3 質量部
練り込み用マーガリン 4 質量部
(パンテオンフレッシュ:ミヨシ油脂製)
練り込み用ショートニング 4質量部
(ミヨシショートニングZ:ミヨシ油脂製)
全卵(正味) 6 質量部
水 22 質量部
・本捏工程(本捏配合の全素材および中種生地全量を添加)
ミキシング 低速3分 中低速4分
練り込み用マーガリンと練り込み用ショートニングを投入
低速2分 中低速4分
捏上温度 28℃
フロアタイム 30分
生地分割 40g
ベンチタイム 20分
成型 パン生地40gにカレーフィリング30gを包餡して
成形品とした後
塗布剤を成形品に付着させ
パン粉を付ける。
ホイロ 38℃ 湿度80% 60分
焼成 200℃ 12分
[焼成後の外観]
焼成したカレーパンを25℃に調温した恒温器内に保管し、24時間後の外観を次の基準で評価した。
評価基準
◎:焼成品は油脂感がありフライ様の外観を呈していた。
○:焼成品はやや油脂感がありフライ様の外観を呈していた。
△:焼成品はやや油脂感に乏しくフライ様の外観を呈していなかった。
×:焼成品は油脂感に乏しくフライ製品様の外観をまったく呈していなかった。
[焼成後のパン粉の付着状況]
焼成したカレーパンを25℃に調温した恒温器内に保管し、24時間後のパン粉の付着状況を次の基準で評価した。
評価基準
◎:付着させたパン粉の90%以上が付着していた。
○:付着させたパン粉の70%以上、90%未満が付着していた。
△:付着させたパン粉の50%以上、70%未満が付着していた。
×:付着させたパン粉の50%未満が付着していた。
[焼成後の油脂の染みだし]
焼成したカレーパンを定性ろ紙(15cm)上に置き、25℃に調温した恒温器内に保管して24時間後のろ紙面への油脂の染みだしの状況を次の基準で評価した。
評価基準
◎:ろ紙面への油脂の染みだしはろ紙面積の20%未満であった。
○:ろ紙面への油脂の染みだしはろ紙面積の20%以上、40%未満であった。
△:ろ紙面への油脂の染みだしはろ紙面積の40%以上、60%未満であった。
×:ろ紙面への油脂の染みだしはろ紙面積の60%以上であった。
[成型時の生地表面への付着性]
塗布剤を、パン生地40gにカレーフィリング30gを包餡した成型品に直接付着させ、その後パン粉を付着させた。25℃の室温で成型品に塗布剤を付着させたときの生地表面への付着状況を次の基準で評価した。
評価基準
◎:生地表面に均一に付着している。
○:生地表面にやや不均一に付着している。
△:生地表面に不均一に付着し小さなまだら模様となっている。
×:生地表面に不均一に付着し大きなまだら模様となっている。
[作業時の液ダレ]
25℃の室温で成型品に塗布剤を付着させたのち、定性ろ紙(15cm)に塗布面を上にして静置し、25℃に調温した恒温器内に保管して1時間後のろ紙面への塗布剤の液ダレの状態を次の基準で評価した。
評価基準
◎:ろ紙面への塗布剤の液ダレはろ紙面積の20%未満であった。
○:ろ紙面への塗布剤の液ダレはろ紙面積の20%以上、40%未満であった。
△:ろ紙面への塗布剤の液ダレはろ紙面積の40%以上、60%未満であった。
×:ろ紙面への塗布剤の液ダレはろ紙面積の60%以上であった。
[油っぽさ]
焼成したカレーパンを25℃に調温した恒温器内に保管し、24時間後の油っぽさをパネル10名により試食し次の基準で評価した。
パネルは、五味(甘、酸、塩、苦、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20〜40代の男性4名、女性6名を選抜した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上が油っぽくないと評価した。
○:パネル10名中7〜5名が油っぽくないと評価した。
△:パネル10名中4〜3名が油っぽくないと評価した。
×:パネル10名中2名以下が油っぽくないと評価した。
[口溶け]
焼成したカレーパンを25℃に調温した恒温器内に保管し、24時間後の口溶けをパネル10名により試食し次の基準で評価した。
パネルは、五味(甘、酸、塩、苦、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20〜40代の男性4名、女性6名を選抜した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上が、口溶けが良いと評価した。
○:パネル10名中5〜7名が、口溶けが良いと評価した。
△:パネル10名中3〜4名が、口溶けが良いと評価した。
×:パネル10名中2名以下が、口溶けが良いと評価した。
[ジューシー感]
焼成したカレーパンを25℃に調温した恒温器内に保管し、24時間後のジューシー感をパネル10名により試食し次の基準で評価した。
パネルは、五味(甘、酸、塩、苦、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20〜40代の男性4名、女性6名を選抜した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上がジューシー感ありと評価した。
○:パネル10名中5〜7名がジューシー感ありと評価した。
△:パネル10名中3〜4名がジューシー感ありと評価した。
×:パネル10名中2名以下がジューシー感ありと評価した。
上記評価の結果を表2および表3に示す。
Figure 0006785040
Figure 0006785040

Claims (3)

  1. 焼成によって、フライした食品のような外観と食感を有するフライ様食品を得るために、焼成前の生地表面に液状で塗布されるフライ様食品用塗布剤であって、
    水相を含まない食用油脂と、
    乳化物を粉末化した粉末油脂と
    を含有し、
    前記食用油脂は、25℃で液状または固形状であり、
    前記食用油脂が固形状である場合は、融点が40℃未満であり、
    前記食用油脂の配合量は40〜95質量%、前記粉末油脂の配合量は5〜60質量%である、
    フライ様食品用塗布剤。
  2. 25℃における粘度が100〜1100mPa・sである請求項1に記載のフライ様食品用塗布剤。
  3. 焼成によって、フライした食品のような外観と食感を有するフライ様食品を製造する方法であって、
    請求項1に記載のフライ様食品用塗布剤を、焼成前の生地表面に付着させ、焼成する焼成工程を含み、
    前記フライ様食品用塗布剤の前記食用油脂が25℃で固形状である場合は、前記焼成工程前に、前記食用油脂を加熱溶融して液状化する工程を含む
    フライ様食品の製造方法。
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